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JP4727056B2 - 画像読取用レンズ - Google Patents

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JP4727056B2
JP4727056B2 JP2001090845A JP2001090845A JP4727056B2 JP 4727056 B2 JP4727056 B2 JP 4727056B2 JP 2001090845 A JP2001090845 A JP 2001090845A JP 2001090845 A JP2001090845 A JP 2001090845A JP 4727056 B2 JP4727056 B2 JP 4727056B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば原稿上の画像を読み取るための画像読取用レンズに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、原稿上の画像を光学系を介してCCD(電荷結合素子)などの受光素子に結像させ、その画像情報を読み取るようにした画像読取装置が開発されている。このような画像読取装置、特に、ファクシミリやデジタル複写機などでは、装置の小型化、読み取り速度の高速化および低価格化などが要求されている。このような要求に伴い、これらの装置に用いられる画像読取用のレンズにも小型化や低価格化ならびに明るさの向上などが求められている。
【0003】
従来の画像読取用レンズとしては、例えば特開昭63−135911号公報および特開平4−288512公報などに記載されたものが知られている。これら公報記載のレンズは、いずれも3群3枚構成のトリプレット型で構成され、レンズの構成枚数が少なく、小型化および低価格化が図られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これら従来の画像読取用レンズのうち、特開昭63−135911号公報記載のレンズは、Fナンバーについては4.0と明るくなっているが、画角については18度(半画角)と狭くなっている。このため、読み取り得る原稿サイズが小さくなり、実用的ではないという問題がある。また、特開平4−288512号公報記載のレンズは、軸上および軸外の色収差が大きい。このため、特にカラー画像の読み取りには適していないという問題がある。
【0005】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、小型、低価格、かつ広画角で、画像の読み取りを行うのに適した光学性能を得ることができる画像読取用レンズを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1および第2の観点によるによる画像読取用レンズは、物体側から像側へ向かって順次、第1レンズ群、第2レンズ群および第3レンズ群が配設され、第2レンズ群と第3レンズ群との間に絞りが配設された画像読取用レンズであって、第1レンズ群は、凸面を物体側に向けた正レンズによって構成され、第2レンズ群は、凸面を物体側に向けた負レンズによって構成され、第3レンズ群は、凸面を像側に向けた正レンズによって構成され、第2レンズ群および第3レンズ群のレンズ材として、光学樹脂が用いられ、第2レンズ群または第3レンズ群の少なくとも一方のレンズ群の少なくとも1つの面が非球面で構成されている。
【0007】
本発明の第1の観点による画像読取用レンズは、さらに、以下の各条件式を満足するように構成されている。
55<ν3<60 ……(1)
29<ν2<33 ……(2)
0.3<|f2|/ 3 <0.6 ……(3)
0.41<|f2|/f<1.1 ……(4)
0.95<f3/f<3.3 ……(5A)
ただし、第j群(j=1〜3)のレンズ材のd線に対するアッベ数を、jをサフィックスとしてνjで表し、また、第j群の焦点距離をfjで表し、さらに、全系の焦点距離をfとする。
【0008】
本発明の第2の観点による画像読取用レンズは、さらに、以下の各条件式を満足するように構成されている。
55<ν3<60 ……(1)
29<ν2<33 ……(2)
0.41<|f2|/f<1.1 ……(4)
0.95<f3/f<1.3 ……(5B)
1/f<0.5 ……(6)
【0009】
