JP5898925B2 - 多層フィルム - Google Patents
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Description
1.第1の熱可塑性樹脂層と、第2の熱可塑性樹脂層とが交互に積層されてなる多層フィルムであって、
前記第2の熱可塑性樹脂層は、無機フィラーを含有し、
前記第1の熱可塑性樹脂層、及び、前記第2の熱可塑性樹脂層の積層数の合計が、10以上であり、
前記無機フィラーは、針状及び板状から選択される少なくとも1種の形状であり、且つ多層フィルムの面方向に対して略平行に配向している
ことを特徴とする多層フィルム。
2.前記無機フィラーは、アスペクト比が10以上である、上記項1に記載の多層フィルム。
3.前記第1の熱可塑性樹脂層が、ポリプロピレン樹脂を含む、上記項1又は2に記載の多層フィルム。
4.前記無機フィラーが、チタン酸塩を含む、上記項1〜3のいずれかに記載の多層フィルム。
上記第1の熱可塑性樹脂層を形成する熱可塑性樹脂は、特に限定されず、従来公知の熱可塑性樹脂を用いることができる。透明性が高く、固有複屈折が低く、光弾性係数が小さい等の光学用途に必要とされる特性を発現することができ、且つ、高い機械特性を示す点で、ポリプロピレン樹脂を含むことが好ましい。上記ポリプロピレン樹脂は、上述の特性の他に、更に、ラジカル付加重合により得られるため、外観欠点となり得る架橋物や劣化物が発生し難く、疎水性を適度に有するため、高湿環境下でも各特性が損なわれ難く、また、安価で容易に製造入手することが可能である。
本発明の多層フィルムは、第1の熱可塑性樹脂層と、第2の熱可塑性樹脂層とが交互に積層されてなる。
本発明の多層フィルムは、上記第1の熱可塑性樹脂層と、上記第2の熱可塑性樹脂層とが交互に積層されてなる。また、上記第1の熱可塑性樹脂層及び上記第2の熱可塑性樹脂層の積層数の合計が、10以上である。上記積層数の合計が10未満であると、多層フィルムが機械特性を十分に発揮できない。
R0(nm)=(nx−ny)×d・・・式(1)
(式中、nx:フィルム面内最大屈折率、ny:フィルム面内のnx方向と直交する方向の屈折率、d:位相差補償フィルムの平均厚み(nm))
本発明の多層フィルムの製造方法は特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。例えば、原料樹脂を押出機に供給して溶融混練し、押出機の先端に取り付けられた金型からフィルム状に押出した後、静電印荷キャスト法、タッチロール法、又はエアーナイフキャスト法により、冷却ロール上で冷却固化し、長尺状のフィルムに成膜する溶融押出法、又は上記熱可塑性樹脂を有機溶媒に溶解した溶液を、ドラム、若しくは無端ベルト等の上に流延した後、有機溶媒を蒸発させて、長尺状のフィルムに成膜する溶液流延法等の成形法を用いることができる。製造が容易であり、製造コストが低い点で、溶融押出法を用いることが好ましい。
η=(s1)/(s2)=(W1×d1)/(W2×d2) ・・・式(2)
η:ドロー比
s1:工程(2)に用いられるダイリップの開口部面積
s2:工程(3)で得られる多層フィルムの断面積
W1:ダイリップ開口部の長手幅(mm)
d1:ダイリップ開口部の長手方向に対し垂直方向の幅(mm)
W2:冷却後の多層フィルムのフィルム幅(mm)
d2:冷却後の多層フィルムの幅方向の平均厚み(mm)
以下、本発明の実施例について説明する。本発明は、下記の実施例に限定されない。
ポリプロピレン樹脂(プライムポリマー社製、商品名:S136、融点165℃、密度0.90g/cm3、MFR20g/10分(測定条件:温度230℃、荷重20N))95重量部、および6チタン酸カリウムを主成分とする針状無機フィラー(大塚化学社製、商品名:ティスモ(登録商標)D、アスペクト比:33)5重量部を混合して、シリンダー温度210℃に設定した二軸押出機に供給充填し、押出されたストランドをペレタイザーにてカットして無機フィラー含有ポリプロピレン樹脂(1)のペレットを作製した。
上記針状無機フィラーを、8チタン酸カリウムを主成分とする針状無機フィラー(大塚化学社製、商品名:ティスモ(登録商標)N、アスペクト比:33)に変更した以外は、製造例1と同様にして無機フィラー含有ポリプロピレン樹脂(2)のペレットを得た。
上記針状無機フィラーを、6チタン酸カリウムを主成分とする板状無機フィラー(大塚化学社製、商品名:テラセス(登録商標)PS、アスペクト比:3)に変更した以外は、製造例1と同様にして無機フィラー含有ポリプロピレン樹脂(3)のペレットを得た。
上記ポリプロピレン樹脂の配合率を90重量部とし、上記針状無機フィラーの配合率を10重量部とした以外は、製造例1と同様にして無機フィラー含有ポリプロピレン樹脂(4)のペレットを得た。
上記ポリプロピレン樹脂の配合率を100重量部とし、針状無機フィラーを配合しなかった以外は、製造例1と同様にしてポリプロピレン樹脂(5)のペレットを得た。
