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JP4803158B2 - カッタ装置及びそれを用いたプリンタ - Google Patents

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JP4803158B2
JP4803158B2 JP2007278635A JP2007278635A JP4803158B2 JP 4803158 B2 JP4803158 B2 JP 4803158B2 JP 2007278635 A JP2007278635 A JP 2007278635A JP 2007278635 A JP2007278635 A JP 2007278635A JP 4803158 B2 JP4803158 B2 JP 4803158B2
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聡 中嶋
義治 松本
徹 高見
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Description

本発明は、例えばPOS(Point−Of−Sale)システムに用いられる電子キ
ャッシュレジスタ等のプリンタに関し、特に、記録シートを自動的に切断するカッタを備
えたプリンタに関する。
一般に、この種のプリンタにおいては、ロール状の記録シートに対してサーマルヘッド
等によって印字等を行った後、例えばレシート等として手渡すため、その記録シートを切
断するためのカッタが設けられている。
そのようなカッタとしては、例えば、特開平6−238970号公報(特許文献1)に
記載されたもののように記録シートに対して垂直方向にカッタの刃を突き立てて記録シー
トを切断するものや、実開昭54−123482号公報に記載されたもののように固定刃
と回転刃の組合わせによって記録シートを切断するもの等が知られている。
また、実開平2−10953号公報(特許文献2)記載のもののように記録シートに対
し直交する方向に可動刃が移動し切断箇所を一端から他端へ移動させながら切断するいわ
ゆるはさみタイプのカッタが知られている。
特開平6−238970号公報 実開平2−10953号公報(マイクロフィルム)
しかしながら、このようなカッタを備えたプリンタにおいては、次のような問題があっ
た。
即ち、プリンタの動作中に、何らかの異常が生じ、可動刃が切断の途中で停止してしま
う場合がある。そのとき、カッタユニットに内蔵された可動刃が、どこにあるか確認でき
ないという課題がある。
加えて、この種の装置においては、記録シートの切断の途中に動作が停止した場合に、
円滑に現状に復帰することが望まれるものである。
本発明は、このような従来の技術の課題を考慮してなされたもので、その目的とすると
ころは、可動刃が待機位置に戻ったかどうかを目視で容易かつ正確に確認することができ
、可動刃を迅速にもとの位置に戻すことができるカッタ装置及びそれを備えたプリンタを
提供することにある。
かかる目的を達成するため、本発明は、記録シートの搬送路をはさむように刃部を対向させて配した一対の分離可能な可動刃及び固定刃と、
前記固定刃前記記録シートの収納部の蓋部に、前記可動刃前記記録シートの収納部を有する本体側に配置する固定刃及び可動刃にそれぞれ独立した刃支持手段と、
前記可動刃の刃部を前記固定刃の刃部に対して点接触した状態ではさみ状に交差摺動さ
せる可動刃駆動手段とを有し、
前記可動刃は、回動自在に支持する支軸と係合する溝状の切り欠き部を形成して当該可
動刃の交換が容易な構成とすると共に、前記固定刃の掬い角を前記可動刃の掬い角よりも
小さくして、前記可動刃が刃先を残して摩耗し易い構成としたことを特徴とする。


発明のように、可動刃の刃先と固定刃の刃先の角度に差をもたせることによって、摩耗する側の刃の刃先の丸みが大きくなることなく、その刃先を残しながら摩耗されるため、長期間にわたって刃を取り替える必要がなくなる。
また、前記刃支持手段は、可動刃の刃部から固定刃の刃部を隔離して配置させる方向が、可動刃の刃部と固定刃の刃部の摺動方向と略同じであるように構成されているので、切断時に可動刃が固定刃と係合した状態で停止した場合であっても、固定刃の刃部を可動刃の刃部からスムーズに隔離させることができ、可動刃及び固定刃の周辺の機械部分が破壊されることはない。
