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JP4993941B2 - 半導体集積回路及びこれを備えたシステムlsi - Google Patents

半導体集積回路及びこれを備えたシステムlsi Download PDF

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Description

本発明は、ダイオードを備えた半導体集積回路及びシステムLSIの改良に関するものである。
近年、システムLSIの高機能化に伴い、1チップ内に複数のデジタル回路ブロックや複数のアナログ回路ブロックが混載されている。その際、問題になるのは、デジタル回路ブロックのノイズがアナログ回路ブロックに伝播することである。このため、システムLSIでは、デジタル回路ブロックの電源とアナログ回路ブロックの電源とを分離している。しかし、静電気放電(ESD:Electro Static Discharge)に起因するダメージから保護するために、デジタル回路ブロックの電源とアナログ回路ブロックの電源との間に、図20に示すように、ダイオードD1、D2を互いに逆方向に配置して成る1組の保護素子を挿入している。これらのダイオード素子D1、D2の挿入により、電源ノイズの伝播を緩和することができると共に、ESDからのサージ耐性も確保することが可能である。
前記のようにノイズ伝播を緩和する等の目的で配置される前記ダイオード素子D1、D2の具体的な構成としては、例えば特許文献1に記載されるように、MOSトランジスタが使用されている。
特許第2598147号公報
ところで、前記ダイオード素子D1、D2の具体的な構成としては、従来のようにMOSトランジスタで構成するのに代えて、ゲートを有しないダイオード素子で構成することが、小面積化の上で望ましい。
このようなダイオード素子の構造として、例えば図21に示す構造が提案される。同図に示したダイオード素子Dは、ウエル1上に、アノードを構成する拡散層5と、その拡散層5の左方及び右方に配置されてカソードを構成する拡散層4、4とを備える。これ等の拡散層4、5は共に短冊状のパターンに形成されている。前記アノード及びカソードを構成する拡散層4、5の周囲には、それらのアノード、カソードでのノイズが外部に伝播しないように、これ等アノード、カソードを構成する拡散層4、5を取り囲むようにウエルコンタクト2が配置されている。前記アノード及びカソードを構成する拡散層4、5並びにウエルコンタクト2には、外部との接続を行うための多数個のコンタクトホール3が形成されて敷き詰められている。
このようなダイオード素子Dでは、サージ電圧が印加された際には、図22に実線で示したように、アノードを構成する拡散層5からカソードを構成する拡散層4に電流を流すことにより、放電して、サージ電圧を吸収する。
しかしながら、前記の構造では、次の欠点が生じることが判った。すなわち、図21に示したダイオード素子Dでは、周囲にウエルコンタクト2が配置されている関係上、アノードを構成する拡散層5からカソードを構成する拡散層4に電流が流れるだけでなく、図22に破線で示したように、アノードを構成する拡散層5からその近傍に位置する部位のウエルコンタクト2にも電流が流れる。ここで、ウエルコンタクト2の近傍にあるアノードの拡散層5のコンタクトホール3に対し電流が集中し、そのコンタクトホール3の破壊が生じることが想定される。
そこで、例えば、アノードを構成する拡散層5の四隅を角取りし且つその拡散層上5のコンタクトホール3を四隅から距離を離すことにより、コーナー部の電界集中を緩和する構造を採用することが考えられるが、この考えでは、コンタクトホールの数が少なくなるために、ダイオード素子に流せる電流量がコンタクトホールの数で制限されてしまい、保護素子としての能力を十分に発揮できないことになる。このことは、特にコンタクトホール径の小さい微細プロセスで問題になる。
本発明は、前記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ダイオード素子の破壊や信頼性低下を防止しながら、保護素子としての能力を十分に発揮することのできる半導体集積回路を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明では、図23に示したように、ダイオード素子のアノードを構成する拡散層と、その近傍に位置する基板又はウエルコンタクトとの間の抵抗値を増やして、基板又はウエルコンタクトへの電流を流れ難くするようにする。
