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JP4886597B2 - レーン判定装置及びレーン判定方法、並びにそれを用いたナビゲーション装置 - Google Patents

レーン判定装置及びレーン判定方法、並びにそれを用いたナビゲーション装置 Download PDF

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Description

本発明は、自車両が走行中の道路における自車レーンを判定するためのレーン判定装置及びレーン判定方法、並びにそれを用いたナビゲーション装置に関する。
近年、ナビゲーション装置において経路案内を適切に行うこと等を目的として、自車両の内外から得られる各種の情報に基づいて、自車両が走行中の道路における自車レーンを判定するレーン判定装置が知られている。このようなレーン判定装置として、例えば、下記の特許文献1には、VICS(Vehicle Information and Communication System:道路交通情報通信システム)等の車両情報処理装置の光ビーコン情報、現在地管理部の推測情報、ドライバ入力情報管理部からのステアリング情報やウインカ情報のイベント、画像認識装置からの認識レーン数、その中の自レーン位置、レーン内位置(レーン内の右寄りか左寄りか)、レーン増減数、レーン増減方向、路肩情報(有無など)、跨ぎ状態(レーン・白線を跨いでいるかなど)、道路標示(ペイント)の情報等に基づき自車のレーン位置を特定し、その判定結果を出力する構成が記載されている。そして、道路標示の情報を用いた自車のレーン位置の特定に関しては、直進や右左折等の各レーンの進行方向別通行区分を表す矢印や横断歩道等の道路標示の画像認識結果と、データベースから取得した当該地物の地物種別や地物位置等の情報とを照合することにより、自車のレーン位置を特定する構成が記載されている。
特開2006−162409号公報
上記のように、各レーンの進行方向別通行区分を表す矢印等の道路標示の画像認識処理を行い、その画像認識結果とデータベースから取得した当該道路標示の地物種別や地物位置の情報とを照合することにより、自車レーンの判定を行うことが可能である。この際、自車両が走行中の道路の複数のレーンのそれぞれに配置された道路標示がレーン毎に異なる地物種別であり、更に、画像認識処理により道路標示の地物種別を正確に認識できた場合には、自車レーンを一つに特定することができる。しかし、実際には、複数のレーンに同じ地物種別の地物が配置されている道路も存在する。そのような道路では、同じ地物種別の地物が配置された複数のレーンのいずれが自車レーンであるかを特定できず、自車レーンを一つに特定できない場合が生じ得る。また、地物が部分的にかすれている等の理由により画像認識処理によって地物種別を正確に認識することができない場合もある。そのような場合には、地物種別を誤認識する可能性があり、実際の自車レーンとは異なるレーンを自車レーンとして特定する場合も生じ得る。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、自車両が走行中のレーンに存在する地物の画像認識結果に基づく自車レーンの判定を行うに際して、自車レーンを一つに特定できない場合や画像認識結果が誤りである可能性がある場合にも、そのような状況を反映して適切に自車レーンの判定を行うことができるレーン判定装置を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明に係るレーン判定装置の特徴構成は、自車両に搭載された撮像装置により撮像した画像情報を取得する画像情報取得手段と、自車両の現在位置を示す自車位置情報を取得する自車位置情報取得手段と、前記自車位置情報に基づいて、自車両が走行中の道路が複数のレーンを有する場合に、自車両の進行方向における前記各レーンに存在する対象地物の地物情報を取得する地物情報取得手段と、前記画像情報に対して、自車両が走行中のレーンである自車レーン内の前記対象地物の地物種別の画像認識処理を行う画像認識手段と、前記自車両が走行中の道路の各レーンについて、前記自車レーンである可能性の高さを表す自車レーン自信度を判定するレーン自信度判定手段と、前記対象地物となり得る複数の地物種別のそれぞれが前記画像認識手段による画像認識結果に示される認識地物種別となった場合について、前記画像認識処理に際して前記複数の地物種別のそれぞれが当該認識地物種別として認識される可能性の高さを表す認識係数を規定した認識テーブルと、を備え、前記レーン自信度判定手段は、前記認識地物種別と、前記地物情報取得手段により取得された前記地物情報に示される前記各レーンの対象地物の地物種別とに基づき、前記認識テーブルに規定された前記認識係数を用いて、前記画像認識処理に際して前記各レーンの対象地物の地物種別が前記認識地物種別として認識される可能性の高さを求め、当該可能性の高さに応じて、前記各レーンについての前記自車レーン自信度を判定する点にある。
この特徴構成によれば、画像認識手段による画像認識結果に示される自車レーン内の対象地物の地物種別である認識地物種別と、前記地物情報取得手段により取得された前記地物情報に示される自車両が走行中の道路の各レーンの対象地物の地物種別とを照合して自車レーンの判定を行うに際して、画像認識処理で自車両が走行中の道路の各レーンの対象地物の地物種別が、前記画像認識結果に示される認識地物種別として認識される可能性の高さに応じて、前記各レーンについての自車レーンである可能性の高さを表す自車レーン自信度を判定する。このように、自車レーンを一つに特定するのではなく、自車両が走行中の道路の各レーンについて、自車レーンである可能性の高さを表す自車レーン自信度として判定することにより、自車レーンを一つに特定できない場合や画像認識結果が誤りである可能性がある場合にも、そのような状況を反映して適切に自車レーンの判定を行うことができる。また、この構成によれば、前記認識テーブルを参照することにより、対象地物となり得る複数の地物種別のいずれが画像認識結果に示される認識地物種別となった場合にも、画像認識処理に際して自車両が走行中の道路の各レーンの対象地物の地物種別が前記認識地物種別として認識される可能性の高さを、認識係数を用いて適切に求めることができる。
更に、前記レーン自信度判定手段は、前記認識地物種別と、前記各レーンの対象地物の地物種別と、前記認識テーブルとに基づいて、前記認識地物種別と前記各レーンの対象地物の地物種別との関係で規定された認識係数を前記各レーンの認識係数として求め、前記自車両が走行中の道路の全てのレーンの認識係数の合計に対して前記各レーンの認識係数が占める割合に応じた値を、前記各レーンの前記自車レーン自信度とする構成とすると好適である。
このように構成すれば、前記認識テーブルに予め規定された認識係数を用いて、前記自車両が走行中の道路の全てのレーン中の各レーンが自車レーンである可能性の高さを、前記各レーンの自車レーン自信度として適切に求めることができる。
更に、前記認識テーブルは、前記対象地物となり得る複数の地物種別のそれぞれが前記認識地物種別となった場合について、当該認識地物種別との関係で前記認識係数を規定する前記複数の地物種別を、前記認識地物種別と同一の地物種別、前記画像認識処理に際して前記認識地物種別と誤認識する可能性がある地物種別、及び前記画像認識処理に際して前記認識地物種別と誤認識する可能性がない地物種別の3つに分類し、各分類に属する地物種別に共通の値を前記認識係数として規定している構成とすると好適である。
