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JP4701129B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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JP4701129B2 JP2006163567A JP2006163567A JP4701129B2 JP 4701129 B2 JP4701129 B2 JP 4701129B2 JP 2006163567 A JP2006163567 A JP 2006163567A JP 2006163567 A JP2006163567 A JP 2006163567A JP 4701129 B2 JP4701129 B2 JP 4701129B2
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Description

本発明は、トナーと磁性キャリアとを含有する現像剤を用いて潜像担持体上の潜像を現像し、且つその現像剤のトナー濃度をトナー濃度センサによって検知する現像装置を用いる画像形成装置に関するものである。
従来より、複写機、ファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に搭載される現像装置おいて、トナーと磁性キャリアとを含有する現像剤を用いて、感光体等の潜像担持体に担持される潜像を現像するものが知られている。現像ローラ等の現像剤担持体に担持した現像剤を潜像担持体との対向領域である現像領域まで搬送し、ここで現像剤中のトナーを磁性キャリア表面から潜像担持体上の潜像に転移させることで、潜像を現像する現像装置である。現像剤中の磁性キャリアについては、現像剤担持体によって現像領域から現像装置内に戻して再利用する。かかる構成の現像装置を用いる画像形成装置では、現像を行うのに伴って現像装置内の現像剤のトナー濃度が徐々に低下していく。そこで、現像装置内の現像剤のトナー濃度をトナー濃度センサによって検知し、検知結果に基づいて現像装置内にトナーを適宜補給することで、現像剤のトナー濃度を一定範囲内に保つことが一般的に行われる。
また、トナー濃度センサによる検知結果をトナー濃度検知のためだけに利用するのではなく、新品の現像剤(以下、初期剤という)のセット状態の適否判定にも利用するようにした画像形成装置も知られている(例えば特許文献1に記載のもの)。この種の画像形成装置では、工場からエンドユーザーへの流通過程における初期剤やトナーの飛散を防止する目的で、初期剤を現像装置の初期剤収容部内に封入している。エンドユーザーは、画像形成装置の初期運転を行う際や、現像装置を新品のものに交換した際に、封止シールを引き剥がすなどして初期剤を現像装置の初期剤収容部から現像剤攪拌部内に流入させる。封止シールが引き剥がされなかったり、初期剤が現像剤攪拌部に良好に流れ込まずに途中で詰まったりした状態で初期運転が開始されると、トナー濃度が著しく低いと判断されて不必要なトナーが現像装置内に供給され続けるおそれがある。そこで、特許文献1に記載の画像形成装置は、トナー濃度センサからの出力値に基づいて現像剤攪拌部内における初期剤の存否を確認することで、初期剤のセット状態の適否を判定している。
トナー濃度センサとしては、透磁率に応じた電圧を出力する透磁率センサを用いるのが一般的である。現像剤のトナー濃度が変化するとそれに応じて透磁率が変化するため、透磁率に基づいてトナー濃度を検知することができる。近年においては、透磁率を精度良く検知することが可能な高感度センサが種々提案されるようになってきた。
特開2003−330258号公報
ところが、本発明者らは、かかる高感度センサをトナー濃度センサとして用いると、高感度であるという利点を十分に引き出すことができなかったり、誤判定を招いたりするおそれがあることを見出した。
具体的には、高感度センサよりも感度(透磁率の変化に対する出力電圧値の変化率)が劣る一般的なトナー濃度センサは、個々の製品間での感度の誤差が比較的小さかった。このため、感度の誤差を考慮することなく、制御パラメータ(例えばトナー濃度を1[%]上昇させた場合のセンサ出力値のシフト量)を一律に設定しても差し支えなかった。これに対し、高感度センサは、高感度であるが故にトナー濃度を精度良く検知することができる反面、個々の製品間での感度の誤差が比較的大きくなる。このような高感度センサにおいて、制御パラメータを一律に設定するには、その大きな誤差範囲内における中間値を基準とせざるを得ず、製品によっては、制御パラメータが最適な値から大きくずれてしまう。そして、高感度であるという利点を十分に引き出すことができなくなる。
また、本発明者らは実験により、高感度センサにおいては、個々のセンサ間での出力レベルの誤差を許容しつつ、初期剤の存否を確実に見分けることができるセンサ出力の閾値が存在しないことを見出した。具体的には、高感度センサや一般的なトナー濃度センサは、入力電圧を現像剤の透磁率に応じて増減させて出力するものであるが、その出力レベルには個々の製品によって誤差がある。このため、入力電圧を一律に設定してしまうと、例えば、あるセンサでは初期剤検知時に2.5[V]が出力されるのに対し、別のセンサでは初期剤検知時に2.9[V]が出力されてしまう。このように、初期剤という同じトナー濃度のものを被検対象にしているにもかかわらず、出力電圧値がセンサ毎に異なってしまうと、トナー濃度を正確に検知することができなくなる。そこで、画像形成装置の初期運転時や、現像装置交換後には、初期剤を被検対象にしているトナー濃度センサからの出力電圧値が予め定められた値になるように入力電圧を調整する初期校正が行われる。これにより、出力レベルの誤差があっても、所定のトナー濃度に対して所定の電圧を出力させるようにセンサを調整することができる。但し、初期剤のセット状態の適否判定は初期校正に先立って行う必要があり、そのときには出力レベルの誤差がある。従来の一般的なトナー濃度センサの場合には、誤差があったとしても、初期剤の存否を確実に区別することができるセンサ出力の閾値が存在していた。例えば、初期校正前のセンサ出力値が0.5[V]未満であれば、出力レベルの誤差にかかわらず、「初期剤無し」と判定しても差し支えなかった。ところが、高感度センサの場合には、そのような閾値が存在しないことがわかった。例えば、あるセンサは初期剤の存在しない状態で0.5[V]を出力するのに対し、別のセンサは初期剤が存在する状態で0.4[V]を出力することがある。このような高感度センサにおいて、閾値を無理に設定してしまうと、初期剤がセットされていないにもかかわらずセットされていると誤って判定されたり、初期剤がセットされているにもかかわらずセットされていないと誤って判定されたりする。
本発明は、以上の背景に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、トナー濃度センサの特性の誤差に起因する制御パラメータの不適切化や誤判定の発生を回避することができる画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項の発明は、自らの表面に担持したトナーと磁性キャリアとを含有する現像剤により、潜像担持体に担持される潜像を現像する現像剤担持体、該現像剤担持体に供給する現像剤を収容する供給剤収容部、該供給剤収容部内の現像剤のトナー濃度を検知するトナー濃度センサ、及び、該供給剤収容部とは別体に構成され、所定のトナー濃度に調整された新品の現像剤である初期剤を収容する初期剤収容部、を有する現像装置と、該潜像担持体と、該トナー濃度センサによる検知結果に基づいて所定の制御を実施する制御手段とを備える画像形成装置において、上記トナー濃度センサの出力信号の基準値である出力基準値と、該出力信号のレベルを調整するために該トナー濃度センサに入力するレベル調整信号の基準値であるレベル基準値と該トナー濃度センサの特性情報として記憶している特性情報記憶手段を、該トナー濃度センサに設けるとともに、
該出力基準値と、該レベル基準値と同じ値のレベル調整信号を入力している該トナー濃度センサからの出力信号値との比較結果に基づいて上記供給剤収容部内における現像剤の存否を判定する剤存否判定処理と、該剤存否判定処理における判定結果に基づいて、該初期剤収容部から該供給剤収容部への初期剤投入について適切に行われたか否かを判定する初期剤投入適否判定処理とを、上記所定の制御にて実施するように、上記制御手段を構成したことを特徴とするものである
た、請求項の発明は、請求項の画像形成装置において、上記初期剤投入適否判定処理で初期剤投入について適切であると判定した場合には、上記トナー濃度センサに入力する上記レベル調整信号を調整することで、上記初期剤を被検対象としている該トナー濃度センサからの出力信号値である初期剤出力値を所定の範囲内に調整する初期剤出力値調整処理を実施するように、上記制御手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、請求項の画像形成装置において、上記所定の制御にて、上記初期剤出力値を所定の範囲内に調整したときの上記レベル調整信号の値について所定の範囲内にあるか否かを判定するレベル調整値適否判定処理を実施するように、上記制御手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、請求項2又は3の画像形成装置において、上記出力基準値に加えて、上記トナー濃度センサからの出力信号の第2基準値である第2出力基準値も上記特性情報として上記特性情報記憶手段に予め記憶させておき、且つ、上記所定の制御にて、該第2出力基準値と、該トナー濃度センサからの出力信号値との比較結果に基づいて上記供給剤収容部内の現像剤について初期剤であるか否かを判定し、初期剤である場合にだけ上記初期剤出力値調整処理を実施するように、上記制御手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、請求項乃至の何れかの画像形成装置において、操作者に対して警報を発する警報発信手段を設け、上記初期剤投入適否判定処理で初期剤投入について不適切であると判定した場合、上記初期剤出力値調整処理で上記トナー濃度センサからの出力信号値を上記所定の範囲に調整することができなかった場合、あるいは、上記レベル調整値適否判定処理で上記レベル調整信号の値について上記所定の範囲内にないと判定した場合に、該警報発信手段から警報を発信させる処理を実施するように、上記制御手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、請求項乃至の何れかの画像形成装置において、上記制御手段からの上記レベル調整信号を上記トナー濃度センサに導く信号線と、該制御手段からの情報書込命令信号又は情報読込命令信号を上記特性情報記憶手段に導く信号線とを共用したことを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、請求項の画像形成装置において、上記レベル調整信号と、上記情報書込命令信号又は情報読込命令信号とを、互いに異なる電圧値で出力させるように、上記制御手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、請求項乃至の何れかの画像形成装置において、上記制御手段からの上記レベル調整信号を上記トナー濃度センサに導く信号線を途中で接断するためのコネクタと、該制御手段からの情報書込命令信号又は情報読込命令信号を上記特性情報記憶手段に導く信号線を途中で接断するためのコネクタとを、一体にしたことを特徴とするものである。
また、請求項の発明は、請求項乃至の何れかの画像形成装置において、上記特性情報記憶手段との情報通信を停止した状態で、上記レベル調整信号を上記トナー濃度センサに対して出力させるように、上記制御手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項乃至の何れかの画像形成装置において、上記潜像担持体上に形成されたトナー像、あるいは該潜像担持体から転写体に転写されたトナー像、に対する単位面積あたりのトナー付着量を検知するトナー付着量検知手段と、上記供給剤収容部にトナーを補給するトナー補給手段とを設け、上記特性情報として、上記トナー濃度センサの感度情報を予め記憶させておき、且つ、上記所定の制御にて、該供給剤収容部内の現像剤を被検対象とする該トナー濃度センサからの出力信号の目標値を、該感度情報と該トナー付着量検知手段による検知結果とに基づいて補正した後、補正後の目標値と、該トナー濃度センサからの出力信号値とに基づいて該トナー補給手段の駆動を制御する処理を実施するように、上記制御手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項乃至10の何れかの画像形成装置において、上記トナー濃度センサを具備する上記現像装置を複数設けるとともに、上記所定の制御を、それら現像装置についてそれぞれ、該トナー濃度センサからの出力信号値に基づいて個別に実施するように、上記制御手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、請求項11の画像形成装置において、複数の上記現像装置にそれぞれ個別に対応する上記所定の制御を、並行して実施するように、上記制御手段を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項13の発明は、求項乃至12の何れかの画像形成装置において、上記特性情報記憶手段として、不揮発性情報記憶手段を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項14の発明は、求項乃至13の何れかの画像形成装置において、上記トナー濃度センサに駆動電力を供給するための電源と、上記特性情報記憶手段に駆動電力を供給するための電源とを共用し、且つ、該トナー濃度センサと該特性情報記憶手段とのうち、何れか一方に対しては、減圧手段を介して該電源からの駆動電力を供給させるようにしたことを特徴とするものである。
