JP4885754B2 - ステッピングモータ制御回路及び電子時計 - Google Patents
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Description
図6において、ステッピングモータ102は、ロータ穴203を有するステータ201、ロータ穴203に回転可能に収納され2極(S極及びN極)に着磁したロータ202、ステータ201と一体化された磁心210、磁心210に巻回されたコイル211を備えている。コイル211は駆動パルスを供給するための第1端子O1、第2端子O2を有している。
また、ステータ201には、ロータ穴203に連続すると共にロータ穴203を挟んで対向する位置に2個の位置決め用凹部(内ノッチ)204、205が設けられている。
いま、ステッピングモータ制御回路(図示せず)から矩形波のパルス信号をコイル211の端子O1、O2に供給して図6の矢印方向に電流iを流すことにより、ステータ201に矢印C方向の磁束を発生させる。これにより、可飽和部208、209が先ず飽和して高磁気抵抗となり、その後、ステータ201に生じた磁極とロータ202の磁極との相互作用によって、ロータ202は図6の矢印B方向に180度回転し、安定的に停止する。
以後、前記の如くして、コイル211に対して極性の異なる信号(交番信号)を供給することにより、前記動作が繰り返し行われて、ロータ202を180度ずつ矢印B方向に連続的に回転させることができる。
その回転/非回転を判断する方法として,ロータの振動による誘起電圧(VRs)を検出する方式がある。この方法は任意に設定した所定の閾値レベル(Vcomp)を超えた場合を回転、そうでない場合を非回転と判断している。
この問題を解決するための方法として、誘起電圧VRsのレベルの検出に加えて、発生時刻を検出パラメータとする方法が考えられる(例えば、特許文献2参照)。
したがって、主駆動パルスP10による駆動が非回転の場合でも、ロータが早く動いて大きな誘起電圧VRsが得られ、前記誘起電圧VRsが所定の閾値レベルを超える場合がある。この場合、モータが非回転であっても回転と誤判断してしまい、回転ミスが発生するという問題がある。電子時計においてこのような問題が生じた場合、運針ミスが生じてしまうことになる。
また、本発明は、ステッピングモータを使用した電子時計において、駆動パルスのエネルギをランクダウンして最初に駆動した際の運針ミス等の発生を抑制することを課題としている。
制御手段は、第1主駆動パルスから第2主駆動パルスに切り換えて駆動する際、初回の前記第2主駆動パルスによる駆動時には、前記第2主駆動パルスによって駆動するとともに補正駆動パルスによっても駆動する。
また、前記制御手段は、前記初回の第2主駆動パルスによってステッピングモータが回転したと前記回転判断手段が判断した場合、次回は前記第2主駆動パルスのみによって駆動するように構成してもよい。
また、記憶手段を有し、前記制御手段は、前記ステッピングモータの駆動時に生じた誘起電圧のピーク信号発生時刻を前記記憶手段に記憶し、前記記憶手段に記憶した直前の駆動時のピーク信号発生時刻と今回の駆動時のピーク信号発生時刻とを比較し、今回の駆動時のピーク信号発生時刻が直前の駆動時のピーク信号発生時刻と同等か以後で、且つ、今回の駆動時の誘起電圧が前記所定の閾値レベルを超えた場合に、前記回転判断手段は前記ステッピングモータが回転したと判断するように構成してもよい。
また、前記ステッピングモータは、ロータ穴及びロータの停止位置を決める位置決め部を有するステータと、前記ロータ穴内に配設されたロータと、前記駆動パルスを供給するための第1端子及び第2端子を具備するコイルとを有し、前記コイルに極性の異なる主駆動パルスを交互に供給して前記ステータに磁束を発生させることによって前記ロータを回転させると共に、前記位置決め部に対応する位置に前記ロータを停止するように構成されて成り、前記制御手段は、前記第1、第2端子間に交互に極性の異なる前記主駆動パルスを供給することによって回転駆動すると共に、前記主駆動パルスによっては回転できなかったと前記回転判断手段が判断した場合には当該主駆動パルスと同極性の補正駆動パルスによって回転駆動するように構成してもよい。
