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JP4797878B2 - ハイブリッド車両の電気走行制御装置 - Google Patents

ハイブリッド車両の電気走行制御装置 Download PDF

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JP4797878B2 JP2006221557A JP2006221557A JP4797878B2 JP 4797878 B2 JP4797878 B2 JP 4797878B2 JP 2006221557 A JP2006221557 A JP 2006221557A JP 2006221557 A JP2006221557 A JP 2006221557A JP 4797878 B2 JP4797878 B2 JP 4797878B2
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Description

本発明は、エンジン以外にモータ/ジェネレータからの動力によっても走行することができ、モータ/ジェネレータからの動力のみにより走行する電気走行(EV)モードと、エンジンおよびモータ/ジェネレータの双方からの動力により走行可能なハイブリッド走行(HEV)モードとを有するハイブリッド車両の電気走行制御装置、
特に、電気走行(EV)モードからハイブリッド走行(HEV)モードへの切り替えに際してエンジン始動が滑らかに行われ得るよう車両を電気走行させるための装置に関するものである。
上記のようなハイブリッド車両に用いるハイブリッド駆動装置としては従来、様々な型式のものが提案されているが、そのうちの1つとして、特許文献1に記載のごときものが知られている。
このハイブリッド駆動装置は、エンジン回転を変速機に向かわせる軸に結合して、これらエンジンおよび変速機間にモータ/ジェネレータを具え、エンジンおよびモータ/ジェネレータ間を切り離し可能に結合する第1クラッチを有すると共に、モータ/ジェネレータおよび変速機出力軸間を切り離し可能に結合する第2クラッチをトルクコンバータの代わりに有した構成になるものである。
かかるハイブリッド駆動装置を具えたハイブリッド車両は、エンジンを停止させ、第1クラッチを解放すると共に第2クラッチを締結する場合、モータ/ジェネレータからの動力のみにより走行する電気走行(EV)モードとなり、第1クラッチおよび第2クラッチをともに締結する場合、エンジンおよびモータ/ジェネレータの双方からの動力により走行可能なハイブリッド走行(HEV)モードとなり得る。
なお電気走行(EV)モードからハイブリッド(HEV) 走行モードへの切り替え時にエンジンを始動させるに際しては、第1クラッチを締結させると共に、モータ/ジェネレータのモータトルクをエンジン始動用に増大させてエンジン始動を行うのが常識的である。
ハイブリッド車両のエンジン始動技術としては従来、例えば特許文献2に記載のごとく、上記のような1モータ、2クラッチ式のハイブリッド車両とは異なる、2モータ式のハイブリッド車両、つまり、差動装置のそれぞれ異なる回転メンバにエンジン、第1,2モータ/ジェネレータ、および出力系を結合した型式のハイブリッド車両において、
電気(EV)走行モードで、ハイブリッド (HEV) 走行への移行時に要求されるエンジン始動のためにエンジン始動用トルク分の余裕が残っているようモータ/ジェネレータトルクに上限値を設定し、
電気走行(EV)モードからハイブリッド(HEV) 走行モードへの切り替え時にエンジンを始動させるに際しては、モータ/ジェネレータのモータトルクをエンジン始動用に増大させて当該エンジン始動を行う技術がある。
特開平11−082260号公報 特開2005−117779号公報
しかし、特許文献1に記載のような1モータ、2クラッチ式のハイブリッド車両に対し、特許文献2に記載のような電気(EV)走行時モータ/ジェネレータトルク上限値設定技術を適用した場合、以下のような問題を生ずる。
つまり、電気(EV)走行モードでエンジン始動用トルク分の余裕を残してモータ/ジェネレータトルクの上限値を設定し、ハイブリッド(HEV) 走行モードへの切り替え時にモータ/ジェネレータトルクをエンジン始動用に増大させても、
1モータ、2クラッチ式のハイブリッド車両における第2クラッチを締結トルク容量制御しないで完全締結させたままだと、完全締結状態にされている第2クラッチの締結トルク容量相当分のトルクが第2クラッチを経て車輪駆動系に向かうため、エンジン始動時に違和感のある車両加速度変化を生じてしまう。
図14に示すように、電気(EV)走行モードで発進を行い、瞬時t1にハイブリッド(HEV)走行モードへの切り替え指令があり、瞬時t1〜t2間に当該モード切り替えが実行され、瞬時t2にハイブリッド(HEV)走行モードへの切り替えが完了した場合につき、以下に付言する。
発進から瞬時t1までのEV走行中は、特許文献2に記載の技術を用いてエンジン始動用トルク分の余裕αを残してモータ/ジェネレータトルクtTmの上限値を設定し、図14では、モータ/ジェネレータトルクtTmがこの上限値にされ、また、第2クラッチが十分大きな伝達トルク容量tTc2(図示では120Nm)により完全締結された状態でEV走行が行われているものとする。
ハイブリッド(HEV) 走行モードへの切り替え指令が発せられる瞬時t1に、モータ/ジェネレータトルクtTmを図14に示すごとくエンジン始動用トルク分αだけ増大させて、第1クラッチの締結とでエンジンをクランキングさせることにより、エンジン回転数NeおよびエンジントルクTeの立ち上がりから明らかなようにエンジンを始動させることになるが、
第2クラッチが大きな伝達トルク容量tTc2(120Nm)により完全締結されていることから、当該クラッチ伝達トルク容量tTc2(120Nm)分のトルクβが第2クラッチを経て車輪駆動系に向かうため、エンジン始動に使えるモータトルクδは、δ=α−βとなってエンジン始動に必要なトルクαよりも小さくなる。
一方で、モード切り替え指令瞬時t1にモータトルクtTmがエンジン始動用トルク分αだけ増大されることにより、第2クラッチをスリップ(入力側回転数Nc2i>出力側回転数Nc2o)させつつ車両加速度の一時的な増大(図14の破線Aで囲った部分を参照)を生じさせる。
