JP4957327B2 - 表示制御装置 - Google Patents
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Description
また、画像表示機能を持った媒体を表示画面における表示内容に対する操作に利用し、表示装置と媒体との間の双方向の表示内容のやりとりを可能とする技術も知られている(例えば、特許文献2参照)。この特許文献2では、媒体を表示部にかざすと、位置マーカーにより媒体の位置や角度等が検知され、媒体の表示領域に対応する表示部の領域の表示内容が媒体に書き込まれる。逆に、媒体に表示されている内容を、媒体の表示領域に対応する表示部の領域に転写することもできるようになっている。
表示画面上に位置する媒体を特定する媒体特定手段と、
前記媒体特定手段により特定された媒体が保持する画像に含まれる複数の画像要素の中から所定の条件を満たす画像要素を特定する画像特定手段と、
前記画像特定手段により特定された前記画像要素が前記表示画面に表示されるように制御する制御手段と
を備え、
前記媒体は、画像を印刷可能な表面を有し、
前記媒体の表面上の位置を特定する位置特定手段を更に備え、
前記画像特定手段は、前記媒体特定手段により特定された前記媒体の表面に印刷された画像に含まれる複数の画像要素の中から、前記位置特定手段により特定された前記表面上の位置に印刷されていないことを前記所定の条件として、前記画像要素を特定することを特徴とする表示制御装置である。
本実施の形態では、表示装置の一例として、複数のユーザが取り囲んで議論等を行うための水平型表示装置を用いる。ユーザが持ち込んだ紙や電子端末等の媒体をこの水平型表示装置の上に置き、紙に印刷された画像や電子端末に表示された画像を水平型表示装置上の共有画面で共有することで、議論等が行われる。そこで、まず、この水平型表示装置の機構について説明する。
図示するように、水平型表示装置10は、議論等を行う作業台としての天板11と、天板11を支持する脚部12a〜12dとを備える。また、天板11に対して背面から画像を投影する投影ユニット13と、投影ユニット13を移動自在に支持するキャスター14a〜14dと、天板11に投影させる画像を映し出すプロジェクタ15とを備える。更に、紙媒体20の裏面に対して赤外光を照射する赤外光光源17と、紙媒体20の裏面で反射された赤外光を受光する赤外カメラ18とを備える。但し、図1は断面図のため、脚部12c及び12d、キャスター14c及び14dについては、図に現れていない。
脚部12a〜12dは、4本脚の場合の例であるが、脚部の数はこれに限らない。
キャスター14a〜14dは、天板11、脚部12a〜12d、プロジェクタ15からなるテーブルの移動に合わせて投影ユニット13を動かせるよう、投影ユニット13の底面に取り付けられている。但し、テーブルに対する投影ユニット13の相対的位置がずれることのないようにする。尚、ここでは、キャスターを4つとしたが、その数はこれに限らない。
プロジェクタ15は、天板11の下に吊り下げられて固定され、ミラー13aの方向に画像を投影する。すると、その画像はミラー13bで反射し、天板11に投影されることになる。
赤外カメラ18は、赤外光が照射された紙媒体20の裏面を、赤外領域に感度を有するイメージセンサによって撮像する。そして、撮像された画像を解析することにより、紙媒体20のID及び位置が検出される。ここで、イメージセンサとしては、例えば、CMOSセンサやCCDセンサを用いるとよい。
本実施の形態では、このように赤外光を用いて画像を読み取ることで、プロジェクタ15の可視光による映像に影響を与えないようにしている。また、更に確実な投影やIDの認識を行うために、天板11には、一定の角度の光以外を透過させるホログラフィック光素子を用いてもよい。或いは、電気的に透過/不透過を変えられるフィルムを天板11に貼り付け、投影とIDの認識を短い周期で切り替える方法も考えられる。
また、図1には示していないが、本実施の形態では、紙媒体20の表面(裏面と反対側の面)に符号画像が印刷されることもある。表面の符号画像は例えば電子ペンを用いて読み取られるが、この場合も、符号画像は、赤外光光源及び赤外カメラを用いてそのID及び紙媒体20上の位置が検出されるよう、赤外領域に吸収域を持つ色材(例えば、トナー)を用いて印刷される。
尚、紙媒体20としては、一般的な紙だけでなく、紙のような感覚で利用できる表示媒体である電子ペーパーを用いてもよい。
