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JP4816055B2 - スリーブユニットの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、軸受機構を有するモータおよびモータのスリーブユニットに関し、特に、スリーブユニットを製造する技術に関連する。
従来より、ハードディスク装置等の記録ディスク駆動装置は、記録ディスクを回転駆動するスピンドルモータ(以下、「モータ」という。)を備えており、モータの軸受機構の1つとして、流体動圧を利用する軸受機構が近年採用されている。このような、流体動圧を利用する軸受機構では、シャフトとシャフトが挿入されるスリーブとの間等にスラスト軸受部およびラジアル軸受部が構成
される。
特許文献1のモータでは、スリーブの外周に取り付けられた円筒状のハウジングがブラケットに固着され、スリーブおよびハウジング(以下、2つをまとめて「スリーブユニット」という。)とスリーブユニットに挿入されるシャフトを含むロータとの間にオイルの動圧を利用した軸受機構が構成される。特許文献1のモータでは、シャフトの外側面とスリーブの内側面との間にラジアル軸受部が構成される。また、スリーブの下端面とシャフト下端に設けられたスラストプレートの上面との間、および、スラストプレートの下面とハウジングの下端に取り付けられたスラストブッシュの上面との間にスラスト軸受部が構成され、ハウジングの上端面とシャフト上端に設けられた円板状のシールブッシュとの間に、オイルにシャフト方向への押し込み圧を発生させる動シール部が
構成される。
また、特許文献2では、所定の中心軸に沿ってスリーブが挿入されるとともに、中心軸方向に関してスリーブの一端側の端面と当接する環状の部位を有するスリーブハウジングにおいて、スリーブの外側面に対向する内側面に環状の溝を設けることにより、スリーブをスリーブハウジングに挿入する際に、スリーブとスリーブハウジングとの固定に用いられる接着剤の不要な部位への回り込みを防止する手法が開示されている。
なお、特許文献3の段落0025には、スーパーインバー(SUPER-INVAR)の粉末をポリエチレン系樹脂からなるバインダと混練した後、射出成形にて中間体を形成し、この中間体を焼成して固化する、いわゆるメタルインジェクションモールド工法にて、ラジアル滑り軸受を形成する手法が開示されている。
特開2003−262217号公報 特開2004−176816号公報 特開平8−7463号公報
ところで、流体動圧を利用する軸受機構のスリーブユニットを製造する際には、通常、軸受部を構成するスリーブの表面が歪むことを防止するために、特許文献2に開示されているように、スリーブとスリーブハウジングとの間に僅かな隙間をあけてスリーブをスリーブハウジング内に挿入し、接着剤を介してスリーブをスリーブハウジングに接着することが行われている。しかしながら、
特許文献1のモータのように、円筒状のスリーブハウジングにスリーブを固定する場合には、スリーブハウジングの内部においてスリーブの中心軸方向の移動を係止する部位が存在しないため、スリーブを所望の位置に接着により固定することは容易ではない。
また、このようなスリーブユニットの製造方法では、接着剤がスリーブの挿入によりスリーブハウジング内から押し出されてスリーブ、スリーブハウジング、スラストプレート等の表面の不要な箇所に付着したり、製造用の治具を汚してしまう恐れがある。特許文献1のスリーブユニットでは、軸方向の上側においてハウジングの上端面が動シール部を構成し、軸方向の下側においてスリーブの下端面がスラスト軸受部を構成しており、仮に、ハウジング内から押し出された接着剤が、ハウジングの上端面やスリーブの下端面に付着したとすると、軸受機構において所望のスラスト動圧力を得ることができず、モータの品質が低下してしまう。
さらに、スリーブとスリーブハウジングとの間の間隙はごく僅かであるため、スリーブハウジング内へのスリーブの挿入時にスリーブおよびスリーブハウジングが損傷することを防止するには、過大な力を付与することなく滑らかにスリーブを挿入する必要がある。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、スリーブをスリーブハウジングの内側面に適切に接着してスリーブユニットを製造することを目的とし、これにより、スリーブユニットを有するモータの品質を安定させることも目的としている。
請求項1に記載の発明は、モータにおいてシャフトが挿入されるスリーブとスリーブの外周に取り付けられるスリーブハウジングとを備えるスリーブユニットの製造方法であって、a)所定の中心軸を中心とするスリーブの外側面、および/または、前記中心軸を中心とする内側面を有するスリーブハウジングの前記内側面に接着剤を塗布する工程と、b)前記スリーブを保持する工程と、
c)前記スリーブハウジングの前記中心軸方向における一方の端部を前記スリーブの前記中心軸方向における一方の端部とは反対側の他方の端部と対向させつつ前記スリーブハウジングを保持する工程と、d)前記スリーブを前記スリーブハウジングに対して前記中心軸方向に相対的に移動し、前記スリーブを前記他方の端部側から前記スリーブハウジング内に挿入して、前記スリーブおよび前記スリーブハウジングを第1位置決め部材および第2位置決め部材にそれぞれ当接させつつ、前記スリーブを前記接着剤により前記スリーブハウジングの前記内側面に接着する工程とを備え、前記d)工程において、前記スリーブの前記一方の端部または前記他方の端部が、前記第1位置決め部材に当接するとともに、前記第1位置決め部材に向かって前記中心軸に沿って付勢され、前
記中心軸方向に関して前記スリーブに対する付勢方向とは反対側を向く前記スリーブハウジングの面が、前記第2位置決め部材に当接するとともに、前記第2位置決め部材に向かって前記中心軸に沿って付勢される。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のスリーブユニットの製造方法であって、前記スリーブの前記一方の端部に流体動圧軸受面が形成されている。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のスリーブユニットの製造方法であって、前記スリーブの前記他方の端部の外周縁、および/または、前記スリーブハウジングの前記中心軸方向における他方の端部の内周縁が、角部が除去された形状とされ、前記d)工程において、前記スリーブの挿入により押し出された前記接着剤が、前記角部が除去された形状により前記スリーブと前記スリーブハウジングとの間に形成された凹部に収容される。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のスリーブユニットの製造方法であって、前記スリーブの前記外周縁、および/または、前記スリーブハウジングの前記内周縁が、前記中心軸を中心とする環状の傾斜面を有する面取り形状とされ、前記傾斜面の前記中心軸方向の長さが0.05mm以上0.5mm以下であり、前記中心軸方向に垂直な方向の幅が前記長さの0.17倍以上2.75倍以下である。
請求項5に記載の発明は、請求項3または4に記載のスリーブユニットの製造方法であって、前記スリーブが、原材料を加圧成形した多孔質部材である。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のスリーブユニットの製造方法であって、前記スリーブの前記他方の端部の前記外周縁における前記角部が除去された形状が前記スリーブの形成時に同時に形成される。
請求項7に記載の発明は、請求項3ないし6のいずれかに記載のスリーブユニットの製造方法であって、前記スリーブハウジングの前記他方の端部が前記中心軸に垂直な流体動圧軸受面を有する。
請求項8に記載の発明は、請求項3ないし6のいずれかに記載のスリーブユニットの製造方法であって、前記スリーブの前記他方の端部が流体動圧軸受面を有する。
請求項9に記載の発明は、請求項1ないし8のいずれかに記載のスリーブユニットの製造方法であって、前記スリーブハウジングが略円筒状であり、前記スリーブハウジングの前記一方の端部近傍の肉厚が、前記スリーブハウジングの前記中心軸方向における他方の端部近傍の肉厚よりも薄い。