しかしその後、上記のごとく第2クラッチの完全締結に起因してエンジン始動に使えるモータトルクδ(δ=α−β)がエンジン始動に必要なトルクαよりも小さくなることから、モータ/ジェネレータ回転数(第2クラッチ入力側回転数Nc2i)が引き込まれ、図14の破線Bで囲った部分に示すように車両加速度が急減する。
これらにより、エンジン始動時に違和感のある車両加速度変化A,Bを生じてしまう。
本発明は、この問題が1モータ、2クラッチ式ハイブリッド車両における第2クラッチの伝達トルク容量制限を行わないことに起因するとの認識にもとづき、EV走行中にモータ/ジェネレータトルクの上限設定を行うだけでなく、第2クラッチの伝達トルク容量をも上限設定することで上記の問題を解消したハイブリッド車両の電気走行制御装置を提案することを目的とする。
この目的のため、本発明によるハイブリッド車両の電気走行制御装置は、請求項1に記載したごとくに構成する。
まず前提となるハイブリッド車両につき説明するに、これは、
動力源としてエンジンおよびモータ/ジェネレータを具え、これらエンジンおよびモータ/ジェネレータ間に伝達トルク容量を変更可能な第1クラッチを介在させ、モータ/ジェネレータおよび駆動車輪間に伝達トルク容量を変更可能な第2クラッチを介在させ、
エンジンを停止させ、第1クラッチを解放すると共に第2クラッチを締結することによりモータ/ジェネレータからの動力のみによる電気走行モードを選択可能で、第1クラッチおよび第2クラッチを共に締結することによりエンジンおよびモータ/ジェネレータの双方からの動力によるハイブリッド走行モードを選択可能にしたものである。
本発明は、かかるハイブリッド車両において、
前記電気走行モードでは、前記モータ/ジェネレータのモータトルク目標値および前記第2クラッチの伝達トルク容量目標値に対しそれぞれ、モータ/ジェネレータの発生可能な最大モータトルクから、ハイブリッド走行モードへの切り替えに際して行うべきエンジン始動のために要求されるエンジン始動トルクを差し引いたトルク値を上限とする上限値を設定したことを特徴とするものである。
上記した本発明によるハイブリッド車両の電気走行制御装置によれば、
電気走行モードでモータ/ジェネレータのモータトルク目標値および第2クラッチの伝達トルク容量目標値に対しそれぞれ、モータ/ジェネレータの発生可能な最大モータトルクから、ハイブリッド走行モードへの切り替えに際して行うべきエンジン始動のために要求されるエンジン始動トルクを差し引いたトルク値を上限とする上限値を設定するため、
電気走行モードでのかかる上限設定がモータ/ジェネレータのモータトルク目標値に対してだけでなく、第2クラッチの伝達トルク容量目標値に対してもなされることとなり、
電気走行モードからハイブリッド 走行モードへの切り替に呼応してエンジン始動用にモータ/ジェネレータのモータトルクを増大させる時、第2クラッチがスリップしてモータトルク増大分を車輪駆動系に向かわせるのを回避することができ、モータトルク増大分で車両加速度が急増することがないと共に、モータトルク増大分がエンジン始動用トルクに対し不足することもなく、これに起因したモータ/ジェネレータ回転数の引き込みによる車両加速度の急減を回避することができ、
従って、電気走行モードからハイブリッド走行モードへの切り替え時(エンジン始動時)に違和感のある車両加速度変化が生ずるという前記の問題を解消することができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明の電気走行制御装置を具えたハイブリッド車両の車輪駆動系(パワートレーン)を、その制御システムと共に示し、
1は、第1動力源としてのモータ/ジェネレータ、2は、第2動力源としてのエンジン、3L,3Rはそれぞれ、左右駆動車輪(左右後輪)である。
図1に示すハイブリッド車両のパワートレーンにおいては、通常の後輪駆動車と同様にエンジン2の車両前後方向後方に自動変速機5をタンデムに配置し、エンジン2(クランクシャフト2a)からの回転を自動変速機4の入力軸4aへ伝達する軸5に結合してモータ/ジェネレータ1を設ける。
モータ/ジェネレータ1は交流同期モータとし、車輪3L,3Rを駆動する時はモータとして作用し、車輪3L,3Rを回生制動する時はジェネレータ(発電機)として作用するもので、エンジン2および自動変速機4間に配置する。
このモータ/ジェネレータ1およびエンジン2間、詳しくは、軸5とエンジンクランクシャフト2aとの間に第1クラッチ6を介挿し、この第1クラッチ6によりエンジン2およびモータ/ジェネレータ1間を切り離し可能に結合する。
ここで第1クラッチ6は、伝達トルク容量を連続的または段階的に変更可能なものとし、例えば、比例ソレノイドでクラッチ作動油流量およびクラッチ作動油圧を連続的に制御して伝達トルク容量を変更可能な湿式多板クラッチで構成する。
モータ/ジェネレータ1および自動変速機4間、詳しくは、軸5と変速機入力軸4aとの間に第2クラッチ7を介挿し、この第2クラッチ7によりモータ/ジェネレータ1および自動変速機4間を切り離し可能に結合する。
第2クラッチ7も第1クラッチ6と同様、伝達トルク容量を連続的または段階的に変更可能なものとし、例えば、比例ソレノイドでクラッチ作動油流量およびクラッチ作動油圧を連続的に制御して伝達トルク容量を変更可能な湿式多板クラッチで構成する。
自動変速機4は、2003年1月、日産自動車(株)発行「スカイライン新型車(CV35型車)解説書」第C−9頁〜第C−22頁に記載されたと同じものとし、複数の変速摩擦要素(クラッチやブレーキ等)を選択的に締結したり解放することで、これら変速摩擦要素の締結・解放組み合わせにより伝動系路(変速段)を決定するものとする。
従って自動変速機4は、入力軸4aからの回転を選択変速段に応じたギヤ比で変速して出力軸4bに出力する。
この出力回転は、ディファレンシャルギヤ装置を含む終減速機8により左右後輪3L,3Rへ分配して伝達され、車両の走行に供される。
但し自動変速機4は、上記したような有段式のものに限られず、無段変速機であってもよいのは言うまでもない。
上記した図1に示すハイブリッド車両のパワートレーンにおいては、停車状態からの発進時などを含む低負荷・低車速時に用いられる電気走行(EV)モードが要求される場合、第1クラッチ6を解放し、第2クラッチ7を締結し、自動変速機4を動力伝達状態にする。