この点に関し、既存の文書作成ソフトウェア(電子文書作成ソフトウェア)では、最初にA4等の紙の大きさ(出力サイズ枠)を設定し、コンテンツオブジェクトを枠内に収めていく方法が採用されている。しかしながら、このような「先に紙の大きさを決め、その枠内に収めていく」方法は、上述した創造的なマッピングや再構成の作業に合っておらず、作業に支障をきたしているのが現状である。
また、コンテンツオブジェクトのマッピングや再構成の作業を行った後に、文書のサイズ枠(出力サイズ枠)を指定すると、それに合わせてコンテンツが拡大/縮小され、文書化されるようにする。ここで、作業スペース上では複数の部分を指定できるようにし、そのいずれの部分に対しても、出力サイズ枠を設定できるようにする。
更に、紙、電子ペーパー、電子端末等の様々なメディアから、上記の環境へコンテンツを移動させる際、メディアに指示することで、移動させたいコンテンツオブジェクトのみが上記の環境へ移動するようにする。
まず、出力サイズ枠の概念がない作業スペース(電子作業スペース)の例について説明する。
図2は、このような作業スペースの例を示した図である。図には、水平型表示装置10の天板11に実現される表示画面上でコンテンツオブジェクトのマッピング作業を行っている場面が示されている。マッピング作業を行う領域は、議論するうちに拡張していくため、出力サイズ枠の概念がない作業スペースで行うのが有効である。
また、作業スペースとは、オブジェクトの移動、回転、縮小拡大、切り貼り等の編集を行うためのソフトウェアを、水平型表示装置10の天板11に投影した環境である。図では、このソフトウェアの機能を用いて、複数のコンテンツオブジェクトをグループとして線で囲んだり、コンテンツオブジェクト間又はコンテンツオブジェクトとグループとの間を線で結んだりした様子を示している。尚、図中、黒塗りの横長の長方形は、コンテンツオブジェクトのグループの例えばグループ名を表示するために配置されたものである。
図3は、電子文書化するための作法の第1の例を示した図である。
ここでは、図2のコンテンツオブジェクトのマッピング図全体を電子文書化する場合を考える。図3では、まず、(a)に矢印付きの破線で示したように、電子文書化したい部分であるマッピング図全体を指で囲う。すると、(b)に示すように、指定された部分(領域)を表す破線113が表示されると共に、用紙サイズを選択するためのメニュー114が表示される。ユーザが希望の用紙サイズを選択すると、(c)に示すように、選択された用紙サイズに応じてコンテンツが拡縮して電子文書化され、電子文書35が生成される。
ここでは、図2のコンテンツオブジェクトのマッピング図の一部を電子文書化する場合を考える。図4では、まず、(a)に矢印付きの破線で示したように、マッピング図の電子文書化したい部分を指で囲う。すると、(b)に示すように、指定された部分(領域)を表す破線113が表示されると共に、用紙サイズを選択するためのメニュー114が表示される。ユーザが希望の用紙サイズを選択すると、(c)に示すように、選択された用サイズに応じてコンテンツが拡縮して電子文書化され、電子文書35が生成される。
ここでは、図3と同様、図2のコンテンツオブジェクトのマッピング図全体を電子文書化する場合を考えるが、電子文書化したい部分の指定方法が図3とは異なる。即ち、両手の親指と人差し指をL字型にして、電子文書化したい部分の左上点及び右下点を指定する。このようにして電子文書化したい部分が特定されると、その後は、図3と同様の表示及び電子文書化を行う。
一般に、会議への参加者は、様々なメディアでコンテンツを持参するため、コンテンツの大きさ、コンテンツオブジェクトに対するメディアの余白、メディアの背景色等にばらつきがある。
図6(a)にその具体例を示す。左から順に、参加者A、参加者B、参加者Cが持参したコンテンツであるとする。参加者Aは、電子ペーパーに2つのアイデア(正方形、正三角形で示している)を載せて持参している。参加者Bは、2枚のID付き用紙のそれぞれに1つずつ、合計2つのアイデア(円、星形で示している)を載せて持参している。参加者Cが、電子端末に1つのアイデアデータ(正六角形で示している)を格納して持参している。
これに対し、本実施の形態は、図6(c)に示すように、コンテンツの大きさ、余白、背景色を揃えることにより、複数の参加者が持参したアイデアを同一の条件で比較できるようにするものである。
