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JP4844775B2 - 紙製容器 - Google Patents

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JP4844775B2
JP4844775B2 JP2000098779A JP2000098779A JP4844775B2 JP 4844775 B2 JP4844775 B2 JP 4844775B2 JP 2000098779 A JP2000098779 A JP 2000098779A JP 2000098779 A JP2000098779 A JP 2000098779A JP 4844775 B2 JP4844775 B2 JP 4844775B2
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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、紙製容器に関するものであり、更に詳しくは、シール蓋での密封が可能な紙製容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、トレー形状の容器としては、紙製のもの、あるいはプラスチック製のものなど、種々のものが実用化されているが、内容物が液体を含むものの場合、あるいは充分な密封性が必要な場合には、紙単独で構成される紙製の容器あるいは内面に樹脂加工を施した紙で組み立てられた容器は、充分な密封性を有していないため使用できない。充分な密封性を持たせるためには、シール蓋で密封シールするための適切なフランジ部分を備えていることが必要であり、これらの観点から、プラスチックを成形したトレーにシール蓋で密封した形状のプラスチック容器が一般的である。また、紙あるいはプラスチックを単独材料として使用するのではなく、紙とプラスチックとを複合した構成の材料を使用した容器が、特開平3−120034号公報、特開平8−253237号公報などに開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のプラスチック製の容器においては、容器として使用後、その廃棄に問題があり、現在、使用後のこれらの容器は、回収して再利用を図るか、または燃焼処理するか、あるいはそのまま廃棄する等の処理がなされているが、いずれにしても、充分に満足し得る状態ではなく、その使用量の削減などが求められている。また、容器の表面の意匠性についても、印刷効果、および印刷の難易度の点で、紙製の容器に比べて劣っている点が問題である。
【0004】
また、紙とプラスチックとを複合した構成の材料を使用した容器、例えば、特開平3−120034号公報、特開平8−253237号公報などに開示されている容器についても、フランジにおいて、重なり部あるいはつなぎ目などがあり、段差のない平滑で一体なものとなっていないため、シール蓋による充分な密封を行うことができないという問題がある。また、容器のブランクを成形型の中で組み立てることが容易でなく、組み立てた形状が変形し易いという問題がある。
【0005】
本発明は、このような背景に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、主ブランクと副ブランクとを成形型の中で組み立てることが容易で、組み立てた形状で副ブランクの隣接する側面の一方の側面に設けた重合片と他方の側面の一部とが重なり合うことにより変形しにくく、強度のある紙製容器となり、また、フランジが、重なり部あるいはつなぎ目などのない平滑な一体なものであることから、シール蓋による充分な密封が可能であり、さらに、紙を主材料とし、プラスチックの比率の少ない材料構成からなる、環境問題に対応した紙製容器を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記のような課題を解決すべく検討した結果、本発明は、紙を主材料とする、主ブランクと副ブランクとで組み立てられた紙製容器本体と、該紙製容器本体の内面に密接着している熱可塑性樹脂製フィルムよりなる内部保護フィルム層とにより形成された紙製容器であって、前記主ブランクが、枠状のフランジからなり、前記副ブランクが、底面と側面と重合片とからなり、前記紙製容器を組み立てた時に隣接する前記側面同志の一方の側面に折れ線を介して重合片が連設され、該重合片が他方の側面と重なり合わせて組み立てれている紙製容器であって、前記側面において、前記重合片と重なり合う部分の一部に凹部あるいは抜き穴を設け、前記重合片を前記側面の外面で重ね合わせたこと、あるいは、前記重合片に凹部あるいは抜き穴を設け、前記側面の内面で重ね合わせたことを特徴とする。
【0008】
また、前記主ブランクの前記枠状の前記フランジが多角形状であり、前記副ブランクの前記底面が多角形状であることを特徴とする。
【0009】
具体例として、前記主ブランクの前記フランジの形状が八角形であり、前記副ブランクの前記底面の形状が八角形であり、前記底面に折れ線を介して四対の対向する側面を連設していることを特徴とする紙製容器であり、あるいは、前記底面に折れ線を介して二対の対向する前記側面を連設し、該側面の中の一対の前記側面の両側辺に折れ線を介して二対の前記側面を連設していることを特徴とする紙製容器である。
【0010】
また、前記主ブランクの前記フランジの形状が四角形であり、前記副ブランクの前記底面の形状が八角形であり、前記底面に折れ線を介して二対の対向する四角形の前記側面と、二対の対向する三角形の前記側面を連設していることを特徴とする紙製容器であり、あるいは、前記底面に折れ線を介して二対の対向する四角形の前記側面を連設し、該側面の中の一対の前記側面の両側辺に折れ線を介して二対の対向する三角形の前記側面を連設していることを特徴とする紙製容器である。
【0011】