具体的に、請求項1記載の発明の半導体集積回路は、ダイオードのアノードを構成する第1極性型拡散層、及び前記第1極性型拡散層に隣接して配置され且つカソードを構成する第2極性型拡散層を備えたダイオードと、前記ダイオードの周囲に配置された第2極性型の基板又はウエルコンタクトとを備えており、前記ダイオードの第1極性型拡散層及び第2極性型拡散層並びに前記基板又はウエルコンタクトには、各々、外部と電気的接続をするための複数のコンタクトホールが形成され、前記第2極性型の基板又はウエルコンタクトの複数のコンタクトホールの配置ピッチは、前記ダイオードのアノードを構成する第1極性型拡散層の複数のコンタクトホールの配置ピッチよりも大きく設定されていることを特徴とする。
請求項2記載の発明の半導体集積回路は、ダイオードのアノードを構成する第1極性型拡散層、及び前記第1極性型拡散層に対向して配置され且つカソードを構成する第2極性型拡散層を備えたダイオードと、前記ダイオードの四方を囲むように配置された第2極性型の基板又はウエルコンタクトとを備えており、前記ダイオードの第1極性型拡散層及び第2極性型拡散層には、各々、外部と電気的接続をするための複数のコンタクトホールが形成され、前記基板又はウエルコンタクトには、前記ダイオードの第1極性型拡散層と第2極性型拡散層とが対向する方向とは直交する方向に位置する部位を除いて、複数のコンタクトホールが形成されていることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、前記請求項2に記載の半導体集積回路において、 前記基板又はウエルコンタクトに形成された複数のコンタクトホールは、前記基板又はウエルコンタクトのうち、前記ダイオードの第1極性型拡散層と第2極性型拡散層とが対向する方向に位置する部位のみに位置していることを特徴とする。
請求項4記載の発明の半導体集積回路は、ダイオードのアノードを構成する第1極性型拡散層、及び前記第1極性型拡散層に対向して配置され且つカソードを構成する第2極性型拡散層を備えたダイオードと、前記ダイオードの第1極性型拡散層と第2極性型拡散層とが対向する方向のみに位置する第2極性型の基板又はウエルコンタクトとを備えており、前記ダイオードの第1極性型拡散層及び第2極性型拡散層並びに前記基板又はウエルコンタクトには、各々、外部と電気的接続をするための複数のコンタクトホールが形成されていることを特徴とする。
請求項5記載の発明の半導体集積回路は、ダイオードのアノードを構成する第1極性型拡散層、及び前記第1極性型拡散層に対向して配置され且つカソードを構成する第2極性型拡散層を備えたダイオードと、前記ダイオードの四方を囲むように配置された第2極性型の基板又はウエルコンタクトとを備えており、前記ダイオードの第1極性型拡散層及び第2極性型拡散層及び前記基板又はウエルコンタクトには、各々、外部と電気的接続をするための複数のコンタクトホールが形成され、前記基板又はウエルコンタクトのうち、前記ダイオードの第1極性型拡散層と第2極性型拡散層とが対向する方向とは直交する方向に位置する部位は、前記対向方向に位置する部位に比べて、前記ダイオードの第1極性型拡散層又は第2極性型拡散層との離隔が長いことを特徴とする。
請求項6記載の発明は、前記請求項5記載の半導体集積回路において、前記第2極性型の基板又はウエルコンタクトの複数のコンタクトホールの配置ピッチは、前記ダイオードのアノードを構成する第1極性型拡散層の複数のコンタクトホールの配置ピッチよりも大きく設定されていることを特徴とする。
請求項7記載の発明は、前記請求項5記載の半導体集積回路において、前記基板又はウエルコンタクトに形成された複数のコンタクトホールは、前記ダイオードの第1極性型拡散層と第2極性型拡散層とが対向する方向とは直交する方向に位置する部位を除いた部位のみに位置していることを特徴とする。
請求項8記載の発明は、前記請求項5記載の半導体集積回路において、前記基板又はウエルコンタクトに形成された複数のコンタクトホールは、前記基板又はウエルコンタクトのうち、前記ダイオードの第1極性型拡散層と第2極性型拡散層とが対向する方向に位置する部位のみに位置していることを特徴とする。
請求項記載の発明は、前記請求項1、2、4及び5の何れか1項に記載の半導体集積回路において、前記ダイオードのアノードを構成する第1極性型拡散層と、前記ダイオードのカソードを構成する第2極性型拡散層とは、短冊状であることを特徴とする。
請求項10記載の発明は、前記請求項記載の半導体集積回路において、前記ダイオードのカソードを構成する第2極性型拡散層は、前記ダイオードのアノードを構成する第1極性型拡散層の左方及び右方の両側に位置することを特徴とする。