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載のスリーブユニットの製造方法であって、前記スリーブハウジングの前記他方の端部近傍の外周部が、流体動圧軸受機構においてテーパシール用の間隙を構成する部分の一部である。
請求項11に記載の発明は、請求項9または10に記載のスリーブユニットの製造方法であって、前記スリーブハウジングの前記一方の端部近傍が、モータのステータ部のベースプレートに固定される。
請求項12に記載の発明は、請求項1ないし11のいずれかに記載のスリーブユニットの製造方法であって、前記接着剤が、嫌気性および光硬化性を有する接着剤である。
本発明によれば、スリーブの第1位置決め部材に対する位置、および、スリーブハウジングの第2位置決め部材に対する位置を維持しつつ、スリーブをスリーブハウジングの内側面に適切に接着してスリーブユニットを製造することができ、これにより、当該スリーブユニットを有するモータの品質も安定させることができる。
また、請求項2の発明では、スリーブの一方の端部側の流体動圧軸受面に接着剤が付着することを防止することができ、請求項3ないし5の発明では、接着剤がスリーブおよびスリーブハウジングの他方の端面に溢れることを防止する、または、接着剤の盛り上がりを抑制することができる。
また、請求項6の発明では、スリーブの製造を簡素化することができ、請求項7の発明では、スリーブハウジングの流体動圧軸受面に接着剤が付着することを防止することができる。
また、請求項8の発明では、スリーブの他方の端部側の流体動圧軸受面に接着剤が付着することを防止することができ、請求項9の発明では、スリーブをスリーブハウジング内に容易に挿入することができる。
また、請求項10の発明では、モータにおいて潤滑油の流出を防止するテーパシールを構成することが可能なスリーブユニットを製造することができ、請求項12および13の発明では、スリーブユニットの製造を簡素化することができる。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る電動式のスピンドルモータ1(以下、「モータ1」という。)を備える記録ディスク駆動装置60の内部構成を示す図である。記録ディスク駆動装置60はハードディスク装置であり、情報を記録する円板状の記録ディスク62、記録ディスク62に対する情報の書き込みおよび(または)読み出しを行うアクセス部63、記録ディスク62を保持
して回転する電動式のモータ1、並びに、記録ディスク62、アクセス部63およびモータ1を内部空間110に収容するハウジング61を備える。
図1に示すように、ハウジング61は、上部に開口を有するとともにモータ1およびアクセス部63が内側の底面に取り付けられる無蓋箱状の第1ハウジング部材611、並びに、第1ハウジング部材611の開口を覆うことにより内部空間110を形成する板状の第2ハウジング部材612を備える。記録ディスク駆動装置60では、第1ハウジング部材611に第2ハウジング部材612が接合されてハウジング61が形成され、内部空間110は塵や埃が極度に少ない清浄な空間とされる。
記録ディスク62は、モータ1の上側に載置されてクランパ621によりモータ1に固定される。アクセス部63は、記録ディスク62に近接して情報の書き込みおよび読み出しを磁気的に行うヘッド631、ヘッド631を支持するアーム632、並びに、アーム632を移動させることによりヘッド631と記録ディスク62との相対的位置を変更するヘッド移動機構633を有する。
これらの構成により、ヘッド631は回転する記録ディスク62に近接した状態で記録ディスク62の所要の位置にアクセスし、情報の書き込みおよび読み出しを行う。
図2は、ディスク駆動用のモータ1の構成を示す縦断面図である。図2では、モータ1の中心軸J1(後述のスリーブユニット22の中心軸でもある。)を含む面における断面を示すが、切断面よりも奥側に位置する構成についても、その一部を破線にて描いている。
図2に示すように、モータ1は、固定組立体であるステータ部2、および、回転組立体であるロータ部3を備えており、ロータ部3は、潤滑油による流体動圧を利用した軸受機構を介して中心軸J1を中心にステータ部2に対して回転可能に支持される。以下の説明では、便宜上、中心軸J1に沿ってロータ部3側を上側、ステータ部2側を下側として説明するが、中心軸J1は必ずしも重力方向と一致する必要はない。
ロータ部3は、ロータ部3の各部を保持するロータハブ31、および、ロータハブ31に取り付けられて中心軸J1の周囲に配置される界磁用磁石34を備える。ロータハブ31は、ステンレス等により一体的に形成されており、中心軸J1を中心とする略円筒状であって下側(すなわち、ステータ部2側)に突出するシャフト311、シャフト311の上端部から中心軸J1に対して垂直に広がる略円板状の円板部312、および、円板部312の外縁において下側に突出する略円筒状の円筒部313を備える。シャフト311の下側の先端部には、略円板状のスラストプレート314が取り付けられる。
ステータ部2は、ステータ部2の各部を保持するベース部であるベースプレート21、ロータ部3のシャフト311が挿入されるとともにロータ部3を回転可能に支持する軸受機構の一部である略円筒状のスリーブユニット22、および、スリーブユニット22の周囲にてベースプレート21に取り付けられる電機子24を備える。ベースプレート21は、第1ハウジング部材611(図1参照)の一部であり、アルミニウム、アルミニウム合金、または、磁性もしくは非磁性の鉄系金属の板状部材をプレス加工することにより第1ハウジング部材611の他の部位と一体的に形成される。電機子24は、シャフト311の周囲に配置された界磁用磁石34との間で中心軸J1を中心とする回転力(トルク)を発生する。
電機子24は、圧入または接着によりベースプレート21に上側から取り付けられており、複数の珪素鋼板を積層してなるコア241、および、コア241の所定の部位に設けられる複数のコイル242を備える。コア241は、中心軸J1を中心に放射状に配置された複数のティース243、および、複数のティース243の外周側から複数のティース243を支持する(すなわち、各ティース243の中心軸J1から遠い側の端部を連結して支持する)円環状の支持リング244を備える。コア241を形成する各珪素鋼板では、複数のティース243および支持リング244のそれぞれに対応する部位が一体的に形成されているため、複数のティース243および支持リング244は磁気的に接続されている。
コイル242は、ティース243に導線を多層(例えば、2層)に巻回することにより形成され、各コイル242からの導線は、隣接するティース243の間に形成される渡り線係止用のフック247を介して回路基板248へと導かれ、回路基板248の電極に半田にて接合される。
ベースプレート21の中央部には、中心軸J1を中心としてロータ部3に向かって上向きに突出する略円筒状のスリーブ取付部216が設けられる。図2に示すように、スリーブユニット22は、中心軸J1を中心とする略円筒状であってシャフト311が挿入されるスリーブ221、および、スリーブ221の外周に取り付けられる略円筒状のスリーブハウジング222を備え、スリーブ取付部216に挿入されてベースプレート21に取り付けられる。
スリーブハウジング222の下端部近傍の肉厚は上端部近傍の肉厚よりも薄くされる。また、スリーブハウジング222の上部には、スリーブユニット22の外周に沿って中心軸J1に対して外側に突出する突起部であるフランジ部224が一体的に形成されており、スリーブユニット22の取り付け時には、
フランジ部224のベースプレート21側の部位とベースプレート21のスリーブ取付部216の先端とが上下方向に関して係合する。スリーブユニット22の下端側の開口は、略円板状のシールキャップ23により閉塞される。
図3は、スリーブユニット22の一部(図2における左半分)を拡大して示す縦断面図である。図3に示すように、スリーブユニット22では、スリーブ221は、スリーブハウジング222の内側面2221との間に僅かな隙間をあけて挿入されており(すなわち、すきまばめされており)、嫌気性および光硬化性を有する接着剤220(例えば、株式会社スリーボンド製の1355(製
品名))を介してスリーブハウジング222に固定されている。
