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JP4712267B2 - フィルムの伸張方法およびかかるフィルム - Google Patents

フィルムの伸張方法およびかかるフィルム Download PDF

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JP4712267B2 JP2001546449A JP2001546449A JP4712267B2 JP 4712267 B2 JP4712267 B2 JP 4712267B2 JP 2001546449 A JP2001546449 A JP 2001546449A JP 2001546449 A JP2001546449 A JP 2001546449A JP 4712267 B2 JP4712267 B2 JP 4712267B2
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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)

Description

【0001】
技術分野
本発明は、フィルムを伸張する方法および得られるフィルムに係り、特に、フィルムの幅の全部または一部を伸張中または伸張直後に冷却して、フィルムの均一性を改善するフィルムの伸張方法および得られるフィルムに関する。
【0002】
発明の背景
フィルムを二軸伸張することは業界に知られている。さらに、フィルムを同時に2つの方向に二軸伸張させるためのいくつかの方法および装置について記載がある。例えば、米国特許第2,618,012号、第3,046,599号、第3,502,766号、第3,890,421号、第4,330,499号、第4,525,317号および第4,853,602号を参照されたい。
【0003】
テンターは、逐次二軸フィルム伸張プロセスにおいて横方向の伸張に用いられてきた。同時二軸伸張プロセスについては、テンター伸張は、フィルムをフィルムの対向する端部に沿って把握し、通常はレールである誘導手段に沿って異なる速度で把握手段を推進するグリップまたはクリッパーを有するテンター装置において実施される。本明細書において、「グリッパー」および「クリップ」にはその他のフィルム端部把握手段が含まれ、「レール」にはその他のクリップ誘導手段が含まれる。機械方向にクリップ速度を増大することによって、機械方向の伸張がなされる。かかる手段を分岐レールとして用いることによって、横方向の伸張が生じる。かかる伸張は、例えば、各クリップをテンター装置において機械的に駆動させる米国特許第4,330,499号および第4,595,738号に開示された方法および装置により実施できる。最近では、フィルムをテンター装置により推進するクリップがリニアモータにより駆動されるテンター枠についての記載がある。例えば、米国特許第4,675,582号、第4,825,111号、第4,853,602号、第5,036,262号、第5,051,225号および第5,072,493号に開示された方法およびテンター装置を参照されたい。
【0004】
米国特許第5,051,225号に記載された同時二軸伸張装置において、テンタークリップはリニア電気モータにより駆動されている。スペースとコストの理由から、‘225号特許に記載されているようなテンターはリニアモータにより駆動される各クリップを有していない。例えば、各レールの各第3のクリップは、リニアモータによって駆動され、介在する2個のクリップは駆動されず、フィルム自身によってのみ前方へ推進される。かかる非駆動クリップはアイドラクリップと呼ばれる。アイドラクリップの駆動クリップに対する相対位置は、駆動クリップ間に等間隔となる理想的な位置に必ずしもないことが見てとれる。レール上の最も近接する駆動クリップと、介在アイドラクリップ間のクリップ間の距離が等間隔でないことは、かかる用語を用いてアイドラ不均一性、不均一なクリップ間隔、均一でないクリップ間隔等と呼ばれる。しかしながら、次の2つの特別な場合にはこのことは重大である。一対の駆動クリップ間にある第1および最後(または唯一の)アイドラクリップを、等間隔のクリップに必要とされるよりも少ない量でフィルムにより前方に推進する場合には、アイドラ遅延と呼ばれる。一対の駆動クリップ間にある第1および最後(または唯一)のアイドラクリップを、等間隔のクリップに必要とされるよりも多い量でフィルムにより前方に推進する場合には、アイドラ先導と呼ばれる。各レールの一対の駆動クリップ間に2個以上のアイドラクリップがある場合には、一方は等間隔のクリップに必要とされるよりも少ない量でフィルムによって前方に推進され、他方は等間隔のクリップに必要とされるよりも多い量でフィルムにより前方に推進することができる。この状況の場合は、不均一なクリップ間隔、またはアイドラの不均一性となり、アイドラ遅延でもアイドル先導でもなくなる。
【0005】
米国特許第5,753,172号には、フィルムのビード端をテンタークリップで把握する工程と、フィルムのビード端に熱を集中させることにより、同時伸張の前または同時伸張の最中、または後の伸張または熱硬化工程において、フィルム配向温度までビード端の温度を増大する工程とを含むビード端を有する熱可塑性ポリマーフィルムのテンター枠に同時に二軸伸張する方法が記載されている。‘172特許には、ビード温度が高すぎたり低すぎる、またはビーズが薄すぎたりすると、アイドラクリップの間隔を不均一化させる恐れがあることが記載されている。第3欄、30〜33行、第11欄、58〜62行。‘172特許にはさらに、ビーズの温度は、中央フィルムウェブの温度と略等しい、またはこれより高いのが望ましいと記載されている。第5欄、27〜29行。‘172特許にはまた、一般的な伸張器加熱ゾーンにおけるフィルムに比べて、ビードに与える熱を不均一にすることに一部影響されることから、ビード温度を個別に制御する必要があることも記載されている。第5欄、33〜35行。いずれも業界に周知であり、一般的な伸張器加熱ゾーンにおけるかかる不均一な加熱によって、中央フィルムウェブよりもビーズが冷たくなることが‘172特許(第11欄、35〜40行)に示されている。米国特許第3,231,642号、第3,510,552号および第5,429,785号にもまた、様々なフィルム伸張プロセスにおける温度制御のある影響について述べられている。
【0006】
発明の概要
本発明者らは、伸張中および/または伸張直後有効量でフィルムの全幅または一部を冷却することにより、クリップ間隔の不均一性、特にアイドラクリップ遅延を最小にして、より均一な間隔のアイドラクリップを提供し、より均一な特性および特徴を備えた最終フィルムを提供できることを知見した。冷却によって、所望であれば、アイドラクリップ先導も行うことができる。
【0007】
上述の‘225号特許に記載された同時二軸伸張装置において、テンタークリップはリニア電気モータにより駆動されている。スペースとコストの理由から、各クリップがリニアモータにより駆動されているわけではない。例えば、各レールの各第2または各第3のクリップは、駆動されていない介在アイドラクリップにより駆動され、フィルム自身によってのみ前方へ推進される。アイドラクリップの駆動クリップに対する相対位置は、フィルムの粘弾性特性(例えば、歪み速度履歴の関数としての応力)やキャリパプロフィールおよびテンターに沿った位置の関数としての伸張および温度プロフィールのようなフィルムの相互作用およびプロセス変数の複雑な結果である。アイドラクリップは、アイドラの前の駆動クリップおよびその間のフィルム材料により加わる力によってテンターを通して前方に推進される。同時に、各アイドラクリップの前方動作は、駆動クリップおよびその背後のフィルム材料により加わる力によって阻まれる恐れがある。フィルムを機械および交差方向ダウンウェブに伸張すると、フィルム材料とアイドラクリップおよび駆動クリップ間の複雑な相互作用、およびクリップ内の軸受摩擦の結果、前方駆動クリップで可動する枠を参照として見たときに、アイドラクリップに正味の後方の力がかかる。アイドラクリップにこの力を無効にするリニアモータ力がないため、アイドラクリップはその理想的な位置よりも遅延される。フィルムが冷却されるテンターの出口端で、アイドラが遅延すると、フィルムの幅を超えて伸張する機械方向延伸比における永続的なダウンウェブの変化を伴う。アイドラクリップの遅延は、処理条件の結果であり、キャリパ、機械的特性および光学的特性のようなフィルムの均一性にも悪影響を及ぼす。アイドラクリップの遅延は、プロセスにおいて異なる場所で生じ、多少、材料および伸張条件に依存している。このように、プロセス中クリップ遅延(遅延履歴)を制御するのが最も有利である。ただし、全体、または最終のクリップ遅延の規模を制御するのがかなり有利であると考えられる。
【0008】
