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JP4920520B2 - 誘電体磁器、その製造方法及びそれを用いた積層セラミックコンデンサ - Google Patents

誘電体磁器、その製造方法及びそれを用いた積層セラミックコンデンサ Download PDF

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JP4920520B2 JP2007198597A JP2007198597A JP4920520B2 JP 4920520 B2 JP4920520 B2 JP 4920520B2 JP 2007198597 A JP2007198597 A JP 2007198597A JP 2007198597 A JP2007198597 A JP 2007198597A JP 4920520 B2 JP4920520 B2 JP 4920520B2
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Description

本発明は、BaTiOを主成分とする誘電体磁器、その製造方法及びそれを用いた積層セラミックコンデンサに関し、特にNiあるいはNi合金からなる内部電極を含む積層セラミックコンデンサに用いられる誘電体磁器、その製造方法及びそれを用いた積層セラミックコンデンサに関する。また、特に、歪みの小さな積層セラミックコンデンサや、誘電率の温度特性に優れた積層セラミックコンデンサに関する。
近年、積層コンデンサの高容量化に伴い、音鳴き現象が問題となっている。これは、強誘電体材料に由来する圧電効果により電歪が生じ、交流電流下において積層コンデンサ自身が振動し、固着された回路基板を振動させて音を発生させるためである。このため電歪の小さい材料が求められてきた。電歪の小さい誘電体材料として、BaTiOまたはBa(TiZr)Oで表されるペロブスカイト化合物に、希土類元素およびMn、Mg、Cr等のアクセプタ−元素を添加した誘電体セラミック組成物がある(特許文献1参照)。希土類元素はマトリックスに固溶し、シフターとしてキュリー点を低温側に移動し、室温εを低下させる機能をもつ。アクセプタ−元素もデプレッサ−としてε低下の効果を持つとともに、ドナーとして作用する希土類を電気的に中和し、高信頼性を確保できる。
特許第3567759号公報
上記のような電界誘起歪が小さいという特性を持つ誘電体の微細構造として、焼結体のグレイン内部に希土類金属を均一に固溶させた構造が有効である(粒界と同等濃度)。具体的手法として原材料である、BaCO、TiO、ZrOと所定の希土類酸化物、アクセプタ−元素の酸化物を配合し、1次仮焼により複合酸化物を予め合成する方法が挙げられる。しかし、この方法では添加物がグレイン内部に均一に固溶してしまうため、誘電率の温度特性が劣化するという問題があった。
本発明は、上記従来技術の問題点を解決し、電界誘起歪みを低減したまま、誘電率の温度特性が改善された誘電体磁器、誘電体磁器の製造方法及びその誘電体磁器を用いた積層セラミックコンデンサを提供することを課題とする。
本発明においては、上記の課題を解決するために、以下の手段を採用する。
(1)主成分が、BaTi(1−x)Zr+aRe+bM(但し、Reは、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Yから選ばれる少なくとも1種類の希土類元素の酸化物であり、Mは、Mg、Al、Cr、Mn、Fe、Ni、Cu、Zn、Vから選ばれる少なくとも1種類の金属元素の酸化物)で表される誘電体磁器において、
1.000≦Ba/Ti≦1.450、
5≦100x≦30、
0.02≦a≦0.18、
0.02≦b≦0.18であり、
前記主成分100質量部に対して、
Si元素を含んだ化合物を、0.2質量部≦Si元素を含んだ化合物≦5.0質量部含有し、