一方、可動刃を回動自在に支持する支軸と係合する切り欠き部を設ければ、可動刃を支軸から簡単に引き抜くことができ、また、新たな可動刃の装着もこの支軸に切り欠き部を嵌合するだけで簡単に行うことができる。
さらに、前記固定刃と前記可動刃は、前記固定刃が前記記録シートの収納部の蓋部に配設され、前記可動刃が前記記録部を有する本体側に配設されているので、記録シートの交換等のために蓋部を開閉するプリンタにおいて、構成を複雑にすることなく、切れ味が優れ、かつ、刃の各部分において一定した切れ味が得られる切断手段を備えたプリンタが得られる。
以下、本発明に係るプリンタの好ましい一実施の形態を図1〜図19を参照して詳細に
説明する。
図3は、本発明に係るプリンタの上部カバーを外した実施の形態の外観構成を示す斜視
図である。
本実施の形態のプリンタ1は、例えば、POSシステム等に用いられる電子キャッシュ
レジスタ等に適用されるものである。
本実施の形態のプリンタ1は、例えばロール状の記録紙Sに対して感熱方式の記録ヘッ
ドH(図4参照)により印字等の記録を行うもので、概ね前方には記録部、後方には記録
紙Sを収納保持するための収納部3とから構成される。
そして、装置本体は、例えば樹脂からなるケース本体4に取り付けられたパネル2等に
より覆われている。
なお、収納部3のケース本体4の一方の側には、記録紙Sを取り出す際にカバーオープ
ンレバー5を駆動してカバーフレーム8(図2参照)を回動させるためのオープンボタン
6が設けられる。
図1及び図2は、本実施の形態のプリンタ1の内部構成を示す斜視図であり、図2はプ
リンタ1の外観図であってカッタユニットフレーム11のカバーを閉じた状態を示してお
り、図1は、プリンタ1のカッタユニットフレーム11のカバー11aを開けた状態を示
すものである。
また、図4は、カバーフレーム8を閉じた状態を示す要部側面図、図5は、カバーフレ
ーム8を開いた状態を示す要部側面図、図6は、可動刃9の全体構成を示す斜視図、図7
は、本実施の形態のプリンタ1の固定刃14及び可動刃9の近傍を示す平面図である。
図2に示すように、本実施の形態のプリンタ1においては、例えば金属等からなる本体
フレーム7の上に、開閉自在のカバーフレーム8と、後述の可動刃9及びその駆動手段1
0を収容するためのカッタユニットフレーム11とが設けられる。
図4及び図5に示すように、カバーフレーム8は、本体フレーム7の両側の上端部に設
けられた支軸12を中心として揺動即ち開閉自在に取り付けられている。なお、カバーフ
レーム8には、カバーフレーム8を閉じた際に記録紙Sとの接触を避けるための四角形状
の窓部13が設けられている。
図1に示すように、本実施の形態のプリンタ1においては、カバーフレーム8の上面の
カッタユニットフレーム11側の端部に固定刃14が配置される。この固定刃14は、例
えば金属性の長板状の板状部材からなるものである。そして、固定刃14は、その刃部1
4aがカッタユニットフレーム11に対向するように配置される。また、固定刃14の刃
部14aとカッタユニットフレーム11の底部11bとの間には、記録紙Sを搬送し排出
するためのスリット状の排紙口15が設けられる。
図7に示すように、固定刃14の両端部には、それぞれ位置決め用の凹部14b及び凸
部14cが設けられる。これらの凹部14b及び凸部14cは、カバーフレーム8の両端
部に設けた固定刃支持部16とはまり合うように形成される。
また、固定刃14は、カバーフレーム8上に固定した2つの押えばね17によって上方
からカバーフレーム8の表面に押え付けられる。
なお、切り始めると固定刃14は可動刃9により下方に押さえられるので、押えばね1
7の押圧力はさほど大きくする必要はなく、また、カット品質等はこの押圧力に大きく影
響されるものでもないことから、固定刃14が外れないようにするだけでよい。
図4に示すように、本実施の形態の固定刃支持部16は、ほぼU字形状に形成され、そ
の上方が開放した形状となっている。この場合、固定刃支持部16においては、前方側の
支持突起16aよりもカバーフレーム8側の支持突起16b方が大きくなるように形成さ
れている。カバーフレーム8を閉じると、固定刃14の刃部側はカッタユニットフレーム
11の本体11bの底部110に乗り上げ刃部側が持ち上げられカバーフレーム8とは隙
間が形成されるように構成されている。