本発明は、クリップ遅延を減じて、近接する駆動クリップに対してアイドラクリップを近づける、または理想的な位置とし、場合によっては、クリップ遅延を逆転して、アイドラクリップを理想的な位置の前(アイドラ先導)とさせる方法を提供する。一つの方法は端部冷却である。端部冷却において、テンターの伸張部および/または伸張部の直ぐ後の部分(後伸張処理部と呼ばれる)において効果的な位置で有効量フィルムの端部を冷却する。端部冷却によって、端部で材料の弾性率を制御しながら増大させて、駆動クリップおよびその前にあるより剛性の(冷たい)端部ビードにより端部冷却をしない場合よりも前方にアイドラクリップを引っ張ることによりクリップ遅延が減少するものと考えられる。その結果、アイドラクリップ遅延が減じる、排除される、または逆転される(アイドラ先導)。第2の方法はゾーン冷却であり、テンターの伸張部および/または後伸張処理部において、実質的にウェブの全幅が効果的な位置またはゾーンで有効量冷却される。ゾーン冷却によって、実質的にウェブの全幅を超えてフィルムの弾性率を制御しながら増大させて、駆動クリップおよびその前にあるフィルムにより、ゾーン冷却をしない場合よりも前方にアイドラクリップを引っ張ることによりゾーン冷却なしでクリップ遅延を生じさせる後方の力が減少するものと考えられる。
【0009】
本発明の一態様は、フィルムをフィルムの対向する端部に沿って複数のクリップで把握する工程と、クリップを推進させることによりフィルムを伸張する工程とを含むポリマーフィルムを伸張する方法を改善するものである。複数のクリップは、駆動クリップとアイドラクリップを含み、駆動クリップの各対の間に少なくとも1個のアイドラクリップがある。この改善された方法は、破断することなく大量の伸張を可能とする十分に高い温度までポリマーフィルムを加熱する工程と、駆動およびアイドラクリップの間隔の均一性を改善するために、有効量で伸張したフィルムの幅の少なくとも一部に対して機械方向に能動的に冷却勾配を与える工程とを含む。
【0010】
他の態様において、本発明は、フィルムをフィルムの対向する端部に沿って複数のクリップで把握する工程と、クリップを推進させることによりフィルムを伸張する工程とを含むポリマーフィルムを伸張する方法を改善するものである。複数のクリップは、駆動クリップとアイドラクリップを含み、駆動クリップの各対の間に少なくとも1個のアイドラクリップを有する。この改善された方法は、破断することなく大量の伸張を可能とする十分に高い温度までポリマーフィルムの中央部および端部を加熱する工程と、伸張開始時にフィルムの端部がフィルムの中央部よりも熱くならないように維持する工程と、駆動およびアイドラクリップの間隔の均一性を改善するために、有効量で伸張したフィルムの幅の少なくとも一部に対して機械方向に冷却勾配を与える工程とを含む。
【0011】
上記方法のある好ましい実施形態において、フィルムの端部をフィルムの中央部より熱くならないように維持する工程は、フィルムの対向する端部を能動的に冷却する工程を含む。
【0012】
さらに他の態様において、本発明は、フィルムをフィルムの対向する端部に沿って複数のクリップで把握する工程と、クリップを推進させることによりフィルムを伸張する工程とを含むポリマーフィルムを伸張する方法を改善するものである。複数のクリップは、駆動クリップとアイドラクリップを含み、駆動クリップの各対の間に少なくとも1個のアイドラクリップを有する。この改善された方法は、破断することなく大量の伸張を可能とする十分に高い温度までポリマーフィルムを加熱する工程と、アイドラクリップ遅延の値を冷却しない場合のアイドラクリップ遅延の値から減じるために、有効量で伸張したフィルムの幅の少なくとも一部に対して機械方向に冷却勾配を与える工程とを含む。
【0013】
さらに他の態様において、本発明は、フィルムをフィルムの対向する端部に沿って複数のクリップで把握する工程と、クリップを推進させることによりフィルムを伸張する工程とを含むポリマーフィルムを伸張する方法を改善するものである。複数のクリップは、駆動クリップとアイドラクリップを含み、駆動クリップの各対の間に少なくとも1個のアイドラクリップを有する。この改善された方法は、破断することなく大量の伸張を可能とする十分に高い温度までポリマーフィルムを加熱する工程と、冷却しない場合のダウンウェブキャリパ均一性に対してダウンウェブキャリパ均一性を改善するために、有効量で伸張したフィルムの幅の少なくとも一部に対して機械方向に冷却勾配を与える工程とを含む。
【0014】
さらに他の態様において、本発明は、フィルムをフィルムの対向する端部に沿って複数のクリップで把握する工程と、クリップを推進させることによりフィルムを伸張する工程とを含む予備結晶化ポリマーフィルムを伸張する方法を改善するものである。複数のクリップは、駆動クリップとアイドラクリップを含み、駆動クリップの各対の間に少なくとも1個のアイドラクリップを有する。この改善された方法は、破断することなく大量の伸張を可能とする十分に高い温度までポリマーフィルムを加熱する工程と、駆動およびアイドラクリップの間隔の均一性を改善するために、有効量で伸張したフィルムの幅の少なくとも一部に対して機械方向に冷却勾配を与える工程とを含む。
【0015】
さらに他の態様において、本発明は、フィルムをフィルムの対向する端部に沿って複数のクリップで把握する工程と、クリップを推進させることによりフィルムを伸張する工程とを含むビニルポリマーフィルムを伸張する方法を改善するものである。複数のクリップは、駆動クリップとアイドラクリップを含み、駆動クリップの各対の間に少なくとも1個のアイドラクリップを有する。この改善された方法は、破断することなく大量の伸張を可能とする十分に高い温度までポリマーフィルムを加熱する工程と、駆動およびアイドラクリップの間隔の均一性を改善するために、有効量で伸張したフィルムの幅の少なくとも一部に対して機械方向に冷却勾配を与える工程とを含む。
【0016】
上述した方法のある好ましい実施形態において、フィルムの対向する端部が冷却される。
【0017】
上述した方法の他の好ましい実施形態において、フィルムの中央部が冷却される。
【0018】
上述した方法の他の好ましい実施形態において、フィルムの実質的に全幅が冷却される。
【0019】
上述した方法の他の好ましい実施形態において、フィルムの少なくとも一部は少なくとも3℃冷却される。
【0020】
上述した方法の他の好ましい実施形態において、フィルムが伸張される伸張断面に、続いて後伸張処理の断面にクリップを推進し、冷却は伸張断面と処理断面の少なくとも一方に実施される。
【0021】
上述した方法の他の好ましい実施形態において、フィルムは二軸伸張される。より好ましくは、交差方向に分岐するクリップガイド手段に沿って機械方向にクリップを異なる速度で推進することによりフィルムは同時に二軸伸張される。さらにより好ましくは、機械方向に少なくとも2:1、交差方向に少なくとも2:1の最終伸張比となるまでフィルムは伸張される。
【0022】
上述した方法の他の好ましい実施形態において、駆動クリップの各対の間に少なくとも2個のアイドラクリップがある。
【0023】
上述した方法の他の好ましい実施形態において、フィルムは熱可塑性フィルムを含む。より好ましくは、フィルムは半結晶フィルムを含む。半結晶の実施形態のうち、ある好ましいフィルムの結晶化度は加熱前の約1%より大きい。さらに好ましくは、結晶化度は加熱前の約7%より大きい。さらに好ましくは、結晶化度は加熱前の約30%より大きい。
【0024】
上述した方法の最初の4つまたは6番目の他の好ましい実施形態において、フィルムはアモルファスフィルムである熱可塑性フィルムを含む。
【0025】
上述した方法の他の好ましい実施形態において、フィルムはビニルポリマーを含む。より好ましくは、フィルムはポリオレフィンを含む。さらにより好ましくは、フィルムはポリエチレンまたはポリプロピレンを含む。
【0026】
上述した方法の他の好ましい実施形態において、フィルムはポリプロピレンを含み、少なくとも16:1の最終面積伸張比まで伸張される。より好ましくは、フィルムは25:1〜100:1の最終面積伸張比まで伸張される。
【0027】
上述した方法の他の好ましい実施形態において、フィルムはポリプロピレンを含み、120〜165℃まで加熱される。より好ましくは、フィルムは150〜165℃まで加熱される。
【0028】
上述した方法の他の好ましい実施形態において、フィルムはポリプロピレンを含み、120〜165℃まで加熱され、冷却工程はフィルムに冷却空気を吹き付ける工程を含む。冷却空気はフィルムより少なくとも5℃冷たい。
【0029】
特定の用語を説明および請求項において用いており、たいていの部分は周知であるが、説明が必要なものもある。フィルムを説明するのに本明細書で用いられる「二軸伸張」とは、フィルムが第1の方向と第2の方向の2つの異なる方向にフィルムの平面において伸張されることを指す。一般に、必ずしもではないが、2つの方向は実質的に垂直であり、フィルムの機械方向(「MD」)とフィルムの交差方向(「TD」)である。二軸伸張フィルムは、逐次伸張しても、同時伸張しても、あるいは同時と逐次伸張を組み合わせて伸張してもよい。フィルムを説明するのに本明細書で用いられる「同時二軸伸張」とは、2つの各方向に大部分の伸張を同時に実施することを指す。特に断りのない限り、「配向」、「延伸」および「伸張」という用語は、「配向された」、「延伸された」および「伸張された」という用語、そして「配向する」、「延伸する」および「伸張する」という用語のように同じ意味で用いられる。