また、請求項15の発明は、求項乃至4の何れかの画像形成装置において、上記現像装置の製品毎に異なる個別情報を上記特性情報記憶手段に記憶させたことを特徴とするものである。
これらの発明においては、特性情報記録媒体に記録されている感度や出力レベルなどといった特性情報に基づいて制御パラメータを設定したり、初期剤存否の判定のための閾値を設定したりすることで、トナー濃度センサの特性の誤差に起因する制御パラメータの不適切化や誤判定の発生を回避することができる。
なお、特性情報記録媒体の一態様として、トナー濃度検知センサの特性情報をバーコード形式で記録したバーコードシールを例示することができるが、特性情報を電気的に記憶する特性情報記憶手段を採用することがより望ましい。バーコードを読み取らせたり、特性情報を手入力したりなどといった作業を省いて、特性情報を制御手段に自動で取得させることができるからである。
以下、本発明を適用した画像形成装置として、電子写真方式のプリンタ(以下、単にプリンタという)の一実施形態について説明する。
まず、本実施形態に係るプリンタの基本的な構成について説明する。図1は、本実施形態に係るプリンタを示す概略構成図である。同図のプリンタは、トナー像形成手段たるプロセスユニットとして、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック(以下、Y、C、M、Kと記す)用の4つのプロセスユニット1Y,C,M,Kを備えている。これらは、画像を形成する画像形成物質として、互いに異なる色のY,C,M,Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっている。Yトナー像を生成するためのプロセスユニット1Yを例にすると、これは図2に示すように、感光体ユニット2Yと現像ユニット7Yとを有している。これら感光体ユニット2Y及び現像ユニット7Yは、図3に示すようにプロセスユニット1Yとして一体的にプリンタ本体に対して着脱される。但し、プリンタ本体から取り外した状態では、図4に示すように現像ユニット7Yを図示しない感光体ユニットに対して着脱することができる。
先に示した図2において、感光体ユニット2Yは、潜像担持体たるドラム状の感光体3Y、ドラムクリーニング装置4Y、図示しない除電装置、帯電装置5Yなどを有している。
帯電装置5Yは、図示しない駆動手段によって図中時計回り方向に回転駆動せしめられる感光体3Yの表面を一様帯電せしめる。同図においては、図示しない電源によって帯電バイアスが印加されながら、図中反時計回りに回転駆動される帯電ローラ6Yを感光体3Yに近接させることで、感光体3Yを一様帯電せしめる方式の帯電装置5Yを示した。帯電ローラ6Yの代わりに、帯電ブラシを当接させるものを用いてもよい。また、スコロトロンチャージャーのように、チャージャー方式によって感光体3Yを一様帯電せしめるものを用いてもよい。帯電装置5Yによって一様帯電せしめられた感光体3Yの表面は、後述する光書込ユニットから発せられるレーザー光によって露光走査されてY用の静電潜像を担持する。
現像装置たる現像ユニット7Yは、第1搬送スクリュウ8Yが配設された供給剤収容部たる第1剤収容部9Yを有している。また、透磁率センサからなるトナー濃度センサ10Y、第2搬送スクリュウ11Y、現像ロール12Y、ドクターブレード13Yなどが配設された供給剤収容部たる第2剤収容部14Yも有している。これら2つの剤収容部内には、磁性キャリアとマイナス帯電性のYトナーとからなる図示しないY現像剤が内包されている。第1搬送スクリュウ8Yは、図示しない駆動手段によって回転駆動せしめられることで、第1剤収容部9Y内のY現像剤を図紙面に直交する方向における手前側から奥側へと搬送する。そして、第1剤収容部9Yと第2剤収容部14Yとの間の仕切壁に設けられた図示しない連通口を経て、第2剤収容部14Y内に進入する。
第2剤収容部14Y内の第2搬送スクリュウ11Yは、図示しない駆動手段によって回転駆動せしめられることで、Y現像剤を図中奥側から手前側へと搬送する。搬送途中のY現像剤は、第1剤収容部14Yの底部に固定されたトナー濃度センサ10Yによってそのトナー濃度が検知される。このようにしてY現像剤を搬送する第2搬送スクリュウ11Yの図中上方には、現像ロール11Yが第2搬送スクリュウ11Yと平行な姿勢で配設されている。現像剤担持体たる現像ロール11Yは、図中反時計回り方向に回転駆動せしめられる非磁性パイプからなる現像スリーブ15Y内にマグネットローラ16Yを内包している。第2搬送スクリュウ11Yによって搬送されるY現像剤の一部は、マグネットローラ16Yの発する磁力によって現像スリーブ15Y表面に汲み上げられる。そして、現像スリーブ15Yと所定の間隙を保持するように配設されたドクターブレード13Yによってその層厚が規制された後、感光体3Yと対向する現像領域まで搬送され、感光体3Y上のY用の静電潜像にYトナーを付着させる。この付着により、感光体3Y上にYトナー像が形成される。現像によってYトナーを消費したY現像剤は、現像ロール12Yの現像スリーブ15Yの回転に伴って第2搬送スクリュウ11Y上に戻される。そして、図中手前端まで搬送されると、図示しない連通口を経て第1剤収容部9Y内に戻る。
トナー濃度センサ10YによるY現像剤の透磁率の検知結果は、電圧信号として図示しない制御部に送られる。Y現像剤の透磁率は、Y現像剤のYトナー濃度と相関を示すため、トナー濃度センサ10YはYトナー濃度に応じた値の電圧を出力することになる。上記制御部は不揮発性メモリであるRAMを備えており、この中にY用のトナー濃度センサ10Yからの出力電圧の目標値であるY用Vt_refや、他の現像ユニットに搭載されたC,M,K用のトナー濃度センサからの出力電圧の目標値であるC用Vt_ref、M用Vt_ref、K用Vt_refのデータを格納している。Y用の現像ユニット7Yについては、トナー濃度センサ10Yからの出力電圧の値とY用Vt_refを比較し、図示しないY用のトナー供給装置を比較結果に応じた時間だけ駆動させる。この駆動により、現像に伴うYトナーの消費によってYトナー濃度を低下させたY現像剤に対し、第1剤収容部9Yで適量のYトナーが供給される。このため、第2剤収容部14Y内のY現像剤のYトナー濃度が所定の範囲内に維持される。他色用のプロセスユニット(1C,M,K)内における現像剤についても、同様のトナー供給制御が実施される。
感光体3Y上に形成されたYトナー像は、後述する中間転写ベルトに中間転写される。感光体ユニット2Yのドラムクリーニング装置4Yは、中間転写工程を経た後の感光体3Y表面に残留したトナーを除去する。これによってクリーニング処理が施された感光体3Y表面は、図示しない除電装置によって除電される。この除電により、感光体3Yの表面が初期化されて次の画像形成に備えられる。先に示した図1において、他色用のプロセスユニット1C,M,Kにおいても、同様にして感光体3C,M,K上にC,M,Kトナー像が形成されて、中間転写ベルト上に中間転写される。
プロセスユニット1Y,C,M,Kの図中下方には、光書込ユニット20が配設されている。潜像形成手段たる光書込ユニット20は、画像情報に基づいて発したレーザー光Lを、各プロセスユニット1Y,C,M,Kの感光体3Y,C,M,Kに照射する。これにより、感光体3Y,C,M,K上にY,C,M,K用の静電潜像が形成される。なお、光書込ユニット20は、光源から発したレーザー光Lを、モータによって回転駆動されるポリゴンミラー21によって偏向せしめながら、複数の光学レンズやミラーを介して感光体3Y,C,M,Kに照射するものである。かかる構成のものに代えて、LDEアレイによる光走査を行うものを採用することもできる。
光書込ユニット20の下方には、第1給紙カセット31、第2給紙カセット32が鉛直方向に重なるように配設されている。これら給紙カセット内には、それぞれ、記録部材たる記録紙Pが複数枚重ねられた記録紙束の状態で収容されており、一番上の記録紙Pには、第1給紙ローラ31a、第2給紙ローラ32aがそれぞれ当接している。第1給紙ローラ31aが図示しない駆動手段によって図中反時計回りに回転駆動せしめられると、第1給紙カセット31内の一番上の記録紙Pが、カセットの図中右側方において鉛直方向に延在するように配設された給紙路33に向けて排出される。また、第2給紙ローラ32aが図示しない駆動手段によって図中反時計回りに回転駆動せしめられると、第2給紙カセット32内の一番上の記録紙Pが、給紙路33に向けて排出される。給紙路33内には、複数の搬送ローラ対34が配設されており、給紙路33に送り込まれた記録紙Pは、これら搬送ローラ対34のローラ間に挟み込まれながら、給紙路33内を図中下側から上側に向けて搬送される。
給紙路33の末端には、レジストローラ対35が配設されている。レジストローラ対35は、記録紙Pを搬送ローラ対34から送られてくる記録紙Pをローラ間に挟み込むとすぐに、両ローラの回転を一旦停止させる。そして、記録紙Pを適切なタイミングで後述の2次転写ニップに向けて送り出す。
各プロセスユニット1Y,C,M,Kの図中上方には、無端移動体たる中間転写ベルト41を張架しながら図中反時計回りに無端移動せしめる転写ユニット40が配設されている。転写手段たる転写ユニット40は、中間転写ベルト41の他、ベルトクリーニングユニット42、第1ブラケット43、第2ブラケット44などを備えている。また、4つの1次転写ローラ45Y,C,M,K、2次転写バックアップローラ46、駆動ローラ47、補助ローラ48、テンションローラ49なども備えている。中間転写ベルト41は、これら8つのローラに張架されながら、駆動ローラ47の回転駆動によって図中反時計回りに無端移動せしめられる。4つの1次転写ローラ45Y,C,M,Kは、このように無端移動せしめられる中間転写ベルト41を感光体3Y,C,M,Kとの間に挟み込んでそれぞれ1次転写ニップを形成している。そして、中間転写ベルト41の裏面(ループ内周面)にトナーとは逆極性(例えばプラス)の転写バイアスを印加する。中間転写ベルト41は、その無端移動に伴ってY,C,M,K用の1次転写ニップを順次通過していく過程で、そのおもて面に感光体3Y,C,M,K上のY,C,M,Kトナー像が重ね合わせて1次転写される。これにより、中間転写ベルト41上に4色重ね合わせトナー像(以下、4色トナー像という)が形成される。
1次転写ローラ45Y,C,M,Kは、例えば外径8mmのステンレス等の導電性芯金(図示せず)の周面に、弾性層が被覆されたものである。この弾性層は、ポリウレタン、EPDM、シリコン等のゴム材料に、カーボン等の導電性フィラーを分散させたり、イオン性の導電材料を含有させたりして、体積抵抗が10〜10[Ω・cm]程度に調整されたソリッド状態または発泡スポンジ状態のものである。その厚さは5mm、ゴム硬度は20〜70°程度(Asker−C)である。
中間転写ベルト41は、体積抵抗が10〜1012[Ω・cm]に調整された無端ベルトである。その素材としては、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)等の樹脂材料を例示することができる。また、EPDM、NBR、CR、ポリウレタン等のゴム材料でもよい。これらの素材中にカーボン等の導電性フィラーを分散させたり、イオン性の導電材料を含有させたりして、電気抵抗が調整される。厚みは、樹脂材料の場合には50〜200μm程度である、ゴム材料の場合には300〜700μm程度である。樹脂ベルト上にゴム層を設けたり、さらに表層にコーティング層を設けたりすることもある。また、ベルト表面にトナーが固着することを防止するためやクリーニング性の向上のために、ベルト表面にフッ素系樹脂等の離型剤または潤滑剤を塗布する手段を設けることもある。
駆動ローラ47は、例えばステンレス等の導電性芯金(図示せず)の周面に、ポリウレタン、EPDM、シリコン等のゴムや樹脂材料にカーボン等の導電性フィラーを分散させた導電性又は半導電性の材料を被覆したものである。