一方、カッタユニットフレーム11の本体11bの底部110には、固定刃14とあい
まって記録紙Sを切断するための可動刃9が設けられる。この場合、可動刃9は、カッタ
ユニットフレーム11の一方の端部に設けた例えば支軸18を中心として、図1の矢印A
方向又はその反対方向へ回動自在に取り付けられる。
また、可動刃9は、この支軸18の周囲に設けれ、上端を支軸18に取り付けられたプ
ッシュナットで係止されたコイルばね19によって、カッタユニットフレーム11の本体
11bの底部110に押し付けられる。また、可動刃9のほぼ中央部には、可動刃9を駆
動するための長孔20が設けられる。
図1に示すように、カッタユニットフレーム11のカバー11aの裏面には、可動刃9
を駆動するための駆動手段10が設けられる。すなわち、カバー11aの裏面に駆動モー
タ21が取り付けられるとともに、駆動モータ21の回転軸にウォーム歯車22が取り付
けられる。そして、このウォーム歯車22と噛み合うようにウォームホイール23が配置
され、このウォームホイール23には可動刃9の長孔20と係合するクランクピン24が
設けられる。さらに、ウォームホイール23とカバー11aとの間にはウォームホイール
23の回転角を検出するためのセンサ25が設けられ、このセンサ25は、リード線26
を介して回路基板27に接続される。また、駆動モータ21もリード線28を介して回路
基板27に接続される。これにより、センサ25にて検出されたウォームホイール23の
回転角に基づいて駆動モータ21を回転させるように構成される。
なお、ウォーム歯車22の基端部には平歯車部29が形成され、図2に示すように、こ
の平歯車部29は、カッタユニットフレーム11のカバー11aから露出するように構成
される。これにより、手動によって駆動モータ21の回転軸を回転させ、固定刃14を移
動させることが可能になる。
図6に示すように、本実施の形態の可動刃9は、公知のはさみの刃と同様の形状に形成
される。すなわち、可動刃9は、例えば金属製の長尺の板状の部材からなり、その一方の
縁部に刃部9aが形成される。そして、後述するように、可動刃9は、取付部9bの近傍
において、裏面側の方向に若干折り曲げられ、可動刃9の裏面は刃の先端側方向に凹面形
状に形成される。さらに、可動刃9の表面の先端部分には、刃先の厚さが厚い場合の記録
紙Sの切り残し部での紙破れを防止するため、中央部の刃部9aより薄い刃部9cが形成
されている。
図7に示すように、固定刃14の端部のうち可動刃9に近接する部分には、固定刃14
と可動刃9を噛み合わせるための突出部14dが形成されている。この突出部14dは、
カバーフレーム8を閉じた状態において、上記露出したカッタユニットフレーム11の本
体11bの底部110に乗り上げるように形成される。これにより、図16に示すように
、固定刃14は水平よりも上方に向けられ固定刃14のカバーフレーム8の表面との間に
若干の隙間が形成される。
そして、この突出部14dの固定刃14側の上縁部には、可動刃9をすくい上げるため
の傾斜部14eが形成されている。なお、固定刃14の端部のうち可動刃9の先端側の部
分にも突出部14fが形成され、この突出部14fもカバーフレーム8が閉じた状態にお
いてカッタユニットフレーム11の本体11bの底部110に乗り上げ刃部側が持ち上げ
られカバーフレーム8とは隙間が形成されるように形成される。
なお、図7に示すように、本実施の形態においては、記録紙Sを完全に切り離してしま
わないように、可動刃9の長さが固定刃14の刃部14aの長さよりも所定距離Dだけ短
く設定され、紙の端の一部に切り残しができるように設定されている。
図7に示すように、可動刃9とカッタユニットフレーム11の本体11bの底面110
との間には、受け台30が設けられる。この受け台30は、固定刃14と同じ厚みを有す
る平板状の部材であることが望ましく、本実施の形態では固定刃14と受け台30をプレ
ス工程で同じ材料からの両方を抜き出すファミリー取りするをして同一の厚みを達成し、
分離タイプであっても一体型のはさみと同様に良い切れ味を確保している。そして、可動
刃9と受け台30には、それぞれ固定刃14に対向する部分に重ねて切り欠き部9d、3
0aが形成され、これにより、可動刃9がカッタユニットフレーム11内に引き込まれた
状態(図7)に示す状態)においてカッタユニットフレーム11の本体11bの底部11