グレインが、コア部とそれを取り囲むシェル部からなるコア−シェル構造を有する
ことを特徴とする誘電体磁器である。
(2)前記コア部に存在するZrOのモル濃度/前記シェル部に存在するZrOのモル濃度≧0.9(「条件1」という)、
前記コア部に存在する希土類のモル濃度/前記シェル部に存在する希土類のモル濃度≦0.3(「条件2」という)、
0.2≦(前記コア部の直径/前記グレインの直径)≦0.5(「条件3」という)、
としたときに、
(誘電体磁器中の条件1と条件2と条件3を同時に満たすグレイン粒子の個数)/(誘電体磁器中の全てのグレイン粒子の個数)≧0.6である
ことを特徴とする前記(1)の誘電体磁器である。
(3)主成分が、BaTi(1−x)Zr+aRe+bM(但し、Reは、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Yから選ばれる少なくとも1種類の希土類元素の酸化物であり、Mは、Mg、Al、Cr、Mn、Fe、Ni、Cu、Zn、Vから選ばれる少なくとも1種類の金属元素の酸化物)で表される誘電体磁器の製造方法において、
Ba化合物、TiO及びZrOを混合し、仮焼してBaTi(1−x)Zrを得た後、そのBaTi(1−x)Zrに、Re原料、M原料及び焼結助剤を混合し、仮焼することにより誘電体粉末を製造し、前記誘電体粉末を焼成することにより、
1.000≦Ba/Ti≦1.450、
5≦100x≦30、
0.02≦a≦0.18、
0.02≦b≦0.18であり、
前記主成分100質量部に対して、
Si元素を含んだ化合物を、0.2質量部≦Si元素を含んだ化合物≦5.0質量部含有し、
グレインが、コア部とそれを取り囲むシェル部からなるコア−シェル構造を有する誘電体磁器を製造することを特徴とする誘電体磁器の製造方法である。
(4)前記コア部に存在するZrOのモル濃度/前記シェル部に存在するZrOのモル濃度≧0.9(「条件1」という)、
前記コア部に存在する希土類のモル濃度/前記シェル部に存在する希土類のモル濃度≦0.3(「条件2」という)、
0.2≦(前記コア部の直径/前記グレインの直径)≦0.5(「条件3」という)、
したときに、
(誘電体磁器中の条件1と条件2と条件3を同時に満たすグレイン粒子の個数)/(誘電体磁器中の全てのグレイン粒子の個数)≧0.6である
ことを特徴とする前記(3)の誘電体磁器の製造方法である。
(5)複数の誘電体磁器層と、前記誘電体磁器層間に形成された内部電極と、前記内部電極に電気的に接続された外部電極とを備えた積層セラミックコンデンサにおいて、前記誘電体磁器層が、前記(1)および(2)の誘電体磁器で構成されていることを特徴とする積層セラミックコンデンサである。
本発明の誘電体磁器及びそれを用いた積層セラミックコンデンサは、上記の組成かつ微細構造を持つため、粒子(グレイン)の強誘電性(圧電性)は小さく、電界誘起歪が低減された状態のまま誘電率の温度特性を改善できる(εrがMAX1700程度で、X6S特性を満足できるレベル)。また、本発明の誘電体は1250℃以下で焼結可能である。
本発明の誘電体磁器は、一般式ABOのBaとTiを主成分とするチタン酸バリウム系ペロブスカイト固溶体であり、そのペロブスカイト固溶体において、1.000≦Ba/Ti≦1.450の範囲であることを特徴とする。また、一般式ABOのペロブスカイト固溶体には、副成分としてZrを含有しており、このときにB=Ti(1−x)Zrxと表現したときに、5≦100x≦30の範囲であることを特徴とする。
Ba/Tiが1.000より小さい場合や、Zrの量(100x)が5よりも少ない場合は、誘電率の温度特性(TCC)が劣り、Ba/Tiが1.450より大きい場合や、Zrの量(100x)が30よりも多い場合は、1250℃以下で焼結できなくなるので、上記の範囲が好ましい。