本発明によれば、主ブランクと副ブランクとを成形型の中で組み立てることが容易で、組み立てた形状で副ブランクの隣接する側面の一方の側面に設けた重合片と他方の側面の一部とが重なり合うことにより変形しにくく、強度のある紙製容器となり、また、フランジが、重なり部あるいはつなぎ目などのない平滑な一体なものであることから、シール蓋による充分な密封が可能であり、さらに、紙を主材料とし、プラスチックの比率の少ない材料構成からなる、環境問題に対応した紙製容器を得ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の紙製容器について、形状、用いる材料、および製造方法など、発明の実施の形態について図面を参照にして説明するが、幾つかの図面に渡って同一または同様な部分には同一の符号を付けている。
【0013】
まず、従来の紙製容器の第一の基本の形態の一例で主ブランクのフランジが四角形状で副ブランクの底面も四角形状である場合の例を示す。図1はその斜視図であり、紙製容器1は、重なり部あるいはつなぎ目のない平滑な一体であるフランジ4、底面5、側面6、7、8、9、重合片7a、7a、9a、9aを有する紙製容器本体2を主構成要素とし、さらに紙製容器本体2の内面に熱可塑性樹脂製フィルムを密接着した内面保護フィルム層3との構成からなるものである。すなわち、紙製容器1は、図2に示すように、紙を主材料とする、四角形状のフランジ4からなる主ブランク10と、底面5と側面6、7、8、9と重合片7a、7a、9a、9aとからなる副ブランク20とで副ブランク10の側面7、9に連設した重合片7a、7a、9a、9aを副ブランク20の側面6、8の内面に重ね合わせた状態で紙製容器本体2が組み立てられ、そのフランジ4、側面6、7、8、9、重合片7a、7a、9a、9aおよび底面5を熱可塑性樹脂からなる熱可塑性樹脂製フィルムで密接着することにより内面保護フィルム層3を設けることにより容器を構成するものである。
【0014】
図3の主ブランク10では、重なり部あるいはつなぎ目のない一体となっている四角形状のフランジ4からなっている。
【0015】
図4の副ブランク20では、底面5と、この底面5の辺に、折れ線a、b、c、dを介して、折り曲げ可能な側面6、7、8、9を連設している。そして、側面7の底面5に隣接する両側辺に折れ線e、eを介して重合片7a、7aを連設し、同様に、側面9の底面5に隣接する両側辺に折れ線e、eを介して重合片9a、9aを連設している。この折れ線a、b、c、d、e、fは、側面6、7、8、9、重合片7a、7a、9a、9aが折り曲げ易いように、ミシン目あるいは半切れが好ましい。この側面6、7、8、9の形状は、四角形とし、主に上方に拡がる台形とすることにより、組み立てた後にテーパーのついたトレー形状となる。
【0016】
図5は、本発明の紙製容器の第一の実施の形態の実施例を示す斜視図であり、図5−aに示すように、本発明にかかる紙製容器1aでは、副ブランク20aの側面7、9の重合片7a、7a、9a、9aと、側面6、8が重なる部分の側面6、8の一部に凹部6a、6a、8a、8aを設けている。従って、紙製容器1の場合には、重合片7a、7a、9a、9aを側面6、8の内面で重ね合わせているのに対して、紙製容器1aの場合には、重合片7a、7a、9a、9aを側面6、8の外面で重ね合わせている。つまり、側面6、8に凹部6a、6a、8a、8aがあることによって、この部分を通して重合片7a、7a、9a、9aと内面保護フィルム層3とを密接着している。
【0017】
紙製容器1aの主ブランク10aは、紙製容器1の主ブランク10と同じ形状である。
【0018】
紙製容器1aの副ブランク20aは、紙製容器1の副ブランク20と基本的には同様であるが、さらに、図6−aに示すように、半円形の凹部6a、6a、8a、8aを側面6、8の底面5から立ち上がる両側辺に複数個設けている。この凹部6a、6a、8a、8aは、主ブランク10aと副ブランク11aとを組み立てた時に、副ブランク20aの側面7、9に連設した重合片7a、7a、9a、9aと側面6、8とが重なる範囲内に設けることができる。
【0019】
凹部6a、6a、8a、8aの形状は、図6−bに示すような半長円形、図6−cに示すような四角形などでもよく、特に限定されるものではない。その凹部6a、6a、8a、8aの数も、特に限定されない。この、凹部6a、6a、8a、8aを設けることによって、主ブランク10aと副ブランク20aとを組み立て、紙製容器1aとする時に、副ブランク20aの側面7、9に連設した重合片7a、7a、9a、9aを側面6、8の外面の一部に重ねて熱可塑性樹脂製フィルムよりなる内部保護フィルム層3と凹部6a、6a、8a、8aの部分を通して密接着することができ、組み立てた紙製容器1aの強度を増すことができる。
【0020】
また、図5−bに示すような紙製容器1bの副ブランク20bは、紙製容器1の副ブランク20と基本的には同様であるが、さらに、図7−aに示すように、円形の抜き穴6b、6b、8b、8bを側面6、8の底面5から立ち上がる両側辺部に複数個設けている。この抜き穴6b、6b、8b、8bは、主ブランク10b(主ブランク10と同じ形状)と副ブランク20bとを組み立てた時に、副ブランク20bの側面7、9に連設した重合片7a、7a、9a、9aと側面6、8とが重なる範囲内に設けることができる。
【0021】
抜き穴6b、6b、8b、8bの形状は、図7−bに示すような長円形、図7−cに示すような四角形などでもよく、特に限定されるものではない。その抜き穴6b、6b、8b、8bの数も、特に限定されない。この、抜き穴6b、6b、8b、8bを設けることによって、凹部6a、6a、8a、8aの場合と同様に、主ブランク10bと副ブランク20bとを組み立て、紙製容器1bとする時に、副ブランク20aの側面7、9に連設した重合片7a、7a、9a、9aを副ブランク20bの側面6、8の外面の一部に重ねて熱可塑性樹脂製フィルムよりなる内部保護フィルム層3と抜き穴6b、6b、8b、8bの部分を通して密接着することができ、組み立てた紙製容器1bの強度を増すことができる。
【0022】
図8は、本発明の紙製容器の第一の実施の形態の別の実施例を示す斜視図であり、図8−aに示すように、本発明にかかる紙製容器1cでは、副ブランク20cの側面6、8と重なる重合片7a、7a、9a、9aに凹部7aa、7aa、9aa、9aaを設けている。この紙製容器1cの場合には、重合片7a、7a、9a、9aを側面6、8の内面で重ね合わせており、重合片7a、7a、9a、9aに凹部7aa、7aa、9aa、9aaがあることによって、この部分を通して側面6、8と内面保護フィルム層3とを密接着することができる。