まず、(a)に示すように、出力サイズ枠の概念がない作業スペースを持つ水平型表示装置10に対して、紙媒体20(ID付き用紙)を斜めに向け、何度か振る。すると、紙媒体20に内蔵されている加速度センサが、振られたことをセンシング(検知)する。そして、これをトリガーとして、コンテンツオブジェクトを所定のサーバから取得し、(b)に示すように、画像を表示する。即ち、紙媒体20に記録されていたコンテンツオブジェクトが、水平型表示装置10上の作業スペースへ移動する。これにより、出力サイズ枠の概念がない作業スペース上で、拡大縮小、回転等の編集を行うことにより、並べて比較検討したり、マッピングの再構成の作業を行ったりすることが可能となる。
また、ここでは、メディアが振られたことを加速度センサによって検出するようにしたが、メディアの振動を検出できるものであれば、他の如何なる方法を用いてもよい。例えば、メディアにRFID(Radio Frequency Identification)タグを添付しておき、RFIDリーダの検知範囲に対するRFIDタグの出入りにより検出することが考えられる。また、水平型表示装置10側からメディアを撮像した結果の画像の解析により検出するようにしてもよい。
また、(c)に示すように、多点でのタッチを検出可能なタッチセンサを内蔵させ、移動させないコンテンツオブジェクトを複数指定できるようにしてもよい。
また、ここでも、メディアが振られたことを加速度センサによって検出するようにしたが、メディアの振動を検出できるものであれば、他の如何なる方法を用いてもよい。例えば、メディアにRFID(Radio Frequency Identification)タグを添付しておき、RFIDリーダの検知範囲に対するRFIDタグの出入りにより検出することが考えられる。また、水平型表示装置10側からメディアを撮像した結果の画像の解析により検出するようにしてもよい。
まず、(a)に示すように、出力サイズ枠の概念がない作業スペースを持つ水平型表示装置10上に、紙媒体20(ID付き用紙)を載せ、移動させるコンテンツオブジェクトを指でタッチする。すると、押さえられているコンテンツオブジェクトを、水平型表示装置10に内蔵されたタッチセンサ(例えば、加圧センサ)が検出する。そして、(b)に示すように、そのまま指をドラッグして指を離すと、指を離した位置へ所定のサーバからコンテンツオブジェクトが送られ、画像が生成される。
また、(c)に示すように、多点でのタッチを検出可能なタッチセンサを内蔵させ、一度に複数のコンテンツオブジェクトを移動させるようにしてもよい。
この例でも、まず、(a)に示すように、出力サイズ枠の概念がない作業スペースを持つ水平型表示装置10に対して、カメラ40を斜めに向け、何度か振る。すると、カメラ40に内蔵されている加速度センサが、振られたことをセンシング(検知)する。そして、これをトリガーとして、カメラ40のIDとカメラ40内の画像とが所定のサーバに送られる。これにより、画像からコンテンツオブジェクトを認識するプログラムで個々にオブジェクト化され、(b)に示すように、水平型表示装置10に表示される。
その際、カメラ40内の画像のうち移動させる画像をユーザが選択状態にしておき、選択状態になっている画像のみを水平型表示装置10に移動させるようにしてもよい。
この例では、まず、(a)に示すように、カメラ40のシャッタを押す。すると、カメラ40のIDと今撮影した画像とが所定のサーバに送られ、画像からコンテンツオブジェクトを認識するプログラムで個々にオブジェクト化され、(b)に示すように、水平型表示装置10に表示される。即ち、ユーザにとって撮影した物理的なコンテンツが瞬時に水平型表示装置10に移動したように見える例である。
図12は、本実施の形態における表示システムの構成例を示した図である。
図示するように、本実施の形態の表示システムは、水平型表示装置10と、水平型表示装置10上の共有画面を制御する共有画面制御装置30とを含む。また、共有画面制御装置30には、電子ペン60が接続されたり、カメラ40が接続されたりする場合もある。尚、水平型表示装置10と共有画面制御装置30との間、電子ペン60と共有画面制御装置30との間、カメラ40と共有画面制御装置30との間は、例えばLAN(有線でも無線でもよい)等によって接続される。ここで、図には、各装置間で送受信される情報も示している。尚、情報に付した丸囲みの数字は、後述する動作例との対応を示す。即ち、丸囲み数字の「1」は、第1の動作例にて送受信される情報を、丸囲み数字の「2」は、第2の動作例にて送受信される情報を、丸囲み数字の「3」は、第3の動作例にて送受信される情報を、丸囲み数字の「4」は、第4の動作例にて送受信される情報を、それぞれ示している。
