JP4718733B2 - 接触式温度計 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルミホイルやガラスや各種のシート状物の製造工程等において、移動している材料や製品に直接に接触して温度を測定する接触式温度計に関するものである。より詳細には、接触式温度計の接触板の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
アルミ薄板やアルミホイルの製造工程においては、アルミ板を圧延すると共に、その移動速度を増加して薄くしている。そして、厚さが一定でピンホール等の欠陥が無い品質の優れたアルミ薄板やアルミホイルを製造するため、この圧延工程において、移動中のアルミ板の温度や移動速度等の管理を行っている。
【0003】
このような移動する物体の表面の温度測定を行うのに適した温度計として、特開平10−318854号公報で提案されているような接触式温度計がある。
【0004】
図5〜図7に示すように、この接触式温度計Txは、熱電対線Nの感温部Sを挟持する接触板1とリング状の弾性部材(環状弾性部材)2と、この弾性部材2を支持する支持体3と、この支持体3を固定支持し、且つ、接触板1の端部1aに設けられた接触板支持部5Xを移動可能に支持するガイド孔6を有する固定支持部材(ホルダー)10とから構成されている。
【0005】
そして、この接触式温度計Txでは、弾性部材2の円形に戻ろうとする弾性復元力Rにより接触板1を被測温体20の表面に押圧して、接触板1とリング状の弾性部材2との間に配置された感温部Sで温度を計測している。
【0006】
従来技術においては、図7及び図13、図14に示すように、この接触板1はステンレス板等の金属板の両方の端部1aを円弧状に曲げて形成され、この端部1aに丸棒形状の接触板支持部(支持バー)5Xが測温体20の移動方向Mと直交する方向に溶接されている。
【0007】
また、弾性部材2は、ステンレス板等の弾力性のある薄い金属板を、図8に示すように梯子形状に形成した後、リング状に曲げて両端2d,2eを重ねてスポット溶接あるいはロー付けによって接合し、更に、図7に示すように、この弾性部材2の感温部固定部2cに、熱電対線Nの感温部Sを固定し、その上に接触板1を積層し、接触板1の中央部の両側の2点(複数点)Wをスポット溶接して固定している。
【0008】
そして、図5〜図7に示すように、この弾性部材2の中央下部は、支持体3の上部の2つの円弧状の突出壁3a,3aの間に配置され、更にその上に嵌入される固定体4により、支持体3に固定されている。
【0009】
この支持体3は、図5及び図6に示すように、固定支持部10に固定される。この固定支持部10は、支持体3の円柱部分を嵌入する貫通孔10eと、支持体3のフランジ部3eを嵌合する凹部10dとを有する底板部10aの両側面に、側板部10b,10cを配置して、コ字形に形成される。
【0010】
そして、この固定支持部10の側板部10b,10cの上縁の近傍に、この上縁に沿って長孔のガイド孔6を設け、このガイド孔6に接触板1の端部1aに設けた接触板支持部5Xを遊嵌して、接触板1の両端側を移動可能に支持する。この接触板支持部5Xは,図9に示すようにガイド孔6内において矢印の範囲d内で移動可能に保持されることになる。
【0011】
そして、図5に示すように、この固定支持部10の筒状部10f内に熱電対線Nに接続したリード線7を導出して、このリード線7を、図示しない、熱電対線Nの起電力を測定する測定装置と表示装置で構成される測温部に接続して構成されている。
【0012】
図10に示すように、この接触式温度計Txでは、被測温体20に接触板1が当接しない状態では、接触板1の中央部(感温部Sがある部分)が弾性部材2の円形になろうとする弾性復元力Rで押圧されるが、接触板1の両方の端部で、ガイド孔6の内側に寄った接触板支持部5Xが,接触板1がそれ以上膨出しないように規制するので、接触板1は被測温体20に向かって凸状に膨らんだ状態となる。
【0013】
そして、図11に示すように、この接触板1を移動速度が低いかゼロ又は摩擦力Fの小さい被測温体20の表面に当接した場合には、感温部Sは接触式温度計Txの略中心部に位置したまま、接触長Lで接触板1が被測温体20に接触する状態となる。