【0023】
紙製容器1cの主ブランク10cは、紙製容器1の主ブランク10と同じ形状である。
【0024】
紙製容器1cの副ブランク20cは、紙製容器1の副ブランク20と基本的には同様であるが、さらに、重合片7a、7a、9a、9aには、図9−aに示すように、半円形の凹部7aa、7aa、9aa、9aaを複数個設けている。
【0025】
凹部7aa、7aa、9aa、9aaの形状は、図9−bに示すような半長円形、図9−cに示すような四角形などでもよく、特に限定されるものではない。その凹部7aa、7aa、9aa、9aaの数も、特に限定されない。この、凹部7aa、7aa、9aa、9aaを設けることによって、主ブランク10cと副ブランク20cとを組み立て、紙製容器1cとする時に、副ブランク20cの側面7、9に連設した重合片7a、7a、9a、9aを側面6、8の内面の一部に重ねて熱可塑性樹脂製フィルムよりなる内部保護フィルム層3と凹部7aa、7aa、9aa、9aaの部分を通して密接着することができ、組み立てた紙製容器1cの強度を増すことができる。
【0026】
また、図8−bに示すように、本発明にかかる紙製容器1dでは、副ブランク20dの側面6、8と重なる重合片7a、7a、9a、9aに抜き穴7ab、7ab、9ab、9abを設けている。この紙製容器1dの場合には、重合片7a、7a、9a、9aを側面6、8の内面で重ね合わせており、重合片7a、7a、9a、9aに抜き穴7ab、7ab、9ab、9abがあることによって、この部分を通して側面6、8と内面保護フィルム層3とを密接着することができる。
【0027】
紙製容器1dの主ブランク10dは、紙製容器1の主ブランク10と同じ形状である。
【0028】
紙製容器1dの副ブランク20dは、紙製容器1の副ブランク20と基本的には同様であるが、さらに、重合片7a、7a、9a、9aには、図10−aに示すように、円形の抜き穴7ab、7ab、9ab、9abを複数個設けている。
【0029】
抜き穴7ab、7ab、9ab、9abの形状は、図10−bに示すような長円形、図10−cに示すような四角形などでもよく、特に限定されるものではない。その抜き穴7ab、7ab、9ab、9abの数も、特に限定されない。この、抜き穴7ab、7ab、9ab、9abを設けることによって、凹部7ab、7ab、9ab、9abの場合と同様に、主ブランク10dと副ブランク20dとを組み立て、紙製容器1dとする時に、副ブランク20dの側面7、9に連設した重合片7a、7a、9a、9aを側面6、8の内面の一部に重ねて熱可塑性樹脂製フィルムよりなる内部保護フィルム層3と抜き穴7ab、7ab、9ab、9abの部分を通して密接着することができ、組み立てた紙製容器1dの強度を増すことができる。
【0030】
つぎに、従来の紙製容器の第二の基本の形態の一例で主ブランクのフランジが八角形状で副ブランクの底面も八角形である場合の例を示す。図11−aはその斜視図であり、紙製容器1eは、紙を主材料とする、主ブランク10eと、副ブランク20eとで副ブランク20eの重合片11a、11a、12a、12a、13a、13a、14a、14aを側面6、7、8、9の内面に重ねた状態で紙製容器本体2eが組み立てられ、その底面5、側面6、7、8、9、11、12、13、14、重合片11a、11a、12a、12a、13a、13a、14a、14aおよびフランジ4を熱可塑性樹脂製フィルムで密接着することによる内面保護フィルム層3を設けることにより容器を構成するものである。
【0031】
図12の主ブランク10eは、重なり部あるいはつなぎ目のない一体となっている八角形状のフランジ4からなっている。
【0032】
図13の副ブランク20eでは、底面5と、この底面5の二対の対向する辺に、折れ線a、b、c、dを介して、折り曲げ可能な二対の対向する側面6、7、8、9を連設し、残りの二対の対向する辺に、折れ線g、h、i、jを介して二対の側面11、12、13、14を連設している。そして、側面11、12、13、14の底面5に隣接するそれぞれの両側辺に折れ線k、k、l、l、m、m、n、nを介して重合片11a、11a、12a、12a、13a、13a、14a、14aを連設している。この折れ線a、b、c、d、g、h、i、j、k、l、m、nは、側面6、7、8、9、11、12、13、14、重合片11a、11a、12a、12a、13a、13a、14a、14aが折り曲げ易いように、ミシン目あるいは半切れが好ましい。この側面6、7、8、9、11、12、13、14の形状は、四角形とし、主に上方に拡がる台形とすることにより、組み立てた後にテーパーのついたトレー形状となる。
【0033】
また、図14は、図11−bに示すような紙製容器1fにおいて、主ブランク10eに対応する副ブランクとして、上記の副ブランク20eとは異なった形状の副ブランク20fを示している。副ブランク20fでは、底面5と、この底面5の二対の対向する辺に、折れ線a、b、c、dを介して、折り曲げ可能な二対の対向する側面6、7、8、9を連設し、その内の一対の対向する側面7、9の両側辺に折れ線e、e、f、fを介して二対の側面11、12、13、14を連設している。そして、側面11、12、13、14の側面7、9の反対側のそれぞれの側辺に折れ線k、l、m、nを介して重合片11a、12a、13a、14aを連設している。この折れ線a、b、c、d、e、f、k、l、m、nは、側面6、7、8、9、11、12、13、14、重合片11a、12a、13a、14aが折り曲げ易いように、ミシン目あるいは半切れが好ましい。この側面6、7、8、9、11、12、13、14の形状は、四角形とし、主に上方に拡がる台形とすることにより、組み立てた後にテーパーのついたトレー形状となる。
【0034】
図15は、本発明の紙製容器の第二の実施の形態の実施例を示す斜視図であり、図15−aに示すように、本発明にかかる紙製容器1gでは、副ブランク20gの側面6、7、8、9、11、12、13、14と重合片11a、11a、12a、12a、13a、13a、14a、14aとが重なる部分の側面6、7、8、9の両側辺に凹部6a、6a、7a、7a、8a、8a、9a、9aを設けている。従って、紙製容器1eの場合には、重合片11a、11a、12a、12a、13a、13a、14a、14aを側面6、7、8、9の内面で重ね合わせているのに対して、紙製容器1gの場合には、重合片11a、11a、12a、12a、13a、13a、14a、14aを側面6、7、8、9の外面で重ね合わせている。
