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JP4802381B2 - 開閉体の挟み込み検知装置 - Google Patents

開閉体の挟み込み検知装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、固定部材に対して開閉動作を行う開閉体の挟み込み検知装置に関するものであり、特に、挟み込み検知装置の制御に係わるものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、車両ではサンルーフやウィンドレギュレータといった開閉窓(開閉体)をモータにより動作させる場合、異物等を挟み込んだ場合を検出し、開閉体を停止させたり、このような挟み込みを検知した場合には開閉体動作方向とは逆方向へ反転駆動するなどの安全機構が設けられている。
【0003】
このように、異物の挟み込みの検出にはモータトルクの変動を検出してやれば挟み込みが検知でき、ホール素子等を用いた回転検出センサにより開閉体を駆動するモータのモータ回転状態を検出し、回転検出センサからのパルス信号に基づき、挟み込み検出を行う方法が知られている。
【0004】
例えば、特開平6−280446号公報には、開閉体駆動用のモータの駆動速度や駆動加速度が、開閉体の駆動速度あるいは駆動加速度に基づいて設定される所定のしきい値以下であると挟み込み現象発生と判定される開閉制御装置が開示されている。この装置は、パワーウィンドウを駆動するモータの回転をモータ位置検出センサにより検出し、モータ回転速度およびモータ回転加速度を算出し、モータ回転速度変化が定常である場合にはモータ回転速度を速度しきい値と比較し、モータ回転速度変化が定常でない場合にはモータ回転加速度を加速度しきい値と比較してモータの反転制御を行っている。
【0005】
また、特開平8−4416号公報には、窓ガラスが安全制御動作領域内にあるとき、相対速度が所定値より大きく、窓ガラスの閉塞時の速度変化が複数回連続するとき、各変化量の和が他の所定値より大きいときに挟み込みが検出される挟み込み防止装置が開示されている。この装置では、窓ガラスを駆動するモータ回転状態をパルス信号の時間間隔よりエッジ間隔時間Tnを検出し、角速度成分データにFn=1/Tnの関係式より変換し、電圧補正データおよび相対速度Vnを求め、相対速度の和DVnを算出する。この相対速度の和が所定値より大きい場合に挟み込みが判定される。
【0006】
更に、特開平8−128259号公報には、ウィンドウの閉動作中において、ホール素子からのパルス信号の出力間隔に相当する周期に基づき異物の挟み込み判定のためのしきい値を設定して、挟み込みの有無を判定するウィンドウ開閉制御装置が開示されている。この装置は、挟み込み可能範囲内でパルス信号のウィンドウを駆動するモータのモータ回転を検出するセンサのパルス信号の周期を読み出し、周期範囲ΔTiとしきい値miとの関係をマップから読み出して、パルス信号周期変化率αを算出し、この周期変化率αにより異物の挟み込みを検出する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した特開平6−280446号公報や特開平8−4416号公報に示されるものは、モータの回転速度を求める必要があり、モータ回転速度を求める場合、パルス周期の逆数をとるため、演算過程において除算処理が必要になる。一般的に、加算、減算、乗算に比べると、除算は演算時間を要し、プログラム容量の増大を招く。また、パルス周期を求め、周期比を算出するためには同じく除算処理が必要になり、制御装置では回転周期を取り込み、演算を行った後に挟み込み状態か否かを判定するため、挟み込み状態のデータを検出しても判定までに時間を要するものとなる。
【0008】
この場合、挟み込み判定に時間を要すると、モータの回転速度が急激に低下した場合、硬いものを挟んだ場合等、挟み込みが発生した場合には挟み込み荷重が大きくなってしまう。また、モータ回転を検出するセンサが故障した場合等のように、センサからパルス出力が制御装置に入ってこない場合には、挟み込み判定ができなくなってしまう。
【0009】
また、特開平8−128259号公報のように、挟み込み判定時にマップを使用する方法では、挟み込み判定に必要な情報をメモリに予め記憶させておかなければならず、メモリ容量が増大する。
【0010】
よって、本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、挟み込み判定時にモータ回転速度等の算出に必要となる除算を用いることなく、挟み込み判定を早期に行うことと、モータ回転信号が入力されなくなった場合でも挟み込み荷重を抑え、正確に挟み込み判定が行えることと、メモリの増大を抑えた挟み込み判定が行えること、とを技術的課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために講じた第1の技術的手段は、開閉体を駆動するモータと、該モータの動きに同期したパルス出力を行う検出手段と、該検出手段からのパルス出力の変化に基づいて開閉体動作中に挟み込み検知を行う制御手段を備えた開閉体の挟み込み検知装置において、前記制御手段は所定数のパルス出力の変化を記憶し、記憶した前記パルス出力から基準周期Tbを設定すると共に該基準周期Tbに基づき挟み込みが許容される周期係数Cbを算出して、前記周期係数Cbと最新周期Tnに基づく乗算値と、基準周期Tbとの比較により挟み込み確定を行い、前記パルス出力が検出されない場合、前記パルス出力の所定パルス前の状態変化から現在までの時間幅Tpと前記周期係数Cbに基づく乗算値が前記基準周期Tb以上、且つ前記パルス出力の最後に検知したパルス出力の状態変化から現在までの時間幅Teと前記周期係数Cbに基づく乗算値が前記基準周期Tb以上で挟み込み確定を行うようにしたことである。
【0012】
これによれば、制御手段は所定数のパルス出力の変化を記憶し、記憶したパルス出力から基準周期Tbを設定すると共に基準周期Tbに基づいて挟み込みが許容される周期係数Cbを算出する。周期係数Cbが算出されると、周期係数Cbと最新周期Tnに基づく乗算値(例えば、Cb×Tn)と、基準周期Tbとの比較により挟み込み確定を行うことが可能である。この場合、挟み込み判定にはモータ回転速度を算出する必要がなく、演算過程において除算処理は必要なくなる。このため、挟み込み判定を早期に行うことが可能となり、挟み込みが発生した場合には挟み込み荷重の増加を抑えることが可能となる。また、挟み込み判定時には従来の如く、データマップを予め記憶しておかなくて良いので、メモリ容量を抑えることが可能である。
【0013】
つまり、通常、モータは、モータ発生トルクとモータ回転速度の関係において、モータを駆動する電圧が一定である場合には負の相関(例えば、モータ回転速度が速くなるとモータに発生するモータ発生トルク(単にトルクと称す)は小さくなり、モータ回転速度が遅くなるとモータ発生トルクは大きくなるという連続した特性)を示す。
【0014】