また、本発明の第1および第2の観点による画像読取用レンズは、さらに、以下の条件式(7)を満足するように構成されていることが望ましい。
0.8<|f23|/f<1.2 ……(7)
ただし、
23は、第2レンズ群と第3レンズ群との合成焦点距離とする。
【0010】
本発明の第1および第2の観点による画像読取用レンズでは、3群3枚構成のレンズで、適切な範囲設定のなされた少なくとも5つの条件式を満足するように構成したので、小型、低価格、かつ広画角で、画像の読み取りを行うのに適した光学性能が得られる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
図1は、本発明の一実施の形態に係る画像読取用レンズの構成を示すものであり、光軸Z0を含む単一の平面内における各レンズ要素の断面構造を示している。なお、図1において、符号ZOBJで示す側が物体側、すなわち、原稿などが配置され、読み取り用の画像が提供される側である。また、図1において、符号ZIMGで示す側が結像側(像面側)、すなわち、物体側の画像が結像される側である。図1において、符号Riは、最も物体側のレンズ面を1番目として、像面側に向かうに従い順次増加するi番目のレンズ面(絞り面を含む)の曲率半径を示す。符号Diは、i番目のレンズ面とi+1番目のレンズ面との光軸上の面間隔を示す。図1において、符号Stで示した部分は、レンズ系の絞りを表している。
【0013】
本実施の形態に係る画像読取用レンズ1は、ファクシミリやデジタル複写機などの画像読取装置に利用されるものであり、結像側には、CCDなどの受光素子が配置されるようになっている。この画像読取用レンズ1は、図1に示したように、物体側から像側へ向かって順次配設された、第1レンズ群G1、第2レンズ群G2および第3レンズ群G3を備えている。第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との間には絞りStが配設されている。このように画像読取用レンズ1は、3群3枚構成のトリプレット型となっている。
【0014】
この画像読取用レンズ1は、また、第1レンズ群G1よりも物体側に配置されたカバーガラスGC1と、第3レンズ群よりも像側に配置されたカバーガラスGC2とを備えている。カバーガラスGC1は、主として、第1レンズ群G1の物体側のレンズ面を保護するために設けられている。カバーガラスGC2は、主として、CCDなどにおける受光面を保護するために設けられている。
【0015】
第1レンズ群G1は、凸面を物体側に向けた正レンズによって構成されている。第2レンズ群G2は、凸面を物体側に向けた負レンズによって構成されている。第3レンズ群G3は、凸面を像側に向けた正レンズによって構成されている。第2レンズ群G2および第3レンズ群G3は、そのレンズ材として、光学樹脂が用いられている。第2レンズ群G2または第3レンズ群G3の少なくとも一方のレンズ群の少なくとも1つの面は、非球面で構成されている。
【0016】
なお、第2レンズ群G2および第3レンズ群G3に使用可能な光学樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂およびポリカーボネートなどがある。
【0017】
この画像読取用レンズ1は、以下の条件式(1)〜(4)および(5A)を満足するように構成されている。これらの条件式は、後述の実施例1,2のレンズが満たす条件である。ただし、以下の条件式においては、第j群(j=1〜3)のレンズ材のd線に対するアッベ数を、jをサフィックス(Suf-fix)としてνjで表し、また、第j群の焦点距離をfjで表し、さらに、全系の焦点距離をfとしている。
【0018】
55<ν3<60 ……(1)
29<ν2<33 ……(2)
0.3<|f2|/ 3 <0.6 ……(3)
0.41<|f2|/f<1.1 ……(4)
0.8<f3/f<3.3 ……(5A)
【0019】
この画像読取用レンズ1は、また、以下の条件式(1),(2),(4),(5B),(6)を満足するように構成されていても良い。これらの条件式は、後述の実施例3,4のレンズが満たす条件である。
55<ν3<60 ……(1)
29<ν2<33 ……(2)
0.41<|f2|/f<1.1 ……(4)
0.95<f3/f<1.3 ……(5B)
1/f<0.5 ……(6)
【0020】