また、主成分として、チタン酸バリウム系ペロブスカイト固溶体と共に、Reを含むものである。Re:La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Yから選ばれる少なくとも1種類の希土類元素の酸化物であり、0.02≦a≦0.18の範囲である。
Reの含有量(a)が、0.02より少ない場合は、誘電率の温度特性(TCC)が劣り、Reの含有量(a)が、0.18より多い場合は、1250℃以下で焼結できなくなるので、上記の範囲が好ましい。
さらに、主成分として、チタン酸バリウム系ペロブスカイト固溶体と共に、Mを含むものである。Mは、M:Mg、Al、Cr、Mn、Fe、Ni、Cu、Zn、Vから選ばれる少なくとも1種類の金属元素の酸化物であり、0.02≦b≦0.18の範囲である。
Mの含有量(b)が、0.02より少ない場合は、絶縁性が劣り、Mの含有量(b)が、0.18より多い場合は、1250℃以下で焼結できなくなるので、上記の範囲が好ましい。
上記の主成分に対して、副成分として、Si元素を含んだ化合物を含有するものである。Si元素を含んだ化合物の含有量は、前記主成分100質量部に対して、0.2質量部≦Si元素を含んだ化合物≦5.0質量部の範囲である。
Si元素を含んだ化合物としては、Si元素と酸素の化合物などを用いることができる。
Si元素を含んだ化合物が、0.2質量部より少ない場合は、1250℃以下で焼結できなくなり、Si元素を含んだ化合物が、5.0質量部より多い場合は、誘電率の温度特性(TCC)が劣るので、上記の範囲が好ましい。
また、本発明の誘電体磁器において、グレインは、コア部とそれを取り囲むシェル部からなるコア−シェル構造を持つ。ZrOがグレイン内(コア部)にも存在し、シェル部とのモル濃度比は90%以上であり、コア部の添加物(Re:希土類酸化物)の固溶量(モル濃度比)は、シェル部の30%以下(添加物の固溶が少ない)であり、コア部の大きさ(直径)が、グレイン直径の20%〜50%である構造のグレインを含む。上記の構造を持つグレインが焼結体(誘電体磁器)中で粒子数で60%以上存在すること(以下、「特定条件を満たすグレイン」という。)が好ましい。
換言すると(特定条件を関係式で表した場合)、
前記コア部に存在するZrOのモル濃度/前記シェル部に存在するZrOのモル濃度≧0.9(「条件1」という)、
前記コア部に存在する希土類のモル濃度/前記シェル部に存在する希土類のモル濃度≦0.3(「条件2」という)、
0.2≦(前記コア部の直径/前記グレインの直径)≦0.5(「条件3」という)、
としたときに、
(誘電体磁器中の条件1と条件2と条件3を同時に満たすグレイン粒子の個数)/(誘電体磁器中の全てのグレイン粒子の個数)≧0.6
と表される。
このような微細構造を持つため、グレインの強誘電性(圧電性)は小さく、電界誘起歪が低減された状態のまま誘電率の温度特性を改善できる。
積層セラミックコンデンサの製造方法については、限定されるものではないが、以下のような方法を採用することができる。
原料としてBaCO、TiO、ZrOを準備し、これらの原料を、所定の組成が得られるように秤量する。その後、これらの原料を湿式混合し、乾燥した後、1100〜1300℃にて仮焼し、チタン酸バリウム系固溶体を得る。
上記のチタン酸バリウム系固溶体に対して、Re原料(酸化物)、MgO、MnO(Mn原料としては、MnCO、Mn等でも良い)等のM原料、Si元素を含んだ化合物(例えばSiOやSiO系ガラス)を所定組成が得られるように秤量する。その後、これらの原料を湿式混合し、乾燥した後、700〜900℃にて仮焼し、誘電体粉末を得る。
上記のようにして得た誘電体粉末にPVBバインダ(またはアクリルバインダ)、可塑剤、溶媒となる有機溶剤を適宜添加してスラリーを作製し、所定の厚み(3〜10μm)のグリーンシートを作製する。グリーンシートに内部電極用Niペーストを印刷し、積層・圧着後、所定の形状に切り出す。積層数は、10〜20とすることが好ましい。その後、(Niが酸化されない)不活性雰囲気下で脱バインダ処理を行い、Ni外電ペーストを塗布した後に、還元雰囲気下、1150〜1350℃で0.5〜2時間、焼成を行い、N雰囲気下、800〜1050℃で0.5〜2時間、再酸化処理を行う。