そこで、モータに発生する現在の発生トルクをFn、基準となるモータ発生トルクをFb、発生トルク差をΔF(=Fn−Fb)とし、現在のモータ回転数をRn、Fbのトルク発生時のモータ回転数をRbとした場合、モータ回転数とトルクは負の相関を持っているため、{Fn−Fb}/{Rb−Rn}=kr(一定)と表現でき、ΔR={Rb−Rn}と置くと、ΔF=Fn−Fb=kr×ΔRという関係式(式1)が得られる。
【0015】
一方、モータ回転数Rb、Rnに対するモータ回転数の周期をそれぞれTb、Tnとすると、Rb={1/Tb}、Rn={1/Tn}より、ΔR={1/Tb}−{1/Tn}となる。そこで、検出したいトルク変動を表す回転速度変動をRdetとすると、ΔR(={1/Tb}−{1/Tn})が、Rdet≦ΔRの条件を満たした時、検出したい負荷変動が発生したと推定できる。そこで、上式の両辺にTb×Tnを乗じると、Rdet×Tb×Tn≦1×(Tn−Tb)となって、Tn≧Tb/{1−Rdet×Tb}という関係式が成立する。この場合、Cb={1−Rdet×Tb}と置くと、Tn≧Tb/Cbという関係式(式2)が成立する。
【0016】
つまり、基準となる周期(基準周期)TbからRdet変動した場合の周期がTb/Cbであり、この周期より現在の周期Tnが大きくなった場合に、検出すべき負荷変動が発生したものと考えられる。以後、このTb/Cbを許容周期と呼ぶ。
【0017】
しかしながら、式2は除算を含むため、Tn×Cb≧Tbという関係式(式3)に変形し、現在の周期Tnと基準値設定時に算出したCbとの積がTbより大きくなった時、検出すべき負荷変動が発生したものと考えることができる。
【0018】
よって、このような挟み込み判定を行えば、モータ回転速度等の算出に必要となる除算を用いることなく、挟み込み判定を行うことが可能となる。また、挟み込み判定には除算を用いないので、挟み込み判定を早期に行うことができ、挟み込みが発生した場合には挟み込み荷重の増加を抑えることが可能となる。また、挟み込み判定時にはマップを使用しないので、メモリ容量を抑えることが可能である。
【0019】
上記の課題を解決するために講じた第2の技術的手段は、開閉体を駆動するモータと、該モータの動きに同期したパルス出力を行う検出手段と、該検出手段からのパルス出力の変化に基づいて開閉体動作中に挟み込み検知を行う制御手段を備えた開閉体の挟み込み検知装置において、前記制御手段は前記パルス出力の出力変化を記憶し、最新の周期Tnを取得すると共に数パルス前のパルス出力から基準周期Tbを設定し、該基準周期Tbに基づき周期係数Cbを算出して、前記周期係数Cbと前記周期Tnに基づく乗算値が基準周期Tb以上で挟み込み確定を行い、前記パルス出力が検出されない場合、前記パルス出力の所定パルス前の状態変化から現在までの時間幅Tpと前記周期係数Cbに基づく乗算値が前記基準周期Tb以上、且つ前記パルス出力の最後に検知したパルス出力の状態変化から現在までの時間幅Teと前記周期係数Cbに基づく乗算値が前記基準周期Tb以上で挟み込み確定を行うようにしたことである。
【0020】
これによれば、制御手段はパルス出力の出力変化を記憶し、最新の周期Tnを取得すると共に数パルス前のパルス出力から基準周期Tbを設定し、基準周期Tbに基づき周期係数Cbを算出して、周期係数Cbと前記周期Tnに基づく乗算値(例えば、Cb×Tn)が基準周期Tb以上で挟み込み確定を行うので、挟み込み判定には除算処理は必要なくなることから、挟み込み判定が早期に行え、挟み込み荷重の増加を抑えることが可能となる。また、挟み込み判定時には従来の如く、データマップを予め記憶しておかなくて良いので、メモリ容量を抑えることが可能である。
【0022】
また、第1及び第2の技術的手段によれば、開閉体の動作途中に急激な回転数変化が発生した場合や、パルス出力が得られなくなった場合でも、パルス出力の所定パルス前の状態変化から現在までの時間幅Tpと周期係数Cbに基づく乗算値が前記基準周期Tb以上、且つ前記パルス出力の最後に検知したパルス出力の状態変化から現在までの時間幅Teと前記周期係数Cbに基づく乗算値が前記基準周期Tb以上で挟み込み確定を行うことが可能となり、安定した挟み込み荷重で挟み込み検出が可能となる(図3の(c)参照)。
【0023】
好ましくは、上記周期係数Cbを駆動電源電圧の変動に応じて補正する。すなわち、図9に示されるように、通常、モータは、モータ発生トルクと駆動電源電圧の関係において、モータ回転速度が一定である場合には正の相関(例えば、駆動電源電圧が小さくなるとモータ発生トルクは小さくなり、駆動電源電圧が大きくなるとモータ発生トルクは大きくなるという連続した特性)を示す。
【0024】
そこで、モータに発生する現在の発生トルクをFvn、基準となるモータ発生トルクをFvb、発生トルク差をΔFv(=Fvn−Fvb)とし、現在の駆動電源電圧をVn、Fvbのトルク発生時の駆動電源電圧をVbとした場合、駆動電源電圧とトルクは正の相関を持っているため、{Fvn−Fvb}/{Vn−Vb}=kv(一定)と表現でき、ΔV={Vn−Vb}と置くと、ΔFv=Fvn−Fvb=kv×ΔVという関係式が得られる。
【0025】
前記回転速度変動ΔR、駆動電源電圧変動ΔVとトルク変動ΔFとの関係は下式のように表現できる。
ΔF=k1×ΔFr+k2×ΔFv=krd×ΔR+kvd×ΔV
既述のように、ΔR={1/Tb}−{1/Tn}なので、
ΔF=krd×({1/Tb}−{1/Tn})+kvd×ΔV
となる。そこで、検出したいトルク変動をFdetとすると、Fdet−kvd×ΔV≦krd×({1/Tb}−{1/Tn})の条件を満たした時、検出したい負荷変動が発生したと推定できる。そこで、上式の両辺にTb×Tnを乗じると、{Fdet−kvd×ΔV}×Tb×Tn≦krd×(Tn−Tb)となって、Tn≧krd×Tb/{krd−(Fdet−kvd×ΔV)×Tb}という関係式が成立する。この場合、Cd(ΔV)={krd−(Fdet−kvd×ΔV)×Tb}と置くと、Tn≧Tb/Cd(ΔV)という関係式(式4)が成立する。
【0026】
つまり、基準となる周期(基準周期)TbからFdet変動した場合の周期がTb/Cd(ΔV)であり、この周期より現在の周期Tnが大きくなった場合に、検出すべき負荷変動が発生したものと考えられる。以後、このTb/Cd(ΔV)を駆動電源を補正した後の許容周期と呼ぶ。
【0027】
しかしながら、式4は除算を含むため、両辺にCd(ΔV)を乗じて、Tn×Cd(ΔV)≧Tbという関係式(式5)に更に変形し、現在の周期Tnと基準値設定時に算出したCd(ΔV)との積がTbより大きくなった時、検出すべき負荷変動が発生したものと考えることができる。
【0028】
また、前記(式1)において、Fdetに相当する回転速度変動をRdetとすると、Fdet=kr×Rdetと表現できる。従って、Cd(ΔV)={krd−(kr×Rdet−kvd×ΔV)×Tb}と書き直すこともできる。
【0029】
この式の特徴は、駆動電源電圧を補正した後の許容回転速度を係数として用いているにも関わらず、計算比較対照が周期で代用できる点と、現在の取得周期及び駆動電源電圧から許容される周期を即座に計算している点である。
【0030】