スリーブ221は多孔質部材であり、粉末状の原材料を型に入れて押し固めることにより加圧成形した後に焼結し、焼結された部材を再度型に入れて圧縮することにより形成される。原材料としては、様々な種類の金属粉末や金属化合物粉末、非金属粉末等(例えば、鉄(Fe)および銅(Cu)の混合粉末、銅およびスズ(Sn)の混合粉末、銅、スズおよび鉛(Pb)の混合粉末、鉄および炭素(C)の混合粉末)が利用される。
スリーブ221では、上端部の外周縁(すなわち、中心軸J1(図2参照)方向に関して後述の第1流体動圧軸受面225とは反対側の端部の外周縁であり、以下、「スリーブ上部外周縁」という。)、および下端部の外周縁(以下、「スリーブ下部外周縁」という。)が、角部が除去された形状とされる。図3に示すように、スリーブ上部外周縁およびスリーブ下部外周縁は、中心軸J1を中心とする環状(具体的には、円錐台形の側面状)の第1スリーブ傾斜面2211および第2スリーブ傾斜面2212を有する面取り形状とされ、当該面取り形状は、上述のスリーブ221の形成時に同時に形成される。
第1スリーブ傾斜面2211の中心軸J1方向の長さL1は、好ましくは0.05mm以上0.5mm以下(より好ましくは、0.2mm〜0.3mm)とされる。第2スリーブ傾斜面2212の中心軸J1方向の長さL2は、好ましくは0.05mm以上0.5mm以下(より好ましくは、0.1mm〜0.2mm)とされる。また、第1スリーブ傾斜面2211の中心軸J1方向に垂直
な方向の幅W1は、好ましくは、中心軸J1方向の長さL1の0.17倍以上2.75倍以下(より好ましくは、1倍)とされ、第2スリーブ傾斜面2212の中心軸J1方向に垂直な方向の幅W2は、好ましくは、中心軸J1方向の長さL2の0.17倍以上2.75倍以下(より好ましくは、1倍)とされる。
次に、モータ1のロータ部3をステータ部2に回転可能に支持する流体動圧を利用した軸受機構について説明する。図4は、モータ1の一部(図2の左半分)を拡大して示す縦断面図である。図4に示すように、モータ1では、ロータハブ31の円板部312の下面とスリーブハウジング222の上側の端面との間、スリーブ221の内側面とシャフト311の外側面との間、スリーブ221の下側の端面とスラストプレート314の上面との間、スラストプレート314の下面とシールキャップ23の上面との間、および、スリーブハウジング222のフランジ部224の外側面とロータハブ31の円筒部313の内側面との間に微小な間隙が設けられる。以下、これらの間隙をそれぞれ、「上部間隙41」、「側部間隙42」、「第1下部間隙43」、「第2下部間隙44」、「外側間隙45」という。これらの間隙には潤滑油が連続して充填され、いわゆるフルフィル構造の軸受機構が構成される。
スリーブハウジング222のフランジ部224の外側面は、その外径が下側に向かって漸次減少する傾斜面とされ、フランジ部224の外側面に対向するロータハブ31の円筒部313の内側面の内径は一定とされる。これにより、外側間隙45における潤滑油の界面は、毛管現象および表面張力によりメニスカス状となってテーパシールが形成され、外側間隙45がオイルバッファとしての役割を果たして潤滑油の流出が防止される。
スリーブ221の中心軸J1方向の下側の中心軸J1に垂直な端面225、および、スリーブハウジング222の上側の中心軸J1に垂直な端面226には、ロータ部3の回転時に潤滑油に対して中心軸J1側に向かう圧力を発生させるための溝(例えば、スパイラル状の溝)が形成されており、第1下部間隙43および上部間隙41によりスラスト動圧軸受部が構成される。換言すれば、
端面225および端面226はともに流体動圧軸受面となる。以下、スリーブ221の下側の端面225を「第1流体動圧軸受面225」といい、スリーブハウジング222の上側の端面226を「第2流体動圧軸受面226」という。
また、側部間隙42の互いに対向する面の一方には、潤滑油に流体動圧を発生させるための溝(例えば、中心軸J1の向く方向に関して、スリーブ221の内側面の上下に設けられたヘリングボーン溝等)が形成されており、側部間隙42によりラジアル動圧軸受部が構成される。
モータ1では、流体動圧を利用する軸受機構によりロータ部3を潤滑油を介して非接触にて支持することにより、ロータ部3を高精度、かつ、低騒音にて回転することができる。特に、フルフィル構造の軸受機構では、軸受内部に空気が介在しないため、潤滑油内に発生した気泡に起因するシャフト311とスリーブ221との異常接触や、軸受内部の空気が膨張することによる潤滑油の漏れ等が一層抑制される。また、モータ1では、スリーブ221が粉末状の原材料を加圧成形した多孔質部材とされるため、軸受機構において高い保持力にて潤滑油を保持することができるとともに潤滑油中のパーティクル等の不純物を吸着して潤滑油を清浄に保つことができる。
このように、モータ1では、スリーブユニット22(すなわち、スリーブ221およびスリーブハウジング222)、ロータハブ31並びにシールキャップ23の間に形成される間隙(すなわち、上部間隙41、側部間隙42、第1下部間隙43、第2下部間隙44および外側間隙45)に、流体である潤滑油が充填されており、ロータ部3の回転時には、潤滑油による流体動圧を利用して
ロータ部3が支持される。そして、ロータ部3が中心軸J1を中心としてステータ部2に対して回転されることより、ロータ部3に取り付けられる記録ディスク62(図1参照)が回転される。
次に、スリーブユニット22の製造について説明する。図5は、スリーブユニット22を製造するスリーブユニット製造装置5を示す断面図である。図5に示すように、スリーブユニット製造装置5は、スリーブ221を吸引吸着して保持する略円柱状のスリーブ保持部51、スリーブ221の中心軸J1(すなわち、製造後におけるスリーブユニット22の中心軸J1)を中心としてスリーブハウジング222を保持するスリーブハウジング保持部52、スリーブ保持部51をスリーブハウジング保持部52に対して中心軸J1方向に相対的に移動する移動機構53(シャフトのみを図示する。)、および、移動機構53によるスリーブ保持部51の移動を規制する(すなわち、移動範囲を制限する)2つの移動規制部54を備える。移動規制部54は、スリーブ保持部51およびスリーブハウジング保持部52の間に挟まれることによりスリーブ保持部51の移動を規制する円柱状の部材である。
スリーブユニット製造装置5では、スリーブ保持部51に保持されたスリーブ221を、スリーブハウジング222内に挿入して固定することによりスリーブユニット22が形成される。図5に示すように、スリーブユニット製造装置5では、スリーブ221およびスリーブハウジング222が、モータ1のベースプレート21に取り付けられた状態とは上下反対に保持されているが、以下の説明におけるスリーブユニット22の上下は、これまでの説明と同様に、スリーブユニット22がベースプレート21に取り付けられた状態における上下を意味するものとし、図5の上下方向とは逆になる。
スリーブ保持部51は、スリーブ221の第1流体動圧軸受面225に当接する第1当接面511を備え、スリーブ保持部51の内部には、スリーブ221を吸引吸着するための微小な複数の吸引路(図示省略)が形成されている。スリーブハウジング保持部52は、スリーブハウジング222の第2流体動圧軸受面226に当接する第2当接面521を備え、スリーブハウジング222の第2流体動圧軸受面226とは反対側の端部をスリーブ221の第1流体動圧軸受面225とは反対側の端部と対向させつつスリーブハウジング222を保持する。
スリーブユニット製造装置5は、スリーブ221のスリーブハウジング222への取り付け時に、スリーブ221の第1流体動圧軸受面225をスリーブ保持部51の第1当接面511に向かって付勢する第1付勢機構55をスリーブハウジング保持部52側に備え、さらに、スリーブハウジング222の第2流体動圧軸受面226をスリーブハウジング保持部52の第2当接面521に向かって付勢する第2付勢機構56をスリーブ保持部51の周りに備える。
第1付勢機構55は、スリーブハウジング保持部52の第2当接面521に形成された円形の開口からスリーブ保持部51側へと突出するとともにスリーブハウジング222内に第2流体動圧軸受面226側から挿入される略円柱状の第1付勢部材551、および、第1付勢部材551のスリーブ保持部51側とは反対側に設けられる弾性部材である第1コイルばね552を備える。第2付勢機構56は、スリーブ保持部51の周囲に配置される略円筒状の第2付勢部材561、および、第2付勢部材561のスリーブハウジング保持部52とは反対側に設けられる弾性部材である第2コイルばね562を備える。
