JP4976616B2 - 難燃性ポリカーボネート樹脂組成物とその製造法および成形品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、難燃性ポリカーボネート樹脂組成物と、その製造法および成形品に関する。さらに詳しくは、外観に優れた成形品を得ることのできる難燃性ポリカーボネート樹脂組成物と、その製造法およびその成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリカーボネート樹脂は、耐衝撃特性や耐熱性、電気的特性、寸法安定性などに優れていることから、OA(オフィスオートメーション)機器、情報・通信機器、家庭電化機器などの電気・電子機器分野、自動車分野、建築分野など様々な分野において幅広く利用されている。このポリカーボネート樹脂は、それ自体が自己消火性樹脂ではあるが、OA機器、情報・通信機器、電気・電子機器などの素材として使用する場合、安全性のさらなる向上のために、難燃性の程度をより高めることが要請されている。
【0003】
ポリカーボネート樹脂の難燃性を向上させる方法として、ハロゲン化ビスフェノールAやハロゲン化ポリカーボネートオリゴマーなどのハロゲン系難燃剤が難燃剤効率が高いことから、酸化アンチモンなどの難燃助剤とともに用いられてきた。しかしながら、これらハロゲン系難燃剤を用いた難燃性ポリカーボネート樹脂は、安全性や、廃棄物を焼却する際の環境への影響が大きいことから、ハロゲンを含まない難燃剤による難燃化が要請されている。そこで、このノンハロゲン系難燃剤として、有機リン系難燃剤、特に有機リン酸エステル化合物が難燃性の付与と同時に可塑剤としての作用を有することから、この有機リン酸エステル化合物を用いた難燃性ポリカーボネート樹脂組成物が提案されている。
【0004】
ところで、この有機リン酸エステル化合物を用いてポリカーボネート樹脂を難燃化するためには、有機リン酸エステル化合物を比較的多量に配合する必要がある。そして、ポリカーボネート樹脂は、成形温度が高く、かつ溶融粘度も高いため、成形品の薄肉化や大型化に対応するためには、ますます成形温度を高くすることが必要になる。したがって、この有機リン酸エステル化合物は、難燃性の向上に寄与するが、ポリカーボネート樹脂の成形加工時に、金型に付着したり、ガスの発生を招くなど、成形環境や成形品の外観上必ずしも十分ではない。また、この有機リン酸エステル化合物を用いた難燃性ポリカーボネート樹脂組成物の成形品は、高温あるいは高温高湿環境での使用により衝撃強度の低下を招いたり、変色するという問題がある。さらに、この難燃性ポリカーボネート樹脂組成物の成形品は、熱安定性が不十分であることから、省資源化のためのリサイクル適性に劣るという問題も残されている。
【0005】
そこで、このような課題の解決のため、特開昭50−98546号公報においては、少量の重合体状芳香族スルホン酸の金属塩、例えばポリスチレンスルホン酸ナトリウム塩を配合することによりポリカーボネート樹脂を難燃化することを提案している。しかしながら、ポリスチレンを通常の手法でスルホン化し、さらに水酸化ナトリウムで中和して得られるポリスチレンスルホン酸ナトリウム塩を用いてポリカーボネート樹脂の難燃化をはかると、このポリスチレンスルホン酸ナトリウム塩が分散性に劣ることに起因して、その成形品の外観不良を招くという難点がある。また、特開平11−172063号公報においては、スルホン酸アルカリ金属塩などの酸塩基を有する芳香族ビニル系樹脂と、それ以外の熱可塑性樹脂からなる難燃性熱可塑性樹脂組成物、あるいはさらに難燃剤を配合した難燃性熱可塑性樹脂組成物を提案しているが、この場合においても、熱可塑性樹脂としてポリカーボネート樹脂を用いると、酸塩基を有する芳香族ビニル系樹脂のポリカーボネート樹脂への分散性が劣ることから、その成形品の外観不良や透明性の低下を招くという難点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、少量の難燃性付与成分を添加するだけで、ポリカーボネート樹脂が本来的に有する物理的性質を維持しながら高い難燃性や優れたリサイクル特性および帯電防止性能を有し、かつ外観に優れた成形品を得ることのできる難燃性ポリカーボネート樹脂組成物と、その製造法およびその成形品を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために種々検討を重ねた結果、ポリカーボネート樹脂に、無機金属塩の含有率が5質量%未満の酸塩基含有芳香族ビニル系樹脂を特定割合で配合してなる難燃性ポリカーボネート樹脂組成物によれば、上記の目的を達成することができることを見出し、これら知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明の要旨は、下記のとおりである。
〔1〕(A)成分としてポリカーボネート樹脂95〜99.99質量%、および(B)成分として無機金属塩の含有率が5質量%未満の酸塩基含有芳香族ビニル系樹脂0.01〜5質量%からなる難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
〔2〕(B)成分の酸塩基含有芳香族ビニル系樹脂が、無機金属塩の含有率が3質量%未満の酸塩基含有芳香族ビニル系樹脂である前記〔1〕に記載の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
〔3〕さらに、(C)成分としてポリテトラフルオロエチレン系樹脂を、前記〔1〕に記載の(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して、0.01〜5質量部添加してなる前記〔1〕または〔2〕に記載の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
〔4〕さらに、(D)成分としてコア/シェルタイプのエラストマーを、前記〔1〕に記載の(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して、0.01〜10質量部添加してなる前記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