【0030】
本明細書において、フィルムを伸張する方法、または伸張されたフィルムを説明するのに用いる「伸張比」という用語は、伸張されたフィルムのある部分の直線寸法対伸張前の同部分の直線寸法の比率を指す。例えば、MD伸張比5:1の伸張されたフィルムの場合、機械方向に1cmの直線寸法を有する未伸張フィルムの部分の伸張後の機械方向の寸法は5cmとなる。TD伸張比5:1の伸張されたフィルムの場合、交差方向に1cmの直線寸法を有する未伸張フィルムの部分の伸張後の交差方向の寸法は5cmとなる。
【0031】
「面積伸張比」とは、伸張されたフィルムのある部分の面積対伸張前の同部分の比を指す。例えば、面積伸張比50:1の二軸伸張フィルムの場合、未伸張フィルムの1cm部分の伸張後の面積は50cmとなる。
【0032】
呼び伸張比としても知られている機械伸張比は、未伸張および伸張寸法により求められ、一般的に、用いられている特定の装置においてフィルムを伸張するために用いられるフィルムの端部でフィルムグリッパで測定することができる。グローバル伸張比とは、グリッパ近傍にあって、グリッパの存在による伸張中に影響された部分を考慮に入れないフィルムの全体の伸張比のことを言う。グローバル伸張比は、供給物未伸張フィルムが全幅(グリッパからグリッパ、交差ウェブ)にわたって一定の厚さを有し、伸張時にグリッパが近接していることによる影響が小さいときに機械伸張比と等価となり得る。しかしながら、より一般的には、供給物未伸張フィルムの厚さを調整して、グリッパ近傍の厚さをフィルムの中央より厚く、または薄くする。この場合、グローバル伸張比は、機械または呼び伸張比とは異なることとなる。これらのグローバルまたは機械比は両方とも局所伸張比とは区別される。局所伸張比は、伸張前後のフィルムの特定の部分(例えば、1cmの部分)を測定することにより求められる。実質的に全端部がトリムされたフィルムにわたって伸張が均一でないときは、局所比はグローバル比とは異なる。実質的にフィルム全体(端部のすぐそばの部分および端部に沿ったグリッパ周辺は除く)にわたって伸張が実質的に均一であるときは、あらゆる局所比はグローバル比と実質的に等しくなる。特に断りのない限り、第1の方向の伸張比、第2の方向の伸張比、MD伸張比、TD伸張比および面積伸張比は、本明細書においてはグローバル伸張比を説明するのに用いられる。
【0033】
「伸張断面」という用語は、テンターの全体の処理速度、およびプロセスにおける位置の関数としての伸張比および温度をはじめとするフィルムを伸張する全ての変数の値、およびこれらの値を得るのに用いられる、衝突速度、クリップ加速等といった技術を集合的に指す。
【0034】
発明の詳細な説明
本発明は添付された図面に関しさらに詳細に説明される。
図1に、本発明の方法を実施するためのテンター装置の平面概略図を示す。テンターは、米国特許第5,051,225号「プラスチックフィルムのテンター枠内での延伸方法」(Hommesら)に開示された種類のものが好ましい。テンター装置10には、第1の側部レール12および第2の側部レール14が含まれ、駆動クリップ22とアイドラクリップ24が接している。図1において、駆動クリップ22は、ボックスに「X」マークをつけて示してあり、アイドラクリップ24は無印のボックスで示してある。レール上の一対の駆動クリップ22間に、1個以上のアイドラクリップ24がある。図示したように、レール上の各対のクリップ22の間には2個のアイドラクリップ24がある。一組のクリップ22、24は、レールの端部の矢印で示される方向に第1のレール12の周囲の閉ループを動く。同様に、他の組のクリップ22、24は、レールの端部の矢印で示される方向に第2のレール14の周囲の閉ループを動く。クリップ22、24は、フィルムの端部を保持して、フィルムの中央に矢印で示される方向にフィルム26を推進する。レール12、14の端部で、クリップ22、24はフィルム26を放す。クリップはレールの外側に沿ってテンターの入口へ戻り、鋳造ウェブを把握してテンターを通ってそれを推進する。(明瞭に図示するために、レールの外側で入口に戻ったクリップは図1から省いてある。)テンターから排出される伸張されたフィルム26は、後の処理または使用のために巻き取られるか、または巻き取られる前にさらに処理されることもある。
【0035】
ポリマーは、業界に知られているようにシート形態に鋳造して、好適なウェブとし、本明細書に記載した好ましいフィルムとなるように伸張することができる。ウェブは、業界に知られているように、ホモポリマー、コポリマー、ブレンド、単層または多層とすることができる。ポリプロピレンフィルムを作成するとき、ウェブを鋳造するのに好適な方法は、安定した均一な溶融物を製造するために調整した押出し機バレル温度の単軸、二軸、カスケードまたはその他押出しシステムの供給ホッパーに樹脂を供給するものである。ポリプロピレン溶融物は回転する冷却金属鋳造ホイール上にシートダイを通して押出すことができる。任意で、鋳造ホイールは、流体充填冷却浴に部分的に浸漬することができ、また、同様に任意で、鋳造ホイールから取り外した後、鋳造ウェブは流体充填冷却浴に通過させることができる。次に、本明細書に記載した好ましい方法に従ってウェブを二軸伸張する。押出したウェブは、一般的に急冷し、赤外ヒータにより任意で再加熱し、第1および第2のレール12、14上のクリップ22、24に供給して、テンター装置10を通して推進される。任意の赤外加熱およびクリップ22、24による把握はいかなる順番でもよく、また同時であってもよい。
【0036】
レール12、14は、予熱部16、伸張部18および後伸張処理部20の3つの部分を通る。予熱部16において、フィルムは適正な温度範囲内まで加熱されて、破断することなく大量の伸張がなされる。3つの機能部16、18、20はさらに複数のゾーンに分かれていてもよい。例えば、テンターのある好ましい実施形態において、予熱部16にはゾーンZ1、Z2およびZ3が含まれ、伸張部18にはゾーンZ4、Z5およびZ6が含まれ、後伸張処理部20にはゾーンZ7、Z8およびZ9が含まれる。予熱、伸張および後処理部はそれぞれ図示するよりも少ない、または多いゾーンを含むものと考えられる。さらに、伸張部18内では、TD成分の伸張またはMD成分の伸張を同じまたは異なるゾーンで実施してよい。例えば、MDおよびTDの伸張はそれぞれ、ゾーンZ4、Z5およびZ6の1つ、2つまたは3つでなされてよい。さらに、一方の成分の伸張は他方の前に行っても、または他方の前に始めて他方と重なってもよい。さらに、いずれかの成分の伸張は2つ以上の別個の工程で行ってもよい。例えば、MD伸張を、Z5では行わずに、Z4およびZ6で行ってもよい。
【0037】
MDおよび/またはTDの伸張は、予熱部または後伸張処理部で行ってもよい。例えば、図示した実施形態において、伸張はゾーン3で始める。伸張をゾーン7またはこれ以上続けてもよい。ゾーンZ4、Z5またはZ6後のゾーンで伸張を再開してもよい。
【0038】
ある好ましい伸張断面において、フィルムは少なくとも2:1のMD伸張比および少なくとも2:1のTD伸張比で伸張される。最終伸張比は、所望の特徴および特性を有するフィルムとなるように選択される。
【0039】
ある好ましい伸張断面において、同時二軸伸張が伸張部18においてなされる。例えば、TD伸張がゾーンZ4、Z5およびZ6を通じてなされる。これを行うために、第1および第2のレール12、14は、これらのゾーンのそれぞれを分岐するように構成されている。この伸張断面において、MD伸張はゾーンZ4においてのみなされるのが好ましい。これを行うために、駆動クリップ22はゾーンZ4を通じて加速されてMD伸張がなされ、駆動クリップ22の間隔はゾーンZ5およびZ6を通じてMDに実質的に一定に維持される。他の好ましい伸張断面において、MD伸張はゾーンZ4およびZ5でなされ、TD伸張はゾーンZ4、Z5、Z6でなされる。さらに別の好ましい伸張断面において、MDとTDの伸張は両方ともゾーンZ4、Z5およびZ6でなされる。
【0040】
他の好ましい伸張断面においては、逐次二軸伸張がなされる。TDの前のMD伸張については、レール12、14はゾーンZ4に平行のままであり、駆動クリップ22はMDに加速される。レール12、14は、TD伸張についてはゾーンZ5およびZ6のいずれか、または両方に分岐され、駆動クリップ22のMD間隔はこれらのゾーンにおいて実質的に一定のままである。MDの前にTDの場合には、レール12、14はMD伸張せずに、またはほとんど伸張せずに最初から分岐され、MD伸張がなされる間平行のままである。
【0041】
通常、フィルム26は、後伸張処理部20を通じて推進される。この部でフィルム26は所望の温度に維持され、大幅な伸張は生じない。この処理は熱硬化またはアニールと呼ばれることが多く、最終フィルムの特性、例えば、寸法安定性を改善するために実施される。あるいは、後伸張処理部20において、MDおよびTDのいずれか、または両方に少量の緩和が生じることもある。緩和とは、ここでは、TDにおけるレールの収束および/またはMDにおける各レールの駆動クリップの収束のことである。
【0042】