請求項11記載の発明のシステムLSIは、相互に別電源で動作するデジタル回路及びアナログ回路が混載されたシステムLSIであって、前記請求項1、2、4及び5の何れか1項に記載の半導体集積回路を2つ用いて構成されると共に、前記デジタル回路とアナログ回路との間に配置され、前記デジタル回路からアナログ回路への静電気放電及び前記アナログ回路からデジタル回路への静電気放電を許容する1組の保護素子を備えたことを特徴とする。
以上により、請求項1〜11記載の発明の半導体集積回路及びシステムLSIでは、ダイオード素子のアノードを構成する拡散層と基板又はウエルコンタクトとの間の抵抗値を増大させたので、ダイオード素子のアノードを構成する拡散層から基板又はウエルコンタクトに流れる電流が減少して、アノードに形成したコンタクトホールへの電流集中が緩和される。その結果、ダイオード素子の破壊や信頼性低下が有効に抑制される。しかも、アノードを構成する拡散層の形状は四隅を角取りするなどの形状加工をする必要がないので、そのアノードの拡散層に形成するコンタクトホールの個数を減らす必要がなく、保護素子としての能力も十分に発揮することが可能である。
特に、請求項1、2及び4記載の発明では、基板又はウエルコンタクトに形成するコンタクトホールの個数を必要以上に形成する必要がないので、製造が容易になる。
また、請求項5記載の発明では、ダイオードでは、アノードを構成する拡散層からの電流は、その拡散層に対向するカソードの拡散層に向かって流れると共に、その対向方向に直交する方向の基板又はウエルコンタクトの部位にも流れるが、この基板又はウエルコンタクトの直交方向部位までの離隔が長く設定されているので、その基板又はウエルコンタクトの直交方向部位には流れ難い。ここで、基板又はウエルコンタクトのうち、アノードとカソードの両拡散層が対向する方向の部位は、その対向方向の拡散層までの対向方向離隔が短いので、この対向方向離隔を前記直交方向離隔と同様に長く設定する場合に比べて、半導体集積回路が小面積となり、小型化される。
以上説明したように、請求項1〜11記載の発明の半導体集積回路及びシステムLSIによれば、ダイオード素子のアノードを構成する拡散層と基板又はウエルコンタクトとの間の抵抗値を増大させて、そのダイオード素子のアノードを構成する拡散層から基板又はウエルコンタクトに流れる電流を減らしたので、保護素子としての能力を十分に発揮しながら、アノードの拡散層に形成したコンタクトホールへの電流集中を有効に緩和して、ダイオード素子の破壊や信頼性低下を有効に防止することができる。
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
(実施形態1)
以下、本発明の実施形態1の半導体集積回路を図1に基づいて説明する。尚、保護素子である本実施形態1の半導体集積回路の適用箇所は、既に図21で説明したので、その詳細な説明は省略する。
図1及び図2は、本実施形態の半導体集積回路を示す。同図において、Bは第1極性型であるP型の基板(図2にのみ図示)、1は前記P型基板Bの上に形成された第2極性であるN型のウエルである。前記N型ウエル1には、アノードを構成するP型拡散層(第1極性型拡散層)5が形成されていると共に、このP型拡散層5の図中左方及び右方には、カソードを構成する2つのN型拡散層(第2極性型拡散層)4、4が隣接して配置されている。これらの拡散層4、5によりダイオードDが形成される。前記アノードを構成するP型拡散層5及びカソードを構成する2つのN型拡散層4、4は同図では各々短冊状に形成されている。
前記N型ウエル1には、前記ダイオードDの四方を取り囲むように中空四角形状のN型(第2極性型)のウエルコンタクト2が配置されている。このウエルコンタクト2は、アノードやカソードでのノイズが外部へ漏れるのを防止すると共に、ラッチアップを防止する目的で配置される。
前記ダイオードDの各拡散層4、5及び前記ウエルコンタクト2には、それ等の各拡散層の全域において、外部との接続を行うコンタクトホール3が多数個配置されており、このコンタクトホール3から図2に示した信号配線10を介して電源や他の半導体素子などと接続される。ここで、アノードを構成するP型拡散層5では、コンタクトホール3の配置ピッチは、図中横方向ではpxに、縦方向ではpy(py>px)に設定されている。一方、N型ウエル2では、コンタクトホール3の配置ピッチは、設定ピッチpcに設定される。この設定ピッチpcは、前記アノードを構成するP型拡散層5のコンタクトホール3の最大ピッチ、即ち、縦方向の配置ピッチpyよりも長いピッチ(pc>py)に設定されている。尚、ダイオードDに流れる電流量は、アノード、カソードを構成する拡散層5、4に形成するコンタクトホール3の個数で決定される。短冊という形状は、コンタクトホール3の配置個数を決定し易く、列方向に並ぶコンタクトホール3の個数を一定とすると、行方向の個数の増減により電流量を容易に決定できる。
