JP4896903B2 - 増幅器 - Google Patents
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Description
図9及び図10には、そのような従来の回路構成例が示されており、以下、これらの図を参照しつつ、従来回路について説明する。
最初に、図9に示された回路構成例について説明すれば、この従来回路は、入力端子21と増幅器23の入力段との間に入力用の整合回路25が、出力端子22と増幅器23の出力段との間に出力用の整合回路26が、それぞれ設けられると共に、増幅器23の入出力段間に、スイッチ素子24が接続されたものとなっている。
一方、バイパス機能を用いる場合には、スイッチ素子24がオン状態とされ、増幅器23はオフ状態とされるため、オン状態にあるスイッチ素子24の通過損失が小さいほど、バイパス経路の特性は良好となるが、その反面、オフ状態にある増幅器23の入出力インピーダンスが充分に高くないと、バイパス経路の特性に影響を与えることになる。
さらに、入力端子31と出力端子32との間には、スイッチ素子34及びスイッチ素子35が直列接続されて設けられたものとなっている。
オン状態のスイッチ素子の通過損失は小さいが、特に、増幅器の入力側において小さい損失であっても、雑音特性への影響が大きい。
また、この後者の従来回路をMMICで構成する場合、スイッチ素子を4つ又は3つ使用し、さらには、整合回路を内蔵するため、チップ面積の拡大を招くという問題がある。
入出力間をバイパスするバイパス回路を備えた増幅器であって、
当該増幅器は、第1の増幅用電界効果トランジスタを用いてなり、当該第1の増幅用電界効果トランジスタは、そのソースに外部から入力信号の印加が可能とされると共に、当該ソースとグランドとの間にチョークインダクタが接続され、当該第1の増幅用電界効果トランジスタのドレインは、整合回路を介してスイッチ素子としての増幅経路スイッチ用電界効果トランジスタのソースに接続され、当該増幅経路スイッチ用電界効果トランジスタのドレインは信号出力可能とされる一方、
前記第1の増幅用電界効果トランジスタのソースと前記増幅経路スイッチ用電界効果トランジスタのドレインは、キャパシタとスイッチ素子としてのバイパス経路スイッチ用電界効果トランジスタとが直列接続されてなるバイパス回路を介して接続され、
前記第1の増幅用電界効果トランジスタは、ゲートが外部からバイアス電圧印加可能とされると共に、交流的に接地される一方、ドレインには前記整合回路を介して電源電圧が印加されてなるものである。
かかる構成において、前記第1の増幅用電界効果トランジスタのドレインと整合回路との間に、第2の増幅用電界効果トランジスタが設けられてなり、当該第2の増幅用電界効果トランジスタのソースには、前記第1の増幅用電界効果トランジスタのドレインが接続され、当該第2の増幅用電界効果トランジスタのドレインは前記整合回路に接続される一方、前記第2の増幅用電界効果トランジスタのゲートは、前記第1の増幅用電界効果トランジスタのゲートに接続されてなるものも好適である。
また、バイパス経路が、従来と異なり、増幅経路の入力整合回路を通過することなくオフ状態となるスイッチ素子で構成され、増幅経路と分離されているため、低損失で、しかも、従来に比して、スイッチ素子の数が少なくて済むため、小型化が容易である。
なお、以下に説明する部材、配置等は本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
最初に、本発明の実施の形態における第1の構成例について、図1を参照しつつ説明する。
この第1の構成例における増幅器は、第1の増幅用電界効果トランジスタ5と、増幅経路スイッチ用電界効果トランジスタ6と、バイパス経路スイッチ用電界効果トランジスタ7と、整合回路8と、チョークインダクタ9と、バイパスキャパシタ10及び直流カットキャパシタ11を主たる構成要素として構成されたものとなっている。
また、第1の増幅用電界効果トランジスタ5のドレインは、整合回路8を介して増幅経路スイッチ用電界効果トランジスタ6のソースに接続され、この増幅経路スイッチ用電界効果トランジスタ6のドレインは、出力端子2に接続されている。
また、バイパス経路スイッチ用電界効果トランジスタ7のソースは、直流カットキャパシタ11を介して入力端子1に接続される一方、ドレインは、増幅経路スイッチ用電界効果トランジスタ6のドレインと共に出力端子2に接続されたものとなっている。
また、増幅経路スイッチ用電界効果トランジスタ6及びバイパス経路スイッチ用電界効果トランジスタ7のゲートには、それぞれ別個に、外部から必要なバイアス電圧が印加できるようになっている。
かかる構成においては、高周波信号が、第1の増幅用電界効果トランジスタ5、整合回路8及び増幅経路スイッチ用電界効果トランジスタ6を通過する増幅経路と、直流カットキャパシタ11及びバイパス経路スイッチ用電界効果トランジスタ7を通過するバイパス経路とが、次述するように、動作状態に応じて、択一的に形成されるものとなっている。
第1の増幅用電界効果トランジスタ5は、整合回路8を介してドレインに電源電圧が印加される一方、ソースは、チョークインダクタ9を介して直流的に接地された状態であるため、ゲート接地増幅器として動作することとなる。
第1の増幅用電界効果トランジスタ5は、ゲート接地増幅器として動作するため、ソースから見た入力インピーダンスが低く、ドレインから見た出力インピーダンスが高いという特徴を有する。
また、バイパス経路スイッチ用電界効果トランジスタ7は、オフ状態であるため、このアイソレーションが大きいほど入力端子1と出力端子2の容量的結合は小さくなり、増幅経路の特性劣化をより抑圧できるものとなっている。