このように構成すれば、前記認識テーブルに規定される認識係数が、画像認識処理に際して対象地物となり得る複数の地物種別のそれぞれが前記認識地物種別として認識される可能性の高さに応じて3段階で段階的に規定される。したがって、簡易かつ適切に認識係数を規定することができる。
更に、前記画像認識処理に際して前記認識地物種別と誤認識する可能性がある地物種別は、当該地物種別の地物の形態の一部が画像認識できなかった場合に、前記認識地物種別として認識される可能性がある、前記認識地物種別とは異なる地物種別であると好適である。
このように構成すれば、画像認識処理の対象となる自車レーン内の対象地物が道路の路面に設けられている場合における地物の部分的なかすれ等を考慮して、前記認識地物種別と誤認識する可能性がある地物種別を適切に定めて認識係数を規定することができる。
また、前記対象地物となり得る地物は、道路の路面に設けられ、各レーンの進行方向別通行区分を表す矢印状の道路標示とすると好適である。
一般的に、各レーンの進行方向別通行区分を表す矢印状の道路標示は、道路の複数のレーンのそれぞれにおいて、ほぼ同じ進行方向位置に並んで配置されることが多い。そのため、この構成によれば、前記地物情報に示される自車両が走行中の道路の各レーンの対象地物の地物種別を、自車両が走行中の道路の複数のレーンについて適切に取得できる可能性が高くなる。したがって、この構成によれば、各レーンについての自車レーンである可能性の高さを表す自車レーン自信度を適切に判定することができる。
また、前記自車両が走行中の道路の複数のレーンの中の前記自車レーンの位置を、前記各レーンについての前記自車レーン自信度で表現した自車レーン情報を生成する自車レーン情報生成手段を更に備える構成とすると好適である。
このように構成すれば、例えば、生成した自車レーン情報をナビゲーション装置や車両制御装置等に出力することにより、このレーン判定装置による判定結果としての自車レーン自信度の情報を、ナビゲーション装置による案内動作や車両制御等に利用することが可能となる。
本発明に係るナビゲーション装置の特徴構成は、上記の各構成を備えたレーン判定装置と、前記地物情報を含む地図情報が格納された地図データベースと、前記地図情報及び前記レーン判定装置により判定された前記自車レーン自信度の情報を参照して動作するアプリケーションプログラムと、前記アプリケーションプログラムに従って動作して案内情報を出力する案内情報出力手段と、を備える点にある。
この特徴構成によれば、レーン判定装置により判定された、自車両が走行中の道路の各レーンについての前記自車レーン自信度に基づいて、経路探索、経路誘導、自車レーン表示等の各案内機能の動作を適切に行うことが可能となる。
ここで、前記アプリケーションプログラムは複数の機能を有し、各機能に応じて定められたしきい値以上の前記自車レーン自信度の情報を用いて、各機能の動作を行う構成とすると好適である。
このように構成すれば、自車レーンの判定結果の正確性が比較的要求される、例えば経路探索や経路誘導等の機能は、自車レーン自信度が高い情報だけを利用して動作し、自車レーンの判定結果の正確性があまり要求されない、例えば自車レーン表示等の機能は、自車レーン自信度が低い情報まで含めて利用して動作するようにできる。したがって、アプリケーションプログラムの複数の機能のそれぞれが、適切に自車レーン自信度の情報を用いて動作することが可能となり、レーン判定装置による判定結果をより有効に利用することができる。
本発明に係る認識テーブルの特徴構成は、所定の対象地物の画像認識処理による画像認識結果に示される認識地物種別の正確性の高さを求めるためのテーブルであって、前記対象地物となり得る複数の地物種別のそれぞれが前記認識地物種別となった場合について、前記画像認識処理に際して前記複数の地物種別のそれぞれが当該認識地物種別として認識される可能性の高さを表す認識係数を規定した点にある。
この特徴構成によれば、対象地物の画像認識処理による画像認識結果に示される認識地物種別の正確性の高さを、当該認識地物種別と、前記対象地物となり得る複数の地物種別との関係により規定された認識係数として適切に求めることができる。
この認識テーブルにおいて、前記対象地物となり得る複数の地物種別のそれぞれが前記認識地物種別となった場合について、当該認識地物種別との関係で前記認識係数を規定する前記複数の地物種別を、前記認識地物種別と同一の地物種別、前記画像認識処理に際して前記認識地物種別と誤認識する可能性がある地物種別、及び前記画像認識処理に際して前記認識地物種別と誤認識する可能性がない地物種別の3つに分類し、各分類に属する地物種別に共通の値を前記認識係数として規定している構成とすると好適である。
このように構成すれば、前記認識テーブルに規定される認識係数が、画像認識処理に際して対象地物となり得る複数の地物種別のそれぞれが前記認識地物種別として認識される可能性の高さに応じて3段階で段階的に規定される。したがって、簡易かつ適切に認識係数を規定することができる。
本発明に係るレーン判定方法の特徴構成は、自車両に搭載された撮像装置により撮像した画像情報を取得する画像情報取得ステップと、自車両の現在位置を示す自車位置情報を取得する自車位置情報取得ステップと、前記自車位置情報に基づいて、自車両が走行中の道路が複数のレーンを有する場合に、自車両の進行方向における前記各レーンに存在する対象地物の地物情報を取得する地物情報取得ステップと、前記画像情報に対して、自車両が走行中のレーンである自車レーン内の前記対象地物の地物種別の画像認識処理を行う画像認識ステップと、前記対象地物となり得る複数の地物種別のそれぞれが前記画像認識ステップによる画像認識結果に示される認識地物種別となった場合について、前記画像認識処理に際して前記複数の地物種別のそれぞれが当該認識地物種別として認識される可能性の高さを表す認識係数を規定した認識テーブルを用いて、前記自車両が走行中の道路の各レーンについて、前記自車レーンである可能性の高さを表す自車レーン自信度を判定するレーン自信度判定ステップと、を備え、前記レーン自信度判定ステップでは、前記認識地物種別と、前記地物情報取得ステップにより取得された前記地物情報に示される前記各レーンの対象地物の地物種別とに基づき、前記認識テーブルに規定された前記認識係数を用いて、前記画像認識処理に際して前記各レーンの対象地物の地物種別が前記認識地物種別として認識される可能性の高さを求め、当該可能性の高さに応じて、前記各レーンについての前記自車レーン自信度を判定する点にある。
この特徴構成によれば、画像認識ステップによる画像認識結果に示される自車レーン内の対象地物の地物種別である認識地物種別と、前記地物情報取得ステップにより取得された前記地物情報に示される自車両が走行中の道路の各レーンの対象地物の地物種別とを照合して自車レーンの判定を行うに際して、画像認識処理で自車両が走行中の道路の各レーンの対象地物の地物種別が、前記画像認識結果に示される認識地物種別として認識される可能性の高さに応じて、前記各レーンについての自車レーンである可能性の高さを表す自車レーン自信度を判定する。このように、自車レーンを一つに特定するのではなく、自車両が走行中の道路の各レーンについて、自車レーンである可能性の高さを表す自車レーン自信度として判定することにより、自車レーンを一つに特定できない場合や画像認識結果が誤りである可能性がある場合にも、そのような状況を反映して適切に自車レーンの判定を行うことができる。また、この構成によれば、前記認識テーブルを参照することにより、対象地物となり得る複数の地物種別のいずれが画像認識結果に示される認識地物種別となった場合にも、画像認識処理に際して自車両が走行中の道路の各レーンの対象地物の地物種別が前記認識地物種別として認識される可能性の高さを、認識係数を用いて適切に求めることができる。