水平型表示装置10は、画像を表示するための処理を行う表示部111と、表示画面上での操作を検出する操作検出部112と、紙媒体20のID(以下、「紙ID」という)等を検出する情報検出部181と、各部の動作を制御する制御部16と、共有画面制御装置30との間で情報の送受信を行う通信部19とを備える。
操作検出部112は、天板11のタッチパネル機能からユーザ操作に関する信号を受け、操作内容を検出する。この操作内容には、電子文書化する領域を指定する操作や電子文書化する際の用紙サイズを選択する操作、或いは、移動対象のコンテンツオブジェクトやその移動先の天板11上での位置(以下、「画面上位置」という)を指定する操作等がある。
情報検出部181は、赤外カメラ18が撮像した画像を解析することにより、紙IDを検出する。また、天板11上での紙媒体20の位置(以下、「紙位置」という)を検出する場合もある。
通信部19は、天板11に表示された画像の領域を指定するユーザ操作の情報と、電子文書化する際の用紙サイズを設定するユーザ操作の情報とを共有画面制御装置30に送信する。また、自身のIDと紙IDとを共有画面制御装置30に送信し、コンテンツオブジェクトを共有画面制御装置30から受信する。或いは、自身のID、紙ID、紙位置、コンテンツオブジェクトの移動元と移動先に対応する画面上位置を共有画面制御装置30に送信し、コンテンツオブジェクトと表示位置に関する情報を共有画面制御装置30から受信する。更には、自身のIDとカメラ40のID(以下、「カメラID」という)とを共有画面制御装置30に送信し、コンテンツオブジェクトを共有画面制御装置30から受信する場合もある。
コンテンツオブジェクト取得部33は、水平型表示装置10から送られた紙IDと所定の方法で得られた紙上位置とに基づいて表示対象のコンテンツオブジェクトを特定し、そのコンテンツオブジェクトを図示しない記憶装置から取得する。或いは、カメラ40から送られた画像を解析することにより、コンテンツオブジェクトを取得する場合もある。即ち、本実施の形態では、画像要素を特定する画像特定手段の一例として、コンテンツオブジェクト取得部33を設けている。
表示位置決定部34は、水平型表示装置10から画面上位置が送られた場合に、その画面上位置に応じて、コンテンツオブジェクトの表示位置を決定する。
図13は、第1の動作例の流れを示したフローチャートである。
まず、図3〜5に示したように、ユーザが、電子文書化する部分を囲う操作を行う。これにより、操作検出部112が、そのユーザ操作を検出する(ステップ101)。すると、そのユーザ操作に関する情報は、制御部16に伝えられ、制御部16による制御の下、表示部111が、用紙サイズ選択用のメニューを表示する(ステップ102)。
このメニューが表示されると、図3〜5に示したように、ユーザは選択肢として表示された用紙サイズの中から好みの用紙サイズを選択する。これにより、操作検出部112が、そのユーザ操作を検出する(ステップ103)。すると、そのユーザ操作に関する情報は、制御部16に伝えられ、制御部16は、天板11に表示された画像のうちステップ101でユーザが指定した範囲に含まれる画像と、ステップ103でユーザが設定した用紙サイズに関する情報とを通信部19に伝える。そして、通信部19が、画像と用紙サイズの情報とを共有画面制御装置30に送信する(ステップ104)。
ここで、画像の調整の具体的な手法としては、例えば、次のようなものがある。
まず、電子文書化したい画像の縦方向の長さを用紙サイズの縦方向の長さに拡大又は縮小する際の拡縮率(A)を求める。次に、電子文書化したい画像の横方向の長さを用紙サイズの横方向の長さに拡大又は縮小する際の拡縮率(B)を求める。そして、AとBのうち小さい方の拡縮率を用いて画像全体を拡大又は縮小する。このようにすれば、元の画像の縦と横の比率を変えることなく、用紙サイズに収まる最大の画像が得られる。
そして、このようにして生成された電子文書は、図示しない記憶装置に記憶される(ステップ106)。
図14は、第2の動作例の流れを示したフローチャートである。
この第2の動作例では、まず、水平型表示装置10において、情報検出部181が、紙媒体20の裏面に印刷された符号画像26を読み取ることにより、紙IDを検出する。
そこで、紙媒体20の裏面に印刷する符号画像26について説明しておく。
まず、符号画像26を構成する単位パターンについて説明する。
図15(a)は、単位パターンの一例を示したものである。