〔5〕さらに、(E)成分としてリン酸エステル系難燃剤を、前記〔1〕に記載の(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して、0.01〜30質量部添加してなる前記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
〔6〕(B)成分の酸塩基含有芳香族ビニル系樹脂を濃度10〜60質量%の溶液状態において(B)成分以外の成分に散布して混練することにより製造された前記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
〔7〕前記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を製造するにあたり、(B)成分の酸塩基含有芳香族ビニル系樹脂を濃度10〜60質量%の溶液状態において(B)成分以外の成分に散布した後、混練することを特徴とする難燃性ポリカーボネート樹脂組成物の製造法。
〔8〕前記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を成形してなる成形品。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明は、(A)成分としてポリカーボネート樹脂95〜99.99質量%、および(B)成分として無機金属塩の含有率が5質量%未満の酸塩基含有芳香族ビニル系樹脂0.01〜5質量%からなる難燃性ポリカーボネート樹脂組成物である。この難燃性ポリカーボネート樹脂組成物において、(B)成分の無機金属塩の含有率が5質量%未満の酸塩基含有芳香族ビニル系樹脂を0.01質量%以上とするのは、この(B)成分の配合割合が0.01質量%未満であると得られる難燃性ポリカーボネート樹脂組成物の難燃性が不充分であるからであり、また、この(B)成分の酸塩基含有芳香族ビニル系樹脂を5質量%以下とするのは、この(B)成分の配合割合が5質量%以内であっても充分に難燃性を付与することができ、この配合割合が5質量%を超えると、得られる難燃性ポリカーボネート樹脂組成物の物理的特性の低下を招くようになるからである。
【0010】
そして、本発明の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物は、これら(A)成分と(B)成分からなる基本的な構成の樹脂組成物100質量部に対して、必要に応じて、(C)成分としてポリテトラフルオロエチレン系樹脂を0.01〜5質量部、また、(D)成分としてコア/シェルタイプのエラストマーを0.01〜10質量部、さらに、(E)成分としてリン酸エステル系難燃剤を0.01〜30質量部の配合割合において添加することができる。これら(A)成分のポリカーボネート樹脂、(B)成分の無機金属塩の含有率が5質量%未満の酸塩基含有芳香族ビニル系樹脂、(C)成分のポリテトラフルオロエチレン系樹脂、(D)成分のコア/シェルタイプのエラストマーおよび(E)成分のリン酸エステル系難燃剤としては、下記のものが好適に用いられる。
【0011】
(A)ポリカーボネート樹脂
本発明の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物の原料として用いる(A)成分のポリカーボネート樹脂としては、特に制約はなく、種々の構造単位を有するポリカーボネート樹脂が挙げられる。通常、二価フェノールとカーボネート前駆体との反応により製造される芳香族ポリカーボネートを用いることができる。すなわち、二価フェノールとカーボネート前駆体とを溶液法あるいは溶融法により反応させて製造したものを使用することができる。
【0012】
この二価フェノールとしては、例えば、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、ハイドロキノン、レゾルシン、カテコールなどが挙げられる。これら2価フエノールの中でも、ビス(ヒドロキシフェニル)アルカン類が好ましく、さらに2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを主原料としたものが特に好ましい。
【0013】
また、カーボネート前駆体としては、カルボニルハライドやカルボニルエステル、ハロホルメートなどが挙げられる。具体的には、ホスゲン、二価フェノールのジハロホルメート、ジフェニルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどが挙げられる。
また、このポリカーボネート樹脂は、その重合体鎖の分子構造が直鎖構造であるもののほか、分岐構造を有していてもよい。このような分岐構造を導入するための分岐剤としては、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、α,α’,α”−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼン、フロログルシン、トリメリット酸、イサチンビス(o−クレゾール)などを用いることができる。また、分子量調節剤として、フェノールやp−t−ブチルフェノール、p−t−オクチルフェノール、p−クミルフェノールなどを用いることができる。
【0014】
さらに、本発明に用いるポリカーボネート樹脂としては、上記の二価フェノールのみを用いて製造された単独重合体のほか、ポリカーボネート構造単位とポリオルガノシロキサン構造単位を有する共重合体、あるいはこれら単独重合体と共重合体からなる樹脂組成物であってもよい。また、テレフタル酸などの二官能性カルボン酸やそのエステル形成誘導体などのエステル前駆体の存在下にポリカーボネートの重合反応を行うことによって得られるポリエステル−ポリカーボネート樹脂であってもよい。さらに、種々の構造単位を有するポリカーボネート樹脂を溶融混練して得られる樹脂組成物を用いることもできる。なお、本発明における(A)成分のポリカーボネート樹脂としては、その構造単位中に実質的にハロゲン原子が含まれないものが好適に用いられる。
【0015】