フィルムの二軸伸張は、これらに限られるものではないが、樹脂の組成、フィルム鋳造および急冷パラメータ、伸張前にフィルムを予熱する際の時間−温度履歴、用いる伸張温度、用いる伸張断面および伸張速度をはじめとする多くのプロセス条件に対して感受性がある。本明細書に教示した利点により、当業者であれば、パラメータを調整して、所望の特性および特徴を有するフィルムを得ることができる。
【0043】
ポリプロピレンフィルムについてのある好ましい伸張条件は次の通りである。鋳造ウェブ厚さは、好ましくは約0.2〜12mm、より好ましくは約1〜3mmである。IR熱源の温度は、所望の予熱を鋳造ウェブに与えるのに十分高い。予熱部16における空気温度は好ましくは約170〜220℃である。伸張部18および後伸張処理部20の空気温度は好ましくは約150〜170℃である。伸張部18におけるフィルム自身は、破断することなく大幅に伸張できるよう好ましくは約120〜165℃、より好ましくは約150〜165℃である。ポリプロピレンについて、最終面積伸張比は少なくとも16:1、より好ましくは約25:1〜100:1である。MD伸張比およびTD伸張比は所望で選択し、互いに等しくても等しくなくてもよい。
【0044】
本発明の冷却は、端部冷却であろうとゾーン冷却であろうと、伸張部18における伸張開始の前または後に始めてよい。伸張開始前に冷却を始める場合には、伸張部18への伸張開始後も継続しなければならない。請求項を含めた本明細書において、「伸張したフィルムの幅の少なくとも一部に機械方向の冷却勾配を与える」という言い回しは、冷却したフィルム部分の前方側でフィルムは冷たく、冷却したフィルム部分の後方側で暖かくなるように温度勾配を与えることを意味する。「前方」とは機械方向のフィルムの移動方向のことであり、「後方」は機械方向のフィルムの移動方向とは逆である。「伸張されたフィルム」の少なくとも一部に勾配を与えるとは、伸張開始後に勾配があることを意味する。さらに、勾配が伸張開始後も連続して与えられる、または再度与えられる場合には、伸張開始前に勾配があってもよい。伸張部のいかなる位置で、かつ/または伸張部の直後に、伸張されたフィルムに勾配を与えてよい。冷却、従って勾配は、伸張部18の最後、または後伸張処理部20の最初で始まり、または少なくとも継続するのが好ましい。ある好ましい実施形態において、冷却は伸張部18の後者の部分および後伸張部20の最初でなされる。これは、例えば、図1に示した実施形態についてはゾーンZ6およびZ7においてなされる。他の好ましい実施形態において、冷却は伸張部18の後者の部分でなされる。例えば、図1に示した装置において冷却はゾーンZ5およびZ6のいずれか、または両方、あるいはゾーンZ4の後ろ半分およびゾーンZ5およびZ6を通じてなされる。他の好ましい実施形態において、冷却は伸張部18全体にわたって、例えば、図1のテンターのゾーンZ4、Z5およびZ6においてなされる。他の好ましい実施形態において、冷却は後伸張部20の最初で、ゾーンZ7およびZ8のいずれか、または両方でなされる。MD伸張およびTD伸張ゾーンが互いに一致しない場合には、ある好ましい実施形態において、MDとTD伸張ゾーンの両方で冷却がなされる。他の好ましい実施形態において、冷却はMD伸張ゾーンのみでなされる。
【0045】
冷却はフィルム26の幅の少なくとも一部になされる。冷却は、i)ゾーンにあるフィルムの端部28、またはii)ゾーンにあるフィルムの端部28および中央部30を含めた全幅のいずれかを能動的に冷却することによりなされるのが好ましい。ある好ましい伸張断面において、伸張開始時に、フィルムの端部はフィルムの中央部よりも熱くならないように維持される。これは、伸張プロセス全体にわたって続けてもよい。
【0046】
冷却は強制空気対流によりなされるのが好ましい。冷却空気は、空気が与えられる場所でフィルムの温度より冷たくなければならない。冷却空気は、フィルムを少なくとも3℃、より好ましくは5℃、さらにより好ましくは10℃冷やすために、有効な温度および流量率で与えられるのが好ましい。冷却空気の温度と、冷却されるフィルムの温度の差は、空気温度差と呼ばれ、少なくとも5℃でなければならず、これより大幅に大きくてもよい。冷却するフィルムと冷却しないフィルムの温度差は、目標フィルム温度差と呼ばれる。通常、伝熱の性質のために、端部空気またはゾーン空気温度差は目標のフィルム温度差より大きい。冷却によって、機械方向のフィルムが温度降下し、フィルムのある位置から眺めると、フィルムの移動方向のフィルムは、フィルムの移動とは逆の方向よりも冷たい。冷却空気の好ましい温度は、フィルム温度、厚さ、速度およびテンターの熱移動特徴のような因子に応じて異なる。冷却空気の温度および位置は、ここに開示した所望の改善が得られる本発明による教示を参考にして当業者であれば選ぶことができる。
【0047】
冷却は、冷却がない以外は同一の条件で得られる間隔に対してアイドラクリップおよび駆動クリップの間隔の均一性を改善するために効果的な位置および温度でなされる。間隔の均一性は次のようにして求める。クリップ間の間隔は、例えば、伸張フィルム26の測定により求めることができる。2個のアイドラクリップを各レールの各対の駆動クリップ間に持つシステムについて、アイドラクリップの間隔は、連続する駆動クリップD(前方−テンター出口に向かって)とD(後方−テンター入口に向かって)の間の間隔の三分の一と定義される。Nアイドラクリップが駆動クリップDおよびDの間にある場合には、最も近接する各対のクリップ、D−I、I−I...I−Dは、距離D1−D2の1/(N+1)の理想的な間隔を有していなければならない。間隔の不均一性についての数値は、実際に得られる対の間隔を測定し、最も近接する各対の測定間隔を理想的な間隔から減算し、各差の絶対値を取って合計することにより得られる。理想的な間隔は、従って、間隔不均一性の値がゼロである。値が大きくなればなるほど間隔の不均一性が増大することを表している。間隔均一性の改善は、間隔不均一性の値における減少として現れる。間隔の不均一性は、冷却しない場合よりも少なくとも5%減少するのが好ましい。不均一性は好ましくは少なくとも10%、より好ましくは少なくとも50%減少する。あるいは、最も近接する各対のクリップ間隔が理想の20%以内、より好ましくは理想の10%以内、最も好ましくは理想の5%以内となるのに効果的な位置および温度で冷却を行う。ポリプロピレンを用いたある好ましい実施形態において、テンター温度を約160〜165℃に設定したとき、端部冷却の冷却空気は約30〜140℃、より好ましくは約65〜120℃、さらにより好ましくは約70〜110℃である。ポリプロピレンを用いたある好ましいゾーン冷却実施形態において、テンター温度を約160〜165℃に設定したとき、冷却空気は約100〜150℃、より好ましくは約120〜140℃、さらにより好ましくは約125〜130℃である。本明細書に教示した利点により、当業者であれば、その他の材料、厚さ、フィルム速度、テンター温度およびその他伸張断面について端部冷却およびゾーン冷却パラメータを選ぶことができる。
【0048】
他の好ましい伸張断面において、アイドラクリップ遅延の値を、前記冷却をしない以外は同一の条件で得られるアイドラクリップ遅延の値から減じるのに効果的な量でフィルムの幅の少なくとも一部に冷却を行う。クリップ遅延値は次のようにして求める。クリップ間の間隔は、例えば、伸張フィルム26の測定により求めることができる。2個のアイドラクリップを各レールの各対の駆動クリップ間に持つシステムについて、アイドラクリップの間隔は、連続する駆動クリップD(前方−テンター出口に向かって)とD(後方−テンター入口に向かって)の間の間隔の三分の一と定義される。アイドラクリップIは、駆動クリップ間の2個のアイドラクリップの前方であり、アイドラクリップIは2つの後方である。D−I、I−IおよびI−Dの対の値は、理想からの(理想値に関して)間隔のパーセント変位として計算され、正の数は理想からは程遠い間隔を示し、負の数は理想により近い間隔を示す。D−Iは、前方駆動および前方アイドラクリップ間の理想からのパーセント間隔変位を示し、I−Iはアイドラクリップ間のパーセント間隔変位であり、I−Dは後方アイドラクリップと後方駆動クリップ間の理想からの間隔変位である。報告された合計のクリップ遅延値は、D−Iについての理想的間隔からのパーセント変位からI−Dについてのパーセント変位を減算して計算される。この計算は、各対の駆動クリップ間の異なる数のアイドラクリップの場合まで広げることができる。各対の駆動クリップ間にアイドラクリップが一つのみしかない場合については、IはIに等しく、上述した計算はこれを元に進む。N>2のアイドラクリップの場合については、上式中のIはIとなり、計算はこれを元に進む。2個のアイドラクリップ間の間隔は、存在するアイドラの数に関わらず、アイドラクリップ遅延の計算においては無視される。
【0049】
アイドラクリップ遅延は、冷却しない以外は同一の条件のものよりも少なくとも5%減少するのが好ましい。アイドラクリップ遅延は好ましくは少なくとも10%、より好ましくは少なくとも50%減少する。あるいは、アイドラクリップ遅延の値が約20%未満、より好ましくは約10%未満、最も好ましくは約5%未満となるのに効果的な位置および温度で冷却を行う。
【0050】