図6は、スリーブユニット22の製造の流れを示す図である。スリーブユニット製造装置5によりスリーブユニット22が製造される際には、まず、スリーブハウジング222の内側面2221(後述するように、スリーブ221の外側面であってもよい。)に接着剤220が塗布される(ステップS11)。続いて、スリーブ221が、第1流体動圧軸受面225を第1当接面511に当
接させつつスリーブ保持部51により吸着保持され(ステップS12)、スリーブハウジング222が、第2流体動圧軸受面226を第2当接面521に当接させつつスリーブハウジング保持部52により保持される(ステップS13)。
スリーブ221およびスリーブハウジング222が保持されると、移動機構53によりスリーブ保持部51がスリーブハウジング保持部52に近づけられ、スリーブハウジング222内へのスリーブ221の挿入が開始される(ステップS14)。このとき、スリーブ221は、第1流体動圧軸受面225とは反対側からスリーブハウジング222内に挿入される。
やがて、スリーブハウジング222内に挿入されたスリーブ221の第1流体動圧軸受面225とは反対側の端面が、第1付勢機構55の第1付勢部材551に当接し、第1付勢部材551がスリーブ221に押圧されることにより第1コイルばね552が弾性変形するとともにスリーブ221の第1流体動圧軸受面225がスリーブ保持部51の第1当接面511に向かって付勢される。
第1コイルばね552のばね定数は、スリーブ保持部51がスリーブハウジング保持部52に最も近接した状態(後述の図7参照)においても、第1コイルばね552の弾力によりスリーブ保持部51がスリーブハウジング保持部52から離れる方向に移動しないように決定されている。なお、第1付勢機構55によりスリーブ221が第1当接面511に付勢された後は、スリーブ保持部
51によるスリーブ221の吸着が停止されてもよい。
また、スリーブ221の第1付勢部材551への当接と前後してスリーブハウジング222の第2流体動圧軸受面226とは反対側の端面が、第2付勢機構56の第2付勢部材561に当接する。そして、第2付勢部材561がスリーブハウジング222に押圧されることにより第2コイルばね562が弾性変形するとともにスリーブハウジング222の第2流体動圧軸受面226がスリーブハウジング保持部52の第2当接面521に向かって付勢される。
スリーブユニット製造装置5では、図7に示すように、スリーブハウジング保持部52の第2当接面521上に設けられた規制部受部522に移動規制部54の先端が当接することにより、スリーブ保持部51の移動が規制されてスリーブ221のスリーブハウジング222内への挿入が停止される(ステップS15)。
スリーブユニット製造装置5では、スリーブ保持部51の第1当接面511とスリーブハウジング保持部52の第2当接面521との間の中心軸J1方向に関する距離が、スリーブ221の第1流体動圧軸受面225とスリーブハウジング222の第2流体動圧軸受面226との間の中心軸J1方向に関する距離(以下、「軸受面間距離」という。)の設計値(以下、「設計距離」という。
)に等しくなったときにスリーブ保持部51の移動が規制されるように移動規制部54の中心軸J1方向の長さが決定されている。これにより、スリーブユニット22の軸受面間距離が、設計距離(許容誤差を含む。)と等しくなるように精度良く決定される。スリーブユニット22では、軸受面間距離の許容誤差が15μm以下とされる。
スリーブ保持部51の移動が規制されると、スリーブ221およびスリーブハウジング222が所定の時間(例えば、2分間)だけ保持され、スリーブ221の外側面2213とスリーブハウジング222の内側面2221との間において外気との接触が断たれた嫌気性の接着剤220(図3参照)が硬化し、スリーブ221がスリーブハウジング222の内側面2221に固定(接着)される(ステップS16)。
スリーブユニット22では、図3に示すように、スリーブ221のスリーブハウジング222内への挿入により第2流体動圧軸受面226側へと押し出された接着剤220が、スリーブ上部外周縁において、スリーブ221の第1スリーブ傾斜面2211とスリーブハウジング222の内側面2221との間に形成された凹部223に収容される。換言すれば、スリーブ221の上部外周縁の角部が除去された形状により形成された凹部223は、スリーブ221の挿入により押し出された接着剤220が収容されるいわゆる接着剤溜まりとなる。そして、接着剤220の凹部223に収容された部分に紫外線等が照射されて硬化され、スリーブユニット22の製造が終了する(ステップS17)。
スリーブユニット22の製造では、スリーブハウジング222の内側面2221への接着剤220の塗布(ステップS11)に代えて、スリーブ221の外側面2213に接着剤220が塗布されてもよい。また、スリーブ221の外側面2213、および、スリーブハウジング222の内側面2221の双方に接着剤220が塗布されてもよい。スリーブ221の外側面2213および/またはスリーブハウジング222の内側面2221への接着剤220の塗布(ステップS11)は、スリーブハウジング222内へのスリーブ221の挿入を開始する工程(ステップS14)よりも前に行われるのであればいつ行われてもよく、例えば、スリーブ221およびスリーブハウジング222の保持(ステップS12,S13)の後に行われてもよい(後述する図8および図9の例、並びに、第2の実施の形態についても同様)。
以上に説明したように、スリーブユニット製造装置5によるスリーブユニット22の製造では、スリーブ221をスリーブハウジング222内に挿入して接着する際に、図3におけるスリーブ221の下側の端面(図5において上側となる第1流体動圧軸受面)225が一の位置決め部材であるスリーブ保持部51の第1当接面511に当接しつつ第1当接面511に向かって付勢され、図3におけるスリーブハウジング222の上側の端面(図5において下側となる第2流体動圧軸受面)226が他の位置決め部材であるスリーブハウジング保持部52の第2当接面521に当接しつつ第2当接面521に向かって付勢される。これにより、スリーブ221の基準面である端面225のスリーブ保持部51に対する位置、および、スリーブハウジング222の基準面である端面226のスリーブハウジング保持部52に対する位置を維持しつつ、スリーブ221の円筒状の外側面をスリーブハウジング222の円筒状の内側面に接着してスリーブユニット22を適切に製造することが実現される。
スリーブユニット22の製造では、スリーブ221が第1流体動圧軸受面225とは反対側からスリーブハウジング222内に挿入されるため、接着剤220が第1流体動圧軸受面225に付着することを防止することができる。また、スリーブ221のスリーブ上部外周縁が角部が除去された形状とされ、スリーブ221の挿入により押し出された接着剤220が収容される凹部223が形成されることにより、第1流体動圧軸受面225とは反対側において、接着剤220がスリーブ221およびスリーブハウジング222の端面に溢れることを防止する、または、接着剤220が第1流体動圧軸受面225とは反対側に盛り上がることを抑制することができる。その結果、中心軸J1方向に関してスリーブハウジング222のスリーブ221が挿入される側と反対側の端面である第2流体動圧軸受面226に接着剤220が付着することを防止することができ、歩留まりを向上することができる。
また、スリーブユニット22の製造では、接着剤220の凹部223に収容された部分が、スリーブ221の上端側(すなわち、第1流体動圧軸受面225とは反対側)において硬化されて楔の役割を果たすため、スリーブ221に加えられる上向きの荷重に対して、スリーブ221とスリーブハウジング222との接着強度を高めることができる。その結果、スリーブ221とスリーブハウジング222との中心軸J1方向の締結長が比較的短い場合であっても、スリーブ221を強固にスリーブハウジング222に固定することができ、スリーブユニット22の中心軸J1方向の長さを短くしてモータ1を薄型化することができる。