【0035】
紙製容器1gの主ブランク10gは、紙製容器1eの主ブランク10eと同じ形状である。
【0036】
紙製容器1gの副ブランク20gは、紙製容器1eの副ブランク20eと基本的には同様であるが、さらに、側面6、7、8、9の両側辺には、図16に示すように、半円形の凹部6a、6a、7a、7a、8a、8a、9a、9aを複数個設けている。この凹部6a、6a、7a、7a、8a、8a、9a、9aは、主ブランク10gと副ブランク20gとを組み立てた時に、副ブランク20gの側面11、12、13、14に連設した重合片11a、11a、12a、12a、13a、13a、14a、14aと側面6、7、8、9とが重なる範囲内に設けることができる。
【0037】
凹部6a、6a、7a、7a、8a、8a、9a、9aの形状は、半長円形、三角形、四角形などでもよく、特に限定されるものではない。その数も、特に限定されない。この、凹部6a、6a、7a、7a、8a、8a、9a、9aを設けることによって、主ブランク10gと副ブランク20gとを組み立て、紙製容器1gとする時に、副ブランク20gの側面11、12、13、14に連設した重合片11a、11a、12a、12a、13a、13a、14a、14aを側面6、7、8、9の外面の一部に重ねて熱可塑性樹脂製フィルムよりなる内部保護フィルム層3と凹部6a、6a、7a、7a、8a、8a、9a、9aの部分を通して密接着することができ、組み立てた紙製容器1gの強度を増すことができる。
【0038】
また、図15−bに示すような紙製容器1hの副ブランク20hは、紙製容器1eの副ブランク20eと基本的には同様であるが、さらに、側面6、7、8、9の両側辺には、図17に示すように、抜き穴6b、6b、7b、7b、8b、8b、9b、9bを複数個設けている。この抜き穴6b、6b、7b、7b、8b、8b、9b、9bは、主ブランク10h(主ブランク10eと同じ形状)と副ブランク20hとを組み立てた時に、副ブランク20gの側面11、12、13、14に連設した重合片11a、11a、12a、12a、13a、13a、14a、14aと側面6、7、8、9とが重なる範囲内に設けることができる。
【0039】
抜き穴6b、6b、7b、7b、8b、8b、9b、9bの形状は、長円形、三角形、四角形などでもよく、特に限定されるものではない。その数も、特に限定されない。この、抜き穴6b、6b、7b、7b、8b、8b、9b、9bを設けることによって、主ブランク10hと副ブランク20hとを組み立て、紙製容器1hとする時に、副ブランク20hの側面11、12、13、14に連設した重合片11a、11a、12a、12a、13a、13a、14a、14aを側面6、7、8、9の外面の一部に重ねて熱可塑性樹脂製フィルムよりなる内部保護フィルム層3と抜き穴6b、6b、7b、7b、8b、8b、9b、9bの部分を通して密接着することができ、組み立てた紙製容器1hの強度を増すことができる。
【0040】
図18、図19は、本発明にかかる紙製容器1gおよび紙製容器1hにおける副ブランクとして、上記の副ブランク20g、副ブランク20hとは異なった形状の副ブランクi、副ブランク20jを示している。図18の副ブランク20iでは、側面6、8の両側辺に、副ブランク20gと同様に、半円形の凹部6a、6a、8a、8aを設けている。
【0041】
図19の副ブランク20jでは、側面6、8の両側辺部に、副ブランク20hと同様に、抜き穴6b、6b、8b、8bを設けている。
【0042】
この第二の実施の形態においても、第一の実施の形態と同様に、さらに別の実施例として、図20に示すように、副ブランク20eあるいは副ブランク20fの重合片11a、11a、12a、12a、13a、13a、14a、14aに凹部11aa、11aa、12aa、12aa、13aa、13aa、14aa、14aaあるいは抜き穴11ab、11ab、12ab、12ab、13ab、13ab、14ab、14abを設けて副ブランク20k(展開図は省略)あるいは副ブランク20l(展開図は省略)としている。この場合には、重合片11a、11a、12a、12a、13a、13a、14a、14aを側面6、7、8、9の内面で重ね合わせる。この凹部11aa、11aa、12aa、12aa、13aa、13aa、14aa、14aaあるいは抜き穴11ab、11ab、12ab、12ab、13ab、13ab、14ab、14abを設けることによって、主ブランク10k(主ブランク10eと同じ形状)と副ブランク20kとを組み立てて図20−aに示すような紙製容器1kとする時あるいは主ブランク10l(主ブランク10eと同じ形状)と副ブランク20lとを組み立てて図20−bに示すような紙製容器1lとする時に、副ブランク20kあるいは副ブランク20lの側面11、12、13、14に連設した重合片11a、11a、12a、12a、13a、13a、14a、14aを副ブランク20kあるいは副ブランク20lの側面6、7、8、9の内面の一部に重ねて熱可塑性樹脂製フィルムよりなる内部保護フィルム層3と凹部11aa、11aa、12aa、12aa、13aa、13aa、14aa、14aaあるいは抜き穴11ab、11ab、12ab、12ab、13ab、13ab、14ab、14abの部分を通して密接着することができ、組み立てた紙製容器1kあるいは紙製容器1lの強度を増すことができる。
【0043】
以上、本発明の紙製容器の第一の実施の形態および第二の実施の形態において、主ブランクのフランジ4の形状および副ブランクの底面5の形状が、四角形状である場合、八角形状である場合について具体的に説明したが、底面5およびフランジ4の形状は、多角形であれば、三角形、五角形、六角形、十角形等のいずれの形状でもよい。
【0044】