0が露出するように構成されるとともに、固定刃14の刃部14aと可動刃9の刃部9a
との交差し始める角度、すなわち切り始めの角度を大きくとることができ、優れた切り味
が得られる。
図8は、可動刃9の本体部90の曲げ角度を示すものである。
図8に示すように、本実施の形態においては、本体部90が取付部9bに対して裏面側
に約1°程度曲げられている。さらに、可動刃9の本体部90は、その刃の先端側に向っ
て若干湾曲するように形成されている。
加えて、本実施の形態においては、固定刃14に対して可動刃9が更に傾けられるよう
に構成されている。すなわち、はさみ方式のカッタ装置においては、相対的に交差摺動す
る刃の刃部同士の一点接触が確保されている必要があり、上述したように、可動刃9は刃
の先端側に向って若干湾曲するように形成されているが、これだけでは支軸18に近い切
り始めの部分において、曲げによる変形量が少ないために適切な刃部9a、14a同士の
一点接触が得られない。そこで、以下に説明するように、可動刃9の本体部90を強制的
に傾斜させ、固定刃14の刃部14aに対する一点接触を確実なものとしている。
図9及び図10は、可動刃9の本体部90を傾斜させるための手段を示すものである。
可動刃90を傾けるためには、図9(a)に示すように、固定刃14の取付部9bと受
け台30との間にスペーサ130を設けることができる。また、図9(b)に示すように
、受け台30とカッタユニットフレーム11の本体11bの底部110との間にこのスペ
ーサ130を設けることもできる。
さらに、図10(a)に示すように、受け台30の表面に突部30bを設けたり、図1
0(b)に示すように、受け台30の裏面に突部30cを設けることもできる。
さらにまた、図9(c)及び図10(c)に示すように、受け台30にネジ131を取
り付けて受け台30の一端部をカッタユニットフレーム11の本体11bの底部110か
ら浮かすように構成することもできる。この例によれば、ネジ131を回転させることに
より、可動刃9の刃部9aと固定刃14の刃部14aとの当たりを最適のものとすること
ができる。
上述したように本実施の形態によれば、可動刃9の本体部90を曲げるとともに、可動
刃9を傾けるように構成していることから、支軸18に近い切り始めの曲げによる変形量
が少ない位置であっても、可動刃9の刃部9aと固定刃14の刃部14aとを確実に一点
で接触させることができ、可動刃9及び固定刃14の切れ味及びその直線性を向上させる
ことができる。
この場合、図9(c)及び図10(c)に示すように、ネジによって受け台30の角度
を調整するように構成すれば、記録紙Sの厚み、幅、紙質等や可動刃9又は固定刃14の
刃先の磨耗の進行に応じて可動刃9の刃部9aと固定刃14の刃部14aとの当たりを最
適のものとすることができ、その結果、常に安定した切れ味及び直線性の維持及びカッタ
の長寿命化を図ることができる。
ところで、上記のように可動刃の端の支軸によって回動可能に配置され、支軸に配置さ
れたばねによって可動刃を固定刃に押圧するはさみ方式の買った装置は、支軸18に近い
切り始めの部分においては、そのコイルばね19のばね力が作用するが、切り終わり側に
したがって、その作用力は小さくなる。すなわち、可動刃9はその刃の先端側に向って若
干湾曲するように形成されており、先端側において固定刃14と交差する場合は、支軸1
8の部位が固定刃から浮き上がり、そのばね力は可動刃9の取付部9bの端と切断位置の
両端に反力が作用するため、切り終わり側にしたがって、その作用力は小さくなり切れ味
が悪くなる。そこで、本発明においては、次のような構成によってこの問題を解決するこ
ともできる。
図11に示すように、この実施の形態においては、例えば、上述の図9(a)に示すよ
うに、可動刃9の取付部9bと受け台30との間にスペーサ130が設けられる場合にお
いて、可動刃9の回転に伴ってスペーサ130と取付部9bとの当接部分130aが支軸
18に近づくような形状にスペーサ130を形成している。
すなわち、可動刃9が待避位置にある場合のスペーサ130及び取付部9b間の当接部
分130aと支軸18の回転中心Oとの距離をL1とし、可動刃9が角度θだけ回転して
切り終わりの位置にある場合のスペーサ130及び取付部9b間の当接部分130aと支
軸18の回転中心Oとの距離をL2とすると、L1>L2となるように厚みtのスペーサ1