そして、この(A)成分として用いるポリカーボネート樹脂は、その粘度平均分子量が10,000〜100,000であるものが好ましい。それは、この粘度平均分子量が10,000未満であると、得られる樹脂組成物の熱的性質や機械的性質が充分でなく、またこの粘度平均分子量が100,000を超えるものでは、得られる樹脂組成物の成形加工性が低下するからである。このポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量は、より好ましくは11,000〜40,000であり、さらに好ましくは12,000〜30,000である。
【0016】
(B)酸塩基含有芳香族ビニル系樹脂
本発明の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物の原料として用いる(B)成分の酸塩基含有芳香族ビニル系樹脂は、芳香族ビニル系熱可塑性樹脂の芳香環における水素原子の一部を酸塩基で置換した熱可塑性樹脂であって、この酸塩基含有芳香族ビニル系樹脂中に残存する無機金属塩の含有率を5質量%未満に減少させた酸塩基含有芳香族ビニル系樹脂である。
【0017】
すなわち、この芳香族ビニル系熱可塑性樹脂の芳香環における水素原子の一部を酸塩基で置換する場合、例えば、ポリスチレンを無水硫酸と接触処理してスルホン化した後、水酸化ナトリウムにより中和する方法を採用すると、そこで副生する硫酸ナトリウムが、酸塩基含有芳香族ビニル系樹脂であるポリスチレンスルホン酸ナトリウム中に残存するようになる。また、水酸化カリウムにより中和する方法を採用すると、硫酸カリウムが副生して、ポリスチレンスルホン酸カリウム中に残存するようになる。そして、これら硫酸ナトリウムや硫酸カリウムの含有率が5質量%を超えると、そのポリスチレンスルホン酸ナトリウムやポリスチレンスルホン酸カリウムとポリカーボネート樹脂からなる難燃性ポリカーボネート樹脂組成物の物理的な性質、ことにポリカーボネート樹脂が本来的に有している優れた機械的性質や熱的性質、リサイクル特性および電気的性質の低下を招くようになるほか、この組成物を成形して得られる成形品の表面への突起物の発生による外観不良の発生率が高くなる。そこで、本発明における(B)成分の酸塩基含有芳香族ビニル系樹脂としては、この酸塩基含有芳香族ビニル系樹脂中に残存する無機金属塩の含有率を5質量%未満に減少させたものを用いるのである。この(B)成分としてさらに好ましいのは、無機金属塩の含有率を3質量%未満に減少させた酸塩基含有芳香族ビニル系樹脂である。
【0018】
つぎに、この芳香族ビニル系樹脂としては、ポリスチレン、ゴム変性ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂などの重合体鎖中に少なくともスチレンに由来する構造単位を有する熱可塑性樹脂を用いることができる。これらの中でも、特にポリスチレン樹脂が好ましく用いられる。
【0019】
そして、この芳香族ビニル系樹脂における芳香環の水素原子に置換される酸塩基としては、例えば、スルホン酸塩基、ホウ酸塩基、リン酸塩基などのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩などが挙げられる。また、これら酸塩基の置換比率については、特に制約はなく、例えば、10〜100%の範囲内で適宜選択することができる。
【0020】
つぎに、この酸塩基含有芳香族ビニル系樹脂として好適な酸塩基含有ポリスチレン樹脂については、下記一般式(1)
【0021】
【化1】
【0022】
〔式(1)中、Xは酸塩基を示し、Yは水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基を示す。また、mは1〜5の整数を示し、nは酸塩基で置換されたスチレンに由来する構造単位のモル分率を表し、0<n≦1である。〕で表される酸塩基含有ポリスチレン樹脂が好ましい。
この一般式(1)において、Xが表わす酸塩基としては、スルホン酸塩基、ホウ酸塩基、リン酸塩基が好ましく、これら酸のナトリウムやカリウムなどのアルカリ金属塩、マグネシウムやカルシウムなどのアルカリ土類金属塩、アルミニウム塩、亜鉛塩、錫塩、アンモニウム塩などが好適なものとして挙げられる。また、一般式(1)におけるYとしては、水素原子が好ましいが、炭化水素基としてはメチル基が好ましい。
【0023】
つぎに、この(B)成分の酸塩基含有芳香族ビニル系樹脂を製造する方法については、単量体としてスルホン基などを有する芳香族ビニル系単量体またはこれらと共重合可能な他の単量体とを重合または共重合した後、塩基性物質で中和し、精製する方法であってもよいし、芳香族ビニル系重合体または芳香族ビニル系共重合体、あるいはそれらの混合物をスルホン化し、塩基性物質で中和した後、精製する方法により製造してもよい。
【0024】
この芳香族ビニル系重合体をスルホン化して中和し精製する方法による場合には、例えば、ポリスチレン樹脂の1,2−ジクロロエタン溶液に無水硫酸を加えて反応させることにより、ポリスチレンスルホン酸を製造し、ついで、これを水酸化ナトリウムあるいは水酸化カリウムなどの塩基性物質で中和した後、精製すればよい。このポリスチレンスルホン酸ナトリウムやポリスチレンスルホン酸カリウムの精製は、溶媒を用いて再結晶化する方法を採用してもよいし、また硫酸ナトリウムや硫酸カリウムを濾別する方法や、イオン交換剤、キレート剤、吸着剤による処理方法を採用してもよい。そして、中和後のポリスチレンスルホン酸ナトリウムやポリスチレンスルホン酸カリウム中に残存するスルホン酸ナトリウムなどの無機金属塩の含有率を5質量%未満、好ましくは3質量%未満に減少させたものを、上記(B)成分として用いる。
【0025】
さらに、この(B)成分の酸塩基含有芳香族ビニル系樹脂としては、その重量平均分子量が1,000〜300,000であるものが好適に用いられる。それは、この酸塩基含有芳香族ビニル系樹脂の重量平均分子量が1,000未満であると、これを配合成分として用いた樹脂組成物の物理的性質が実用上充分でなくなるおそれがあり、また、この酸塩基含有芳香族ビニル系樹脂の重量平均分子量が300,000を超えると、これを配合成分として用いた樹脂組成物の流動性が悪くなり、生産性の低下を招くようになるからである。
【0026】
(C)ポリテトラフルオロエチレン系樹脂