よって、このような挟み込み判定を行えば、モータ回転速度等の算出に必要となる除算を用いることなく、駆動電源電圧を補正した挟み込み判定を行うことが可能となる。また、挟み込み判定には除算を用いないので、挟み込み判定を早期に行うことができ、挟み込みが発生した場合には挟み込み荷重の増加を抑えることが可能となる。また、挟み込み判定時にはマップを使用しないので、メモリ容量を抑えることが可能である。
【0031】
さらに、パルス出力が検出されない場合における、パルス出力の所定パルス前の状態変化から現在までの時間幅Tpと上記Cd(ΔV)との乗算値に基づき挟み込み検知を行うようにすれば、駆動電源電圧を考慮して挟み込み検知を行うことが可能となり、安定した挟み込み荷重で挟み込み検出が可能となる(図6の(b)参照)。
【0032】
さらにまた、パルス出力が検出されない場合における、パルス出力の最後に検知したパルス出力の状態変化から現在までの時間幅Teと上記Cd(ΔV)との乗算値に基づき挟み込み検知を行うようにすれば、駆動電源電圧を考慮して挟み込み検知を行うことが可能となり、最新パルスから早期の挟み込み確定が行え、安定した挟み込み荷重で挟み込み検出が可能となる(図6の(c)参照)。
【0033】
以上、各種類の挟み込み検知判定において、駆動電源電圧の変動時においてもその機能の性能劣化を抑制できる。
更に、基準周期Tbは、モータ回転が増加している場合に設定すると良い。実際に物体の挟み込みが発生している場合、モータ回転は減少(周期が増大)する。挟み込み検知処理を実施する処理はモータ回転が減少(周期が増大)している状態でのみ実施することも可能となる。このようにすると、モータ回転が増加(つまり、周期が減少)している状態では制御装置の処理時間が空き、その時間にて基準周期Tbおよび周期係数Cbを演算することが可能となり、挟み込み判定の処理時間を減少させることができる。これにより、高性能なCPUを用いなくて良いため、低コスト化が行える。
【0034】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態を図面を参照して説明する。
【0035】
本実施形態においては、挟み込み検知装置を車両のサンルーフ装置に適用した場合について説明を行うが、これに限定されるものではなく、例えば、車両ではウィンドウを上下動させるパワーウィンドレギュレータ装置、ルーフ全体あるいは室内全体を開放/フード付状態にさせるルーフ開閉制御装置、建造物にあっては自動ドア装置等にも適用できるものとする。
【0036】
図1はサンルーフ装置10の車両20への取付図を示す。車両20のルーフ21には長方形状を呈する開口21aが設けられ、開口21aの覆材として開閉体となるサンルーフ(ルーフガラスと称す)22が設けられている。尚、このルーフガラス22は公知のスライド機構により車両の前後方向にスライドし、公知のチルト機構により車両の上下方向にチルト動作する。
【0037】
ルーフガラス22を駆動するドライブユニット23は、開口21aの前方のルーフ内に埋設された状態で設けられ、ドライブユニット23はモータ2とギヤユニット25が一体になっている。構造上、ギヤユニット25の出力軸がスライド機構およびチルト機構と連係しており、モータ2が図2に示す制御装置1により駆動制御されると、ルーフガラス22はスライド動作とチルト動作を一連の動作の中で行う。
【0038】
図2は、本装置10のシステム構成図である。ルーフガラス22を駆動する制御装置1は、ルーフガラス22の開閉動作を指示するもので、ルーフガラス22の位置を検出するスイッチ類8からの信号を受け、その信号状態に基づいて状況判断し、モータ2に対して駆動信号を出力すると、ルーフガラス22はこの駆動信号に従って動作する。このような装置10において、ルーフガラス22と車両の開口21aとの間に物体(例えば手や物)が挟み込まれた場合、モータ2の回転が抑止され回転数が減少することを利用し、挟み込み検知を行って、挟み込み発生時にはルーフガラス22の閉動作を即座に停止させ、開動作へと反転動作させる挟み込み検知機構が安全性の面で付加されている。
【0039】
制御装置1は、内部にプログラムを記憶したROM、プログラム処理に必要な数値を記憶するRAM、モータ回転に同期したパルス出力を出すモータ回転数センサ7からパルス周期を計測等を行うタイマ、及び、駆動電源としてのバッテリBATから入力される駆動電源電圧としてのバッテリ電圧等のアナログ値をデジタル値に変換するA/D変換器等を備えたCPU5と、入力信号に対してCPU5との電気的整合性をとる入力インターフェース(入力I/F4)と、ルーフガラス22をスライド動作時には開閉方向に動作させる機能を有するモータ2の回転方向を正転(開方向)または反転(閉方向)させるリレー6と、車両のバッテリBATから電源(通常、12V)が供給され、安定化した一定電圧(例えば、5V)が作られる電源回路3と、から主に構成される。電源回路3により作られた一定電圧は、CPU5に供給される。また、制御装置1の入力I/F4にはバッテリ電圧が供給されている。
【0040】
制御装置1には、モータ2の出力軸に設けられた図示しない磁石(例えば、N極とS極が1対で設けられる)が1回転するにつき1パルスの周期信号をホール素子により検出するモータ回転数センサ7からの信号、ルーフガラス22の位置を検出する位置検出スイッチからの信号、ルーフガラス22を開閉させる手動の操作スイッチ8からの信号が入力される。入力された信号は入力インターフェースI/F回路4を通してCPU5に入力され、制御装置1内にてバッテリBAT電圧が入力I/F回路4を通してCPU5に入力される。モータ回転数センサ7からの信号は、モータ回転に同期してオン/オフし、交互に繰り返されるパルス出力がCPU5に入力される。CPU5は、その入力されたパルス信号から信号レベルの比較を行い、エッジを検出する。
【0041】
CPU5はこれらの入力された信号を基にして、リレー6に対してモータ2を駆動する信号を出力し、リレー6の通電状態および通電方向を切り替えることによりモータ2の停止、正回転側または反転側への回転動作を行わせ、モータ制御を行う。
【0042】
そこで、モータ回転数センサ7からのパルス信号を基にした挟み込み検知判定について、図3を参照し説明する。図3では一例として、3種類の挟み込み判定を示すものである。図3の(a)は、モータ回転数センサ7からパルス出力(エッジ変化)が連続して発生している場合の周期データである。この場合では、モータ回転数センサ7からパルス出力が高電位(Hi)、低電位(Lo)交互に発生しているため、前々回の2エッジ前と今回のエッジ(最新エッジ)発生時の間の時間から、モータ回転数センサ信号7の周期(最新周期)Tnが取得できる。この周期Tnの値を用い、挟み込み検知判定時の基準周期Tbの決定が行える。
【0043】
そこで、基準周期Tbに関する説明を以下に行う。
通常、モータ2は、モータ発生トルクとモータ回転速度の関係において、モータ2を駆動する電圧が一定である場合には負の相関(例えば、モータ回転速度が速くなるとモータに発生するモータ発生トルク(単にトルクとも言う)は小さくなり、モータ回転速度が遅くなるとモータ発生トルクが大きくなるという特性)を示す。
【0044】
