JP4887816B2 - 転がり軸受ユニットの荷重測定装置 - Google Patents
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Description
尚、エンコーダを円輪状に構成すると共に、このエンコーダの軸方向側面を被検出面とし、この被検出面に1対のセンサの検出部を、径方向にずらせた状態で対向させれば、上記外輪1と上記ハブ2とのラジアル方向に関する変位、延てはこれら外輪1とハブ2との間に加わるラジアル荷重を求める事も可能である。但し、特願2005−147642号には、アキシアル荷重とラジアル荷重との両方の荷重を求める構造に就いては、具体的には開示されてはいない。
上述の様な発明に就いて開示している、特願2005−256752号にも、アキシアル荷重とラジアル荷重との両方の荷重を求める構造に就いては開示されてはいない。
このうちの転がり軸受ユニットは、使用状態でも回転しない静止側軌道輪と、使用状態で回転する回転側軌道輪と、これら静止側軌道輪と回転側軌道輪との互いに対向する周面に存在する静止側軌道と回転側軌道との間に設けられた複数個の転動体とを備える。又、後述する第四のセンサを備えていない(第一〜第三のセンサのみを備えている)、請求項1に記載した転がり軸受ユニットの荷重測定装置に関しては、前記各転動体に付与されている予圧が一定である。これに対して、第四のセンサを備えている、請求項2に記載した転がり軸受ユニットの荷重測定装置に関しては、前記各転動体に付与されている予圧が一定である必要はない。
又、上記荷重測定装置は、上記回転側軌道輪若しくはこの回転側軌道輪と共に回転及び変位する部分に、この回転側軌道輪若しくはこの回転側軌道輪と共に回転及び変位する部分と同心に設けられたエンコーダと、上記静止側軌道輪に支持されて検出部をこのエンコーダの被検出面である外周面に対向させたセンサ装置と、演算器とを備える。
又、上記エンコーダは、外周面のうちで互いに軸方向に外れた2個所位置に設けられた、第一、第二の被検出面を備えたもので、これら両被検出面の特性は、円周方向に関して交互に、且つ、互いに同じピッチで変化している。そして、少なくとも上記第一の被検出面の特性変化の位相が軸方向に対し、上記第二の被検出面と異なる状態で漸次変化している。
又、上記センサ装置は、少なくとも第一〜第三のセンサを備えている。そして、このうちの第一のセンサの検出部は、上記第一の被検出面の上端部又は下端部に対向しており、同じく第二のセンサの検出部は、上記第二の被検出面のうちで上記第一のセンサの検出部と同じ端部に対向しており、同じく第三のセンサの検出部は、上記第一の被検出面のうちで上記第一のセンサの検出部と反対側の端部に対向している。
更に、上記演算器は、上記第一〜第三のセンサの出力信号同士の間に存在する位相差に基づいて、上記両軌道輪同士の間に作用する、前後方向のラジアル荷重、及び、これら両軌道輪同士の間に作用するアキシアル荷重と前後方向の軸回りのモーメントとのうちの少なくとも一方の荷重若しくはモーメントを求める機能を有する。
又、上述した様な、請求項2に記載した発明を実施する場合に、請求項3に記載した様に、演算器に、第一〜第四のセンサの出力信号同士の間に存在する位相差に基づいて、上下方向の軸(鉛直軸)回りのモーメントに基づく変位量を求める機能を持たせる事もできる。
更に、本発明を実施する場合に好ましくは、請求項4に記載した様に、転がり軸受ユニットを、静止側軌道輪を懸架装置に支持固定し、回転側軌道輪に車輪を支持固定する、自動車の車輪支持用転がり軸受ユニットとする。そして、演算器に、上記静止側軌道輪と上記回転側軌道輪との相対変位量に基づいて、これら静止側軌道輪と回転側軌道輪との間に作用する荷重若しくはモーメントを算出する機能を持たせる。
先ず、前後方向のラジアル荷重に就いては、第一、第三の両センサの出力信号同士の間に存在する位相差に基づいて求める事ができる。即ち、上記ラジアル荷重が作用した場合には、上記両センサに対して上記エンコーダが、前後方向に変位する。これら両センサはこのエンコーダの外周面の上下両端部にラジアル方向に対向しているので、これら両センサのうちの一方のセンサの出力信号の位相が進み、他方のセンサの出力信号の位相が遅れ、これら両センサの出力信号同士の間の位相差が変化する。そこで、この位相差に基づいて、上記ラジアル荷重を求められる。
又、上記アキシアル荷重及び前後方向の軸回りのモーメントに就いては、上記第一、第三のセンサの出力信号を利用する事により、前述の図15〜18に示した第二の先発明の場合と同様にして求められる。