本発明の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物は、基本的には上記(A)(B)両成分からなるがその使途によっては、さらに、その溶融滴下の抑制されたものが要請される場合がある。このような要請を満足する難燃性ポリカーボネート樹脂組成物としては、さらに、(C)成分としてポリテトラフルオロエチレン系樹脂を、これら(A)(B)両成分の合計100質量部に対して、0.01〜5質量部添加してなる難燃性ポリカーボネート樹脂組成物が好適に用いられる。
【0027】
この(C)成分のポリテトラフルオロエチレン系樹脂としては、テトラフルオロエチレンの単独重合体の他、このテトラフルオロエチレンと、ヘキサフルオロプロピレンやフッ素原子を含まないエチレン系モノマーとの共重合体であって、その重合体鎖中にフルオロエチレンに由来する構造単位を有する重合体や共重合体が用いられる。そして、これらポリテトラフルオロエチレン系樹脂は、1種単独で(C)成分として用いてもよいし、2種以上のものを組合せて(C)成分に用いてもよい。また、これらポリテトラフルオロエチレン系樹脂としては、その平均分子量が500,000以上であるものが好ましく、さらに500,000〜10,000,000であるものがより好ましい。
【0028】
そして、このポリテトラフルオロエチレン系樹脂の中でも、フィブリル形成能を有するものを用いると、より高い溶融滴下抑制効果が得られる。このようなフィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレン系樹脂としては、例えば、ASTM規格においてタイプ3に分類されているものが挙げられる。そして、このポリテトラフルオロエチレン系樹脂は、例えば、テトラフルオロエチレンを水性溶媒中、ナトリウム、カリウム、アンモニウムパーオキシジスルフィドの存在下に、0.01〜1MPaの圧力下、温度0〜200℃、好ましくは20〜100℃で重合させることによって得られたものが好適に用いられる。
【0029】
このようなフィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレン系樹脂としては、市販品として、ASTM規格のタイプ3に分類されているものでは、テフロン6−J(三井・デュポンフロロケミカル社製)、ポリフロンD−1、ポリフロンF−103、ポリフロンF201(ダイキン工業社製)、CD076(旭硝子フロロポリマーズ社製)などがある。また、ASTM規格のタイプ3に分類されるもの以外では、アルゴフロンF5(モンテフルオス社製)、ポリフロンMPA、ポリフロンFA−100(ダイキン工業社製)などがある。
【0030】
(D)コア/シェルタイプのエラストマー
また、この難燃性ポリカーボネート樹脂組成物の使途によっては、さらに、その耐衝撃特性、特に低温衝撃特性に優れたものが要請される場合がある。このような要請を満足する難燃性ポリカーボネート樹脂組成物としては、さらに、(D)成分としてコア/シェルタイプのエラストマーを、上記(A)(B)両成分の合計100質量部に対して、0.01〜10質量部添加してなる難燃性ポリカーボネート樹脂組成物が好適に用いられる。
【0031】
この(D)成分のコア/シェルタイプのエラストマーとしては、コア(芯)と、シェル(殻)から構成される2層構造を有するエラストマーが好適に用いられる。そして、このコア部分は軟質なゴム状態であって、その表面のシェル部分は硬質な樹脂状態であり、エラストマー自体は粉末状(粒子状態)であるグラフトエラストマーが好適に用いられる。このコア/シェルタイプのグラフトエラストマーは、ポリカーボネート樹脂と溶融ブレンドした後も、その粒子状態は、大部分が元の形態を保っている。したがって、このエラストマーはポリカーボネート樹脂中に均一に分散して、表層剥離を起こすことが少ない。
【0032】
そして、このコア/シェルタイプのグラフトエラストマーは、例えば、アルキルアクリレートやアルキルメタクリレート、ジメチルシロキサンを主体とする単量体から得られる1種または2種以上のゴム状重合体の存在下に、スチレンなどのビニル系単量体の1種または2種以上を重合させて得られるものが好適に用いられる。これらアルキルアクリレートやアルキルメタクリレートとしては、炭素数2〜10のアルキル基を有するもの、例えば、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルメタクリレートなどを用いて得られたものが好ましい。これらアルキルアクリレートを主体とする単量体を用いて得られるエラストマーとしては、アルキルアクリレート70質量%以上と、これと共重合可能なビニル系単量体、例えば、メチルメタクリレート、アクリロニトリル、酢酸ビニル、スチレンなどを30質量%以下の割合で反応させて得られる共重合体が好適に用いられる。さらに、ジビニルベンゼンや、エチレンジメタクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレートなどの多官能性化合物により架橋化させたものであってもよい。
【0033】
また、ゴム状重合体の存在下に、スチレン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル化合物や、アクリル酸メチル、アクリル酸エチルなどのアクリル酸エステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルなどのメタクリル酸エステルなどを重合あるいは共重合させて得られるものを用いてもよい。さらに、これら単量体と共に他のビニル系単量体、例えば、アクリロニトリルや、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル化合物などを共重合させて得られたものであってもよい。そして、これら重合体や共重合体は、塊状重合法や懸濁重合法、乳化重合法などの各種方法によって得られたものが用いられるが、それらの中でも、乳化重合法によって得られたものが特に好適に用いられる。
【0034】
さらに、このコア/シェルタイプグラフトエラストマーとして、n−ブチルアクリレート60〜80質量%に、スチレンとメタクリル酸メチルを20〜40質量%の割合でグラフト共重合させたMAS樹脂弾性体が用いられる。また、ポリシロキサンゴム成分5〜95質量%とポリ(メタ)アクリレートゴム成分5〜95質量%とが分離できないように相互に絡み合った構造を有する平均粒子径0.01〜1μm程度の複合ゴムに、少なくとも1種のビニル系単量体をグラフト共重合させて得られる複合ゴム系グラフト共重合体を用いることもできる。
