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JP4832738B2 - ポリオレフィン系樹脂発泡体シートの製造方法 - Google Patents

ポリオレフィン系樹脂発泡体シートの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ポリオレフィン系樹脂発泡体に関し、特に、優れた耐衝撃性と剛性を有し、揮発性有機化合物の発生の少ない変性ポリプロピレン系ブロック共重合体を用いたポリオレフィン系樹脂発泡体に関する。
ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂発泡体は、軽量性、断熱性、柔軟性等に優れるため、各種断熱材、緩衝材、浮揚材等に用いられている。特にポリプロピレン系樹脂を用いたポリオレフィン系樹脂発泡体は、軽量性、衝撃強度、剛性、耐熱性、寸法安定性とを有し、自動車用内装部材等に用いられているが、その用途によっては、さらに高い衝撃強度と施工性を確保するための高い剛性の両立が求められている。
このような高い衝撃強度と剛性を有するポリオレフィン系樹脂発泡体として、例えば、ポリオレフィン系樹脂を変性モノマーで変性した変性ポリオレフィン系樹脂の発泡体が開示されている(例えば、特許文献1〜3参照。)。しかしながら、これらのポリオレフィン系樹脂発泡体は、主として、ホモポリプロピレン系重合体やランダムポリプロピレン系重合体の変性物の発泡体であり、未だ耐衝撃性と剛性に優れたポリオレフィン系樹脂発泡体は得られていなかった。このような性能を有するポリプロピレン系樹脂発泡体を得るには、ポリプロピレン系ブロック共重合体の発泡体が好ましいと考えられるが、ポリプロピレン系ブロック共重合体は、その他のポリオレフィン系樹脂に比べ架橋性が劣ることから多量の樹脂変性用モノマーを必要とし、そのため生産コストの増大や揮発性有機化合物(VOC)の発生を引き起こすなどの問題があった。
特開平11−291425号公報 特開2001−38859号公報 特開2002−120341号公報
本発明の目的は、上記従来技術の課題を解決し、耐衝撃性と剛性に優れ、かつ生産コストの増大や揮発性有機化合物(VOC)の発生問題を引き起こさないポリオレフィン系樹脂発泡体シートの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定のMFRとプロピレン含有量を有するポリプロピレン系ブロック共重合体を特定の変性モノマーで変性した変性ポリプロピレン系ブロック共重合体は、高い架橋反応性を有し、添加モノマーを低減させた上、耐衝撃性と剛性に優れたポリオレフィン系発泡体が得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、ジオキシム化合物及び下記特性(a)及び(b)を満たすポリプロピレン系ブロック共重合体を200〜250℃の温度で溶融混和することにより得られた変性ポリプロピレン系ブロック共重合体100重量部、ポリプロピレン系ブロック共重合体及び直鎖状低密度ポリエチレンを含む未変性ポリオレフィン樹脂1〜500重量部、並びに熱分解型化学発泡剤を押出機に供給して溶融混合して発泡性樹脂組成物を製造し、上記発泡性樹脂組成物を上記押出機から押出成形することにより発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを得、上記発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを上記発泡剤の分解温度以上で加熱することを特徴とするポリオレフィン系樹脂発泡体シートの製造方法が提供される。
(a)MFRが5g/10分以下
(b)プロピレン含有量が85〜99重量%