【0014】
この状態では、被測温体20の移動によって、接触板1を移動させようとする摩擦力Fは、弾性体2の弾性復元力Rの移動方向成分によってバランスされている。そのため、ガイド孔6内における接触板支持部5Xの位置はガイド孔6の略中程(L1≒L2)になり、被測温体20の移動方向Mには拘束されない状態にある。
【0015】
また、図12に示すように、被測温体20の移動速度が高速又は摩擦力Fが大きい場合には、弾性体2の弾性復元力Rだけでは接触板1の移動を制止しきれなくなり、接触板1は被測温体20の移動方向Mに摩擦力Fで引きずられ、感温部Sは支持体3の中心線Uに対して移動方向Mに距離mだけ移動した状態となる。この状態では、接触板1の移動は移動方向Mの上流側の接触板支持部5Xがガイド孔6の下流側端部に当接することによって規制されている。
【0016】
この状態において、下流側の接触板支持部5Xがガイド孔6の右端との間に間隙(b−a)を有するように形成することにより、接触板1が極端な変形、例えば、エアーギャップを発生するような異常な変形をすることを防止できる。
【0017】
また、接触板1の表面の摩擦係数と弾性体2の形状とバネ定数に関係する弾性復元力Rと下部の接触板支持部分Pの位置等を適切に組合せすることにより、弾性体2が、接触板1の移動mによって変形をした時であっても、この変形後の形状が、接触板1の移動が無い時の形状と実質的に同じ形状になるようにすることができる。
【0018】
そのため、弾性体2が接触板1を被測温体20に押圧する力の変化が少なく、常時、移動する被測温体20の表面に感温部Sを正確に適度な圧力で押付けることができ、しかも、この接触板1の中央部分を被測温体20側に膨出するように凸状に押圧して、感温部Sがある接触板1の中央部分を含む比較的広い面積で被測温体20と接触できるので、被測温体20の表面の温度を正確に測定することができる。
【0019】
その上、図12に示すような弾性体2のフランジ部3eと固定体4との間に挟持され、固定されている部分Pにおける変形を小さくすることができるため、この部分Pに対する応力集中を回避でき、耐久性に優れた接触式温度計となる。
【0020】
そして、この接触板1は、薄膜に対して測温による影響をすくなくするために、熱容量が小さく、しかも、押圧力が小さくて済むように非常に薄く0.03mm〜0.1mm程度の厚さに形成されている。そのため、接触板1と接触板支持部(支持バー)5Xとは一体成形されずに、図13及び図14に示すように、丸棒の接触板支持部5Xを溶接している。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この従来技術の構造においては、接触板1の移動を規制する接触板支持部(支持バー)5Xが丸棒で形成され、平板状の接触板1との線接触部分で点溶接Wによって固定されて一体化されているので、接合部分が小さく、接合強度が弱くなってしまうという問題があった。
【0022】
つまり、この接触板1は、測温していない場合には、図10に示すような、接触板支持部5Xがガイド孔6の内側の端部に当接する状態になるので、接触板支持部5Xから接触板1を内側に引張る力が作用することになる。
【0023】
また、測温時には、移動する被測温体20の表面と接触しているので、接触板1に移動方向Mの摩擦力Fが作用する。この摩擦力Fが弾性体2の弾性復元力Rの移動方向成分よりも大きくなると、移動方向Mの上流側の接触板支持部5Xがガイド孔6内を移動し、図14(b)に示すように、移動方向Mの上流側で、接触板支持部5Xがガイド孔6の内側の端部に当接する状態になるので、接触板支持部5Xから接触板1を引き剥がす力F1が作用することになる。
【0024】
そして、これらの力F1が接触板1に作用した時に、平板1に丸棒5Xが点溶接されている構造であるために、接触板1と接触板支持部5Xとの接合部分Wに曲げモーメントBが作用し、しかも、繰り返し作用するので、この接合部分Wで薄い接触板1が折れ曲がったり、ヒビが生じたりする等の破損が生じるという問題があった。