つぎに、従来の紙製容器の第三の基本の形態の一例で主ブランクのフランジが四角形状で副ブランクの底面が八角形状である場合の例を示す。図21はその斜視図であり、紙製容器1mは、紙を主材料とする、主ブランク10m(主ブランク10と同様の形状)と、副ブランク20mとで副ブランク20mの重合片11a、11a、12a、12a、13a、13a、14a、14aと副ブランク20mの側面6、7、8、9の内面を重ねた状態で紙製容器本体2mが組み立てられ、この二対の側面11、12、13、14は三角形となっている。その紙製容器本体2mの底面5、側面6、7、8、9、11、12、13、14、重合片11a、11a、12a、12a、13a、13a、14a、14aおよびフランジ4を熱可塑性樹脂製フィルムで密接着することによる内面保護フィルム層3を設けることにより容器を構成するものである。
【0045】
図22の副ブランク20mでは、底面5と、この底面5の直交する二対の対向する辺に、折れ線a、b、c、dを介して、折り曲げ可能な二対の対向する側面6、7、8、9を連設し、残りの二対の対向する辺に、折れ線g、h、i、jを介して二対の側面11、12、13、14を連設している。そして、側面11、12、13、14の底面5に隣接するそれぞれの両側辺に折れ線k、k、l、l、m、m、n、nを介して重合片11a、11a、12a、12a、13a、13a、14a、14aを連設している。この側面6、7、8、9の形状は、四角形とし、主に上方に拡がる台形とするが、二対の側面11、12、13、14の形状は、三角形としている。
【0046】
図23は、主ブランク10n(主ブランク10と同様の形状)に対応する副ブランクとして、上記の副ブランク20mとは異なった形状の副ブランク20nを示している。この副ブランク20nでは、底面5と、この底面5の直交する二対の対向する辺に、折れ線a、b、c、dを介して、折り曲げ可能な二対の対向する側面6、7、8、9を連設し、その内の一対の対向する側面7、9の両側辺に折れ線e、e、f、fを介して二対の側面11、12、13、14を連設している。そして、側面11、12、13、14の側面7、9の反対側のそれぞれの側辺に折れ線k、l、m、nを介して重合片11a、12a、13a、14aを連設している。この側面6、7、8、9の形状は、四角形とし、主に上方に拡がる台形とするが、二対の側面11、12、13、14の形状は、三角形としている。
【0047】
図24は、本発明の紙製容器の第三の実施の形態の実施例を示す斜視図であり、図24−aに示すように、本発明にかかる紙製容器1oでは、副ブランク20oの側面6、7、8、9と側面11、12、13、14に連設した重合片11a、11a、12a、12a、13a、13a、14a、14aとが重なる部分の副ブランク20oの側面6、7、8、9の一部に凹部6a、6a、7a、7a、8a、8a、9a、9aを設けている。従って、紙製容器1mの場合には、重合片7a、7a、9a、9aを側面6、7、8、9、11の内面で重ね合わせているのに対して、紙製容器1nの場合には、重合片11a、11a、12a、12a、13a、13a、14a、14aを側面6、7、8、9の外面で重ね合わせることができる。つまり、凹部6a、6a、7a、7a、8a、8a、9a、9aがあることによって、この部分を通して重合片11a、11a、12a、12a、13a、13a、14a、14aと内面保護フィルム層3とを密接着することができる。
【0048】
紙製容器1oの主ブランク10oは、紙製容器1mの主ブランク10mと同じ形状である。つまり、紙製容器1の主ブランク10と同じ形状である。
【0049】
紙製容器1oの副ブランク20oは、図25に示すように、紙製容器1mの副ブランク20mと基本的には同様であるが、さらに、側面6、7、8、9の側辺には、半円形の凹部6a、6a、7a、7a、8a、8a、9a、9aを複数個設けている。この凹部6a、6a、7a、7a、8a、8a、9a、9aは、主ブランク10oと副ブランク20oとを組み立てた時に、副ブランク20oに連設した重合片11a、11a、12a、12a、13a、13a、14a、14aと副ブランク20oの側面6、7、8、9とが重なる範囲内に設けることができる。
【0050】
凹部6a、6a、7a、7a、8a、8a、9a、9aの形状は、半長円形、三角形、四角形などでもよく、特に限定されるものではない。その数も、特に限定されない。この凹部6a、6a、7a、7a、8a、8a、9a、9aを設けることによって、主ブランク10oと副ブランク20oとを組み立て、紙製容器1oとする時に、副ブランク20oの側面11、12、13、14に連設した重合片11a、11a、12a、12a、13a、13a、14a、14aを副ブランク20oの側面6、7、8、9の外面の一部に重ねて熱可塑性樹脂製フィルムよりなる内部保護フィルム層3と凹部6a、6a、7a、7a、8a、8a、9a、9aの部分を通して密接着することができ、組み立てた紙製容器1oの強度を増すことができる。
【0051】
また、図24−bに示すような紙製容器1pの副ブランク20pは、図26に示すように、紙製容器1mの副ブランク20mと基本的には同様であるが、さらに、側面6、7、8、9の側辺部には、円形の抜き穴6b、6b、7b、7b、8b、8b、9b、9bを複数個設けている。この抜き穴6b、6b、7b、7b、8b、8b、9b、9bは、主ブランク10p(主ブランク10と同じ形状)と副ブランク20pとを組み立てた時に、副ブランク20pの側面11、12、13、14に連設した重合片11a、11a、12a、12a、13a、13a、14a、14aと副ブランク20pの側面6、7、8、9とが重なる範囲内に設けることができる。
【0052】
抜き穴6b、6b、7b、7b、8b、8b、9b、9bの形状は、長円形、三角形、四角形などでもよく、特に限定されるものではない。その数も、特に限定されない。この抜き穴6b、6b、7b、7b、8b、8b、9b、9bを設けることによって、主ブランク10pと副ブランク20pとを組み立て、紙製容器1pとする時に、副ブランク20pの側面11、12、13、14に連設した重合片11a、11a、12a、12a、13a、13a、14a、14aを副ブランク20pの側面6、7、8、9の外面の一部に重ねて熱可塑性樹脂製フィルムよりなる内部保護フィルム層3と抜き穴6b、6b、7b、7b、8b、8b、9b、9bの部分を通して密接着することができ、組み立てた紙製容器1pの強度を増すことができる。
【0053】