そこで、モータ2に発生する現在の発生トルクをFn、基準となるモータ発生トルクをFb、発生トルク差をΔF(=Fn−Fb)とし、現在のモータ回転数をRn、Fbのトルク発生時のモータ回転数をRbとした場合、モータ回転数とトルクは負の相関を持っているため、{Fn−Fb}/{Rb−Rn}=kr(一定)と表現できる。そこで、ΔR={Rb−Rn}と置くと、ΔF=Fn−Fb=kr×ΔRという関係式(式1)が得られる。
【0045】
一方、モータ回転数Rb、Rnに対するモータ回転数の周期をそれぞれTb、Tnとすると、Rb={1/Tb}、Rn={1/Tn}より、ΔR={1/Tb}−{1/Tn}となる。そこで、検出したいトルク変動を表す回転速度変動をRdetとすると、ΔR(={1/Tb}−{1/Tn})が、Rdet≦ΔRの条件を満たした時、検出したい負荷変動が発生したと推定できる。そこで、上式の両辺にTb×Tnを乗じると、Rdet×Tb×Tn≦1×(Tn−Tb)となり、更に変形を行うと、Tn≧Tb/{1−Rdet×Tb}という関係式が成立する。この場合、Cb={1−Rdet×Tb}と置くと、Tn≧Tb/Cbという関係式(式2)が成立する。
【0046】
つまり、基準となる周期TbからRdet変動した場合の周期がTb/Cbであり、この周期より現在の周期Tnが大きくなった場合に、検出すべき負荷変動が発生したものと考えることができる。以後、このTb/Cbを許容周期と呼ぶことにする。しかし、式2の関係式は除算を含むため、Tn×Cb≧Tbという関係式(式3)に変形し、現在の周期Tnと基準値設定時に算出したCbとの積がTbより大きくなった時、検出すべき負荷変動が発生したものとみなすことができる。即ち、挟み込み検知判定では、図3の(a)の様に、周期Tnの値が、許容周期(Tb/Cb)の値より大きくなる場合に、挟み込みは発生したものとみなすことができる。
【0047】
一方、図3の(b)は、モータ回転数センサ信号7からのパルス出力でエッジ変化が途中でとまった場合の周期データである。この場合、2エッジ前から現在までの経過時間をTpとし、この経過時間Tpの値を用いて挟み込み検知判定を行うようにする。尚、経過時間Tpは現在における信号周期に相当するものであり、周期に相当する経過時間Tpの値が許容周期Tb/Cbの値より以上になる場合に挟み込みが発生したと判定することができる。これにより、急激な荷重変化等による周期の変化により、モータ回転数センサ7からのパルス信号によるエッジ変化がとまった状態になった場合においても、許容周期(Tb/Cb)に対して挟み込み検知判定ができ、安定した荷重で挟み込み検知を行うことができる。
【0048】
挟み込み検知判定において、挟み込みの誤判定を防止するために、所定回数(例えば、2回)だけ連続して挟み込み検知した場合に挟み込みが発生したと見なすフィルタを用いる場合、急激な荷重変化が発生しても、2度同じような現象になるまでエッジを待たなければならず、早期に挟み込み検知を正確に行うことができないものとなる。
【0049】
そこで、図3の(c)は早期に挟み込み検知判定を行う本実施形態の周期データに対しての挟み込み判定の説明図であり、(b)と同様、モータ回転数センサ7からのパルス信号のエッジ変化がとまった場合の周期データを示す。この図では、前回エッジ(最新エッジ)から現在までの経過時間をTeとするものであり、このTeは現在におけるエッジ幅に相当する。図3(c)に示すように、周期に相当するTpまたはエッジ幅に相当するTeの値が、上記した許容周期(Tb/Cb)の値より大きくなる場合に挟み込みが発生したものとみなすことができるが、ここでは、Teを導入してエッジ幅の挟み込み許容時間を許容周期(Tb/Cb)とすることにより、エッジが制御装置1に入力されない場合においても、許容周期(Tb/Cb)に対して挟み込み検知判定を行うことができる。それ故に、挟み込みの誤判定を防止するフィルタの所定回数が2回の場合においては、2エッジ前のエッジからの周期に対してはTpにて1回目の挟み込み検知と解釈し、1エッジ前のエッジからの周期としてTeにて2回目の挟み込み検知を行える。このことから、誤判定を防止した早期の判定が行え、挟み込み荷重を抑えることができる。
【0050】
つまり、モータ回転数センサ7からエッジが入らなくなった状態においても、検知途中でエッジ変化が検出されず、挟み込み検知が確定できない状態においても、Teを用いて許容周期(Tb/Cb)に対して、挟み込み検知判定を(b)よりも早期に行うことができ、しかも、(b)よりも挟み込み荷重を抑えて、挟み込み検知確定を行うことができる。
【0051】
次に、図4及び図5を参照し、本実施形態における制御装置1の挟み込み判定処理を示すフローチャートについて説明する。
制御装置1に電源が供給されると、制御装置1はCPU内部のROMの中に記憶されるプログラムを実行する。まず最初に、ステップS101にて本装置10の初期化を行う。初期化では、CPU5の状態の設定、メモリ(ROM,RAM)のチェック、入出力ポートの設定、パルス信号周期測定用のタイマの設定等を行い、ステップS102からステップS122までの処理をメインルーチンと称し、所定周期で実行される。この場合、メインルーチンの周期はモータ回転数センサ7の入力信号のエッジ幅に対して、十分に短い時間としている。
【0052】
ステップS102では、CPU5に入力される各種スイッチ8からの信号の入力処理を行う。ここでは、制御装置1に入力される信号(各種スイッチ8からの信号、モータ回転数センサ7からの信号、及び、電源回路3からの電圧信号)を入力し、必要なメモリに記憶する。次の、ステップS103では、現在のルーフガラス22の動作状態が挟み込み検知を行う動作状態であるか判定を行う。つまり、ルーフガラス22が開方向へ動作中の場合には挟み込み検知処理を行わず、ステップS121に移る。一方、ルーフガラス22が閉方向へ動作中の場合は、ステップS104以降の挟み込み検出処理を行う。
【0053】
次の、ステップS104では現在のモータ2の回転状態が、安定したものとなっているかの判定を行う。ここでは、モータ回転が通電開始から所定時間経過するまでの安定しない状態を過渡期としている。そこで、過渡期におけるモータ2の回転数(周期)の変化を誤って挟み込み検知としないようにするため、過渡期では挟み込み検知判定を行わず、モータ回転が安定してからその判定を行うようにしている。従って、ステップS104にてモータ回転状態が過渡期の状態であると判断した場合(起動マスク中の場合)には、ステップS121に移り、モータ回転が過渡期を過ぎて安定している場合は、ステップS105に移って、挟み込み検知の判定を行う。
【0054】
ステップS105では、モータ回転数センサ7から出力されるパルス信号のエッジ変化が有りか否か(CPU5にエッジ変化が入力されたか否か)の判定を行う。このエッジ変化の有無に基づいて、挟み込み検知処理の状態をわけることにより、メインループを実行する処理時間が低減できる。ステップS105において、モータ回転数センサ7からのパルス信号のエッジ変化(パルスエッジ)を検知した場合にはステップS106に移るが、エッジを検知していない場合には図5のステップS115に移る。
【0055】