スリーブ221の製造では、スリーブ221の形成後にスリーブ上部外周縁に面取り加工を施すことなく、スリーブ221の形成時に同時にスリーブ上部外周縁を角部が除去された形状とすることができる。その結果、スリーブ221の製造を簡素化することができ、スリーブユニット22の製造コストを低減することができる。
スリーブユニット22の製造では、スリーブ221のスリーブハウジング222への固定に嫌気性の接着剤220が用いられるため、スリーブ221をスリーブハウジング222内に挿入した状態で所定時間だけ保持することのみにより、スリーブ221をスリーブハウジング222に固定することができ、スリーブユニット22の製造を簡素化することができる。
スリーブ221を固定する接着剤としては、熱硬化性のもの(例えば、エポキシテクノロジー社製の353ND(製品名))が利用されてもよい。この場合、スリーブハウジング222およびスリーブハウジング222内に挿入されたスリーブ221を治具で保持した状態で、例えば、90℃の高温槽内に1時間載置することにより接着剤を硬化させる。熱硬化性接着剤を利用した場合、スリーブ221の外側面2213とスリーブハウジング222の内側面2221との間の接着剤、および、凹部223に収容された接着剤の双方を加熱工程にて同時に硬化させることができるため、スリーブユニット22の製造を簡素化することができる。
スリーブユニット22の製造では、スリーブ221がすきまばめによりスリーブハウジング222に取り付けられることにより、スリーブハウジング222内へのスリーブ221の挿入時に、スリーブ221の外側面2213とスリーブハウジング222の内側面2221とが擦れ合うことが防止される。これにより、スリーブ221の第1流体動圧軸受面225やスリーブハウジング222の第2流体動圧軸受面226、あるいは、ラジアル軸受部を構成するスリーブ221の内側面が歪むことを防止することができる。このように、スリーブハウジング222との摩擦を防止しつつスリーブ221をスリーブハウジング222に容易に挿入することができるスリーブユニット製造装置5は、無垢材に比べて比較的脆弱な多孔質部材であるスリーブ221のスリーブハウジング222への取り付けに特に適している。
スリーブユニット22では、スリーブハウジング222の下端部(すなわち、ベースプレート21に取り付けられた状態における下端部であり、スリーブ221が挿入される側の端部)近傍の肉厚が上端部近傍の肉厚よりも薄くされている。これにより、スリーブ保持部51おけるスリーブ221の吸着位置が僅かにずれる等、何らかの原因によりスリーブ221の挿入の際にスリーブ22
1がスリーブハウジング222の下端部の内周エッジに接触することがあっても、接触により生じる抵抗が、上端部側からスリーブ221を挿入する場合に比べて小さくなるため、スリーブ221をスリーブハウジング222内に容易に挿入することができる。
スリーブユニット製造装置5では、スリーブ221のスリーブハウジング222内への挿入時に、移動規制部54によりスリーブ保持部51の移動を規制することにより、中心軸J1方向におけるスリーブ221とスリーブハウジング222との位置決めを精度良く行うことができる。これにより、スリーブ221に中心軸J1に垂直な第1流体動圧軸受面225を有し、スリーブハウジング222の第1流体動圧軸受面225とは反対側に第2流体動圧軸受面226を有するスリーブユニット22を備えるモータ1において、スリーブユニット22の軸受面間距離を精度良く決定することができ、軸受機構の上部間隙41および第1下部間隙43において安定したスラスト動圧力を得ることができる。その結果、モータ1の品質を安定させることができる。このように、軸受面間距離を精度良く決定しつつスリーブユニットを製造することができるスリーブユニット製造装置5は、軸受面間距離の許容誤差が15μm以下とされるスリーブユニット22の製造に特に適している。
また、スリーブユニット製造装置5では、スリーブハウジング222内へのスリーブ221の挿入時に、第1付勢機構55により第1流体動圧軸受面225が第1当接面511に付勢され、第2付勢機構56により第2流体動圧軸受面226が第2当接面521に付勢され、さらに、第1当接面511と第2当接面521との間の距離に基づいてスリーブ221の移動が規制されることにより、スリーブユニット22の軸受面間距離を容易に精度良く決定することができる。さらに、第1流体動圧軸受面225と第2流体動圧軸受面226との平行度も精度良く決定することができる。
スリーブユニット22のスリーブ221は、金属粉末等の原材料を加圧成形し、さらに焼結して形成されるため、無垢材のスリーブに比べて中心軸J1方向の長さの製造誤差が大きい。スリーブユニット製造装置5では、第1流体動圧軸受面225と第2流体動圧軸受面226との間の距離に基づいてスリーブ221およびスリーブハウジング222の位置決めを行うため、中心軸J1方向の長さに比較的大きな製造誤差(例えば、25μm〜35μm)を有するスリーブ221を利用する場合であっても、軸受面間距離を精度良く決定しつつスリーブユニット22を製造することができる。特に、第1付勢機構55において第1付勢部材551を弾性体である第1コイルばね552により支持しているため、スリーブユニット22を連続的に製造する際に、準備された複数のスリーブ221の中心軸J1方向の長さが互いに異なる場合であっても、長さが異なる各スリーブ221の第1流体動圧軸受面225を第1当接面511に適切に付勢することができる。なお、スリーブユニット22の設計によっては、スリーブ221およびスリーブハウジング222が樹脂成型品として形成されたり、切削や研削を含む工程、あるいは、既述の特許文献3(特開平8−74
63号公報)に記載のメタルインジェクションモールド(MIM)工法にて形成されてもよい(後述する第2の実施の形態において同様)。
スリーブユニット製造装置5では、移動規制部54として、スリーブ保持部51とスリーブハウジング保持部52との間に挟まれることによりスリーブ保持部51の移動を規制する部材が利用されることにより、スリーブユニット製造装置5の構造を簡素化することができる。
次に、他の例に係るモータのスリーブユニット22aの製造について説明する。図8は、スリーブユニット22aの一部を示す縦断面図である。図8に示すように、スリーブユニット22aでは、スリーブ上部外周縁に代えて、スリーブハウジング222の上端部の内周縁(すなわち、中心軸J1(図2参照)方向に関してスリーブ221が挿入される側とは反対側の端部の内周縁であり、
以下、「スリーブハウジング内周縁」という。)が角部が除去された形状とされる。その他の構成は図3と同様であり、以下の説明において同符号を付す。また、スリーブユニット22aの製造に利用されるスリーブユニット製造装置5の構成、および、スリーブユニット22aの製造の流れも、図5および図6と同様である。
図8に示すように、スリーブユニット22aでは、スリーブハウジング内周縁は、面取り加工により中心軸J1を中心とする環状(具体的には、円錐台形の側面状)のスリーブハウジング傾斜面2222を有する面取り形状とされる。スリーブハウジング傾斜面2222の中心軸J1方向の長さL3は、好ましくは0.05mm以上0.5mm以下(より好ましくは、0.2mm〜0.3m
m)とされ、スリーブハウジング傾斜面2222の中心軸J1方向に垂直な方向の幅W3は、好ましくは、中心軸J1方向の長さL3の0.17倍以上2.75倍以下(より好ましくは、1倍)とされる。
スリーブユニット22aが製造される際には、まず、第1の実施の形態と同様に、スリーブハウジング222の内側面2221(および/またはスリーブ221の外側面2213)に接着剤220が塗布され(図6:ステップS11)、スリーブ221およびスリーブハウジング222が、スリーブユニット製造装置5(図5参照)のスリーブ保持部51およびスリーブハウジング保持部52により保持される(ステップS12,S13)。
続いて、移動機構53によりスリーブ保持部51がスリーブハウジング保持部52に近づけられ、スリーブハウジング222内へのスリーブ221の挿入が開始される(ステップS14)。このとき、スリーブ221は、第1流体動圧軸受面225とは反対側からスリーブハウジング222内に挿入される。そして、スリーブ221の第1流体動圧軸受面225が第1付勢機構55により第
1当接面511に付勢されるとともにスリーブハウジング222の第2流体動圧軸受面226が第2付勢機構56により第2当接面521に付勢された状態で、移動規制部54によりスリーブ保持部51の移動が規制されて軸受面間距離が精度良く決定され、スリーブ221のスリーブハウジング222内への挿入が停止される(ステップS15)。
