JP4885093B2 - ブースターアンテナコイル - Google Patents
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Description
(2) 前記第1の共振回路は、外部との通信用の搬送周波数が、双峰特性の2つのピークの間に設定されている。
(3) 前記第1のアンテナコイルを流れる電流による誘導電流により前記第2のアンテナコイルから発生する磁界の磁界強度に対し、前記第2のアンテナコイルを含む前記第2の共振回路が無い場合に前記第1のアンテナコイルから発生する磁界の磁界強度の比の値が1を超えるように、前記電源により前記第1のアンテナコイルを流れる電流値が設定されている。
(4) 前記第1のアンテナコイルを含む前記第1の共振回路と前記第2のアンテナコイルを含む前記第2の共振回路との結合係数が、概ね0.015〜0.1となるように、前記第1のアンテナコイルのインダクタンス、前記第2のアンテナコイルのインダクタンス、前記第1のアンテナコイル及び前記第2のアンテナコイルの相互インダクタンスが設定されている。
(5) 前記第1のアンテナコイルと前記第2のアンテナコイルとの間に磁性部材が配置されている。
[構成]
まず、本実施形態の基本構成を、図1及び図2を参照して説明する。すなわち、本実施形態は、RFIDリーダライタ1側に設けられたPコイル11及び共振用回路12、ブースターアンテナ2を構成するQコイル21及びキャパシタ22、RFIDリーダライタ1との通信を行うRFIDタグ3等によって構成されている。
M:相互インダクタンス
Np:Pコイルの巻き数
Nq:Qコイルの巻き数
a:Pコイルの半径
b:Qコイルの半径
z:中心軸上の距離
k:結合係数
Lp:Pコイルのインダクタンス
Lq:Qコイルのインダクタンス
以上のような本実施形態の作用効果を、実際に作製した複数の実施例と比較例に基づいて説明する。
まず、比較例1と、本実施形態を適用した実施例1〜9について、所定の入力電圧による磁界強度について、シミュレーションを行った結果のデータを示す。ここで、シミュレーションを磁界強度に着目して行ったのは、次の理由による。
Z:コイル中心からの距離(m)
a:コイルの半径
H(z):コイル中心からの距離Zでの磁界の強さ(A/m)
N:巻き数
I:コイル電流(A)
・X=13.56±0.05MHz → K=0.015が最適
・X=13.56±0.1MHz → K=0.015〜0.03が最適
・X=13.56±0.25MHz → K=0.03〜0.04が最適
・X=13.56±0.5MHz → K=0.04〜0.06が最適
なお、上記の設定で、双峰特性が発生していることを実証するために、Qコイル22の共振周波数が13.56MHzの場合(上記のB)、Qコイル22に流れる電流Iqの周波数特性をシミュレーションした結果を、表3及び図5のグラフに示す。この表3及び図5から明らかな通り、結合係数が0.01の場合(B4)には単峰特性を示すが、0.01より大きい場合(B1〜B3)には、双峰特性となり、搬送周波数13.56MHzは、双峰特性の2つのピークの中間に来ていることが判る。
[構成]
本実施形態は、上記の第1の実施形態とほぼ同様の構成を有している。但し、図6に示すように、Pコイル11とQコイル21との間に、磁性部材4を配置したことを特徴としている。この磁性部材4は、例えば、軟磁性フェライトゴムや軟磁性金属等のシートとすることが考えられるが、これらには限定されない。また、磁性部材4をPコイル11若しくはQコイル21から離すか、Pコイル11若しくはQコイル21に密着させるかも自由である。なお、図7は、磁性部材4の上にQコイル21を配置した例である。
[通信距離の延長…実施例13〜16]
比較例3,4と、本実施形態の実施例13〜16について、通信距離の測定を行った結果のデータを、表4及び図8のグラフに示す。測定対象である比較例3,4、実施例13〜16は、以下の L,M1〜M4,Nである(搬送周波数13.56MHz)。
L:PコイルのみでQコイルがない場合(比較例3)