(実施例1)
原料としてBaCO、TiO、ZrOを準備する。これらの原料を秤量し、表1ののように、Ba/Ti比を0.990〜1.538の範囲、Zr量を4.0〜35.0の範囲で変化させた。その後、これらの原料をボールミルにて湿式混合し、乾燥した後、1100〜1300℃にて仮焼し、チタン酸バリウム系固溶体を得た。
上記のチタン酸バリウム系固溶体に対して、Re酸化物としてGd酸化物、M酸化物としてMgO、MnO、Si元素を含んだ化合物としてSiOを表1の組成が得られるように秤量した。その後、これらの原料をボールミルにて湿式混合し、乾燥した後、850℃にて仮焼し、誘電体粉末を得た。
上記の完成粉末にPVBバインダ、可塑剤、溶媒となる有機溶剤を適宜添加してスラリーを作製し、ダイ・コーターにて5μm厚みのグリーンシートを作製した。グリーンシートにスクリーン印刷法にて内部電極用Niペーストを印刷し、電極枚数21層(層間20層)に積層・圧着後、3216形状に切り出した。その後、(Niが酸化されない)不活性雰囲気下で脱バインダ処理を行い、Ni外電ペーストを塗布した後に、還元雰囲気下(酸素分圧:10−10atm程度・1250℃−2h)で焼成を行い、N雰囲気下、1000℃−2hrで再酸化処理を行った。
以上のような工程で、3216形状、層数20層、層間厚み:4μm程度のNi内部電極積層セラミックコンデンサ(試料番号101〜105)を作製した。
上記のNi内部電極積層セラミックコンデンサを用いて、下記の特性に関して評価を実施した。
・電気特性:εr、tanδ、誘電率の温度特性(TCC)・・・1V−1kHzの条件で測定。

特定条件を満たすグレインの存在率測定・・・積層コンデンサから、透過型電子顕微鏡(STEM)用として薄片試料を作成した。透過型電子顕微鏡(STEM)により、加速電圧を300kVの条件下で試料を観察した。この時のプローブ径は、5nmであった。透過型電子顕微鏡(STEM)に付属しているEDX検出器による線分析より、粒子内部の10箇所からGdおよびZrの特性X線(Lα1)を検出した。この測定結果(コア部のモル濃度と、シェル部のモル濃度)を用いて、ZrOの濃度比、添加物(希土類酸化物)の濃度比、コア部の大きさの全てが上記の特定条件を満たしているグレイン(コア−シェル粒子)の存在率を算出した。
・歪判定:積層セラミックコンデンサにDC20Vを重畳しAC5Vp−pの交流電界を印加したときのL方向の変位量をレーザー変位計で測定した。この時のL寸歪(変位)量が10nmを超えると無視できない騒音が生じたため、歪量が10nm未満であればOK(○)と判断した。
試料番号101〜105について、誘電体の組成とコンデンサの特性の評価を表1に示す。
表1より、1.000≦Ba/Ti≦1.450、5≦100x≦30を満たす本発明例の試料番号102〜104のコンデンサは、1250℃で焼結でき、εr、tanδ、誘電率の温度特性(TCC)が優れ、歪量が10nm未満であること、上記の特定条件を満たす粒子(グレイン)が60%以上であることが分かる。これに対して、Ba/Tiが1.000より小さく、Zrの量(100x)が5よりも少ない試料番号101のコンデンサは、誘電率の温度特性(TCC)が劣り、上記の特定条件を満たす粒子(グレイン)が60%未満であった。また、Ba/Tiが1.450より大きく、Zrの量(100x)が30よりも多い試料番号105のコンデンサは、1250℃で焼結できなかった。
(実施例2)
Ba/Ti比を1.194、1.191、1.238又は1.128とし、Zr量を15.0、18.0又は10.0(100x)とし、1200℃にて仮焼して得たチタン酸バリウム系固溶体に対して、M酸化物(MgO及びMnO)をそれぞれ0.025及び0.005(b)、Si元素を含んだ化合物(SiO)を1.5又は4.0質量部とし、Re酸化物の種類と量(a)を表2のように変化させて混合したこと以外は、実施例1と同様にして誘電体粉末を得た。その後、実施例1と同様に、Ni内部電極積層セラミックコンデンサ(試料番号201〜218)を作製し、特性に関して評価を実施した。