スリーブ221の挿入が停止されると、スリーブ221およびスリーブハウジング222が所定の時間だけ保持されることにより嫌気性の接着剤220が硬化し、スリーブ221がスリーブハウジング222の内側面2221に固定(接着)される(ステップS16)。スリーブユニット22aでは、スリーブ221のスリーブハウジング222内への挿入により第2流体動圧軸受面226
側へと押し出された接着剤220が、スリーブハウジング内周縁において、スリーブハウジング222のスリーブハウジング傾斜面2222とスリーブ221の外側面2213との間に形成された凹部223に収容される。そして、接着剤220の凹部223に収容された部分に紫外線等が照射されて硬化され、スリーブユニット22aの製造が終了する(ステップS17)。
以上に説明したように、他の例に係るモータのスリーブユニット22aの製造においても、第1の実施の形態と同様に、スリーブ221が第1流体動圧軸受面225とは反対側からスリーブハウジング222内に挿入されるため、接着剤220が第1流体動圧軸受面225に付着することを防止することができる。スリーブユニット22aでは、スリーブハウジング222のスリーブハウジング内周縁が角部が除去された形状とされて凹部223が形成されることにより、第1流体動圧軸受面225とは反対側において、接着剤220がスリーブ221およびスリーブハウジング222の端面に溢れることを防止する、または、接着剤220の盛り上がりを抑制することができる。その結果、第1の実施の形態と同様に、スリーブハウジング222の第2流体動圧軸受面226に接着剤220が付着することを防止することができる。
スリーブユニット22aの製造では、接着剤220の凹部223に収容されて硬化された部分が、スリーブハウジング222の上端側(すなわち、第2流体動圧軸受面226側)において楔の役割を果たすため、スリーブハウジング222に加えられる上向きの荷重に対して、スリーブ221とスリーブハウジング222との接着強度を高めることができる。
スリーブユニット22aの製造では、第1の実施の形態と同様に、スリーブハウジング222の下端部近傍の肉厚が上端部近傍の肉厚よりも薄くされているため、スリーブ221をスリーブハウジング222内に容易に挿入することができる。また、スリーブ221のスリーブハウジング222への固定に嫌気性の接着剤220が用いられているため、スリーブユニット22aの製造を簡素化することができる。さらには、嫌気性の接着剤220に代えて熱硬化性の接着剤が用いられる場合も、スリーブユニット22aの製造を簡素化することができる。
図9は、さらに他の好ましいスリーブユニットの例を示す縦断面図である。図9に示すスリーブユニット22bでは、スリーブ221のスリーブ上部外周縁、および、スリーブハウジング222のスリーブハウジング内周縁の双方が、角部が除去された形状とされる。スリーブユニット22bでも、スリーブ221のスリーブハウジング222内への挿入時に押し出された接着剤220が凹
部223に収容されるため、第1流体動圧軸受面225とは反対側において、接着剤220がスリーブ221およびスリーブハウジング222の端面に溢れることを防止する、または、接着剤220の盛り上がりを抑制することができる。その結果、スリーブユニット22bの第1流体動圧軸受面225および第2流体動圧軸受面226に対する接着剤220の付着を防止することができる。
次に、本発明の第2の実施の形態に係るモータについて説明する。図10は、モータ1の一部を拡大して示す縦断面図であり、図4に対応する図である。図10のモータ1では、図4のモータ1と比較してスリーブユニット22の構造のみが相違している。他の構成は図4と同様であり、同符号を付している。
図10に示すモータ1では、スリーブ221の中心軸J1方向における上側の中心軸J1に垂直な端面227が、スリーブハウジング222の上側の端面(ロータハブ10 31の円板部312に対向する端面)よりも僅かに上方に位置している。スリーブ221の上側の端面227、および、下側の中心軸J1に垂直な端面225には、ロータ部3の回転時に潤滑油に対して中心軸J1側に向かう圧力を発生させるための溝が形成されており、ロータハブ31の円板部312の下面と端面227との間の間隙41a、および、端面225とスラストプレート314の上面との間の間隙43(すなわち、第1下部間隙43)によりスラスト動圧軸受部が構成される。このように、本実施の形態では、スリーブ221の下側の端面225が第1の実施の形態と同様に「第1流体動圧軸受面225」とされ、上側の端面227が図4中のスリーブハウジング222の上側の端面226に代えて「第2流体動圧軸受面227」とされる。
図10中の第2下部間隙44、第1下部間隙43、側部間隙42および間隙41aに連続して充填される潤滑油は、図4のモータ1と同様に、外側間隙45において形成されるテーパシールにより、軸受機構内に保持される。また、側部間隙42の互いに対向する面(すなわち、スリーブ221の内側面とシャフト311の外側面)の一方には、潤滑油に流体動圧を発生させるための溝が形成されており、側部間隙42によりラジアル動圧軸受部が構成される。
スリーブハウジング222の上部には、スリーブユニット22の外周に沿って中心軸J1に対して外側に突出する突起部であるフランジ部224が一体的に形成されており、スリーブハウジング222の上端部近傍の肉厚が下端部近傍の肉厚よりも厚くなっている。また、フランジ部224のベースプレート21側の部分である係合部224aとベースプレート21のスリーブ取付部216の先端とが上下方向に関して係合して、スリーブハウジング222の下端部近傍がベースプレート21に取り付けられる。なお、スリーブユニット22の
下端側の開口は、略円板状のシールキャップ23により閉塞される。
次に、図10のスリーブユニット22の製造について説明する。図11は、スリーブユニット22を製造するスリーブユニット製造装置5aを示す断面図である。図11に示すように、スリーブユニット製造装置5aは、スリーブ221を保持するスリーブ保持部51a、スリーブ221の中心軸J1(すなわち、製造後におけるスリーブユニット22の中心軸J1)を中心としてスリーブハウジング222を保持するスリーブハウジング保持部52a、スリーブハウジング222のスリーブ221とは反対側に配置され、中心軸J1方向に関してスリーブ221に対向する円柱状の第1位置決め部材57、並びに、スリーブハウジング保持部52aの周囲を囲むとともに中心軸J1を中心とする円筒状の円筒部材59を備える。
なお、本実施の形態においても、スリーブ保持部51aに保持されたスリーブ221を、スリーブハウジング222内に挿入して固定することによりスリーブユニット22が形成され、図11に示すスリーブユニット製造装置5aでは、スリーブ221およびスリーブハウジング222が、図10のモータ1のベースプレート21に取り付けられた状態とは上下反対に保持されている。
スリーブ保持部51aは、スリーブ221の第1流体動圧軸受面225を吸引吸着により保持する保持部材512、および、保持部材512と支持板531との間に設けられる弾性部材であるコイルばね513を有し、スリーブ221は中心軸J1方向に関して第2流体動圧軸受面227を第1位置決め部材57に対向させて保持される。スリーブハウジング保持部52aは、第1位置決め部材57の周囲に配置される弾性部材であるコイルばね524、および、コイルばね524のスリーブ保持部51a側に取り付けられる環状の保持部材523を有する。スリーブハウジング222はフランジ部224側の端面が保持部材523に当接して支持される。
また、スリーブ保持部51aの周囲には略円筒状の第2位置決め部材58が設けられ、スリーブハウジング保持部52a側の端部の内周縁には、環状の切欠部581が形成される。第2位置決め部材58は支持板531に固定され、支持板531には移動機構53のシャフトが接続される(シャフトのみを図示する。)。移動機構53により支持板531が中心軸J1に沿って移動すること