従って、本実施形態では、N型ウエル2に形成されたコンタクトホール3の個数は、図21に示した提案例に比べて、少ない。その結果、アノードを構成するP型拡散層5の端部のコンタクトホール3からその近傍に位置するN型ウエルコンタクト2のコンタクトホール3の個数が少なく、且つその近傍のコンタクトホール3までの距離が長くなるので、その近傍のコンタクトホール3への抵抗値が従来よりも大きな値となって、図1に破線で例示したように、アノードを構成するP型拡散層5のコンタクトホール3からその近傍のN型ウエルコンタクト2のコンタクトホール3に流れる電流が制限される。よって、ウエルコンタクト2に近いアノードの拡散層5のコンタクトホール3への電流集中が緩和されるので、ダイオードDの破壊や信頼性低下を有効に防ぐことができる。
尚、本実施形態では、ウエル1をN型、アノードを構成する拡散層5を、P型カソードを構成する拡散層4をN型としたが、本発明はこれに限定されず、その他、例えば、ウエル1の導電型がP型の場合にはアノードとカソードとが入れ替わり、カソードを構成するN型拡散層4が中央に位置し、その左方及び右方にアノードを構成する2つのP型拡散層5、5が位置して、電流は左方及び右方のアノードから中央のカソードに向かって流れることになる。
また、本実施形態では、基板Bにウエル1を有する場合を説明したが、ウエル1を持たない場合にも本発明を適用できるのは勿論である。この場合には、図3に示すように、基板BがP型の場合には、カソードを構成するN型の拡散層4が中央に位置し、その左方及び右方にアノードを構成する2つのP型拡散層5、5が位置することになる。
更に、アノードを構成する拡散層とカソードを構成する拡散層との導電型は種々変更可能であって、何れか一方をN型、他方をP型とすれば良く、またウエル2の導電型や基板Bの導電型に応じて何れか一方の導電型を適宜採用可能である。加えて、アノード及びカソードを構成する拡散層4、5の形状は短冊状に限定されないのは勿論である。これ等のことは、以下の説明でも同様である。
(実施形態1の変形例1)
図4は本実施形態1の変形例1を示す。
本変形例1では、図4に示すように、N型ウエルコンタクト2のうち、アノードを構成するP型拡散層5とカソードを構成する2つのN型拡散層4とが対向する方向とは直交する方向に位置する部位、即ち、短辺を構成する部位には、コンタクトホール3を形成しないように構成したものである。
従って、本変形例1では、本実施形態1に比べて、アノードを構成するP型拡散層5のコンタクトホール3から、その近傍に位置するN型ウエルコンタクト2のコンタクトホール3までの距離がより一層に長くなるので、その近傍のコンタクトホール3への抵抗値が本実施形態1よりもより大きな値となる。よって、ウエルコンタクト2に近いアノードの拡散層5のコンタクトホール3への電流集中がより一層に緩和されるので、ダイオードDの破壊や信頼性低下を効果的に防ぐことができる。
(実施形態1の変形例2)
図5は本実施形態1の変形例2を示す。
本変形例2では、図5に示すように、ウエルコンタクト2に形成するコンタクトホール3を、カソードを構成する拡散層4の長辺と対向する部分のみに配置したものである。本変形例では、ウエルコンタクト2のコンタクトホール3の配置ピッチは、カソードを構成する拡散層4のコンタクトホール3の配置ピッチと等ピッチに設定されている。従って、ウエルコンタクト2のコンタクトホール3は、カソードを構成する拡散層4のコンタクトホール3と、個数が同数であり且つ対向する位置に配置されている。
本変形例では、図4に示した半導体集積回路と比較すると、四角形状のウエルコンタクト2の四隅にコンタクトホール3が配置されない。従って、アノードを構成する拡散層5からの電流は、図中横方向に流れて、その横方向に位置するカソードの拡散層4に流れ込むので、アノードの拡散層5からウエルコンタクト2に流れる電流が更に制限されて、ウエルコンタクト2に近いアノードの拡散層5のコンタクトホール3への電流集中が緩和され、ダイオード素子の破壊や信頼性低下をより一層有効に防ぐことができる。
尚、以上の説明では、ダイオードDの拡散層4、5の形状を短冊状としたが、短冊状に限定されず、例えば、図6に示すように、短冊状の拡散層4、5の四隅の角を少し切り取った形状としても良いのは勿論である。
(実施形態1の変形例3)
図7は本実施形態1の変形例3を示す。
