JP4901654B2 - 光コネクタ - Google Patents
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したがって、製造コストを下げるために金型精度を落としたり、製造工程を変更したりすると、光ファイバ穴列の左右両側の2つのピン穴のピッチの精度が低くなり、嵌合ピンを対向する光コネクタのピン穴に貫通させようとしても、容易に入らないことがある。
あるいは、嵌合ピンを架け渡すことができても光ファイバ穴の位置決め精度が悪い場合がある。
嵌合ピンとピン穴との嵌合による位置決め箇所では、嵌合する両者(嵌合ピンとピン穴)間のクリアランスは極めて小さく、その1箇所(1点)においての精度よい位置決めがなされる。この1箇所だけでは光コネクタが嵌合ピン回りに回転してしまうが、コ字形溝と矩形断面凸部との嵌合による位置決め箇所で光コネクタの回転が規制されて、回転方向の位置決めがなされる。すなわち、嵌合ピンによる1点の位置決めとコ字形溝による回転方向の位置決めとで、光コネクタの相手側光部品に対する精度よい位置決めがなされる。
コ字形溝と矩形断面凸部との嵌合については、コ字形溝と矩形断面凸部とのクリアランスは、光コネクタの回転を規制する面についてのみ充分小さくし、嵌合ピンとの間隔方向については充分大きなクリアランスを設定することで、コ字形溝に矩形断面凸部が入らないという問題は生じない。
つまり、光学的な精度を確保するため高い成形精度が必要な部分は、コ字形溝と矩形断面凸部が狭いクリアランスで向かい合う側面だけである。
この側面部分と直交する他の側面は、光学的な精度の確保には寄与しないから、高精度の成形は必要無い。
このように、光学的な精度を確保するため高い成形精度が必要な部分が、コ字形溝の内側面の2面だけである。
しかも、これら側面は直線状であり成形精度を確保することは容易である。
したがって、2箇所における嵌合ピンとピン穴との嵌合により位置決めをする従来構造のように2つのピン穴間のピッチの精度が低いと嵌合ピンが相手側光部品のピン穴に入らないという問題が生じるものと異なり、位置決め精度の確保が容易である。
なお、本図において光素子2は光電気複合基板3の上に形成されているが、光電気複合基板(以下、場合により単に基板と呼ぶ)とは、基板上に光素子や電子素子が配置されて電気回路パターンにて接続された構成の基板を一般に指している。
一般に、光素子はいわゆる印刷配線基板上に直接配置されず、印刷配線基板上に配置されているモジュール台上に搭載されており、実施例の基板3は前記モジュール台に相当する。前記嵌合凹部はいわゆる印刷配線基板上に直接加工するのでなく、実施例のような基板3すなわちモジュール台に加工するのが好ましい。ただし、嵌合凹部が形成される箇所は限定されない。
光コネクタ本体5は、基板3と平行に導入される光ファイバテープ6を挿入する光ファイバテープ挿入用の中空部7を有している。
中空部7は、光ファイバテープを挿入するための開口部を側端部に有する。
中空部7の前方に紙面垂直方向に配列された横1列の複数の光ファイバ穴8を有する。
光ファイバ穴8の出口の前方で、光コネクタ本体に形成された傾斜面には、光ファイバの光軸方向に対して45°傾斜した金属反射面9を有している。
反射面は金属メッキにより形成されている。
図7において、光ファイバテープ6から分離させた光ファイバ6aの被覆を除去した裸ファイバ6a’が光ファイバ穴8に挿入され、接着剤挿入窓10から充填した接着剤で光ファイバ6が固定され、反射面9のある凹所11には光学的に透明な接着剤が充填される。12はゴムブーツである。
ここで用いられる光ファイバの種類としては、全石英製の標準SM型光ファイバ、あるいはGI型光ファイバ採用することができる。
あるいは、標準の125μm径よりも細径の80μm径の光ファイバを用いることができる。
あるいは、全プラスチック製の光ファイバを用いることもできる。
この円形断面嵌合ピン15とコ字形溝を構成する凸条16aは、光コネクタ本体5の成形時に一体成形することが好ましい。
つまり、光コネクタは樹脂一体成形品であることが好ましい。
なお、嵌合ピンは光コネクタ本体と樹脂一体成形する以外に、光コネクタ本体を樹脂成形した後に、別体としての嵌合ピンを光コネクタ本体の接続面の所定位置に接着、あるいは埋め込み等の手段で取り付けて構成することも可能である。
嵌合ピン15の外径をD、コ字形溝16の断面の幅をWで示す(図2等)。