30を形成する。この場合、可動刃9の待避位置における取付部9bの傾斜はt/L1
回転後の取付部9bの傾斜はt/L2となることから、可動刃9の刃部9aの相対的な傾
斜はその回転に伴って増加する。
上記の構成において、可動刃9が回動すると先端にしたがって傾斜量が多くなり、コイ
ルばね19はさらに圧縮されてばね力が増加するから、その作用力の減少は小さくなり切
れ味も低下しない。
なお、図11において、可動刃9の取付部9bに当接するスペーサ130の当接部分1
30aは直線状に形成されているが、本発明はこれに限られず、曲線状に形成してもよい
。また、受け台30と可動刃9の取付部9bとの間にスペーサ130を設ける場合のみな
らず、図10(a)に示すように、受け台30の表面に突部30bを設ける場合にも適用
しうるものである。
図12は、可動刃9の他の例を示すものである。
図12に示すように、この可動刃9Aにあっては、取付部9bに支軸18と係合するた
めの切り欠き部91が設けられている。
上述したように、可動刃9は、取付部9bに形成した孔を支軸18に挿入することによ
ってカッタユニットフレーム11の本体11bの底部110に取り付けられるが、プッシ
ュナットを使用してコイルばね19の上端を規制した場合には、プッシュナットを外すこ
とが困難であるため、可動刃9を交換することができなくなる。
そこで、図12に示すように、取付部9bに切り欠き部91を設ければ、容易に可動刃
9Aの交換を行うことができる。すなわち、可動刃9Aの取付部9bはコイルばね19に
よって付勢されているだけであるので、簡単に引き抜くことができ、また、新たな可動刃
9Aの装着も支軸18に切り欠き部91を嵌合するだけで簡単に行うことができる。
なお、装置の組立後には、可動刃9Aの長孔20とクランクピン24とが係合するため
、可動刃9Aが抜けてしまうことはない。
次に、本実施の形態のプリンタ1の動作について説明する。
まず、記録紙Sを切断する場合には、印字等の記録が終了した記録紙Sに対し、所定の
タイミングで駆動モータ21を駆動させる。これにより、図1に示すように、駆動モータ
21の回転軸に取り付けられたウォーム歯車22が回転し、ウォーム歯車22と噛み合う
ウォームホイール23が回転して、ウォームホイール23のクランクピン24と可動刃9
の長孔20からなるリンク機構により、可動刃9が矢印A方向に移動する。
そして、本実施の形態においては、図7に示すように、可動刃9とカッタユニットフレ
ーム11の本体11bの底部110との間に固定刃14とほぼ同じ厚みの受け台30が設
けられ、しかも、固定刃14の突出部14dに傾斜部14eが形成されているため、可動
刃9は、容易に固定刃14の上に乗り上げ、これとスムーズに噛み合う。
さらに、可動刃9を矢印A方向へ移動させると、固定刃14の刃部14aと可動刃9の
刃部9aとが一点で接触し、その接触点が可動刃9の先端部に向かって移動する。その結
果、はさみの原理により、記録紙Sがスムーズに切断される。
記録紙Sの切断が終了した後、駆動モータ21をさらに駆動させれば、ウォームホイー
ル23のクランクピン24と可動刃9の長孔20からなるリンク機構により、可動刃9は
図1の矢印A方向と逆方向に移動してカッタユニットフレーム11に再び収容される。そ
して、センサ25によってウォームホイール23の回転角即ち可動刃9の位置がホームポ
ジションに戻ったことが検出されたときに駆動モータ21を停止するように動作の制御が
行われる。
ところで、プリンタ1の動作中に、何らかの異常が生じ、図13に示すように、可動刃
9が切断の途中で停止してしまう場合がある。その場合には、上述したように、カッタユ
ニットフレーム11のカバー11aから露出した平歯車部29を手動によって回転させる
ことにより固定刃14をカッタユニットフレーム11内に戻すことができるが、可動刃9
が待機位置の許容範囲内に収まっていないと、可動刃9が固定刃14の傾斜部14eに乗
り上げているため、カバーフレーム8の開閉ができなくなる。
そこで、図1及び図14に示すように、本実施の形態においては、カッタユニットフレ
ーム11のカバー11aに窓部111を設けるとともに、ウォームホイール23の表面に
例えば三角の目印230を設け、可動刃9が待機位置にある場合にこの目印230が窓部
111において表示されるように構成している。このような構成によれば、可動刃9が待