前記変形例2では、四角形状のウエルコンタクト2において、複数のコンタクトホール3を、カソードを構成する拡散層4の長辺と対向する部分のみに配置した。従って、図5及び図6から判るように、四角形状のウエルコンタクト2の図中上辺及び下辺にはコンタクトホール3は位置しない。この点から、本変形例3では、図7に示すように、四角形状のウエルコンタクト2においてコンタクトホール3が位置しない上辺及び下辺を削除して、カソードを構成する拡散層4の長辺と対向する左辺及び右辺のみでウエルコンタクト2を構成したものである。本変形例では、変形例2と同様の作用効果を奏する。
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態2の半導体集積回路を図8に基づいて説明する。
本実施形態では、図8に示すように、ダイオードDのアノードを構成するP型拡散層5が中央に位置し、カソードを構成する2つのN型拡散層4が前記アノードの拡散層5の左方及び右方に位置する構成、及びダイオードDの周囲を囲むようにウエルコンタクト2が配置される構成は、図1と同様である。
本実施形態では、四角形状のウエルコンタクト2において、アノードの拡散層5とカソードの拡散層4とが対向する方向に位置する部位、即ち、長辺を構成する部位に対し、前記アノードの拡散層5とカソードの拡散層4とが対向する方向とは直交する方向に位置する部位、即ち、短辺を構成する部位では、前記アノード及びカソードの拡散層5、4との離隔tLを長く設定したものである。
尚、四角形状のウエルコンタクト2に形成されるコンタクトホール3の配置ピッチは、アノード及びカソードの拡散層5、4に形成されるコンタクトホール3の配置ピッチと等ピッチに設定されている。
本実施形態では、ウエルコンタクト2の短辺を構成する部位とアノード及びカソードの拡散層5、4との離隔tLが、ウエルコンタクト2の長辺を構成する部位とカソードの拡散層4との離隔tSよりも長く(tL>tS)設定されているので、アノードの拡散層5とウエルコンタクト2の短辺までの抵抗値が大きくなり、アノードの拡散層5からウエルコンタクト2の短辺に流れる電流が制限されて、ウエルコンタクト2に近いアノードの拡散層5の端部のコンタクトホール3への電流集中が緩和され、その結果、ダイオードDの破壊や信頼性低下を有効に防ぐことができる。
尚、以上の説明では、ダイオードDは、中央に位置するアノードの拡散層5と、その左方及び右方に位置する2つのカソードの拡散層4とにより構成されるが、本発明はこれに限定されず、種々のダイオードの構成が採用可能である。例えば、図9に示す半導体集積回路では、ダイオードDは、3つのアノードの拡散層5と4つのカソードの拡散層4とを有し、この4つのカソードの拡散層4の相互間に前記アノードの拡散層5が各々配置された構成を採用しても良い。このことは、以下の説明でも同様である。
(実施形態2の変形例1)
図10は前記実施形態2の変形例1を示す。
本変形例1では、前記実施形態2と同様に、ウエルコンタクト2の短辺を構成する部位とアノード及びカソードの拡散層5、4との離隔tLを、ウエルコンタクト2の長辺を構成する部位とカソードの拡散層4との離隔tSよりも長く設定した構成に加えて、前記第1の実施形態と同様に、図10に示すように、ウエルコンタクト2に形成したコンタクトホール3の配置ピッチpcを、アノードを構成するP型拡散層5のコンタクトホール3の最大ピッチ(縦方向の配置ピッチpy)よりも長いピッチ(pc>py)に設定したものである。
従って、本変形例1では、実施形態2の作用効果に加えて実施形態1の作用効果をも奏する。
(実施形態2の変形例2)
図11は本実施形態2の変形例2を示す。
本変形例では、前記実施形態2と同様に、ウエルコンタクト2の短辺を構成する部位とアノード及びカソードの拡散層5、4との離隔tLを、ウエルコンタクト2の長辺を構成する部位とカソードの拡散層4との離隔tSよりも長く設定した構成に加えて、前記第1の実施形態の変形例1と同様に、図11に示すように、ウエルコンタクト2のうち、短辺を構成する部位(アノードを構成するP型拡散層5とカソードを構成する2つのN型拡散層4とが対向する方向とは直交する方向に位置する部位)には、コンタクトホール3を形成しないように構成したものである。尚、図11では、ウエルコンタクト2の長辺に形成したコンタクトホール3の配置ピッチは、アノードを構成するP型拡散層5のコンタクトホール3の最大ピッチ(縦方向の配置ピッチ)と同一ピッチに設定されている。
従って、本変形例2では、実施形態2の作用効果に加えて実施形態1の変形例1の作用効果をも奏する。
(実施形態2の変形例3)
図12は前記実施形態2の変形例3を示す。