ステップS106では、モータ回転数センサ7からのパルス信号の周期Tnを取得し、メモリ(RAM)に保存する。この周期Tnは、パルス信号の立ち上がりエッジで検出を行う場合には連続する2つの立ち上がりエッジ間の時間とし、パルス信号の立ち下りエッジで検出する場合は連続する2つの立ち下りエッジ間の時間とする。CPU5はパルス出力の変化を基にしてパルス信号のエッジ発生毎に周期Tnを取得し、一定期間のパルス周期データ(例えば、立ち上がり又は立ち下がりエッジが6エッジ入力される間のデータ)を、RAMに保存する。つまり、これは周期変化をみるために、所定回数(所定周期)前のパルス周期と周期Tnの周期の変化状態を判定している。具体的には、周期Tnの取得方法として、エッジ検出毎に所定周期でカウントを行う周期測定用のタイマの値を周期Tnの値としてRAM上に保存し、取得後に周期測定用タイマの値を零クリアする。そして、所定回数分だけ6エッジ間の周期データを保存するメモリ領域、及び、メモリ上のデータ格納位置を示すポインタからなるリングバッファ構造を用い、周期Tn取得時にポインタの示す6エッジ前の周期Tn−6のデータを取得し、別メモリ領域上に保存する。そして、ポインタの示すメモリ領域に取得した周期Tnの値を保存し、ポインタの値を次のデータを示すように更新を行う。この処理により、メモリ上のデータの移動を行う必要がなく、演算処理時の負荷を少なくできる。
【0056】
ステップS107では、周期Tnの変動状態のチェックを行う。ここで、周期Tnが過去の周期より短くなる場合には、周期の逆数であるモータ回転数は増加していると判断できる。逆に、周期Tnが過去の周期より長くなる場合は、モータ回転数が減少していると判断できる。つまり、挟み込みが発生している場合にはモータ回転数は減少することから、挟み込み検知処理はモータ回転が減少している場合のみ実行すれば良い。このため、後述する挟み込み周期係数値の算出は、モータ回転が増加している場合に行えば、周期Tnの変動に従い、周期係数演算を行う過程と、実際に挟み込みを検知の確定を行う過程を2つにわけることができ、1回のメインループにおける処理時間の低減を行うことができる。本実施形態では、周期Tnの変動を6エッジ前の周期Tn−6と周期Tnの大小関係を比較することにより判定し、Tn<Tn−6の場合にはステップS108に移り、Tn≧Tn−6の場合にはステップS110にそれぞれ移る。
【0057】
ステップS108では周期Tnの値を基準周期Tbとして設定し、メモリに保存する。周期が短くなる間(モータ回転が増加している間)は、基準周期Tbの値は逐次更新される。そして、ステップS109にて、基準周期Tbの値に基づき、挟み込みが発生した場合に挟み込みを許容できる許容周期Tb/Cbを求めるのに必要となる周期係数Cbを算出する。Cb=1−Rdet×Tbという関係式で表わされ、この中でRdetは挟み込み検知荷重に相当する変動量である。ステップS109にてCb算出した後に、ステップS121に移る。
【0058】
つまり、周期幅が短縮する過程においては、基準周期Tbの設定とCbの値の算出を行い、ステップS109の後、ステップS121に移るが、ステップS108からステップS109を行う処理過程では、挟み込み検知を行う必要がないため、挟み込み検知の比較処理は行わない。
【0059】
一方、ステップS110ではステップS109で算出した周期係数Cb、ステップS108で設定された基準周期TbおよびステップS106にて取得した周期Tnを用いて、挟み込み検知の比較処理を行う。周期Tnの値が許容周期Tb/Cbの値よりも大きい場合、挟み込みが発生したものとするのであるが、ここで、許容周期Tb/Cbを算出するために除算処理を行わないようにするため、両方の値にCbの値を掛けた値であるTn×Cbの値とTbの値を比較し、Tn×Cbによる演算値がTbの値より大きい場合、挟み込みが発生したものとみなす。この場合、除算処理が必要でないため、処理能力の低い安価なCPU5を用いて多倍語長演算を実施しても挟み込み判定に要する処理時間は、除算を行う必要がある処理に比べ短く済む。それにより、処理能力の低いCPUを用いて精度の高い挟み込み検知判定を実現できる、しかも、挟み込み判定が短くなれば、挟み込み荷重の増加を抑えることができる。
【0060】
ステップS110により挟み込みが発生したと見なされた場合には、ステップS112に移るが、挟み込みが発生したとみなされない場合には、ステップS111に移り、ここで、パルス信号のエッジ検出毎に挟み込みの誤判定をしないようにカウントしている連続挟み込み検知回数のカウンタ値をクリヤ(0回)とした後、ステップS121に移る。ステップS112では、ステップS110にて挟み込みが発生したとみなされると、連続挟み込み検知回数を1回分増加させる。その後、ステップS113にて、連続挟み込み検知回数カウンタのカウンタ値(連続挟み込み検知回数)が規定回数(例えば、2回)以上であるか判定し、規定回数以上挟み込みとみなされた場合には挟み込み検知確定とし、挟み込み検知確定がなされない場合には、ステップS121に移る。ステップS114では、挟み込み検知確定結果としてルーフガラス22を駆動するモータ2の動作を停止させるため、モータ駆動用のリレー6をオフする信号を出力する。また、ルーフガラス22の動作制御処理のために挟み込み検知を確定したことを示すフラグをセットする。その後、ステップS121にてこのフラグを参照し、挟み込み検知確定時にはルーフガラス22を閉方向への動作を上述の如く即座に停止し、反転方向へ動作させる(ルーフガラス22の開方向へ挟み込みを検知した位置より、例えば、200mm戻す)制御を実行する。
【0061】
一方、図5のステップS115では、最後に検知したパルス信号の最新エッジから現在までの経過時間Teを取得する。このTeの値は、現在のメインルーチンにて最後のパルス信号の立ち上がり又は立ち下がりエッジが発生してからの経過時間に相当する。実際には周期測定用タイマの値をTeの値として取得し、RAMに保存する。その後、ステップS116にて周期係数Cb、基準周期TbおよびTeの値を用いて、Cb×Teで算出された乗算値とTbとの値の比較により、挟み込み検知の判定を行う。最新エッジからの経過時間Teの値が、許容周期Tb/Cbの値よりも大きい場合に挟み込み検知とし、実際の判定では、Te×Cbの値とTbの値の大小関係を判定を実施することにより、TeとTb/Cbとの大小関係を判定する。ステップS118の判定式により挟み込みが発生したとみなされた時には、ステップS120に移り、ステップS114と同様の処理を行うが、挟み込みが発生したとみなされない場合には、ステップS117に移る。
【0062】
ステップS117では、数パルス前(例えば、2つ前)に検知した信号エッジから現在までの時間Tpを取得する。Tpの値は、現在のメインルーチンにてパルス信号のエッジが発生した場合の周期(ここでは、所定パルス前(2エッジ前)からの経過時間)に相当する。実際には前回エッジ発生時に取得した信号エッジ幅と今回のTeの値を加算することにより、Tpの値を算出してRAMに保存する。
【0063】
ステップS117の後、ステップS118にて周期係数Cb、基準周期TbおよびTpの値を用いて、Cb×TpとTbの比較にて、ステップS110と基本的に同様な関係式により、挟み込み検知判定を行う。このステップS118にて挟み込みが発生していない(Cb×TpがTb以下)場合、挟み込み検知の比較処理を終了し、図4のステップS121に移るが、挟み込みが発生しているとみなせる(Cb×TpがTb以上)場合には、ステップS119に移り挟み込み検知回数の確認を行う。