M1〜M4:PコイルとQコイルがあり、結合係数Kを変化させたもの(実施例13〜15)
N:PコイルとQコイルがあり、PコイルとQコイルの間に磁性部材を配置したもの(実施例16)
・Pコイル:半径3.5mm、巻き数7T、共振周波数13.56MHz
・Qコイル:半径18mm、巻き数3T、共振周波数13.56MHz
・磁性部材:軟磁性フェライトゴムシート、厚み500μm、大きさ半径20mm、Qコイルに密着
本実施形態の実施例17〜26について、通信距離の測定を行った結果のデータを、表5及び図9のグラフに示す。測定対象である実施例17〜26は、Pコイル11とQコイル21との間に磁性部材(磁性シート)を配置したものであり、以下の S1〜S7,T1〜T3に対応する(搬送周波数13.56MHz)。
S1〜S7:磁性シートとして、軟磁性フェライトゴムシートを用いたものであり、Qコイル21の共振周波数の誤差を、+0.46〜−0.44MHzとしたもの
T1〜T3:磁性シートとして、軟磁性金属シートを用いたものであり、Qコイル21の共振周波数の誤差を、±0.15MHzとしたもの
・Pコイル条件:半径3.5mm、巻き数7T、共振周波数13.56MHz
・Qコイル条件:外形38×26mm、巻き数3T
・PコイルとQコイルの距離:5mm
・磁性シート:大きさ40×28mm、Qコイルに密着
本実施形態の実施例24,27,28について、通信距離の測定を行った結果のデータを、表6及び図10のグラフに示す。測定対象である実施例24,27,28は、Pコイル11とQコイル21との間に磁性部材(磁性シート)を配置したものであり、以下の T1,T4,T5に対応する(搬送周波数13.56MHz)。
T1:上記の通り、磁性シートとして、軟磁性金属を用いたものであり、磁性シートの厚みを100μmとしたもの
T4:磁性シートとして、軟磁性金属を用いたものであり、磁性シートの厚みを250μmとしたもの
T5:磁性シートとして、軟磁性金属を用いたものであり、磁性シートの厚みを500μmとしたもの
・Pコイル条件:半径3.5mm、巻き数7T、共振周波数13.56MHz
・Qコイル条件:外形38×26mm、巻き数3T、共振周波数13.56MHz
・PコイルとQコイルの距離:5mm
・磁性シート:大きさ40×28mm、Qコイルに密着
Pコイル11に金属板が近付くと、アンテナコイルからの磁束によって渦電流が生じ、反対向きの磁界(反磁界)発生する。この反磁界の影響でアンテナコイルのL値が減少して、共振周波数が高周波側にシフトした場合でも同じ効果が得られる。これは、Qコイル21の共振周波数がシフトし(ズレ)ても安定した通信が得られることと同じ原理である。
[構成]
本実施形態は、上記の第1の実施形態とほぼ同様の構成を有しているが、搬送周波数の設定範囲が異なっている。すなわち、上記の実施形態では、双峰特性の2つのピークの間に搬送周波数を設定している。しかし、2つのピークの外に外れた場合であっても、磁界強度比が1を超える場合には通信距離の延長効果は期待できる。
比較例1,5と、本実施形態の実施例29,30について、磁界強度の測定を行った結果のデータを、表8及び図14のグラフに示す。測定対象である比較例1,5、実施例29,30は、以下の L,R,T,Uである。
L:PコイルのみでQコイルがない場合(比較例1)
R:PコイルとQコイルがあり、Pコイル及びQコイルの共振周波数を13.56MHz、結合係数Kを0.12としたもの(比較例5)
U:PコイルとQコイルがあり、磁界強度比が1を超えるように、Pコイル及びQコイルの共振周波数を13.56MHz、結合係数を0.05としたもの(実施例29)
W:PコイルとQコイルがあり、磁界強度比が1を超えるように、Pコイル及びQコイルの共振周波数を14.32MHz、結合係数を0.12としたもの(実施例30)
・Pコイル:半径3.5mm、巻き数7T
・Qコイル:半径15mm、巻き数3T
・搬送周波数:13.56MHz
・磁界強度の観察点:Qコイル中心から40mm
本発明は、上記のような実施形態に限定されるものではなく、各部材の材質、大きさ、形状、数、配置等は、適宜変更可能である。例えば、Pコイル、Qコイルの大きさや形状は、図1で例示したものには限定されない。従って、円形、楕円形、方形、その他の形状であってもよい。