本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態に係るレーン判定装置2を含むナビゲーション装置1の概略構成を示すブロック図である。このレーン判定装置2は、自車両30(図3参照)に搭載された撮像装置21により撮像した画像情報Gの画像認識結果と地図データベース22から取得した地物情報Fとに基づいて、自車両30が走行中の道路(以下「走行道路」という。)の各レーンについて、それが自車レーンである可能性の高さを表す自車レーン自信度を判定する。そして、レーン判定装置2は、自車レーン自信度の判定結果をまとめて自車レーン情報Sを生成する。ナビゲーション装置1は、自車レーン情報Sに含まれる各レーンの自車レーン自信度の情報を参照して所定のナビゲーション動作を行う。
図1に示されるような、このナビゲーション装置1の各機能部、具体的には、画像情報取得部4、画像認識部5、自車位置情報取得部6、データ抽出部7、レーン判定部8、及びナビゲーション用演算部9は、CPU等の演算処理装置を中核部材として、入力されたデータに対して種々の処理を行うための機能部がハードウェア又はソフトウェア(プログラム)或いはその両方により実装されて構成されている。また、地図データベース22は、例えば、ハードディスクドライブ、DVD−ROMを備えたDVDドライブ、CD−ROMを備えたCDドライブ等のように、情報を記憶可能な記録媒体とその駆動手段とを有する装置をハードウェア構成として備えている。以下、本実施形態に係るナビゲーション装置1の各部の構成について詳細に説明する。
1.地図データベース
地図データベース22は、所定の領域毎に分けられた地図情報Mと、この地図情報Mに関連付けられた複数の地物情報Fとが格納されたデータベースである。図2は、地図データベース22に格納されている地図情報M及び地物情報Fの構成の例を示す説明図である。この図に示すように、地図データベース22には、道路ネットワークレイヤm1、道路形状レイヤm2、地物レイヤm3が格納されている。
道路ネットワークレイヤm1は、道路間の接続情報を示すレイヤである。具体的には、緯度及び経度で表現された地図上の位置情報を有する多数のノードnの情報と、2つのノードnを連結して道路を構成する多数のリンクkの情報とを有して構成されている。また、各リンクkは、そのリンク情報として、道路の種別(高速道路、有料道路、国道、県道等の種別)やリンク長さ等の情報を有している。また、道路形状レイヤm2は、道路ネットワークレイヤm1に関連付けられて格納され、道路の形状を示すレイヤである。具体的には、2つのノードnの間(リンクk上)に配置されて緯度及び経度で表現された地図上の位置情報を有する多数の道路形状補完点sの情報や道路幅の情報等を有して構成されている。これらの道路ネットワークレイヤm1及び道路形状レイヤm2に格納された情報により、地図情報Mが構成される。
地物レイヤm3は、道路ネットワークレイヤm1及び道路形状レイヤm2に関連付けられて構成され、道路上や道路周辺に設けられた各種の地物の情報、すなわち地物情報Fが格納されているレイヤである。この地物レイヤm3に地物情報Fが格納される地物には、道路の路面に設けられた道路標示が含まれている。このような道路標示に係る地物には、各レーンの進行方向別通行区分を表す矢印状の道路標示(以下、単に「矢印標示」という。)、具体的には、直進矢印、直進・右折矢印、直進・左折矢印、右折矢印、左折矢印、右左折矢印等が含まれる。後述するように、本実施形態においては、この矢印標示が、対象地物となり得る地物となっている。また、この他にも、道路標示に係る地物としては、例えば、横断歩道、停止線、交差点形状標示(十字マーク、T字マーク等)、道路に沿って車線を分ける区画線(実線、破線、二重線等)、速度表示、ゼブラゾーン等の各種のペイント標示が含まれる。なお、地物情報Fが格納される地物としては、このような道路標示のほか、信号機、標識、陸橋、トンネル等の各種の地物も含めることができる。
地物情報Fは、その内容として各地物の位置情報、地物種別情報、形態情報、及び属性情報を含んでいる。ここで、位置情報は、各地物の代表点の地図上の位置(緯度及び経度)及び各地物の向きの情報を有している。地物の代表点は、例えば、各地物の長さ方向及び幅方向の中心位置に設定される。地物種別情報は、各地物の地物種別を表す情報である。ここで、地物種別は、基本的に同じ形状の地物を一つの地物種別として規定しているものとする。したがって、地物種別の情報は、例えば、直進矢印、右折矢印、停止線、横断歩道等の道路標示の具体的な種別を表す情報である。また、形態情報は、各地物の形状、大きさ、色彩等の情報を有している。属性情報は、各地物が設けられている道路が複数のレーンを有する場合における、当該地物が道路のどのレーンに配置されているかを表すレーン情報を含んでいる。このレーン情報は、例えば、当該地物が片側3車線の道路の中央のレーンに設けられている場合には「2/3」等のように表される。
2.画像情報取得部
画像情報取得部4は、撮像装置21により撮像した自車位置周辺の画像情報Gを取得する画像情報取得手段として機能する。ここで、撮像装置21は、撮像素子を備えた車載カメラ等であって、少なくとも自車両30の周辺の道路の路面を撮像可能な位置に設けられている。このような撮像装置21としては、例えば、図3に示すような自車両30の後方の路面を撮像するバックカメラを用いると好適である。そして、画像情報取得部4は、撮像装置21により撮像したアナログの撮像情報を所定の時間間隔で取り込み、デジタル信号の画像情報Gに変換して取得する。この際の画像情報Gの取り込みの時間間隔は、例えば、10〜50ms程度とすることができる。これにより、画像情報取得部4は、撮像装置21により撮像した複数フレームの画像情報Gを連続的に取得することができる。ここで取得された画像情報Gは、画像認識部5へ出力される。
3.自車位置情報取得部
自車位置情報取得部6は、自車両30の現在位置を示す自車位置情報Pを取得する自車位置情報取得手段として機能する。ここでは、自車位置情報取得部6は、GPS受信機23、方位センサ24、及び距離センサ25と接続されている。ここで、GPS受信機23は、GPS(Global Positioning System)衛星からのGPS信号を受信する装置である。このGPS信号は、通常1秒おきに受信され、自車位置情報取得部6へ出力される。自車位置情報取得部6では、GPS受信機23で受信されたGPS衛星からの信号を解析し、自車両30の現在位置(緯度及び経度)、進行方位、移動速度等の情報を取得することができる。方位センサ24は、自車両30の進行方位又はその進行方位の変化を検出するセンサである。この方位センサ24は、例えば、ジャイロセンサ、地磁気センサ、ハンドルの回転部に取り付けた光学的な回転センサや回転型の抵抗ボリューム、車輪部に取り付ける角度センサ等により構成される。そして、方位センサ24は、その検出結果を自車位置情報取得部6へ出力する。距離センサ25は、自車両30の車速や移動距離を検出するセンサである。この距離センサ25は、例えば、車両のドライブシャフトやホイール等が一定量回転する毎にパルス信号を出力する車速パルスセンサ、自車両30の加速度を検知するヨー・Gセンサ及び検知された加速度を積分する回路等により構成される。そして、距離センサ25は、その検出結果としての車速及び移動距離の情報を自車位置情報取得部6へ出力する。