2次転写バックアップローラ46は、中間転写ベルト41のループ外側に配設された2次転写ローラ50との間に中間転写ベルト41を挟み込んで2次転写ニップを形成している。先に説明したレジストローラ対35は、ローラ間に挟み込んだ記録紙Pを、中間転写ベルト41上の4色トナー像に同期させ得るタイミングで、2次転写ニップに向けて送り出す。中間転写ベルト41上の4色トナー像は、2次転写バイアスが印加される2次転写ローラ50と2次転写バックアップローラ46との間に形成される2次転写電界や、ニップ圧の影響により、2次転写ニップ内で記録紙Pに一括2次転写される。そして、記録紙Pの白色と相まって、フルカラートナー像となる。
2次転写ローラ50は、例えば外径16mmのステンレス等の導電性芯金の周面に、弾性層が被覆されたものである。この弾性層は、ポリウレタン、EPDM、シリコン等のゴム材料に、カーボン等の導電性フィラーを分散させたり、イオン性の導電材料を含有させたりして、体積抵抗が10〜10[Ω・cm]程度に調整されたソリッド状態または発泡スポンジ状態のものである。その、厚さは7mm、ゴム硬度が20〜70°程度(Asker−C)である。かかる2次転写ローラ50は、1次転写ローラ45Y,C,M,Kと異なり、トナーが接するため表面に半導電性のフッ素樹脂やウレタン樹脂等の離型性の良いものを被覆する場合がある。
2次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト41には、記録紙Pに転写されなかった転写残トナーが付着している。これは、ベルトクリーニングユニット42によってクリーニングされる。なお、ベルトクリーニングユニット42は、クリーニングブレード42aを中間転写ベルト41のおもて面に当接させており、これによってベルト上の転写残トナーを掻き取って除去するものである。
転写ユニット40の第1ブラケット43は、図示しないソレノイドの駆動のオンオフに伴って、補助ローラ48の回転軸線を中心にして所定の回転角度で揺動するようになっている。本プリンタは、モノクロ画像を形成する場合には、前述のソレノイドの駆動によって第1ブラケット43を図中反時計回りに少しだけ回転させる。この回転により、補助ローラ48の回転軸線を中心にしてY,C,M用の1次転写ローラ45Y,C,Mを図中反時計回りに公転させることで、中間転写ベルト41をY,C,M用の感光体3Y,C,Mから離間させる。そして、4つのプロセスユニット1Y,C,M,Kのうち、K用のプロセスユニット1Kだけを駆動して、モノクロ画像を形成する。これにより、モノクロ画像形成時にY,C,M用のプロセスユニットを無駄に駆動させることによるそれらプロセスユニットの消耗を回避することができる。
2次転写ニップの図中上方には、定着ユニット60が配設されている。この定着ユニット60は、ハロゲンランプ等の発熱源を内包する加圧加熱ローラ61と、定着ベルトユニット62とを備えている。定着ベルトユニット62は、定着部材たる定着ベルト64、ハロゲンランプ等の発熱源を内包する加熱ローラ63、テンションローラ65、駆動ローラ66、図示しない温度センサ等を有している。そして、無端状の定着ベルト64を加熱ローラ63、テンションローラ65及び駆動ローラ66によって張架しながら、図中反時計回り方向に無端移動せしめる。この無端移動の過程で、定着ベルト64は加熱ローラ63によって裏面側から加熱される。このようにして加熱される定着ベルト64の加熱ローラ63掛け回し箇所には、図中時計回り方向に回転駆動される加圧加熱ローラ61がおもて面側から当接している。これにより、加圧加熱ローラ61と定着ベルト64とが当接する定着ニップが形成されている。
定着ベルト64のループ外側には、図示しない温度センサが定着ベルト64のおもて面と所定の間隙を介して対向するように配設されており、定着ニップに進入する直前の定着ベルト64の表面温度を検知する。この検知結果は、図示しない定着電源回路に送られる。定着電源回路は、温度センサによる検知結果に基づいて、加熱ローラ63に内包される発熱源や、加圧加熱ローラ61に内包される発熱源に対する電源の供給をオンオフ制御する。これにより、定着ベルト64の表面温度が約140[°]に維持される。
先に示した図1において、2次転写ニップを通過した記録紙Pは、中間転写ベルト41から分離した後、定着ユニット60内に送られる。そして、定着ユニット60内の定着ニップに挟まれながら図中下側から上側に向けて搬送される過程で、定着ベルト64によって加熱されたり、押圧されたりして、フルカラートナー像が定着せしめられる。
このようにして定着処理が施された記録紙Pは、排紙ローラ対67のローラ間を経た後、機外へと排出される。プリンタ本体の筺体の上面には、スタック部68が形成されており、排紙ローラ対67によって機外に排出された記録紙Pは、このスタック部68に順次スタックされる。
転写ユニット40の上方には、Y,C,M,Kトナーを収容する4つのトナーカートリッジ900Y,C,M,Kが配設されている。トナーカートリッジ900Y,C,M,K内のY,C,M,Kトナーは、プロセスユニット1Y,C,M,Kの現像ユニット7Y,C,M,Kに適宜供給される。これらトナーカートリッジ900Y,C,M,Kは、プロセスユニット1Y,C,M,Kとは独立してプリンタ本体に脱着可能である。
先に示した図2において、Y用のプロセスユニット1Yの現像ユニット7Yは、第1剤収容部9Yの上方に初期剤収容部17Yを有している。この初期剤収容部17Yと第1剤収容部9Yとは、シール部材18Yによって仕切られているが、このシール部材18Yは操作者の手作業によって現像ユニット7Yの外側から引き抜くことができる。工場出荷直後の現像ユニット7Yは、図示しない新品のY現像剤であるY初期剤を初期剤収容部17Y内に収容しており、このY初期剤はYトナー濃度が5[%]に調整されている。操作者がシール部材18Yを現像ユニット7Y内から引き抜くと、初期剤収容部17Y内のY初期剤が自重によって第1剤収容部9Y内に流れ込む。
本プリンタは、初期運転時(工場出荷後の初めの運転)や、Y用の現像ユニット7Yが新品のものに交換された直後に、初期剤投入適否判定処理という制御プロセスを実行するようになっている。この初期剤投入適否判定処理は、シール部材18Yを引き抜いた操作者が図示しないディスプレイや複数のキーからなる操作表示部へのキー入力を行うことによって開始される。このキー入力に基づいて、本プリンタの制御部は、第1搬送スクリュウ8Y及び第2搬送スクリュウ11Yを回転駆動させた後、トナー濃度センサ10Yによる検知結果に基づいて、Y初期剤が適切に第2剤収容部14Y内にセットされたか否かを判定する。
本プリンタにおいては、Y,C,M,K用のトナー濃度センサ(例えば図2の10Y)として、それぞれ高感度センサを用いている。図5は、高感度のトナー濃度センサにおける出力電圧Vt[V]とレベル調整電圧Vcnt[V]との関係の一例を示すグラフである。そして、図中の実線は、上記第2剤収容部(例えば図2の14Y)に初期剤が存在している状態のときにおける出力電圧Vt[V]とレベル調整電圧Vcnt[V]との関係の一例を示している。また、図中の破線は、第2剤収容部に初期剤が存在していない状態のときにおける出力電圧Vt[V]とレベル調整電圧Vcnt[V]との関係の一例を示している。図示の例では、第2剤収容部に初期剤が存在している状態で、高感度センサたるトナー濃度センサにレベル調整電圧Vcntとして例えば約2.8[V]が入力されると、トナー濃度センサから出力電圧Vtとして約3[V]が出力される。これに対し、初期剤が第2剤収容部内に存在していない状態でトナー濃度センサにレベル調整電圧Vcntとして約2.8が入力された場合、トナー濃度センサから出力電圧Vtが殆ど出力されなくなる。よって、図示の例では、レベル調整電圧Vcntとして約2.8[V]が入力された場合に、出力電圧Vt[V]が3[V]未満であれば、初期剤が第2剤収容部内に存在していないことになる。但し、初期剤の存否を判定する際におけるレベル調整電圧Vcntを2.8[V]あたりに設定してしまうと、第2剤収容部内に初期剤が存在しているものの、その量がごく僅かである場合などに、誤判定を引き起こし易くなる。このため、初期剤の存否を判定する際には、レベル調整電圧Vcntとして、上限値付近の値を入力するのが一般的である。例えば、本プリンタのトナー濃度センサでは、レベル調整電圧Vcntの上限値は5[V]である。そこで、4.5[V]程度のレベル調整電圧Vcntを入力する。すると、図示の例では、破線に示すように、出力電圧Vtとして約2.6[V]が出力される。
高感度センサよりも感度が劣る一般的な透磁率センサの場合には、個々のセンサ毎に図示のグラフに横軸方向のバラツキがあるが、そのバラツキはそれほど大きくなかった。このため、例えば、レベル調整電圧Vcntとして4.5[V]を入力した場合に、出力電圧Vtが0.5[V]未満であれば、第2剤収容部内に初期剤が存在していないか、あるいは存在していたとしてもごく少量であると判断して差し支えなかった。即ち、初期剤の存否を判定するための閾値を個々のセンサにかかわらず、例えば0.5[V]と一律に設定しても差し支えなかった。
ところが、高感度センサの場合には、センサ毎における横軸方向のバラツキが大きいために、このように閾値を一律に設定することができないことが本発明者らの実験によって判明した。
次に、本プリンタの特徴的な構成について説明する。
先に示した図4において、Y用の現像ユニット7Yのケーシングの上面には、メモリ回路基板19Yが設けられている。このメモリ回路基板19Yには、不揮発性RAM等などといった図示しない不揮発性のメモリチップが搭載されており、その中に、Y用のトナー濃度センサの特性情報を記憶している。具体的には、特性情報として、Y用のトナー濃度センサ(10Y)からの出力電圧Vtの第1基準値であるブランク基準値Vt_0aを記憶している。また、更には、Y用のトナー濃度センサからの出力電圧Vtの第2基準値である初期剤基準値Vt_0bも特性情報として記憶している。更には、Y用のトナー濃度センサの感度情報も特性情報として記憶している。即ち、メモリチップは、Y用のトナー濃度センサ(10Y)の特性情報を記憶する特性情報記憶手段として機能している。なお、C,M,K用の現像ユニットにおいても、同様のメモリ回路基板が設けられている。
上記メモリチップに記憶されている特性情報たるブランク基準値Vt_0aは、自らの透磁率検知可能距離範囲内に磁性体が存在していない状態で4.5[V]のレベル調整電圧Vcntが入力された場合におけるトナー濃度センサからの出力電圧Vtよりも若干高めに設定された数値である。これは個々のセンサについてそれぞれ出荷に先立って予め工場内で個別に測定、算出されている。
また、上記メモリチップに記憶されている特性情報たる初期剤基準値Vt_0bは、トナー濃度が5%に調整された初期剤と同等の透磁率を発揮する基準磁性体を被検対象にしている状態で4.5[V]のレベル調整電圧Vcntが入力された場合におけるトナー濃度センサからの出力電圧Vtである。これも個々のセンサについてそれぞれ出荷に先立って予め工場内で個別に測定されたものである。
また、感度情報は、トナー濃度が5%に調整された初期剤と同じ透磁率を発揮する初期剤透磁率基準物質を被検対象とした場合における出力電圧Vtとレベル調整電圧Vcntとの関係を示すグラフの傾き(Vt=a×Vcnt+b)である。これも個々のセンサについてそれぞれ出荷に先立って予め工場内で個別に測定されたものである。
このように、本プリンタにおける各プロセスユニット(1Y,C,M,K)は、メモリ回路基板(例えば19Y)に搭載されたメモリチップに、ブランク基準値を予め記憶している。理論的には、ユーザーのもとにおいて、第2剤収容部(例えば14Y)内に初期剤が存在していない状態で初期運転が開始されれば、トナー濃度センチセンサからの出力電圧値Vtは、そのブランク基準値Vt_0aを下回るはずである。しかしながら、各種の変動要因により、工場内で測定されたブランク基準値Vt_0aと、ユーザーのプリンタ内におけるブンク基準値とが一致しなく可能性がある。
例えば、現像ユニットの周囲に設置された板金やその他の磁性体がトナー濃度センサのブランク基準値に影響を与えてしまうことが考えられる。
また、第2剤収容部(例えば14Y)内における第2搬送スクリュウ(例えば11Y)による現像剤の撹拌速度は、トナー濃度センサの検知結果に影響を与える。第2搬送スクリュウによる撹拌速度が速くなるほど、現像剤のトナー間やキャリア間に空気が多く介在するようになるので、出力電圧Vtが低くなる。第2剤収容部に初期剤が存在しない状態であれば撹拌速度は検知結果に影響しないが、僅かに初期剤がセットされている状態では、撹拌速度が検知結果に影響してくる。このため、初期剤が投入不足であるものの僅かにセットされた状態になった場合にも、「初期剤無し」として判定させるためには、撹拌速度も考慮する必要がある。なお、撹拌速度が各機器で通常の誤差範囲内にあれば、トナー濃度センサによる検知結果に影響を与えないが、何らかの理由により、各機器で撹拌速度を大きく変える場合があり得る。例えば、モデルチェンジなどによって搬送スクリュウのギヤ比を変えることが考えられる。このような場合、新しいモデルの現像ユニットと、古いモデルの現像ユニットとで、撹拌速度が異なってしまうため、そのままでは、新しいモデルのブランク基準値Vt_0aが不適切な値になってしまう。