図27、図28は、本発明にかかる紙製容器1oおよび紙製容器1pにおける副ブランクとして、上記の副ブランク20o、副ブランク20pとは異なった形状の副ブランク20q(図は省略)、副ブランク20r(図は省略)を示している。図27の副ブランク20qでは、紙製容器1nの副ブランク20nと基本的には同様であるが、さらに、側面6、8の側辺には、半円形の凹部6a、6a、8a、8aを設けている。この凹部6a、6a、8a、8aは、主ブランク10q(主ブランク10と同じ形状)と副ブランク20qとを組み立てた時に、副ブランク20qの側面11、12、13、14に連設した重合片11a、12a、13a、14aと側面6、8とが重なる範囲内に設けることができる。この側面6、7、8、9の形状は、四角形とし、主に上方に拡がる台形とするが、二対の側面11、12、13、14の形状は、三角形としている。
【0054】
図28の副ブランク20rでは、紙製容器1nの副ブランク20nと基本的には同様であるが、さらに、側面6、8の側辺には、抜き穴6b、6b、8b、8bを設けている。この抜き穴6b、6b、8b、8bは、主ブランク10r(主ブランク10と同じ形状)と副ブランク20rとを組み立てた時に、副ブランク20rの側面11、12、13、14に連設した重合片11a、12a、13a、14aと副ブランク20rの側面6、8とが重なる範囲内に設けることができる。この側面6、7、8、9の形状は、四角形とし、主に上方に拡がる台形とするが、二対の側面11、12、13、14の形状は、三角形としている。
【0055】
この第三の実施の形態においても、第一の実施の形態と同様に、さらに別の実施例として、副ブランク20mあるいは副ブランク20nの重合片11a、11a、12a、12a、13a、13a、14a、14aに凹部11aa、11aa、12aa、12aa、13aa、13aa、14aa、14aaあるいは抜き穴11ab、11ab、12ab、12ab、13ab、13ab、14ab、14abを設けて副ブランク20sあるいは副ブランク20tとすることもできる。この場合には、重合片11a、11a、12a、12a、13a、13a、14a、14aを側面6、7、8、9の内面で重ね合わせる。この凹部11aa、11aa、12aa、12aa、13aa、13aa、14aa、14aaあるいは抜き穴11ab、11ab、12ab、12ab、13ab、13ab、14ab、14abを設けることによって、主ブランク10s(主ブランク10と同じ形状)と副ブランク20sとを組み立てて図29−aに示すような紙製容器1sとする時、あるいは主ブランク10t(主ブランク10と同じ形状)と副ブランク20tとを組み立てて図29−bに示すような紙製容器1tとする時に、副ブランク20sあるいは副ブランク20tの側面11、12、13、14に連設した重合片11a、11a、12a、12a、13a、13a、14a、14aを副ブランク20sあるいは副ブランク20tの側面6、7、8、9の内面の一部に重ねて熱可塑性樹脂製フィルムよりなる内部保護フィルム層3と凹部11aa、11aa、12aa、12aa、13aa、13aa、14aa、14aaあるいは抜き穴11ab、11ab、12ab、12ab、13ab、13ab、14ab、14abの部分を通して密接着することができ、組み立てた紙製容器1sあるいは紙製容器1tの強度を増すことができる。
【0056】
また、本発明の紙製容器のいずれの形態においても、図30に例を示すように、主ブランクのフランジの内側の辺に側面を連設し、副ブランクではその主ブランクに設けた側面以外の部分に側面を設けた形状としてもよい。
【0057】
また、本発明の紙製容器のいずれの形態においても、枠状のフランジ4の形状は、フランジ4の内周を表している。一般的には、内周の形状と外周の形状とは、同一であるが、必ずしも内周の形状と外周の形状とが同一である必要はない。
【0058】
つぎに、本発明にかかる紙製容器の製造方法について説明する。この説明では主に紙製容器1について具体的に説明するが、他の実施の形態でも同様に製造することができる。
【0059】
本発明においては、まず、図3および図6にその一例を示すように、フランジ4からなる主ブランク10と、底面5と側面6、7、8、9と重合片7a、7a、9a、9aからなる副ブランク20とを製造する。
【0060】
つぎに、図31に示すように、上記で製造した主ブランク10および副ブランク20を真空ないし圧空成形する成形型100内に入れて該成形型100内でトレー状に組み立てる。なお、図において、101は、成形機ベットを示し、102は、吸引する真空孔を示し、103は、熱可塑性樹脂製フィルムを示し、104は、それをクリップするクランプを示している。
【0061】
成形型100内で、紙製容器本体2を組み立てるには、まず、主ブランク10のフランジ4を成形型100にしっかり固定して挿入する。つぎに、副ブランク20の側面6、7、8、9および重合片7a、7a、9a、9aを折り曲げて、底面5を成形型100の底面まで挿入する。副ブランク20が挿入されることによって、副ブランク20の重合片7a、7a、9a、9aと副ブランク20の側面6、8とが部分的に重なり合い、2つのブランクにより紙製容器本体2が成形型100内で容易に組み立てられる。この組み立ての際に、成形型100内に副ブランク20を押し込む際に、上方からプラグを押し込むことにより、容易に成形型100内で紙製容器本体2を組み立てることができる。
【0062】
上記で製造した紙製容器本体2では、重なり部あるいはつなぎ目のない一体となっているフランジ4が形成される。また、副ブランク20の側面6、7、8、9が、底面5から起立した形状となり、容器を構成する隅部において、他方の側面6、7、8、9の端部とが接した状態で隣接し、副ブランク20の重合片7a、7a、9a、9aと副ブランク20の側面6、7、8、9とが部分的に重なり合っている。
【0063】