この状態でモータ/ジェネレータ1を駆動すると、当該モータ/ジェネレータ1からの出力回転のみが変速機入力軸4aに達することとなり、自動変速機4が当該入力軸4aへの回転を、選択中の変速段に応じ変速して変速機出力軸4bより出力する。
変速機出力軸4bからの回転はその後、ディファレンシャルギヤ装置を含む終減速機8を経て左右後輪3L,3Rに至り、車両をモータ/ジェネレータ1のみによって電気走行(EV走行)させることができる。
高速走行時や、大負荷走行時や、バッテリの持ち出し可能電力が少ない時などで用いられるハイブリッド走行(HEV走行)モードが要求される場合、第1クラッチ6および第2クラッチ7をともに締結し、自動変速機4を動力伝達状態にする。
この状態では、エンジン2からの出力回転、または、エンジン2からの出力回転およびモータ/ジェネレータ1からの出力回転の双方が変速機入力軸4aに達することとなり、自動変速機4が当該入力軸4aへの回転を、選択中の変速段に応じ変速して、変速機出力軸4bより出力する。
変速機出力軸4bからの回転はその後、終減速機8を経て左右後輪3L,3Rに至り、車両をエンジン2およびモータ/ジェネレータ1の双方によってハイブリッド走行(HEV走行)させることができる。
かかるHEV走行中において、エンジン2を最適燃費で運転させるとエネルギーが余剰となる場合、この余剰エネルギーによりモータ/ジェネレータ1を発電機として作動させることで余剰エネルギーを電力に変換し、この発電電力をモータ/ジェネレータ1のモータ駆動に用いるよう蓄電しておくことでエンジン2の燃費を向上させることができる。
なお図1では、モータ/ジェネレータ1および駆動車輪3L,3Rを切り離し可能に結合する第2クラッチ7を、モータ/ジェネレータ1および自動変速機4間に介在させたが、自動変速機4および終減速機8間に介在させてもよいし、自動変速機4内の変速段選択用の変速摩擦要素を流用するようにしてもよい。
図1には更に、上記したハイブリッド車両のパワートレーンを成すエンジン2、モータ/ジェネレータ1、第1クラッチ6、第2クラッチ7、および自動変速機4の制御システムを示す。
図1の制御システムは、パワートレーンの動作点を統合制御する統合コントローラ20を具え、パワートレーンの動作点を、エンジントルク目標値tTeと、モータ/ジェネレータトルク目標値tTm(モータ/ジェネレータ回転数目標値tNmでもよい)と、第1クラッチ6の伝達トルク容量目標値tTc1(クラッチ油圧ソレノイド電流Ic1でもよい)と、第2クラッチ7の目標伝達トルク容量tTc2(クラッチ油圧ソレノイド電流Ic2でもよい)と、自動変速機4の目標変速段Gmとで規定する。
統合コントローラ20には、上記パワートレーンの動作点を決定するために、アクセル開度APOを検出するアクセル開度センサ11からの信号、および、車速VSPを検出する車速センサ12からの信号を入力する。
ここでモータ/ジェネレータ1は、バッテリ21からの電力によりインバータ22を介して駆動制御するが、モータ/ジェネレータ1が前記したごとく発電機として作用する間は、これからの発電電力をバッテリ21に蓄電しておくものとする。
このときバッテリ21が過充電にならないよう、バッテリコントローラ23によりバッテリ21を充電制御する。
このためバッテリコントローラ23は、バッテリ21の蓄電状態SOC(持ち出し可能電力)を検出し、これに関する情報を統合コントローラ20に供給する。
統合コントローラ20は、アクセル開度APO、バッテリ蓄電状態SOC、および車速VSPから、運転者が希望している車両の駆動力を実現可能な運転モード(EVモード、HEVモード)を選択すると共に、エンジントルク目標値tTe、モータ/ジェネレータトルク目標値tTm、第1クラッチ伝達トルク容量目標値tTc1(またはクラッチ油圧ソレノイド電流Ic1)、第2クラッチ伝達トルク容量目標値tTc2(またはクラッチ油圧ソレノイド電流Ic2)、および自動変速機4の目標変速段Gmをそれぞれ演算する。
エンジントルク目標値tTeはエンジンコントローラ24に供給され、モータ/ジェネレータトルク目標値tTmはモータ/ジェネレータコントローラ25に供給される。
エンジンコントローラ24は、エンジントルクTeがエンジントルク目標値tTeとなるようエンジン2を制御し、同時にエンジン回転数Ne(第1クラッチ6の入力側回転数)を検出するエンジン回転センサ15からの信号を統合コントローラ20に供給する。
モータ/ジェネレータコントローラ25はモータ/ジェネレータ1のトルクTmがモータ/ジェネレータトルク目標値tTmとなるよう、バッテリ21からの電力によりインバータ22を介してモータ/ジェネレータ1を制御する。
統合コントローラ20は、第1クラッチ伝達トルク容量目標値tTc1(クラッチ油圧ソレノイド電流Ic1)および第2クラッチ伝達トルク容量目標値tTc2(クラッチ油圧ソレノイド電流Ic2)をそれぞれクラッチコントローラ26に供給する。
クラッチコントローラ26は、一方で第1クラッチ伝達トルク容量目標値tTc1に対応したクラッチ油圧ソレノイド電流Ic1を第1クラッチ6の油圧制御ソレノイドに供給し、第1クラッチ6の伝達トルク容量Tc1が伝達トルク容量目標値tTc1に一致するよう第1クラッチ6を締結制御する。
クラッチコントローラ26は他方で、第2クラッチ伝達トルク容量目標値tTc2に対応したクラッチ油圧ソレノイド電流Ic2を第2クラッチ7の油圧制御ソレノイドに供給し、第2クラッチ7の伝達トルク容量Tc2が第2クラッチ伝達トルク容量目標値tTc2に一致するよう第2クラッチ7を締結制御する。
統合コントローラ20が決定した目標変速段Gmを変速機コントローラ27に入力し、変速機コントローラ27は自動変速機4を目標変速段(目標変速比)tTmが選択されるよう変速制御する。
なお本実施例においては、統合コントローラ20がクラッチコントローラ26を介して第2クラッチ7を本発明の目的に沿うよう締結制御すると共に、モータ/ジェネレータコントローラ25およびインバータ22を介してモータ/ジェネレータ1を本発明の目的に沿うようトルク制御し、これらにより本発明が狙いとするハイブリッド車両の電気走行制御を行うものとする。