このようにして定義されるクリップ遅延の負の値はクリップ先導を示すものである。クリップ遅延はゼロに近づくのが好ましい。場合によっては、クリップ先導を与えるのが好ましい。請求項を含めた本明細書において、「アイドラクリップ遅延の値を減じる」という言い回しは、値を少ない正の数、ゼロまたは負の数(クリップ先導)のいずれかとなるようにすることを意味する。特に、理想的な(均一な)クリップ分離に対するアプローチを示すために、「アイドラクリップ遅延の絶対値を減じる」という言い回しを用いる。
【0051】
他の好ましい伸張断面において、冷却をしない以外は同一の条件で得られるキャリパ均一性に対してキャリパ均一性を改善するのに効果的な量でフィルムの幅の少なくとも一部に冷却を行う。キャリパ均一性は、クリップ面からクリップ面までウェブを横切るか、またはフィルム移動方向に沿ってウェブを下がるかのいずれかで測定される。交差ウェブおよびダウンウェブのいずれかまたは両方のキャリパ均一性を改善することができる。不均一性は、ある方向に沿ったキャリパ走査の平均からの標準偏差により特定される。あるいは、ある方向に沿ったキャリパ走査の最大ピークから谷の高さを用いる場合もある。完全に均一なフィルムの不均一性はゼロとなる。様々なキャリパ測定技術を用いることができる。一般に、解像度は高ければ高いほど良い。好ましい測定技術は、交差ウェブまたはダウンウェブ片を切断して、Electro−Gauge社(米国、ミネソタ州、エデンプレーリー)製PC5000電子厚さ計を用いてキャリパを走査するものである。交差ウェブ均一性はまた、交差ウェブ位置で異なる「レーン」に沿って一連のダウンウェブ切断片を比較することによっても特定される。
【0052】
図2にかかる一対のキャリパ走査を示す。MD位置の軸のマークは、フィルム試料に対する駆動クリップの位置を表す。図2のデータは、以下の実施例11に従って各対の駆動クリップ間に2個あるアイドラクリップにより処理して作成されたフィルムから取ったものである。端部レーン(プロットE11)は、クリップ面からフィルムを超えたところの約16%に位置しており、中央レーン(プロットC11)はフィルム(中心)を超えたところの50%であった。合計クリップ遅延は58%であった。この図2には、キャリパ不均一性とクリップ遅延の関係が示されている。キャリパ不均一性は、駆動クリップの最終分離にほぼ等しい「波長」で周期的である。図2にはまた、キャリパ不均一性の規模が、フィルム中央に向かったクリップ近傍のフィルム端部から減じることも示されている。端部付近のレーンに沿って切断されたダウンウェブ片は、中央付近のレーンに沿って切断されたダウンウェブ片よりも不均一性が高い。ただし、キャリパ変動の周期的性質はそのままである。初期のウェブ幅を増大させると、比較的不均一性の低い中央部分の幅が増大し、それにも関わらず、収率(使用できる幅の一部)の低いフィルムにおいてはクリップ遅延が生じる。
【0053】
図3に、クリップ遅延の減少した中央レーンについての不均一性の減少を示す。従って、減少したクリップ遅延、または理想的なクリップ間隔からの変位が、より均一なフィルムおよび/または幅のより大きな部分が良好な均一性を有するフィルムにおいて観察され、あるキャリパ均一性仕様について収率を増大することができる。示されたキャリパトレースは58%の遅延(以下の実施例11のプロットC11)および2%未満の遅延(以下の実施例10のプロットC10)を表している。実施例10のプロットC10は、駆動クリップ分離に基づく同じ周期性は示さない。この実施例において、クリップ位置はキャリパ不均一性と強い相関性はなく、クリップ遅延およびキャリパ不均一性の値は低い。
【0054】
アイドラクリップ遅延、またはクリップ間隔の不均一性は、ダウンウェブキャリパ不均一性があるときに生じるものと容易に理解される。ガラス転移温度より高い温度で延伸された一般的なポリマーフィルムは、空隙や結晶化による高密度化を除けば、略体積を保持し、厚さの減少は、局所の主要延伸比、すなわち、局所交差ウェブとダウンウェブの延伸比の積(product)に略比例するようになる。本発明はまた、キャリパと延伸比の不均一性、および交差ウェブとダウンウェブの両方のその他の特性の不均一性の間の連係についても認識している。これらの物理的、機械的および光学的特性としては、これらに限定されるものではないが、弾性率、引張強度、破断時伸び、単位体積当たりのエネルギー対破断およびその他引裂および分配特性、表面特性、多層フィルム中の中間層接着力、熱および吸湿性膨張係数、熱収縮、反射率、電気容量およびその他誘電特性、ヘーズ、透明度、色、スペクトル帯域端、および外観および性能のその他光学的測定が挙げられる。分配特性とは、テープの形態へ変換するフィルムを切れ刃を有する分配器を用いて分配するときの切断のし易さおよび切断端の品質に関する特性を意味する。これらの様々な特性の不均一性のレベルは、例えば、局所キャリパおよび局所延伸比に対するこれらの特性の感受性が異なることから、キャリパ変動およびクリップ遅延に関連している。このように、遅延は、ダウンウェブ延伸比の変動の兆候であり、ダウンウェブキャリパ変動とダウンウェブ弾性率変動の両方を生じる。キャリパは、特定の条件下、および弾性率と延伸比が非線形の関係の場合に、交差ウェブの延伸比の変動との並行による厚さの対応の部分補償のために、弾性率とは異なって変動する場合がある。
【0055】
本発明は、フィルムの二軸伸張方法および得られる二軸伸張フィルムに特定して記載したが、本発明はまた、フィルムをクリップで保持し、クリップを機械方向に分離し、アイドラクリップ遅延または先導を生じさせることのできる条件下で単一の方向にフィルムを伸張する方法にも有利に適用することができる。かかるある方法において、フィルムは機械方向にのみ伸張させて、機械方向に沿ってクリップを分離し、クリップ遅延の可能性が生じる。他の実施例において、クリップはあるMD分離で延伸を開始し、交差方向に伸張させて、例えば、MDクリップ間隔に不均一性が生じる。
【0056】
本明細書に記載した適正な冷却により伸張する方法は、ポリマーフィルムを含むフィルムに用いるのに好適である。好ましくは、フィルムは熱可塑性ポリマーを含む。2層以上の層を有するフィルムについては、これに続く好適な材料の処方は複数の層のうち1層にのみ適用する必要がある。本発明に用いるのに好適なポリマーフィルム材料としては、二軸配向フィルムに形成することのできる熱可塑材が挙げられる。好適な熱可塑性ポリマーフィルム材料としては、これらに限られるものではないが、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミド−イミド、ポリエーテル−アミド、ポリエーテルイミド、ポリアリールエーテル、ポリアリールエーテルケトン、脂肪族ポリケトン、ポリフェニレン硫化物、ポリスルホン、ポリスチレンおよびその誘導体、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、セルロース誘導体、ポリエチレン、脂肪族および脂環式ポリオレフィン、主要オレフィンモノマーを有するコポリマー、フッ素化ポリマーおよびコポリマー、塩素化ポリマー、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリエーテル、イオノマー樹脂、エラストマー、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂およびポリウレタンが挙げられる。上述したポリマーを含む混和性または非混和性ポリマーブレンド、および上述したポリマーの構成モノマーを有するコポリマーもまた、かかるブレンドまたはコポリマーから二軸配向フィルムが作成されるのであれば、好適である。
【0057】
中でも好ましい熱可塑材はビニルポリマーであり、一般式−[CWX−CYZ]−(式中、W、X、YおよびZは水素(H)か、何らかの置換原子または基のいずれかである)の全てのポリマーである。このように、好ましいビニルポリマーの部類には、四置換、三置換、1,2−二置換および1,1−二置換ポリマー(「ビニリデン」ポリマーを含む)およびより一般的な一置換ビニルポリマーが挙げられる。ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン、ポリトリフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸およびそのエステル、ポリアクリロニトリルおよびポリメタクリル酸およびそのエステル(ポリメチルメタクリレートのような)が例示される。
【0058】
より好ましいのは、ポリオレフィンであり、一般式−[CHCR−(式中、RおよびRは飽和または不飽和、鎖状または分岐アルキル、シクロアルキルまたはアリール基、または水素である)の全てのポリマーである。ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、ポリイソブテン、ポリ−(ビニルシクロヘキサン)、ポリブタジエンおよびポリスチレンおよびその環−およびアルファ−置換誘導体のようなポリマーが挙げられる。
【0059】
さらにより好ましいのはポリエチレンおよび飽和アルキルまたはシクロアルキルポリオレフィンである。ポリプロピレンが最も好ましい。