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、上記変性ポリプロピレン系ブロック共重合体が上記特性(a)及び(b)を満たすポリプロピレンブロック共重合体100重量部に対し、ジオキシム化合物0.05〜5重量部を配合して得られたものであることを特徴とするポリオレフィン系樹脂発泡体シートの製造方法が提供される。
本発明は、ポリプロピレン系ブロック共重合体を特定の変性用モノマーと反応させて得られた変性ポリプロピレン系ブロック共重合体を含有する発泡体であるので、優れた耐衝撃性と剛性を有し、且つ揮発性有機化合物(VOC)の発生を抑えたポリオレフィン系樹脂発泡体とすることができる。
本発明は、ポリプロピレン系ブロック共重合体を変性用モノマーで変性した変性ポリプロピレン系ブロック共重合体の発泡体であり、さらに必要に応じて、該変性ポリプロピレン系ブロック共重合体に他のポリオレフィンを加えた組成物の発泡体である。以下に詳細に説明する。
1.ポリプロピレン系ブロック共重合体
本発明で用いるポリプロピレン系ブロック共重合体は、ポリプロピレン重合体ブロックとα−オレフィン重合体ブロックから構成されるブロック共重合体、またはポリプロピレン重合体ブロックとエチレン−プロピレン共重合体ゴム、スチレン−ブタジエン系ゴムおよびスチレン−ブタジエンブロック共重合体からなる群から選択される1種または2種以上のゴムからなる共重合体ゴムブロックから構成されるブロック共重合体などのポリプロピレン系二元共重合体や三元共重合体等が挙げられる。これらの中では、結晶性プロピレン重合体ブロックとエチレン−プロピレン共重合体ブロックを含むブロック共重合体が好ましい。
また、本発明で用いるポリプロピレン系ブロック共重合体は、下記の特性(a)と(b)を有していることが必要である。
(a)MFR
本発明で用いるプロピレン系ブロック共重合体のMFR(メルトフローレート)は、5g/10分以下であり、好ましくは0.4〜2g/10分である。MFRが5g/10分を超えると架橋性が著しく低下するため好ましくない。
ここで、MFRは、JIS K7210(230℃、21.18N荷重)に準拠して測定する値である。
(b)プロピレン含有量
本発明で用いるプロピレン系ブロック共重合体のプロピレン含有量は、85〜99重量%であり、好ましくは90〜97重量%である。プロピレン含有量が85重量%未満では、架橋性が悪く、発泡に十分な粘度を付与するために多量の変性用モノマーが必要であり、99重量%を超えるとポリプロピレン系ブロック共重合体が有する耐衝撃性等の物性を発現させることが困難になる。
ここで、プロピレン含有量は、赤外スペクトル分光法で測定される値である。
2.変性用モノマー
本発明で用いる変性用モノマーとしては、ラジカル反応しうる官能基を2個以上有する化合物であり、ジオキシム化合物挙げられる
上記変性用モノマーを用いてポリプロピレン系ブロック共重合体を変性させることにより、従来一般に行われていたように架橋密度を高くすることなく、架橋密度が20%以下でも適正な発泡性をポリオレフィン系樹脂に与えることができる。
上記変性用モノマーのうちジオキシム化合物は、構造式(1)で表されるオキシム基、または構造式(2)で表される水素原子が他の原子団R(主に炭化水素基)で置換された置換オキシム基を分子内に2個有する化合物であり、例えば構造式(3)で表されるp−キノンジオキシム、構造式(4)で表されるp,p−ジベンゾイルキノンジオキシム等が例示される。ジオキシム化合物は2種以上の組合わせて使用することもできる。