そして、自車位置情報取得部6は、これらのGPS受信機23、方位センサ24及び距離センサ25からの出力に基づいて、公知の方法により自車位置を特定する演算を行う。また、自車位置情報取得部6は、データ抽出部7により地図データベース22から抽出された自車位置周辺の地図情報Mを取得し、それに基づいて公知のマップマッチングを行うことにより自車位置を地図情報Mに示される道路上に合わせる補正も行う。このようにして、自車位置情報取得部6は、緯度及び経度で表された自車両30の現在位置の情報、及び自車両30の進行方位の情報を含む自車位置情報Pを取得する。このようにして取得される自車位置情報Pは、自車両30が進行中の道路が複数レーンを有している場合に、自車両30が走行中のレーンである自車レーンまでを特定できる情報とはなっていない。そこで、本実施形態に係るナビゲーション装置1では、後述するレーン判定部8において自車レーンの判定を行う構成となっている。そして、自車位置情報取得部6により取得された自車位置情報Pは、データ抽出部7、レーン判定部8、及びナビゲーション用演算部9へ出力される。
4.データ抽出部
データ抽出部7は、自車位置情報取得部6で取得された自車位置情報P等に基づいて、地図データベース22から必要な地図情報Mや地物情報Fを抽出する。本実施形態においては、データ抽出部7は、自車位置情報Pに基づいて、走行道路が複数のレーンを有する場合に、自車両30の進行方向における走行道路の各レーンに存在する対象地物の地物情報Fを抽出し、画像認識部5及びレーン判定部8へ出力する。ここで、対象地物となる地物は、画像認識部5による画像認識処理の対象となり、更にレーン判定部8によるレーン自信度の判定処理の対象となる地物種別の地物であり、本実施形態においては、後述するように各種の矢印標示が該当する。したがって、本実施形態においては、このデータ抽出部7が、本発明における地物情報取得手段として機能する。また、データ抽出部7は、自車位置情報取得部6によるマップマッチングに用いる自車位置周辺の地図情報Mを抽出し、自車位置情報取得部6へ出力する。更に、データ抽出部7は、ナビゲーション用演算部9によるナビゲーション処理に用いるために、ナビゲーション用演算部9から要求があった領域の地図情報Mを地図データベース22から抽出し、ナビゲーション用演算部9へ出力する。
5.画像認識部
画像認識部5は、画像情報取得部4で取得された画像情報Gに対する画像認識処理を行う画像認識手段として機能する。本実施形態においては、画像認識部5は、データ抽出部7で抽出された対象地物の地物情報Fを用いて、自車両30が走行中のレーンである自車レーン内の対象地物の地物種別の画像認識処理を行う。ここで用いられる対象地物の地物情報Fは、上述のとおり、走行道路が複数のレーンを有する場合における、自車両30の進行方向の各レーンに存在する対象地物に関する複数の地物情報Fである。具体的には、画像認識部5は、取得された画像情報Gに対して二値化処理やエッジ検出処理等を行い、当該画像情報Gに含まれている地物(道路標示)の輪郭情報を抽出する。その後、画像認識部5は、データ抽出部7で抽出された複数の対象地物の地物情報Fに含まれる、複数の対象地物の形態情報のそれぞれに示される形態のいずれかと一致する輪郭情報を抽出する。そして、そのような輪郭情報が抽出された場合には、当該輪郭情報と一致する形態情報に係る地物情報Fに示される地物種別を、自車レーン内の対象地物の地物種別として認識する。このようにして画像認識部5により認識された自車レーン内の対象地物の地物種別が、画像認識結果に示される認識地物種別となる。なお、本実施形態においては、上述のように自車位置情報Pに基づいてデータ抽出部7により地図データベース22から抽出された対象地物の地物情報Fを用いて画像認識処理を行うことにより、画像認識結果が、自車レーン内の対象地物となり得ない地物種別となることを防止している。
6.認識テーブル
図4は、本実施形態に係る認識テーブルTの一例を示す図である。この図に示すように、認識テーブルTは、対象地物となり得る複数の地物種別のそれぞれが認識地物種別となった場合について、画像認識部5による画像認識処理に際して、そのような対象地物となり得る複数の地物種別のそれぞれが当該認識地物種別として認識される可能性の高さを表す重み付け係数としての認識係数を規定したテーブルである。概略的には、この認識テーブルTは、対象地物の画像認識処理による画像認識結果に示される認識地物種別の正確性の高さを求めるためのテーブルとなっている。そして、この認識テーブルTに規定された認識係数は、対象地物の画像認識結果からみて、当該画像認識結果としての認識地物種別が正しいことの確からしさを、当該認識地物種別と、対象地物となり得る複数の地物種別のそれぞれとの関係により示すものとなっている。この図に示す例では、「直進矢印」、「直進・右折矢印」、「直進・左折矢印」、「右折矢印」、「左折矢印」、「右左折矢印」、「右折二種矢印」、及び「左折二種矢印」の8種類の矢印標示が対象地物となり得る地物種別とされている。そして、この認識テーブルTは、図中左側に縦方向に配列された8種類の矢印標示の地物種別のそれぞれが認識地物種別となった場合について、図中上側に横方向に配列された8種類の矢印標示の地物種別のそれぞれが当該認識地物種別として認識される可能性の高さを表す認識係数を、8種類の矢印標示の地物種別の相互の関係を表す二次元マトリックスを用いて規定している。
また、この認識テーブルTでは、8種類の矢印標示の地物種別のそれぞれが認識地物種別となった場合について、当該認識地物種別との関係で認識係数を規定する8種類の矢印標示の地物種別を、第一分類、第二分類、及び第三分類の3つに分類し、各分類に属する地物種別に共通の値を認識係数として規定している。ここで、第一分類は、当該認識地物種別と同一の地物種別である。本例では、この第一分類に属する地物種別の認識係数は「2」としている。第二分類は、画像認識部5による画像認識処理に際して当該認識地物種別と誤認識する可能性がある地物種別である。本例では、この第二分類に属する地物種別の認識係数は「1」としている。第三分類は、画像認識部5による画像認識処理に際して当該認識地物種別と誤認識する可能性がない地物種別である。本例では、この第三分類に属する地物種別の認識係数は「0」としている。したがって、この認識テーブルTでは、例えば認識地物種別が「直進矢印」である場合、第一分類に属する「直進矢印」の認識係数が「2」、第二分類に属する「直進・右折矢印」及び「直進・左折矢印」の認識係数が「1」、第三分類に属するその他の地物種別の認識係数が「0」と規定されている。
本実施形態においては、画像認識処理に際して一つの認識地物種別と誤認識する可能性がある、第二分類に属する地物種別を、当該地物種別の地物の形態の一部が画像認識できなかった場合に、当該一つの認識地物種別として認識される可能性がある、当該一つの認識地物種別とは異なる地物種別としている。図5は、このような互いに誤認識する可能性がある2つの地物種別の組み合わせの例を示す図である。図5において、(a)は「直進矢印」と「直進・右折矢印」、(b)「直進矢印」と「直進・左折矢印」、(c)は「右折矢印」と「右左折矢印」、(d)は「左折矢印」と「右左折矢印」、(e)は「右折矢印」と「右折二種矢印」、(f)は「左折矢印」と「左折二種矢印」の組み合わせである。これらの組み合わせのそれぞれにおいて、枠frとして図示する部分が画像認識できなかった場合に、各組み合わせを構成する2つの地物種別が互いに誤認識する可能性がある。このような地物種別の地物の形態の一部が画像認識できない場合としては、地物の形態の一部がかすれているために、画像認識部5による画像認識処理に際して地物の輪郭が正確に抽出できなかった場合等が考えられる。