本変形例4では、前記実施形態2と同様に、ウエルコンタクト2の短辺を構成する部位とアノード及びカソードの拡散層5、4との離隔tLを、ウエルコンタクト2の長辺を構成する部位とカソードの拡散層4との離隔tSよりも長く設定した構成に加えて、前記第1の実施形態の変形例2と同様に、ウエルコンタクト2に形成するコンタクトホール3を、カソードを構成する拡散層4の長辺と対向する部分のみに配置したものである。
従って、本変形例3では、実施形態2の作用効果に加えて実施形態1の変形例2の作用効果をも奏する。
尚、本変形例では、ウエルコンタクト2は四角形状に構成したが、その短辺にはコンタクトホール3を形成しないので、図7と同様に、ウエルコンタクト2の短辺を削除する構成としても良い。
(実施形態3)
続いて、本発明の実施形態3の半導体集積回路を図13に基づいて説明する。
本実施形態では、ダイオードDのアノードを構成するP型拡散層5が中央に位置し、カソードを構成する2つのN型拡散層4が前記アノードの拡散層5の左方及び右方に位置する構成、及びダイオードDの周囲を囲むようにウエルコンタクト2が配置される構成は、図1と同様である。
本実施形態では、四角形状のウエルコンタクト2が、カソードを構成する2つのN型拡散層4と別体ではなく拡散層を共有している構成が採用される。この構成の下では、ダイオードDのカソードを構成する2つのN型拡散層4と電位とウエルコンタクト2の電位とは同一電位に設定される。
また、本実施形態では、前記第2の実施形態のように、ウエルコンタクト2の短辺を構成する部位とアノード及びカソードの拡散層5、4との離隔tLが、図8に示した第2の実施形態の半導体集積回路と同様に長く設定されている構成が採用される。
従って、本実施形態では、前記第2の実施形態の作用効果に加えて、図8との比較から判るように、ウエルコンタクト2の長辺と2つのカソードの拡散層4、4との間に位置する空間を削減できるので、保護素子の面積の削減効果がある。
(実施形態3の変形例1)
図14は前記実施形態3の変形例1を示す。
本変形例1では、前記図13の第3の実施形態と同様に、ウエルコンタクト2の長辺がカソードを構成する2つのN型拡散層4と拡散層を共有している構成、及びウエルコンタクト2の短辺とアノード及びカソードの拡散層5、4との離隔tLが長く設定される構成に加えて、図14に示すように、前記図1の第1の実施形態と同様に、ウエルコンタクト2に形成したコンタクトホール3の配置ピッチpcを、アノードを構成するP型拡散層5のコンタクトホール3の最大ピッチ(縦方向の配置ピッチpy)よりも長いピッチ(pc>py)に設定したものである。
従って、本変形例では、前記第3の実施形態の作用効果に加えて、前記第1の実施形態の作用効果をも奏する。
(実施形態3の変形例2)
図15は前記実施形態3の変形例2を示す。
本変形例2と前記変形例1と異なる点は次の点である。即ち、前記変形例1では、ウエルコンタクト2に形成するコンタクトホール3の配置ピッチpcを長く設定したが、本変形例2では、図15に示すように、ウエルコンタクト2に形成するコンタクトホール3の配置ピッチは、カソードを構成する拡散層4のコンタクトホール3の長辺方向の配置ピッチと同ピッチであるが、前記第1の実施形態の図11の変形例1と同様に、ウエルコンタクト2の短辺の部位にコンタクトホール3を形成しないように構成したものである。
従って、本変形例では、前記第3の実施形態の作用効果に加えて、前記第1の実施形態の変形例1の作用効果をも奏する。
(実施形態3の変形例3)
図16は前記実施形態3の変形例3を示す。
本変形例3では、図15の変形例2と比較して、更に、ウエルコンタクト2の長辺のうち、カソードを構成する拡散層4と対向しない部位にはコンタクトホール3を形成せず、カソードを構成する拡散層4と対向する部位のみにコンタクトホール3を形成した構成を採用する。その他の構成は、図15の構成と同様である。
従って、本変形例では、前記第3の実施形態の作用効果に加えて、前記第1の実施形態の変形例2の作用効果をも奏する。
(実施形態3の変形例4)
図17は前記実施形態3の変形例4を示す。
本変形例4では、図16の変形例2と比較して、更に、ウエルコンタクト2の長辺にもコンタクトホール3を形成しない構成を採用する。その結果、アノードを構成する拡散層5のコンタクトホール3の個数と、2つのカソードを構成する拡散層4、4のコンタクトホール3の合計個数とは、同一個数となる。その他の構成は、図16の構成と同様である。
従って、本変形例では、前記変形例3の作用効果に加えて、アノード及びカソードを構成する拡散層5、4相互間でコンタクトホール3の個数が同一個数であるので、アノード、カソード相互間で電流密度が等しくなって、ダイオードDの信頼性の向上を図ることができる。
(実施形態4)
次に、本発明の実施形態4の半導体集積回路を図18に基づいて説明する。
