JP4814586B2 - 内視鏡装置 - Google Patents
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Description
そして、従来の内視鏡装置においては、上述した湾曲部の湾曲操作を行うため、挿入部の先端部付近に空気等の流体圧力で動作する空気圧アクチュエータを搭載し、流体圧力の供給及び排気により空気圧アクチュエータを動作させて先端部の観察面を所望の観察方向に向けることができるように構成されたものがある。
従って、可撓管の外周部に配設された複数の管部は、加圧流体の供給を受ける管部を選択して膨張・伸長させることにより、可撓管の湾曲部を所望の方向へ湾曲させる空気圧アクチュエータとして機能する。(たとえば、特許文献1参照)
また、加圧膨張性の柔軟な管部(シングルチューブ)は、可撓管に対して溶接等により確実に固着しておかないと、空気圧アクチュエータが膨張・伸長する際に思わぬ方向へ移動するなど不安定な挙動となるため、湾曲部を所望の方向へ確実に湾曲させることは困難である。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、挿入部先端の湾曲部が優れた組立性を有し、しかも、確実な湾曲操作性を有する簡単な構造の内視鏡装置を提供することにある。
本発明に係る内視鏡装置は、観察手段を備えた先端部の近傍に流体圧力で動作する湾曲部が設けられている長尺の挿入部を被観察対象内に挿入して観察する内視鏡装置において、前記湾曲部が、先端部側を閉塞して後端部側を加圧流体の供給源に連結した複数のチューブ部材と、該チューブ部材を各々収納して前記加圧流体による周方向の膨張を全長にわたって規制する収納部を設けた弾性部材とを備えていることを特徴とするものである。
この場合、前記収納部は、外周側の開口を断続的に閉じる外周規制部を備えていることが好ましく、これにより、チューブ部材の着脱性を維持しながら周方向外周側の膨張を規制するとともに、長手方向の移動を防止することも可能になる。
図4に示す斜視図は、本実施形態に係る内視鏡装置について、装置全体の概略構成を示すものである。この内視鏡装置1には、内視鏡本体2と、CCU(カメラ・コントロール・ユニット)3と、光源装置4と、電源5と、モニタ6などからなる複数の構成要素が設けられている。これら内視鏡装置1の複数の構成要素は、1つのキャリングケース(収納ケース)7に収納されている。このキャリングケース7には、上面が開口されたケース本体7aと、このケース本体7aの上面開口部を開閉可能に閉塞する蓋部材7bとが設けられている。
なお、図4及び図5において、図中の符号13はボンベ収納室、14はボンベ、15は信号線、16はリモートコントローラ、17及び18はケーブルを示している。
以下、上述した湾曲部10の構成について、第1の実施形態を図1ないし図3に基づいて説明する。
湾曲部10は、図示省略の観察手段(たとえばCCD)を備えた先端構成部11の近傍に設けられて空気圧等の流体圧力で動作する。この湾曲部10は、長尺の挿入部8を被観察対象内に挿入した際に、先端構成部10の観察面を所望の方向へ向けて観察するためのものである。なお、本実施形態では、湾曲部10を動作させる流体圧力が、ボンベ14内に貯蔵された空気圧を使用する場合を例に示して説明する。
チューブ部材20とエアチューブ22との連結部は、最も内側につぶれ防止用のパイプ部材23を配置し、このパイプ部材23の外周面に被せるようにしてエアチューブ22及びチューブ部材20の順で重ね合わせた後、最後にチューブ部材20の外周からたとえば糸縛り24を施して固定する。なお、パイプ部材23は、糸縛り24が施される連結部において、空気圧の供給が遮断されるのを防止する目的で配設されたものであるから、剛性のある金属や樹脂製のパイプが使用される。
収納部31の軸方向断面形状は、チューブ部材20が周方向へ膨張するのを全長にわたって規制するため、チューブ部材20の断面形状に応じて断面積を適正化した略矩形の凹形状に形成されている。すなわち、収納部31は、チューブ部材20の3方向を囲み、周方向の膨張を規制する凹形状に形成されている。図示の例では、収納部31の外周側を開口させた凹形状とされ、さらに、開口を断続的に閉じる外周規制部33が適当なピッチで複数箇所に設けられている。
なお、この場合の収納部31は、貫通孔32の周囲に4本の収納部用貫通孔を90度ピッチで形成しておき、収納部用貫通孔については、外周規制部33となる部分を残して外周面を切断して除去すればよい。
また、収納部31の内部には、軸方向に延びるチューブ部材20が全長にわたって収納設置される。この場合、収納部31とチューブ部材20との間は、接着等による固定処理が不要である。
また、外チューブ42の外周側には、前口金43及び後口金44の端部に重ね合わせるようにして外コイル45が被せられ、さらにその外周は、外部編管46により覆われている。ここで使用する外コイル45及び外部編管46は、湾曲部10の湾曲動作を妨げないようにするため、いずれも柔軟に湾曲可能な部材が選択される。なお、外部編管46の両端部は、それぞれ前口金43及び後口金44に糸縛り47を施して固定されている。