上記変性用モノマーの配合量は、同モノマーの種類に応じて適宜選択すればよいが、ポリプロピレン系ブロック共重合体樹脂100重量部に対して、0.05〜5重量部が好ましく、更に好ましくは0.2〜1.5重量部である。変性用モノマーの配合量が0.05重量部未満であると、発泡に必要な溶融粘度を付与できず、5重量部を超えると、架橋密度が上がりすぎ、押し出し時に高負荷がかかったり、メルトフラクチャーが発生したりして押出成形性が悪くなる。 更に、後で添加する発泡剤を樹脂組成物中に均一に混練できず、ゲル分率、発泡性、物性にバラツキを生じる。加えて、加熱発泡時の発泡圧力が高くなり過ぎ、面内方向の発泡を抑制するためのシート状物に引っ張り強度の小さいものが使用できなくなる。
ポリプロピレン系ブロック共重合体と変性用モノマーとを反応させる方法としては、通常スクリュー押出機やニーダーなどの混練装置を用い、ポリプロピレン系ブロック共重合体と変性用モノマーを所定条件で溶融混和し反応させる。このときの反応温度は170℃以上かつポリオレフィン系樹脂の分解温度以下、好ましくは200℃〜250℃である。反応温度が170℃を下回ると変性が不十分で、最終的に得られる発泡体の発泡倍率が十分高くならないことがあり、約250℃を超えるとポリプロピレン系ブロック共重合体が分解し易くなる。
上記の反応に用いる装置としては、スクリュー押出機の他、一般的にプラスチック成形加工で使用されうる溶融混練装置であればよく、例えばニーダー、ローター、連続混練機などが例示される。このうち連続運転が行えるスクリュー押出機が好ましく、1軸スクリュー押出機、2軸スクリュー押出機、3本以上のスクリューを備えた多軸スクリュー押出機などがいずれも好適に用いられる。1軸スクリュー押出機としては、一般的なフルフライト型スクリューに加え、不連続フライト型スクリュー、ピンバレル、ミキシングヘッドなどを有する押出機なども用いられる。また、上記2軸スクリュー押出機としては、噛み合い同方向回転型押出機、噛み合い異方向回転型押出機、非噛み合い異方向回転型押出機などが好適に使用し得る。なお、押出機の後段に真空ベントを設けることは、樹脂組成物中に揮発物が残存するのを防ぐのに効果的である。
スクリュー押出機を用いる場合、ポリプロピレン系ブロック共重合体は、通常はホッパーから押出機へ投入されるが、一般的には定量性を増すため、スクリュー式フィーダー、重量管理式フィーダーなどが用いられる。
3.その他のポリオレフィン
本発明のポリオレフィン系樹脂発泡体においては、上記変性ポリプロピレン系ブロック共重合体に、強度や柔軟性、さらに成形性及び発泡性を改良する目的で、未変性のポリプロピレン系ブロック共重合体やその他のポリオレフィン系樹脂(以下、ブレンド用樹脂と総称する。)が溶融ブレンドされても良い。このような変性樹脂とブレンド用樹脂とをブレンドして用いることにより、得られる発泡性樹脂組成物の流動性が改善され、これによって、極めて薄い発泡性シートが成形可能となり、その結果、薄い複合発泡シートの製造が可能となる。更に、流動性の向上が発泡時に紡錘形の気泡を形成するのに好適に働き、その結果として、より高圧縮強度の発泡体を得ることが可能となる。
ブレンド用樹脂としては、ポリプロピレン系ブロック共重合体及び直鎖状低密度ポリエチレン挙げられる
ブレンド用樹脂の種類および使用量は、得られる発泡体の成形性、外観、シート状物との接着性、およびこれから得られる発泡体の発泡倍率、機械的物性、熱的物性、セル形状等によって適宜調整される。変性ポリプロピレン系ブロック共重合体100重量部に対するブレンド用樹脂の量は、500重量部以下が好ましい。ブレンド用樹脂の量が500重量部を超えると、発泡性を損ねる場合があり、ポリプロピレン系ブロック共重合体の力学物性を十分に発現できない場合がある。
4.発泡