7.レーン判定部
レーン判定部8は、画像情報Gの画像認識結果と、データ抽出部7で抽出された対象地物の地物情報Fと、認識テーブルTとに基づいて、走行道路の各レーンについて、それが自車レーンである可能性の高さを表す自車レーン自信度を判定し、その判定結果をまとめた自車レーン情報Sを生成する。そのため、本実施形態においては、レーン判定部8は、レーン自信度判定部11、及び自車レーン情報生成部12を備えている。本実施形態においては、レーン自信度判定部11が本発明における「レーン自信度判定手段」を構成し、自車レーン情報生成部12が本発明における「自車レーン情報生成手段」を構成する。なお、レーン判定部8は、自車レーンの判定が必要な場合、すなわち、自車位置情報Pに基づいて、走行道路が進行方向(片側)に複数のレーンを有している場合にのみ、自車レーン自信度の判定及び自車レーン情報Sの生成の処理を行う。そして、レーン判定部8は、判定結果としての自車レーン情報Sをナビゲーション用演算部9へ出力する。これにより、ナビゲーション用演算部9は、自車レーン情報Sを参照した経路誘導や経路探索等の案内機能の動作を行うことができる。以下、このレーン判定部8が備えるレーン自信度判定部11、及び自車レーン情報生成部12における処理について詳細に説明する。
7−1.レーン自信度判定部
レーン自信度判定部11は、走行道路の各レーンについて、自車レーンである可能性の高さを表す自車レーン自信度を判定する。この際、レーン自信度判定部11は、画像認識部5による自車レーン内の対象地物の画像認識結果に示される認識地物種別と、データ抽出部7により取得された地物情報Fに示される走行道路の各レーンの対象地物の地物種別とに基づき、走行道路の各レーンについての自車レーン自信度を判定する。この際、レーン自信度判定部11は、上述した認識テーブルTに規定された認識係数を用いて、画像認識処理に際して走行道路の各レーンの対象地物の地物種別が認識地物種別として認識される可能性の高さを求め、当該可能性の高さに応じて、走行道路の各レーンについての自車レーン自信度を判定する。
より詳しくは、レーン自信度判定部11は、まず、画像認識部5による自車レーン内の対象地物の画像認識結果に示される認識地物種別と、データ抽出部7により取得された地物情報Fに示される走行道路の各レーンの対象地物の地物種別と、認識テーブルTとに基づいて、認識地物種別と走行道路の各レーンの対象地物の地物種別との関係で認識テーブルTに規定された認識係数を走行道路の各レーンの認識係数として求める。そして、走行道路の全てのレーンの認識係数の合計に対して各レーンの認識係数が占める割合に応じた値を、走行道路の各レーンの自車レーン自信度とする。この際、地物情報Fに示される走行道路の各レーンの対象地物が、走行道路のいずれのレーンに配置されているかは、地物情報Fに含まれるレーン情報(属性情報)を参照して判断される。なお、本実施形態においては、走行道路の全てのレーンの認識係数の合計に対して各レーンの認識係数が占める割合を表す値そのものを、走行道路の各レーンの自車レーン自信度とする。
図6及び図7は、このようなレーン自信度判定部11による自車レーン自信度の判定処理の具体例を説明するための説明図である。これらの図において、左側の四角形の枠に囲まれている地物種別が、画像認識部5による自車レーン内の対象地物の画像認識結果に示される認識地物種別faである。また、これらの図において、認識地物種別faの右側に表されているのが、データ抽出部7により取得された地物情報Fに示される走行道路の各レーンの対象地物の地物種別Ft1〜Ft4である。そして、これらの図において、下側上段の枠に囲まれている値が、各レーンの認識係数であり、下側下段の枠に囲まれている値が各レーンの自車レーン自信度である。
図6に示す例では、データ抽出部7により取得された地物情報Fは、4つのレーンを有する走行道路の各レーンの対象地物の地物種別について、第一レーンL1の対象地物の地物種別Ft1が「直進・左折矢印」、第二レーンL2の対象地物の地物種別Ft2が「直進矢印」、第三レーンL3の対象地物の地物種別Ft3が「直進矢印」、第四レーンL4の対象地物の地物種別Ft4が「右折矢印」であることを示している。そして、画像認識部5による自車レーン内の対象地物の画像認識結果に示される認識地物種別faが「直進・左折矢印」である。この場合、レーン自信度判定部11は、図4の認識テーブルTの上から3行目を参照して、認識地物種別faが「直進・左折矢印」である場合について、当該認識地物種別faと第一レーンL1の対象地物の地物種別Ft1である「直進・左折矢印」との関係で規定された認識係数「2」を第一レーンL1の認識係数として求める。同様に、第二レーンL2及び第三レーンL3の対象地物の地物種別Ft2、Ft3である「直進矢印」との関係で規定された認識係数「1」を第二レーンL2及び第三レーンL3の認識係数とし、第四レーンL4の対象地物の地物種別Ft4である「右折矢印」との関係で規定された認識係数「0」を第四レーンL4の認識係数として求める。この場合、走行道路の全てのレーンL1〜L4の認識係数の合計は「4」である。したがって、第一レーンL1の認識係数「2」が占める割合である「2/4」を第一レーンL1の自車レーン自信度とする。同様にして、第二レーンL2の認識係数「1」が占める割合である「1/4」、第三レーンL3の認識係数「1」が占める割合である「1/4」、第四レーンL4の認識係数「0」が占める割合である「0」を、それぞれ各レーンL2〜L4の自車レーン自信度とする。
また、図7に示す例では、データ抽出部7により取得された地物情報Fは、図6に示す例と同じである。そして、画像認識部5による自車レーン内の対象地物の画像認識結果に示される認識地物種別faが「右折矢印」である。この場合、レーン自信度判定部11は、図4の認識テーブルTの上から4行目を参照して、認識地物種別faが「右折矢印」である場合について、当該認識地物種別faと第一レーンL1の対象地物の地物種別Ft1である「直進・左折矢印」との関係で規定された認識係数「0」を第一レーンL1の認識係数として求める。同様に、第二レーンL2及び第三レーンL3の対象地物の地物種別Ft2、Ft3である「直進矢印」との関係で規定された認識係数「0」を第二レーンL2及び第三レーンL3の認識係数とし、第四レーンL4の対象地物の地物種別Ft4である「右折矢印」との関係で規定された認識係数「2」を第四レーンL4の認識係数として求める。この場合、走行道路の全てのレーンL1〜L4の認識係数の合計は「2」である。したがって、第四レーンL4の認識係数「2」が占める割合である「2/2」を第四レーンL4の自車レーン自信度とする。同様にして求めると、第一レーンL1から第三レーンL3の自車レーン自信度は、いずれも「0」となる。
7−2.自車レーン情報生成部
自車レーン情報生成部12は、走行道路の複数のレーンの中の自車レーンの位置を、レーン自信度判定部11により求めた、走行道路の各レーンについての自車レーン自信度で表現した自車レーン情報Sを生成する。具体的には、走行道路の全てのレーンの自車レーン自信度を、当該走行道路のレーン配置に関連付けてまとめた情報を生成し、それを自車レーン情報Sとする。例えば、図6の例に示す場合、下側下段の枠に囲まれている走行道路の各レーンの自車レーン自信度をまとめた、「第一レーンL1:2/4、第二レーンL2:1/4、第三レーンL3:1/4、第四レーンL4:0」の情報が自車レーン情報Sとなる。この自車レーン情報Sは、図6に実線で表した自車両30の位置に示すように、自車レーンが第一レーンL1である可能性が50%で最も高いが、破線表した自車両30の位置に示すように、自車レーンが第二レーンL2又は第三レーンL3である可能性も25%ずつあることを示している。すなわち、この自車レーン情報Sでは、自車レーンが一つに特定されず、全部で4つレーンの中の3つのレーンのそれぞれの自車レーンである可能性の高さにより自車レーンの位置が表現されている。