【0060】
本明細書に記載した適正な冷却により伸張する方法は、アモルファスまたは半結晶熱可塑性ポリマーフィルムを含むフィルムに用いるのに好適である。アモルファス熱可塑材としては、これらに限られるものではないが、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、アタクチックポリオレフィンおよびランダムコポリマーが挙げられる。半結晶熱可塑材としては、これらに限られるものではないが、ポリエステル、ポリアミド、熱可塑性ポリイミド、ポリアリールエーテルケトン、脂肪族ポリケトン、ポリフェニレン硫化物、アイソタクチックまたはシンジオタクチックポリスチレンおよびその誘導体、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、セルロース誘導体、ポリエチレン、ポリオレフィン、フッ素化ポリマーおよびコポリマー、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテートおよびポリエーテルが挙げられる。
【0061】
二軸配向フィルムを作成する半結晶熱可塑材は、フィルム作成プロセスにおいて様々な段階で結晶化度に関して特定されることがある。このように、二軸配向フィルムにとって一般的なポリマーであるポリエチレンテレフタレート(PET)が、フィルムに鋳造するときに急冷可能であることはよく知られている。すなわち、PETはチルロール上に押出しできるほど十分に遅く結晶化して、測定可能な量の結晶化度が形成されるのを防ぐのに十分早くそのガラス転移温度より低く冷却される。かかる急冷は、二軸配向PETフィルムにとって有利であることは周知である。というのは、伸張工程がガラス転移点よりほんの僅か上の温度で可能であり、より脆性の半結晶鋳造ウェブを形成する場合にはよく破断が生じるが、破断することなく大量の伸張が可能であるためである。
【0062】
半結晶ポリマーフィルムの結晶化度は、正確に定量化するのが難しい。というのは、正確になる、または正確にならないポリマーモルホロジーについて2相のモデル(結晶とアモルファス)が想定されるばかりでなく、配向度のような変数に関わらず各相についていくつかの測定可能な特性(例えば、密度)の定常性が想定されるためである。異なる測定技術によって、これらの想定が不適切であると異なる結果が得られる。このように、特に、異なる技術を用いた場合、作業者間で正確な同意は期待できない。結晶化度を推定するのに業界に周知の技術としては、密度、示差走査熱量計(DSC)、平均屈折率(密度に関連)、赤外帯域の分析およびX線による方法が挙げられる。
【0063】
通常、未伸張鋳造フィルムの形態のPETの結晶化度は、検出できないほど低い、または0%、または1%未満と記録される。これは一般にアモルファス鋳造ウェブと呼ばれる。同時二軸配向プロセスにおいて、この結晶化度の低いフィルムがテンターに供給される。しかしながら、より一般的に用いられる逐次プロセスにおいては、異なる速度で回転する加熱ロールを用いて、かかるアモルファスフィルムが機械方向にまず伸張される。かかる「長さ配向」により、フィルムにある程度の結晶化度が与えられ、その程度は7%〜30%と記録されている。LeBourvellecおよびBeautemps,J.Appl.Polym.Sci.39,329−39(1990年);およびFaisant de Champchesnelら,Polymer35(19),4092−4102(1994年)を参照されたい。商業的な実施範囲における代表的な値は10〜20%である。Encycl.Of Polym.Sci.& Engrg.第12巻、Wiley(NY)1988年、197頁を参照されたい。逐次プロセスにおいて、この結晶化度のフィルムがテンターに供給される。テンターでの横方向伸張により、結晶化度が17%〜40%の範囲まで増大したのが記録されている。テンターにおいて横を固定した場合の、後の熱硬化またはアニールでは、さらに約45%〜50%まで結晶化度が増大したのが記録されている。予熱硬化フィルムについて記録された範囲の幅は、プロセスのその工程に供給物として提供された長さ配向フィルムの結晶化度の範囲と、熱硬化工程からの横方向の伸張工程をデカップリングするのが実験的に困難であることによる。両者ともテンターオーブン内で起きる同時二軸配向プロセスにおけるPETの挙動に関してはあまり知られていないが、TD伸張および熱硬化後の逐次プロセスについてと同じ範囲で伸張および熱硬化後の結晶化度に利用可能なデータがある。
【0064】
本発明に用いるのに好適なその他のポリエステルはポリエチレンナフタレート(PEN)である。PENはPETよりもやや遅く結晶化することが知られている。それでも、テンターフィルムプロセスにおけるその挙動によれば、PETについてと略同じ範囲で各プロセス工程の最後の結晶化度となっている。このように、通常通り処理すると、PENもまたアモルファス鋳造ウェブの一例である。
【0065】
ポリエステルとは対照的に、ポリプロピレン(PP)は即時に結晶化するため、実際の商業的な方法で溶融ポリマーを50%未満の結晶化度まで急冷することはほとんど不可能である。ポリマーフィルムの科学技術、第II巻、Orville J.Sweeting、Wiley(NY)、1971年、223頁を参照されたい。その結果、ポリエステルの場合のようにガラス転移点のすぐ上の温度ではなく結晶溶融点のすぐ下の温度でPPは伸張される。追加の結晶化度がプロセス中得られるが量は少ない。ある包括的な研究によれば、PP鋳造(未伸張)フィルム、長さ配向フィルムおよび逐次二軸延伸フィルムの結晶化度はそれぞれ58%、62%および70%である。A.J.deVries,Pure Appl.Chem.53,1011−1037(1981年)を参照されたい。Encycl.of Polym.Sci.& Engrg.第7巻、Wiley(NY)1987年、80頁には、代表的な二軸配向PPフィルムの結晶化度は65〜70%と報告されている。
【0066】
本明細書に記載した適正な冷却により伸張する方法は、半結晶熱可塑性ポリマーフィルムを含むフィルムに用いるのに好適である。好ましい半結晶熱可塑性ポリマーは、テンター入口に入るフィルムの結晶化度が約1%を超えるときに破断することなく大量の伸張を行えるようなものである。かかるフィルムは予備結晶化ポリマーフィルムと呼ばれる。より好ましい半結晶熱可塑性ポリマーは、テンター入口に入るフィルムの結晶化度が約7%を超えるときに破断することなく効果的に二軸伸張できるようなものである。さらに好ましい半結晶熱可塑性ポリマーは、テンター入口に入るフィルムの結晶化度が約30%を超えるときに破断することなく効果的に二軸伸張できるようなものである。さらに好ましい半結晶熱可塑性ポリマーは、テンター入口に入るフィルムの結晶化度が約50%を超えるときに破断することなく効果的に二軸伸張できるようなものである。ポリプロピレンが最も好ましい。
【0067】
本発明において、「ポリプロピレン」とは、少なくとも約90重量%のプロピレンモノマー単位を有するコポリマーを含むものとされる。「ポリプロピレン」はまた、少なくとも約65重量%のポリプロピレンを有するポリマー混合物を含むものとされる。本発明において用いるポリプロピレンは好ましくは主にアイソタクチックである。アイソタクチックポリプロピレンの鎖アイソタクチック指数は少なくとも約80%、n−ヘプタン溶融含量は約15重量%未満、ASTM D1505−96(「密度勾配技術によるプラスチックの密度」)に従って測定した密度は約0.86〜0.92グラム/cmである。本発明に用いるのに一般的なポリプロピレンの、温度230℃および21.6Nの力でASTM D1238−95(「押出しプラストメータによる熱可塑材の流量」)に従ったメルトフローインデックスは約0.1〜15グラム/10分、重量平均分子量は約100,000〜400,000、多分散指数は約2〜15である。本発明に用いるのに一般的なポリプロピレンの、示差走査熱量計を用いて測定される融点は、約130℃を超える、好ましくは約140℃を超える、最も好ましくは約150℃を超える。さらに、本発明に有用なポリプロピレンは、4〜8個の炭素原子を有するエチレンモノマー単位および/またはアルファ−オレフィンモノマー単位を有し、前記コモノマー含量が10重量%未満であるコポリマー、ターポリマー、クォーターポリマー等である。その他の好適なコモノマーとしては、これらに限られるものではないが、1−デセン、1−ドデセン、ビニルシクロヘキセン、スチレン、アリルベンゼン、シクロペンテン、ノルボルネンおよび5−メチルノルボルネンが挙げられる。ある好適なポリプロピレン樹脂は、FINAオイル・アンド・ケミカル社(テキサス州、ダラス)より3374という商品名で市販されている、メルトフローインデックスが2.5g/10分のアイソタクチックポリプロピレンホモポリマー樹脂である。例えば、スクラップフィルムまたは端部のトリミングされた形態の再生または再処理ポリプロピレンもまた、約60重量%未満の量でポリプロピレンに組み込んでもよい。
【0068】