本発明においては、発泡体を得るために、上記変性ポリプロピレン系ブロック共重合体、必要に応じて、ブレンド樹脂を加えた樹脂組成物に発泡剤が添加される。上記発泡剤としては、熱分解型化学発泡剤が好適に用いられ、加熱により分解ガスを発生するものであれば特に限定されるものではない。熱分解型化学発泡剤の具体例としては、アゾジカルボンアミド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、トルエンスルホニルヒドラジド、4,4−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)等が挙げられる。これらは単独で用いてもまたは2種以上組み合わせて用いてもよい。その中でもアゾジカルボンアミドが特に好適に用いられる。熱分解型化学発泡剤の量は、変性ポリプロピレン系ブロック共重合体含有樹脂組成物100重量部に対して、1〜50重量部、好ましくは2〜35重量部の範囲で所望の発泡倍率に応じて適宜の量で使用される。
本発明の発泡体は、変性ポリオレフィン系樹脂を含有してなるものであり、シート厚みは通常、1〜30mmでり、好ましくは2〜10mmである。厚みが薄すぎると剛性、断熱性に乏しくなり、厚すぎると熱賦形しにくく、形状転写性が悪くなる。発泡体シートの発泡倍率は、用途等により決定されるが通常は、2〜50cc/gの間であり、小さすぎると断熱性等が低下し、大きすぎると剛性等の機械強度が低下する。
熱分解型化学発泡剤を混練して発泡性樹脂組成物を得るには、上述の反応用の溶融混練装置と、これとは別の発泡剤混和用の溶融混練装置(構造は反応用の溶融混練装置のそれと同じであってもよい)とを用いて、同発泡剤が実質的に分解しない最高温度以下で両者を混合する。この溶融混練の態様としては、例えば、以下の方法が挙げられる。
(i)反応用の回分式あるいは連続式の溶融混練装置において、ポリオレフィン系樹脂と変性用モノマーを溶融混和して反応させ、得られた変性樹脂を同溶融混練装置から取り出して固化、造粒などを行った後、同樹脂組成物を発泡剤混和用の回分式あるいは連続式の混練装置に移し、これに発泡剤を投入し両者を溶融混練し、発泡性樹脂組成物を得る方法。
(ii)反応用の回分式の溶融混練装置において、ポリオレフィン系樹脂と変性用モノマーを溶融混和して反応を行い、得られた変性樹脂を同混練装置内で、発泡剤が実質的に分解しない温度まで冷却した後、これに発泡剤を投入し両者を溶融混練し、発泡性樹脂組成物を得る方法。
(iii)反応用のスクリュー押出機(連続式の溶融混練装置)において、ポリオレフィン系樹脂と変性用モノマーを170℃以上の温度で溶融混和して反応を行い、得られた変性樹脂を発泡剤が実質的に分解しない温度まで降温させた後、さらに同スクリュー押出機の途中に設けた供給口より発泡剤を投入し、両者を溶融混練し、発泡性樹脂組成物を得る方法。
(iv)連続操作のもう一つの形態では、2台のスクリュー押出機などを連結して、1台目でポリオレフィン系樹脂と変性用モノマーを溶融混和して反応を行い、得られた変性樹脂を上記と同様に降温させた後、同樹脂組成物を2台目に移し、これに発泡剤を投入し、両者を溶融混練し、発泡性樹脂組成物を得る方法。
混合物に熱分解型化学発泡剤を混練してなる発泡性樹脂組成物は、シート状に賦形される。賦形の方法は、特に、生産性等を考慮すると押出成形法が好ましい。例えば、上記発泡性樹脂組成物を用いて押出機にて連続的にシート化する方法、あるいは、上記発泡性樹脂組成物を押出機にて製造する際に、押出機より吐出する発泡性樹脂組成物を直接シート化する方法等が挙げられる。
上記発泡性シートは、発泡性シートの溶融粘度、発泡剤の分解温度等に応じて適切な温度条件で加熱することにより、常圧あるいは一定加圧下で所望の発泡倍率に発泡させることができる。特に連続式発泡装置としては、加熱炉の出口側で発泡体を引き取りながら発泡させる引き取り式発泡器の他、ベルト式発泡器、縦型または横型発泡炉、熱風恒温槽や、あるいはオイルバス、メタルバス、ソルトバスなどの熱浴が用いられる。
なお、発泡に際しては、発泡性樹脂組成物シートをポリエチレンテレフタレート( 以下PETと略称)不織布等を積層して発泡させることもできる。PET不織布等で挟んで発泡させることにより、発泡倍率、発泡方向等を制御し、発泡体に剛性、機械強度等を付与させることができる。