【0064】
ステップS119において、既に規定回数がn−1回連続挟み込み検知をしている場合には、ステップS120に移るが、そうでない場合、挟み込み検知処理を終了して図4のステップS121に移る。ステップS120では、ステップS114と同様に挟み込み検知確定結果としてルーフを動作させるモータ2を停止させるため、モータ駆動用リレー6をオフする出力を行う。また、ルーフガラス22の動作制御処理のために挟み込み検知確定したことを示すフラグをRAM上に保存する。急激な回転数変動が発生した場合、パルス信号エッジの入力間隔が急激に広がる。その場合においても、許容周期より周期相当の時間であるTpおよびTeの時間が超えることを判定することにより、安定した荷重で挟み込み検知を行うことができる。
【0065】
ステップS121では入力信号を基にルーフガラス22の動作を決め、ルーフガラス22を動作させるモータ2のリレー6への出力情報をRAM上に記憶する。例えば、開操作スイッチ8がオン入力の場合、ルーフガラス22を開方向へ動作させ、閉操作スイツチ8がオン入力の場合、ルーフガラス22を閉方向へ動作させる。挟み込み検知判定の結果により挟み込み検知確定がなされた場合には、ルーフガラス22の閉方向への動作を即座に停止し、開方向へ200mmだけ反転動作させる。実際のCPU5からリレー6への出力はステップS122にて行い、リレー6への出力情報をRAM上に保存する。その後、ステップS122にて、RAM上の出力情報を用いてモータ2を駆動するリレー6の出力を行い、ステップS102からステップS122に示す上述した同じ処理を繰り返す。
【0066】
以上説明したように、本実施形態ではモータ回転数センサ7からのパルス信号のエッジ入力があれば、周期Tnと許容周期Tb/Cbの乗算値とTbを比較するだけで良いため、挟み込み検出が迅速にできる。また、許容周期に相当する期間、モータ回転数センサ7からのエッジ入力がない場合でも、エッジ入力がある場合と同一の検出精度を保つことができる。
【0067】
挟み込み判定では、除算処理を行わなくても挟み込みの検知精度を出せるように演算処理を工夫しているため、比較的安価なCPU5でも対応が可能である。更にその上、挟み込み検出状態および周期係数Cbの更新が必要でないときには演算の必要がないため、CPU5の演算負荷を低減できる。
【0068】
(第2実施形態)
以下、本発明の第2実施形態を図面を参照して説明する。なお、第2実施形態は、バッテリBATの電圧変動(駆動電源電圧変動)を考慮した挟み込み検知判定に変更したことが第1実施形態と異なる。すなわち、図9に示されるように、通常、モータ2は、モータ発生トルクと駆動電源電圧(バッテリ電圧)の関係において、モータ回転速度が一定である場合には正の相関を示す。従って、前記周期係数Cbをこの特性を考慮して補正した周期係数Cd(ΔV)(={krd−(kr×Rdet−kvd×ΔV)×Tb})としたことが第1実施形態と異なる。いうまでもなく、この周期係数Cd(ΔV)は、許容周期(Tb/Cb(ΔV))(式4参照)を算出するためのものである。
【0069】
図6は、本実施形態でのモータ回転数センサ7からのパルス信号を基にした挟み込み検知判定を示す説明図である。図6の(a)は、モータ回転数センサ7からパルス出力(エッジ変化)が連続して発生している場合の周期データであり、第1実施形態と同様にモータ回転数センサ7の信号周期(最新周期)Tnが取得できる。この周期Tnの値を用い、挟み込み検知判定時の基準周期Tbの決定が行える。本実施形態では、図6の(a)のように、周期Tnの値がバッテリ電圧に基づく補正後の許容周期(Tb/Cb(ΔV))の値よりも大きくなるときに、第1実施形態と同様に挟み込みが発生したものとみなすことができる。
【0070】
図6の(b)は、モータ回転数センサ7からのパルス出力でエッジ変化が途中でとまった場合の周期データであり、第1実施形態と同様に2エッジ前から現在までの経過時間(時間幅)Tpが取得できる。この経過時間Tpの値を用いて挟み込み検知判定を行うようにする。すなわち、図6の(b)のように、経過時間Tpの値がバッテリ電圧に基づく補正後の許容周期(Tb/Cb(ΔV))の値よりも大きくなるときに、第1実施形態と同様に挟み込みが発生したものとみなすことができる。これにより、動作途中に急激な荷重変化等による周期の変化(回転速度変化)が発生した時や、モータ回転数センサ7からのパルス信号によるエッジ変化がとまった状態になった場合においても、バッテリ電圧に基づく補正後の許容周期(Tb/Cb(ΔV))に対して挟み込み検知判定ができ、安定した荷重で挟み込み検知を行うことができる。
【0071】
図6の(c)は、モータ回転数センサ7からのパルス出力でエッジ変化が途中でとまった場合の周期データであり、第1実施形態と同様に前回エッジ(最新エッジ)から現在までの経過時間(時間幅)Teが取得できる。この経過時間Teの値を用いて挟み込み検知判定を行うようにする。すなわち、図6の(c)のように、周期に相当するTpまたはエッジ幅に相当するTeの値がバッテリ電圧に基づく補正後の許容周期(Tb/Cb(ΔV))の値よりも大きくなるときに、第1実施形態と同様に挟み込みが発生したものとみなすことができる。これにより、モータ回転数センサ7からエッジが入らなくなった状態において、Tpを用いて挟み込み検知が確定できない状態においても、Teを用いてバッテリ電圧に基づく補正後の許容周期(Tb/Cb(ΔV))に対して、挟み込み検知判定を行うことができ、安定した荷重で挟み込み検知を行うことができる。
【0072】
次に、図7及び図8を参照し、本実施形態における制御装置1の挟み込み判定処理を示すフローチャートについて説明する。まず最初に、ステップS201にて第1実施形態と同様、本装置10の初期化を行い、ステップS202からステップS224までの処理をメインルーチンと称し、所定周期で実行される。
【0073】
ステップS202では、CPU5に入力される各種スイッチ8からの信号の入力処理を行う。ここでは、制御装置1に入力される信号(各種スイッチ8からの信号、モータ回転数センサ7からの信号、及び、バッテリBATからの電圧信号)を入力し、必要なメモリに記憶する。
【0074】
次の、ステップS203では、第1実施形態と同様に現在のモータ2の回転状態が、安定したものとなっているかの判定を行う(ステップS104参照)。すなわち、モータ回転が安定していない(起動マスク中)場合には、ステップS223に移り、同安定している場合は、ステップS204に移って、挟み込み検知の判定を行う。
【0075】
ステップS204では、第1実施形態と同様にモータ回転数センサ7から出力されるパルス信号のエッジ変化が有りか否か(CPU5にエッジ変化が入力されたか否か)の判定を行う(ステップS105参照)。ステップS204において、モータ回転数センサ7からのパルス信号のエッジ変化(パルスエッジ)を検知した場合にはステップS205に移るが、エッジを検知していない場合には図8のステップS215に移る。