これら種々の形態を有するコア/シェルタイプのグラフトエラストマーは、市販品としては、ハイブレンB621(日本ゼオン社製)、KM−357P(呉羽化学工業社製)、メタブレンW529、メタブレンS2001、メタブレンC223、メタブレンB621(三菱レイヨン社製)などがある。
【0035】
(E)リン酸エステル系難燃剤
また、この難燃性ポリカーボネート樹脂組成物の使途によっては、さらに高い難燃性を有するものが要請される場合がある。このような要請を満足する難燃性ポリカーボネート樹脂組成物としては、さらに、(E)成分としてリン酸エステル系難燃剤を、上記(A)(B)両成分の合計100質量部に対して、0.01〜30質量部添加してなる難燃性ポリカーボネート樹脂組成物が好適に用いられる。
【0036】
この(E)成分のリン酸エステル系難燃剤としては、リン原子に直接結合するエステル性酸素原子を1つ以上有するリン酸エステル化合物が用いられる。このようなリン酸エステル化合物は、例えば、下記一般式(2)
【0037】
【化2】
【0038】
〔式(2)中、R1 、R2 、R3 、R4 は、それぞれ独立に水素原子または有機基を表し、Xは2価以上の有機基を表す。また、pは0または1を表し、qは1以上の整数を表し、rは0以上の整数を表す。〕で示されるリン酸エステル化合物やその混合物が好適に用いられる。
ここで、一般式(2)においてR1 〜R4 が表わす有機基としては、それぞれ置換基を有していてもよいアルキル基、シクロアルキル基、アリール基などが挙げられる。また、置換基を有する場合、その置換基は、アルキル基やアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基などが好ましい。さらに、これら置換基を組合わせた基であるアリールアルコキシアルキル基などであってもよいし、これら置換基を酸素原子、窒素原子、イオウ原子などにより結合したアリールスルホニルアリール基などであってもよい。また、一般式(2)においてXが表わす2価以上の有機基としては、上記の有機基から炭素原子に結合している水素原子を1個以上除いた2価以上の基を意味する。例えば、それぞれ置換基を有していてもよいアルキレン基やフェニレン基、あるいは多核フェノール類であるビスフェノール類から誘導される基であってもよい。
【0039】
この一般式(2)で示されるリン酸エステル化合物としては、例えば、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、トリ(2−エチルヘキシル)ホスフェート、ジイソプロピルフェニルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェート、トリナフチルホスフェート、ビスフェノールAビスホスフェート、ヒドロキノンビスホスフェート、レゾルシンビスホスフェート、レゾルシノールジフェニルホスフェート、トリオキシベンゼントリホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、あるいはこれらの置換体などが好適なものとして挙げられる。
【0040】
このようなリン酸エステル化合物の市販品としては、例えば、大八化学工業社製の、TPP〔トリフェニルホスフェート〕、TXP〔トリキシレニルホスフェート〕、CR733S〔レゾルシノール(ジフェニルホスフェート)〕CR741〔ビスフェノールA(ジフェニルホスフェート)〕、PX200〔1,3−フェニレン−テトラキス(2,6−ジメチルフェニル)リン酸エステル、PX201〔1,4−フェニレン−テトラキス(2,6−ジメチルフェニル)リン酸エステル、PX202〔4,4’−ビフェニレン−テトラキス(2,6−ジメチルフェニル)リン酸エステルなどがある。
また、本発明の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物には、上記の(A)〜(E)各成分の他に、必要に応じて、各種添加剤成分を含有させることができる。このような添加剤としては、酸化防止剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤(耐候剤)、抗菌剤、相溶化剤、着色剤(染料、顔料)などが挙げられる。
【0041】
つぎに、本発明の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物の製造方法については、上記(B)成分の酸塩基含有芳香族ビニル系樹脂を、濃度10〜60質量%の溶液状態において、(B)成分以外の成分に散布した後に混練する方法によるのが好ましい。すなわち、(A)成分と(B)成分からなる基本的な組成の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を製造するに際しては、(B)成分の酸塩基含有芳香族ビニル系樹脂を、濃度10〜60質量%の溶液状態において、(A)成分に散布した後に、(A)成分と(B)成分を混練すればよい。また、(A)〜(E)の組合せからなる組成の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を製造するに際しては、(B)成分の酸塩基含有芳香族ビニル系樹脂を、濃度10〜60質量%の溶液状態において、(A)成分および(C)〜(E)成分の混合物に散布した後に、(A)〜(E)全成分を混練すればよい。
【0042】
ここで、この(B)成分の酸塩基含有芳香族ビニル系樹脂を、濃度10〜60質量%の溶液状態で他の成分に散布するのは、この(B)成分の濃度が10質量%未満の溶液によると、これら成分の混練の途上での溶媒の脱気が不十分になることがあり、樹脂組成物の物性低下を招くおそれがあるからである。また、この(B)成分の濃度が60質量%を超える溶液によると、その溶液の粘度が高くなり過ぎて他の成分への均一分散に支障をきたすことがあるからである。そして、この(B)成分の溶媒としては、水が好ましいが、このほか、メチルアルコールやエチルアルコールなどのアルコール類、トルエンやキシレンなどの芳香族炭化水素などを用いることができる。
【0043】