更に、上記上下方向の軸回りのモーメントに就いては、第一、第二のセンサの出力信号同士の間に存在する位相差に基づいて求められる。
小型の転がり軸受ユニットの場合でも、径方向(上下方向)に関する空間は比較的確保し易いので、本発明は、例えば小型自動車の車輪支持用転がり軸受ユニットを構成する複列の転動体の間部分の様に、限られた空間内に設置できる構造として有効である。
図1〜7は、請求項1〜4に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。本例の転がり軸受ユニットの荷重測定装置は、車輪支持用の複列の転がり軸受ユニットに、荷重測定装置16を組み込んで成る。このうちの転がり軸受ユニットの構造は、前述の図11、15に示した先発明に係る構造と同様である為、同等部分には同一符号を付して重複する説明は省略する。一方、上記荷重測定装置16は、回転側軌道輪であるハブ2の軸方向内端部に外嵌固定された1個のエンコーダ17と、上記転がり軸受ユニットを構成する外輪1の軸方向内端開口部に被着されたカバー10に支持された4個のセンサ18a1 、18a2 、18b1 、18b2 と、図示しない演算器とを備える。
このうちのエンコーダ17は、軟鋼板等の磁性金属板製で、被検出面である外周面先端寄り(軸方向内半寄り)部分に、第一、第二の特性変化部19、20を設けており、上記転がり軸受ユニットを構成する上記ハブ2の内端部に、このハブ2と同心に支持固定されている。上記両特性変化部19、20は、それぞれがスリット状である多数の透孔21a、21bを、円周方向に関して互いに等間隔で形成して成るものである。
先ず、このうちのアキシアル荷重Fyと前後方向の軸回りのモーメントMxとを求める場合に就いて説明する。
δTy=(δHy+δLy)/2 −−− (1)
又、上記上下両端部の変位量δHy、δLyと上記エンコーダ17の外周面の半径rとから、次の(2)式により、上記外輪1の中心軸に対する上記エンコーダ17の中心軸の傾斜角度θ17を求められる。
θ17=(δHy−δLy)/2r −−− (2)
揺動変位角度=(δ19−δ20)/センサ間距離L −−− (3)
又、上記両変位量δ19、δ20から、上記モーメントMzが作用している状態での、上記エンコーダ17の被検出面中心(上記第一、第二の特性変化部19、20の間部分)の前後方向の変位量を、「(δ19+δ20)/2」として求められる。そして、上記揺動変位角度と、上記被検出面中心での前後方向の変位量とが分かれば、転がり軸受ユニット中心での前後方向の変位量を、幾何学的に求められる。
図8〜10は、請求項1、4に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合には、上述した実施の形態の第1例の構造から、センサ18a1 を省略し、残り3個のセンサ18a2 、18b1 、18b2 を、この第1例の場合と同じ位置に配置している。本例は、この様な構造で、外輪1とハブ2との間に作用する、アキシアル荷重Fyと、前後方向の軸回りの(図1、3に矢印で示した)モーメントMxと、前後方向のラジアル荷重Fxとを求める様にしている。本例を実施する場合には、各転動体3、3に付与されている予圧が変化しない事が前提となる。この予圧が変化した場合には、図9に示した関係、即ち、タイヤ12と路面13との接触部(図16参照)から加わるアキシアル荷重Fyと、外輪1とハブ2とに関する、軸方向変位と中心軸同士の傾斜角度との比との関係が変化する。この結果、上記図9に示した関係に基づく、上記アキシアル荷重Fyの算出を行なえなくなる。従って、本例の場合には、上記予圧は一定である事が条件である。尚、前述した実施の形態の第1例の場合には、予圧が変化した場合でも、特願2005−296053号に開示された発明(第五の先発明)に基づいて、各転動体3、3に付与されている予圧を求められる。この第五の先発明に就いては、上記本発明の実施の形態の第1例と組み合わせて実施する事はあるが、本発明の要旨とは関係しない為、詳しい説明は省略する。
2 ハブ
3 転動体
4、4a、4b、4c、4d、4e エンコーダ
5、5a、5b、5c、5d、5e、5f、5g センサ
6、6a、6b 透孔
7a、7b 柱部
8 リム部
9 円筒状部
10 カバー
11 車輪
12 タイヤ
13 路面
14 被検出用特性部
15、15a 被検出用特性部
16 荷重測定装置
17、17a エンコーダ
18a1 、18a2 、18b1 、18b2 センサ
19 第一の特性変化部
20 第二の特性変化部
21a、21b 透孔
Claims (4)