光入出部17とは、反射面9から光素子2に向かう光路が形成される部分であり、具体的には反射面9のある凹所11の部分を指す。
光入出部17を挟む両側とは、光ファイバ導入方向に沿って両側(図2、3、5、6で左右方向の両側)という意味である。
なお、コ字形溝とは後述する基板側の矩形断面凸部を収容する嵌合受け部を具体化した構造の一例であり、凸部と嵌合する凹部の構造は種々の変形例があり、溝構造を構成する両壁部の形状は種々の変形例があるから図示の構造には限定されない。つまり、本発明においてコ字形溝という用語は、これらの種々変形例を全て含んだ総称として用いている。
円形のピン穴21の内径D’の精度は、2つのピン穴を持つ標準のMT光コネクタ(あるいはMTプラグ)のピン穴の公差と同程度であることが好ましく、光コネクタ1側の嵌合ピン15の外径Dに対して極めて小さなクリアランスで高精度に形成される。
矩形断面凸部22の溝幅寸法W’の精度は、光コネクタ1側のコ字形溝16の幅寸法Wに対して充分小さなクリアランスで高精度に形成される。
しかし、矩形断面凸部22は貫通溝である光コネクタ本体5のコ字形溝16内でその長さ方向の位置の制約をほとんど受けない(図6に示した隙間寸法dが充分大きい)。
つまり、WとW′の差(溝幅の差)は非常に小さいなるように精密成形されるが、これと直交する方向の辺は、精密位置決めにはあまり関与しないのでラフな成型精度で十分である。
嵌合ピン15とピン穴21との嵌合による位置決め箇所では、嵌合する両者(嵌合ピン15とピン穴21)間のクリアランスは極めて小さく、その1箇所(1点)においての精度よい位置決めがなされる。この1箇所だけでは光コネクタが嵌合ピン回りに回転してしまうが、コ字形溝16と矩形断面凸部22との嵌合による位置決め箇所で光コネクタの回転が規制されて、回転方向の位置決めがなされる。すなわち、嵌合ピン15による1点の位置決めとコ字形溝16による回転方向の位置決めとで、光コネクタ1の基板3上の光素子2に対する精度よい位置決めがなされる。
その位置決め作業において、1箇所での嵌合ピン15とピン穴21との嵌合には、嵌合ピンが相手側のピン穴に入らないという問題は生じない。
コ字形溝16と矩形断面凸部22との嵌合については、コ字形溝16と矩形断面凸部22とのクリアランスは、光コネクタの嵌合ピン15回りの回転を規制する面についてのみ充分小さくしているので、すなわち、コ字形溝16の幅寸法Wと矩形断面凸部22の幅寸法W’とを充分小さなクリアランスで高精度に形成しているので、光コネクタの嵌合ピン15回りの位置決め精度は高く、したがって、光コネクタ1は基板3上の光素子2に対して精度よく位置決めされる。
したがって、2箇所における嵌合ピンとピン穴との嵌合により位置決めをする従来構造のように2つのピン穴間のピッチの精度が低いと嵌合ピンが相手側光部品のピン穴に入らないという問題が生じるものと異なり、位置決め作業に際して、嵌合させようとするものどうしを互いに嵌合させられないという問題、あるいは位置決め精度が悪くなるという問題は生じない生じない。
本発明は、光コネクタ本体5の材質としては、PPS等の熱可塑性樹脂やエポキシ樹脂等を好適に用いることができる。
すなわち、図示のように、一方の光コネクタ31は、他方の光コネクタ41に対する位置決め手段として、当該一方の光コネクタ31の光コネクタ本体32における他方の光コネクタ41との光接続面に、他方の光コネクタ41に向けて突出する1つの円形断面嵌合ピン(以下単に嵌合ピンという)33と1つのコ字形溝34とを光コネクタ本体32の光ファイバ穴32aの列を挟む穴並び方向の両側に設けている。図示例のコ字形溝34は光コネクタ本体32の高さ方向に間隔をあけて設けた2つの凸部34a間の空所として形成されている。
実施例の嵌合ピン33は、光コネクタ本体32とは別部材であり光コネクタ本体32にあけたピン穴32bに嵌合させたものである。しかし、光コネクタ本体32と一体の嵌合ピンとすることもできる。
他方の光コネクタ41の光コネクタ本体42には、前記一方の光コネクタ31の嵌合ピン33が嵌合するピン穴43と、前記一方の光コネクタ31の光コネクタ本体32に設けたコ字形溝34に嵌合する矩形断面凸部44を形成している。42aは他方の光コネクタ本体42側の光ファイバ穴を示す。