つぎに、本発明においては、図32に示すように、成形機ベット101の真空孔102より空気を吸引しながら、クランプ104でクリップしている加熱状態にある熱可塑性樹脂製フィルム103を、そのクランプ104を下げて成形型100に接触させ、更に吸引を継続しながら上記の紙製容器本体2の内部に加熱状態にある熱可塑性樹脂フィルム103を密接着させる。なお、前記真空成形、または真空圧空成形の際には、プラグアシスト装置を併用して、軟化した熱可塑性樹脂フィルム103を紙製容器本体2の中に押し込むことができる。このような方法を採ることにより、紙製容器本体2の内面に形成される内面保護フィルム層3の厚さムラを少なくすることができ、紙製容器1の品質を向上させることができる。上記で密接着が終了した後、吸引を解いて、さらに熱可塑性樹脂製フィルム103を切断して、紙製容器本体2の内面に内面保護フィルム層3を有する本発明にかかる紙製容器1を製造することができる。紙製容器1a、1b、1c、1d、1e、1f、1g、1h、1i、1j、1k、1l、1m、1n、1o、1p、1q、1r、1s、1tについても、紙製容器1と同様にして、製造することができる。
【0064】
上記の本発明において、ブランクを構成する紙材料としては、例えば、坪量150〜600g/m2程度の各種の板紙、加工紙等を使用することができる。
【0065】
また、上記の本発明において、内面保護フィルム層3を形成する熱可塑性樹脂からなる熱可塑性樹脂製フィルム103としては、耐水性、密封性、そして熱融着性を有する熱可塑性樹脂からなるフィルムであればよく、例えば、各種のポリエチレン(PA)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレ−ト(PAT)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマ−、エチレン−アクリル酸共重合体、ポリアミド、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリカ−ボネ−ト、ポリブテン、ポリビニルアルコ−ル、その他等の各種の熱可塑性樹脂のフィルムを単独ないしラミネ−トして使用することができる。特に、容器にガスバリヤー性を付与したい場合には、例えば、中間層にエチレン−ビニルアルコール共重合体(AVOD)などのガスバリヤー性材料を積層した積層シート、具体的には、PA/AVOD/PA、PP/AVOD/PA、A(アモルファス)・PAT/AVOD/PAなどの層構成の積層シートを用いることができる。
【0066】
これらの熱可塑性樹脂製フィルム103の厚さは、30〜250μmの範囲とし、フィルム自体の成形性、および成形する容器の容量、深絞りの比率(深さ/口径)などにより、適宜決定するが、好ましくは50〜100μmの範囲とする。ただ、容器の強度は、主に外側の紙製容器本体2で付与されるため、プラスチック単独の成形容器の場合よりは、厚さを極端に薄くすることができる。環境対応の観点から、プラスチックの構成比率を少なくするために、必要最小限の厚さとすることが好ましいが、薄すぎた場合には、バリアー性が劣ること、ピンホールが発生しやすくなるなどの問題があるので、フィルムの種類、容器のサイズなどを勘案して適宜設定する必要がある。
【0067】
なお、本発明の紙製容器において、半製品である紙製容器本体2の内面に熱可塑性樹脂製フィルム103を密接着させる場合、フィルム自身が加熱状態で接着させるが、熱可塑性樹脂製フィルム103の材質によっては、紙製容器本体2との接着強度が不充分な場合がある。このような場合には、例えば、熱可塑性樹脂製フィルム103に、あらかじめヒートシール剤やホットメルト材などの熱接着性樹脂を塗布したり、あるいは、熱接着性樹脂を押し出しコートして接着層を設けておくことができる。また、接着層を塗布する場合は、紙製容器本体2側に設けてもよく、ただ、このような接着層を設ける場合は、接着層の材質の選定と厚さの調整を行うことが必要である。
【0068】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明は、紙を主材料とする、枠状のフランジからなる主ブランクと、底面と側面と重合片とからなる副ブランクとを製造し、これを真空ないし圧空成形する成形型内に入れて該型内で組み立てて紙製容器を構成する半製品である紙製容器本体を組み立てて、その紙製容器本体を構成する底面と側面と重合片とフランジとを加熱状態にある熱可塑性樹脂製フィルムを密接着させてそれらを固定することによって紙製容器を製造するものである。従って、本発明は、従来のようにシール蓋によるシールの密封性が不充分であるという問題点を改良し、その製造工程を全く変えたものである。すなわち、板紙を主材料とする主ブランクと副ブランクを作製し、これらを、フィルムを真空ないし圧空成形する型内で組み立て、しかる後、その内面の全面に真空成形ないし圧空成形、あるいはその併用により成形して熱可塑性樹脂製フィルムを密接着させるだけであり、フランジが重なる部分あるいはつなぎ目などのない平滑な一体なものであることから、シール蓋による充分な内容物の密封が可能である。
【0069】
また、フランジからなる主ブランクと、底面と側面と重合片とからなる副ブランクとを成形型の中に挿入するだけで簡単に組み立てることができ、組み立てた形状で副ブランクの重合片と側面の一部とが重なり合うことにより変形しにくく、強度のある紙製容器となるという特徴がある。
【0070】
さらに、組み立てた形状で副ブランクの重合片と側面の一部とを重ね合わせ、その内側になる重合片あるいは側面の一部に凹部あるいは抜き穴を設けることにより、この凹部あるいは抜き穴を通して内部保護フィルム層と外側の重合片あるいは側面とが密接着し、より強度がある紙製容器となるという特徴がある。
【0071】
さらにまた、本発明の紙製容器は、紙を主体とした容器であることから、容器として使用後、そのまま燃焼ゴミとして廃棄することができ、環境破壊等の元凶にならないものである。本発明にかかる紙製容器は、冷凍食品、惣菜等の包装用容器として、極めて有用なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の紙製容器の第一の基本の形態の一例を示す斜視図である。
【図2】図1の実施例を構成する紙製容器本体の概略を示す斜視図である。
【図3】図1の実施例の主ブランクを示す展開図である。
【図4】図1の実施例の副ブランクを示す展開図である。
【図5】本発明の紙製容器の第一の実施の形態の実施例を示す斜視図である。
【図6】図5の実施例の副ブランクの例を示す展開図である。
【図7】図5の実施例の別の副ブランクの例を示す展開図である。
【図8】本発明の紙製容器の第一の実施の形態の別の実施例を示す斜視図である。
【図9】図8の実施例の副ブランクの例を示す展開図である。