【0025】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、接触板の接触板支持部材の構造を製造し易く、且つ、引張力に対して強い構造とすることにより、より耐久性に優れた接触式温度計を提供することにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る接触式温度計は、上記の目的を達成するために、次のように構成される。
【0027】
1)被測温体に当接する接触板と、該接触板から熱を伝達される感温部を有し、前記接触板を該接触板に設けられた接触板支持部で保持する接触式温度計において、前記接触板の前記接触板支持部を、前記接触板の平坦部分に前記接触板支持部を有する支持板を積層して接合することにより形成する。
【0028】
この構成により、接触板支持部を有する支持板と接触板との接触を面接触にすることができるので、接触板支持部をより強固に接触板に接合できる。そのため、従来技術で発生していた、この接触板支持部の接合部における接触板の折れ曲がり等の破損を回避できる。
【0029】
また、平面同士の接触状態でスポット溶接等の接合作業を行うことができるので、位置決め精度が向上し、また、作業効率も向上する。
【0030】
そして、この構成は、接触板支持部の保持構造が、接触板支持部を所定の範囲内で移動可能に保持する場合、即ち、突出させて形成した接触板支持部を、大きめの孔に遊嵌し、突出方向と垂直な方向に移動可能にするような場合に、接触板と接触板支持部の間に大きな力が働くので、特に有効であるが、突出した接触板支持部の軸方向回りに回転可能にした場合や突出方向即ち接触板支持部の軸方向にスライドする構成に対しても効果を得ることができる。
【0031】
即ち、接触板の支持構造において、薄くて曲げに弱い接触板と、繰り返し力が作用する接触板支持部との間に、大きな接合強度を得ることができる。
【0032】
2)そして、被測温体に当接する接触板と、該接触板から熱を伝達される感温部と、該接触板を被測温体側に押圧する弾性部材を有し、
前記接触板の両端にそれぞれ設けられた接触板支持部を、前記弾性部材を支持する固定支持部に所定の範囲内で移動可能な状態に保持すると共に、少なくとも測温時に、前記弾性部材の弾性復元力を前記接触板に作用させる接触式温度計において、
前記接触板の前記接触板支持部を、前記接触板の平板状の両端部に、前記接触板支持部を有する平板状の支持板を積層して接合することにより形成して構成する。
【0033】
この接触板支持部が、所定の範囲内で移動可能な状態に保持するような構成においては、接触板支持部が固定支持部側と当接するたびに、衝撃力が発生するので、特に破損が生じ易く、大きな問題となっているので、接触板支持部を有する支持板と接触板との接触を面接触にして、両者をより強固に接合できることは、非常に大きな効果となる。
【0034】
3)そして、上記の接触式温度計において、前記接触板を帯状に形成すると共に、前記接触板支持部を前記接触板の幅方向に突出する棒状に形成し、該棒状の接触板支持部を、前記弾性部材を支持する固定支持部に設けたガイド孔に遊嵌して、前記接触板支持部を、前記固定支持部に所定の範囲内で移動可能な状態に保持する。
【0035】
この構成により、比較的簡単に、接触板の両端部を弾性部材を支持する固定支持部に所定の範囲内で移動可能な状態に保持することができる。
【0036】
なお、この構成と逆に、固定支持部側に支持軸を形成し、接触板支持部をこの支持軸を遊嵌できるように形成してもよい。
【0037】
4)また、上記の接触式温度計において、前記接触板の平板状の端部を、複数枚の前記接触板支持部を有する平板状の支持板で挟持して、該支持板と前記接触板を接合することにより形成すると、この構成により、接触板と支持及び接触板支持部をより強固に接合できる。
【0038】
5)更に、上記の接触式温度計において、前記接触板支持部を有する平板状の支持板において、前記接触板と接触する接合面を前記接触板支持部よりも幅広に形成すると、この構成により、スポット溶接などによる接合作業が容易になる。また、接触板と支持板及び接触板支持部をより強固に接合できる。
【0039】