2…ブースターアンテナ
3…RFIDタグ
4…磁性部材
11…Pコイル
21…Qコイル
Claims (5)
- 第1のアンテナコイル、キャパシタ及び電源を含み、所定の共振周波数により共振する第1の共振回路と、第2のアンテナコイル及びキャパシタを含み、所定の共振周波数により共振する第2の共振回路とを有する結合共振回路を備え、
前記第1のアンテナコイルと前記第2のアンテナコイルは、双峰特性が生じる位置に配設され、
前記第1のアンテナコイルを含む前記第1の共振回路は、外部との通信用の搬送周波数が、双峰特性の2つのピークの間に設定され、
前記第1のアンテナコイルを流れる電流による誘導電流により前記第2のアンテナコイルから発生する磁界の磁界強度に対し、前記第2のアンテナコイルを含む前記第2の共振回路が無い場合に前記第1のアンテナコイルから発生する磁界の磁界強度の比の値が1を超えるように、前記電源により前記第1のアンテナコイルを流れる電流値が設定されていることを特徴とするブースターアンテナコイル。 - 第1のアンテナコイル、キャパシタ及び電源を含み、所定の共振周波数により共振する第1の共振回路と、第2のアンテナコイル及びキャパシタを含み、所定の共振周波数により共振する第2の共振回路とを有する結合共振回路を備え、
前記第1のアンテナコイルと前記第2のアンテナコイルは、双峰特性が生じる位置に配設され、
前記第1のアンテナコイルを含む前記第1の共振回路は、外部との通信用の搬送周波数が、双峰特性の2つのピークの間に設定され、
前記第1のアンテナコイルを含む前記第1の共振回路と前記第2のアンテナコイルを含む前記第2の共振回路との結合係数が、概ね0.015〜0.1となるように、前記第1のアンテナコイルのインダクタンス、前記第2のアンテナコイルのインダクタンス、前記第1のアンテナコイル及び前記第2のアンテナコイルの相互インダクタンスが設定されていることを特徴とするブースターアンテナコイル。 - 第1のアンテナコイル、キャパシタ及び電源を含み、所定の共振周波数により共振する第1の共振回路と、第2のアンテナコイル及びキャパシタを含み、所定の共振周波数により共振する第2の共振回路とを有する結合共振回路を備え、
前記第1のアンテナコイルと前記第2のアンテナコイルは、双峰特性が生じる位置に配設され、
前記第1のアンテナコイルを流れる電流による誘導電流により前記第2のアンテナコイルから発生する磁界の磁界強度に対し、前記第2のアンテナコイルを含む前記第2の共振回路が無い場合に前記第1のアンテナコイルから発生する磁界の磁界強度の比の値が1を超えるように、前記電源により前記第1のアンテナコイルを流れる電流値が設定されていることを特徴とするブースターアンテナコイル。 - 第1のアンテナコイル、キャパシタ及び電源を含み、所定の共振周波数により共振する第1の共振回路と、第2のアンテナコイル及びキャパシタを含み、所定の共振周波数により共振する第2の共振回路とを有する結合共振回路を備え、
前記第1のアンテナコイルと前記第2のアンテナコイルは、双峰特性が生じる位置に配設され、
前記第1のアンテナコイルを含む前記第1の共振回路と前記第2のアンテナコイルを含む前記第2の共振回路とは、互いに異なる共振周波数が設定され、
前記第1のアンテナコイルを流れる電流による誘導電流により前記第2のアンテナコイルから発生する磁界の磁界強度に対し、前記第2のアンテナコイルを含む前記第2の共振回路が無い場合に前記第1のアンテナコイルから発生する磁界の磁界強度の比の値が1を超えるように、前記電源により前記第1のアンテナコイルを流れる電流値が設定されていることを特徴とするブースターアンテナコイル。 - 前記第1のアンテナコイルと前記第2のアンテナコイルとの間に磁性部材が配置されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のブースターアンテナコイル。
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