機位置に戻ったかどうかを目視で容易かつ正確に確認することができ、可動刃9を迅速に
もとの位置に戻すことができる。
また、上述したように、可動刃9と固定刃14によって、記録紙Sを繰り返し切断して
いると、刃先が摩耗して丸みを帯び、切れ味が悪くなってしまうという問題がある。この
場合、可動刃9と固定刃14の寿命を延ばすためには、次のような構成を採用することが
効果的である。
まず、第1には、可動刃9と固定刃14の硬さに差をもたせることが有効である。本実
施の形態の場合、可動刃9及び固定刃14は、その材質として、SUS420J2等の一
般的なステンレスはさみと同様のステンレス鋼が用いられ、プレス抜き→焼き入れ、焼戻
し→バレル→刃付け→そり付という工程を経て製造されるが、可動刃9の硬度を固定刃1
4の硬度よりも大きくなるようにする。例えば、可動刃9については、ロックウェル硬度
でHRC50、固定刃14については、同様にHRCを45とする。
また、第2には、可動刃9の刃先角よりも固定刃14の刃先角が大きくなるようにそれ
ぞれを製造する。例えば、図15に示すように、可動刃9の刃先角を10°とし、固定刃
14の刃先角を15°〜20°とする。
このような構成を採用することにより、摩耗する側の固定刃14の刃先の丸みが大きく
なることなく、その刃先を残しながら摩耗されるため、可動刃9及び固定刃14の寿命を
延長することができる。
なお、固定刃14を摩耗させることとしているのは、固定刃14の方が可動刃9より交
換が容易だからであるが、図12に示すように、切り欠き部91を有する可動刃9Aを用
いた場合には、交換が容易であるため、可動刃9を摩耗させるようにしてもよい。
また、可動刃9と固定刃14との対向角度を変えることによっても、固定刃14の寿命
を延ばすことができる。
すなわち、図16(a)に示すように、固定刃支持部16の溝部を深く形成し、固定刃
14の刃部14aが可動刃9の摺動面に対向するように固定刃14を傾斜配置すれば、可
動刃9の刃部9aと固定刃14の刃部14aとが互いに傷つけ合うことなく、固定刃14
の最適な位置決めが可能になり、より円滑な記録シートの切断を行うことができるが、図
16(b)に示すように、固定刃支持部16の溝部を浅く形成し、可動刃9の刃部9aが
固定刃14の摺動面に対向するように固定刃14を傾斜配置した方が、切断時において固
定刃14がより安定するとともに、固定刃14の寿命を延ばすことができる。
ここで、固定刃14の安定性が高まるのは、図16(b)に示すように、固定刃14が
、カッタユニットフレーム11の本体11bの底部110と固定刃支持部16の2点によ
って単純はりとして支持されるためである。
一方、図16(b)に示す構成によって固定刃14の寿命を延ばすことができるのは、
次の理由による。
すなわち、図17(a)に示すように、固定刃14の刃部14aが可動刃9の摺動面に
対向する場合、特に、上述したように可動刃9の硬度を固定刃14の硬度よりも大きくな
るように構成した場合には、切断を繰り返すことによって固定刃14の刃部14aの最も
鋭利な先端部分が摩耗し、刃先の丸みが大きくなる。
これに対し、図17(b)に示すように、可動刃9の刃部9aを固定刃14の摺動面に
対向させた場合には、刃先から中央部に向って固定刃14が摩耗するため、刃部14aの
刃先の角度はそれほど変化しない。すなわち、図17(a)(b)において、それぞれの
刃先の角度は、θ1>θ2となる。
したがって、図17(b)に示す構成によれば、摩耗する側の固定刃14の刃先の丸み
が大きくなることなく、その刃先を残しながら摩耗されるため、可動刃9及び固定刃14
の寿命を延長することができる。
図18及び図19は、本発明に係るプリンタの他の実施の形態を示すものであり、以下
、上述の実施の形態と対応する部分については、同一の符号を付して説明する。
図18及び図19に示すように、本実施の形態においては、上述の実施の形態と同様に
、本体フレーム7の前部にカッタユニットフレーム11が設けられ、カバーフレーム80
が支軸12を中心として開閉自在に取り付けられているが、本実施の形態の場合は、カバ
ーフレーム80が開く方向と同じ方向に可動刃9及び固定刃14が取り付けられている。
ただし、可動刃9と固定刃14の位置関係は上述の実施の形態の場合と同じであり、記録
紙Sの搬送方向の上流側に固定刃14が配され、同下流側に可動刃9が配される。
上述の実施の形態においては、カバーフレーム8の開く方向に対して垂直に可動刃9及