これがため、第2クラッチ7の入力側回転数Nc2iとしてモータ/ジェネレータ1の回転数を検出する第2クラッチ入力側回転数センサ13(第2クラッチ入力側回転数検出手段に相当する)、および、第2クラッチ7の出力側回転数Nc2oとして変速機入力軸4aの回転数を検出する第2クラッチ出力側回転数センサ14(第2クラッチ出力側回転数検出手段に相当する)、並びに、第2クラッチ7の作動油温Tempを検出する油温センサ16を設け、これら回転センサ13,14および油温センサ16からの信号をクラッチコントローラ26を経て統合コントローラ20に入力する。
統合コントローラ20は、図2の機能別ブロック線図により示すように構成され、図3の制御プログラムを実行して第2クラッチ7を、本発明が狙いとする通りに締結制御すると共に、モータ/ジェネレータ1を本発明の目的に沿うようトルク制御して、本発明が狙いとするハイブリッド車両の電気走行制御を行う。
図3の制御プログラムは定時割り込みにより繰り返し実行されるもので、
先ずステップS1において、各コントローラ23〜27からのデータを受信し、バッテリ蓄電状態SOCや、エンジン回転数Neや、第2クラッチ7の入力側回転数Nc2iおよび出力側回転数Nc2oや、第2クラッチ7の作動油温Tempや、自動変速機4の選択変速段(選択ギヤ比)Gmを読み込み、
ステップS2においては、センサ11,12からの信号をもとにアクセル開度APOおよび車速VSPを読み込む。
ステップS3においては、例えば図5に示す予定の駆動力マップをもとに、車速VSPおよびアクセル開度APOから車輪の駆動トルク目標値tTdを検索により求める。
従ってステップS3は、図2における車輪駆動トルク目標値演算手段31に相当する。
ステップS4においては、バッテリ蓄電状態SOC、車輪駆動トルク目標値tTd、および車速VSPなどの車両運転状態から、第1クラッチ6を締結させるべきか、解放させるべきかを指令するための第1クラッチ制御モードfCL1を設定する。
詳細は本発明と関係ないため省略するが、緩加速発進のような低負荷、低車速のもとでは、エンジン2の燃焼効率が比較的悪いため、エンジン2を使わずモータ/ジェネレータ1のみによるEV走行を行わせるため、第1クラッチ6を解放させるべきと判定して第1クラッチ制御モードフラグfCL1=0と決定する。
従ってステップS4は、図2における第1クラッチ状態設定手段33に相当する。
しかし、バッテリ蓄電状態SOCが設定値未満であってEV走行が困難な場合や、急加速時や高車速時のようにモータ/ジェネレータ1からの動力のみでは駆動力が不足するような走行状態のもとでは、エンジン2の動力も必要であってエンジン2を使ったHEV走行を行わせるため、第1クラッチ6を締結させるべきと判定して第1クラッチ制御モードフラグfCL1=1に決定する。
次のステップS5においては、バッテリ蓄電状態SOC、車輪駆動トルク目標値tTd、第1クラッチ制御モードフラグfCL1、および車速VSPなどの車両運転状態から、第2クラッチ7を締結させるべきか、解放させるべきか、スリップさせるべきかを指令するための第2クラッチ制御モードフラグCL2MODEを決定する。
かかる第2クラッチ制御モードフラグCL2MODEは、図4の制御プログラムを実行して決定する。
図4のステップS51においては、第1クラッチ制御モードフラグfCL1が0か否かを、つまり、第1クラッチ6を解放させるべきか否かをチェックする。
fCL1=0であれば、つまり、第1クラッチ6を解放してエンジン2の停止によりEV走行すべきであれば、制御をステップS52に進め、ここで車速VSPが0の停車状態か否かをチェックする。
停車状態であればステップS53において、第2クラッチ7を発進に備えて締結させておくべきであるから第2クラッチ制御モードフラグCL2MODE=1(締結)に設定する。
しかし、ステップS52で車速VSPが0でないと判定する時は、つまり、車両が走行している(EV走行している)時は、ステップS54において、第2クラッチ7をエンジン始動に備えてスリップ締結させておくべきであるから第2クラッチ制御モードフラグCL2MODE=2(スリップ)に設定する。
ステップS51で第1クラッチ制御モードフラグfCL1が0でないと判定する時は、つまり、第1クラッチ6を締結してエンジン2の始動(運転)によりHEV走行すべきであれば、制御をステップS55に進め、ここで車速VSPが、例えばエンジン始動可能最低車速と同じに定めた設定車速VSPs未満か否かを、つまり、エンジン始動不可能車速域か、エンジン始動可能(HEV走行可能)車速域かをチェックする。
車速VSPが設定車速VSPs未満(エンジン始動不可車速域:EV走行車速域)であれば、ステップS56において駆動トルク目標値tTdの極性を判定し、tTd>0の正駆動要求時であればステップS54において、第2クラッチ7をエンジン始動に備えてスリップ締結させておくべきであるから第2クラッチ制御モードフラグCL2MODE=2(スリップ)に設定する。
ステップS56で駆動トルク目標値tTd<0と判定する逆駆動要求時は、EV走行中から第2クラッチ7をスリップ締結させておくと好適なエンジン始動が行われないから制御をステップS57に進め、第2クラッチ制御モードフラグCL2MODE=0(解放)に設定する。
ステップS55で車速VSPが設定車速VSPs以上と判定する時、つまり、エンジン始動可能(HEV走行可能)車速域である時は、ステップS58において前回の第2クラッチ制御モードフラグCL2MODE(前回)が1であったか否かを、つまり、第2クラッチが前回締結されていたか否かをチェックする。
ステップS58でCL2MODE(前回)=1と判定する時、つまり、第2クラッチが前回締結されていた場合は、ステップS53において第2クラッチ制御モードフラグCL2MODE=1(締結)に保つ。
ステップS58でCL2MODE(前回)=1でないと判定する時、つまり、第2クラッチが前回スリップ状態または解放されていた場合は、ステップS59において、エンジン回転数Ne(第1クラッチ6の入力側回転数)と第2クラッチ7の入力側回転数Nc2i(第1クラッチ6の出力側回転数)とが異なる(第1クラッチ6がスリップしている)か否か、若しくは、第2クラッチ7の実スリップ回転Nc2slipが所定の設定値Nc2slipth未満であるか否かにより、第2クラッチ7のスリップ条件が成立したか否かをチェックする。