6)そして、上記の接触式温度計において、前記接触板支持部を有する平板状の前記支持板の形状を、平面視で180度回転した図形が、元の図形と重なり合うように形成すると、支持板の裏表及び上下左右がなくなり、組み付け時の作業で小さな部品である支持板の表裏や上下左右を斟酌する必要が無くなり、作業効率を向上できる。
【0040】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0041】
この本発明の実施の形態接触式温度計Tは、図5及び図6に示すように、熱電対線Nの感温部Sを挟持する接触板1とリング状の弾性部材2と、弾性部材2を支持する支持体3と、この支持体3と接触板1の端部に設けられた接触板支持部5を所定の範囲内で移動可能に支持する固定支持部10とから構成される。
【0042】
そして、図1(a)及び図1(b)に示すように、この接触板1は、帯状のステンレス板等の金属板からなり、両方の端部1aに接触板1の幅方向に突出する棒状の接触板支持部5がそれぞれ設けられ、図1(c)に示すように、環状弾性部材2、熱電対線N、支持体3に組み付けられる。
【0043】
また、この接触板支持部5は、図3及び図5、図6に示すように、弾性部材2を固定支持する固定支持部10の側板部10b(10c)に設けた長孔や円形等に形成されたガイド孔6に遊嵌されて、ガイド孔6内を移動できるように、つまり、被測温体20の移動方向Mに関して所定の範囲内で移動可能な状態に保持される。
【0044】
そして、この接触板支持部5を接触板1に設ける構成が本発明の主要部であり、次の様に構成される。
【0045】
この接触板支持部5の接触板1への接合は、図1に示すように、幅広の接合部51と両側に幅狭の即ち棒状の接触板支持部5を有する支持板50を片側2枚、合計で4枚用意し、この支持板50を、接触板1の端部1aの上下に積層し、2枚の支持板50で、接触板1の端部1aを挟持する。
【0046】
この支持板50の接触板1の端部1aへの積層は、図4(a)に示すように一枚でもよいが、図1(a)に示すように二枚の支持板50で挟持する構成の方がより堅固に接合でき、接触板支持部5に外力が作用した場合に、接触板1の破損を少なくできる。また、二枚の支持板50で挟持すると接触板1の表裏を無くすことができるので、組み付け作業における作業性を向上することができる。
【0047】
そして、接触板支持部5を有する平板状の支持板50において、平面視で180度回転しても元の図形と同じ図形になるように形成すると、支持板50の裏表及び上下左右がなくなり、支持板50を接触板1に接合する作業時に小さな部品である支持板50の表裏及び上下左右を斟酌する必要が無くなり、作業効率を向上できる。
【0048】
この図1の構成では、接触板1と支持板50とを共に平板状に形成し、特に、支持板50の接合部51を幅広に形成しているので、面接触でしかも接触部分を広くすることができ、接合作業ができる部分も大きくすることができる。そのため、スポット溶接等による変形を防止でき、しかも、接合を強固にすることができるので、工作精度が悪くても破損しなくなり、製造が容易となる。
【0049】
図4に、他の実施の形態を示す。図4(a)は支持板50を一枚積層した構成を示し、図4(b)は、接合部51Bよりも接触板支持部5Bがより外側に配置できるように形成された支持板50Bを示す。この支持板50Bは、小型化に向いた構成となっている。また、図4(c)は、矩形平板状の支持板50Cで接触板1を挟持した構成を示す。
【0050】
そして、図4(d)及び図4(e)は、図4(a)及び図4(b)の接触板支持部5A、5Bに円管52を装着し、滑り易くしている。
【0051】
また、図4(f)は、固定支持部10側に支持軸8を形成し、接触板支持部5Eをこの支持軸8を遊嵌できるように形成した支持板50Eを示し、図4(g)は、接触板1の一端側の接触板支持部5Eを遊嵌せずに軸孔6’に挿入して回転のみ許容するようにした構成した支持板50Eを示す。なお、図4(g)では、円管52を装着して円滑に回転できるようにしている。
【0052】
次に、弾性部材(環状弾性部材)2、感温部S、支持体3、固定支持部(ホルダー)10について説明するが、これらの構成は、特開平10−318854号公報で提案されているような従来技術の接触式温度計と同じである。
【0053】