により、スリーブ保持部51aおよび第2位置決め部材58が一体的にスリーブハウジング保持部52aおよび円筒部材59に対して中心軸J1方向に相対的に移動する。また、第2位置決め部材58のスリーブハウジング保持部52a側の端面582上には、円柱状の2つの移動規制部54が設けられ、移動規制部54が円筒部材59に当接することにより、移動機構53によるスリーブ
保持部51aおよび第2位置決め部材58の移動が規制される(すなわち、移動範囲が制限される)。
次に、図10のスリーブユニット22の製造の流れについて図6を参照しつつ説明する。スリーブユニット製造装置5aによりスリーブユニット22が製造される際には、まず、スリーブハウジング222の内側面2221(スリーブ221の外側面であってもよい。)に接着剤220が塗布される(ステップS11)。続いて、スリーブ221が、第1流体動圧軸受面225を保持部材5
12に当接させるとともに、第2流体動圧軸受面227を第1位置決め部材57に対向させてスリーブ保持部51aにより吸着保持される(ステップS12)。また、スリーブハウジング222が、フランジ部224側の端面を保持部材523に当接させてスリーブハウジング保持部52aにより保持される(ステップS13)。
スリーブ221およびスリーブハウジング222が保持されると、移動機構53によりスリーブ保持部51aおよび第2位置決め部材58がスリーブハウジング保持部52aに近づけられ、スリーブハウジング222内へのスリーブ221の挿入が開始される(ステップS14)。このとき、スリーブ221は、第2流体動圧軸受面227側からスリーブハウジング222内に挿入される。
やがて、スリーブハウジング222内に挿入されたスリーブ221の第2流体動圧軸受面227が、第1位置決め部材57のスリーブ保持部51a側の面(以下、「第1当接面」という。)571に当接し、支持板531の移動に伴ってスリーブ保持部51aのコイルばね513がスリーブ221および保持部材512を介して第1位置決め部材57により押圧されることにより、コイルばね513が弾性変形するとともにスリーブ221の第2流体動圧軸受面227が第1位置決め部材57の第1当接面571に向かって中心軸J1に沿って付勢される。
また、スリーブ221の第1位置決め部材57への当接と前後して、スリーブハウジング222の係合部224aにおいて中心軸J1方向に関してスリーブハウジング保持部52aとは反対側を向く面(すなわち、中心軸J1に垂直な方向の幅がごく僅かな環状面)が、第2位置決め部材58の端面582(以下、「第2当接面582」とも呼ぶ。)に当接する。そして、支持板531の移
動に伴ってスリーブハウジング保持部52aのコイルばね524がスリーブハウジング222および保持部材523を介して第2位置決め部材58により押圧されることにより、コイルばね524が弾性変形するとともにスリーブハウジング222の係合部224aが第2位置決め部材58の第2当接面582に向かって中心軸J1に沿って付勢される。
スリーブユニット製造装置5aでは、図12に示すように、円筒部材59上に設けられた規制部受部591に移動規制部54の先端が当接することにより、スリーブ保持部51aおよび第2位置決め部材58の移動が規制されてスリーブ221のスリーブハウジング222内への挿入が停止される(ステップS15)。
スリーブユニット製造装置5aでは、第1位置決め部材57の第1当接面571と第2位置決め部材58の第2当接面582との間の中心軸J1方向に関する距離が、モータ1における所定の設計値に等しくなったときに支持板531の移動が規制されるように移動規制部54の中心軸J1方向の長さが決定されている。
スリーブ保持部51aおよび第2位置決め部材58の移動が規制されると、第1の実施の形態と同様に、図12の状態が所定の時間(例えば、2分間)だけ保持され、スリーブ221の外側面2213とスリーブハウジング222の内側面2221との間において外気との接触が断たれた嫌気性の接着剤が硬化し、スリーブ221がスリーブハウジング222の内側面2221に固定(接着される(ステップS16)。
図12のスリーブユニット22においても、図3のスリーブユニット22と同様に、スリーブ221のスリーブハウジング222内への挿入により第2流体動圧軸受面227側へと押し出された接着剤220(図3参照)が、第2流体動圧軸受面227の外側において、スリーブ221の第1スリーブ傾斜面2211とスリーブハウジング222の内側面2221との間に形成された凹部223に収容される。そして、接着剤220の凹部223に収容された部分に紫外線等が照射されて硬化され、スリーブユニット22の製造が終了する(ステップS17)。
以上に説明したように、図10のスリーブユニット22の製造では、スリーブ221をスリーブハウジング222内に挿入して接着する際に、スリーブ221の端面227(図11および図12では下側の端面227)が第1位置決め部材57の第1当接面571に当接しつつ第1当接面571に向かって付勢され、スリーブハウジング222の係合部224aにおいてスリーブ221の端面227の中心軸J1方向の向きとは反対側を向く環状面が、第2位置決め部材58の第2当接面582に当接しつつ第2当接面582に向かって付勢される。これにより、スリーブ221の端面227の第1位置決め部材57に対する位置、および、スリーブハウジング222の係合部224aにおける環状面の第2位置決め部材58に対する位置を維持しつつ、スリーブ221をスリーブハウジング222の内側面に接着してスリーブユニット22を適切に製造することが実現される。また、移動規制部54により、接着時における第1位置決め部材57と第2位置決め部材58との間の中心軸J1方向の距離が一定に保たれることにより、スリーブユニット22をベースプレート21に固定する際における基準面でもある係合部224aの環状面とスリーブ221の上側の端面227との間の中心軸J1方向の距離を一定にして、ベースプレート21とロータハブ31の円板部312との間の中心軸J1方向の距離および平行度のばらつきを抑制することができる。
スリーブユニット22の製造では、スリーブ221が第1流体動圧軸受面225とは反対側からスリーブハウジング222内に挿入されるため、接着剤220が第1流体動圧軸受面225に付着することを防止することができる。さらに、図10のスリーブ221の上部外周縁が角部が除去された形状とされ、スリーブ221の挿入により押し出された接着剤220が確実に収容される凹部223(図3参照)が形成されることにより、第2流体動圧軸受面227に接着剤220が付着することも防止することができる。その結果、スリーブ221の両端面が流体動圧軸受面とされるスリーブユニットを有するモータの品質を安定させることができる。なお、図10のスリーブユニット22においても、図8および図9と同様の形状の凹部223が形成されてもよい。
また、図10におけるスリーブハウジング222の上端部(図12における下端部)近傍の外周部は、モータの流体動圧軸受機構においてテーパシール用の外側間隙45を構成する部分の一部であり、スリーブハウジング222の上端部が他の部位に比べて厚肉とされているため、スリーブユニット22の製造の際には、スリーブハウジング222の上端部とは反対側の薄肉の下端部側からスリーブ221がスリーブハウジング222内に滑らかに挿入される。これにより、モータにおいて潤滑油の流出を防止するテーパシールを構成することが可能なスリーブユニット22を容易に製造することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
上記第2の実施の形態では、スリーブユニット22の製造において、スリーブ221の上側の端面227、および、スリーブハウジング222の係合部224aにおける面であってスリーブ221の端面227とは反対側を向く環状面のそれぞれが位置決めの基準面とされるが、係合部224aの環状面に代えて、例えば、スリーブハウジング222のフランジ部224とは反対側の端部において、シールキャップ23と中心軸J1方向に関して当接する面が基準面とされ、スリーブユニット22が製造されてもよい。また、軸受機構の設計によっては、スリーブの中心軸J1方向の一の端面が内周側から外周側に向かって傾斜した傾斜面とされてもよく(モータの設計によっては、当該傾斜面が流体動圧軸受面とされてもよい。)、この場合、当該傾斜面の一部が位置決めの基準とされる。