試料番号201〜218について、誘電体の組成とコンデンサの特性の評価を表2に示す。
表2より、Reの含有量(a)が、0.02≦a≦0.18を満たす本発明例の試料番号201〜214、216、217のコンデンサは、1250℃で焼結でき、εr、tanδ、誘電率の温度特性(TCC)が優れ、歪量が10nm未満であること、上記の特定条件を満たす粒子(グレイン)が60%以上であることが分かる。これに対して、Reの含有量(a)が、0.02より少ない試料番号215のコンデンサは、誘電率の温度特性(TCC)が劣り、上記の特定条件を満たす粒子(グレイン)が60%未満であった。また、Reの含有量(a)が、0.18より多い試料番号218のコンデンサは、1250℃で焼結できなかった。
(実施例3)
Ba/Ti比を1.238、Zr量を18.0(100x)とし、1230℃にて仮焼して得たチタン酸バリウム系固溶体に対して、Re酸化物(Gd酸化物)を0.06(a)、Si元素を含んだ化合物(SiO)を1.5又は4.0質量部とし、M酸化物の種類と量(b)を表3のように変化させて混合したこと以外は、実施例1と同様にして誘電体粉末を得た。その後、実施例1と同様に、Ni内部電極積層セラミックコンデンサ(試料番号301〜311)を作製し、特性に関して評価を実施した。
試料番号301〜311について、誘電体の組成とコンデンサの特性の評価を表3に示す。
表3より、M酸化物の含有量(b)が、0.02≦b≦0.18を満たす本発明例の試料番号301〜307、309、310のコンデンサは、1250℃で焼結でき、εr、tanδ、誘電率の温度特性(TCC)が優れ、歪量が10nm未満であること、請求項2に規定する条件を満たす粒子(グレイン)が60%以上であることが分かる。これに対して、M酸化物の含有量(b)が、0.02より少ない試料番号308のコンデンサは、絶縁性が良くなかった。また、M酸化物の含有量(b)が、0.18より多い試料番号311のコンデンサは、1250℃で焼結できなかった。
(実施例4)
Ba/Ti比を1.238、Zr量を18.0(100x)とし、1230℃にて仮焼して得たチタン酸バリウム系固溶体に対して、Re酸化物(Gd酸化物)を0.06(a)、M酸化物(MgO及びMnO)をそれぞれ0.035及び0.005(b)とし、Si元素を含んだ化合物の種類と量を表4のように変化させて混合したこと以外は、実施例1と同様にして誘電体粉末を得た。その後、実施例1と同様に、Ni内部電極積層セラミックコンデンサ(試料番号401〜405)を作製し、特性に関して評価を実施した。
試料番号401〜405について、誘電体の組成とコンデンサの特性の評価を表4に示す。
表4より、主成分100質量部に対して、「0.2質量部≦Si元素を含んだ化合物≦5.0質量部」を満たす本発明例の試料番号402、403、405のコンデンサは、1250℃で焼結でき、εr、tanδ、誘電率の温度特性(TCC)が優れ、歪量が10nm未満であること、請求項2に規定する条件を満たす粒子(グレイン)が60%以上であることが分かる。これに対して、Si元素を含んだ化合物が、0.2質量部より少ない試料番号401のコンデンサは、1250℃で焼結できなかった。また、Si元素を含んだ化合物が、5.0質量部より多い試料番号404のコンデンサは、誘電率の温度特性(TCC)が劣っていた。
以上の実施例に示されるように、主成分が、BaTi(1−x)Zr+aRe+bMで表される誘電体磁器及びそれを用いた積層セラミックコンデンサにおいて、1.000≦Ba/Ti≦1.450、5≦100x≦30、0.02≦a≦0.18、0.02≦b≦0.18とし、前記主成分100質量部に対して、Si元素を含んだ化合物を、0.2質量部≦Si元素を含んだ化合物≦5.0質量部含有させることにより、1250℃以下で焼結でき、εr、tanδ、誘電率の温度特性(TCC)が優れ、歪量が10nm未満の特性のものを得ることができる。