【0076】
ステップS205では、第1実施形態と同様にモータ回転数センサ7からのパルス信号の周期Tnを取得し、メモリ(RAM)に保存する。また、併せてバッテリ電圧Vnを取得し、メモリ(RAM)に保存する。このバッテリ電圧Vnは、バッテリBATからの電圧信号のA/D変換後の値である。
【0077】
ステップS206では、第1実施形態と同様に周期Tnの変動状態のチェックを行う。ここで、周期Tnが過去の周期より短くなる場合には、周期の逆数であるモータ回転数は増加していると判断してステップS207に移る。逆に、周期Tnが過去の周期より長くなる場合は、モータ回転数が減少していると判断してステップS208にそれぞれ移る。
【0078】
ステップS207では周期Tnの値を基準周期Tbとして設定し、バッテリ電圧Vnの値を基準電圧Vbとして設定し、メモリに保存する。周期が短くなる間(モータ回転が増加している間)は、基準周期Tb及び基準電圧Vbの値は逐次更新される。ステップS207の後、ステップS223に移るが、ステップS207を行う処理過程では、挟み込み検知を行う必要がないため、挟み込み検知の比較処理は行わない。
【0079】
一方、ステップS206において周期Tnが過去の周期より長くなる場合は、ステップS208にて、Vn,Vbから駆動電源電圧変動ΔV{=(Vn−Vb)}を算出する。次に、ステップS209にて基準周期Tb及び駆動電源電圧変動ΔVに基づき駆動電源電圧を補正した後の周期係数Cd(ΔV)を算出する。周期係数Cd(ΔV)は、駆動電源電圧を補正した後の許容周期(Tb/Cd(ΔV))算出用の係数で、Cd(ΔV)={krd+(kr×Rdet+kvd×ΔV)×Tb}であることは既述のとおりである。Rdetは、所定電圧下での挟み込み検知荷重に相当する回転速度変動量である。ステップS209にてCd(ΔV)を算出した後に、ステップS210に移る。
【0080】
ステップS210ではステップS209で算出した周期係数Cd(ΔV)、ステップS207で設定された基準周期TbおよびステップS205にて取得した周期Tnを用いて、挟み込み検知の比較処理を行う。周期Tnの値が許容周期Tb/Cd(ΔV)の値よりも大きい場合、挟み込みが発生したものとするのであるが、ここで、許容周期Tb/Cd(ΔV)を算出するために除算処理を行わないようにするため、第1実施形態と同様に両方の値にCd(ΔV)の値を掛けた値であるTn×Cd(ΔV)の値とTbの値を比較し、Tn×Cd(ΔV)による演算値がTbの値以上の場合、挟み込みが発生したものとみなす。
【0081】
ステップS210により挟み込みが発生したと見なされた場合には、ステップS212に移る。挟み込みが発生したとみなされない場合には、ステップS211に移り、第1実施形態と同様の連続挟み込み検知回数のカウンタ値をクリヤ(0回)としてメモリに保存した後、ステップS223に移る。一方、ステップS212では、連続挟み込み検知回数を1回分増加させる。その後、ステップS213にて、連続挟み込み検知回数カウンタのカウンタ値(連続挟み込み検知回数)が規定回数(例えば、2回)以上であるか判定し、規定回数以上挟み込みとみなされた場合には挟み込み検知確定とし、ステップS214に移る。挟み込み検知確定がなされない場合には、ステップS223に移る。ステップS214では、挟み込み検知確定結果としてルーフガラス22を駆動するモータ2の動作を停止させるため、モータ駆動用のリレー6をオフする信号を出力する。また、ルーフガラス22の動作制御処理のために挟み込み検知を確定したことを示すフラグをメモリ上にセットする。その後、ステップS223にてこのフラグを参照し、挟み込み検知確定時にはルーフガラス22を閉方向への動作を上述の如く即座に停止し、反転方向へ動作させる(ルーフガラス22の開方向へ挟み込みを検知した位置より、例えば、200mm戻す)制御を実行する。
【0082】
一方、図8のステップS215では、第1実施形態と同様に最後に検知したパルス信号の最新エッジから現在までの経過時間Teを取得し、メモリ(RAM)に保存する。また、併せてバッテリ電圧Veを取得し、メモリ(RAM)に保存する。このバッテリ電圧Veも、バッテリ電圧Vnと同様にバッテリBATからの電圧信号のA/D変換後の値である。その後、ステップS216にて、Ve,Vbから駆動電源電圧変動ΔV{=(Ve−Vb)}を算出する。次に、ステップS217にて基準周期Tb及び駆動電源電圧変動ΔVに基づき駆動電源電圧を補正した後の周期係数Cd(ΔV)をステップS209に準じて算出する。
【0083】
次に、ステップS218に移り、ステップS217で算出した周期係数Cd(ΔV)、ステップS207で設定された基準周期TbおよびステップS215にて取得した経過時間Teを用いて、ステップS210に準じて挟み込み検知の比較処理を行う。エッジ幅に相当する経過時間Teの値が許容周期Tb/Cd(ΔV)の値よりも大きい場合、挟み込みが発生したものとするのであるが、ここで、許容周期Tb/Cd(ΔV)を算出するために除算処理を行わないようにするため、第1実施形態と同様に両方の値にCd(ΔV)の値を掛けた値であるTn×Cd(ΔV)の値とTbの値を比較し、Tn×Cd(ΔV)による演算値がTbの値以上の場合、挟み込みが発生したものとみなす。
【0084】
ステップS218により挟み込みが発生したと見なされた場合には、ステップS222に移る。挟み込みが発生したとみなされない場合には、ステップS219に移る。
【0085】
ステップS219では、第1実施形態と同様に数パルス前(例えば、2つ前)に検知した信号エッジから現在までの時間Tpを取得し、メモリ(RAM)に保存する。
【0086】
ステップS219の後、ステップS220にてステップS217にて算出された周期係数Cd(ΔV)、基準周期TbおよびTpの値を用いて、Cd(ΔV)×TpとTbの比較にて、ステップS210と基本的に同様な関係式により、挟み込み検知判定を行う。このステップS220にて挟み込みが発生していない(Cd(ΔV)×TpがTbより小さい)場合、挟み込み検知の比較処理を終了し、ステップS223に移るが、挟み込みが発生しているとみなせる(Cd(ΔV)×TpがTb以上)場合には、ステップS221に移り挟み込み検知回数の確認を行う。
【0087】
ステップS221において、既に規定回数がn−1回連続挟み込み検知をしている場合には、挟み込み検知確定としステップS222に移るが、そうでない場合、挟み込み検知処理を終了しステップS223に移る。ステップS222では、ステップS214と同様に挟み込み検知確定結果としてルーフを動作させるモータ2を停止させるため、モータ駆動用リレー6をオフする出力を行う。また、ルーフガラス22の動作制御処理のために挟み込み検知確定したことを示すフラグをRAM上に保存する。急激な回転数変動が発生した場合、パルス信号エッジの入力間隔が急激に広がる。その場合においても、許容周期より周期相当の時間であるTpおよびTeの時間が超えることを判定することにより、安定した荷重で挟み込み検知を行うことができる。
【0088】