以上のように、スリーブの外側面をスリーブハウジング222の内側面に接着する際には、スリーブ221をスリーブハウジング222内に挿入した状態で、スリーブ221の中心軸J1方向における一方の端部または他方の端部を、一の位置決め部材に当接させるとともに当該一の位置決め部材に向かって中心軸J1に沿って付勢し、中心軸J1方向に関してスリーブ221に対する付勢
方向とは反対側を向くスリーブハウジング222の面を、他の位置決め部材に当接させるとともに当該他の位置決め部材に向かって中心軸J1に沿って付勢することが重要となる。これにより、スリーブ221の当該一の位置決め部材に対する位置、および、スリーブハウジング222の当該他の位置決め部材に対する位置を維持しつつ、スリーブ221をスリーブハウジング222の内側
面に適切に接着してスリーブユニット22を製造することが実現される。なお、スリーブ221およびスリーブハウジング222の位置決め部材に向けての付勢は、コイルばね以外に、圧空等を利用する機構により実現されてもよい。
スリーブ上部外周縁および/またはスリーブハウジング内周縁は、断面が円弧状となるR面取りされた形状とされてもよく、中心軸J1を中心とする環状の傾斜面を有する他の面取り形状とされてもよい。また、スリーブ221が無垢材である場合等、スリーブ上部外周縁は、面取り加工されることにより角部が除去された形状とされる。
上記実施の形態に係るスリーブユニットの製造では、スリーブハウジング222の内側面2221、および/または、スリーブ221の外側面2213に対する接着剤220の塗布前に、両側面にプライマ等の下地処理材料が塗布されてもよい。これにより、スリーブユニットでは、スリーブ221とスリーブハウジング222との接着強度および密着性が向上される。
上記実施の形態に係るモータは、必ずしも界磁用磁石34が電機子24の中心軸J1側に配置された、いわゆる、インナーロータ型である必要はなく、界磁用磁石34が電機子24の外側に配置されたアウターロータ型であってもよい。また、軸受機構は、例えば、空気を流体とした、いわゆるエア動圧軸受を用いてもよい。このような場合であっても、本発明と同様の作用、効果を得ることができる。
上記実施の形態に係るモータは、ハードディスク装置以外の他の装置(例えば、リムーバブルディスク装置等のディスク駆動装置)の駆動源として利用されてよい。
第1の実施の形態に係る記録ディスク駆動装置の内部構成を示す図である。 モータの構成を示す縦断面図である。 スリーブユニットの一部を示す拡大図である。 モータの一部を示す拡大図である。 スリーブユニット製造装置を示す断面図である。 スリーブユニットの製造の流れを示す図である。 スリーブユニット製造装置を示す断面図である。 スリーブユニットの一部を示す縦断面図である。 スリーブユニットの一部を示す縦断面図である。 第2の実施の形態に係るモータの一部を示す縦断面図である。 スリーブユニット製造装置を示す断面図である。 スリーブユニット製造装置を示す断面図である。
1 モータ
2 ステータ部
3 ロータ部
21 ベースプレート
22 スリーブユニット
24 電機子
34 界磁用磁石
45 外側間隙
51 スリーブ保持部
52 スリーブハウジング保持部
57,58 位置決め部材
220 接着剤
221 スリーブ
222 スリーブハウジング
223 凹部
224 フランジ部
225 第1流体動圧軸受面
226,227 第2流体動圧軸受面
311 シャフト
2211 第1スリーブ傾斜面
2213 外側面
2221 内側面
2222 スリーブハウジング傾斜面
J1 中心軸
S11〜S17 ステップ

Claims (12)

  1. モータにおいてシャフトが挿入されるスリーブとスリーブの外周に取り付けられるスリーブハウジングとを備えるスリーブユニットの製造方法であって、
    a)所定の中心軸を中心とするスリーブの外側面、および/または、前記中心軸を中心とする内側面を有するスリーブハウジングの前記内側面に接着剤を塗布する工程と、
    b)前記スリーブを保持する工程と、
    c)前記スリーブハウジングの前記中心軸方向における一方の端部を前記スリーブの前記中心軸方向における一方の端部とは反対側の他方の端部と対向させつつ前記スリーブハウジングを保持する工程と、
    d)前記スリーブを前記スリーブハウジングに対して前記中心軸方向に相対的に移動し、前記スリーブを前記他方の端部側から前記スリーブハウジング内に挿入して、前記スリーブおよび前記スリーブハウジングを第1位置決め部材および第2位置決め部材にそれぞれ当接させつつ、前記スリーブを前記接着剤により前記スリーブハウジングの前記内側面に接着する工程と、
    を備え、
    前記d)工程において、前記スリーブの前記一方の端部または前記他方の端部が、前記第1位置決め部材に当接するとともに、前記第1位置決め部材に向かって前記中心軸に沿って付勢され、前記中心軸方向に関して前記スリーブに対する付勢方向とは反対側を向く前記スリーブハウジングの面が、前記第2位置決め部材に当接するとともに、前記第2位置決め部材に向かって前記中心軸に沿って付勢されることを特徴とするスリーブユニットの製造方法。
  2. 請求項1に記載のスリーブユニットの製造方法であって、
    前記スリーブの前記一方の端部に流体動圧軸受面が形成されていることを特徴とするスリーブユニットの製造方法。
  3. 請求項1または2に記載のスリーブユニットの製造方法であって、
    前記スリーブの前記他方の端部の外周縁、および/または、前記スリーブハウジングの前記中心軸方向における他方の端部の内周縁が、角部が除去された形状とされ、
    前記d)工程において、前記スリーブの挿入により押し出された前記接着剤が、前記角部が除去された形状により前記スリーブと前記スリーブハウジングとの間に形成された凹部に収容されることを特徴とするスリーブユニットの製造方法。
  4. 請求項3に記載のスリーブユニットの製造方法であって、
    前記スリーブの前記外周縁、および/または、前記スリーブハウジングの前記内周縁が、前記中心軸を中心とする環状の傾斜面を有する面取り形状とされ、
    前記傾斜面の前記中心軸方向の長さが0.05mm以上0.5mm以下であり、前記中心軸方向に垂直な方向の幅が前記長さの0.17倍以上2.75倍以下であることを特徴とするスリーブユニットの製造方法。
  5. 請求項3または4に記載のスリーブユニットの製造方法であって、
    前記スリーブが、原材料を加圧成形した多孔質部材であることを特徴とするスリーブユニットの製造方法。
  6. 請求項5に記載のスリーブユニットの製造方法であって、
    前記スリーブの前記他方の端部の前記外周縁における前記角部が除去された形状が前記スリーブの形成時に同時に形成されることを特徴とするスリーブユニットの製造方法。
  7. 請求項3ないし6のいずれかに記載のスリーブユニットの製造方法であって、
    前記スリーブハウジングの前記他方の端部が前記中心軸に垂直な流体動圧軸受面を有することを特徴とするスリーブユニットの製造方法。
  8. 請求項3ないし6のいずれかに記載のスリーブユニットの製造方法であって、
    前記スリーブの前記他方の端部が流体動圧軸受面を有することを特徴とするスリーブユニットの製造方法。
  9. 請求項1ないし8のいずれかに記載のスリーブユニットの製造方法であって、
    前記スリーブハウジングが略円筒状であり、前記スリーブハウジングの前記一方の端部近傍の肉厚が、前記スリーブハウジングの前記中心軸方向における他方の端部近傍の肉厚よりも薄いことを特徴とするスリーブユニットの製造方法。
  10. 請求項9に記載のスリーブユニットの製造方法であって、
    前記スリーブハウジングの前記他方の端部近傍の外周部が、流体動圧軸受機構においてテーパシール用の間隙を構成する部分の一部であることを特徴とするスリーブユニットの製造方法。
  11. 請求項9または10に記載のスリーブユニットの製造方法であって、
    前記スリーブハウジングの前記一方の端部近傍が、モータのステータ部のベースプレートに固定されることを特徴とするスリーブユニットの製造方法。
  12. 請求項1ないし11のいずれかに記載のスリーブユニットの製造方法であって、
    前記接着剤が、嫌気性および光硬化性を有する接着剤であることを特徴とするスリーブユニットの製造方法。

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