ステップS59で第2クラッチ7のスリップ条件が成立したと判定する時は、第2クラッチ7をスリップ締結させるべきであるから、ステップS54において第2クラッチ制御モードフラグCL2MODE=2(スリップ)に設定し、
ステップS59で第2クラッチ7のスリップ条件が成立していないと判定する時は、第2クラッチ7をスリップさせるべきでないから、ステップS53において第2クラッチ制御モードフラグCL2MODE=1(締結)に設定する。
図3のステップS5で、図4の制御プログラムにより上述のごとくに第2クラッチ制御モードフラグCL2MODEを設定した後は、図2のトルク配分手段32に相当する図3のステップS6において、上記の車輪駆動トルク目標値tTdをモータ/ジェネレータ1とエンジン2とで如何様に分担させるかを決めるための基本モータトルク目標値tTmbaseおよび基本エンジントルク目標値tTebaseを求め、基本エンジントルク目標値tTebaseをそのままエンジントルク目標値tTeとしてステップS25でエンジンコントローラ24に指令する。
なお車輪駆動トルク目標値tTdの分担方法は任意であり、発明と関係ないため詳細な説明をここでは省略する。
次のステップS7においては、第2クラッチ7のスリップ回転制御を行うべきか否かをチェックする。
このチェックに当たっては、例えば、ステップS5で設定した第2クラッチ制御モードCL2MODEが2(第2クラッチ7をスリップ締結させるべき)であり、且つ、第2クラッチ7の入力側回転数Nc2iおよび出力側回転数Nc2o間におけるスリップ量が設定値以上である間は、第2クラッチ7のスリップ回転(締結)制御を行うべき(ON)と判定し、それ以外では第2クラッチ7の当該スリップ回転(締結)制御を行うべきでない(OFF)と判定する。
ステップS7で第2クラッチ7のスリップ回転制御を行うべきと判定するときは、先ずステップS8おいて、運転者による車両の運転操作や、車両の走行状態に応じた第2クラッチ7の基本的な伝達トルク容量目標値tTc2baseを演算する。
この基本第2クラッチ伝達トルク容量目標値tTc2baseは、例えばステップS3でアクセル開度APOおよび車速VSPから求めた車輪駆動トルク目標値tTdと同じ値にしてもよいが、以下のようにして求めることもできる。
つまり、第2クラッチ7の入力側回転数Nc2iに対する出力側回転数Nc2oの比で表される速度比E(=Nc2o/Nc2i)から、図6に例示するトルクコンバータ特性に基づき第2クラッチ7の伝達トルク容量係数Cc2を求め、これと、第2クラッチ7の入力側回転数Nc2iとを用いた次式の演算により、基本クラッチ伝達トルク容量目標値tTclbaseを求めてもよい。
tTc2base=Cc2×Nc2i2 ・・・(1)
図3の破線で囲った枠内におけるステップS10〜S18は、第2クラッチ7のスリップ制御用伝達トルク容量目標値tTc2slipを求めるブロックで、図2における第2クラッチ出力側回転数目標値演算手段34、第2クラッチ入力側回転数目標値演算手段35、第2クラッチ回転数選択手段36、および第2クラッチ伝達トルク容量目標値演算手段37に相当し、このブロックを線図で表すと図7に示すごときものとなる。
図2の第2クラッチ出力側回転数目標値演算手段34、および、同図の第2クラッチ入力側回転数目標値演算手段35に相当する図3のステップS9においては、ステップS3で求めた駆動トルク目標値tTdから、第2クラッチ7の出力側回転数目標値tNc2oを求めると共に、図2の第2クラッチスリップ回転数目標値演算手段38で求めた第2クラッチスリップ回転数目標値tΔNc2と、センサ14で検出した第2クラッチ出力側回転数Nc2oとから、第2クラッチ入力側回転数目標値tNc2iを求める。
先ず、ステップS9(図2の第2クラッチ出力側回転数目標値演算手段34)において行う第2クラッチ出力側回転数目標値tNc2oの演算の要領を説明するに、
図7に第2クラッチ出力側回転数目標値演算部52として示すごとく、駆動トルク目標値tTdと、車両慣性モーメントJoと、車輪駆動系における自動変速機4の選択変速段で決まる変速比Gmと、車輪駆動系における終減速機8の最終減速比Gfとに基づき、第2クラッチ7のクラッチ出力側回転数目標値tNc2oを次式
tNc2o={(Gm・Gf)2/Jo}×(1/s)×tTd ・・・(2)
の演算により求める。
次に、ステップS9(図2の第2クラッチ入力側回転数目標値演算手段35)において行う第2クラッチ入力側回転数目標値tNc2iの演算の要領を説明するに、
この演算に当たっては、図2の第2クラッチスリップ回転数目標値演算手段38で求めた第2クラッチスリップ回転数目標値tΔNc2と、センサ14で検出した第2クラッチ出力側回転数Nc2oとから、第2クラッチスリップ回転数目標値tΔNc2を達成するのに必要な第2クラッチ入力側回転数目標値tNc2iを求める。
図3のステップS9で上述のごとくにして第2クラッチ出力側回転数目標値tNc2oおよび第2クラッチ入力側回転数目標値tNc2iを求めた後のステップS10は、図2の第2クラッチ回転数目標値選択手段36に相当するもので、
モータ/ジェネレータ1の後述するモータトルク上限設定がなされている間は、第2クラッチ回転数目標値tNc2に第2クラッチ入力側回転数目標値tNc2iをセットし、
モータ/ジェネレータ1の後述するモータトルク上限設定がなされていない場合は、第2クラッチ回転数目標値tNc2に第2クラッチ出力側回転数目標値tNc2oをセットする。
図3のステップS11は、図7に示すフィードフォワード(位相)補償演算部51に相当するもので、ここにおいてはフィードフォワード(位相)補償器Gff(s)を用いて、ステップS8で求めた基本第2クラッチ伝達トルク容量目標値tTc2baseに位相補償を施し、フィードフォワード制御用第2クラッチ伝達トルク容量目標値Tc2ffを演算する。
このフィードフォワード制御用第2クラッチ伝達トルク容量目標値tTc2ffの演算に当たっては実際には、タスティン近似などで離散化して得られた以下の漸化式を用いて当該演算を行うこととする。
Tc2ff=GFF(s)×tTc2base={Gc2ref(s)/Gc2(s)}×tTc2base
={(τc2・s+1)/ (τc2ref・s+1)}×tTc2base ・・・(3)
Gc2ref(s):第2クラッチの規範モデル