この弾性部材2は、図8に示すように、ステンレス板等の弾力性のある薄い金属板を、エッチング加工あるいは精密プレス加工して梯子形状に形成し、更に、リング状(円形)に丸めて連結辺2d,2eを重ね合わせ、この重なり合った部分2d,2eをスポット溶接やロー付けによって接合して形成される。
【0054】
そして、図5〜図7に示すように、この弾性部材2の感温部固定部2cに、熱電対線Nの感温部Sと接触板1を積層すると共に、接触板1の感温部Sの両側の部分と感温部固定部2cの短辺部との間を2点(複数点)のスポット溶接Wで固定し、熱電対線Nを溶接等で固定することなく、感温部固定部2cと接触板1で挟持して固定する。
【0055】
また、この弾性部材2を支持する支持体3は、円弧状の相対する突出壁3a,3aを有するフランジ部3eを上部に設けた円柱体で形成される。この突出壁3a,3aの間に、弾性部材2の接合部2d,2eを配置して、更に円板状の固定体4を被せて固定する。この固定体4の固定は、突出壁3aの中央部のネジ孔3bから螺入したビスの先端部を固定体4の側面の鉢巻き状の溝部4aに押圧することにより行う。
【0056】
この支持体3は、図5及び図6に示すように、合成樹脂製やセラミックス製の固定支持部10に固定される。この固定支持部10は、凹部10dと貫通孔10eを有する底板部10aの両側面に、側板部10b,10cを配置し、正面視でコ字形に形成される。この貫通孔10eに支持体3の円柱部分3cを嵌入し、凹部10dにフランジ部3eを嵌合して、支持体3を固定支持部10に組み付けて図示しないビスにより固定する。
【0057】
また、固定支持部10の側板部10b,10cの上縁の近傍に、この上縁に沿って長孔のガイド孔6を設け、このガイド孔6に接触板1の両端部に設けた接触板支持部5を遊嵌して、接触板1の両端側を移動可能に支持する。図9に示すように、この接触板支持部5はガイド孔6内で所定の範囲内dで移動可能に保持される。
【0058】
そして、この固定支持部10内に熱電対線Nに接続したリード線7を導出して、このリード線7を接触式温度計の測定部(図示しない)に接続する。この測定部は熱電対線Nの起電力を測定する測定装置と測温された温度を表示する表示装置で構成される。
【0059】
なお、各寸法の一例を上げれば、固定支持部10は幅が約20〜30mm、長さが約20〜60mm、高さが約25〜30mmの大きさに設計される。接触板1は、厚さ0.03〜0.1mm程度、幅10〜6mm程度に、また、環状弾性部材2は厚さが0.03〜0.1mm、好ましくは0.05mm程度、幅5〜6mm程度で、直径が約10〜30mm程度のリング状(円形)に形成される。
【0060】
また、この弾性部材2は、組み付けた後に接触板1の接触板支持部5をガイド孔6に係止させた場合に、長径が約50mm、短径が約20mm程度の長円となる。
【0061】
以上の構成の接触式温度計Tによれば、接触板1と接触板支持部5との接合を強固に形成することができるので、図3(b)に示すように、被測温体20の移動速度が大きくなったり、摩擦力Fが大きくなって、移動方向Mの上流側で、接触板支持部5がガイド孔6の内側の端部に当接して、接触板支持部5から接触板1を引張る力F1が作用しても、回転力を発生することなく、接触板支持部5で接触板1を保持できる。
【0062】
なお、この実施の形態では、感温部Sを熱電対で形成した例で説明しているが、本発明の接触式温度計の感温部は、これに限定されることなく、サーミスタ等の他の温度センサの感温部で形成することもできる。
【0063】
また、この実施の形態では、接触板の背後に弾性部材を配置して接触板を被測温体に押圧しているが、用途によっては、接触板をバネ材で凸形状の板バネに形成し、接触板自体の弾性復元力により被測温体に押圧するように構成してもよい。この構成の場合には、接触板を押圧する弾性部材が不要となる。
【0064】
更に、接触板に方向性を持たせ、一方向に摩擦力が作用するようにした場合には、被測温体の移動方向に対して上流側の接触板支持部を軸支乃至枢支して、回転可能ではあるが、被測温体の移動方向には固定して形成することもできる。