PET不織布としては、通常、スパンボンド法による長繊維が用いられる。PET長繊維は、ガラス繊維と比べて柔軟性に富んでおり、熱賦形時の形状対応性に富んでいるので好適に用いられる。
本発明のポリオレフィン系発泡体は、ポリプロピレン系ブロック共重合体を用いているので、衝撃強度と剛性に優れ、さらに従来一般的に用いられていたポリオレフィン系樹脂発泡体シートのゲル分率が40%程度の架橋ポリオレフィン系樹脂を主成分としている発泡体と比較して、ゲル分率が20%以下の架橋密度の低い変性ポリオレフィン系樹脂を使用するので、表面材等との接着性を改良し、熱成形時に亀裂等を生じさせない効果を有する。
本発明を以下の実施例、比較例によって具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、本発明で用いた物性の測定法を以下に示す。
(1)プロピレン含有量:赤外スペクトル分光法により、プロピレン含有量が既知の樹脂を用いて求めたスペクトル強度の検量線から所定のプロピレン系ブロック共重合体中のプロピレン含有量を測定した。
(2)MFR:JIS K7210に準拠して、230℃、21.18N荷重で測定した。
(3)発泡体衝撃強度:JIS K7211に準拠して、測定された−30℃における50%破壊エネルギーとして求めた。
(4)発泡体曲げ剛性:JIS K7221−2に準拠して測定し、みかけ弾性率として求めた。
(5)ゲル分率:ポリオレフィン系樹脂発泡体原反を秤量し、これを120℃キシレン中に24時間浸漬して不溶物を200メッシュの金網で濾過し、金網上の残渣を真空乾燥して乾燥残渣を測定し、下記式により算出した。
ゲル分率(重量%)=(乾燥残渣(g)/発泡体原反(g))×100
(6)発泡倍率:JIS K7222に準拠して測定した密度の逆数として求めた。
(7)VOC(揮発性有機化合物)量:発泡体のVOCは、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、スチレン、フタル酸ジブチル、テトラデカン、フタル酸ジエチルヘキシルの9物質を測定し、全ての物質で表1の基準値を下回った発泡体をVOC合格とした。VOCの測定は以下の要領で行なった。
(i)VOCの捕集
容積10Lのテドラーバッグを純窒素で2回置換した後、発泡体(8×10cm)を封入し、4Lの窒素を満たして65℃のオーブン中で2時間加熱した。その後、テドラーバッグ内のガス全量(4L)をDNPHカートリッジ、または、Tenax−TA管に捕集した。
(ii)VOCの定量
VOCのうちアルデヒド類の定量は、次に説明するHPLCにて測定し、アルデヒド以外のVOCはGC−MASで測定した。
(ア)HPLC測定
捕集後のDNPHカートリッジよりDNPH誘導体をアセトニトリル5mlで溶出し、下記条件によりHPLC測定を行なった。
ポンプ:PU713(GLサイエンス)
カラム:Inertsil ODS−3(3.0×100mm)(GLサイエンス)
カラム温度:40℃
移動相:アセトニトリル/水=45/55(v/v) 1.0mL/min
注入量:10μL
検出器:UV検出器(GLサイエンスUV702) 360mm
(イ)GC−MS測定
VOCを吸着したTenax−TA管を用いて、下記条件によりGC−MS測定を行なった。
熱脱着装置:ATD−400(パーキンエルマー)
サンプル加熱:250℃(10min)
二次脱着:350℃、10min(15ml/min)出口スプリット1:10
GC−MS装置:Automass II−15(日本電子)
GCカラム:CP−SIL5CB(無極性)0.32mm×60m×0.25μm
GC昇温:40℃(5min)−(5℃/min)−100℃−(10℃/min)−300℃
He流量:1.5mL/min
MS測定範囲:29〜350amu
イオン化電圧:70eV