既に述べた通り、少なくとも約65%のアイソタクチックポリプロピレンおよび最大で約35%のその他のポリマーを有する混合物もまた本発明のプロセスに用いるのに有利である。かかる混合物中の好適な追加のポリマーとしては、これらに限られるものではないが、4〜8個の炭素原子を有するプロピレンコポリマー、ポリエチレン、ポリオレフィン、およびその他のポリプロピレン樹脂が挙げられる。
【0069】
本発明に用いるポリプロピレンは、任意で、分子量が約300〜8000、軟化点が約60℃〜180℃の合成または天然の1〜40重量%の樹脂を含んでいてもよい。一般に、かかる樹脂は、石油樹脂、スチレン樹脂、シクロペンタジエン樹脂およびテルペン樹脂の4つの主たる部類の一つから選ばれる。任意で、これらの部類のいずれかの樹脂は、部分的または完全に水素化されていてもよい。石油樹脂は、モノマー成分として、スチレン、メチルスチレン、ビニルトルエン、インデン、メチルインデン、ブタジエン、イソプレン、ピペリレンおよび/またはペンチレンを含む。スチレン樹脂は、モノマー成分として、スチレン、メチルスチレン、ビニルトルエンおよび/またはブタジエンを含む。シクロペンタジエン樹脂は、モノマー成分として、シクロペンタジエンおよび任意でその他のモノマーを含む。テルペン樹脂は、モノマー成分として、ピネン、アルファ−ピネン、ジペンテン、リモネン、ミルセンおよびカンフェンを含む。
【0070】
本発明に用いるポリプロピレンは、任意で業界に公知の添加剤およびその他成分を含んでいてもよい。例えば、本発明のフィルムは、フィラー、顔料およびその他着色剤、粘着防止剤、潤滑剤、可塑剤、処理助剤、帯電防止剤、核形成剤、酸化防止剤および熱安定化剤、紫外線安定化剤およびその他特性改質剤を含んでいてもよい。フィラーおよびその他添加剤は、ここに記載した好ましい実施形態により得られる特性に悪影響を及ぼさないように選択された有効量で添加されるのが好ましい。一般に、かかる材料は配向フィルムへと作成される前にポリマーに(フィルムに押出される前のポリマー溶融物中に)添加される。有機フィラーとしては、有機染料および樹脂、同様に、有機繊維、例えば、ナイロンおよびポリイミド繊維が挙げられ、任意で架橋された他のポリマー、例えば、ポリエチレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアミド、ハロゲン化ポリマー、ポリメチルメタクリレートおよびシクロオレフィンポリマーも含まれる。無機フィラーとしては、顔料、ヒュームドリシカおよびその他の形態の二酸化炭素、ケイ酸塩、例えば、ケイ酸アルミニウムまたはケイ酸マグネシウム、カオリン、タルク、ケイ酸アルミニウムナトリウム、ケイ酸アルミニウムカリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、珪藻土、石膏、硫酸アルミニウム、硫酸バリウム、リン酸カルシウム、酸化アルミニウム、二酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化鉄、カーボンファイバー、カーボンブラック、グラファイト、ガラスビーズ、ガラス泡、ミネラルファイバー、クレイ粒子、金属粒子等が挙げられる。ある用途においては、本発明の二軸配向プロセス中にフィラー粒子周囲に空隙が形成するのが有利な場合がある。有機および無機フィラーの多くはまた、粘着防止剤としても有効に使われる。この代わり、またはこれに加えて、ポリジメチルシロキサン油、金属石鹸、ワックス、高級脂肪エステルおよび高級脂肪酸アミド(エルカミド、オレアミド、ステラミドおよびベヘンアミド)のような潤滑剤を用いてもよい。
【0071】
脂肪族第3級アミン、グリセロールモノステアレート、アルカリ金属アルカンスルホネート、エトキシル化またはプロポキシル化ポリジオルガノシロキサン、ポリエチレングリコールエステル、ポリエチレングリコールエーテル、脂肪酸エステル、エタノールアミド、モノ−およびジグリセリドおよびエトキシル化脂肪アミンをはじめとする帯電防止剤もまた用いてよい。ジベンジルソルビトールまたはその誘導体、キナクリドンおよびその誘導体、安息香酸の金属塩、例えば、安息香酸ナトリウム、ビス(4−tert−ブチル−フェニル)リン酸ナトリウム、シリカ、タルクおよびベントナイトのような有機または無機核形成剤を組み込んでもよい。フェノールタイプ(ペンタエリスリチルテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]および1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン)およびアルカリおよびアルカリ土類金属ステアレートおよびカーボネートをはじめとする酸化防止剤および熱安定化剤もまた有利に用いられる。難燃剤、紫外線光安定化剤、相容剤、抗微生物薬(例えば、酸化亜鉛)、電気導電体および熱導体(例えば、酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウムおよびニッケル粒子)のようなその他の添加剤もまたフィルムを形成するのに用いるポリマー中にブレンドしてもよい。
【0072】
得られたフィルムは望ましくは均一な特性を有しており、多くの用途に好適である。本出願のフィルムに好ましいある用途はテープバッキングである。テープバッキングの厚さは約0.020〜約0.064mmの範囲であるのが好ましい。バッキングは業界に知られた好適な接着剤の層でコートされる。バッキングは業界に知られた任意の剥離または低接着バックサイズ層を有していてもよい。
【0073】
接着剤は業界に公知の好適な接着剤であればよい。好ましい接着剤は、圧力、熱またはこれらの組み合わせにより活性化可能なものである。好適な接着剤としては、アクリレート、ゴム樹脂、エポキシ、ウレタンまたはこれらの組み合わせに基づくものが挙げられる。接着剤は溶液、水ベースまたはホットメルトコーティング方法により適用される。接着剤としては、ホットメルトコート処方、トランスファコート処方、溶剤コート処方、ラテックス処方、およびラミネーティング、熱活性および水活性接着剤および結合剤を挙げることができる。有用な接着剤は感圧接着剤を含む。感圧接着剤は、攻撃的で永続的な粘着性、指の圧力だけで接着、および被着体を保持する十分な能力をはじめとする特性を有していることが周知である。有用な接着剤としては、ポリアクリレート;ポリビニルエーテル;天然ゴム、ポリイソプレンおよびポリイソブチレンのようなジエンゴム;ポリイソブチレン;ポリクロロプレン;ブチルゴム;ブタジエン−アクリロニトリルポリマー;熱可塑性エラストマー;スチレン−イソプレンおよびスチレン−イソプレン−スチレン(SIS)ブロックコポリマー、エチレン−プロピレン−ジエンポリマーおよびスチレン−ブタジエンポリマーのようなブロックコポリマー;ポリ−アルファ−オレフィン;アモルファスポリオレフィン;シリコーン;エチレン酢酸ビニル、エチルアクリレートおよびエチルメタクリレートのようなエチレン含有コポリマー;ポリウレタン;ポリアミド;エポキシ;ポリビニルピロリドンおよびビニルピロリドンコポリマー;ポリエステル;およびこれらの混合物またはブレンド(連続または不連続相)が例示される。さらに、接着剤は、粘着付与剤、可塑剤、充填剤、酸化防止剤、安定化剤、顔料、拡散材料、硬化剤、ファイバー、フィラメントおよび溶剤のような添加剤を含むことができる。同様に、接着剤は任意で公知の方法により硬化することができる。
【0074】
有用な感圧接着剤の一般的な記載は、ポリマーサイエンス・アンド・エンジニアリング、13巻、Wiley−Interscience Publishers(ニューヨーク、1988年)にある。有用な感圧接着剤の更なる記載は、ポリマーサイエンス・アンド・テクノロジー百科事典、1巻、Interscience Publishers(ニューヨーク、1964年)にある。
【0075】
テープバッキング用のフィルムは、後のコーティング層の接着を改善するための、炎またはコロナ放電に晒す、または化学下塗りをはじめとするその他の表面処理により任意で処理される。
【0076】
本発明の操作を以下の詳細な実施例によりさらに説明する。これらの実施例は、様々な特定および好ましい実施形態および技術をさらに例証するためのものである。しかしながら、多くの変形および修正が可能であり、これらも本発明の範囲に含まれるものとされる。
【0077】
実施例1〜6
以下の実施例は、上述の‘225特許に記載された通り、各対の駆動クリップ間に2個のアイドラクリップを有するリニアモータテンター上で作成された。連続ポリプロピレン鋳造シート(Finaケミカル(テキサス州、ヒューストン)製Fina3374x)を、約0.054インチ(1.4mm)の厚さおよび9.6インチ(244mm)の幅で押出し、チルロール/水浴システムで急冷した。フィルムを一組の赤外ヒータ(IRヒータ)の間に通過させ、リニアモータテンターオーブンに入れた。IR加熱温度、オーブン予備加熱部温度(ゾーン1−3)および伸張部温度(ゾーン4−6)を表1に示してある。IR高温計により伸張部の最初のゾーン4の入口で測定されたウェブ温度も表1に示してある。実施例1〜6について、後伸張処理温度はゾーン7が160℃、ゾーン8および9が165℃であった。同様に、これらの各実施例において、最終伸張比はMDに7:1、TDに7:1であった。MD伸張させたゾーン(4、4−5または4−6)について下に記録してある。これらの各実施例において、TD伸張はゾーン4〜6で実施した。これらの伸張断面は全て機械位置に関して直線で、ゾーン8および9で生じた両方向において10%の伸張緩和を含んでいる。実施例1〜3の端部冷却空気は止めてあった。実施例4〜6には、端部冷却空気が含まれていた以外は実施例1〜3とそれぞれ対応していた。