また、各機器により、トナー濃度センサに供給するレベル調整電圧Vcntにバラツキが発生する。例えば、ある装置では制御部がレベル調整電圧Vcntとして4.5[V]を出力するように処理を行っているものの、実際には4.2[V]が出力されるといったことも起こる。このような場合には、レベル調整電圧Vcntとして4.5[V]を入力した際におけるブランク基準値Vt_0aが、実機にとって最適な値からずれてしまうことになる。
ブランク基準値について説明したが、初期剤基準値も同様に、実機にとって最適な値からずれてしまうおそれがある。
そこで、本プリンタの制御部は、メモリ回路基板(例えば19Y)のメモリチップ内に記憶されているブランク基準値Vt_0aを読み込んだら、それを補正してから、初期剤の存否判定に用いるようになっている。具体的には、メモリチップ内から読み込んだブランク基準値Vt_0aを、
「Vt_0a=Vt_0a×α+β」
という補正式によって補正して、自らの記憶手段(RAM)などに記憶する。この補正式におけるαやβは所定の係数であり、予め行われた実験結果に基づいて設定されている。
また、制御部は、メモリ回路基板(例えば19Y)のメモリチップ内に記憶されている初期剤基準値Vt_0bを読み込んだら、それを補正してから、後述する初期剤検知時出力調整処理ひ用いるようになっている。具体的には、メモリチップ内から読み込んだ初期剤基準値Vt_0bを、
「Vt_0b=Vt_0b×γ+k」
という補正式によって補正して、自らの記憶手段(RAM)などに記憶する。この補正式におけるγやkは所定の係数であり、予め行われた実験結果に基づいて設定されている。
図6は、本プリンタの制御部によって実施される初期剤投入適否判定処理における制御フローを示すフローチャートである。本プリンタの制御部は、この初期剤投入適否判定処理を行うのに先立って、現像ユニット交換確認処理を実施する。具体的には、上記メモリ回路基板(例えば19Y)内には、トナー濃度センサの特性情報の他に、現像ユニットの製品毎に固有の個別情報である現像ユニットIDも記憶している。この現像ユニットIDは、個々の製品にそれぞれ個別の値が付与されたものである。現像ユニットが交換されると、メモリチップ内に記憶されている現像ユニットIDが変化する。制御部は、この変化に基づいて、現像ユニットの交換(あるいはプリンタが初期運転である状態)を検知すると、図示しない操作表示部に、「現像ユニットのシール部材を引き抜いた後、OKボタンを押して下さい。」というメッセージを表示する。この表示に基づいてユーザーが現像ユニットからシール部材を引き抜いた後、OKボタンを押すと、制御部は、初期剤投入適否判定処理を行うようになっている。
図6の初期剤投入適否判定処理においては、まず、30秒間の撹拌動作(第1搬送スクリュウや第2搬送スクリュウを回転駆動)が行われる(ステップ1:以下、ステップをSと記す)。なお、この撹拌動作の実施時間は、操作表示部への入力操作により、必要に応じて変化させることが可能である。30秒間の撹拌動作が終わると、次に、交換された現像ユニットのトナー濃度センサに予め定められた4.5[V]のレベル調整電圧Vcntが入力された後(S2)、1.5秒経過するまで待機される(S3でY)。そして、トナー濃度センサからの出力電圧Vtの値が制御部によって取得され、初期剤検知時出力Vt_1として制御部のRAM(不揮発性)内に記憶される(S4)。
これらの一連のフロート並行して、ブランク基準値Vt_0aや初期剤基準値Vt_0bの補正が行われる。具体的には、まず、制御部は、交換された現像ユニットのメモリ回路基板のメモリチップ内に記憶されているブランク基準値Vt_0aや初期剤基準値Vt_0bを読み込んだ後(S5)、これらを上述した補正式によって補正してから自らのRAMに記憶する(S6〜S7)
ここで、メモリチップ内に記憶されているブランク基準値Vt_0aや、補正後のブランク基準値Vt_0aは、交換された現像ユニットのトナー濃度センサに固有の値である。また、メモリチップ内に記憶されている初期剤基準値Vt_0bや、補正後の初期剤基準値Vt_0bも、交換された現像ユニットのトナー濃度センサに固有の値である。よって、高感度センサであるトナー濃度センサの特性が個々の製品で大きくばらついていたとしても、トナー濃度センサからの出力電圧Vt[V]が補正後のブランク基準値Vt_0aを上回っていれば、「初期剤有り」と判定しても差し支えない。換言すれば、出力電圧Vtが補正後のブランク基準値Vt_0a以下であれば、初期剤が第2剤収容部内に存在していないか(初期剤無し)、あるいは、ごく少量の初期剤しか存在していないことになる。また、「初期剤有り」と判定した場合に、トナー濃度センサからの出力電圧Vtが初期剤基準値Vt_0bと同等以上であれば、第2剤収容部内の現像剤について、初期剤であると判定しても差し支えない。換言すれば、Vt<初期剤基準値Vt_0b」である場合には、第2剤収容部内に収容されている現像剤が、トナー濃度5%の初期剤ではなく、これよりもトナー濃度の高い現像剤であることになる。
そこで、制御部は、上記S4で記憶しておいた初期剤検知時出力Vt_1について、補正後のブランク基準値Vt_0aを上回っているか否かを判定する(剤存否判定処理:S8)そして、上回っていない場合には(S8でN)、「初期剤無し」とみなす。そして、一連の制御フローを上記S1及びS5に戻して、制御を初めからやり直す。但し、このやり直しが3回目である場合には(S9でY)、「初期剤が正しくセットされていません。」などといったエラーメッセージを表示させて(S10)、装置を緊急停止させる(S14)。
初期剤検知時出力Vt_1が補正後のブランク基準値Vt_0aを上回っている場合には(S8でY)、初期剤について第2剤収容部内に適切にセットされたとみなして(剤存否判定処理で有りと判定)、次の処理に進む。そして、初期剤検知時出力Vt_1について、補正後の初期剤基準値Vt_0b以上であるか否かが判断される(S11)。ここで、「Vt_0b≦Vt_1」を満たした場合には、第2剤収容部内にセットされた現像剤について、トナー濃度が5%に調整された初期剤であると判断しても差し支えない。また、「Vt_0b≦Vt_1」を満たさなかった場合には、第2剤収容部内にセットされた現像剤について、初期剤よりもトナー濃度の高い現像剤であると判断しても差し支えない。
制御部は、「Vt_0b≦Vt_1」を満たしていると判断した場合には(S11でY)、第2剤収容部内にセットされた現像剤について初期剤であるとみなして、センサレベル校正フラグをセットする(S12)。これに対し、「Vt_0b≦Vt_1」を満たしていない場合には(S11でN)、センサレベル校正フラグを解除する(S13)。なお、センサレベル校正フラグの役割については後述する。
本発明者らは、K用のトナー濃度センサとして、3つの高感度センサを用意した。そして、それぞれについて、その透磁率検知可能距離範囲内に磁性体を存在させていない状態で、4.5[V]程度のレベル調整電圧Vcntを供給して、そのときのブランク基準値Vt_0を測定した。次に、それぞれのトナー濃度センサについて、図1に示した実施形態に係るプリンタと同様の構成の試験機におけるK用の現像ユニットに搭載するとともに、メモリ回路基板のメモリチップにそのブランク基準値Vt_0を記憶させた。そして、初期剤をK用の現像ユニット内に投入しない状態で試験機を作動させて、図6に示した初期剤投入適否判定処理において適切な判定が行われるか否かを検査する実験を行った。なお、初期剤投入適否判定処理におけるブランク基準値Vt_0の補正では、上記αを1.045とし、上記β0.35とした。これら係数は、事前の実験に基づいて適切な値として導かれたものである。この結果を次の表1に示す。
Figure 0004701129
表1に示すように、センサAにおいて、現像ユニットから取り外し且つ周囲に磁性体を存在させていない状態で測定したブランク基準値Vt_0aは、0.70[V]であった。また、センサBでは、同様のブランク基準値Vt_0aが1.20であった。また、センサCでは、同様のブランク基準値Vt_0aが0.50であった。このように、高感度センサにおいては、製品毎で、ブランク基準値Vt_0aにかなりのバラツキが発生する。
センサAにおいて、補正後のVt_0aは、0.70×1.045+0.5=1.08[V]となる。これに対し、試験機に実際に搭載されたトナー濃度センサからの初期剤検知時出力Vt_1は、表1に示すように0.51[V]であった。このため、図6のS8において、「Vt_1>補正後のブランク基準値Vt_0a」を具備しないとみなされる。即ち、「初期剤無し」と適切な判定が行われる。同様にして、センサBやセンサCも、「初期剤無し」と適切な判定が行われる。このように、実施形態に係るプリンタが、誤判定の発生を回避し得ることが立証された。
図7は、本プリンタの制御部によって実施される初期剤検知時出力調整処理の制御フローを示すフローチャートである。この初期剤検知時出力調整処理は、交換された現像ユニットのトナー濃度センサの出力レベルを調整するための処理であり、図6に示した初期剤投入適否判定処理に続いて行われる。但し、初期剤投入適否判定処理のS13でセンサレベル校正フラグが解除されている場合には、この初期剤検知時出力調整処理は行われない。つまり、本プリンタでは、初期剤投入適否判定処理で現像剤が正しくセットされたと判定しても、その現像剤について、トナー濃度5%の初期剤ではなく、それよりもトナー濃度の高い現像剤であると判断した場合には、図7の初期剤検知時出力調整処理を行わないようになっている。
図7の初期剤検知時出力調整処理においては、まず、交換された現像ユニットについて、初期剤を被検対象としているトナー濃度センサからの出力信号値である初期剤検知時出力Vt_1を所定の範囲内にするように、レベル調整信号たるレベル調整電圧Vcntを調整するための校正処理が行われる(S1)。この校正処理では、初期剤検知時出力Vt_1を制御部のRAMに予め記憶されている基準出力値(本例では2.7V)±0.2[V]の範囲内に収めるように、レベル調整電圧Vcntが調整される。より詳しく説明すると、先に図6に示した初期剤投入適否判定処理では、レベル調整電圧Vcntを4.5[V]に設定していたが、図7のS1における校正処理では、このレベル調整電圧Vcntを半値増減法によって変化させていく。この半値増減法とは、トナー濃度センサから出力される初期剤検知出力Vt_1に基づいて、レベル調整電圧Vcntを、現状の値の半分だけ増減させる方法である。校正処理が開始される前のレベル調整電圧Vcntは、4.5[V]であるので、校正処理が開始されると、まず、レベル調整電圧Vcntが半分の2.25[V]に変更される。そして、調整後におけるトナー濃度センサからの出力電圧Vt_1について、基準出力値(2.7V)よりも高いか否かが判断される。初期剤検知時出力Vt_1が基準出力値(2.7V)よりも低い場合には、レベル調整電圧Vcntが2.25[V]から3.375[V](2.25+2.25/2)に変更される。また、初期剤検知時出力Vt_1が基準出力値(2.7V)よりも高い場合には、レベル調整電圧Vcntが2.25[V]から1.125[V](2.25−2.25/2)に変更される。このような処理を9回繰り返すことで、トナー濃度センサからの初期剤検知時出力Vt_1を、基準出力値(2.7V)+±0.2[V]の範囲内に収める。
なお、初期剤検知時出力Vt_1については、複数回サンプリングしてその平均値を算出し、算出結果と、基準出力値(2.7V)とを比較する。サンプリング1回あたりに必要な時間である必要時間S[msec]は、レベル調整電圧Vcntを変化させてからトナー濃度センサの出力が安定化するまでの時間(本例では1.5秒)と、測定に必要な時間とを加算した値と同等である。また、サンプリング回数については、初期剤検知時出力Vt_1を適切に測定するのに必要となる第2剤収容部内の第2搬送スクリュウの回転数である必要回転数に基づいて設定されている。本例では、サンプリング時間T[msec]を、(60/第2搬送スクリュウ回転速度[rpm])×必要回転数N×1000に設定している。そして、レベル調整電圧Vcntを切り換えたら、サンプリング時間T/必要時間sの回数だけ初期剤検知時出力Vt_1をサンプリングし、その平均値と、基準出力値(2.7V)とを比較する。
校正処理が終了したら、次に、そのときのレベル調整電圧VcntをRAM内に記憶する(S2)。そして、そのときの初期剤検知時出力Vt_1について、基準出力値(2.7V)±0.2[V]の範囲内にあるか否かを判定する(S3)。この判定において、初期剤検知時出力Vt_1が2.7±0.2[V]の範囲内になかった場合には(S3でN)、制御フローを上記S1に戻して制御を初めからやり直す。但し、このやり直しが3回目である場合には(S4でY)、トナー濃度センサのコネクタ接触不良やセンサ自体の異常が疑われるため、「センサエラー」などといったエラーメッセージを表示させて(S5)、装置を緊急停止させる(S6)。