ポリプロピレン樹脂(プライムポリマー社製、商品名:S136、融点165℃、密度0.90g/cm3、MFR20g/10分(測定条件:温度230℃、荷重20N))100重量部を、シリンダー径90mmの単軸押出機I(フルフライト型スクリュー、L/D=28、圧縮比2.5)に供給し、シリンダー温度230℃の条件下で溶融混練して、熱可塑性樹脂組成物を得た。
無機フィラー含有ポリプロピレン樹脂を、表1に記載の樹脂に変更した以外は、実施例1と同様にして、多層フィルムを製造した。
多層用ブロックのセット数を変更し、多層フィルムの積層数の合計を、表1のように変更した以外は、実施例1と同様にして、多層フィルムを製造した。
無機フィラー含有ポリプロピレン樹脂を、表1記載の樹脂に変更した以外は、実施例1と同様にして、多層フィルムを製造した。
多層用ブロックを使用せず、多層フィルムの積層数の合計を、表1のように変更した以外は、実施例1と同様にして、多層フィルムを製造した。
多層用ブロックのセット数を変更し、多層フィルムの積層数の合計を、表1のように変更した以外は、実施例1と同様にして、多層フィルムを製造した。
実施例1〜6及び比較例1〜3で製造した多層フィルムの積層数の合計、引張弾性率、曇度、正面レターデーション値R0、表面硬度、静摩擦係数を、以下の評価方法によって評価した。
多層フィルムの幅方向中央部分を、鋭利なレザー刃で長手方向と平行に切断した。断面をデジタルマイクロスコープ(キーエンス社製、型番「VHX−200」)で目視観察し、厚み方向の積層数の合計を計数した。
JISK−7127及びJISK−7161記載の引張試験方法に準拠して測定した。なお測定は、上記多層フィルムの長手方向および幅方向について行い、その平均値を引張弾性率とした。また測定雰囲気は、温度23℃、相対湿度50%RHの条件下で行った。
JISK−7105記載のプラスチックの光学的特性試験方法に準拠して測定した。曇度計(東京電色社製、型番「TC−H3DPK」)を用いて、多層フィルムの幅方向に50mm間隔で測定し、平均値を算出して、多層フィルムの曇度とした。
自動複屈折測定装置(王子計測機器社製、型番「KOBRA−WR」)を用いて測定した。測定光の波長を550nmとして、多層フィルムの長手方向に直交する軸を基準軸とし、多層フィルムの幅方向に50mm間隔で測定してその総平均値を算出し、多層フィルムの正面レターデーション値R0とした。
JISK−5400の鉛筆引っかき試験方法に準拠して測定した。荷重0.98Nで、多層フィルム表面に鉛筆による引っかき傷が入る、最も低い鉛筆硬度を多層フィルムの表面硬度とした。
JISK−7128−1記載の引裂強さ試験方法(トラウザー法)に準拠して測定した。なお測定は、多層フィルムの長手方向に沿って行った。測定は、温度23℃、相対湿度50%RHの環境条件下で行った。
表1の結果から、実施例1〜6の多層フィルムは、第1の熱可塑性樹脂層と、第2の熱可塑性樹脂層とが交互に積層されてなり、第2の熱可塑性樹脂層は、針状無機フィラーを含有し、第1の熱可塑性樹脂層及び第2の熱可塑性樹脂層の積層数の合計が10以上であり、針状無機フィラーが多層フィルムの面方向に対して略平行に配向しているので、引張弾性率、鉛筆硬度、及び引裂強力が高く、機械特性に優れていた。また、曇度が低く、正面レターデーションR0の値が適切であるので、光学特性に優れていた。
21,22,23,24,25,26…第1の熱可塑性樹脂層
31,32,33,34,35,36,37…第2の熱可塑性樹脂層
4…樹脂積層体
5…ダイリップ
51…ダイリップ開口部
6…冷却ロール
7…多層フィルム
Claims (3)
- 第1の熱可塑性樹脂層と、第2の熱可塑性樹脂層とが交互に積層されてなる多層フィルムであって、
前記第2の熱可塑性樹脂層は、ポリプロピレン樹脂及び無機フィラーを含有し、
前記第2の熱可塑性樹脂層中の前記ポリプロピレン樹脂の含有量は、前記第2の熱可塑性樹脂層を形成する熱可塑性樹脂組成物を100重量%として90重量%以上であり、
前記第2の熱可塑性樹脂層中の前記無機フィラーの含有量は、前記第2の熱可塑性樹脂層を形成する熱可塑性樹脂組成物を100重量%として10重量%以下であり、
前記第1の熱可塑性樹脂層、及び、前記第2の熱可塑性樹脂層の積層数の合計が、10以上であり、
前記無機フィラーは、チタン酸塩を含み、針状及び板状から選択される少なくとも1種の形状であり、且つ多層フィルムの面方向に対して略平行に配向している
ことを特徴とする多層フィルム。 - 前記無機フィラーは、アスペクト比が10以上である、請求項1に記載の多層フィルム。
- 前記第1の熱可塑性樹脂層が、ポリプロピレン樹脂を含む、請求項1又は2に記載の多層フィルム。
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