この場合、バイパス経路スイッチ用電界効果トランジスタ7をオン状態とする一方、第1の増幅用電界効果トランジスタ5及び増幅経路スイッチ用電界効果トランジスタ6をオフ状態とする。
オン状態のバイパス経路スイッチ用電界効果トランジスタ7によるスイッチ素子としての通過損失は、実質的にバイパス経路全体の通過損失となる。一方、オフ状態の第1の増幅用電界効果トランジスタ5及び増幅経路スイッチ用電界効果トランジスタ6によるスイッチ素子としてのアイソレーションが大きいほど、整合回路8がバイパス経路のインピーダンスに与える影響は小さくなり、バイパス経路の特性劣化を小さくすることができるものとなっている。
なお、図1に示された構成要素と同一の構成要素については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略し、以下、異なる点を中心に説明することとする。
この第2の構成例は、電界効果トランジスタ2段縦列接続からなるゲート接地増幅器を用いた構成としたものである。
そして、第1の増幅用電界効果トランジスタ5のゲートと第2の増幅用電界効果トランジスタ5bのゲートが相互に接続されている。
第1の増幅用電界効果トランジスタ5は、スイッチ素子としての動作となるために、その抵抗値や容量値を調整することで、増幅器の入力インピーダンスの調整が可能となり、この第1の増幅用電界効果トランジスタ5は、整合回路としての機能を果たすものとなっている。それ故、第1の増幅用電界効果トランジスタ5は、インピーダンス調整素子と捉えることができるものとなっている。
このため、この第2の構成例における増幅器は、図1に示された第1の構成例における増幅器と比較して、増幅経路の入力インピーダンスを入力端子1における特性インピーダンスに近づけることが容易なものとなっている。
なお、増幅動作、バイパス動作は、基本的に第1の構成例と同様であるので、ここでの再度の詳細な説明は省略することとする。
最初に、図3について説明すれば、この図は、1つの電界効果トランジスタを用いて構成されたゲート接地増幅器のS11パラメータと、1つの電界効果トランジスタを用いて構成されたソース接地増幅器のS11パラメータの周波数変化のシミュレーション結果を、スミス図上に表したものである。同図においては、それぞれのシミュレーション結果の直近に、それぞれ対応する増幅器の種類を表す「ゲート接地」又は「ソース接地」の文字が表記されている(図4乃至図6についても同様)。
同図においては、横軸は周波数変化を、縦軸はS11パラメータの変化をそれぞれ表している。なお、シミュレーション条件は、図3の場合と同様である。
同図によれば、ソース接地増幅器は、ゲート接地増幅器に比して入力インピーダンスが非常に高いことが確認できる。このため、ソース接地増幅器においては、コイルやコンデンサを用いた整合回路によって整合を取る場合、元々周波数特性が大きいことと相俟って広帯域化が難しいという欠点がある。
これに対して、ゲート接地増幅器の場合には、先に述べたように整合回路を用いること無く整合の取れた広帯域で低NF(雑音指数)を実現することができる。
同図によれば、いずれの場合も、図3で説明したと同様、ソース接地増幅器に比して周波数特性が小さいことが確認できる。
同図において、横軸は周波数変化を、縦軸はS11パラメータの変化をそれぞれ表している。なお、シミュレーション条件は、図3の場合と同様である。
同図によれば、電界効果トランジスタ2段スタックとした場合の方が、1段の場合に比して入力インピーダンスを所望する入力インピーダンス(例えば、Zs=50Ω)に下げることが容易であることが確認できる。
また、図8には、ゲート接地増幅器において、種々のゲート幅Wgtにおける周波数変化に対するS11パラメータの変化についてのシミュレーション結果を表す特性線が示されている。同図において、横軸は、周波数変化を、縦軸は、S11パラメータの変化を、それぞれ表している。
5b…第2の増幅用電界効果トランジスタ
6…増幅経路スイッチ用電界効果トランジスタ
7…バイパス経路スイッチ用電界効果トランジスタ
8…整合回路
Claims (2)
- 入出力間をバイパスするバイパス回路を備えた増幅器であって、
当該増幅器は、第1の増幅用電界効果トランジスタを用いてなり、当該第1の増幅用電界効果トランジスタは、そのソースに外部から入力信号の印加が可能とされると共に、当該ソースとグランドとの間にチョークインダクタが接続され、当該第1の増幅用電界効果トランジスタのドレインは、整合回路を介してスイッチ素子としての増幅経路スイッチ用電界効果トランジスタのソースに接続され、当該増幅経路スイッチ用電界効果トランジスタのドレインは信号出力可能とされる一方、
前記第1の増幅用電界効果トランジスタのソースと前記増幅経路スイッチ用電界効果トランジスタのドレインは、キャパシタとスイッチ素子としてのバイパス経路スイッチ用電界効果トランジスタとが直列接続されてなるバイパス回路を介して接続され、
前記第1の増幅用電界効果トランジスタは、ゲートが外部からバイアス電圧印加可能とされると共に、交流的に接地される一方、ドレインには前記整合回路を介して電源電圧が印加されてなることを特徴とする増幅器。 - 前記第1の増幅用電界効果トランジスタのドレインと整合回路との間に、第2の増幅用電界効果トランジスタが設けられてなり、当該第2の増幅用電界効果トランジスタのソースには、前記第1の増幅用電界効果トランジスタのドレインが接続され、当該第2の増幅用電界効果トランジスタのドレインは前記整合回路に接続される一方、
前記第2の増幅用電界効果トランジスタのゲートは、前記第1の増幅用電界効果トランジスタのゲートに接続されてなることを特徴とする請求項1記載の増幅器。
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