一方、図7の例に示す場合、「第一レーンL1:0、第二レーンL2:0、第三レーンL3:0、第四レーンL4:2/2」の情報が自車レーン情報Sとなる。この自車レーン情報Sは、図7に実線で表した自車両30の位置に示すように、自車レーンが第四レーンL4である可能性が100%であることを示している。すなわち、この自車レーン情報Sでは、自車レーンが第四レーンL4に特定された状態で自車レーンの位置が表現されている。
8.ナビゲーション用演算部
ナビゲーション用演算部9は、主にナビゲーション装置1としての案内機能を実行するためのアプリケーションプログラムAPに従って動作する演算処理手段である。ここで、アプリケーションプログラムAPは、自車位置情報取得部6により取得された自車位置情報P、データ抽出部7により抽出された地図情報M、及びレーン判定部8により生成された自車レーン情報S等を参照して動作する。また、本実施形態においては、ナビゲーション用演算部9は、表示入力装置26及び音声出力装置27に接続されている。表示入力装置26は、液晶表示装置等の表示装置とタッチパネル等の入力装置が一体となったものである。また音声出力装置は、スピーカ等を有して構成されている。本実施形態においては、ナビゲーション用演算部9、表示入力装置26、及び音声出力装置27が、本発明における案内情報出力手段28として機能する。また、ナビゲーション用演算部9は、図示しない車両制御ユニットにも接続されている。
図8は、アプリケーションプログラムAPの構成を示す図である。この図に示すように、アプリケーションプログラムAPは、複数の機能を実現するために複数の機能プログラムを有しており、ここでは、表示プログラムAP1、マップマッチングプログラムAP2、経路探索プログラムAP3、経路誘導プログラムAP4、検索プログラムAP5、及び車両制御支援プログラムAP6の6つの機能プログラムを有している。ここで、表示プログラムAP1は、表示入力装置26の表示画面に自車位置や目的地等の周辺の地図表示や当該地図上への自車位置表示等を行うためのプログラムである。マップマッチングプログラムAP2は、自車位置情報取得部6により取得された自車位置情報Pに示される自車位置が、データ抽出部7で抽出された地図情報Mに含まれる道路上となるように整合させるマップマッチング処理を行うためのプログラムである。経路探索プログラムAP3は、例えば自車位置等の出発地から表示入力装置26により入力された目的地までの案内経路等を探索するためのプログラムである。経路誘導プログラムAP4は、経路探索プログラムAP3により決定された目的地までの経路に従って、表示入力装置26の表示画面による案内表示や音声出力装置27による音声案内等により、ユーザに対して適切な経路誘導を行うためのプログラムである。検索プログラムAP5は、目的地や地図表示のための地点等を、住所、電話番号、施設名称、ジャンル等に基づいて検索するためのプログラムである。車両制御支援プログラムAP6は、図示しない車両制御ユニットに対して、自車レーン情報Sや自車位置情報P等の必要な情報を出力し、車両制御ユニットによる車両制御を支援するためのプログラムである。
また、アプリケーションプログラムAPを構成する複数の機能プログラムAP1〜AP6は、レーン判定部8により生成された自車レーン情報Sを参照して動作するに際して、各機能プログラムAP1〜AP6に応じて定められたしきい値以上の自車レーン自信度の情報を用いて、各機能プログラムAP1〜AP6の動作を行う構成となっている。図8の各機能プログラムAP1〜AP6の右側の欄に、各機能プログラムAP1〜AP6に応じて予め定められた自車レーン自信度のしきい値の一例を示している。ここでは、各機能プログラムAP1〜AP6に要求される自車レーン情報Sの精度の高さに応じて、自車レーン自信度のしきい値を設定している。すなわち、要求される自車レーン情報Sの精度が高い機能プログラムAP1〜AP6ほど、自車レーン自信度のしきい値を高く設定している。このようにすることにより、機能プログラムAP1〜AP6のそれぞれが、適切に自車レーン自信度の情報を用いて動作することが可能となり、レーン判定装置による判定結果を有効に利用することができる。なお、ここでいう自車レーン情報Sの精度の高さは、自車レーンの判定結果の正確性の高さを表している。
本例では、車両制御に関わる車両制御支援プログラムAP6は、最も高い自車レーン情報Sの精度が要求されるため、しきい値を「1」に設定している。これにより、自車レーンが一つに特定されている場合にのみ、車両制御に自車レーンの情報が利用されるようにしている。また、経路探索プログラムAP3及び経路誘導プログラムAP4は、比較的高い自車レーン情報Sの精度が要求されるため、しきい値を「1/2」に設定している。これにより、比較的正確に自車レーンが特定されている場合にのみ、経路探索や経路案内に自車レーンの情報が利用されるようにしている。表示プログラムAP1は、単に自車レーンの位置を表示入力装置26に表示するだけであって、高い自車レーン情報Sの精度が要求されないため、しきい値を「0」に設定している。これにより、自車レーン自信度の高さに関係なく、自車レーンの位置の表示が行われるようにしている。この場合の表示方法として、例えば図6の例に示すように、走行道路が4つのレーンを有する場合において、その中の3つのレーンに自車レーンである可能性がある場合には、3つのレーンのそれぞれに自車位置表示を行うことができる。また、この際、走行道路の各レーンの自車レーン自信度の高さに応じて、例えば自車レーン自信度が高いほど強調して表示するというように、自車レーン位置の表示方法を異ならせると好適である。なお、本例では、マップマッチングプログラムAP2及び検索プログラムAP5は、自車レーン情報Sを利用しないため、車レーン自信度のしきい値は設定していない。
9.レーン判定方法
次に、本実施形態に係るレーン判定装置2を含むナビゲーション装置1において実行されるレーン判定方法について説明する。図9は、本実施形態に係るレーン判定方法の全体処理順序を示すフローチャートであり、図10は、本実施形態に係るレーン自信度判定方法の詳細な処理順序を示すフローチャートである。
図9に示すように、自車レーンの判定に際して、ナビゲーション装置1では、まず、自車位置情報取得部6により自車位置情報Pを取得する(ステップ#01)。次に、データ抽出部7により、ステップ#01で取得された自車位置情報Pに基づいて、地図データベース22に格納されている自車位置近傍の地図情報M及び地物情報Fの一方又は双方を参照し、走行道路が複数のレーンを有するか否かを判定する(ステップ#02)。そして、走行道路が複数のレーンを有しない場合(ステップ#02:No)、すなわち走行道路が片側1レーンの道路であった場合には、自車レーンの判定は不要であるので、処理はそのまま終了する。