また、チューブ部材20を接着等により固定する必要がなくなるので、組立作業やメンテナンス作業が容易になる。特に、チューブ部材20の交換を要するメンテナンス作業においては、マルチルーメン30を露出させた状態とすれば、収納部31の外周部が開放されていること及びチューブ部材20が接着されてないことなどの理由により、容易に着脱して作業を行うことができる。
また、チューブ部材20が接着されていないため、チューブ自体が全周にわたって均等な膨張をするので、接着部が固定されて周方向の一部が膨張しないものと比較して耐久性や信頼性が向上する。
続いて、上述した湾曲部10の構成について、第2の実施形態を図6及び図7に基づいて説明する。なお、上述した第1の実施形態と同様の部材には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
この実施形態では、マルチルーメン30Aに形成された収納部31の外周部が先端保持部34を除いて全長にわたって開口し、外周側の開口を規制する部材(第1の実施形態における外周規制部33)が設けられていない。また、この実施形態では、収納部31内のチューブ部材20が、マルチルーメン30Aの先端保持部34内に先端部を挿入され、外周から糸縛り35により固定されている。なお、収納部31内に設置されたチューブ部材20は、先端保持部34内の先端部を糸縛り35により固定した以外、収納部31に対する接着等の固定処理は施されていない。
また、チューブ部材20を接着等により固定する必要がなくなるので、組立作業やメンテナンス作業が容易になる。特に、チューブ部材20の交換を要するメンテナンス作業においては、マルチルーメン30Aを露出させた状態とすれば、収納部31の外周部が開放されていること及びチューブ部材20が接着されてないことなどの理由により、容易に着脱して作業を行うことができる。
また、チューブ部材20が接着されていないため、チューブ自体が全周にわたって均等な膨張をするので、接着部が固定されて周方向の一部が膨張しないものと比較して耐久性や信頼性が向上する。
続いて、上述した湾曲部10の構成について、第3の実施形態を図8に基づいて説明する。なお、上述した第1及び第2の実施形態と同様の部材には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
この実施形態では、マルチルーメン30Bに形成された略楕円形断面のチューブ用通路36が、外周面に到達するスリット37を備えた構成とされる。すなわち、貫通孔32の外側に周方向へ等ピッチで配設されたチューブ用通路36に対し、チューブ用通路36から外周面に到達するようマルチルーメン30Bを長手方向に切断してスリット37を設けたものである。この結果、チューブ部材20を収納設置するための収納部となるチューブ用通路36は、外周側のスリット37の切断面が密着するため実質的に全周が閉塞され、しかも、スリット37を通してチューブ部材20を容易に着脱できるようになる。なお、チューブ部材20は、チューブ用通路36に対して接着等の手段により固定する必要はない。
また、上述した各実施形態では、チューブ部材20を周方向に90度ピッチで4本配置したが、たとえば45度ピッチ8本配置するなど、湾曲操作や湾曲性能等に応じて適宜選択可能である。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
8 挿入部
9 可撓管部
10,10A 湾曲部
11 先端構成部
20 チューブ部材
21 封止部材
22 エアチューブ
23 パイプ部材
24,35,47 糸縛り
30,30A,30B マルチルーメン
31 収納部
32 貫通孔
33 外周規制部
34 先端保持部
36 チューブ用通路(収納部)
37 スリット
40 内コイル
41 内チューブ
42 外チューブ
43 前口金
44 後口金
45 外コイル
46 外部編管
Claims (3)
- 観察手段を備えた先端部の近傍に流体圧力で動作する湾曲部が設けられている長尺の挿入部を被観察対象内に挿入して観察する内視鏡装置において、
前記湾曲部が、先端部側を閉塞して後端部側を加圧流体の供給源に連結し、該加圧流体を供給することにより周方向に膨張及び軸方向に伸長する部材からなる複数のチューブ部材と、該チューブ部材を各々収納して前記加圧流体による前記チューブ部材の周方向の膨張を全長にわたって規制する収納部を設けた弾性部材とを備え、前記収納部は、軸方向の断面形状が外周側を開口させた凹形状に形成されていることを特徴とする内視鏡装置。 - 前記収納部は、外周側の開口を断続的に閉じる外周規制部を備えていることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡装置。
- 前記収納部は、マルチルーメンチューブの各ルーメン外周面を、連続的または断続的に切り欠いて形成されていることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡装置。
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