JP4864597B2 - 開閉体制御装置 - Google Patents
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Description
そこで、スライドルーフの停止時に衝突音を発生させにくくするため、機械的ロック位置の若干手前の位置でモータを停止させ、停止後の慣性力によりスライドルーフを全開位置まで移動させる技術が知られている(例えば、特許文献1)。この特許文献1の技術では、開閉体を駆動するモータと、モータの回転に基づくパルスを発生するパルス発生手段と、パルスを計数する計数手段と、計数手段からの出力信号に応じてモータの制御を行う制御部と、を備え、モータの回転によるパルスのカウント値に基づいて、開閉体の位置を間接的に取得している。そして、所定の原点位置からのパルス数をカウントして、このカウント値がスライドルーフの全開位置の手前の所定位置となったときにモータの回転を停止している。
具体的には、ロック位置モータの回転駆動によりスライドルーフ(すなわち、開閉体)を摺動させる作動領域を設定し、作動領域内で所定のフェール検出区間を設定して、この区間におけるパルスの絶対カウント値の範囲を予め記憶し、スライドルーフが過負荷検知により停止したときに計数手段がカウントしたパルスのカウント値がフェール検出区間のパルスの絶対カウント値の範囲内であるとき、ロック位置におけるパルス情報をリセットするものである。これにより、スライドルーフに位置ずれが生じた場合に原点位置をリセットして、位置ずれを補正することが可能となる。
一般に、経時変化等による位置ずれは、基準位置をリセットしなければその状態が持続する、いわば継続的なものである。一方、異物による過負荷状態は、異物を取り除けば正常状態に復帰する、いわば一時的なものである。このため、異物の挟み込みによるスライドルーフの停止を位置ずれによる停止と誤認してパルス情報をリセットしてしまうと、異物が取り除かれた後ではスライドルーフの実際の位置とパルス情報が一致せずに、適切な位置でスライドルーフの停止が行えなくなるという不都合があった。
そこで、本発明の開閉体制御装置では、一方のロック端側の作動領域内で開閉体が停止した場合に、位置ずれの可能性があるとして停止の発生を示す停止情報を記憶する。この状態で、開閉体が反対側のロック端と当接することにより停止したときは、その停止状態に基づいて、先のロック停止が位置ずれによるものか異物等の侵入によるものなのかを判別している。
このようにすることで、開閉体の停止が検出されたロック端側と反対側のロック端での停止状態に基づいて、先の停止が位置ずれによるものか否かを正確に判別することが可能となる。
このようにすることで、一方のロック端側で停止したときの開閉体の停止位置を知ることができる。このため、この停止位置を基準に、反対側のロック端での停止位置情報を取得することができる。そして、反対側のロック端での停止位置(すなわち、停止状態)に基づいて、先の停止が位置ずれによるものか否かを正確に判別することができる。
このようにすることで、開閉体を反対側のロック端に確実に当接させることが可能となる。これにより、反対側のロック端との当接による停止状態を確実に検知するとともに、その停止状態を得ることが可能となる。したがって、先の停止の原因が位置ずれによるものか否かを正確に判別することが可能となる。
具体的には、請求項5の開閉体制御装置のように、請求項4の要件に加えて、前記位置ずれ判別手段は、前記移動距離が前記摺動可能範囲と同一又はこれよりも長いことを条件に、前記設定された作動領域に位置ずれが生じていると判別するとよい。
あるいは、請求項6の開閉体制御装置のように、請求項4の要件に加えて、前記位置ずれ判別手段は、前記移動距離が前記摺動可能範囲よりも短いことを条件に、前記設定された作動領域に位置ずれが生じていないと判別するとよい。
そこで、請求項4の開閉体制御装置では、一方のロック端側での停止位置から反対側のロック端までの開閉体の移動距離に応じて、位置ずれか否かを判別している。
具体的には、移動距離が摺動可能範囲分の距離と同一又はこれよりも長い場合、位置ずれが生じていると判断する。一方、移動距離が摺動可能範囲分の距離よりも短い場合、位置ずれが生じていないと判断する。このようにすることで、先に停止の原因が位置ずれによるものか否かを正確に判別することが可能となる。
このようにすることで、先の停止の原因が位置ずれによるものか否かを正確に判別することが可能となる。
このようにすることで、ロック検出されたロック端と反対側に摺動する場合のみならず、同じロック端側へ摺動したときの開閉体の停止状態に基づいて、位置ずれか否かを判別することが可能となる。これにより、位置ずれか否かを判別する条件が増し、長期に亘って判別不能状態が持続して位置ずれにより開閉体の動作不良が持続することを防止できる。また、判別条件が増えることで、より正確に位置ずれか否かを判別することが可能となる。