また、前記制御手段は、前記記憶手段に記憶した直前の駆動時の誘起電圧のピーク信号発生時刻と今回の駆動時の誘起電圧のピーク信号発生時刻とを比較する場合、今回の主駆動パルスによる駆動によって発生した誘起電圧のピーク信号発生時刻と、前記今回の主駆動パルスとは異極性の主駆動パルスによって直前に駆動したときに発生した誘起電圧のピーク信号発生時刻とを比較するように構成してもよい。
本発明に係る電子時計によれば、駆動パルスのエネルギをランクダウンして最初に駆動した際の回転誤検出の発生を抑制し、確実な回転が可能になる。
図1において、電子時計は、ステッピングモータ102を駆動制御するためのステッピングモータ制御回路101、時刻針(時針、分針、秒針)等を回転駆動するためのステッピングモータ102、ステッピングモータ制御回路101及びステッピングモータ102に動作電力を供給する電源103を備えている。
尚、発振回路104、分周回路105、波形合成回路106、制御回路107及び駆動パルス回路108は制御手段を構成している。また、制御回路107及び回転検出手段109は、ステッピングモータ102が回転したか否かを判断する回転判断手段を構成している。
また、図3は、図1に示した電子時計におけるステッピングモータ102の回転検出動作及びパルス駆動動作を説明するためのタイミング図である。
図3において、同図(a)は、エネルギの大きい主駆動パルスから前記主駆動パルスよりもエネルギの小さい主駆動パルスにランクダウン(PCD)する前の波形図、同図(b)はPCDを行った際の初回の駆動状態を示す波形図で主駆動パルスによる駆動によってステッピングモータ102が回転した場合の波形図、同図(b’)はPCDを行った際の初回の駆動状態を示す波形図で主駆動パルスによる駆動ではステッピングモータ102が回転しなかった場合の波形図、同図(c)はPCDを行った後の2回目以降の駆動状態を示す波形図でステッピングモータ102が回転した場合の波形図である。
また、マスク時間T1は駆動パルスによる駆動後、回転検出を行わない時間であり、検出時間T2は回転検出を行う時間である。制御回路107は、検出手段109が検出時間T2において所定レベルの閾値Vcompを超える誘起電圧を検出できた場合に回転したと判断し、検出手段109が検出時間T2において所定レベルの閾値Vcompを超える誘起電圧を検出できなかった場合に回転しなかったと判断する。尚、Vmaxは検出信号である誘起電圧の最大値である。
先ず、時刻表示動作の概略を説明すると、制御回路107は、波形合成回路106を介して分周回路105から入力される時計信号を計数して現在時刻を計時し、波形合成回路106にパルス生成指示信号を出力して生成させたパルス幅信号を駆動パルス回路108に出力し、駆動パルス回路108は前記パルス幅信号に対応するパルス幅の主駆動パルス(第1主駆動パルス)によってステッピングモータ102を回転駆動する。
制御回路107は、前記第1主駆動パルスによる駆動によってステッピングモータ102が回転したと所定回数連続して判断した場合には、次回の駆動から主駆動パルスを1ランクランクダウンさせるために、波形合成回路106に1ランク狭いパルス幅信号を生成させるようにパルス生成指示信号を出力し、前記パルス幅信号に対応するパルス幅の主駆動パルス(前記第1主駆動パルスよりも1ランクパルス幅の狭い第2主駆動パルス)に変更してステッピングモータ102の回転制御を行う。
回転検出手段109は、ステッピングモータ102の駆動によって発生する誘起電圧を検出して検出信号Vとして制御回路107に出力する。
制御回路107は、検出信号Vが所定の閾値レベルVcompを超えていないと判断した場合(ステップS204)、補正駆動パルスP2によってステッピングモータ102を回転制御した後(ステップS215)(図3(b’)参照)、連続駆動回数Nを0、主駆動パルスのランクを1ランク上げて(P1nをP1(n+1)にして)、処理ステップS202に戻る(図3(a)に戻る)。
制御回路107は、Nが所定値になっていないと判断した場合には、再び同一パルス幅の主駆動パルスP1によって駆動し(ステップS207)、検出信号Vが所定の閾値レベルVcompを超えたと判断した場合には(ステップS208)、処理ステップS205に戻る。
したがって、PCDを用いたステッピングモータ制御回路において、PCDによってパルス幅をランクダウンした際の初回の主駆動パルスによってステッピングモータ102が回転するか否かに拘わらず、確実にステッピングモータ102を回転させることが可能になる。このように、最も回転誤検出する可能性のあったPCD直後の駆動パルスについて、主駆動パルスとともに補正駆動パルスを強制的に出力することで、確実に回転させることができため回転ミスの発生を抑制でき、より正確な時計運針が可能になる。