この画像読取用レンズ1は、上記各条件式に加えて、さらに、以下の条件式(7)を満足するように構成されていることが望ましい。ただし、以下の条件式(7)において、f23は、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との合成焦点距離を示す。
【0021】
0.8<|f23|/f<1.2 ……(7)
【0022】
この画像読取用レンズ1は、上記条件式(1)〜(7)に加えて、さらに、以下の条件式(8)〜(10)を満足するように構成されてることが望ましい。ただし、以下の条件式(8)〜(10)においては、物体側から数えて第i番目の面(絞り面を含む)と第i+1番目の面との光軸上の面間隔を、iをサフィックスとしてDi(i=1〜6)で表し、物体側から数えて第i番目の面(絞り面を含む)の曲率半径を、iをサフィックスとしてRi(i=1〜7)で表している。
【0023】
1.7<R1/D1<2.8 ……(8)
0.18<R4/f<0.23 ……(9)
D2/f<0.5 ……(10)
【0024】
次に、以上のような構成の画像読取用レンズ1によってもたらされる光学的な作用および効果について説明する。
【0025】
本画像読取用レンズ1では、光線の通る高さに大きな差がある第2レンズ群G2または第3レンズ群G3の少なくとも一方のレンズ群の少なくとも1つの面に非球面が採用されていることにより、必要とされる明るさを保った状態で、収差の良好化が図られている。
【0026】
また、本実施の形態に係る画像読取用レンズ1では、3つのレンズ群のうち2つのレンズ群(第2レンズ群G2および第3レンズ群G3)が光学樹脂で構成されている。これにより、第2レンズ群G2または第3レンズ群G3に非球面を採用したときに、低価格化が図られると共に、加工が容易とされ、製造性の点で有利である。
【0027】
一般に、光学樹脂を用いたレンズは、温度および湿度などの環境の変化によって焦点距離などの光学性能が変化しやすい。本画像読取用レンズ1では、光学樹脂を用いた第2レンズ群G2および第3レンズ群G3が、負レンズと正レンズとの組み合わせで構成されていることにより、温度および湿度変化による焦点移動が小さく抑えられている。
【0028】
また一般に、3群3枚構成のレンズでは色収差の補正のため、正レンズに低分散のレンズ材料を用いると共に、負レンズに高分散のレンズ材料を用いる。このとき、本画像読取用レンズ1では、第2レンズ群G2および第3レンズ群G3を光学樹脂で構成しているので、光学樹脂を使用したことによる設計上の制限を受ける。上述した条件式(1),(2)は、第2レンズ群G2および第3レンズ群G3として製造上使用可能な樹脂材料の範囲内で、色収差を良好に補正するための条件である。条件式(1),(2)の範囲を外れると、適当な樹脂材料が無かったり、あるいは良好な色収差補正ができなくなる。
【0029】
条件式(3)は、球面収差と像面の状態とを良好に保つための条件である。条件式(3)の下限を超えると、球面収差、像面湾曲ともに補正不足となり、中間画角での非点隔差が大きくなり、これを補正しようとすると中間画角でのコマ収差が悪化する。また、上限を超えると、球面収差、像面湾曲ともに補正過剰となり、歪曲収差が負の方向に増大し、他の収差とのバランスをとってこれらを補正しようとすると周辺でのコマ収差が悪化してしまう。
【0030】
条件式(4)は、球面収差と像面の状態とを良好に保つための条件である。条件式(4)の下限を超えると、球面収差、像面湾曲ともに補正不足となり、中間画角での非点隔差が大きくなり、これを補正しようとすると中間画角でのコマ収差が悪化する。また、上限を超えると、球面収差、像面湾曲ともに補正過剰となり、これを補正しようとすると周辺でのコマ収差が悪化してしまう。
【0031】
条件式(5A),(5B),(7)は、主として歪曲収差の補正に寄与している。これらの条件式の下限を超えると歪曲収差が負の方向に増大し、上限を超えると正の方向に増大するので、他の収差とのバランスをとるのが困難になる。
【0032】
条件式(6)は、球面収差と像面の状態とを良好に補正するための条件である。条件式(6)の下限を超えると球面収差がオーバー(補正不足)になり、上限を超えると球面収差がレンズの方向に傾きアンダー(補正過剰)になり、像面とのバランスがとれなくなる。
【0033】
条件式(8)は、条件式(5A),(7)または(5B),(7)の条件のもとでコマ収差を良好に補正するための条件である。条件式(8)の下限を超えると、外向性のコマフレアが発生して中間画角でのコマ収差が悪化する。また、条件式(8)の上限を超えると、内向性のコマフレアが発生して周辺でのコマ収差が悪化し、結像性能の劣化の原因となる。