一方、初期剤検知時出力Vt_1が2.7±0.2[V]の範囲内であった場合には(S3でY)、RAM内に記憶しておいた初期剤検知時出力Vt_1を、その値に更新した後(S7)、メモリ回路基板のメモリチップに記憶されている感度情報を読み込む(S8)。そして、この感度情報と、初期剤検知時出力Vt_1とに基づいて、トナー濃度が5[%]から7[%]に上昇したと仮定した場合におけるトナー濃度センサからの出力電圧Vtを算出する(S9)。更に、この算出結果を、その現像ユニット(交換された現像ユニット)におけるトナー濃度センサからの出力電圧Vtの目標値であるVt_refとして制御部のRAMに記憶する(S10)。このようにして目標値Vt_refを求めたら、出力電圧Vtが目標値Vt_refになるまで、上述したトナー供給装置を駆動して現像ユニット内にトナーを補給する。これにより、現像ユニット内の現像剤のトナー濃度を7[%]に上昇させる(S11)。
このように、本プリンタにおいては、現像ユニットが交換されたら、トナー濃度センサの校正を行った後、現像ユニット内の初期剤のトナー濃度を5[%]から7[%]に上昇させる。そして、この後、プリントプロセスを実行する。初期剤のトナー濃度をプリントプロセス実行時の7[%]よりも低い5[%]としているのは、次の理由による。即ち、初期剤中のトナーは、撹拌による摩擦帯電が全く行われていないため、攪拌時にトナー飛散を起こし易い。このため、初期剤のトナー濃度をプリントプロセスと同等にしていると、それだけトナー飛散量が多くなる。そこで、初期剤のトナー濃度を5%と低く抑えておき、初期攪拌時のトナー飛散を抑えているのである。
先に説明したように、本プリンタでは、第2剤収容部内にセットされた現像剤について初期剤よりもトナー濃度の高いものであると判断した場合には、図7に示した初期剤検知時出力調整処理を実施しないようになっている。これは次に説明する理由による。即ち、本プリンタでは、メモリチップに記憶されている現像ユニットIDに基づいて現像ユニットの交換の有無を監視し、交換を検知したときにだけ初期剤投入適否判定処理(図6)や初期剤検知時出力調整処理(図7)を実施するようになっているが、交換された現像ユニットが新品であるとは限らない。例えば、他のプリンタで使用された中古の現像ユニットが装着された場合にも、現像ユニットの交換が検知されてそれらの処理が実行される。中古の現像ユニット内における現像剤のトナー濃度は、初期剤の5%よりも高い7%となっている。にもかかわらず、それを初期剤であるとみなして初期剤検知時出力調整処理(図7)を行ってしまうと、トナー濃度7%時の出力電圧Vtを基準にして、目標値Vt_refがそれよりも低く設定される。そして、これにより、プリントプロセスにおいて、トナー濃度が7%よりも高く維持されて、現像濃度過多やトナー飛散を引き起こしてしまう。そこで、本プリンタでは、上述したように、初期剤投入適否判定処理において、初期剤基準値Vt_0bと、トナー濃度センサからの出力電圧とに基づいて、第2剤収容部にセットされた現像剤について、初期剤であるか、それよりもトナー濃度の高いものであるかを判定する。そして、後者の場合には、初期剤検知時出力調整処理(図7)を実施しないようになっている。これにより、中古の現像ユニットが装着されたことに起因する現像濃度過多やトナー飛散を回避することができる。
図8は、中間転写ベルト41の一部を、光学センサユニット136とともに示す斜視図である。本プリンタの制御手段は、図示しない電源スイッチがONされた直後や、所定時間が経過する毎などの所定のタイミングで、セルフチェックと呼ばれる処理を行うようになっている。このセルフチェックでは、中間転写ベルト41の幅方向の一端部に、Kトナー像たる複数のK基準パッチからなるK階調パターン画像Pkが形成される。また、中間転写ベルトの幅方向の他端部に、Yトナー像たる複数のY基準パッチからなるY階調パターン画像Pyが形成されている。また、図示を省略しているが、このY階調パターン画像Pyに続いて、複数のC基準パッチからなるC階調パターン画像や、複数のM基準パッチからなるM階調パターン画像も形成される。
中間転写ベルト41の上方には、第1光学センサ137と第2光学センサ138とからなる光学センサユニット136が配設されている。第1光学センサ137は、発光手段から発した光を集光レンズに通した後、中間転写ベルト41の表面で反射させ、その反射光を受光手段で受光する。そして、受光量に応じた電圧を出力する。中間転写ベルト41の一端部に形成されたK階調パターン画像Pk内の各K基準パッチが、第1光学センサ137の直下を通過する際には、第1光学センサ137の受光手段による受光量が大きく変化する。これにより、第1光学センサ137は、K基準パッチの画像濃度(単位面積あたりのトナー付着量)に応じた電圧を出力する。なお、発光手段としては、トナー像を検出するために必要な反射光を作り得る光量をもつLED等が用いられている。また、受光手段としては、多数の受光素子が直線状に配列されたCCDなどが用いられている。また、同様にして、第2光学センサ138は、Y,C,M基準パッチの画像濃度に応じた電圧を出力する。
図9は、本複写機によって行われるセルフチェックにおける制御フローを示すフローチャートである。セルフチェックでは、まず、電源オン時の状態をジャム等の異常処理時と区別する目的で定着ユニット(60)の定着ベルト(64)の表面温度を検出する。そして、この検出結果について100[℃]を超えているか否かを判断し、100[℃]を超えている場合には、セルフチェックを実行しない。これに対し、100[℃]を超えていない場合には、セルフチェックを実行する。つまり、本プリンタにおいては、電源ON直後における定着ベルトの表面温度が100[℃]を超えていないという条件を具備するか否かが制御部によって判断され、具備する場合にセルフチェックを実行する。
セルフチェックにおいては、まず、2つの光学センサについて、LEDをOFFしている状態での出力電圧値をVoffsetとして検知する(S700)。次に、プロッタ立ち上げ動作を行う(S701)。このプロッタ立ち上げ動作では、各感光体モータ、中間転写ベルトモータ、2次転写モータ等のモータ負荷の起動と、決められた作像タイミングに従った帯電、現像、転写バイアスの立ち上げとを行う。このとき、中間転写ベルトモータの起動によって中間転写ベルト41の駆動を開始するのであるが、同時に光学センサのLEDをONする。
次に、所定条件で一様に帯電せしめた各感光体の表面電位Vdを図示しない電位センサによって検知した後(S702)、検知結果に基づいて帯電装置(例えば5Y)における帯電バイアスを調整する(S703)。そして、Vsg調整処理を行う(S704)。このVsg調整処理では、中間転写ベルト41の地肌部からの反射光を検知する光学センサからの出力電圧値Vsg_regがある所定範囲内(例えば4.0±0.2V)になるように光学センサのLED発光量を調整する。そして、調整後における出力電圧値をRAMに記憶する。なお、S702〜S703の処理は、各色のプロセスユニットで並列して行われる。また、S704の処理は、2つの光学センサ(137、138)ついて並列して行われる。
このようにして前処理を行った後には、電位設定値調整処理を行う。具体的には、まず、それぞれ互いにトナー付着量が異なる10個の基準パッチからなるY−10階調パターン画像(Py)、C−10階調パターン画像(Pc)、M−10階調パターン画像(Pm)、K−10階調パターン画像(Pk)を形成する(S705)。そして、これら階調パターン像を互いに40[mm]の間隔をあけて配設された2つの光学センサによって検知し(S706)、それぞれの結果をK−Vsp_reg−i、Y−Vsp_dif−i、C−Vsp_dif−i、M−Vsp_dif−i(iは1〜10)としてRAMに格納する。このとき、同時に、感光体上における各階調パターン部電位に対する電位センサの出力値を読み込んでRAMに格納する。なお、各基準パッチのサイズは15×20mmであり、各基準パッチは互いに間隔10mmをあけて配設されている。
次に、RAM504に記憶しておいた電位センサの電位出力値と、パターン作像時現像バイアスとから現像ポテンシャルを計算する(S707)。同時に、各基準パッチにおけるトナー付着量を所定の付着量算出アルゴリズムに基づいて計算する。このとき、付着量算出アルゴリズムは、Kトナー付着量と、カラー(Y、C、M)トナー付着量とで別のものを用いる。
トナー付着量を計算したら、次に、現像γの計算を行う(S708)。S707で求められた現像ポテンシャルと、各基準パッチのトナー付着量との関係を示す直線近似式(傾きを現像γと呼び、x切片を現像開始電圧と呼ぶ)を計算するのである。
現像γを計算したら、次に、狙いのトナー付着量を得るのに必要な現像ポテンシャルを現像γに基づいて特定した後(S709)、この現像ポテンシャルにマッチした感光体帯電電位Vd、現像バイアスVb、光書込強度VLを、予めRAM内に記憶しておいた電位テーブルに基づいて特定する(S710)。但し、このとき、現像剤のトナー濃度が適正値からずれていることがある。現像剤中の透磁率は、トナー濃度だけでなく、湿度等の環境によっても変化するため、トナー濃度センサからの出力電圧値を上述の目標値Vt_refの付近で安定させるようにトナー補給を行っていても(トナー濃度を一定範囲内に維持していても)、画像濃度が増減してしまうからである。このため、制御部は、現像ユニットのメモリ回路基板のメモリチップ内からトナー濃度センサの感度情報を読み込んで、この感度情報と、現像γと、階調パターン像内における所定の基準パッチに対するトナー付着量(画像濃度)とに基づいて、目標値Vt_refを適切に補正する。そして、補正後の目標値Vt_refに見合った感光体帯電電位Vd、現像バイアスVb、光書込強度VLを、上記電位テーブルから特定する。
各電位を特定したら、光書込ユニット(20)を制御する図示しないレーザー制御回路を介して半導体レーザーのレーザー発光パワーが最大光量となるように制御し、上記電位センサの出力値を取り込むことによって感光体の残留電位を検出する(S711)。そして、その残留電位が0でない時には、先にS710で特定しておいたVd、Vb、VLに対してその残留電位分の補正を行って目標電位とする(S712)。
その後、各色並行して感光体の帯電装置による帯電電位Vdが上記目標電位になるように図示しない電源回路を調整した後(S713)、レーザー制御回路を介して半導体レーザーにおけるレーザー発光パワーを感光体の表面電位VLが上記目標電位になるように調整する(S714)。そして、各色の現像ユニットにおける現像バイアス電位Vbについて、それぞれ上記目標電位になるように電源回路を個別に調整した後、それぞれの調整値をプリント動作時における作像条件として記憶する(S715)。
このようにして電位設定値調整処理を終えて、各色について狙いのベタ濃度が得られるような作像ポテンシャルを調整したら、次に、中間調光書込γ補正処理を行う。この中間調光書込γ補正処理では、各色について、それぞれ16階調パターン像を作成し(S716)、これらを中間転写ベルト41上で光学センサによって検知する(S717)。そして、検知結果に基づいて、各基準パッチのトナー付着量を求める(S718)。更に、中間調補正としてLD(レーザーダイオード)書込み値に対してその付着量データをプロットする。そして、プロット結果に基づいて理想的な中間調特性に対するずれ量を算出した後(S719)、算出結果に基づいて各LD書込み値の入力値に対する補正処理を行って、補正結果(プロコンγテーブル)を書込γにフィードバックする(S720)。
以上でセルフチェックの全ての処理動作が終了となるため、プロッタの立ち下げ処理を行ってセルフチェックを終了する(S721)。
以上のようにしてセルフチェックを行うことで、環境が変化したり、各部材が徐々に劣化していったりしても、安定した濃度の画像を形成することができる。
また、本プリンタの制御部は、Y,C,M,Kの各色についてそれぞれ、トナー供給装置に対して駆動命令を出しているにもかかわらず、トナー濃度センサからの出力電圧Vtがなかなか上昇しないときには、そのことに基づいてトナーニアエンドであると判断する。つまり、トナーカートリッジ(900Y,C,M,K)内のトナー残量が少なくなっている(ニアエンドである)ため、トナー供給装置による単位時間あたりのトナー供給量が低下していると判断するのである。この判断にあたっても、メモリ回路基板のメモリチップに記憶されている感度情報を読み込み、それと、目標値Vt_refとに基づいて、ニアエンドと判定するためのトナー濃度センサからの出力電圧Vtの閾値を計算する。例えば、目標値Vt_refが3.2[V]である場合には、出力電圧Vtが3.2[V]からどれだけ上昇すれば、トナー濃度がそのときよりも1[%]減少している状態になるのかを感度情報から求める。そして、その値を、ニアエンド判定用の閾値として採用し、トナー供給装置を作動させているにもかかわらず、出力電圧Vtが閾値を上回る状態が所定時間続いたら、ニアエンドと判定する。
次に、実施形態に係るプリンタに、より特徴的な構成を付加した各実施例について説明する。
[第1実施例]
実施形態に係るプリンタでは、初期剤投入適否判定処理におけるレベル調整電圧Vcntを4.5[V]に一律に設定していた。ところが、トナー濃度センサによっては、剤存否を判定する際におけるレベル調整電圧Vcntを、4.5[V]とは異なる値にした方が、判定精度をより向上させ得る場合がある。