図1との相違点は、回転検出手段109によって検出した誘起電圧である検出信号中のピーク信号発生時刻を記憶する比較時間記憶回路110、回転検出手段109が今回検出した検出信号におけるピーク信号発生時刻と比較時間記憶回路110に記憶した直前の検出信号におけるピーク信号発生時刻とを比較し、比較結果に応じた信号を出力する検出時間比較判別回路111を備えている。
検出時間比較回路111は、回転検出手段109が今回検出したピーク検出信号の発生時刻と比較時間記憶回路110に記憶した直前のピーク検出信号の発生時刻とを比較し、比較結果に応じた信号を制御回路107に出力する機能を有している。
尚、発振回路104、分周回路105、波形合成回路106、制御回路107及び駆動パルス回路108は制御手段を構成している。制御回路107、回転検出手段109及び検出時間比較判別回路111は回転判断手段を構成している。また、比較時間記憶回路110は記憶手段を構成している。
以下、図4及び図5を用いて又、必要に応じて図3等を参照して、本第2の実施の形態に係るステッピングモータ制御回路及び電子時計の動作を、主に前記第1の実施の形態と相違する部分について説明する。
回転検出手段109は、ステッピングモータ102で発生した誘起電圧を検出して、検出時間T2において発生したピーク信号Vmax発生時刻を比較時間記憶回路110に記憶する(ステップS501)。
したがって、処理ステップS213のようにPCD後初めて主駆動パルスP1のみによって駆動した場合には、処理ステップS503において比較する直前のピーク信号Vmax発生時刻は処理ステップS501において比較時間記憶回路110に記憶したピーク信号Vmax発生時刻になる。
尚、本第2の実施の形態では、ピーク信号Vmax発生時刻の比較は、今回と直前のピーク信号発生時刻とを比較しているため、図6のステッピングモータ駆動用コイル211の端子01、02間に印加する主駆動パルスが一方の極性の場合と他方の極性の場合に発生するピーク信号Vmaxの発生時刻同士を比較している、即ち、異極性の主駆動パルスによって駆動した際に発生する2つのピーク信号発生時刻を比較している。
また、時刻針以外にも、カレンダ等を駆動するためのステッピングモータに適用可能である。
また、ステッピングモータの応用例として電子時計の例で説明したが、モータを使用する電子機器に適用可能である。
また、本発明に係る電子時計は、カレンダ機能付きアナログ電子腕時計、カレンダ機能付きアナログ電子置時計等の各種カレンダ機能付き電子時計をはじめ、各種の電子時計に適用可能である。
102・・・ステッピングモータ
103・・・電源
104・・・発振回路
105・・・分周回路
106・・・制御手段を構成する波形合成回路
107・・・制御手段及び回転判断手段を構成する制御回路
108・・・制御手段を構成する駆動パルス回路
109・・・回転判断手段を構成する回転検出手段
110・・・記憶手段を構成する検出時間記憶回路
111・・・回転判断手段を構成する検出時間比較判別回路
201・・・ステータ
202・・・ロータ
203・・・ロータ穴
204、205・・・位置決め部を構成する内ノッチ
206、207・・・外ノッチ
208、209・・・可飽和部
210・・・磁心
211・・・コイル
O1・・・第1端子
O2・・・第2端子
Claims (11)
- ステッピングモータと、前記ステッピングモータの回転によって生じる誘起電圧が所定の閾値を超えたときに前記ステッピングモータが回転したと判断する回転判断手段と、前記ステッピングモータを第1主駆動パルスによって駆動した場合に前記ステッピングモータが回転したと前記回転判断手段が判断したとき、前記第1主駆動パルスよりもエネルギの小さい第2主駆動パルスに切り換えて駆動すると共に、前記第1主駆動パルスでは前記ステッピングモータが回転しなかったと前記回転判断手段が判断したときに前記第1主駆動パルスよりもエネルギの大きい補正駆動パルスによる駆動によって前記ステッピングモータを回転駆動する制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記第1主駆動パルスから前記第2主駆動パルスに切り換えて駆動する際、初回の前記第2主駆動パルスよる駆動時には、前記第2主駆動パルスによって駆動するとともに前記補正駆動パルスによっても駆動することを特徴とするモータ制御回路。 - 前記制御手段は、前記回転判断手段が前記ステッピングモータは前記第1主駆動パルスによって回転したと連続して所定回数判断したとき、前記第2主駆動パルスによる駆動に切り換えて駆動することを特徴とする請求項1記載のステッピングモータ制御回路。