一方、走行道路が複数のレーンを有する場合には(ステップ#02:Yes)、データ抽出部7は、自車両30の進行方向における走行道路の各レーンに存在する対象地物の地物情報Fを地図データベース22から抽出して取得する(ステップ#03)。また、画像情報取得部4により、自車両30に搭載された撮像装置21により撮像した画像情報Gを取得する(ステップ#04)。次に、画像認識部5により、自車両30が走行中のレーンである自車レーン内の対象地物の地物種別の画像認識処理を行う(ステップ#05)。そして、レーン判定部8のレーン自信度判定部11により、走行道路の各レーンについて、自車レーンである可能性の高さを表す自車レーン自信度を判定する処理を行う(ステップ#06)。この自車レーン自信度の判定処理方法については、後に図10のフローチャートに基づいて詳細に説明する。その後、レーン判定部8の自車レーン情報生成部12により、走行道路の複数のレーンの中の自車レーンの位置を、ステップ#06で判定された走行道路の各レーンについての自車レーン自信度で表現した自車レーン情報Sを生成する(ステップ#07)。以上で、レーン判定方法の全体処理を終了する。
次に、ステップ#06のレーン自信度判定方法の処理の詳細について説明する。図10に示すように、レーン自信度判定部11では、まず、ステップ#03で取得された自車両30の進行方向における走行道路の各レーンに存在する対象地物の地物情報Fに基づいて、当該地物情報Fに示される走行道路の各レーンの対象地物の地物種別の情報を取得する(ステップ#11)。この処理は、ステップ#03で取得された各地物情報Fに含まれる地物種別情報を読み出すことにより行う。次に、レーン自信度判定部11は、ステップ#05の画像認識処理による画像認識結果に示される認識地物種別の情報を取得する(ステップ#12)。
その後、レーン自信度判定部11は、ステップ#11で取得した走行道路の各レーンの対象地物の地物種別の情報と、ステップ#12で取得した認識地物種別の情報と、認識テーブルTとに基づいて、走行道路の各レーンの認識係数を求める(ステップ#13)。走行道路の各レーンの認識係数は、上述のとおり、認識地物種別と走行道路の各レーンの対象地物の地物種別との関係で認識テーブルTに規定された認識係数から求められる。そして、ステップ#13で求めた走行道路の各レーンの認識係数に基づいて、走行道路の各レーンの自車レーン自信度を求める(ステップ#14)。走行道路の各レーンの自車レーン自信度は、上述のとおり、走行道路の全てのレーンの認識係数の合計に対して各レーンの認識係数が占める割合に応じた値とする。なお、このようなレーン自信度判定部11による自車レーン自信度の判定処理の具体的な方法については、図6及び図7を用いて既に具体的に説明したので、ここでは説明を省略する。以上でステップ#06のレーン自信度判定方法の処理を終了する。
9.その他の実施形態
(1)上記の実施形態における、認識テーブルTに規定した認識係数の具体的な値は単なる一例であり、画像認識処理による自車レーン内の対象地物の地物種別の認識精度等に応じて適切な値を設定するのが好適である。また、上記の実施形態では、認識係数を規定するに際して、対象地物となり得る複数の地物種別を3つに分類することにより3段階の認識係数を設定する場合の例について説明したが、認識係数を2段階に設定し、或いは4段階以上に設定することも本発明の好適な実施形態の一つである。更に、対象地物となり得る複数の地物種別を分類する際の基準についても、上記の実施形態で説明した基準は単なる一例である。したがって、画像認識処理に際して認識地物種別と誤認識する可能性がある地物種別について、誤認識する可能性の高さに応じて複数のレベルに更に分類することも、本発明の好適な実施形態の一つである。また、その際の分類の基準も、上記の実施形態で説明したものと異なる基準を用いることができる。
(2)上記の実施形態では、レーン自信度判定部11が、走行道路の全てのレーンの認識係数の合計に対して各レーンの認識係数が占める割合を表す値そのものを、走行道路の各レーンの自車レーン自信度とする場合の例について説明した。しかし、自車レーン自信度は、画像認識処理に際して走行道路の各レーンの対象地物の地物種別が認識地物種別として認識される可能性の高さを表す値であればよく、他の方法により求めた値を自車レーン自信度とすることも可能である。例えば、走行道路の全てのレーンの認識係数の合計に対して各レーンの認識係数が占める割合を表す値に所定の係数を乗じた値を自車レーン自信度としても好適である。また、走行道路の各レーンの認識係数そのもの、又はそれに所定の係数を乗じた値を自車レーン自信度とすることも可能である。
(3)上記の実施形態では、各レーンの進行方向別通行区分を表す矢印状の道路標示(矢印標示)を対象地物となり得る地物とする場合の例について説明した。しかし、対象地物となり得る地物はこれに限定されるものではなく、複数のレーンを有する道路の各レーンに配置される地物であれば、他の道路標示等の地物も対象地物とすることが可能である。
(4)上記の実施形態では、走行道路の複数のレーンの中の自車レーンの位置を、走行道路の各レーンについての自車レーン自信度で表現した自車レーン情報Sを生成し、ナビゲーション用演算部9へ出力する構成を例として説明した。しかし、このような自車レーン情報Sを生成することは必須ではなく、走行道路の各レーンについての自車レーン自信度を、各レーンについての情報としてそれぞれナビゲーション用演算部9等の情報出力対象へ出力する構成とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。
(5)上記の実施形態に係る、走行道路の各レーンについての自車レーン自信度の判定と、他のレーン判定方法とを併用することも、本発明の好適な実施形態の一つである。そのような他のレーン判定方法としては、例えば、画像認識結果に示される自車両の周辺の区画線の種別(実線、破線、二重線等の線種)及び各区画線と自車両との位置関係と、地図データベース22から取得される自車位置周辺の区画線の地物情報Fとに基づいて、自車両が進行中のレーンを判定する方法や、VICSからの情報、具体的には道路の各レーン上に設けられた発信器からの光ビーコン等からの情報により自車レーンを判定する方法等を用いることができる。
(6)上記の各実施形態では、レーン判定装置2を含むナビゲーション装置1の全ての構成が自車両に搭載される場合を例として説明した。しかし、本発明の適用範囲はこのような構成に限定されるものではない。すなわち、例えば、撮像装置21を除く一部の構成が、インターネット等の通信ネットワークを介して接続された状態で自車両の外に設置されており、ネットワークを介して情報や信号の送受信を行うことにより、レーン判定装置2及びナビゲーション装置1を構成することも、本発明の好適な実施形態の一つである。
(7)上記の各実施形態では、レーン判定装置2を、ナビゲーション装置1に利用する場合の例について説明した。しかし、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではなく、レーン判定装置2を車両の走行制御装置等の他の用途に利用することも当然に可能である。
本発明は、車両に搭載されるレーン判定装置、及びそれを用いたナビゲーション装置や車両制御装置等として好適に利用することが可能である。
本発明の実施形態に係るレーン判定装置を含むナビゲーション装置の概略構成を示すブロック図 地図データベースに格納されている地図情報及び地物情報の構成の例を示す説明図 自車両への撮像装置の配置構成の一例を示す図 本発明の実施形態に係る認識テーブルTの一例を示す図 互いに誤認識する可能性がある2つの地物種別の組み合わせの例を示す図 本発明の実施形態に係る自車レーン自信度の判定処理の具体例の説明図 本発明の実施形態に係る自車レーン自信度の判定処理の具体例の説明図 アプリケーションプログラムの構成及び各機能プログラムに応じて予め定められた自車レーン自信度のしきい値の一例を示す図 本発明の実施形態に係るレーン判定方法の全体処理順序を示すフローチャート 本発明の実施形態に係るレーン自信度判定方法の詳細な処理順序を示すフローチャート