単位パターンとは、情報埋め込みの最小単位である。図では、黒塗りの領域と斜線の領域をドット配置可能な領域とし、その間にある白色の領域をドット配置不可能な領域としている。そして、ドット配置可能な領域のうち、黒塗りの領域にドットが配置され、斜線の領域にはドットが配置されていないことを示している。即ち、図は、ドットを配置可能な9箇所の中から選択した2箇所にドットを配置することで単位パターンを構成した例を示したものである。ここで、9箇所の中から2箇所を選択する組み合わせは36(=9C2)通りなので、単位パターンは、36種類存在する。このうち、4種類の単位パターンは、同期パターンとして使用される。同期パターンとは、画像の回転を検出したり、識別符号の相対的な位置を特定したりするためのパターンである。特に、画像の回転を検出する必要があることから、4種類の同期パターンとしては、そのうちの1つの同期パターンを90度回転するとそのうちの別の同期パターンになるようなものが選ばれる。また、この4種類の単位パターンを除く32種類の単位パターンは、識別符号を表現する情報パターンとして使用され、5ビットの情報が表現される。
図15(b)に、符号ブロックのレイアウトの一例を示す。尚、ここでは、画像ではなく、パターン画像によって置き換えられる直前の符号配列で示している。即ち、図15(b)の最小の四角(以下、「単位ブロック」という)に、図15(a)のような単位パターン(36通りの単位パターンのいずれか)が配置され、その画像が媒体に形成されることになる。
図15(b)のレイアウトでは、符号ブロックの左上の1つの単位ブロックに、同期符号が配置されている。また、同期符号が配置された単位ブロックの右側の4つの単位ブロック、同期符号が配置された単位ブロックの下側の4つの単位ブロック、更には、これらの単位ブロックに囲まれた16(=4×4)個の単位ブロックに識別符号が配置されている。
ここで、特殊トナーとしては、可視光領域(400nm〜700nm)における最大吸収率が7%以下であり、近赤外領域(800nm〜1000nm)における吸収率が30%以上の不可視トナーが例示される。但し、「可視」及び「不可視」は、目視により認識できるかどうかとは関係しない。符号画像が可視光領域における特定の波長の吸収に起因する発色性の有無により認識できるかどうかで「可視」と「不可視」とを区別する。また、可視光領域における特定の波長の吸収に起因する発色性が若干あるが人間の目で認識し難いものも、「不可視」に含める。
情報検出部181は、このような符号画像26から紙IDを検出すると、これを制御部16に伝える。そして、制御部16がこれを更に通信部19に伝えると、通信部19は、自身のIDである装置IDと紙IDを共有画面制御装置30に送信する。これにより、共有画面制御装置30では、通信部39が、これらの情報を受信する(ステップ301)。そして、受信した情報は、制御部31に伝えられる。
そこで、紙媒体20の表面(裏面と反対側の面)に印刷する符号画像について説明しておく。
図16(a)は、符号画像を構成する単位パターンの一例を示したものであるが、これについては、図15(a)を参照して説明したものと同様であるので説明を省略する。但し、図15(a)では、単位パターンのうち同期パターン以外の情報パターンを識別符号のみを表現するものとして説明したが、図16では、後述するように、識別符号だけでなく、位置符号も表現する。
図16(b)に、符号ブロックのレイアウトの一例を示す。尚、ここでは、画像ではなく、パターン画像によって置き換えられる直前の符号配列で示している。即ち、図16(b)の最小の四角(単位ブロック)に、図16(a)のような単位パターン(36通りの単位パターンのいずれか)が配置され、その画像が媒体に形成されることになる。
図16(b)のレイアウトでは、符号ブロックの左上の1つの単位ブロックに、同期符号が配置されている。また、同期符号が配置された単位ブロックの右側の4つの単位ブロックにX位置符号が配置され、同期符号が配置された単位ブロックの下側の4つの単位ブロックにY位置符号が配置されている。更に、これらの位置符号が配置された単位ブロックに囲まれた16(=4×4)個の単位ブロックに識別符号が配置されている。
尚、符号画像16を形成するために用いるトナーとしては、図15の場合と同様のものを用いるとよい。
図17は、電子ペン60の構成例を示した図である。
図示するように、電子ペン60は、ペン全体の動作を制御する制御回路61を備える。また、制御回路61は、読み取った符号画像を処理する画像処理部61aと、そこでの処理結果から識別情報及び位置情報を抽出するデータ処理部61bとを含む。