そこで、第1実施例に係るプリンタでは、各色の現像ユニットにおいてそれぞれ、メモリ回路基板のメモリチップに、レベル調整電圧Vcntの基準値であるレベル基準値Vcnt_0も記憶させている。そして、初期剤投入適否判定処理において、そのレベル基準値Vcnt_0をメモリチップから読み込ませ、それと同じ値のレベル調整電圧Vcntをトナー濃度センサに入力した状態で、剤存否の判定(図6のS8)を実施させるように、制御部を構成している。
かかる構成では、剤存否判定処理時のレベル調整電圧Vcntをセンサに関係なく一律に設定する場合よりも、剤存否の判定精度を向上させることができる。
[第2実施例]
図10は、第2実施例に係るプリンタのトナー濃度センサにおける内部回路と、メモリ回路基板における回路とを示す回路図である。なお、トナー濃度センサやメモリ回路基板の構成は、Y,C,M,Kで互いに同じであるため、同図においては、符号の末尾に付すY,C,M,Kという添字を省略している。同図において、トナー濃度センサ10は、発振回路100、共振回路110、位相比較回路120、平滑化回路130、増幅回路140などを有している。また、現像ユニットのケーシングの上面に固定されたメモリ回路基板19は、不揮発性メモリであるメモリチップ150を有している。
図11は、各回路に駆動電力を供給する駆動電源装置160と、トナー濃度センサ(10)やメモリチップ150との接続状態を示す回路図である。同図において、駆動電源装置160や減圧回路170は、プリンタ本体側に固定されている。また、発振回路100、位相比較回路120、平滑化回路130及び増幅回路140は、現像ユニットに搭載されたトナー濃度センサ(10)の中に格納されており、現像ユニットは上述したようにプリンタ本体に対して着脱される。このように着脱される現像ユニットに搭載されたメモリ回路基板には、上述したように、メモリチップ150が実装されている。
現像ユニットのプリンタ本体に対する着脱操作に伴って、トナー濃度センサやメモリ回路基板と、これらに駆動電力を供給する駆動電源装置160との導通線を接断する必要がある。そこで、本プリンタでは、駆動電源装置160と、トナー濃度センサやメモリ回路基板とを、コネクタ28を介して接続している。このコネクタ28のオスコネクタとメスコネクタとの係合をはずすことで、導通線を容易に切り離すことができる。
駆動電源装置160からは、約12Vの電圧が出力される。トナー濃度センサの平滑化回路130や増幅回路140に対しては12Vの駆動電圧の供給が必要であるため、駆動電源装置160からの導通線がコネクタ28を介してそれらに接続されている。これにより、平滑化回路130に設けられたOPアンプや、増幅回路140に設けられたOPアンプには、12V電圧が入力される。
これに対し、トナー濃度センサの発振回路100や位相比較回路120に対しては、5Vの駆動電圧の供給が必要である。また、メモリチップ150に対しても、5Vの駆動電圧の供給が必要である。これらに12Vの駆動電圧を供給してしまうと、誤動作や故障を引き起こしてしまう。
そこで、本プリンタにおいては、駆動電源装置160から、発振回路100、位相比較回路120、及びメモリチップ150に対する導通線については、コネクタ28の上流側に、減圧手段たる減圧回路170を介在させている。これにより、駆動電源装置160からの12[V]の出力を、減圧回路170によって5[V]に減圧してから、発振回路100、位相比較回路120、及びメモリチップ150に供給することができる。
なお、減圧回路170を、駆動電源装置160の内部に設けてもよい。また、メモリチップ150に対する駆動電力の供給は、チップ内に記憶されている情報を読み込んだり、チップ内に情報を書き込んだりする際に、メモリチップ150を駆動するのに必要となる。メモリチップ150に対しては、この駆動電力を供給するための導通線の他、チップと後述する制御部との通信を行うための信号線や、チップに対して書込命令や読み込み命令を出すための信号線の接続が必要になる。一般的なメモリチップの場合には、更に、チップ内の情報を保持させるためのメモリ保持電力を供給するための電気線の接続も必要になるが、本プリンタでは、メモリチップ150として不揮発性メモリを用いているので、この電気線の接続は不要である。つまり、駆動電源装置160とメモリチップ150とが切り離されていても、メモリチップ150内のメモリは保持される。
先に示した図10において、図11に示した駆動電源装置160から減圧回路170を介して5[V]が入力される発振回路100は、水晶やセラミックスなどの発振子101を用いて、約4[MHZ]の周波数の信号を発振する。そして、この5[V]の電圧を図12の(A)に示すような約4[MHZ]の矩形の波形の電圧Vに変換して共振回路110に出力する。
共振回路110は、抵抗R3と第1のコイルL1とからなる第1共振回路と、第1コイルL1と磁気的結合係数kで結合された第2のコイルL2からなる第2共振回路を有している。また、第1共振回路と第2共振回路とで共有される3つのコンデンサC1、C2、C3からなる共有コンデンサからなっている。このように、第1共振回路と第2の共振回路とでコンデンサを共有することで、第1の共振回路と第2の共振回路とを同等の共振特性とすることができる。第2のコイルL2は、第1のコイルL1と対向して設けられており、共振点を形成している。発振回路100からの出力Vは、抵抗R3を介して第1コイルL1に入力される。発振回路100からの出力Vを抵抗R3を介して第1コイルL1に入力することで、共振点での入力インピーダンスを大きくすることができる。また、抵抗R3によって、発振回路100が共振回路110の影響を受けて発振が安定しなくなるのを防止することができる。また、第1のコイルL1及び第2のコイルL2の自己インダクタンスは、8.15[μH]としている。
第2の共振回路は、第1のコイルL1に入力された電圧Vを共振点で打ち消すような電圧Vが第2のコイルL2から出力される。このとき、第1のコイルL1と第2のコイルL2との近傍にある現像剤111の透磁率により第1のコイルL1と第2のコイルL2間の相互インダクタンスが変化し、第2のコイルL2から出力される出力値Vが変化する。
現像ユニット内の現像剤の透磁率は、磁性キャリアと非磁性トナーとの混合比によって変化し、トナー濃度が低くなるほど、現像剤の透磁率が高くなる。第2共振回路の第2コイルLから出力された電圧Vは、図12の(B)に示すようなサイン(sin)波となっている。図12の(B)の実線は、現像剤のトナー濃度が適正値の時における波形を示している。また、図12(B)の破線は、トナー濃度が適正値よりも低い時における波形を示している。このように、現像剤のトナー濃度が変化することで、共振点における相互インピーダンスが変化し、第2コイルL2から出力される波形に位相差が生じることがわかる。
第2共振回路の第2コイルLから出力された電圧Vも、サイン波となっており、このサイン波が位相比較回路120に入力される。位相比較回路120は、入力されたサイン波を反転増幅するための反転増幅器IC2−2と、反転増幅器から出力された出力値Vと発振回路100からの出力値Vとを比較する比較器IC2−3を有している。
反転増幅器IC2−2は、図示しない電源回路からの直流電圧と第2コイルL2から出力されたサイン波の交流電圧Vとを入力し、XOR演算を実行し、図12の(C)に示すような矩形の波形を出力する。また、比較器IC2−3は、図12の(A)に示した発振回路120からの出力Vと、図12の(C)に示した反転増幅器IC2−2からの出力Vとを入力してXOR演算を実行する。すると、図12の(D)に示すような位相成分のみが比較器IC2−3から出力される。実線で示すようなトナー濃度が適正の場合に比較器IC2−3から出力される出力波形に比べて、破線で示すトナー濃度が低い場合に比較器IC2−3から出力される出力波形のONの間隔が長くなっていることがわかる。このような出力波形が位相比較回路から出力Vされて平滑化回路130に入力される。
平滑化回路130は、OPアンプIC−1を備えており、このOPアンプから図12の(E)に示すようなフラットな波形を出力する。この出力波形Vは、図12の(D)に示した波形の平均値である。実線は、トナー濃度が適正の場合の出力電圧V5−1であり、破線は、トナー濃度が適正値より低い場合の出力電圧V5−2である。このように、トナー濃度が適正値より低い場合の破線で示す出力電圧V5−2は、図12の(D)に示すように、出力波形のONの間隔が長くなっているため、出力電圧がトナー濃度適正の出力電圧V5−1にくらべて高くなっているのがわかる。
平滑化回路130からの出力値Vは、増幅回路140で増幅される。平滑化回路130から出力される出力値Vは、トナー濃度差が最大の場合でも、約0.5[V]位しか差が出ない。そこで、この増幅回路140で制御電圧Vcontと平滑化回路130から出力される出力電圧Vとの差分を4倍に増幅して、トナー濃度センサ10の出力電圧Voutが得られる。
図13は、本プリンタにおけるY,C,M,K用のトナー濃度センサ10Y,C,M,Kと、制御部200との接続状態を示す回路図である。制御部200は、プリンタ本体に固定されており、図示しないCPUやRAM等から構成されている。あるいは、CPUやRAM等の組合せと同等の機能を発揮するASICとなっている。制御部200は、Y,C,M,K用のトナー濃度センサ10Y,C,M,Kに対して、PWM信号をそれぞれ個別に出力するためのPWM端子であるPWM1〜4を有している。また、Y,C,M,K用のトナー濃度センサ10Y,C,M,Kからの出力電圧Vout(これはこれまで説明してきた出力電圧Vtと同意である)をそれぞれ個別に入力するためのADC端子であるADC端子1〜4も有している。
PWM信号(Pulse Wide Modulation:パルス幅変調信号)とは、周知の通り、ハイレベル(本例では5V)と、ローレベル(本例では0V)とが所定の周波数で切り換えられて出力される信号である。上述したように、各トナー濃度センサ10Y,C,M,Kに対しては、様々な値のレベル調整電圧を入力する必要がある。そのために、レベル調整電圧を微調整する微調整回路を設けるとコストアップを引き起こしてしまう。そこで、5[V]のハイレベルと、0[V]のローレベルとを短時間で切り換えて、パルス幅のONとOFFの比率(デューティー)を変化させることで、ハイレベルとは異なる電圧を出力したのと同じ効果を得るのである。これにより、5[V]のパルス波しか出力できない制御部200であっても、4.5[V]などのレベル調整電圧Vcntをトナー濃度センサに入力することができる。
ADC端子1,2,3,4には、Y,C,M,K用のトナー濃度センサ10Y,C,M,Kから出力される出力電圧Vout(Vt)のアナログ信号が入力されるが、これは制御部200内において、図示しないA/Dコンバータによってそれぞれデジタル信号に変換される。これにより、制御部200は、トナー濃度センサ10Y,C,M,Kからの出力電圧を把握することができる。
制御部200は、周知のSCL(シリアル・クロック)端子やSDA(シリアル・データ)端子を具備するマスタデバイス201も備えている。これら端子は、それぞれ、各トナー濃度センサ10Y,C,M,Kに対して個別に接続されているのではなく、各センサに対して共通に接続されている。但し各色のトナー濃度センサ10Y,C,M,Kにそれぞれ搭載されたメモリチップには、それぞれ固有のアドレスが割り当てられている。これにより、マスタデバイス201と各トナー濃度センサ10Y,C,M,Kとで、1対1の通信ができるようになっている。
先に示した図10において、制御部から出力されたPWM信号としてのレベル調整電圧Vcntは、増幅回路140のOPアンプICI−2に入力される。このようにレベル調整電圧VcntをOPアンプICI−2に導くための信号線は、図示のように、メモリ回路基板19のメモリチップ150のA0端子にも接続されている。このA0端子は、メモリチップ150に対して、書込命令信号や読み込み命令信号を入力するための端子である。つまり、本プリンタでは、制御手段たる制御部200からのレベル調整電圧Vcntをトナー濃度センサ10(Y,C,M,K)に導く信号線と、制御部200からの情報書込命令信号や情報読込命令信号を特性情報記憶手段たるメモリチップ150に導く信号線とを共用している。
メモリチップ150に対する書込命令信号は、0[V]よりも値の大きな電圧に設定されている。また、読込命令信号は、0[V]に設定されている。かかる構成では、制御部200から出力されたレベル調整電圧Vcntが書込命令信号の電圧と偶然に同じになると、メモリチップ150に対して書込命令が誤って行われてしまう。そこで、本プリンタでは、書込命令信号の電圧として、PWM信号のハイレベルと同じ5[V]を採用している。そして、レベル調整電圧Vcntの上限値をこれよりも低い例えば4.7[V]としている。これにより、レベル調整電圧Vcntと、書込命令信号の電圧とを異なる値にして、トナー濃度センサ10にレベル調整電圧Vcntを出力しているときに、メモリチップ150に対して書込命令を誤ってしてしまうという誤動作の発生を回避することができる。なお、レベル調整電圧VcntにPWM信号を採用せず、電圧調整回路からアナログ的に微調整したレベル調整電圧Vcntを出力する場合であっても、レベル調整電圧Vcntの出力値範囲と、書込命令信号の電圧値とを異ならせることで、同様に、誤動作の発生を回避することができる。