そして、この(B)成分の酸塩基含有芳香族ビニル系樹脂の溶液を、(A)成分および(C)〜(E)成分の混合物に散布した後、リボンブレンダーやドラムタンブラーなどで予備混合し、ついで、ベントを備えた単軸あるいは二軸の押出機などにより溶媒を除去しながら溶融混練し、得られた樹脂組成物の成形体を切断してペレット化すればよい。ここでの溶融混練時の樹脂温度は、240〜300℃の範囲で適宜選択することができる。このようにして得られる難燃性ポリカーボネート樹脂組成物は、そのペレットを用いて、射出成形法や、射出圧縮成形法、押出成形法、ブロー成形法、プレス成形法、真空成形法、発泡成形法などにより各種成形品に成形することができる。
【0044】
このように、難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を製造するに際して、(B)成分の酸塩基含有芳香族ビニル系樹脂を、濃度10〜60質量%の溶液状態で他の成分に散布した後に混練することによって得られる難燃性ポリカーボネート樹脂組成物は、一般に採用される固体状態での混合に較べて、(A)(B)両成分からなる樹脂組成物においては透明性に優れ、また(A)〜(E)の各成分の組合せからなる樹脂組成物においては、難燃性や耐衝撃性などの諸性能を向上させることができると共に、これら成形品はいずれもその表面の平滑性に優れ、外観の良好な成形品とすることができる。
【0045】
そして、本発明の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を成形して得られる成形品は、(A)(B)両成分からなる樹脂組成物の成形品では、例えば自動車のヘッドランプレンズなどの高い透明性の要求される照明機器類の部品に好適に用いられる。また、(A)〜(E)各成分の組合せからなる樹脂組成物の成形品では、例えば、複写機や、ファクシミリ、テレビジョン、ラジオ、テープレコーダー、ビデオデッキ、パーソナルコンピュータ、プリンター、電話機、情報端末機、冷蔵庫、電子レンジなどの電気・電子機器のハウジウングや部品、さらには、機械や建築、自動車などの分野での部品などに広く用いられる。
【0046】
【実施例】
つぎに、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
(1)ポリスチレンスルホン酸ナトリウムの製造
原料のポリスチレンとして、重量平均分子量20,000のポリスチレンを用い、これを溶媒の1,2−ジクロロエタンに溶解させて、濃度1質量%の溶液を調製した。ついで、このポリスチレン溶液100gあたり、ジオキサン3.7gを添加して溶解させた。このようにして得られた溶液と、無水硫酸をそれぞれ別の供給管より、1,2−ジクロロエタンの入れてある反応槽に供給し、20℃において10分間、攪拌下に反応させた。
【0047】
つぎに、この反応生成物を40℃において30分間熟成した後、これに水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH7となるように中和させた。そして、ここで得られた粗生成物は、エタノールに溶解して不溶性成分である硫酸ナトリウムを濾別し、さらに乾燥により溶媒のエタノールを除去して精製品とした。この精製品のポリスチレンスルホン酸ナトリウムは、硫酸ナトリウムの含有率が2質量%であり、かつ、そのスルホン化率が100%のものであった。
【0048】
(2)難燃性ポリカーボネート樹脂組成物の製造
原料の(A)成分として、粘度平均分子量19,000であり、かつJIS K 7210に準拠して、280℃、荷重2160gの条件下に測定したメルトフローレートが19g/10分のポリカーボネート樹脂を用い、また、(B)成分として、上記(1)で得られた硫酸ナトリウムの含有率が2質量%のポリスチレンスルホン酸ナトリウムを用いた。これら両成分の配合割合は、(A)成分99.9質量%、(B)成分0.1質量%の組成となる分量とした。
【0049】
つぎに、これら(A)(B)両成分と、酸化防止剤としてオクタデシル−3−(3,5−ジブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〔チバ・スペシヤルティ・ケミカルズ社製;イルガノックス1076〕を(A)(B)両成分100質量部に対して0.2質量部およびトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト〔旭電化工業社製;アデカスタブ2112〕を(A)(B)両成分100質量部に対して0.1重量部混合して、ベント式二軸押出成形機〔東芝機械株式会社製:TEM35〕に供給し、280℃で溶融混練した後、ペレット化した。
このようにして得られた難燃性ポリカーボネート樹脂組成物のペレットを、120℃で12時間乾燥した後、成形温度270℃、金型温度80℃において射出成形して試験片を得た。
【0050】
(3)難燃性ポリカーボネート樹脂組成物の評価
(a)アイゾット衝撃強度
ASTM D256に準拠して、23℃および0℃において測定した。試験片としては、肉厚が3.18mmであるものを用いた。
【0051】
(b)ヘイズ
JIS K 7105に準拠して、平行光線透過率を測定した。試験片としては、肉厚3.2mm、25×35mmの角板を用いた。
(c)ウエルド強度
引張強度試験片(ウエルド試験用)成形金型を用いて2点ゲートで成形し、ウエルドを有する試験片を成形して引張試験を行うことにより測定した。
【0052】
(d)帯電圧半減期
試験片(25×35×3mm)に印加電圧9kvを1分間帯電させ、帯電圧に対して、放電中断後の電位が半分になる時間(秒)を測定した。
(e)成形品外観
射出成形機〔東芝機械社製;IS−45P〕を用い、試験片(80×40×3mm)を、樹脂温度320℃、金型温度80℃の条件で成形し、5サイクル目の試験片を目視観察し、外観良好=◎、若干ぶつが有り=○、ぶつがやや多い=△、ぶつが多い=×の4段階で評価した。
【0053】
(f)滞留熱安定性
上記(e)での成形において、射出シリンダー内に20分間滞留させた後に試験片を成形し、滞留前の試験片との色調変化を測定した。この測定は、JIS H7103(黄変度試験方法)に準拠して色差(ΔE)を求めた。
(g)リサイクル性