また、制御回路61には、電子ペン60による筆記動作をペンチップ69に加わる圧力によって検出する圧力センサ62が接続されている。更に、媒体上に赤外光を照射する赤外LED63と、反射光を検知することによって符号画像を読み取る赤外CMOS64も接続されている。更にまた、識別情報及び位置情報を記憶するための情報メモリ65と、外部装置と通信するための通信回路66と、ペンを駆動するためのバッテリ67と、ペンの識別情報(ペンID)を記憶するペンIDメモリ68も接続されている。
電子ペン60が紙ID及び紙上位置を検出すると、情報メモリ65には、識別情報として紙IDが記憶され、位置情報として紙上位置が記憶される。そして、紙ID及び紙上位置は、通信回路66を介して共有画面制御装置30へ送信される。これにより、共有画面制御装置30では、通信部39が、これらの情報を受信する(ステップ302)。そして、受信した情報は、制御部31に伝えられる。
このとき、コンテンツオブジェクトの特定は、具体的には、どの紙のどの位置にどのようなコンテンツオブジェクトが配置されているかを管理する管理情報に基づいて行われる。
図18は、コンテンツオブジェクト管理テーブルの具体的な内容の例を示したものである。
このコンテンツオブジェクト管理テーブルは、紙IDと、コンテンツオブジェクトを一意に識別するためのオブジェクトIDと、コンテンツオブジェクトの中心座標と、コンテンツオブジェクトの形状と、コンテンツオブジェクトの形状を決定するための形状パラメータとを対応付けたものになっている。
そして、図には、紙ID「P001」、「P002」の紙媒体20が管理されている部分が示されている。また、紙ID「P001」の紙媒体20上にオブジェクトID「Q0011」と「Q0012」のコンテンツオブジェクトが配置されていることと、紙ID「P002」の紙媒体20上にオブジェクトID「Q0021」と「Q0022」と「Q0023」と「Q0024」と「Q0025」のコンテンツオブジェクトが配置されていることが示されている。
また、コンテンツオブジェクトの形状としては、実際には様々なものが考えられるが、ここでは説明を単純化するために、極めて基本的な図形の形状のみを考えている。
図19は、第3の動作例の流れを示したフローチャートである。
この第3の動作例では、まず、水平型表示装置10において、情報検出部181が、紙媒体20の裏面に印刷された符号画像26を読み取ることにより、紙ID及び紙位置(天板11上での紙媒体の位置)を検出する。
尚、紙媒体20の裏面に印刷する符号画像26については、図15を参照して説明したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
一方、紙位置は、赤外カメラ18が撮像した画像内での符号画像の位置及び大きさに基づいて求める。例えば、赤外カメラ18が撮像した画像内で、符号画像が上側にあれば、略鉛直上方からの赤外光を受光したことが分かり、符号画像が下側にあれば、鉛直方向よりも水平方向に近い方向から赤外光を受光したことが分かる。また、符号画像26の大きさを予め決めておき、赤外カメラ18で撮像した画像内の符号画像の大きさと比較することで、赤外カメラ18から符号画像26までの距離を認識する。そして、ここで求めた方向及び距離から、紙媒体20の3次元空間内での位置を特定する。
情報検出部181は、符号画像26から紙ID及び紙位置を検出すると、これを制御部16に伝える。
操作検出部112は、天板11上のユーザ操作からドラッグ開始点及び終了点の画面上位置を検出すると、これを制御部16に伝える。
そして、制御部16がこれらの情報、つまり、紙ID、紙位置、ドラッグ開始点及び終了点の画面上位置を更に通信部19に伝えると、通信部19は、自身のIDである装置IDとこれらの情報を共有画面制御装置30に送信する。これにより、共有画面制御装置30では、通信部39が、これらの情報を受信する(ステップ311)。そして、受信した情報は、制御部31に伝えられる。
これにより、コンテンツオブジェクト取得部33は、まず、ドラッグ開始点の画面上位置を紙上位置に変換する(ステップ312)。例えば、紙媒体20上での座標の原点が天板11上での座標の原点に重なるように紙媒体20を平行移動したと仮定すると、そのときのドラッグ開始点の天板11上での座標が、紙媒体20上での座標を表すことになるので、この座標を紙上位置として求める。