本実施形態では、図18に示すように、ダイオードDのアノードを構成するP型拡散層5が中央に位置し、カソードを構成する2つのN型拡散層4が前記アノードの拡散層5の左方及び右方に位置する。ダイオードDの周囲を囲むように配置される四角形状のウエルコンタクトは、本実施形態では備えず、カソードを構成する2つのN型拡散層4がウエルコンタクトを代用する。
従って、本実施形態では、専用のウエルコンタクトを配置しないので、アノードを構成する拡散層5からの電流は、その全てが確実にカソードを構成する拡散層4に流入して、提案例のようにアノードの拡散層5からウエルコンタクトに流れる電流がなくなるので、アノードの拡散層5のコンタクトホール3への電流集中が確実に緩和されて、ダイオードDの破壊や信頼性低下を防ぐことができる。更に、本実施形態では、専用のウエルコンタクトがない分、半導体集積回路の面積を有効に削減できる。
(実施形態4の変形例1)
図19は前記実施形態4の変形例1を示す。
本変形例1では、図19に示すように、専用のウエルコンタクトを配置せず、カソードを構成する2つの拡散層4でウエルコンタクトを代用する構成が採用されると共に、アノードを構成する拡散層5のコンタクトホール3の個数と、2つのカソードを構成する拡散層4、4のコンタクトホール3の合計個数とを、同一個数に設定している。
従って、本変形例では、前記実施形態4の作用効果に加えて、アノードから流れる電流量とカソードに流れ込む電流量が等しくなって、アノードを構成する拡散層5のコンタクトホール3への電流集中がなくなるので、ダイオードDの破壊や信頼性低下を防ぐことができる。
以上説明したように、本発明は、ダイオード素子の信頼性向上、並びに、保護素子としても能力を十分に発揮できる半導体集積回路として有用である。
本発明の実施形態1に係る半導体集積回路のレイアウト構成を示す図である。 同半導体集積回路の断面を示す図である。 同半導体集積回路の他の例の断面を示す図である。 同実施形態1の変形例1に係る半導体集積回路のレイアウト構成を示す図である。 同実施形態1の変形例2に係る半導体集積回路のレイアウト構成を示す図である。 同半導体集積回路のレイアウト構成の変形例を示す図である。 同実施形態1の変形例3に係る半導体集積回路のレイアウト構成を示す図である。 本発明の実施形態2に係る半導体集積回路のレイアウト構成を示す図である。 同半導体集積回路のレイアウト構成の変形例を示す図である。 同半導体集積回路の変形例1に係る半導体集積回路のレイアウト構成を示す図である。 同半導体集積回路の変形例2に係る半導体集積回路のレイアウト構成を示す図である。 同半導体集積回路の変形例3に係る半導体集積回路のレイアウト構成を示す図である。 本発明の実施形態3に係る半導体集積回路のレイアウト構成を示す図である。 同半導体集積回路の変形例1に係る半導体集積回路のレイアウト構成を示す図である。 同半導体集積回路の変形例2に係る半導体集積回路のレイアウト構成を示す図である。 同半導体集積回路の変形例3に係る半導体集積回路のレイアウト構成を示す図である。 同半導体集積回路の変形例4に係る半導体集積回路のレイアウト構成を示す図である。 本発明の実施形態4に係る半導体集積回路のレイアウト構成を示す図である。 同半導体集積回路の変形例1に係るレイアウト構成を示す図である。 本半導体集積回路の適用箇所を示す図である。 半導体集積回路の提案例を示す図である。 図21の提案例の半導体集積回路のレイアウト構成における電流の流れを示す概略図である。 本発明の半導体集積回路のレイアウト構成における電流の流れを示す概略図である。
符号の説明
1 N型ウエル
2 N型ウエルコンタクト
3 コンタクトホール
4 アノードを構成するP型拡散層(第1極性型拡散層)
5 カソードを構成するN型拡散層(第2極性型拡散層)
D、D1、D2 ダイオード

Claims (11)

  1. ダイオードのアノードを構成する第1極性型拡散層、及び前記第1極性型拡散層に隣接して配置され且つカソードを構成する第2極性型拡散層を備えたダイオードと、
    前記ダイオードの周囲に配置された第2極性型の基板又はウエルコンタクトとを備えており、
    前記ダイオードの第1極性型拡散層及び第2極性型拡散層並びに前記基板又はウエルコンタクトには、各々、外部と電気的接続をするための複数のコンタクトホールが形成され、
    前記第2極性型の基板又はウエルコンタクトの複数のコンタクトホールの配置ピッチは、前記ダイオードのアノードを構成する第1極性型拡散層の複数のコンタクトホールの配置ピッチよりも大きく設定されている
    ことを特徴とする半導体集積回路。