上記成形品外観評価用の成形機を用いて、樹脂温度320℃、金型温度80℃の条件下に、ノート型パソコンのハウジング(A4タイプ)を射出成形した。ついで、この成形品を粉砕し、100%リサイクル原料として、再度、同一条件で射出成形して試験用成形品を成形した。そして、リサイクル成形品のアイゾット衝撃強度を前記に準じて測定した。
【0054】
(h)耐高温高湿性
成形品を、温度70℃、湿度90%の条件で、1,000時間処理した。処理後のアイゾット衝撃強度を前記に準じて測定した。
(i)難燃性
UL94燃焼試験に準拠して測定した。試験片としては、その厚みが3mmであるものを用いた。
(j)酸素指数
JIS K 7201に準拠して測定した。
これら難燃性ポリカーボネート樹脂組成物の評価結果を第1表に示す。
【0055】
〔実施例2〕
(1)難燃性ポリカーボネート樹脂組成物の製造
原料の(A)成分として実施例1と同一のポリカーボネート樹脂99.7質量%と、(B)成分として、実施例1の(1)と同様にして調製した後、水を加えて濃度35質量%としたポリスチレンスルホン酸ナトリウム水溶液0.3質量%を用いて難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を製造した。
【0056】
この組成物の製造に際しては、(B)成分である濃度35質量%のポリスチレンスルホン酸ナトリウム水溶液を、(A)成分のポリカーボネート樹脂のペレットに噴霧することにより均一散布した。なお、これら(A)(B)両成分の混練は、実施例1の(2)と同様にした。
(2)難燃性ポリカーボネート樹脂組成物の評価
上記(1)で得られた難燃性ポリカーボネート樹脂組成物につき、実施例1の(3)と同様にして評価した。これら評価結果を第1表に示す。
【0057】
〔比較例1〕
(1)ポリスチレンスルホン酸ナトリウムの製造
実施例1の(1)と同様にして、ポリスチレンの無水硫酸によるスルホン化反応を行った。そして、ここで得られた反応生成物は、水酸化ナトリウム水溶液によりpH7に中和した後、減圧下に溶媒および水を除去して、ポリスチレンスルホン酸ナトリウムを得た。
このようにして得られたポリスチレンスルホン酸ナトリウムは、硫酸ナトリウムの含有率が6質量%であり、かつスルホン化率が100%であった。
【0058】
(2)難燃性ポリカーボネート樹脂組成物の製造
原料の(B)成分として、上記(1)で得られた未精製のポリスチレンスルホン酸ナトリウムを用いた他は、実施例1の(2)と同様にして、難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を製造した。
(3)難燃性ポリカーボネート樹脂組成物の評価
上記(2)で得られた難燃性ポリカーボネート樹脂組成物につき、実施例1の(3)と同様にして評価した。これら評価結果を第1表に示す。
【0059】
〔実施例3〕
(1)ポリスチレンスルホン酸カリウムの製造
実施例1の(1)と同様にして、ポリスチレンの無水硫酸によるスルホン化反応を行った。そして、得られた反応生成物を、水酸化カリウム水溶液によりpH7に中和した後、実施例1の(1)と同様に反応生成物の精製をして、ポリスチレンスルホン酸カリウムを得た。
このようにして得られたポリスチレンスルホン酸カリウムには硫酸カリウムの存在が検出されず、かつそのスルホン化率は40%であった。
【0060】
(2)難燃性ポリカーボネート樹脂組成物の製造
原料の(B)成分として、上記(1)で得られたポリスチレンスルホン酸カリウムを用いた他は、実施例1の(2)と同様にして、難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を製造した。
(3)難燃性ポリカーボネート樹脂組成物の評価
上記(2)で得られた難燃性ポリカーボネート樹脂組成物につき、実施例1の(3)と同様にして評価した。これら評価結果を第1表に示す。
【0061】
〔実施例4〕
(1)難燃性ポリカーボネート樹脂組成物の製造
原料の(A)成分として実施例1と同一のポリカーボネート樹脂96.7質量%と、(B)成分として、実施例3の(1)と同様にして調製した後、水を加えて濃度30質量%としたポリスチレンスルホン酸カリウム水溶液4.3質量%を用いて難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を製造した。
この組成物の製造に際しては、(B)成分の濃度30質量%のポリスチレンスルホン酸カリウム水溶液を、(A)成分のポリカーボネート樹脂のペレットに噴霧することにより均一散布した。なお、これら(A)(B)両成分の混練は、実施例1の(2)と同様にした。
(2)難燃性ポリカーボネート樹脂組成物の評価
上記(1)で得られた難燃性ポリカーボネート樹脂組成物につき、実施例1の(3)と同様にして評価した。これら評価結果を第1表に示す。
【0062】
〔比較例2〕
(1)ポリスチレンスルホン酸カリウムの製造
実施例1の(1)と同様にして、ポリスチレンの無水硫酸によるスルホン化反応を行った。そして、ここで得られた反応生成物は、水酸化カリウム水溶液によりpH7に中和した後、減圧下に溶媒および水を除去して、ポリスチレンスルホン酸カリウムを得た。
このようにして得られたポリスチレンスルホン酸カリウムは、硫酸カリウムの含有率が6質量%であり、かつスルホン化率が40%であった。
【0063】
(2)難燃性ポリカーボネート樹脂組成物の製造
原料の(B)成分として、上記(1)で得られた未精製のポリスチレンスルホン酸カリウムを用いた他は、実施例1の(2)と同様にして、難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を製造した。
(3)難燃性ポリカーボネート樹脂組成物の評価
上記(2)で得られた難燃性ポリカーボネート樹脂組成物につき、実施例1の(3)と同様にして評価した。これら評価結果を第1表に示す。
【0064】
〔実施例5〕
(1)難燃性ポリカーボネート樹脂組成物の製造