したがって、図1〜図8の光コネクタ1における効果と同様が効果が得られる。すなわち、2箇所における嵌合ピンとピン穴との嵌合により位置決めをする従来のMT光コネクタのように2つのピン穴間のピッチの精度が低いと嵌合ピンが相手側光部品のピン穴に入らないという問題が生じるものと異なり、位置決め作業に際して、嵌合させようとするものどうしを互いに嵌合させられないという問題は生じない。
このコ字形溝用部材36のコ字形溝35の手前側部分を光コネクタ本体42に形成した装着用凸部32c’に嵌合させると、このコ字形溝用部材36のコ字形溝35の相手側部分は図9におけるコ字形溝34と同様な機能を持つことになる。前記装着用凸部32c’は、他方の光コネクタ41の光コネクタ本体42に設ける矩形断面凸部44と精度も含めて同一形状寸法にするとよい。
この実施例においても、図9の実施例と同じく、図1〜図8の光コネクタ1における効果と同様が効果が得られる。
なお、コ字形溝35を持つコ字形溝用部材36が光コネクタ本体と別部材であるこの実施例では、コ字形溝用部材36は、2つの光コネクタ31’、41のいずれ側の部材でもなく、独立した部材として扱うことができる。
また、上記各実施例において、コ字形溝に嵌合する矩形断面凸部の数は1つには限定されない、コ字形溝を構成する両壁部に対向する固定面を構成すれば良いのだから、固定面を具現化する矩形断面凸部は、壁毎にあっても良い。つまり2つの矩形断面凸部を幅方向に離隔して設けることができる。さらに、矩形断面凸部はコ字形溝の対峙面を構成すれば良いのだから、断面が矩形には限定されないことは言うまでもない。本発明では、説明の下便宜上、矩形断面凸部という用語を用いているが、この用語は凸部断面の種々変形例を含むものであることは言うまでもない。
しかし、光コネクタに接続される光部品は、これらには限定されない。
例えば、光ファイバなどの光導波路の端面が、光コネクタとの接続端面側に露出するものを光部品とすることもできるし、その他、種々の変形例が存在する。
またさらに、本発明は、1つの円形嵌合ピン方式による精密位置決め構造と、1つの円形嵌合ピン方式以外の光接続面の凹凸による嵌合構造により、位置決めするための要素を部部分的に省き、それにより成形コストを低下させた光コネクタの精密位置決めを実現したものであり、この基本的な組み合わせは、上記各実施例以外に種々存在するが、いずれも本発明に含まれるものである。
2 光素子
3 光電気複合基板
4 光モジュール
5 光コネクタ本体
6 光ファイバテープ
6a 光ファイバ
6a’ 裸ファイバ
7 中空部
8 光ファイバ穴
9 反射面
10 接着剤充填窓
11 凹所
15 円形断面嵌合ピン(嵌合ピン)
16 コ字形溝
17 光入出部
21 ピン穴
22 矩形断面凸部
31、41 光コネクタ
32、42 光コネクタ本体
33 円形断面嵌合ピン(嵌合ピン)
34 コ字形溝
43 ピン穴
44 矩形断面凸部
D 円形断面嵌合ピンの外径
D’ピン穴の内径
W コ字形溝の断面の幅
W’矩形断面凸部の溝幅
Claims (4)
- 光コネクタと、この光コネクタに接続される光部品とを位置決めし、光コネクタと光部品の光路を合わせる手段として、光コネクタの接続端面には、接続される光部品に向けて突出する1つの円形断面嵌合ピンと前記円形断面嵌合ピンの軸芯と直交する方向から見てコ字形となる1つのコ字形溝とを、接続端面の光入出部を挟む両側に設けてなり、前記円形断面嵌合ピンが相手側光部品に設けた円形穴に嵌合し、コ字形溝が、相手側光部品に設けた少なくとも1つの矩形断面凸部と嵌合することにより、光コネクタの相手側光部品に対する位置決めが行われることを特徴とする光コネクタ。
- 前記相手側光部品が光コネクタであることを特徴とする請求項1記載の光コネクタ。
- 光コネクタを、少なくとも1つの光学素子が搭載された基板に位置決めし、光コネクタと光素子の光路を合わせる手段として、当該光コネクタの基板との対向面に、基板に向けて突出する1つの円形断面嵌合ピンと前記円形断面嵌合ピンの軸芯と直交する方向から見てコ字形となる1つのコ字形溝を対向面の光入出部を挟む両側に設けてなり、円形断面嵌合ピンが基板に設けた円形穴に嵌合し、コ字形溝に対しては、基板に設けた少なくとも1つの矩形断面凸部が嵌合することにより、光コネクタと基板の光素子に対する位置決めが行われることを特徴とする光コネクタ。
- 光コネクタ本体内のミラーにより、光コネクタ内の光ファイバ光路を基板に向けて変更する構成としたことを特徴とする請求項3記載の光コネクタ。
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