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JP4855175B2 - 冷凍機用潤滑油組成物 - Google Patents

冷凍機用潤滑油組成物 Download PDF

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JP4855175B2 JP2006212792A JP2006212792A JP4855175B2 JP 4855175 B2 JP4855175 B2 JP 4855175B2 JP 2006212792 A JP2006212792 A JP 2006212792A JP 2006212792 A JP2006212792 A JP 2006212792A JP 4855175 B2 JP4855175 B2 JP 4855175B2
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Description

本発明は、ハイドロフルオロカーボン、二酸化炭素、炭化水素などの塩素を含有しない冷媒を使用する冷凍機用潤滑油組成物に関する。
冷蔵庫、空調装置などの冷凍機では、圧縮摺動部における摩擦、摩耗、焼き付き防止などのために、潤滑油が用いられている。この潤滑油に要求される特性としては、冷媒との接触を伴うため冷媒に対する安定性が優れていること、冷媒との溶解性に優れていることなどが挙げられる。従来、冷媒としては塩素を含有するフロン冷媒、例えば、R11(トリクロロモノフルオロメタン)やR12(ジクロロジフルオロメタン)などのクロロフルオロカーボン類や、R22(モノクロロジフルオロメタン)などのハイドロクロロフルオロカーボン類が用いられ、これらの塩素を含有する冷媒に対しては、ナフテン系鉱物油、パラフィン系鉱物油、アルキルベンゼン系合成油、ポリαオレフィン系合成油(PAO)等が潤滑油として使用されてきた。
しかし、これらの塩素含有フロン冷媒は、成層圏のオゾン層を破壊するため、国際的にその使用が規制され、これに替わる代替フロン冷媒としてのR134a(1,1,1,2−テトラフルオロエタン)等の塩素を含有しないハイドロフルオロカーボンや、アンモニア、二酸化炭素、炭化水素などが冷媒として使用されつつある。これらの冷媒に対応した潤滑油が検討され、ハイドロフルオロカーボン冷媒に対しては、ポリオキシアルキレングリコール(PAG)などのポリエーテル系合成油あるいはポリオールエステル系合成油が、二酸化炭素に対してはPAGなどのエーテル系合成油やPAOなどの合成炭化水素化合物が、炭化水素に対してはエーテル系合成油やナフテン系鉱物油、パラフィン系鉱物油が提案されている。
しかし、塩素を含有しない冷媒の場合、塩素の極圧効果(潤滑性向上)が望めないため、冷凍機の軸受け、ピストン、シール部等で潤滑不良が生じやすく、エネルギー損失、摩耗増大、焼き付きなどを引き起こしたり、冷媒や潤滑油の分解を促進し、腐食を引き起こす原因となったりする。特に、冷凍機のコンプレサー等の冷凍システム系内には、微量の水分および酸素が存在し、ポリオールエステル系潤滑油を用いた場合、加水分解して遊離酸を生成し、また、エーテル系潤滑油の場合、酸化劣化して酸価を上昇させ、いずれも装置内の材料の腐食、冷媒や潤滑油の劣化促進、冷媒非溶解成分の生成によるキャピラリ閉塞などの問題があった。
これらを改善するため、エポキシ化合物を添加する方法(特開平2−276880、同5−17792)やカルボジイミド基を有する化合物を添加する方法(特開平7−133487、国際公開WO94/21759)が提案されている。しかしながら、エポキシ化合物は遊離酸との反応が遅く、またカルボジイミド基を有する化合物も単独で実質的な効果を上げるためには添加量を多くする必要があり、特に、冷凍システム系に系内水分を低減する装置または手段を有さない、カーエアコンや空調装置等の冷凍機においては、その添加量を2重量%以上とする必要があり、このような添加量では、カルボジイミドの場合は潤滑油の着色が著しく商品価値を下げる原因となり、さらにエポキシ化合物もカルボジイミド化合物もともに長期の使用でスラッジを生成させるという問題があった。
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、特定のエポキシ化合物およびカルボジイミド化合物を併用すると、驚くべきことに、これらの化合物の添加量を、それぞれ単独で添加する場合に比べて著しく低減させることができ、潤滑油の着色や長期の使用でのスラッジの発生を抑制できることを見出した。
本発明はかかる知見に基づきなされたもので、本発明の目的は、加水分解や酸化に対する安定性に優れ、潤滑油の着色や長期間の使用においてスラッジの発生がない、ハイドロフルオロカーボン、二酸化炭素、または炭化水素等の塩素を含有しない冷媒を使用する冷凍機用に最適な潤滑油組成物を提供することである。
本発明は、
(1)エステル系合成潤滑基油に、
(A)アルキルグリシジルエステルの1種以上を0.01重量%以上1重量%未満、および
(B)ジフェニルカルボジイミドまたはビス(アルキル化フェニル)カルボジイミド化合物の1種以上を0.01重量%以上1重量%未満
配合したことからなるハイドロフルオロカーボン、二酸化炭素、または炭化水素を冷媒とした冷凍機用潤滑油組成物、
(2)エステル系合成潤滑基油に、