【0065】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の接触式温度計によれば、接触板の両端における接触板支持部の構造を、平板同士の接合とし、また、2枚の接触板支持部を有する平板状の支持板で接触板を挟持したり、支持板の接合面を大きくすることにより、容易に接触部分及び接合部分を大きくすることができるので、溶接による変形を防止しながら、強固に接合できる。
【0066】
従って、この接触板と接触板支持部との接合部における破損を回避でき、耐久性に優れた接触式温度計とすることができる。また、工作精度が悪くても強固に接合でき、破損しないので、製造が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の接触板の接触板支持部の構成を示す図で、(a)は組み立て前の状態を示す図で、(b)はスポット溶接による固定を示す図で、(c)は接触板を環状弾性部材や支持体に組付けた図である。
【図2】本発明の実施の形態の接触板の接触板支持部を示す部分拡大図である。
【図3】本発明の実施の形態の接触板の接触板支持部の測温時における状態を示す図であり、(a)は接触板支持部が移動可能な状態を示す説明図で、(b)は接触板支持部がガイド孔の端部に当接した状態を説明図である。
【図4】本発明の他の実施の形態の接触板の接触板支持部の状態を示す図であり、(a)は一枚の支持板を、(b)は接触板支持部が後退した支持板を、(c)は固定支持部側の支持軸を遊嵌する接触板支持部を持つ支持板を、(d)は、円管を装着した接触板支持部を持つ支持板を、それぞれ示す部分図である。
【図5】接触式温度計の構造を示す側断面図である。
【図6】接触式温度計の構造を示す横断面図である。
【図7】従来技術の接触式温度計の構造を示す斜視図である。
【図8】環状弾性体の梯子形状の弾性板を示す平面図である。
【図9】接触板支持部のガイド孔における遊嵌状態を示す説明図である。
【図10】測温開始前の接触板の状態を示す模式的な説明図である。
【図11】被測温体の移動速度が低速又は摩擦力が小さい場合の接触板の状態を示す模式的な説明図である。
【図12】被測温体の移動速度が高速又は摩擦力が大きい場合の接触板の状態を示す模式的な説明図である。
【図13】従来技術の接触板の接触板支持部の構成を示す部分拡大図である。
【図14】従来技術の接触板の接触板支持部の測温時における状態を示す図であり、(a)は接触板支持部が移動可能な状態を示す説明図で、(b)は接触板支持部がガイド孔の端部に当接した状態を示す説明図である。
【記号の簡単な説明】
1 接触板
1a 端部
2 弾性部材
3 支持体
4 固定体
5 接触板支持部
6 ガイド孔
10 固定支持部
20 被測温体
50 支持板
51 接合部
N 熱電対線
S 感温部
Claims (3)
- 被測温体に当接する接触板と、該接触板から熱を伝達される感温部と、該接触板を被測温体側に押圧する弾性部材を有し、前記接触板の両端にそれぞれ設けられた接触板支持部を、前記弾性部材を支持する固定支持部に所定の範囲内で移動可能な状態に保持すると共に、少なくとも測温時に、前記弾性部材の弾性復元力を前記接触板に作用させる接触式温度計において、前記接触板の前記接触板支持部を、前記接触板の平板状の両端部に、前記接触板支持部を有する平板状の支持板を積層して接合することにより形成したことを特徴とする接触式温度計。
- 前記接触板を帯状に形成すると共に、前記接触板支持部を前記接触板の幅方向に突出する棒状に形成し、該棒状の接触板支持部を、前記弾性部材を支持する固定支持部に設けたガイド孔に遊嵌して、前記接触板支持部を、前記固定支持部に所定の範囲内で移動可能な状態に保持したことを特徴とする請求項1に記載の接触式温度計。
- 前記接触板の平板状の端部を、複数枚の前記接触板支持部を有する平板状の支持板で挟持して、該支持板と前記接触板を接合することにより形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の接触式温度計。
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Publications (2)
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