【図10】図8の実施例の別の副ブランクの例を示す展開図である。
【図11】従来の紙製容器の第二の基本の形態の一例を示す斜視図である。
【図12】図11の実施例の主ブランクを示す展開図である。
【図13】図11の実施例の副ブランクを示す展開図である。
【図14】図11の実施例の別の副ブランクを示す展開図である。
【図15】本発明の紙製容器の第二の実施の形態の実施例を示す斜視図である。
【図16】図15の実施例の副ブランクを示す展開図である。
【図17】図15の実施例の別の副ブランクを示す展開図である。
【図18】図15の実施例のさらに別の副ブランクを示す展開図である。
【図19】図15の実施例のさらに別の副ブランクを示す展開図である。
【図20】本発明の紙製容器の第二の実施の形態の別の実施例を示す斜視図である。
【図21】従来の紙製容器の第三の基本の形態の一例を示す斜視図である。
【図22】図21の実施例の副ブランクを示す展開図である。
【図23】図21の実施例の別の副ブランクを示す展開図である。
【図24】本発明の紙製容器の第三の実施の形態の実施例を示す斜視図である。
【図25】図24の実施例の副ブランクを示す展開図である。
【図26】図24の実施例の別の副ブランクを示す展開図である。
【図27】図24の実施例のさらに別の副ブランクを示す展開図である。
【図28】図24の実施例のさらに別の副ブランクを示す展開図である。
【図29】本発明の紙製容器の第三の実施の形態の別の実施例を示す斜視図である。
【図30】従来の紙製容器の第一の基本の形態の一例従来の第二の基本の形態の一例および従来の第三の基本の形態を展開した一例の主ブランクと副ブランクを示す展開図である。
【図31】本発明の紙製容器の一実施例を構成する半製品である紙製容器本体を組み立てる状態の成形型の概略を示す断面図である。
【図32】本発明の紙製容器の一実施例を構成する半製品である紙製容器本体の内部に熱可塑性樹脂製フィルムを密接着させる状態の成形型の概略を示す断面図である。

Claims (8)

  1. 紙を主材料とする、主ブランクと副ブランクとで組み立てられた紙製容器本体と、該紙製容器本体の内面に密接着している熱可塑性樹脂製フィルムよりなる内部保護フィルム層とにより形成された紙製容器であって、
    前記主ブランクが、枠状のフランジからなり、前記副ブランクが、底面と側面と重合片とからなり、前記紙製容器を組み立てた時に隣接する前記側面同志の一方の側面に折れ線を介して重合片が連設され、該重合片が他方の側面と重なり合わせて組み立てられ、前記側面において、前記重合片と重なり合う部分の一部に凹部を設け、前記重合片を前記側面の外面で重ね合わせたことを特徴とする紙製容器。
  2. 紙を主材料とする、主ブランクと副ブランクとで組み立てられた紙製容器本体と、該紙製容器本体の内面に密接着している熱可塑性樹脂製フィルムよりなる内部保護フィルム層とにより形成された紙製容器であって、
    前記主ブランクが、枠状のフランジからなり、前記副ブランクが、底面と側面と重合片とからなり、前記紙製容器を組み立てた時に隣接する前記側面同志の一方の側面に折れ線を介して重合片が連設され、該重合片が他方の側面と重なり合わせて組み立てられ、前記側面において、前記重合片と重なり合う部分の一部に抜き穴を設け、前記重合片を前記側面の外面で重ね合わせたことを特徴とする紙製容器。
  3. 紙を主材料とする、主ブランクと副ブランクとで組み立てられた紙製容器本体と、該紙製容器本体の内面に密接着している熱可塑性樹脂製フィルムよりなる内部保護フィルム層とにより形成された紙製容器であって、
    前記主ブランクが、枠状のフランジからなり、前記副ブランクが、底面と側面と重合片とからなり、前記紙製容器を組み立てた時に隣接する前記側面同志の一方の側面に折れ線を介して重合片が連設され、該重合片が他方の側面と重なり合わせて組み立てられ、前記重合片に凹部を設け、前記側面の内面で重ね合わせたことを特徴とする紙製容器。
  4. 紙を主材料とする、主ブランクと副ブランクとで組み立てられた紙製容器本体と、該紙製容器本体の内面に密接着している熱可塑性樹脂製フィルムよりなる内部保護フィルム層とにより形成された紙製容器であって、
    前記主ブランクが、枠状のフランジからなり、前記副ブランクが、底面と側面と重合片とからなり、前記紙製容器を組み立てた時に隣接する前記側面同志の一方の側面に折れ線を介して重合片が連設され、該重合片が他方の側面と重なり合わせて組み立てられ、前記重合片に抜き穴を設け、前記側面の内面で重ね合わせたことを特徴とする紙製容器。
  5. 前記主ブランクの前記枠状の前記フランジが多角形状であり、前記副ブランクの前記底面が多角形状であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の紙製容器。
  6. 記主ブランクが八角形状の枠状のフランジからなり、前記副ブランクが八角形状の底面と側面と重合片とからなり、前記紙製容器を組み立てた時に隣接する前記側面同志の一方の側面に折れ線を介して重合片が連設され、前記底面に折れ線を介して二対の対向する前記側面を連設し、該側面の中の一対の前記側面の両側辺に折れ線を介して二対の前記側面を連設していることを特徴とする請求項5に記載の紙製容器。
  7. 記主ブランクが、四角形状の枠状のフランジからなり、前記副ブランクが、八角形状の底面と側面と重合片とからなり、前記紙製容器を組み立てた時に隣接する前記側面同志の一方の側面に折れ線を介して重合片が連設され、前記底面に折れ線を介して二対の対向する四角形の前記側面と、二対の対向する三角形の前記側面を連設していることを特徴とする請求項5に記載の紙製容器。
  8. 記主ブランクが、四角形状の枠状のフランジからなり、前記副ブランクが、八角形状の底面と側面と重合片とからなり、前記紙製容器を組み立てた時に隣接する前記側面同志の一方の側面に折れ線を介して重合片が連設され、前記底面に折れ線を介して二対の対向する四角形の前記側面を連設し、該側面の中の一対の前記側面の両側辺に折れ線を介して二対の対向する三角形の前記側面を連設していることを特徴とする請求項5に記載の紙製容器。
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