【0034】
条件式(9)は、球面収差と像面の状態とを良好に補正するための条件である。条件式(9)の下限を超えると球面収差が補正不足になり、上限を超えると球面収差がレンズの方向に傾き補正過剰になり、像面とのバランスがとれなくなる。
【0035】
条件式(10)も、球面収差と像面の状態とを良好に補正するための条件である。条件式(10)の上限を超えると、球面収差がレンズの方向に傾き補正過剰になり、像面とのバランスがとれなくなる。
【0036】
以上説明したように、本実施の形態の画像読取用レンズ1によれば、構成枚数の少ない3群3枚構成にしたので、小型化を実現できる。また、第2レンズ群G2または第3レンズ群G3の少なくとも一方に非球面を採用したので、収差を補正しやすい。また、3枚のレンズのうちの2枚を安価な樹脂材料で構成したので、安価に実現できる。このとき、樹脂材料にするレンズ群を第2レンズ群G2および第3レンズ群G3にしたので、非球面を採用したときに、低価格化が図られると共に、加工が容易とされ、製造性が優れている。また、上述の構成と各条件式を満足することにより、広画角で諸収差を良好に補正できる。
【0037】
このように、本実施の形態の画像読取用レンズ1によれば、上述の構成と各条件式を満足することにより、小型、低価格、かつ広画角で、画像の読み取りを行うのに適した光学性能を得ることができる。
【0038】
[実施例]
次に、本実施の形態の画像読取用レンズの具体的な数値実施例について説明する。
【0039】
<実施例1>
まず、本実施の形態に係る画像読取用レンズの第1の数値実施例について説明する。本実施例の画像読取用レンズ(以下、画像読取用レンズ1-1と記す。)の断面構造は、図1に示した画像読取用レンズ1と同様となっている。
【0040】
図2(A),(B)は、本画像読取用レンズ1-1の具体的な数値実施例を示している。図2(A),(B)における面番号Siの欄には、最も物体側のレンズ面を1番目として、像面側に向かうに従い順次増加するレンズ面の番号を示している。曲率半径Riの欄には、図1に示した符号Riに対応させて、物体側からi番目のレンズ面の曲率半径の値を示している。面間隔Diの欄についても、図1に示した符号Diに対応させて、物体側からi番目のレンズ面Siとi+1番目のレンズ面Si+1との光軸上の間隔を示す。曲率半径Riおよび面間隔Diの値の単位はミリメートル(mm)である。群番号Gjの欄には、最も物体側のレンズ群を1番目として、像面側に向かうに従い順次増加するレンズ群の番号を示している。屈折率Njの欄には、第j群のレンズ材のd線(波長λd=587.6nm)に対する屈折率の値を示し、アッベ数νjの欄には、第j群のレンズ材のd線に対するアッベ数の値を示す。また、図2(A)には、本実施例における全系の焦点距離f(=100mm)、Fナンバー(FN0.=5.7)、倍率m(=0.190)、画角2ω(=46.6°)および物体高Y(=270)の値についても示す。なお、ωは、半画角を示す。
【0041】
なお、本画像読取用レンズ1-1には、レンズ系の前後にカバーガラスGC1,GC2(図1)が設けられているが、図2(A),(B)では、このカバーガラスGC1,GC2に関する数値データを省いている。本実施例では、物体側のカバーガラスGC1は、屈折率が1.51、厚さが7.0mmとなっている。像側のカバーガラスGC2に関しては、屈折率が1.51、厚さが1.75mmとなっている。
【0042】
図2(A)において、面番号の左側に付された記号「*」は、そのレンズ面が非球面であることを示す。本実施例では、第2レンズ群G2のレンズ面S3,S4および第3レンズ群G3のレンズ面S6,S7が非球面形状となっている。
図2(A)では、これらの非球面の曲率半径として、光軸近傍の曲率半径の数値を示している。
【0043】