MS温度:イオン源;230℃、インターフェイス;250℃
(実施例1)
(1)設備
変性用スクリュー押出機として、BT40(プラスチック工学研究所社製)同方向回転2軸スクリュー押出機を用意した。これはセルフワイピング2軸スクリューを備え、そのL/Dは35、Dは39mmである。シリンダーバレルは、押出機の上流から下流へ第1〜4バレルからなり、揮発分を回収するため第4バレルに真空ベントが設置されている。
発泡剤混練用スクリュー押出機として、TEX44(日本製鋼社製)同方向回転2軸スクリュー押出機を用意した。これはセルフワイピング2軸スクリューを備え、そのL/Dは45.5、Dは47mmである。シリンダーバレルは、押出機の上流から下流へ第1〜12バレルからなり、成形ダイは出口幅1100mmのTダイである。なお、発泡剤を供給するために、第9バレルにはサイドフィーダーを、また揮発分を回収するため第11バレルに真空ベントが設置されている。シートの冷却賦形装置として、直径220mm、幅1250mmのロール3本からなる、冷却ロール装置(積水加工機社製)を用意した。上記BT40の先端と上記TEX44の第5バレルをつないでタンデム型押出プロセスを設け、その下流に上記ロール装置を設置した。
(2)原料
ポリプロピレン系ブロック共重合体として、日本ポリプロ社製「ノバテックPP EC9」(BPP:MFR=0.5g/10分、プロピレン含有量=95wt%、密度=0.9g/cm)を用い、変性用モノマーとして、ジオキシム化合物(大内新興化学社製「バルノックGM−P」)を用いた。
(3)ポリプロピレン系ブロック共重合体の変性
BT40のフィーダーからポリプロピレン系ブロック共重合体を50kg/h、ジオキシム化合物を450g/hで投入し、両者を溶融混合してTEX44の第5バレルに送った。この時BT40のシリンダーバレルの設定温度は、第1バレルが180℃、第2〜4バレルを240℃、スクリュー回転数は250rpmとした。
(4)未変性ポリオレフィン樹脂、発泡剤との混合
一方、TEX44のフィーダーから未変性ポリオレフィン樹脂としてブロックポリプロピレン(日本ポリプロ社製「ノバテックPP BC3B」、BPP:MFR=9g/10分、密度=0.9g/cm)、および直鎖状低密度ポリエチレン(日本ポリプロ社製「ノバテックLL UJ370」、LLDPE:MFR=16g/10分、密度=0.92g/cm)をそれぞれ30kg/h、20kg/hで投入して溶融し、これを第5バレル以降で上記の変性されたポリオレフィン樹脂と溶融混練した。さらに、上記のサイドフィーダーより発泡剤としてアゾジカルボンアミド(ADCA)を7.5kg/hで投入し、これを第9バレル以降で上記ポリオレフィンからなる変性樹脂組成物と溶融混練した。この時TEX44のシリンダーバレル設定温度は第1バレルを常時冷却、第2〜4バレルを150℃、第5〜8バレルを170℃、第9〜12バレルを180℃、アダプターおよびダイ部を160℃、スクリュー回転数を50rpmとした。
(5)原反シートの賦形
こうして得られる発泡性樹脂組成物を、上記のTダイから押し出し、上記の3本冷却ロールに通すことで厚さ0.4mmのポリオレフィン系樹脂発泡性シートを得た。
(6)発泡操作
予熱ゾーン、発泡ゾーン、冷却ゾーンの3ゾーンからなる全長6mの横型発泡機(共和エンジニアリング社製)を用い、予熱ゾーンを190℃、発泡ゾーンを220℃、冷却ロールの表面温度を90℃にそれぞれ設定した。そして原反シートを発泡する際、予熱ゾーンにおいて、発泡性樹脂組成物シートの表面、裏面の両面にポリエチレンテレフタレート製の不織布(三井化学社製「シンテックス」25g/m)を両面に挟んで融着させながら発泡ゾーンへ供給した。シートの供給速度は0.5m/minであり、予熱、発泡ゾーンでの滞留時間は合計8分、冷却ゾーンでのそれは4分であった。これにより発泡機出口から外観良好な発泡体シートを得た。物性の測定結果を表2に示す。