び固定刃14が配されているが、かかる構成では、例えば、図13に示すように、切断途
中において、固定刃14に可動刃9が乗り上げた状態で可動刃9が停止した場合に、カバ
ーフレーム8を開けることができず、無理に開けようとすると可動刃9及び固定刃14の
周辺の機構部分が壊れてしまうおそれがある。
これに対し、本実施の形態によれば、カバーフレーム80が開く方向と同じ方向に固定
刃14が取り付けられていることから、固定刃14に可動刃9が乗り上げた状態で可動刃
9が停止した場合であっても、カバーフレーム80を開けることができ、可動刃9及び固
定刃14の周辺の機械部分の破壊を防止することができる。
なお、本発明は上述の実施の形態に限られることなく、種々の変更を行うことができる
例えば、可動刃の曲げ角度は多少変更することができるが、上述の実施の形態のように
約1°程度とすることがより効果的である。
また、スペーサの位置、形状は種々のものを採用することができる。さらに、ウオーム
ホイールに設ける目印についても、可動刃の待機位置において目視できる限り、種々の位
置、形状とすることができる。
本発明に係るプリンタの一実施の形態の内部構成を示す斜視図で、カッタユニットフレームのカバーを開けた状態を示すものである。 同実施の形態の内部構成を示す斜視図で、カッタユニットフレームのカバーを閉じた状態を示すものである。 同実施の形態の外観構成を示す斜視図である。 同実施の形態のカバーフレームを閉じた状態を示す要部側面図である。 同実施の形態のカバーフレームを開けた状態を示す要部側面図である。 同実施の形態の可動刃の全体構成を示す斜視図である。 同実施の形態のプリンタの固定刃及び可動刃の近傍を示す平面図である。 同実施の形態の可動刃の本体部の曲げ角度を示す説明図である。 同実施の形態の可動刃の本体部を傾斜させるための手段を示す構成図である。 同実施の形態の可動刃の本体部を傾斜させるための手段を示す構成図である。 同実施の形態において可動刃の回転に伴ってスペーサと取付部との当接部分が支軸に近づく原理を示す説明図である。 同実施の形態の可動刃の他の例を示す平面図である。 同実施の形態において可動刃が停止した状態を示す要部平面図である。 同実施の形態における目印及び窓部を示す要部平面図である。 同実施の形態の可動刃と固定刃の刃先角の関係を示す説明図である。 同実施の形態における可動刃と固定刃の傾斜角を示す要部側面図である。 同実施の形態における固定刃の摩耗状態を示す説明図である。 本発明に係るプリンタの他の実施の形態の内部構成を示す側面図で、カバーフレームを閉じた状態を示すものである。 同実施の形態の内部構成を示す側面図で、カバーフレームを開いた状態を示すものである。
符号の説明
1…プリンタ、3…収納部、5…カバーオープンレバー、7…本体フレーム、8…カバ
ーフレーム、80…カバーフレーム、9…可動刃、9a…刃部、9b…取付部、9c…刃
部、90…本体部、91…切り欠き部、10…駆動手段、11…カッタユニットフレーム
、11a…カバー、11b…本体、110…底部、111…窓部、14…固定刃、14a
…刃部、14b…凹部、14c…凸部、14d…突出部、14e…傾斜部、15…配紙口
、16…固定刃支持部、20…長孔、21…駆動モータ、22…ウォーム歯車、23…ウ
ォームホイール、230…目印、24…クランクピン、130…スペーサ、130a…当
接部分、131…ネジ、H…記録ヘッド、S…記録紙。

Claims (1)

  1. 記録シートの搬送路をはさむように刃部を対向させて配した一対の分離可能な可動刃及
    び固定刃と、
    前記固定刃前記記録シートの収納部の蓋部に、前記可動刃前記記録シートの収納部を有する本体側に配置する固定刃及び可動刃にそれぞれ独立した刃支持手段と、
    前記可動刃の刃部を前記固定刃の刃部に対して点接触した状態ではさみ状に交差摺動さ
    せる可動刃駆動手段とを有し、
    前記可動刃は、回動自在に支持する支軸と係合する溝状の切り欠き部を形成して当該可
    動刃の交換が容易な構成とすると共に、前記固定刃の掬い角を前記可動刃の掬い角よりも
    小さくして、前記可動刃が刃先を残して摩耗し易い構成としたことを特徴とするカッタ装
    置。
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