制御部200は、図示しない電源が投入された直後には、マスタデバイス201(IC)の制御を停止して、SCLとSDAを非アクティブ状態とする。これにより、各色のメモリチップ(150Y,C,M,K)と制御部200との間では通信が行われず、メモリチップの上記A0端子に電圧が印加されない状態であっても、メモリチップにおける情報の読込は行われない。
次に制御部200は、各色のトナー濃度センサに対して、PWM信号からなる4.5[V]などのレベル調整電圧Vcntを出力して、それぞれのトナー濃度センサから0[V]を超える出力電圧Vtが返ってくるか否かをチェックする。このとき、0[V]を超える出力電圧Vtが返って来ない場合には、その色(Y,C,M又はK)の現像ユニットがセットされていないか、あるいは、図11に示したコネクタの雄雌が互いに嵌め込まれていないか、の何れかである。本プリンタでは、図13に示したPWM端子からの信号線、ADC端子からの信号線、SCL、SDAも、それぞれコネクタ28を介してトナー濃度センサに接続しているからである。そこで、0[V]を超える出力電圧Vtが返って来ない場合には、「現像ユニットがセットされていないか、あるいはコネクタが接続されていないために、エラーが発生しました」などといったエラーメッセージを表示させる。
全ての色について、現像ユニットが正常にセットされていると判断した場合には、次に、各色の現像ユニットについて、新品であるか否かをチェックする。このとき、制御部200は、メモリチップ内に記憶されている新品フラグ情報を読み込んで、セット中であるか否かを判断する。即ち、本プリンタにおいては、メモリチップ内に、現像ユニットの個別情報である新品フラグ情報も記憶している。この新品フラグ情報は、工場出荷時にはセット状態の値(例えば「1」)に設定されている。また、上述した初期剤検知時出力調整処理が正常に終了すると、制御部200からの命令によって解除状態の値(例えば「0」)に更新される。よって、メモリチップ内に記憶されている新品フラグ情報がセット中の値であるか、解除中の値であるかを判断することで、現像ユニットについて新品であるか否かを判断することができる。メモリチップ内の新品フラグ情報を読み込む場合には、制御部200は、各色のトナー濃度センサ10Y,C,M,Kに対するレベル調整電圧Vcntをそれぞれ0[V]にした状態で、マスタデバイス201から、アドレス指定の信号と、新品フラグ情報を指定するための信号とが出力される。これにより、Y,C,M,Kのうち、何れかの色の現像ユニットにおけるメモリチップに対して、新品フラグ情報が指定される同時に、読込命令信号(0V)がなされることになり、そのメモリチップから新品フラグ情報の内容がシリアルデータとしてSDAに送信される。
現像ユニットの新品検知の制御が終わったら、次に誤セット判定処理が行われる。この誤セット判定処理では、メモリチップ内に記憶されている色情報が制御部200に読み込まれる。即ち、本プリンタでは、メモリチップ内に色情報も記憶している。この色情報は、Y用の現像ユニットであれば、Y色を示す情報になっている。よって、メモリチップ内の色情報を読み込んで、その色情報と、読込先として指定したアドレスに対応する色とを比較することで、例えばY用の現像ユニットをセットすべき位置に、K用の現像ユニットをセットしてしまった、などといった誤セットを検知することができる。色情報の読込についても、新品フラグ情報の読込と同様にして、メモリチップと制御部200との間で通信が行われる。そして、制御部200は、誤セットを検知した場合には、誤セット検知エラーメッセージを操作表示部に表示させる。
なお、メモリチップに、現像ユニットIDや新品フラグ情報などの個別情報に加えて、例えば、現像ユニットの部品の使用履歴、故障発生履歴、使用時間(コピー枚数)、などの個別情報も記憶させておき、それに基づいて例えば現像ユニットの例えば寿命の到来を判定させるなどしてもよい。更には、個別情報として、保守点検サービス機関情報、消耗部品の寿命情報、製造年月日情報などを記憶させてもよい。
また、メモリチップをトナー濃度センサと別体に設けた例について説明したが、センサ内に設けてもよい。但し、メモリチップをトナー濃度センサと別体に設ければ、トナー濃度センサとして、一般に市販されている汎用の高感度センサを用いることができるのに対し、センサ内に設ける場合には、トナー濃度センサとして、本プリンタのために専用に製造したものを用いる必要が生じ、コスト高になる。
[第3実施例]
本第3実施例に係るプリンタにおいては、各色の現像ユニットのメモリチップ内にそれぞれ、撹拌手段たる第2搬送スクリュウ(例えば図2の11Y)による撹拌速度情報を記憶している。上述した初期剤投入適否判定処理においては、現像ユニットに駆動力を送るプロセスモータを所定の回転速度で駆動させるため、基本的には、第2搬送スクリュウによる撹拌速度は、駆動伝達系内で生ずる誤差範囲に収まる。このため、通常であれば、撹拌速度を考慮しなくても、剤存否の判定結果に与える影響は少ない。しかしながら、上述したように、現像ユニットのモデルチェックなどによって、設計上のギヤ比が途中で変更された場合には、旧モデルの撹拌速度と、新モデルの撹拌速度とが異なってくる。そして、これにより、ブランク基準値Vt_0aや初期剤基準値Vt_0bを補正するための補正式における係数(α、β、γ、k)が、適切な値からずれてしまう。
そこで、本プリンタでは、メモリチップ内に記憶されている撹拌速度の情報に基づいて、上述したα、β、γ、kの係数を補正するようになっている。なお、撹拌速度をメモリチップに記憶させておく代わりに、α、β、γ、kの各係数を記憶させてもよい。
これまで、複数のプロセスユニット1Y,C,M,Kを用いてカラー画像を形成するプリンタの例について説明したが、感光体や現像装置をそれぞれ1つしか有しておらず、モノクロ画像だけを出力する画像形成装置にも本発明の適用が可能である。
また、メモリチップ(150)を現像装置たる現像ユニットに設けた例について説明したが、現像装置を具備するプロセスユニットに設けてもよい。
以上、実施形態や各実施例に係るプリンタにおいては、特性情報記録媒体として、ブランク基準値Vt_0aなどの特性情報を電気的に記憶する特性情報記憶手段たるメモリチップ(150)を用いているので、特性情報を制御部200に自動で読み込ませることが可能である。これにより、特性情報が記録されているバーコードを読み取らせるなどといったユーザーの手間を省くことができる。
また、実施形態や各実施例に係るプリンタにおいては、特性情報として、トナー濃度センサ(10Y,C,M,K)からの出力信号の基準値である出力基準値としてのブランク基準値Vt_0aを特性情報記憶手段たるメモリチップに予め記憶させておき、そのブランク基準値Vt_0aと、トナー濃度センサからの出力信号値Vtとの比較結果に基づいて供給剤収容部内たる第2剤収容部(例えば図2の14Y)における初期剤の存否を判定する剤存否判定処理(図6のS8)を実施させるように、制御手段たる制御部を構成している。かかる構成では、上述したように、トナー濃度センサとして高感度センサを用いた場合であっても、センサ毎の特性のバラツキに起因する剤存否の誤判定の発生を回避することができる(表1)。
また、第3実施例に係るプリンタにおいては、メモリチップ内に撹拌手段たる第2撹拌スクリュウの撹拌速度情報を予め記憶させておき、剤存否判定処理にて、ブランク基準値Vt_0aをその撹拌速度情報に基づいて補正させるように制御部を構成している。かかる構成では、モデルチェンジによって第2撹拌スクリュウによる撹拌速度が変更された場合であっても、ブランク基準値Vt_0aをそれに応じて適切に補正して、初期剤の存否を適切に判定することが可能となる。そして、これにより、撹拌速度が変更されたことに起因する誤判定の発生を回避することができる。
また、第1実施例に係るプリンタにおいては、トナー濃度センサからの出力信号のレベルを調整するためにトナー濃度センサに入力するレベル調整信号(レベル調整電圧Vcnt)の基準値であるレベル基準値Vcnt_0も、トナー濃度センサの特性情報としてメモリチップ内に記憶させている。そして、剤存否判定処理(図6のS8)にて、レベル基準値Vcnt_0と同じ値のレベル調整信号Vcntを入力しているトナー濃度センサからの出力信号値と、ブランク基準値Vt_0aとの比較結果に基づいて初期剤の存否を判定させるように、制御部を構成している。かかる構成では、剤存否判定処理のときに、トナー濃度センサの個体差にかかわらず、所定のレベル調整電圧Vcntを一律にトナー濃度センサに入力する場合に比べて、剤存否の判定精度を向上させることができる。
また、実施形態や各実施例に係るプリンタにおいては、現像装置たる現像ユニットとして、所定のトナー濃度(5%)に調整された新品の現像剤である初期剤を収容する初期剤収容部(例えば図2の17Y)が、供給剤収容部たる剤収容部(例えば図2の9Yや14Y)とは別に設けられているものを用いている。そして、剤存否判定処理における判定結果に基づいて、初期剤収容部から供給剤収容部への初期剤投入について適切に行われたか否かを判定する初期剤投入適否判定処理(図6)を実施させるように、制御部を構成している。かかる構成では、剤存否の判定結果に基づいて、初期剤収容部内の初期剤が供給剤収容部に適切にセットされたか否かを適切に判定することができる。
また、実施形態や各実施例に係るプリンタにおいては、初期剤投入適否判定処理(図6)で初期剤投入について適切であると判定した場合には、トナー濃度センサに入力するレベル調整電圧Vcntを調整することで、初期剤を被検対象としているトナー濃度センサからの出力信号値である初期剤出力値としての初期剤検知時出力Vt_1を所定の範囲内に調整する初期剤出力値調整処理(図7)を実施させるように、制御部を構成している。かかる構成では、初期剤検知時出力Vt_1が所定の範囲内(2.7±0.2V)にないことに基づいて、トナー濃度センサの異常や、コネクタの接触不良などを検知することができる。
なお、実施形態や各実施例に係るプリンタにおいて、初期剤出力値たる初期剤検知時出力Vt_1を所定の範囲内に調整したときのレベル調整電圧Vcntについて所定の範囲内にあるか否かを判定するレベル調整値適否判定処理を実施させるように制御部を構成すれば、トナー濃度センサの異常を検知させることができるようになる。
また、実施形態に係るプリンタや各実施例のプリンタにおいては、ブランク基準値Vt_0aに加えて、トナー濃度センサからの出力信号の第2基準値である第2出力基準値としての初期剤基準値Vt_0bもメモリチップ内に予め記憶させている。そして、初期剤基準値Vt_0bと、トナー濃度センサからの出力電圧との比較結果に基づいて供給剤収容部たる第2剤収容部内の現像剤について初期剤であるか否かを判定し、初期剤である場合にだけ初期剤出力値調整処理を実施するように、制御部を構成している。かかる構成では、上述したように、中古の現像ユニットが装着されたことに起因する現像濃度過多やトナー飛散を回避することができる。
また、実施形態や各実施例に係るプリンタにおいては、初期剤投入適否判定処理で初期剤投入について不適切であると判定した場合や、初期剤出力値調整処理でトナー濃度センサからの出力信号値を所定の範囲(2.7±0.2Vに調整することができなかった場合には、警報発信手段たる操作表示部から警報たるエラーメッセージを発信させる処理を実施するように、制御部を構成している。かかる構成では、初期剤が正常にセットされなかったり、トナー濃度センサに異常があったりした場合に、それをユーザーに知らせることができる。
また、第2実施例に係るプリンタにおいては、図10に示したように、制御部200からのレベル調整電圧Vcntをトナー濃度センサに導く信号線と、制御部200からの情報書込命令信号や情報読込命令信号をメモリチップに導く信号線とを共用しているので、共用しない場合に比べて小型化や低コスト化を図ることができる。
また、第2実施例に係るプリンタにおいては、レベル調整電圧Vcntと、メモリチップに対する情報書込命令信号又は情報読込命令信号とを、互いに異なる電圧値で出力させるように、制御部を構成している。かかる構成では、上述したように、トナー濃度センサ10にレベル調整電圧Vcntを出力しているときに、メモリチップ150に対して書込命令を誤ってしてしまうという誤動作の発生を回避することができる。
また、第2実施例に係るプリンタにおいては、制御部200からのレベル調整電圧Vcntをトナー濃度センサに導く信号線を途中で接断するためのコネクタと、制御部からの情報書込命令信号や情報読込命令信号をメモリチップに導く信号線を途中で接断するためのコネクタとを、一体にしている(何れのコネクタも図11の28)。かかる構成では、1つのコネクタを抜き差しすることで、レ寝る調整電圧Vcntの信号線と、情報書込命令信号や情報読込命令信号の信号線とを接断して、操作性を向上させることができる。