ステップS223では、第1実施形態と同様に入力信号を基にルーフガラス22の動作を決め、ルーフガラス22を動作させるモータ2のリレー6への出力情報をRAM上に記憶する。その後、第1実施形態と同様にステップS224にて、RAM上の出力情報を用いてモータ2を駆動するリレー6の出力を行い、ステップS202からステップS224に示す上述した同じ処理を繰り返す。
【0089】
以上詳述したように、本実施形態によれば、前記第1実施形態と同様の効果に加えて以下に示す効果が得られるようになる。
(1)本実施形態では、バッテリ電圧(駆動電源電圧)の変動時においても挟み込み検知機能の性能劣化を抑制できる。
【0090】
(2)本実施形態では、周期幅変化(回転数変化)に応じて周期Tn及びバッテリ電圧Vnを設定する処理と、周期係数Cd(ΔV)の演算及び挟み込み検知判定の処理を2分した。従って、各メインループでの処理時間を低減することができる。
【0091】
【発明の効果】
第1の発明によれば、制御手段は所定数のパルス出力の変化を記憶し、記憶したパルス出力から基準周期Tbを設定すると共に基準周期Tbに基づいて挟み込みが許容される周期係数Cbを算出し、周期係数Cbと最新周期Tnに基づく乗算値(例えば、Cb×Tn)と、基準周期Tbとの比較により挟み込み確定を行うことができる。この場合、挟み込み判定には除算処理は必要なくなり、挟み込み判定を早期に行うことができ、挟み込み荷重の増加を抑えることができる。また、挟み込み判定時には従来の如く、データマップを予め記憶しておかなくて良いので、メモリ容量を抑えることができる。
【0092】
第2の発明によれば、制御手段はパルス出力の出力変化を記憶し、最新の周期Tnを取得すると共に数パルス前のパルス出力から基準周期Tbを設定し、基準周期Tbに基づき周期係数Cbを算出して、周期係数Cbと前記周期Tnに基づく乗算値(例えば、Cb×Tn)が基準周期Tb以上で挾み込み確定を行うので、挟み込み判定には除算処理は必要なく、より正確な挟み込み判定が早期に行うことができ、挟み込み荷重の増加を抑えることができる。また、挟み込み判定時には従来の如く、データマップを予め記憶しておかなくて良いので、メモリ容量を抑えることができる。
【0093】
パルス出力が検出されない場合、パルス出力の状態変化から現在までの時間幅を算出し、周期係数と時間幅に基づく乗算値が基準周期幅以上で挟み込み検知を行うようにすれば、パルス入力がない場合でも、モータ回転数の変動が発生し許容される負荷変動を上回ったとした挟み込み確定が、開閉体の動作途中に急激な回転数変化が発生した場合や、パルス出力が得られなくなった場合でも、安定した挟み込み荷重で挟み込み確定ができる。
【0094】
周期係数Cbを駆動電源電圧の変動量に応じて補正した周期係数Cd(ΔV)とすることで、駆動電源電圧の変動時においても挟み込み検知機能の性能劣化を抑制できる。
【0095】
基準周期は、モータ回転が増加している場合に設定すれば、演算負荷を均等化した効率良い挟み込み判定が行え、処理時間を減少させることができ、制御手段を低コスト化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態における開閉体の挟み込み検知装置を車両のサンルーフ装置に適用した場合の取付図である。
【図2】図1に示すサンルーフ装置のシステム構成図である。
【図3】図2に示すモータ回転数センサから出力されるパルス信号の周期データに基づき、挟み込み検知判定を行う説明図であり、(a)はパルス信号のエッジ変化が発生する場合に許容周期Tb/CbとTnで判定を行う場合、(b)はエッジ変化が途中でなくなった場合に許容周期Tb/CbとTpで判定を行う場合、(c)はエッジ変化が途中でなくなった場合に許容周期Tb/CbとTe,Tpで判定を行う場合を示す。
【図4】図2に示す制御装置の動作フローチャートである。
【図5】図2に示す制御装置の動作フローチャートである。
【図6】本発明の第2実施形態においてモータ回転数センサから出力されるパルス信号の周期データに基づき、挟み込み検知判定を行う説明図であり、(a)はパルス信号のエッジ変化が発生する場合に許容周期Tb/Cd(ΔV)とTnで判定を行う場合、(b)はエッジ変化が途中でなくなった場合に許容周期Tb/Cd(ΔV)とTpで判定を行う場合、(c)はエッジ変化が途中でなくなった場合に許容周期Tb/Cd(ΔV)とTe,Tpで判定を行う場合を示す。
【図7】同実施形態の動作フローチャートである。
【図8】同実施形態の動作フローチャートである。
【図9】駆動電源電圧に応じたモータ発生トルクとモータ回転速度との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 制御装置(制御手段)
2 モータ
5 CPU(制御手段)
7 モータ回転数センサ(検出手段)
10 サンルーフ装置(挟み込み検知装置)
22 ルーフガラス(開閉体)

Claims (4)

  1. 開閉体を駆動するモータと、該モータの動きに同期したパルス出力を行う検出手段と、該検出手段からのパルス出力の変化に基づいて開閉体動作中に挟み込み検知を行う制御手段を備えた開閉体の挟み込み検知装置において、
    前記制御手段は所定数のパルス出力の変化を記憶し、記憶した前記パルス出力から基準周期Tbを設定すると共に該基準周期Tbに基づき挟み込みが許容される周期係数Cbを算出して、前記周期係数Cbと最新周期Tnに基づく乗算値と、基準周期Tbとの比較により挟み込み確定を行い、
    前記パルス出力が検出されない場合、前記パルス出力の所定パルス前の状態変化から現在までの時間幅Tpと前記周期係数Cbに基づく乗算値が前記基準周期Tb以上、且つ前記パルス出力の最後に検知したパルス出力の状態変化から現在までの時間幅Teと前記周期係数Cbに基づく乗算値が前記基準周期Tb以上で挟み込み確定を行うことを特徴とする開閉体の挟み込み検知装置。
  2. 開閉体を駆動するモータと、該モータの動きに同期したパルス出力を行う検出手段と、該検出手段からのパルス出力の変化に基づいて開閉体動作中に挟み込み検知を行う制御手段を備えた開閉体の挟み込み検知装置において、
    前記制御手段は前記パルス出力の出力変化を記憶し、最新の周期Tnを取得すると共に数パルス前のパルス出力から基準周期Tbを設定し、該基準周期Tbに基づき周期係数Cbを算出して、前記周期係数Cbと前記周期Tnに基づく乗算値が基準周期Tb以上で挟み込み確定を行い、
    前記パルス出力が検出されない場合、前記パルス出力の所定パルス前の状態変化から現在までの時間幅Tpと前記周期係数Cbに基づく乗算値が前記基準周期Tb以上、且つ前記パルス出力の最後に検知したパルス出力の状態変化から現在までの時間幅Teと前記周期係数Cbに基づく乗算値が前記基準周期Tb以上で挟み込み確定を行うことを特徴とする開閉体の挟み込み検知装置。
  3. 前記周期係数Cbを駆動電源電圧の変動に応じて補正した周期係数Cd(ΔV)とすることを特徴とする請求項1又は請求項に記載の開閉体の挟み込み検知装置。
  4. 前記基準周期Tbは、モータ回転が増加している場合に取得されることを特徴とする請求項〜請求項のいずれか一項に記載の開閉体の挟み込み検知装置。
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