(実施例2)
実施例1の(2)原料において、ポリプロピレン系ブロック共重合体を出光石油化学社製「E−253G」(BPP:MFR=1.4g/10分、プロピレン含有量=95.5wt%、密度=0.9g/cm)に変更する以外は実施例1と同様にして原反シートの賦形、発泡を行なって、外観良好な発泡体シートを得た。物性の測定結果を表2に示す。
(比較例1)
実施例1の(2)原料において、ポリプロピレン系ブロック共重合体をプロピレン系ランダム共重合体(RPP:日本ポリプロ社製「ノバテック PP EG7」、MFR=1.7g/10分、密度=0.9g/cm)に変更する以外は実施例1と同様にして原反シートの賦形、発泡を行なって、外観良好な発泡体シートを得た。物性の測定結果を表2に示す。
(比較例2)
実施例1の(2)原料において、ポリプロピレン系ブロック共重合体を日本ポリプロ社製「ノバテック PP BC3B」(BPP:MFR=9g/10分、プロピレン含有量=90wt%、密度=0.9g/cm)に変更する以外は実施例1と同様にして原反シートの賦形、発泡を行なったが、良好な発泡体は得られなかった。物性の測定結果を表2に示す。
(比較例3)
実施例1の(2)原料において、ポリプロピレン系ブロック共重合体をダウ・ケミカル社製「INSPiRE112」(BPP:MFR=0.5g/10分、プロピレン含有量=70wt%、密度=0.9g/cm)に変更する以外は実施例1と同様にして原反シートの賦形、発泡を行なったが、良好な発泡体は得られなかった。物性の測定結果を表2に示す。
(比較例4)
実施例1の(2)原料において、ポリプロピレン系ブロック共重合体をダウ・ケミカル社製「INSPiRE112」(BPP:MFR=0.5g/10分、プロピレン含有量=70wt%、密度=0.9g/cm)に変更し、(3)のポリプロピレン系ブロック共重合体の変性において、ジオキシム化合物の供給量を900g/hとする以外は実施例1と同様にして原反シートの賦形、発泡を行ない、外観良好な発泡体シートを得た。物性の測定結果を表2に示す。
本発明による発泡体は、ポリプロピレン系ブロック共重合体を変性用モノマーと反応させて得られた変性ポリオレフィン系樹脂からなるので、衝撃強度と剛性に優れ、かつ生産コストの増大や揮発性有機化合物(VOC)の発生問題を引き起こさないので、高い衝撃強度と施工性を必要とする用途に好適に用いることができる。

Claims (2)

  1. ジオキシム化合物及び下記特性(a)及び(b)を満たすポリプロピレン系ブロック共重合体を200〜250℃の温度で溶融混和することにより得られた変性ポリプロピレン系ブロック共重合体100重量部、ポリプロピレン系ブロック共重合体及び直鎖状低密度ポリエチレンを含む未変性ポリオレフィン樹脂1〜500重量部、並びに熱分解型化学発泡剤を押出機に供給して溶融混合して発泡性樹脂組成物を製造し、上記発泡性樹脂組成物を上記押出機から押出成形することにより発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを得、上記発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを上記発泡剤の分解温度以上で加熱することを特徴とするポリオレフィン系樹脂発泡体シートの製造方法。
    (a)MFRが5g/10分以下
    (b)プロピレン含有量が85〜99重量%
  2. 上記変性ポリプロピレン系ブロック共重合体が上記特性(a)及び(b)を満たすポリプロピレン系ブロック共重合体100重量部に対し、ジオキシム化合物0.05〜5重量部を配合して得られたものであることを特徴とする請求項1に記載のポリオレフィン系樹脂発泡体シートの製造方法。
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