Gc2(s):第2クラッチの実際モデル
τc2 :第2クラッチのモデル時定数
τc2ref :第2クラッチ制御用規範応答時定数
次のステップS12は、図7における第2クラッチ出力側回転数規範値演算部53に相当するもので、ここにおいては、第2クラッチ7の規範モデルGc2ref(s)に上記のクラッチ出力側回転数目標値tNc2oを通して、この規範モデルに一致させるための第2クラッチ出力側回転数規範値Nc2orefを演算する。
この第2クラッチ出力側回転数規範値Nc2orefの演算に当たっては実際には、タスティン近似などで離散化して得られた以下の漸化式を用いて当該演算を行うこととする。
Nc2oref=Gc2ref(s)×tNc2o
={1/ (τc2ref・s+1)}×tNc2o ・・・(4)
τc2ref :第2クラッチ制御用規範応答時定数
図7の第2クラッチ出力側回転数偏差演算部54においては、上記第2クラッチ出力側回転数規範値Nc2orefと、第2クラッチ出力側回転数検出値Nc2oとの間における第2クラッチ出力側回転数偏差Nc2oerr(=Nc2oref−Nc2o)を演算する。
図3のステップS13は、図7における第2クラッチ伝達トルク容量補正値演算部55に対応するもので、上記の第2クラッチ出力側回転数偏差Nc2oerrを0にするための、つまり、第2クラッチ出力側回転数規範値Nc2orefに第2クラッチ出力側回転数検出値Nc2oを一致させるための第2クラッチ伝達トルク容量のフィードバック制御量である第2クラッチ伝達トルク容量補正値Tc2fbを算出する。
この第2クラッチ伝達トルク容量補正値Tc2fbの演算に当たっては実際には、タスティン近似などで離散化して得られた以下の漸化式を用いて当該演算を行うこととする。
Tc2fb={Kc2p+(Kc2i/s)}・Nc2oerr ・・・(5)
Kc2p:比例制御ゲイン
Kc2i:積分制御ゲイン
次のステップS14においては、第1クラッチ6を解放状態から締結させて行うエンジン始動時に必要な第2クラッチ7の伝達トルク容量補正(低下)値ΔTc2eを、以下のようにして求める。
ステップS4で設定した第1クラッチ制御モードフラグfCL1が1で、第1クラッチ6を締結させるべきとの判定にもかかわらず、未だ第1クラッチ6が締結していない(Ne≠Nc2iである)場合、エンジン始動時第2クラッチ伝達トルク容量補正値ΔTc2eを、エンジン始動用モータトルクTengstと、アクセル開度APOとの関数として求め、例えば、図8に示すようなマップを基にエンジン始動用モータトルクTengstおよびアクセル開度APOからエンジン始動時第2クラッチ伝達トルク容量補正値ΔTc2eを検索する。
図3のステップS15およびステップS16は、図7における第2クラッチスリップ回転制御用第2クラッチ伝達トルク容量目標値演算部56に対応するもので、
ステップS15においては、前記したフィードフォワード制御用第2クラッチ伝達トルク容量目標値tTc2ffと、前記した第2クラッチ伝達トルク容量補正値Tc2fbとを合算した後、この合算値から前記したエンジン始動時第2クラッチ伝達トルク容量補正値ΔTc2eを差し引いて、第2クラッチスリップ回転制御用第2クラッチ伝達トルク容量目標値Tc2fbonを求め、
ステップS18において、この第2クラッチスリップ回転制御用第2クラッチ伝達トルク容量目標値Tc2fbonを第2クラッチスリップ制御用伝達トルク容量目標値tTc2slipとする。
一方、ステップS7で第2クラッチ7のスリップ制御を行うべきでないと判定する時は、制御をステップS16に進め、ステップS9における第2クラッチ出力側回転数目標値tNc2oを第2クラッチ出力側回転数検出値Nc2oに初期化すると共に、ステップS13で第2クラッチ伝達トルク容量補正値Tc2fbを求める時に用いた積分器を0に初期化する。
次のステップS17においては、ステップS7で第2クラッチ7のスリップ締結制御を行うべきでないと判定したのに呼応して、第2クラッチ7を締結状態や、解放状態にするための、若しくは、これら定常状態に保つための通常制御用第2クラッチ伝達トルク容量目標値tTc2fboff、或いは、第2クラッチ7をこれらの定常状態からスリップ制御し始めるまでの間における通常制御用第2クラッチ伝達トルク容量目標値tTc2fboffを求める。
なお、第2クラッチ7を締結状態にしたり、この定常状態に保つための通常制御用第2クラッチ伝達トルク容量目標値tTc2fboffは、第2クラッチ7が実現可能な最大値とし、第2クラッチ7を解放状態にしたり、この定常状態に保つための通常制御用第2クラッチ伝達トルク容量目標値tTc2fboffは、第2クラッチ7の現在における伝達トルク容量から徐々に低下させる。
通常制御用第2クラッチ伝達トルク容量目標値tTc2fboffの演算方法を、以下個々に説明する。
(1)第2クラッチの締結時
tTc2(前回値)<tTd×Ksafeであれば、
tTc2fboff=tTc2(前回値)+ΔTc2(L/U) とし、
tTc2(前回値)≧tTd×Ksafeであれば、
tTc2fboff=tTd×Ksafe とする。
但し、Ksafe:第2クラッチ伝達トルク容量安全率(>1)
ΔTc2(L/U):第2クラッチ締結進行時トルク容量増加率
(2)第2クラッチの解放時
無条件にtTc2fboff=0 とする。
(3)第2クラッチの締結状態からスリップ制御への移行時
無条件にtTc2fboff=tTc2(前回値)−ΔTc2(SLIP) とする。
但し、ΔTc2(SLIP):第2クラッチスリップ移行時トルク容量低下率
ステップS18においては、ステップS8〜ステップS15を通るループが選択される場合、第2クラッチ7のスリップ制御を行うべきと判定したのに呼応して前記したように、ステップS15で求めた第2クラッチスリップ回転制御用第2クラッチ伝達トルク容量目標値tTc2fbonをスリップ制御用第2クラッチ伝達トルク容量目標値tTc2slipとし、
ステップS16およびステップS17を通るループが選択される場合、第2クラッチ7のスリップ締結制御を行うべきでないと判定したのに呼応して、ステップS17で求めた通常制御用第2クラッチ伝達トルク容量目標値tTc2fboffをスリップ制御用第2クラッチ伝達トルク容量目標値tTc2slipとする。