図2(B)は、レンズ面S3,S4およびレンズ面S6,S7の非球面形状を表すための非球面係数K,A4,A6,A8,A10の値を示している。これらの非球面係数は、以下の式(A)によって表される非球面多項式における係数である。式(A)の非球面多項式は、光軸Z0に直交する方向にh軸を取って非球面の形状を表したものである。非球面は、式(A)で表される曲線を光軸Z0の周りに回転して得られる曲面である。式(A)の非球面多項式において、hは、光軸Z0からレンズ面までの距離(高さ)(単位:mm)を表す。Z(h)は、高さhにおけるレンズ面のサグ(sag)量を表している。より詳しくは、Z(h)は、光軸Z0から高さhの位置にある非球面上の点から、非球面の頂点の接平面(光軸に垂直な平面)に下ろした垂線の長さ(単位:mm)を示す。Cは、光軸近傍におけるレンズ面の近軸曲率半径Rの逆数(1/R)である。また、Kは、離心率(または円錐定数)を表し、A4,A6,A8,A10は、それぞれ4次,6次,8次,10次の非球面係数を表す。なお、図2(B)に示した非球面係数を表す数値において、記号“E”は、その次に続く数値が10を底とした“べき指数”であることを示し、その10を底とした指数関数で表される数値が“E”の前の数値に乗算されることを示す。例えば、「1.0E−02」は、「1.0×10-2」であることを示す。
【0044】
Z(h)=Ch2/{1+(1+K・C2・h21/2
+A44 +A66 +A88 +A1010 ……(A)
【0045】
図11は、本実施例と後述の実施例2〜4のそれぞれについて、上述の各条件式に対応する値をまとめて示したものである。この図に示したように、本画像読取用レンズ1-1では、条件式(1)〜(4),(5A),(6)〜(10)の各条件を満たしている。
【0046】
図7(A)〜(D)は、本画像読取用レンズ1-1の諸収差を示している。より詳しくは、図7(A)は球面収差を示し、図7(B)は非点収差を示し、図7(C)はディストーション(歪曲収差)を示し、図7(D)は倍率色収差を示している。これらの図において、各収差は波長587.6nm(d線)を基準とし、435.8nm(g線)と615nmとについての収差を示している。図7(B)において、実線はサジタル像面に対する収差を示し、破線はタンジェンシャル(メリジオナル)像面に対する収差を示している。なお、各収差図において、ωは半画角を示している。
【0047】
<実施例2>
次に、本実施の形態に係る画像読取用レンズの第2の数値実施例について説明する。本実施例の画像読取用レンズ(以下、画像読取用レンズ1-2と記す。)の断面構造は、図1に示した画像読取用レンズ1と同様となっている。
【0048】
図3(A),(B)は、本画像読取用レンズ1-2の具体的な数値実施例を示している。図3(A),(B)に示した各数値の示す意味は、実施例1(図2(A),(B))の場合と同様である。本実施例においても、実施例1と同様に、第2レンズ群G2のレンズ面S3,S4および第3レンズ群G3のレンズ面S6,S7が非球面形状となっている。
【0049】
本実施例においても、図11に示したように、条件式(1)〜(4),(5A),(6)〜(10)の各条件を満たしている。
【0050】
図8(A)〜(D)は、本画像読取用レンズ1-2の諸収差を示している。より詳しくは、図8(A)は球面収差を示し、図8(B)は非点収差を示し、図8(C)はディストーションを示し、図8(D)は倍率色収差を示している。図8(B)において、実線はサジタル像面に対する収差を示し、破線はタンジェンシャル像面に対する収差を示している。これらの収差図に付した各符号の意味は、実施例1(図7(A)〜(D))の場合と同様である。
【0051】
<実施例3>
次に、本実施の形態に係る画像読取用レンズの第3の数値実施例について説明する。本実施例の画像読取用レンズ(以下、画像読取用レンズ1-3と記す。)の断面構造は、図1に示した画像読取用レンズ1と同様となっている。
【0052】
図4(A),(B)は、本画像読取用レンズ1-3の具体的な数値実施例を示している。図4(A),(B)に示した各数値の示す意味は、実施例1(図2(A),(B))の場合と同様である。本実施例においても、実施例1と同様に、第2レンズ群G2のレンズ面S3,S4および第3レンズ群G3のレンズ面S6,S7が非球面形状となっている。
【0053】
本実施例においては、図11に示したように、条件式(1),(2),(4),(5B),(6)および(7)〜(10)の各条件を満たしている。また、条件式(3),(5A)についても満たしている。
【0054】
図9(A)〜(D)は、本画像読取用レンズ1-3の諸収差を示している。より詳しくは、図9(A)は球面収差を示し、図9(B)は非点収差を示し、図9(C)はディストーションを示し、図9(D)は倍率色収差を示している。図9(B)において、実線はサジタル像面に対する収差を示し、破線はタンジェンシャル像面に対する収差を示している。これらの収差図に付した各符号の意味は、実施例1(図7(A)〜(D))の場合と同様である。
【0055】
<実施例4>