符号の説明
1:ナビゲーション装置
2:レーン判定装置
4:画像情報取得部(画像情報取得手段)
5:画像認識部(画像認識手段)
6:自車位置情報取得部(自車位置情報取得手段)
7:データ抽出部(地物情報取得手段)
8:レーン判定部
9:ナビゲーション用演算部
11:レーン自信度判定部(レーン自信度判定手段)
12:自車レーン情報生成部(自車レーン情報生成手段)
21:撮像装置
22:地図データベース
28:案内情報出力手段
T:認識テーブル
M:地図情報
F:地物情報
G:画像情報
P:自車位置情報
S:自車レーン情報
AP:アプリケーションプログラム
fa:認識地物種別
Ft1〜Ft4:走行道路の各レーンの対象地物の地物種別

Claims (11)

  1. 自車両に搭載された撮像装置により撮像した画像情報を取得する画像情報取得手段と、
    自車両の現在位置を示す自車位置情報を取得する自車位置情報取得手段と、
    前記自車位置情報に基づいて、自車両が走行中の道路が複数のレーンを有する場合に、自車両の進行方向における前記各レーンに存在する対象地物の地物情報を取得する地物情報取得手段と、
    前記画像情報に対して、自車両が走行中のレーンである自車レーン内の前記対象地物の地物種別の画像認識処理を行う画像認識手段と、
    前記自車両が走行中の道路の各レーンについて、前記自車レーンである可能性の高さを表す自車レーン自信度を判定するレーン自信度判定手段と、
    前記対象地物となり得る複数の地物種別のそれぞれが前記画像認識手段による画像認識結果に示される認識地物種別となった場合について、前記画像認識処理に際して前記複数の地物種別のそれぞれが当該認識地物種別として認識される可能性の高さを表す認識係数を規定した認識テーブルと、を備え、
    前記レーン自信度判定手段は、前記認識地物種別と、前記地物情報取得手段により取得された前記地物情報に示される前記各レーンの対象地物の地物種別とに基づき、前記認識テーブルに規定された前記認識係数を用いて、前記画像認識処理に際して前記各レーンの対象地物の地物種別が前記認識地物種別として認識される可能性の高さを求め、当該可能性の高さに応じて、前記各レーンについての前記自車レーン自信度を判定するレーン判定装置。
  2. 前記レーン自信度判定手段は、前記認識地物種別と、前記各レーンの対象地物の地物種別と、前記認識テーブルとに基づいて、前記認識地物種別と前記各レーンの対象地物の地物種別との関係で規定された認識係数を前記各レーンの認識係数として求め、前記自車両が走行中の道路の全てのレーンの認識係数の合計に対して前記各レーンの認識係数が占める割合に応じた値を、前記各レーンの前記自車レーン自信度とする請求項に記載のレーン判定装置。
  3. 前記認識テーブルは、前記対象地物となり得る複数の地物種別のそれぞれが前記認識地物種別となった場合について、当該認識地物種別との関係で前記認識係数を規定する前記複数の地物種別を、前記認識地物種別と同一の地物種別、前記画像認識処理に際して前記認識地物種別と誤認識する可能性がある地物種別、及び前記画像認識処理に際して前記認識地物種別と誤認識する可能性がない地物種別の3つに分類し、各分類に属する地物種別に共通の値を前記認識係数として規定している請求項又はに記載のレーン判定装置。
  4. 前記画像認識処理に際して前記認識地物種別と誤認識する可能性がある地物種別は、当該地物種別の地物の形態の一部が画像認識できなかった場合に、前記認識地物種別として認識される可能性がある、前記認識地物種別とは異なる地物種別である請求項に記載のレーン判定装置。
  5. 前記対象地物となり得る地物は、道路の路面に設けられ、各レーンの進行方向別通行区分を表す矢印状の道路標示である請求項1からのいずれか一項に記載のレーン判定装置。
  6. 前記自車両が走行中の道路の複数のレーンの中の前記自車レーンの位置を、前記各レーンについての前記自車レーン自信度で表現した自車レーン情報を生成する自車レーン情報生成手段を更に備える請求項1からのいずれか一項に記載のレーン判定装置。
  7. 請求項1からのいずれか一項に記載のレーン判定装置と、前記地物情報を含む地図情報が格納された地図データベースと、前記地図情報及び前記レーン判定装置により判定された前記自車レーン自信度の情報を参照して動作するアプリケーションプログラムと、前記アプリケーションプログラムに従って動作して案内情報を出力する案内情報出力手段と、を備えるナビゲーション装置。
  8. 前記アプリケーションプログラムは複数の機能を有し、各機能に応じて定められたしきい値以上の前記自車レーン自信度の情報を用いて、各機能の動作を行う請求項に記載のナビゲーション装置。
  9. 所定の対象地物の画像認識処理による画像認識結果に示される認識地物種別の正確性の高さを求めるための認識テーブルであって、
    前記対象地物となり得る複数の地物種別のそれぞれが前記認識地物種別となった場合について、前記画像認識処理に際して前記複数の地物種別のそれぞれが当該認識地物種別として認識される可能性の高さを表す認識係数を規定した認識テーブル。
  10. 前記対象地物となり得る複数の地物種別のそれぞれが前記認識地物種別となった場合について、当該認識地物種別との関係で前記認識係数を規定する前記複数の地物種別を、前記認識地物種別と同一の地物種別、前記画像認識処理に際して前記認識地物種別と誤認識する可能性がある地物種別、及び前記画像認識処理に際して前記認識地物種別と誤認識する可能性がない地物種別の3つに分類し、各分類に属する地物種別に共通の値を前記認識係数として規定している請求項に記載の認識テーブル。
  11. 自車両に搭載された撮像装置により撮像した画像情報を取得する画像情報取得ステップと、
    自車両の現在位置を示す自車位置情報を取得する自車位置情報取得ステップと、
    前記自車位置情報に基づいて、自車両が走行中の道路が複数のレーンを有する場合に、自車両の進行方向における前記各レーンに存在する対象地物の地物情報を取得する地物情報取得ステップと、
    前記画像情報に対して、自車両が走行中のレーンである自車レーン内の前記対象地物の地物種別の画像認識処理を行う画像認識ステップと、
    前記対象地物となり得る複数の地物種別のそれぞれが前記画像認識ステップによる画像認識結果に示される認識地物種別となった場合について、前記画像認識処理に際して前記複数の地物種別のそれぞれが当該認識地物種別として認識される可能性の高さを表す認識係数を規定した認識テーブルを用いて、前記自車両が走行中の道路の各レーンについて、前記自車レーンである可能性の高さを表す自車レーン自信度を判定するレーン自信度判定ステップと、を備え、
    前記レーン自信度判定ステップでは、前記認識地物種別と、前記地物情報取得ステップにより取得された前記地物情報に示される前記各レーンの対象地物の地物種別とに基づき、前記認識テーブルに規定された前記認識係数を用いて、前記画像認識処理に際して前記各レーンの対象地物の地物種別が前記認識地物種別として認識される可能性の高さを求め、当該可能性の高さに応じて、前記各レーンについての前記自車レーン自信度を判定するレーン判定方法。
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