  2. ダイオードのアノードを構成する第1極性型拡散層、及び前記第1極性型拡散層に対向して配置され且つカソードを構成する第2極性型拡散層を備えたダイオードと、
    前記ダイオードの四方を囲むように配置された第2極性型の基板又はウエルコンタクトとを備えており、
    前記ダイオードの第1極性型拡散層及び第2極性型拡散層には、各々、外部と電気的接続をするための複数のコンタクトホールが形成され、
    前記基板又はウエルコンタクトには、前記ダイオードの第1極性型拡散層と第2極性型拡散層とが対向する方向とは直交する方向に位置する部位を除いて、複数のコンタクトホールが形成されている
    ことを特徴とする半導体集積回路。
  3. 前記請求項2に記載の半導体集積回路において、
    前記基板又はウエルコンタクトに形成された複数のコンタクトホールは、
    前記基板又はウエルコンタクトのうち、前記ダイオードの第1極性型拡散層と第2極性型拡散層とが対向する方向に位置する部位のみに位置している
    ことを特徴とする半導体集積回路。
  4. ダイオードのアノードを構成する第1極性型拡散層、及び前記第1極性型拡散層に対向して配置され且つカソードを構成する第2極性型拡散層を備えたダイオードと、
    前記ダイオードの第1極性型拡散層と第2極性型拡散層とが対向する方向のみに位置する第2極性型の基板又はウエルコンタクトとを備えており、
    前記ダイオードの第1極性型拡散層及び第2極性型拡散層並びに前記基板又はウエルコンタクトには、各々、外部と電気的接続をするための複数のコンタクトホールが形成されている
    ことを特徴とする半導体集積回路。
  5. ダイオードのアノードを構成する第1極性型拡散層、及び前記第1極性型拡散層に対向して配置され且つカソードを構成する第2極性型拡散層を備えたダイオードと、
    前記ダイオードの四方を囲むように配置された第2極性型の基板又はウエルコンタクトとを備えており、
    前記ダイオードの第1極性型拡散層及び第2極性型拡散層及び前記基板又はウエルコンタクトには、各々、外部と電気的接続をするための複数のコンタクトホールが形成され、
    前記基板又はウエルコンタクトのうち、前記ダイオードの第1極性型拡散層と第2極性型拡散層とが対向する方向とは直交する方向に位置する部位は、
    前記対向方向に位置する部位に比べて、前記ダイオードの第1極性型拡散層又は第2極性型拡散層との離隔が長い
    ことを特徴とする半導体集積回路。
  6. 前記請求項5記載の半導体集積回路において、
    前記第2極性型の基板又はウエルコンタクトの複数のコンタクトホールの配置ピッチは、前記ダイオードのアノードを構成する第1極性型拡散層の複数のコンタクトホールの配置ピッチよりも大きく設定されている
    ことを特徴とする半導体集積回路。
  7. 前記請求項5記載の半導体集積回路において、
    前記基板又はウエルコンタクトに形成された複数のコンタクトホールは、
    前記ダイオードの第1極性型拡散層と第2極性型拡散層とが対向する方向とは直交する方向に位置する部位を除いた部位のみに位置している
    ことを特徴とする半導体集積回路。
  8. 前記請求項5記載の半導体集積回路において、
    前記基板又はウエルコンタクトに形成された複数のコンタクトホールは、
    前記基板又はウエルコンタクトのうち、前記ダイオードの第1極性型拡散層と第2極性型拡散層とが対向する方向に位置する部位のみに位置している
    ことを特徴とする半導体集積回路。
  9. 前記請求項1、2、4及び5の何れか1項に記載の半導体集積回路において、
    前記ダイオードのアノードを構成する第1極性型拡散層と、前記ダイオードのカソードを構成する第2極性型拡散層とは、短冊状である
    ことを特徴とする半導体集積回路。
  10. 前記請求項記載の半導体集積回路において、
    前記ダイオードのカソードを構成する第2極性型拡散層は、
    前記ダイオードのアノードを構成する第1極性型拡散層の左方及び右方の両側に位置する
    ことを特徴とする半導体集積回路。
  11. 相互に別電源で動作するデジタル回路及びアナログ回路が混載されたシステムLSIであって、
    前記請求項1、2、4及び5の何れか1項に記載の半導体集積回路を2つ用いて構成されると共に、前記デジタル回路とアナログ回路との間に配置され、前記デジタル回路からアナログ回路への静電気放電及び前記アナログ回路からデジタル回路への静電気放電を許容する1組の保護素子を備えた
    ことを特徴とするシステムLSI。
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