次に、本実施の形態に係る画像読取用レンズの第4の数値実施例について説明する。
【0056】
図6(A),(B)は、本実施例の画像読取用レンズ(以下、画像読取用レンズ1-4と記す。)の具体的な数値実施例を示している。図5は、本画像読取用レンズ1-4の断面構造を図6に示した数値実施例に対応させて描いたものである。これらの図に示した各数値および各符号の示す意味は、実施例1(図1および図2(A),(B))の場合と同様である。本実施例においても、実施例1と同様に、第2レンズ群G2のレンズ面S3,S4および第3レンズ群G3のレンズ面S6,S7が非球面形状となっている。
【0057】
本実施例においても、図11に示したように、条件式(1),(2),(4),(5B),(6)および(7)〜(10)の各条件を満たしている。また、条件式(3),(5A)についても満たしている。
【0058】
図10(A)〜(D)は、本画像読取用レンズ1-4の諸収差を示している。より詳しくは、図10(A)は球面収差を示し、図10(B)は非点収差を示し、図10(C)はディストーションを示し、図10(D)は倍率色収差を示している。図10(B)において、実線はサジタル像面に対する収差を示し、破線はタンジェンシャル像面に対する収差を示している。これらの収差図に付した各符号の意味は、実施例1(図7(A)〜(D))の場合と同様である。
【0059】
以上で説明したように、すべての実施例の画像読取用レンズについて、収差が良好に補正されている。また、各実施例とも第3レンズ群G3には、そのレンズ材料として、比較的屈折率が高く高価なものを使用しているが、各実施例とも第3レンズ群G3と絞りStとの間の距離が小さくなっているため、第3レンズ群G3の径が小さく抑えられ、第3レンズ群G3を安価に製造できる。また、各実施例とも、画角が46.6°であり広画角となっている。このように、すべての実施例の画像読取用レンズについて、広画角、かつ上述の各条件式を満足した状態で諸収差が良好に補正されていると共に、小型化および低価格化が図られている。
【0060】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されず種々の変形実施が可能である。例えば、各レンズ成分の曲率半径R、面間隔D、屈折率Nおよびアッベ数νの値などは、上記各数値実施例で示した値に限定されず、他の値を取り得る。
【0061】
また、上記実施の形態では、レンズ系の前後にカバーガラスGC1,GC2が設けられている構成について説明したが、カバーガラスGC1,GC2を省いた構成であっても良い。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の画像読取用レンズによれば、凸面を物体側に向けた正レンズによって構成された第1レンズ群と、凸面を物体側に向けた負レンズによって構成された第2レンズ群と、凸面を像側に向けた正レンズによって構成された第3レンズ群とを、物体側から像側へ向かって順次配設し、第2レンズ群および第3レンズ群のレンズ材として、光学樹脂を用い、第2レンズ群または第3レンズ群の少なくとも一方のレンズ群の少なくとも1つの面を非球面で構成し、さらに、適切な範囲設定のなされた各条件式を満足するように構成したので、小型、低価格、かつ広画角で、画像の読み取りを行うのに適した光学性能を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る画像読取用レンズの構成を示す断面図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る画像読取用レンズの第1の数値実施例(実施例1)を示す説明図であり、(A)は、基本的なレンズデータを示し、(B)は、非球面の係数を示している。
【図3】本発明の一実施の形態に係る画像読取用レンズの第2の具体的な数値実施例を示す説明図であり、(A)は、基本的なレンズデータを示し、(B)は、非球面の係数を示している。
【図4】本発明の一実施の形態に係る画像読取用レンズの第3の数値実施例を示す説明図であり、(A)は、基本的なレンズデータを示し、(B)は、非球面の係数を示している。
【図5】本発明の第4の数値実施例(実施例4)に対応する画像読取用レンズの構成を示す断面図である。
【図6】本発明の一実施の形態に係る画像読取用レンズの第4の数値実施例を示す説明図であり、(A)は、基本的なレンズデータを示し、(B)は、非球面の係数を示している。