次に、コンテンツオブジェクト取得部33は、ステップ311で受信した紙IDとステップ312で求めた紙上位置とに基づいて、水平型表示装置10に表示すべきコンテンツオブジェクトを特定し、特定されたコンテンツオブジェクトを図示しない記憶装置から読み出す(ステップ313)。そして、読み出したコンテンツオブジェクトは、制御部31に戻される。
このとき、コンテンツオブジェクトの特定は、具体的には、どの紙のどの位置にどのようなコンテンツオブジェクトが配置されているかを管理する管理情報に基づいて行われる。
これにより、表示位置決定部34は、ドラッグ開始点の画面上位置に基づいて、コンテンツオブジェクトの天板11上での表示位置を決定する(ステップ314)。そして、決定された表示位置は、制御部31に戻される。このとき、ドラッグ開始点の画面上位置をそのままコンテンツオブジェクトの表示位置としてもよいし、ドラッグ開始点の画面上位置に何らかの変換を行って得られる位置をコンテンツオブジェクトの表示位置としてもよい。
図20は、第4の動作例の流れを示したフローチャートである。
この第4の動作例では、まず、水平型表示装置10において、情報検出部181が、カメラ40底面に貼付された符号画像26を読み取ることにより、カメラIDを検出する。
尚、カメラ40の底面に貼付する符号画像26については、図15を参照して説明したものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
情報検出部181は、符号画像26からカメラIDを検出すると、これを制御部16に伝える。そして、制御部16がこれを更に通信部19に伝えると、通信部19は、自身のIDである装置IDとカメラIDを共有画面制御装置30に送信する。これにより、共有画面制御装置30では、通信部39が、これらの情報を受信する(ステップ321)。そして、受信した情報は、制御部31に伝えられる。
また、カメラ40が振られた旨の情報は、水平型表示装置10から受信するようにしてもよい。この場合、カメラ40の振動は、上述したように、RFIDの検知範囲に対する出入りや、カメラ40を撮影した結果の画像の解析等により、検出すればよい。
或いは、ステップ322で、カメラ40のシャッタが押された旨の情報と共に、カメラID及び画像を受信し、これに応じて、制御部31が、画像をコンテンツオブジェクト取得部33に伝えて、コンテンツオブジェクトの取得を指示するようにしてもよい。
このとき、コンテンツオブジェクトの取出しには、公知の画像処理を用いるとよい。例えば、コンテンツオブジェクトの背景として予め決められた色の背景を写しているような場合であれば、その色の背景を除去する画像処理を行えばよい。即ち、この第4の動作例では、コンテンツオブジェクトを特定するための所定の条件の一例として、画像処理によって取り出すことができるという条件を採用している。
図21は、コンピュータ90のハードウェア構成を示した図である。
図示するように、コンピュータ90は、演算手段であるCPU(Central Processing Unit)91と、記憶手段であるメインメモリ92及び磁気ディスク装置(HDD:Hard Disk Drive)93とを備える。ここで、CPU91は、OS(Operating System)やアプリケーション等の各種ソフトウェアを実行し、上述した各機能を実現する。また、メインメモリ92は、各種ソフトウェアやその実行に用いるデータ等を記憶する記憶領域であり、磁気ディスク装置93は、各種ソフトウェアに対する入力データや各種ソフトウェアからの出力データ等を記憶する記憶領域である。
更に、コンピュータ90は、外部との通信を行うための通信I/F94と、ビデオメモリやディスプレイ等からなる表示機構95と、キーボードやマウス等の入力デバイス96とを備える。
Claims (1)
- 表示画面上に位置する媒体を特定する媒体特定手段と、
前記媒体特定手段により特定された媒体が保持する画像に含まれる複数の画像要素の中から所定の条件を満たす画像要素を特定する画像特定手段と、
前記画像特定手段により特定された前記画像要素が前記表示画面に表示されるように制御する制御手段と
を備え、
前記媒体は、画像を印刷可能な表面を有し、
前記媒体の表面上の位置を特定する位置特定手段を更に備え、
前記画像特定手段は、前記媒体特定手段により特定された前記媒体の表面に印刷された画像に含まれる複数の画像要素の中から、前記位置特定手段により特定された前記表面上の位置に印刷されていないことを前記所定の条件として、前記画像要素を特定することを特徴とする表示制御装置。
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