図1〜図9は本発明の一実施形態に係るものであり、図1は車体に搭載されたサンルーフ装置を斜め上方から見た状態を示す要部斜視図、図2は開閉体制御装置及びその周辺装置の電気的構成を示すシステムブロック図、図3はスライドルーフの位置とカウント情報との対応関係を示す説明図、図4〜9は開閉体制御装置によるスライドルーフの開閉制御処理のフローチャートである。
図1は、サンルーフ装置を搭載した自動車1の要部斜視図であって、自動車1のルーフパネル2に形成された天窓3(すなわち、開口部)に対して、開閉体としてのスライドルーフ4が設けられている。スライドルーフ4の車体前方部には、駆動モータ及び制御回路等を搭載したコントローラ5が設けられている。スライドルーフ4は、このコントローラ5の駆動モータにより前後及び上下移動することが可能となっている。なお、コントローラ5は、本発明の開閉体制御装置に相当する。
スライドルーフ4には、これを摺動させるスライダー(不図示)に連結されている。スライダーは、車体進行方向に向けて車体天面に配設されたレール(不図示)と係合し、これに沿って摺動可能な部材である。スライダーにはスライドルーフ4が固定されており、スライダーの摺動に伴ってスライドルーフ4も摺動可能となっている。後述するチルト作動領域ではスライダーの摺動に伴いスライドルーフ4が上下に摺動(チルト動作)し、スライド作動領域ではスライダーの摺動に伴いスライドルーフ4が前後に摺動(スライド動作)する。
バッテリー11は、イグニッションスイッチ12と、チルトスイッチ13と、スライドスイッチ14と、車速センサ15と、に電気的に接続される。これらの各種スイッチは、コントローラ5の入力部22に電気的に接続されている。入力部22は、これらスイッチ等と電気的に接続され、操作信号等を制御部23に送信するための装置である。
なお、停止検知手段としては、本実施形態のようにモータ25の負荷を検出する手段に限定されず、スライドルーフ4の移動を直接監視する光センサ等を用いて停止位置を検出するようにしてもよい。
まず、位置ずれによる場合について説明する。
図の(b)に示すように、スライド側に向けて位置ずれが生じると、スライドルーフ4の摺動がスライドロック端(Xb)で機械的に停止し、モータ25に過負荷が生じる。コントローラ5の制御部23は、この過負荷を検知し、これがスライドロック端(Xb)側の位置ずれ検出領域で生じた場合には、位置ずれの可能性ありと判断する。
図の(d)に示すように、スライド側に異物が侵入すると、スライドルーフ4がスライドロック端(Xb)まで摺動することが阻止される。このとき、モータ25に過負荷が検知される。例えば、スライド側の977パルス数の位置で異物によるロック停止が生じたとすると、その際に検知される過負荷はスライド側の位置ずれ検出領域内であるため、位置ずれと誤認される可能性がある。
逆に、異物が取り除かれていなければ、スライドルーフ4は、再度同じ位置(この場合、977パルス数の位置)で異物に当接して停止する。
1.一方のロック端側でロック停止を検出すると、制御部23は、位置ずれの可能性ありとしてその停止位置情報をパルス数として記憶するとともに、モータ25をロック端で停止させる制御を解除する。
2.その後、先にロック停止したロック端と反対側のロック端にスライドルーフ4が摺動し、そのロック端で停止した場合に、その停止位置をパルス数として記憶する。
3.先のロック停止位置におけるパルス数から反対側のロック端で停止したときの停止位置におけるパルス数を減算し、先のロック停止位置から反対側のロック端での停止位置までのスライドルーフ4の移動距離を算出する。
4.その移動距離が、サンルーフ摺動可能距離以上であれば位置ずれと判断し、サンルーフ摺動可能距離よりも小さければ異物の侵入によるものと判断する。
5.上記1の後、先にロック停止したロック端と同じ側のロック端にスライドルーフ4が摺動し、そのロック端の全開位置又はそれよりもロック端側までスライドルーフ4が摺動した場合に、先のロック停止が異物の挟み込みによるもので既に異物が取り除かれたと判断する。
コントローラ5の制御部23は、上述したように位置ずれ判別プログラムを備えている。この位置ずれ判別プログラムは、制御部23のメモリ領域に原点位置を数値情報として記憶させる原点位置記憶処理と、原点位置が初期化されているか否かを初期化済みフラグをセットして記憶させる初期化記憶処理と、原点位置を基準にモータ25からのパルス数をカウントしてスライドルーフ4の現在位置を数値情報として記憶させる現在位置記憶処理と、ロック停止が生じたときに位置ずれが生じた可能性があるとしてそのロック位置がスライド側かチルト側かの情報とそのときの停止位置を記憶させる位置ずれ記憶処理と、をMPU23aに実行させる。位置ずれ判別プログラムを実行するMPU23aと位置ずれ判別プログラムを記憶するメモリ23bが、本発明の位置ずれ判別手段に相当する。
原点位置が初期化されていない場合は、ステップS10に進んで初期化処理を行う(図5)。原点位置が初期化されている場合は、ステップS2で現在のモータの動作モードを判別し、モータ25が作動している場合は動作モード(オープン作動、クローズ作動、ダウン作動、アップ作動)に応じた処理を行う。