【図7】実施例1の画像読取用レンズにおける球面収差、非点収差、ディストーションおよび倍率色収差を示す収差図である。
【図8】実施例2の画像読取用レンズにおける球面収差、非点収差、ディストーションおよび倍率色収差を示す収差図である。
【図9】実施例3の画像読取用レンズにおける球面収差、非点収差、ディストーションおよび倍率色収差を示す収差図である。
【図10】実施例4の画像読取用レンズにおける球面収差、非点収差、ディストーションおよび倍率色収差を示す収差図である。
【図11】各実施例の画像読取用レンズが満たす条件値について示す説明図である。
【符号の説明】
C1,GC2…カバーガラス、G1…第1レンズ群、G2…第2レンズ群、G3…第3レンズ群、Z0…光軸、St…絞り、1…画像読取用レンズ。

Claims (4)

  1. 物体側から像側へ向かって順次、第1レンズ群、第2レンズ群および第3レンズ群が配
    設され、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間に絞りが配設された画像読取用レン
    ズであって、
    前記第1レンズ群は、凸面を物体側に向けた正レンズによって構成され、
    前記第2レンズ群は、凸面を物体側に向けた負レンズによって構成され、
    前記第3レンズ群は、凸面を像側に向けた正レンズによって構成され、
    前記第2レンズ群および前記第3レンズ群のレンズ材として、光学樹脂が用いられ、
    前記第2レンズ群または前記第3レンズ群の少なくとも一方のレンズ群の少なくとも1
    つの面が非球面で構成され、
    さらに、以下の各条件式を満足するように構成されていることを特徴とする画像読取用
    レンズ。
    55<ν3<60 ……(1)
    29<ν2<33 ……(2)
    0.3<|f2|/ 3 <0.6 ……(3)
    0.41<|f2|/f<1.1 ……(4)
    0.95<f3/f<3.3 ……(5A)
    ただし、第j群(j=1〜3)のレンズ材のd線に対するアッベ数を、jをサフィックス
    としてνjで表し、また、第j群の焦点距離をfjで表し、さらに、全系の焦点距離をf
    とする。
  2. さらに、以下の条件式(7)を満足するように構成されていることを特徴とする請求項
    1記載の画像読取用レンズ。
    0.8<|f23|/f<1.2 ……(7)
    ただし、f23は、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との合成焦点距離とする。
  3. 物体側から像側へ向かって順次、第1レンズ群、第2レンズ群および第3レンズ群が配
    設され、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間に絞りが配設された画像読取用レン
    ズであって、
    前記第1レンズ群は、凸面を物体側に向けた正レンズによって構成され、
    前記第2レンズ群は、凸面を物体側に向けた負レンズによって構成され、
    前記第3レンズ群は、凸面を像側に向けた正レンズによって構成され、
    前記第2レンズ群および前記第3レンズ群のレンズ材として、光学樹脂が用いられ、
    前記第2レンズ群または前記第3レンズ群の少なくとも一方のレンズ群の少なくとも1
    つの面が非球面で構成され、
    さらに、以下の各条件式を満足するように構成されていることを特徴とする画像読取用
    レンズ。
    55<ν3<60 ……(1)
    29<ν2<33 ……(2)
    0.41<|f2|/f<1.1 ……(4)
    0.95<f3/f<1.3 ……(5B)
    1/f<0.5 ……(6)
    ただし、第j群(j=1〜3)のレンズ材のd線に対するアッベ数を、jをサフィックス
    としてνjで表し、また、第j群の焦点距離をfjで表し、さらに、全系の焦点距離をf
    とする。
  4. さらに、以下の条件式(7)を満足するように構成されていることを特徴とする請求項
    3記載の画像読取用レンズ。
    0.8<|f23|/f<1.2 ……(7)
    ただし、f23は、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との合成焦点距離とする。
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