原料の(A)成分として実施例1と同一のポリカーボネート樹脂99.4質量%と、(B)成分としては実施例2の(1)と同様に調製した後、水を加えて濃度35質量%としたポリスチレンスルホン酸ナトリウム水溶液0.6質量%、および(C)成分として、フィブリル形成性を有するポリテトラフルオロエチレン樹脂〔旭硝子フロロポリマース社製;CD076〕を(A)(B)両成分合計100質量部に対して0.5質量部、並びに(D)成分として、ポリシロキサンゴムとポリアクリレートゴムとが分離できない程度に絡み合った複合ゴムにスチレンをグラフト重合させたコア/シェルタイプのエラストマー〔三菱レーヨン社製;メタブレンS−2001〕を(A)(B)両成分合計100質量部に対して3質量部用いて難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を製造した。
この組成物の製造に際しては、(B)成分の濃度35質量%のポリスチレンスルホン酸ナトリウム水溶液を、(A)(C)(D)の各固体成分に噴霧することにより均一散布した。なお、これら(A)〜(D)成分の混練は、実施例1の(2)と同様にした。
【0065】
(2)難燃性ポリカーボネート樹脂組成物の評価
上記(1)で得られた難燃性ポリカーボネート樹脂組成物につき、実施例1の(3)と同様にして評価した。なお、UL94燃焼試験において、肉厚1.5mmの試験片についても実施した。これら評価結果を第1表に示す。
【0066】
〔実施例6〕
(1)難燃性ポリカーボネート樹脂組成物の製造
原料の(E)成分のリン酸エステルとして、1,3−フェニレン−テトラキス(2,6−ジメチルフェニル)ホスフェート〔旭電化工業社製;FP500〕を(A)(B)両成分合計100質量部に対して5質量部用いた他は、実施例5と同様にして難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を製造した。
この組成物の製造に際しては、(B)成分の濃度35質量%のポリスチレンスルホン酸ナトリウム水溶液を、(A)(C)(D)(E)の各固体成分に噴霧することにより均一散布した。なお、これら(A)〜(E)成分の混練は、実施例1の(2)と同様にした。
【0067】
(2)難燃性ポリカーボネート樹脂組成物の評価
上記(1)で得られた難燃性ポリカーボネート樹脂組成物につき、実施例1の(3)と同様にして評価した。なお、UL94燃焼試験において、肉厚1.5mmの試験片および肉厚0.8mmの試験片についても実施した。これら評価結果を第1表に示す。
【0068】
〔比較例3〕
(1)ポリカーボネート樹脂の評価
実施例1の(2)で用いた(A)成分のポリカーボネート樹脂につき、実施例1の(3)と同様にして評価した。これら評価結果を第1表に示す。
【0069】
〔比較例4〕
(1)難燃性ポリカーボネート樹脂組成物の製造
原料の(A)成分として、実施例1の(2)で用いたポリカーボネート樹脂と、(B)成分として、実施例1の(1)で得られたポリスチレンスルホン酸ナトリウムとを、(A)成分94質量%と(B)成分6質量%の組成となる分量において配合し、溶融混練することにより、難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を製造した。
【0070】
(2)難燃性ポリカーボネート樹脂組成物の評価
上記(1)で得られた難燃性ポリカーボネート樹脂組成物につき、実施例1の(3)と同様にして評価した。これら評価結果を第1表に示す。
【0071】
【表1】
【0072】
【発明の効果】
本発明は、少量の難燃性付与成分の添加で、ポリカーボネート樹脂が本来的に有する物理的性質を維持しながら高い難燃性と優れたリサイクル特性および帯電防止性能を有し、かつ外観に優れた成形品を得ることのできる難燃性ポリカーボネート樹脂組成物と、その製造法および成形品を提供することができる。
Claims (8)
- (A)成分としてポリカーボネート樹脂95〜99.99質量%、および(B)成分として無機金属塩である硫酸アルカリ金属塩の含有率が5質量%未満のスルホン酸塩基含有芳香族ビニル系樹脂0.01〜5質量%からなる難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
- (B)成分のスルホン酸塩基含有芳香族ビニル系樹脂が、無機金属塩である硫酸アルカリ金属塩の含有率が3質量%未満のスルホン酸塩基含有芳香族ビニル系樹脂である請求項1に記載の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
- さらに、(C)成分としてポリテトラフルオロエチレン系樹脂を、請求項1に記載の(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して、0.01〜5質量部添加してなる請求項1または2に記載の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
- さらに、(D)成分としてコア/シェルタイプのエラストマーを、請求項1に記載の(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して、0.01〜10質量部添加してなる請求項1〜3のいずれかに記載の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
- さらに、(E)成分としてリン酸エステル系難燃剤を、請求項1に記載の(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して、0.01〜30質量部添加してなる請求項1〜4のいずれかに記載の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
- (B)成分のスルホン酸塩基含有芳香族ビニル系樹脂を濃度10〜60質量%の溶液状態において(B)成分以外の成分に散布して混練することにより製造された請求項1〜5のいずれかに記載の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を製造するにあたり、(B)成分のスルホン酸塩基含有芳香族ビニル系樹脂を濃度10〜60質量%の溶液状態において(B)成分以外の成分に散布した後、混練することを特徴とする難燃性ポリカーボネート樹脂組成物の製造法。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の難燃性ポリカーボネート樹脂組成物を成形してなる成形品。
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