(A)アルキルグリシジルエステルの1種以上を0.01重量%以上1重量%未満、
(B)ジフェニルカルボジイミドまたはビス(アルキル化フェニル)カルボジイミド化合物の1種以上を0.01重量%以上1重量%未満、および
(C)ジ‐tert‐ブチル‐p‐クレゾールを0.01以上1重量%未満
配合したことからなるハイドロフルオロカーボン、二酸化炭素、または炭化水素を冷媒とした冷凍機用潤滑油組成物、
(3)ハイドロフルオロカーボン、二酸化炭素、または炭化水素を冷媒とした冷凍機が当該冷凍機の系内水分を低減する装置または手段を有さないものであることからなる上記(1)または(2)に記載の冷凍機用潤滑油組成物
関するものである。
エポキシ化合物およびカルボジイミド化合物は、ともに水分、脂肪酸、酸化劣化物など冷凍機内の腐食性の化合物と反応し、腐食成分が冷凍機内の材料の劣化、冷媒や潤滑油の劣化促進などの原因となることを防ぐ作用を持つ。
カルボジイミド化合物は、水分、脂肪酸、酸化劣化物との反応が早く、精製後の潤滑油に残留している脂肪酸、酸化劣化物や、冷凍機内の初期水分と反応する。
一方エポキシ化合物は、比較的反応がゆっくりで、冷凍機が動作中の熱負荷や摺動部分で発生した脂肪酸や酸化劣化物などの腐食成分と反応する。
両化合物を併用すると、上記作用が相乗し、これらの添加量を低減できる。
さらに、両化合物とともに、ジ-tert-ブチル-p-クレゾールを添加すると上記作用効果を増大することができる。
本発明の、特定のエポキシ化合物とカルボジイミド化合物を併用した冷凍機用潤滑油組成物は、加水分解や酸化に対する安定性に優れ、潤滑油の着色や長期間の使用においてスラッジの発生がなく、また加水分解生成物や酸化劣化物による装置内の材料の腐食、冷媒や潤滑油の劣化促進、冷媒非溶解成分の生成によるキャピラリ閉塞などを低減できるという格別の効果を奏する。
本発明は、ハイドロフルオロカーボン、二酸化炭素、炭化水素などの冷媒を使用する冷凍機に適用することができ、特には、カーエアコンや空調装置等で、冷凍システム系に系内水分を低減する装置または手段を有さない冷凍機に好適である。塩素を含有しないこれらの冷媒を1種または2種以上混合したものにも適用することができる。
ハイドロフルオロカーボンとしては、例えばR134a(1,1,1,2-テトラフルオロエタン)R143a(1,1,1-トリフルオロエタン)、R125(ペンタフルオロエタン)、R32(ジフルオロメタン)などの冷媒、あるいはこれらの混合冷媒などを挙げることができる。
炭化水素冷媒としては、例えば炭素数1〜6の炭化水素化合物を使用することができる。具体的には、メタン、エタン、プロパン、n−ブタン、i-ブタン、n-ペンタン、i-ペンタン、ネオペンタン、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタンなどの化合物を挙げることができる。これらの化合物は単独で用いても、2種以上を適宜組み合わせて用いても良い。
本発明における冷凍機用潤滑油の基油としては、エステル化合物、エーテル化合物の1種以上を用いることが好ましい。
エステル化合物としては、多価アルコール(ポリオール)とモノカルボン酸(一価脂肪酸)とのエステル化反応により得られるポリオールエステル、多価アルコールとモノカルボン酸と多価カルボン酸とのコンプレックスエステル、あるいはそれらの混合物などが好ましい。多価アルコールとしては、特に、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなどのネオペンチルポリオールを好ましい。モノカルボン酸としては、n-ペンタン酸、n-ヘキサン酸、n-ヘプタン酸、n-オクタン酸、n-ノナン酸、n-デカン酸、i-ペンタン酸、i-ヘキサン酸、i-ヘプタン酸、2-エチルペンタン酸、2-メチルヘキサン酸、i-オクタン酸、2-エチルヘキサン酸、i-ノナン酸、3,5,5-トリメチルヘキサン酸、i-デカン酸などが挙げられる。また、多価カルボン酸としては、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸などのジカルボン酸が好ましい。
エーテル化合物としては、各種のものを挙げることができる。代表的なものとしては、次の一般式(1)
Figure 0004855175
(式中、
X:モノオールまたはポリオールから水酸基を除いた形の炭化水素基、
A:炭素数2〜4のアルキレン基、
R1:水素または炭素数1〜10のアルキル基、
m:Xの価数
n:2以上の正数)
で表されるポリエーテル化合物が挙げられる。なお、(AO)nは、オキシエチレン、オキシプロピレン、またはオキシブチレンの1種または2種以上が全体としてn個のグループであり、前記オキシアルキレン基は所望の順序で配列することができる。
基油として、上記合成油を1種または2種以上を適宜組み合わせて用いても構わない。
本発明の潤滑油組成物は、上記の基油に、以下に示す(A)および(B)成分、さらには(C)成分の添加剤を加えることにより製造することができる。さらに所望によりその他の添加剤(D)を加えてもよい。
(A)アルキルグリシジルエーテル、アルキルグリシジルエステル、またはシクロヘキセンオキシドを分子内に含む化合物から選択された化合物
(A1)アルキルグリシジルエーテル
アルキルグリシジルエーテルは下記一般式(2)で表される。
Figure 0004855175