また、第2実施例に係るプリンタにおいては、メモリチップとの情報通信を停止した状態で、レベル調整電圧Vcnt(0Vよりも大きい)をトナー濃度センサに対して出力させるように、制御部200を構成している。かかる構成では、メモリチップとの情報通信と、トナー濃度センサからの出力電圧Vtの取得とを、確実に区分けしておこなうことができる。
また、実施形態や各実施例に係るプリンタにおいては、潜像担持体たる感光体から転写体たる中間転写ベルト41に転写されたトナー像である基準パッチ、に対する単位面積あたりのトナー付着量を検知するトナー付着量検知手段たる光学センサ(137、138)と、供給剤収容部にトナーを補給するトナー補給手段たるトナー供給装置とを設けている。そして、特性情報として、トナー濃度センサの感度情報をメモリチップに予め記憶させている。更に、上述したセルフチェックにおいて、供給剤収容部たる第2剤収容部内の現像剤を被検対象とするトナー濃度センサからの出力信号の目標値Vt_refを、その感度情報と光学センサによる検知結果とに基づいて補正した後、補正後の目標値Vt_refと、トナー濃度センサからの出力電圧Vtとに基づいてトナー供給装置の駆動を制御する処理を実施させるように、制御部を構成している。かかる構成では、個々のトナー濃度センサの感度がばらついていたとしても、セルフチェックにおいて、そのバラツキに影響されることなく目標値Vt_refを個々のセンサの感度情報に応じて適切に補正する。これにより、トナー濃度をより適切にコントロールすることができる。
また、実施形態や各実施例に係るプリンタにおいては、トナー濃度センサを具備する現像ユニットを複数設けるとともに、それら現像ユニットについてそれぞれ、セルフチェックをトナー濃度センサからの出力信号値に基づいて個別に実施させるように、制御部を構成している。かかる構成では、セルフチェックにより、それぞれの現像ユニットについての目標値Vt_refを、それぞれ適切に補正することができる。
また、実施形態や各実施例に係るプリンタにおいては、各色(複数)の現像ユニットにそれぞれ個別に対応する所定の制御たる目標値Vt_refの補正を、セルフチェックにおいて並行して実施させるように、制御部を構成している。かかる構成では、それぞれの補正を順番に行う場合に比べて、セルフチェックの実施時間を短縮することができる。なお、初期運転においては、各色のそれぞれについて、図6に示した初期剤投入適否判定処理や、図7に示した初期剤検知時出力調整処理を行う必要がある。実施形態や各実施例に係るプリントにおいては、このように、複数の現像ユニットについて、初期剤投入適否判定処理や初期剤検知時出力調整処理を行う必要が生じた場合にも、それぞれのユニットに対応する初期剤投入適否判定処理及び初期剤検知時出力調整処理を並行して行うようになっている。
また、実施形態や各実施例に係るプリンタにおいては、特性情報記憶手段として、不揮発性情報記憶手段たる不揮発性のメモリチップを用いているので、工場からエンドユーザーまでの流通過程において、電池などによってメモリチップにメモリ保持用の電力を供給しなくても、特性情報を保持させることができる。
また、第2実施例に係るプリンタにおいては、図11に示したように、トナー濃度センサに駆動電力を供給するための電源と、メモリチップ150に駆動電力を供給するための電源とを1つの駆動電源装置160で共用し、且つ、トナー濃度センサとメモリチップとのうち、何れか一方であるメモリチップ150に対しては、減圧手段たる減圧回路170を介して駆動電源装置160からの駆動電力を供給させるようにしている。かかる構成では、電源の共用によって低コスト化を図りつつ、それぞれに適切な電圧の駆動電力を供給することができる。
また、実施形態や各実施例に係るプリンタにおいては、現像ユニットの製品毎に異なる個別情報たる現像ユニットIDなどをメモリチップに記憶させているので、現像ユニットの交換の検知など、個別情報に基づいた制御を実施することができる。
実施形態に係るプリンタを示す概略構成図。 同プリンタのY用のプロセスユニットを示す拡大構成図。 同プロセスユニットを示す斜視図。 同プロセスユニットを斜め情報から示す斜視図。 高感度のトナー濃度センサにおける出力電圧Vt[V]とレベル調整電圧Vcnt[V]との関係の一例を示すグラフ。 同プリンタの制御部によって実施される初期剤投入適否判定処理における制御フローを示すフローチャート。 同制御部によって実施される初期剤検知時出力調整処理の制御フローを示すフローチャート。 同プリンタの中間転写ベルトの一部を、光学センサユニットとともに示す斜視図。 同制御部によって実施されるセルフチェックにおける制御フローを示すフローチャート。 第2実施例に係るプリンタのトナー濃度センサにおける内部回路と、メモリ回路基板における回路とを示す回路図。 同トナー濃度センサ及びメモリ回路基板に駆動電力を供給する駆動電源装置と、トナー濃度センサやメモリチップとの接続状態を示す回路図。 同トナー濃度センサ内における各信号波形を示すグラフ。 同プリンタにおけるY,C,M,K用のトナー濃度センサと、制御部200との接続状態を示す回路図。
符号の説明
1Y,C,M,K:プロセスユニット
3Y,C,M,K:感光体(潜像担持体)
7Y:現像ユニット(現像装置)
9Y:第1剤収容部(供給剤収容部)
10Y,C,M,K:トナー濃度センサ
11Y:第2搬送スクリュウ(撹拌手段)
12Y:現像ロール(現像剤担持体)
14Y:第2剤収容部(供給剤収容部)
17Y:初期剤収容部
28:コネクタ
41:中間転写ベルト(転写体)
137:第1光学センサ(トナー付着量検知手段)
138:第2光学センサ(トナー付着量検知手段)
150:メモリチップ(特性情報記録媒体、特性情報記憶手段、不揮発性情報記憶手段)
160:駆動電源装置(電源)
170:減圧回路(減圧手段)
200:制御部(制御手段)
P:記録紙(記録部材)

Claims (15)

  1. 自らの表面に担持したトナーと磁性キャリアとを含有する現像剤により、潜像担持体に担持される潜像を現像する現像剤担持体、該現像剤担持体に供給する現像剤を収容する供給剤収容部、該供給剤収容部内の現像剤のトナー濃度を検知するトナー濃度センサ、及び、該供給剤収容部とは別体に構成され、所定のトナー濃度に調整された新品の現像剤である初期剤を収容する初期剤収容部、を有する現像装置と、該潜像担持体と、該トナー濃度センサによる検知結果に基づいて所定の制御を実施する制御手段とを備える画像形成装置において、
    上記トナー濃度センサの出力信号の基準値である出力基準値と、該出力信号のレベルを調整するために該トナー濃度センサに入力するレベル調整信号の基準値であるレベル基準値と該トナー濃度センサの特性情報として記憶している特性情報記憶手段を、該トナー濃度センサに設けるとともに、
    該出力基準値と、該レベル基準値と同じ値のレベル調整信号を入力している該トナー濃度センサからの出力信号値との比較結果に基づいて上記供給剤収容部内における現像剤の存否を判定する剤存否判定処理と、該剤存否判定処理における判定結果に基づいて、該初期剤収容部から該供給剤収容部への初期剤投入について適切に行われたか否かを判定する初期剤投入適否判定処理とを、上記所定の制御にて実施するように、上記制御手段を構成したことを特徴とする画像形成装置
  2. 請求項の画像形成装置において、
    上記初期剤投入適否判定処理で初期剤投入について適切であると判定した場合には、上記トナー濃度センサに入力する上記レベル調整信号を調整することで、上記初期剤を被検対象としている該トナー濃度センサからの出力信号値である初期剤出力値を所定の範囲内に調整する初期剤出力値調整処理を実施するように、上記制御手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項の画像形成装置において、
    上記所定の制御にて、上記初期剤出力値を所定の範囲内に調整したときの上記レベル調整信号の値について所定の範囲内にあるか否かを判定するレベル調整値適否判定処理を実施するように、上記制御手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項2又は3の画像形成装置において、
    上記出力基準値に加えて、上記トナー濃度センサからの出力信号の第2基準値である第2出力基準値も上記特性情報として上記特性情報記憶手段に予め記憶させておき、
    且つ、上記所定の制御にて、該第2出力基準値と、該トナー濃度センサからの出力信号値との比較結果に基づいて上記供給剤収容部内の現像剤について初期剤であるか否かを判定し、初期剤である場合にだけ上記初期剤出力値調整処理を実施するように、上記制御手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項乃至の何れかの画像形成装置において、
    操作者に対して警報を発する警報発信手段を設け、
    上記初期剤投入適否判定処理で初期剤投入について不適切であると判定した場合、上記初期剤出力値調整処理で上記トナー濃度センサからの出力信号値を上記所定の範囲に調整することができなかった場合、あるいは、上記レベル調整値適否判定処理で上記レベル調整信号の値について上記所定の範囲内にないと判定した場合に、該警報発信手段から警報を発信させる処理を実施するように、上記制御手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項乃至の何れかの画像形成装置において、
    上記制御手段からの上記レベル調整信号を上記トナー濃度センサに導く信号線と、該制御手段からの情報書込命令信号又は情報読込命令信号を上記特性情報記憶手段に導く信号線とを共用したことを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項の画像形成装置において、
    上記レベル調整信号と、上記情報書込命令信号又は情報読込命令信号とを、互いに異なる電圧値で出力させるように、上記制御手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項乃至の何れかの画像形成装置において、
    上記制御手段からの上記レベル調整信号を上記トナー濃度センサに導く信号線を途中で接断するためのコネクタと、該制御手段からの情報書込命令信号又は情報読込命令信号を上記特性情報記憶手段に導く信号線を途中で接断するためのコネクタとを、一体にしたことを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項乃至の何れかの画像形成装置において、
    上記特性情報記憶手段との情報通信を停止した状態で、上記レベル調整信号を上記トナー濃度センサに対して出力させるように、上記制御手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。
  10. 求項乃至の何れかの画像形成装置において、
    上記潜像担持体上に形成されたトナー像、あるいは該潜像担持体から転写体に転写されたトナー像、に対する単位面積あたりのトナー付着量を検知するトナー付着量検知手段と、上記供給剤収容部にトナーを補給するトナー補給手段とを設け、
    上記特性情報として、上記トナー濃度センサの感度情報を予め記憶させておき、
    且つ、上記所定の制御にて、該供給剤収容部内の現像剤を被検対象とする該トナー濃度センサからの出力信号の目標値を、該感度情報と該トナー付着量検知手段による検知結果とに基づいて補正した後、補正後の目標値と、該トナー濃度センサからの出力信号値とに基づいて該トナー補給手段の駆動を制御する処理を実施するように、上記制御手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。
  11. 求項乃至10の何れかの画像形成装置において、
    上記トナー濃度センサを具備する上記現像装置を複数設けるとともに、上記所定の制御を、それら現像装置についてそれぞれ、該トナー濃度センサからの出力信号値に基づいて個別に実施するように、上記制御手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。
  12. 請求項11の画像形成装置において、
    複数の上記現像装置にそれぞれ個別に対応する上記所定の制御を、並行して実施するように、上記制御手段を構成したことを特徴とする画像形成装置。
  13. 求項乃至12の何れかの画像形成装置において、
    上記特性情報記憶手段として、不揮発性情報記憶手段を用いたことを特徴とする画像形成装置。
  14. 求項乃至13の何れかの画像形成装置において、
    上記トナー濃度センサに駆動電力を供給するための電源と、上記特性情報記憶手段に駆動電力を供給するための電源とを共用し、且つ、該トナー濃度センサと該特性情報記憶手段とのうち、何れか一方に対しては、減圧手段を介して該電源からの駆動電力を供給させるようにしたことを特徴とする画像形成装置。
  15. 求項乃至4の何れかの画像形成装置において、
    上記現像装置の製品毎に異なる個別情報を上記特性情報記憶手段に記憶させたことを特徴とする画像形成装置。
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