【0078】
【表1】
Figure 0004712267
【0079】
クリップ間の間隔を排出物フィルムで測定し、アイドラクリップ遅延を計算して表2に記録した。理想的なアイドラクリップ間隔は、逐次駆動クリップD(前方)とD(後方)間の距離の三分の一と定義される。アイドラクリップIは、駆動クリップ間の2個のアイドラクリップの前方であり、アイドラクリップIは2つの後方である。表2のD−I、I−IおよびI−Dの値は、理想からの間隔のパーセント変位であり、正の数は理想からは程遠い間隔を示し、負の数は理想により近い間隔を示す。D−Iは、前方駆動および前方アイドラクリップ間のパーセント間隔変位を示し、I−Iはアイドラクリップ間のパーセント間隔変位であり、I−Dは後方アイドラクリップと後方駆動クリップ間の間隔変位である。報告された合計の遅延値は、D−Iについての理想的間隔からのパーセント変位からI−Dについてのパーセント変位を減算して計算される。切り上げの影響によって、表2の「合計」欄の値のいくつかは、最後の小数点で一単位、D−IおよびI−Dの差からずれている。テンターの第1の側およびテンターの逆の第2の側のクリップの両セットについて全ての値を記録してある。
【0080】
【表2】
Figure 0004712267
【0081】
表2に示した結果から、第1の側で6.1、他方の側で3.1の実施例1のアイドラクリップ遅延が、実施例4の端部冷却によって、それぞれ4.8および0.3まで減じることが分かる。さらに、23.9および15.7の実施例2のアイドラクリップ遅延が、実施例5の端部冷却によってそれぞれ20.5および11.8まで減じる。また、10.3および7.5の実施例3のアイドラクリップ遅延が、実施例6の端部冷却によってそれぞれ−4.4および−5.9のアイドラクリップ先導まで変化する。実施例によればまた、アイドラクリップ遅延を減じる(実施例4および5)、またはアイドラクリップ先導まで変化する(実施例6)場合、一組の端部冷却条件が理想的なアイドラクリップ間隔に導くことが分かる。
【0082】
実施例7〜10
以下の実施例は、上述の‘225特許に記載された通り、各対の駆動クリップ間に2個のアイドラクリップを有するリニアモータテンター上で作成された。連続ポリプロピレン鋳造シート(Finaケミカル(テキサス州、ヒューストン)製Fina3374x)を、約0.054インチ(1.36mm)の厚さおよび13.8インチ(350mm)の幅で押出し、チルロール/水浴システムで急冷した。フィルムを一組の赤外ヒータ(IRヒータ)の間に通過させ、リニアモータテンターオーブンに入れた。実施例7〜10について、IR熱温度は500℃、オーブン予熱ゾーン温度(ゾーン1−3)はそれぞれ207℃、205℃および193℃、伸張ゾーン温度(ゾーン4−5)はそれぞれ160℃および155℃に設定した。緩和(ゾーン6)および後伸張温度(ゾーン7−9)温度は表3に示す通りであった。これらの各実施例において、最終伸張比はMDに6.3:1、TDに6.3:1であった。MDおよびTD伸張は、ゾーン4および5において同時に実施された。これらの伸張断面は全て機械位置に関して直線で、ゾーン6で生じた両MDおよびTDにおいて10%の伸張緩和を含んでいる。
【0083】
実施例7
実施例7はゾーン6においてゾーン5の温度より5℃低い冷却空気を含んでいた。
【0084】
実施例8
実施例8は、ゾーン6において15℃の冷却を用いた以外は実施例7に従って作成された。
【0085】
実施例9
実施例9は、ゾーン6において20℃の冷却を用いた以外は実施例7に従って作成された。
【0086】
実施例10
実施例10は、ゾーン6において25℃の冷却を用い、ゾーン7でさらに5℃にした以外は実施例7に従って作成された。
【0087】
【表3】
Figure 0004712267
【0088】
前述した通りにして、クリップ間の間隔を排出物フィルムで測定し、アイドラクリップ遅延を計算して表4に記録した。テンターの第1の側およびテンターの逆の第2の側のクリップの両セットについて全ての値を記録してある。
【0089】
【表4】
Figure 0004712267
【0090】
表4に示した結果から、一方の側で14.2、他方の側で8.5の実施例7のアイドラクリップ遅延が、実施例8−10に示したように伸張開始後の十分量のゾーン冷却によって減じることが分かる。特に、実施例9および10に示されるように、全体の遅延の量は5%未満である。
【0091】
実施例11
実施例11は、上述の‘225特許に記載された通り、各対の駆動クリップ間に2個のアイドラクリップを有するリニアモータテンター上で作成された。連続ポリプロピレン鋳造シート(Finaケミカル(テキサス州、ヒューストン)製Fina3374x)を、約0.055インチ(1.39mm)の厚さおよび13.8インチ(350mm)の幅で押出し、チルロール/水浴システムで急冷した。フィルムを一組の赤外ヒータ(IRヒータ)の間に通過させ、リニアモータテンターオーブンに入れた。IR熱温度は600℃、オーブン予熱ゾーン温度(ゾーン1−3)はそれぞれ184℃、177℃および156℃、伸張ゾーン温度(ゾーン4−5−6−7)はそれぞれ152℃、170℃、170℃および170℃に設定した。緩和(ゾーン8)および後伸張温度(ゾーン9)温度は両方とも158℃に設定した。本実施例において、最終伸張比はMDに5.8:1、TDに9.0:1であった。MD伸張はゾーン4および5で実施し、TD伸張はゾーン4〜7で実施した。伸張断面にはゾーン8において両方向に10%の伸張緩和が含まれている。
【0092】
上述の試験および試験結果は予想のためでなく例示のためであって、異なる結果を得るために試験手順を変えることができる。
【0093】
本発明をいくつかの実施例により説明してきた。上述の詳細な説明および実施例は理解のためとしてのみ示されている。不必要に限定はされないものとする。本発明の範囲から逸脱することなく上述の実施形態において様々な変更を行えることは当業者には明白であろう。このように、本発明の範囲は、本明細書に記載した詳細そのものおよび構造に限定されるものではなく、請求項の文言により記載された構造そしてその等価物によってのみ限定されるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に用いられるテンター装置の平面概略図である。
【図2】 実施例11のフィルムの中央試料および端部試料についてのMD位置の関数としてのキャリパ変数のプロットである。
【図3】 実施例11のフィルムおよび実施例10のフィルムの中央試料についてのMD位置の関数としてのキャリパ変数のプロットである。

Claims (2)

  1. フィルムの対向する端部に沿ってフィルムを複数のクリップで把握し、クリップを推進させてフィルムを伸張する工程であって、前記複数のクリップは駆動クリップとアイドラクリップとを含み、駆動クリップの各対の間に少なくとも1個のアイドラクリップを有する工程と、
    断することなく相当量の伸張を可能とする十分に高い温度まで前記ポリマーフィルムを加熱する工程と、を含むポリマーフィルムの伸張方法において、
    記駆動およびアイドラクリップの間隔の均一性を、冷却のない同様な条件下において得られる間隔と比較して改善するために、機械方向にフィルムの搬送方向となるフィルムの前方側のフィルム部分が冷たく、機械方向にフィルムの搬送と反対方向となるフィルムの後方側のフィルム部分が暖かくなるよう、伸張したフィルムの幅の少なくとも一部に対して温度勾配を能動的に与える工程を含むことを特徴とする、ポリマーフィルムを伸張する方法。
  2. フィルムの対向する端部に沿ってフィルムを複数のクリップで把握し、クリップを推進させてフィルムを伸張する工程であって、前記複数のクリップは駆動クリップとアイドラクリップとを含み、駆動クリップの各対の間に少なくとも1個のアイドラクリップを有する工程と、
    断することなく相当量の伸張を可能とする十分に高い温度まで前記ポリマーフィルムの中央部および端部を加熱する工程と、を含むポリマーフィルムの伸張方法において、
    a)伸張開始時に前記フィルムの前記端部が前記フィルムの前記中央部よりも熱くならないように維持する工程と、
    b)前記駆動およびアイドラクリップの間隔の均一性を、冷却のない同様な条件下において得られる間隔と比較して改善するために、機械方向にフィルムの搬送方向となるフィルムの前方側のフィルム部分が冷たく、機械方向でフィルムの搬送と反対方向となるフィルムの後方側のフィルム部分が暖かくなるよう、伸張したフィルムの幅の少なくとも一部に対して温度勾配を与える工程と、
    を含むことを特徴とする、ポリマーフィルムを伸張する方法。
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