(式(2)中、R2は、炭素数5〜18のアルキル基を表す。)
アルキル基の炭素数が5未満であると、エポキシ化合物の安定性が低下し、水分、脂肪酸、酸化劣化物と反応する前に分解したり、エポキシ化合物同士が重合する自己重合を起こしたりするため、目的の機能が得られなくなる。一方炭素数が18を超えると、冷媒、特にハイドロフルオロカーボン冷媒との溶解性がなくなり、冷凍装置内で析出して冷却不良などの不具合を生じる可能性があるため好ましくない。
また、フェニル基、アリール基などを含む場合も冷媒との溶解性がなくなり、冷凍機内で析出して冷却不良などの不具合を生じる可能性があるため好ましくない。
具体的には、ペンチルグリシジルエーテル、ヘキシルグリシジルエーテル、オクチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、ノニルグリシジルエーテル、デシルグリシジルエーテル、ネオデシルグリシジルエーテル、ドデシルグリシジルエーテル、ネオドデシルグリシジルエーテル、パルミチルグリシジルエーテル、ステアリルグリシジルエーテルなどを挙げることができる。
(A2)アルキルグリシジルエステル
アルキルグリシジルエステルは下記一般式(3)で表される。
Figure 0004855175

(式中、R3は、炭素数5〜18のアルキル基を表す。)
アルキル基の炭素数が5未満であると、エポキシ化合物の安定性が低下し、水分、脂肪酸、酸化劣化物と反応する前に分解したり、エポキシ化合物同士が重合する自己重合を起こしたりするため、目的の機能が得られなくなる。一方炭素数が18を超えると、冷媒、特にハイドロフルオロカーボン冷媒との溶解性がなくなり、冷凍機内で析出して冷却不良などの不具合を生じる可能性があるため好ましくない。
また、フェニル基、アリール基などを含む場合も冷媒との溶解性がなくなり、冷凍機内で析出して冷却不良などの不具合を生じる可能性があるため好ましくない。
具体的には、ペンチルグリシジルエテル、ヘキシルグリシジルエテル、オクチルグリシジルエテル、2‐エチルヘキシルグリシジルエテル、ノニルグリシジルエテル、デシルグリシジルエテル、ネオデシルグリシジルエテル、ドデシルグリシジルエテル、ネオドデシルグリシジルエテル、パルミチルグリシジルエテル、ステアリルグリシジルエテルなどを挙げることができる。