ステップS19は、図2のEV時モータトルク上限値演算手段39に相当し、ここでは、電気(EV)走行中におけるモータ/ジェネレータ1のモータトルク上限値Tevulmtを、モータ/ジェネレータ1が発生し得るモータ出力可能トルク最大値Tmmax(バッテリ蓄電状態SOC等に応じて決まる)、および、エンジン2を始動させる時に必要なエンジン始動用トルクTengstとから、次式の演算により求める。
Tevulmt=Tmmax−Tengst ・・・(6)
ステップS20は、図2の第2クラッチ伝達トルク容量制限手段40に相当し、ここにおいては、ステップS18(図2の第2クラッチ伝達トルク容量目標値演算手段37)で求めた第2クラッチスリップ制御用伝達トルク容量目標値tTc2slipをそのまま第2クラッチ伝達トルク容量目標値tTc2とするか、第2クラッチスリップ制御用伝達トルク容量目標値tTc2slipの上限を定め、これを超えないように第2クラッチ伝達トルク容量目標値tTc2を定めるかを決定する。
つまり、詳しくは後述するが上記のモータトルク上限値Tevulmtに基づくモータ/ジェネレータ1のトルク制限を行わない間は、第2クラッチスリップ制御用伝達トルク容量目標値tTc2slipをそのまま第2クラッチ伝達トルク容量目標値tTc2とし、
モータトルク上限値Tevulmtに基づくモータ/ジェネレータ1のトルク制限を行う間は、当該モータトルク制限開始時における第2クラッチスリップ制御用伝達トルク容量目標値tTc2slipを第2クラッチ伝達トルク容量目標値tTc2とする。
次のステップS21は、図2の第1クラッチ伝達トルク容量目標値演算手段41に相当し、ここにおいては、第1クラッチ6の伝達トルク容量目標値tTc1を以下のようにして決定する。
つまり、ステップS4で設定した第1クラッチ制御モードフラグfCL1が1(第1クラッチ6を締結させるべき)で、且つ、第2クラッチ7の実スリップ回転数Nc2slipが図2の演算手段38で求めた第2クラッチスリップ回転目標値tΔNc2(エンジン始動時はエンジン始動時第2クラッチスリップ回転目標値)以上である場合は、第1クラッチ伝達トルク容量目標値tTc1を第1クラッチ6の実現可能最大伝達トルク容量Tc1maxとし、
第1クラッチ制御モードフラグfCL1が0(第1クラッチ6を解放させるべき)である場合は、第1クラッチ伝達トルク容量目標値tTc1を0にする。
次のステップS22においては、前記のように定めた第2クラッチ伝達トルク容量目標値tTc2および上記第1クラッチ伝達トルク容量目標値tTc1を達成するための第2クラッチ7および第1クラッチ6の油圧ソレノイド電流Ic2,Ic1をそれぞれ以下のようにして決定する。
つまり、先ず図9に例示する予定のマップをもとに第2クラッチ伝達トルク容量目標値tTc2および第1クラッチ伝達トルク容量目標値tTc1を実現する第2クラッチ7および第1クラッチ6のクラッチ油圧を検索し、
次いで図10に例示するマップをもとに当該クラッチ油圧を発生する第2クラッチ7および第1クラッチ6の油圧ソレノイド電流Ic2,Ic1をそれぞれ決定する。
かように決定した第2クラッチ7および第1クラッチ6の油圧ソレノイド電流をステップS25において、対応するクラッチコントローラ26へ供給し、このコントローラにより第2クラッチ7および第1クラッチ6を、それぞれの伝達トルク容量が目標値tTc2,tTc1に一致するよう締結制御する。
次のステップS23は、図2における第2クラッチスリップ制御用モータトルク目標値演算手段42に相当し、ここでは、ステップS9(図2の演算手段35)で求めた第2クラッチ入力側回転数目標値tNc2iと、センサ13で検出した第2クラッチ入力側回転数検出値Nc2iとの間における偏差Nc2ierrを0にして、第2クラッチ入力側回転数検出値Nc2iを第2クラッチ入力側回転数目標値tNc2iに一致させるための第2クラッチスリップ制御用モータ/ジェネレータトルクtTmslipを、例えば周知のPID制御により演算する。
ステップS24は、図2におけるモータトルク制限手段43に相当し、ここにおいては、ステップS23(図2の演算手段42)で求めた第2クラッチスリップ制御用モータトルク目標値tTmslipを、ステップS19(図2の演算手段39)で求めたEV時モータトルク上限値Tevulmtに制限してモータ/ジェネレータ1のモータトルク目標値tTmとする。
かように決定したモータ/ジェネレータ1のモータトルク目標値tTmをステップS25において、対応するモータ/ジェネレータコントローラ25へ供給し、このコントローラによりモータ/ジェネレータ1を、そのモータトルクが目標値tTmに一致するよう駆動制御する。
ステップS24(図2のモータトルク制限手段43)による上記のモータトルク制限中は、図2に示すようにモータトルク制限手段43からのモータトルク制限信号を第2クラッチ伝達トルク容量制限手段40(図3のステップS20)が受けて、前記したごとく、当該モータトルク制限開始時における第2クラッチスリップ制御用伝達トルク容量目標値tTc2slipを第2クラッチ伝達トルク容量目標値tTc2とし、第2クラッチ伝達トルク容量目標値tTc2がこれを超えることのないよう制限をする。
ただし、ステップS24(図2のモータトルク制限手段43)による上記のモータトルク制限が行われない間は、第2クラッチスリップ制御用伝達トルク容量目標値tTc2slipをそのまま第2クラッチ伝達トルク容量目標値tTc2として、第2クラッチ伝達トルク容量目標値tTc2の制限も行わないこととする。
上記した実施例になるハイブリッド車両の電気走行制御装置によれば、
電気(EV)走行モードで、モータ/ジェネレータ1のモータトルク目標値tTmに対し、モータ/ジェネレータ1が発生可能な最大モータトルクTmmaxから、ハイブリッド(HEV)走行モードへの切り替えに際して行うべきエンジン始動のために要求されるエンジン始動トルクTengstを差し引いたトルク値を上限とする上限値Tevulmt=Tmmax−Tengstを設定し、モータトルク目標値tTmが上限値Tevulmtに達した時における第2クラッチ7の伝達トルク容量目標値を、第2クラッチ7の伝達トルク容量目標値tTc2の上限値として設定するため、図11に示すように以下の作用効果が奏し得られる。