- 転がり軸受ユニットと荷重測定装置とを備え、
このうちの転がり軸受ユニットは、使用状態でも回転しない静止側軌道輪と、使用状態で回転する回転側軌道輪と、これら静止側軌道輪と回転側軌道輪との互いに対向する周面に存在する静止側軌道と回転側軌道との間に設けられた複数個の転動体とを備え、これら各転動体に付与されている予圧が一定であるものであり、
上記荷重測定装置は、上記回転側軌道輪若しくはこの回転側軌道輪と共に回転及び変位する部分に、この回転側軌道輪若しくはこの回転側軌道輪と共に回転及び変位する部分と同心に設けられたエンコーダと、上記静止側軌道輪に支持されて検出部をこのエンコーダの被検出面である外周面に対向させたセンサ装置と、演算器とを備えたものであり、
上記エンコーダは、外周面のうちで互いに軸方向に外れた2個所位置に設けられた第一、第二の被検出面を備えたもので、これら両被検出面の特性は、円周方向に関して交互に、且つ、互いに同じピッチで変化しており、少なくとも上記第一の被検出面の特性変化の位相が軸方向に対し、上記第二の被検出面と異なる状態で漸次変化しており、
上記センサ装置は、少なくとも第一〜第三のセンサを備えており、このうちの第一のセンサの検出部は、上記第一の被検出面の上端部又は下端部に対向しており、同じく第二のセンサの検出部は、上記第二の被検出面のうちで上記第一のセンサの検出部と同じ端部に対向しており、同じく第三のセンサの検出部は、上記第一の被検出面のうちで上記第一のセンサの検出部と反対側の端部に対向しており、
上記演算器は、上記第一〜第三のセンサの出力信号同士の間に存在する位相差に基づいて、上記両軌道輪同士の間に作用する、前後方向のラジアル荷重、及び、これら両軌道輪同士の間に作用するアキシアル荷重と前後方向の軸回りのモーメントとのうちの少なくとも一方の荷重若しくはモーメントを求める機能を有する
転がり軸受ユニットの荷重測定装置。 - 転がり軸受ユニットと荷重測定装置とを備え、
このうちの転がり軸受ユニットは、使用状態でも回転しない静止側軌道輪と、使用状態で回転する回転側軌道輪と、これら静止側軌道輪と回転側軌道輪との互いに対向する周面に存在する静止側軌道と回転側軌道との間に設けられた複数個の転動体とを備えたものであり、
上記荷重測定装置は、上記回転側軌道輪若しくはこの回転側軌道輪と共に回転及び変位する部分に、この回転側軌道輪若しくはこの回転側軌道輪と共に回転及び変位する部分と同心に設けられたエンコーダと、上記静止側軌道輪に支持されて検出部をこのエンコーダの被検出面である外周面に対向させたセンサ装置と、演算器とを備えたものであり、
上記エンコーダは、外周面のうちで互いに軸方向に外れた2個所位置に設けられた第一、第二の被検出面を備えたもので、これら両被検出面の特性は、円周方向に関して交互に、且つ、互いに同じピッチで変化しており、少なくとも上記第一の被検出面の特性変化の位相が軸方向に対し、上記第二の被検出面と異なる状態で漸次変化しており、
上記センサ装置は、第一〜第四のセンサを備えており、このうちの第一のセンサの検出部は、上記第一の被検出面の上端部又は下端部に対向しており、同じく第二のセンサの検出部は、上記第二の被検出面のうちで上記第一のセンサの検出部と同じ端部に対向しており、同じく第三のセンサの検出部は、上記第一の被検出面のうちで上記第一のセンサの検出部と反対側の端部に対向しており、上記第四のセンサの検出部は、第二の被検出面のうちで上記第三のセンサと同じ側の端部に対向しており、
上記演算器は、上記第一〜第四のセンサの出力信号同士の間に存在する位相差に基づいて、上記両軌道輪同士の間に作用する、前後方向のラジアル荷重、及び、これら両軌道輪同士の間に作用するアキシアル荷重と前後方向の軸回りのモーメントとのうちの少なくとも一方の荷重若しくはモーメントを求める機能を有する
転がり軸受ユニットの荷重測定装置。 - 演算器が、第一〜第四のセンサの出力信号同士の間に存在する位相差に基づいて、上下方向の軸回りのモーメントに基づく変位量を求める機能を有する、請求項2に記載した転がり軸受ユニットの荷重測定装置。
- 転がり軸受ユニットが、静止側軌道輪を懸架装置に支持固定し、回転側軌道輪に車輪を支持固定する、自動車の車輪支持用転がり軸受ユニットであり、演算器は、上記静止側軌道輪と上記回転側軌道輪との相対変位量に基づいて、これら静止側軌道輪と回転側軌道輪との間に作用する荷重を算出する、請求項1〜3のうちの何れか1項に記載した転がり軸受ユニットの荷重測定装置。
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