(A3)シクロヘキセンオキシドを分子内に含む化合物
シクロヘキセンオキシドを分子内に含む化合物は下記の一般式(4)で表される。
Figure 0004855175

上記式(4)中、R4は、水素、または炭素数1〜30のアルキル基またはアルケニル基、フェニル基、アルキル化フェニル基、または下記一般式(5)で表わされるオキシアルキレン基、
Figure 0004855175

(式(5)中、Aは炭素数1〜4のアルキレン基、nは1〜10の整数を表す。)、
下記一般式(6)で表わされるポリエステルを含む基、
Figure 0004855175

(式(6)中、Bは炭素数1〜9のアルキレン基、mは0〜10の整数を表す。)、または、
下記の一般式(7)で表されるカルボニルを含む基
Figure 0004855175

(式(7)中、R5は水素または炭素数1〜20のアルキル基、pは0〜20の整数を表す。)
のいずれかである。
具体的には、例えば、シクロヘキセンオキシド、エポキシ化テトラヒドロベンジルアルコール、ラクトン変性エポキシ化テトラヒドロベンジルアルコール、ビニルシクロヘキセンモノオキサイド等を挙げることができる。特には、エポキシ化テトラヒドロベンジルアルコールが好ましい。
また、上記の式で示される構造の少なくとも1種以上の重縮合または脱水縮合よりなる縮合物を用いることもできる。
上記の、アルキルグリシジルエーテル、アルキルグリシジルエステル、シクロヘキセンオキシドを分子内に含む化合物から選択された1種以上は、基油に対して0.01重量%以上1重量%未満、好ましくは、0.05重量%以上1重量%未満、より好ましくは0.1重量%以上1重量%未満添加する。添加量が少なすぎると効果がなく、多すぎると長期の使用において、エポキシ化合物同士が重合する自己重合によりスラッジが発生するため好ましくない。
(B)ジフェニルカルボジイミドまたはビス(アルキルフェニル)カルボジイミド
本発明におけるビス(アルキルフェニル)カルボジイミドとしては、ジトリルカルボジイミド、ビス(イソプロピルフェニル)カルボジイミド、ビス(ジイソプロピルフェニル)カルボジイミド、ビス(トリイソプロピルフェニル)カルボジイミド、ビス(ブチルフェニル)カルボジイミド、ビス(ジブチルフェニル)カルボジイミド、ビス(ノニルフェニル)カルボジイミド等を挙げることができる。
カルボジイミド化合物は、基油に対して0.01重量%以上1重量%未満、好ましくは0.05重量%以上0.5重量%未満添加する。添加量が少なすぎると効果がなく、多すぎると潤滑油が黄色から茶色に呈色して、商品価値を低下するとともに、長期の使用によりスラッジを生成させるため好ましくない。
(C)ジ-tert-ブチル-p-クレゾール
ジ-tert-ブチル-p-クレゾールは基油に対して0.01以上1重量%未満、好ましくは0.05以上0.5重量%未満添加する。添加量が少なすぎると効果がなく、多すぎると、長期の使用によりスラッジを生成させるため好ましくない。
(D)その他の添加剤
本発明においては、総合性能を付与し、潤滑油組成物の特性を損なわない範囲で以下のような公知の添加剤を適宜添加することが可能である。本発明の潤滑油組成物には、さらに、下記のような添加剤を配合しても構わない。
摩耗防止剤:硫黄系、リン系、チオリン酸亜鉛系など。
酸化防止剤:フェノール系、アミン系、リン系など。
金属不活性化剤:ベンゾトリアゾール(誘導体)、チアジアゾール、ジチオカルバメートなど。
酸捕捉剤:上記以外のエポキシ化合物、上記以外のカルボジイミド化合物など。
油性剤:高級脂肪酸類、アルコールなど
消泡剤:シリコーン油など
その他、公知の潤滑油用添加剤。
本発明の潤滑油組成物は、レシプロ式あるいはロータリー式の圧縮機を有するカーエアコン、空調機、除湿器、冷蔵庫、冷凍庫、冷凍冷蔵庫、自動販売機、ショーケース、化学プラント等の冷凍機に用いられるが、特には、冷凍サイクルとして、少なくとも、圧縮機、膨張機構、蒸発器、および凝縮器またはガスクーラから構成され、当該冷凍サイクル系内の水分を低減させる、ドライヤ等の装置や手段を含まない冷凍機が、本発明の潤滑油の効果を最大限に発揮でき、好適である。