Claims (5)

  1. 主成分が、BaTi(1−x)Zr+aRe+bM(但し、Reは、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Yから選ばれる少なくとも1種類の希土類元素の酸化物であり、Mは、Mg、Al、Cr、Mn、Fe、Ni、Cu、Zn、Vから選ばれる少なくとも1種類の金属元素の酸化物)で表される誘電体磁器において、
    1.000≦Ba/Ti≦1.450、
    5≦100x≦30、
    0.02≦a≦0.18、
    0.02≦b≦0.18であり、
    前記主成分100質量部に対して、
    Si元素を含んだ化合物を、0.2質量部≦Si元素を含んだ化合物≦5.0質量部含有し、
    グレインが、コア部とそれを取り囲むシェル部からなるコア−シェル構造を有する
    ことを特徴とする誘電体磁器。
  2. 前記コア部に存在するZrOのモル濃度/前記シェル部に存在するZrOのモル濃度≧0.9(「条件1」という)、
    前記コア部に存在する希土類のモル濃度/前記シェル部に存在する希土類のモル濃度≦0.3(「条件2」という)、
    0.2≦(前記コア部の直径/前記グレインの直径)≦0.5(「条件3」という)、
    としたときに、
    (誘電体磁器中の条件1と条件2と条件3を同時に満たすグレイン粒子の個数)/(誘電体磁器中の全てのグレイン粒子の個数)≧0.6である
    ことを特徴とする請求項1に記載の誘電体磁器。
  3. 主成分が、BaTi(1−x)Zr+aRe+bM(但し、Reは、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Yから選ばれる少なくとも1種類の希土類元素の酸化物であり、Mは、Mg、Al、Cr、Mn、Fe、Ni、Cu、Zn、Vから選ばれる少なくとも1種類の金属元素の酸化物)で表される誘電体磁器の製造方法において、
    Ba化合物、TiO及びZrOを混合し、仮焼してBaTi(1−x)Zrを得た後、そのBaTi(1−x)Zrに、Re原料、M原料及び焼結助剤を混合し、仮焼することにより誘電体粉末を製造し、前記誘電体粉末を焼成することにより、
    1.000≦Ba/Ti≦1.450、
    5≦100x≦30、
    0.02≦a≦0.18、
    0.02≦b≦0.18であり、
    前記主成分100質量部に対して、
    Si元素を含んだ化合物を、0.2質量部≦Si元素を含んだ化合物≦5.0質量部含有し、
    グレインが、コア部とそれを取り囲むシェル部からなるコア−シェル構造を有する誘電体磁器を製造することを特徴とする誘電体磁器の製造方法。
  4. 前記コア部に存在するZrOのモル濃度/前記シェル部に存在するZrOのモル濃度≧0.9(「条件1」という)、
    前記コア部に存在する希土類のモル濃度/前記シェル部に存在する希土類のモル濃度≦0.3(「条件2」という)、
    0.2≦(前記コア部の直径/前記グレインの直径)≦0.5(「条件3」という)、
    としたときに、
    (誘電体磁器中の条件1と条件2と条件3を同時に満たすグレイン粒子の個数)/(誘電体磁器中の全てのグレイン粒子の個数)≧0.6である
    ことを特徴とする請求項3に記載の誘電体磁器の製造方法。
  5. 複数の誘電体磁器層と、前記誘電体磁器層間に形成された内部電極と、前記内部電極に電気的に接続された外部電極とを備えた積層セラミックコンデンサにおいて、前記誘電体磁器層が、請求項1又は2に記載の誘電体磁器で構成されていることを特徴とする積層セラミックコンデンサ。
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