ステップS2で動作モードがオープン作動であると判定された場合(B)、ステップS20でロック検出されたか否かを判定する。この結果、ロック検出がないと判定されると、ステップS21に進んで現在位置がスライド全開位置(Sb)よりも全閉位置(C)側であれば(現在位置<スライド全開位置)処理を抜ける。一方、現在位置がスライド全開位置(Sb)よりもスライドロック端(Xb)側であれば(現在位置≧スライド全開位置)ステップS22に進み、メモリ23bに記憶されている位置ずれ検出情報を取得し、以前にスライド側でロック状態(すなわち、位置ずれの可能性ありの状態)が検出されたか否かを判定する。
まず、最初にオープン作動中にスライドロック端(Xb)側でロック停止が検出されると、ステップS20でロック検出ありと判断され、ステップS24で以前にチルト側で位置ずれが検出されたか否かが判断される。今回のロック検出が最初であるため、ステップS25,ステップS26でスライドロック位置を現在位置とし、位置ずれ検出位置を「スライド側」としたのち、ステップS31でモータ25を作動停止させる。これにより、スライド側で位置ずれが発生した可能性があることが記憶された状態となる。
すなわち、最初にチルトロック端(Xa)側でロックが検出されると、ステップS40でロック検出ありと判断され、ステップS46でチルトロック位置を現在位置とし、位置ずれ検出位置を「チルト側」とする。これにより、チルト側で位置ずれが発生した可能性があることが記憶された状態となる。
次に、再度アップ作動がされた場合、ステップ40でロック検出なしと判定され、続くステップS41でチルト全開位置(Sa)までスライドルーフ4が摺動すると、ステップS42に進んで以前にチルト側でロック検出されたか否かが判定される。その結果、以前にチルト側で位置ずれ検出ありと判定されると、前回のチルト側でのロック検出が異物等の挟み込みによるものであり、すでにその異物が取り除かれたと判断して、ステップS50で位置ずれ検出なしに変更する。
Claims (7)
- 一方のロック端と他方のロック端との間を摺動可能範囲として開閉体を摺動させる駆動モータと、
前記ロック端のうちいずれかのロック端を基準に、一方のロック端手前と他方のロック端手前であって前記駆動モータの停止位置に設定されるそれぞれの全開位置の間を前記摺動可能範囲内の所定の範囲として前記開閉体の作動領域として設定する作動領域設定手段と、
前記駆動モータによる前記開閉体の作動範囲が、前記作動領域内となるように前記駆動モータを制御する駆動モータ制御手段と、
前記開閉体の停止を検知する停止検知手段と、
前記停止検知手段により前記一方のロック端側の作動領域内で前記開閉体の停止が検知された場合に、前記設定された作動領域に位置ずれが発生した可能性があるとして、停止の発生を示す停止情報を記憶する停止情報記憶手段と、
前記停止情報記憶手段によって停止情報が記憶されて、前記作動領域のなかの前記全開位置にて停止する制御が解除された状態で、前記開閉体が再度作動して前記一方のロック端とは反対側のロック端に当接して停止したときの停止状態に基づいて、前記設定された作動領域に位置ずれが発生しているか否かを判別する位置ずれ判別手段と、を備えたことを特徴とする開閉体制御装置。 - 前記停止情報記憶手段は、前記開閉体の停止位置を停止情報として記憶することを特徴とする請求項1に記載の開閉体制御装置。
- 前記駆動モータ制御手段は、前記停止情報記憶手段が前記停止情報を記憶したことを条件に、前記開閉体が前記ロック端に当接するまで作動を可能とすることを特徴とする請求項1に記載の開閉体制御装置。
- 前記位置ずれ判別手段は、前記一方のロック端側の前記停止位置から前記反対側のロック端に当接して停止するまでの前記開閉体の移動距離に応じて、前記設定された作動領域の位置ずれの状態を判別することを特徴とする請求項1に記載の開閉体制御装置。
- 前記位置ずれ判別手段は、前記移動距離が前記摺動可能範囲と同一又はこれよりも長いことを条件に、前記設定された作動領域に位置ずれが生じていると判別することを特徴とする請求項4に記載の開閉体制御装置。
- 前記位置ずれ判別手段は、前記移動距離が前記摺動可能範囲よりも短いことを条件に、前記設定された作動領域に位置ずれが生じていないと判別することを特徴とする請求項4に記載の開閉体制御装置。
- 前記位置ずれ判別手段は、前記停止情報記憶手段によって停止情報が記憶された状態で、前記開閉体が前記一方のロック端と同じロック端側に向けて再度作動したときに、前記一方のロック端側の作動領域の端部又は該端部よりも前記一方のロック端側まで摺動したことを条件に、前記設定された作動領域に位置ずれが生じていないと判別することを特徴とする請求項1に記載の開閉体制御装置。
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