以下、実施例および比較例に基づいて説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。実施例および比較例に使用した基油、添加剤は下記の通りである。
基油:
基油1:ペンタエリスリトールと2-エチルヘキサン酸/3,5,5-トリメチルヘキサン酸(50重量%/50重量%)から得られるポリオールエステル。
基油2:ペンタエリスリトールと2-エチルヘキサン酸から得られるポリオールエステル。
基油3:ネオペンチルグリコールと2-エチルヘキサン酸から得られるポリオールエステル。
添加剤:
(1)エポキシ化合物:
A1:2-エチルヘキシルグリシジルエーテル
A2:ネオデシルグリシジルエステル
A3:オキシシクロヘキセノール オキシシクロヘキセン酸エステル
(2)カルボジイミド化合物(CDI):
B1:ビス(ジブチルフェニル)カルボジイミド
(3)ジ-tert−ブチル-p-クレゾール(DBPC)
実施例および比較例の潤滑油組成物の組成を表1に示した。
Figure 0004855175
これらの実施例および比較例の潤滑油組成物を用いて、加水分解や酸化劣化に対する安定性を、次の条件によるシールドチューブテストで評価した。
シールドチューブテスト(安定性確認):
試験条件:JIS K 2211 付属書2準拠
油中水分:1000ppm
潤滑油/R134a=7ml/3ml
触媒:Fe,Cu,Al
エージング条件:1)175℃×14日
2)200℃×14日
エージング後のサンプルの色,全酸価,析出の有無を測定した。
実施例および比較例の潤滑油組成物についての上記試験結果を表2に示す。
Figure 0004855175
以上の結果から、実施例のようにエポキシ化合物とカルボジイミド化合物の両方を添加したもの、あるいはこれらにさらにジ-tert-ブチル-p−クレゾールを添加したものが、安定性に優れていることが分かる。
また、これらのうち、実施例2、7、8、および比較例2、4、7について、実機テストに相当するコンプレッサ耐久テストを次の条件で行った。
コンプレッサ耐久テスト:
試験条件:
コンプレッサ:1HP、ロータリーコンプレッサ
油中水分:1000ppm
冷媒:R407C
吐出圧:31kg/cm2
吸入圧:6kg/cm2
試験時間:1000時間
冷凍サイクルは、コンプレッサ、コンデンサ、膨張弁(ニードルバルブ)、エバポレータで構成され、ドライヤを含まないサイクルで試験を実施した。
実施例および比較例の潤滑油組成物の上記試験結果を表3に示す。
Figure 0004855175
以上の結果から、実施例のようにエポキシ化合物とカルボジイミド化合物の両方を添加したもの、あるいはこれらにさらにジ-tert-ブチル-p-クレゾールを添加したものが、安定性に優れていることが分かる。

Claims (3)

  1. エステル系合成潤滑基油に、
    (A)アルキルグリシジルエステルの1種以上を0.01重量%以上1重量%未満、および
    (B)ジフェニルカルボジイミドまたはビス(アルキル化フェニル)カルボジイミド化合物の1種以上を0.01重量%以上1重量%未満配合したことからなる
    ハイドロフルオロカーボン、二酸化炭素、または炭化水素を冷媒とした冷凍機用潤滑油組成物。
  2. エステル系合成潤滑基油に、
    (A)アルキルグリシジルエステルの1種以上を0.01重量%以上1重量%未満、
    (B)ジフェニルカルボジイミドまたはビス(アルキル化フェニル)カルボジイミド化合物の1種以上を0.01重量%以上1重量%未満、および
    (C)ジ‐tert‐ブチル‐p‐クレゾールを0.01以上1重量%未満配合したことからなる
    ハイドロフルオロカーボン、二酸化炭素、または炭化水素を冷媒とした冷凍機用潤滑油組成物。
  3. ハイドロフルオロカーボン、二酸化炭素、または炭化水素を冷媒とした冷凍機が当該冷凍機の系内水分を低減する装置または手段を有さないものである請求項1または2に記載の冷凍機用潤滑油組成物。
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