- 前記制御手段は、前記初回の第2主駆動パルスによってステッピングモータが回転したと前記回転判断手段が判断した場合、次回は前記第2主駆動パルスのみによって駆動することを特徴とする請求項1又は2記載のモータ制御回路。
- 前記制御手段は、前記初回の第2主駆動パルスによってステッピングモータが回転しなかったと前記回転判断手段が判断した場合、次回は前記第1主駆動パルスに切り換えて駆動することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一に記載のモータ制御回路。
- 前記制御手段は、記憶手段を有し、前記ステッピングモータの駆動時に生じた誘起電圧のピーク信号発生時刻を前記記憶手段に記憶し、前記記憶手段に記憶した直前の駆動時のピーク信号発生時刻と今回の駆動時のピーク信号発生時刻とを比較し、今回の駆動時のピーク信号発生時刻が直前の駆動時のピーク信号発生時刻と同等か以後で、且つ、今回の駆動時の誘起電圧が前記所定の閾値レベルを超えた場合に、前記回転判断手段は前記ステッピングモータが回転したと判断することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一に記載のステッピングモータ制御回路。
- 前記制御手段は、前記第1主駆動パルスから前記第2主駆動パルスに切り換えて駆動する場合、初回の前記第2主駆動パルスとともに前記補正駆動パルスによって駆動したときには、前記駆動によって発生した誘起電圧のピーク信号発生時刻は前記記憶手段には記憶しないようにすることを特徴とする請求項5記載のモータ制御回路。
- 前記ステッピングモータは、ロータ穴及びロータの停止位置を決める位置決め部を有するステータと、前記ロータ穴内に配設されたロータと、前記駆動パルスを供給するための第1端子及び第2端子を具備するコイルとを有し、前記コイルに極性の異なる主駆動パルスを交互に供給して前記ステータに磁束を発生させることによって前記ロータを回転させると共に、前記位置決め部に対応する位置に前記ロータを停止するように構成されて成り、
前記制御手段は、前記第1、第2端子間に交互に極性の異なる前記主駆動パルスを供給することによって回転駆動すると共に、前記主駆動パルスによっては回転できなかったと前記回転判断手段が判断した場合には当該主駆動パルスと同極性の補正駆動パルスによって回転駆動することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一に記載のステッピングモータ制御回路。 - 前記制御手段は、前記補正駆動パルスを出力する際に前記ステータの残留磁束を消磁させるパルスを備えていることを特徴とする請求項7記載のステッピングモータ制御回路。
- 前記制御手段は、前記記憶手段に記憶した直前の駆動時の誘起電圧のピーク信号発生時刻と今回の駆動時の誘起電圧のピーク信号発生時刻とを比較する場合、今回の主駆動パルスによる駆動によって発生した誘起電圧のピーク信号発生時刻と、前記今回の主駆動パルスとは異極性の主駆動パルスによって直前に駆動したときに発生した誘起電圧のピーク信号発生時刻とを比較することを特徴とする請求項7又は8記載のステッピングモータ制御回路。
- 前記制御手段は、前記記憶手段に記憶した直前の駆動時の誘起電圧のピーク信号発生時刻と今回の駆動時の誘起電圧のピーク信号発生時刻とを比較する場合、今回の主駆動パルスによる駆動によって発生した誘起電圧のピーク信号発生時刻と、前記今回の主駆動パルスと同極性の主駆動パルスによって直前に駆動したときに発生した誘起電圧のピーク信号発生時刻とを比較することを特徴とする請求項7又は8記載のステッピングモータ制御回路。
- 時刻針をステッピングモータの駆動力によって回転駆動する電子時計において、前記ステッピングモータとして、請求項1乃至10のいずれか一に記載のステッピングモータを用いたことを特徴とする電子時計。
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