図11は、電気(EV)走行モードで車両を発進させ、その後の瞬時t1にアクセルペダルの更なる踏み込みによる加速が行われ、車速の上昇で瞬時t3に電気(EV)走行モードからハイブリッド(HEV)モードへの切り替え指令が出されてエンジン始動制御が開始され、瞬時t4にエンジンの始動が完了した場合の動作タイムチャートである。
本実施例においては、瞬時t1の踏み込みによる加速要求に呼応してモータ/ジェネレータ1のモータトルク目標値tTmおよび第2クラッチ7の伝達トルク容量目標値tTc2が図示のごとくに増大され、これにより車両加速度の時系列変化として示すように車両を加速させることができる。
増大中のモータトルク目標値tTmがモータトルク上限値Tevulmtに達する瞬時t2以後は、モータトルク目標値tTmがモータトルク上限値Tevulmtを超えることのないよう、モータトルク目標値tTmを図示のごとくモータトルク上限値Tevulmtに保って、理論上車輪駆動トルクの低下なしにエンジンの始動を行うことを目的とし、電気(EV)走行中はモータトルク目標値tTmにエンジン始動トルクα=Tengst分の余裕を持たせておく。
本実施例では更に、増大中のモータトルク目標値tTmがモータトルク上限値Tevulmtに達する瞬時t2以後、当該瞬時t2における第2クラッチ7の伝達トルク容量目標値を、第2クラッチ伝達トルク容量目標値tTc2の上限値として設定し、第2クラッチ伝達トルク容量目標値tTc2が図示のごとく、瞬時t2における第2クラッチ7の伝達トルク容量目標値を超えることのないようにする。
かくて、第2クラッチ7の伝達トルク容量実際値Tc2がハードウェアの個体差などにより第2クラッチ伝達トルク容量目標値tTc2から例えばδで示すごとくずれていても、瞬時t2以後における第2クラッチ7の伝達トルク容量実際値Tc2を、モータトルク上限値Tevulmt(図示では80Nm)に一致させることができる。
かかる第2クラッチ7の伝達トルク容量制限制御によれば、以下の作用効果が奏し得られる。
ハイブリッド(HEV) 走行モードへの切り替え(エンジン始動)指令瞬時t3は、モータトルク目標値tTmをエンジン始動トルク分α=Tengstだけ増大させて、第1クラッチ6の締結とでエンジン2をクランキングさせることにより、エンジン回転数NeおよびエンジントルクTeの立ち上がりから明らかなようにエンジンを始動させることになるが、
この間、第2クラッチ7が伝達トルク容量Tc2をモータトルク上限値Tevulmt(図示では80Nm)相当のものに制限されていることから、上記モータトルク増大分α=Tengstによるエンジン始動時に第2クラッチ7が、その入出力側回転数Nc2i,Nc2o間における差回転として示されているようにスリップして、モータトルク増大分α=Tengstを車輪側に向かわせることなく全てエンジン始動の用に供し得る。
モータトルク増大分α=Tengstの一部でも車輪側に向かうと、図14の破線A,Bで囲んだ加速度変化にもとづき前述した不自然な加速度変化を生ずるが、
本実施例によれば、モータトルク増大分α=Tengstを全く車輪側に向かわせることがないため、エンジン始動開始瞬時t3からエンジン始動瞬時t4までの間における車両加速度の時系列変化から明らかなように、エンジン始動時に不自然な加速度変化が発生するのを防止することができる。
なお本実施例においては更に、モータ/ジェネレータ1のモータトルク目標値tTmが上限値Tevulmtに制限されている間、図2における選択手段36が第2クラッチ回転数目標値tNcとして第2クラッチ入力側回転数目標値tNc2iを選択し、図2における演算手段37がこの第2クラッチ入力側回転数目標値tNc2iに第2クラッチ入力側回転数検出値Nc2を一致させるようにスリップ制御用第2クラッチ伝達トルク容量目標値tTc2slipを決定することから、つまり、モータトルク目標値tTmの制限中は、第2クラッチ7の伝達トルク容量制御により第2クラッチ7の入力側回転数Nc2iを調整して第2クラッチ7のスリップ制御を行うことから、
当該モータトルクの制限中においても第2クラッチ7を引き続き所定通りにスリップ制御することができる。
本実施例においては上記したごとく、第2クラッチ7の伝達トルク容量実際値Tc2がハードウェアの個体差などにより第2クラッチ伝達トルク容量目標値tTc2から例えば図11にδで示すごとくずれていても、瞬時t2以後における第2クラッチ7の伝達トルク容量実際値Tc2を、モータトルク上限値Tevulmt(図示では80Nm)に一致させることができ、上記の作用効果を確実に達成することができるが、当該ずれを補償し得る場合や、当該ずれを無視できる場合、図1の統合コントローラ20は図2に示すものに代えて、図12に示すような構成にすることもできる。
図12中、図2におけるブロックに対応するブロックには同一符号を付して示した。
図2と相違する箇所のみについて説明するに、第2クラッチ伝達トルク容量目標値演算手段37は駆動トルク目標値tTdを伝達するに必要な第2クラッチ7の伝達トルク容量目標値tTc2を求める。
演算手段35で求めた第2クラッチ入力側回転数目標値tNc2iと、センサ13で検出した第2クラッチ入力側回転数検出値Nc2iとを減算器44に入力し、この減算器44は、前者の第2クラッチ入力側回転数目標値tNc2iから後者の第2クラッチ入力側回転数検出値Nc2iを減算して、両者間における第2クラッチ入力側回転数偏差Nc2ierrを求める。
第2クラッチスリップ制御用モータトルク目標値演算手段42は、第2クラッチ入力側回転数偏差Nc2ierrを0にして、第2クラッチ入力側回転数検出値Nc2iを第2クラッチ入力側回転数目標値tNc2iに一致させるための第2クラッチスリップ制御用モータ/ジェネレータトルクtTmslipを、例えば周知のPID制御により演算する。
EV時モータトルク上限値演算手段39は、前記した実施例におけると同様、電気(EV)走行中におけるモータ/ジェネレータ1のモータトルク上限値Tevulmtを前記(6)式により、つまり、モータ/ジェネレータ1が発生し得るモータ出力可能トルク最大値Tmmax(バッテリ蓄電状態SOC等に応じて決まる)から、エンジン2を始動させる時に必要なエンジン始動用トルクTengstの減算により求める。
第2クラッチ伝達トルク容量制限手段40は、演算手段37で求めた第2クラッチ伝達トルク容量目標値tTc2が上記のモータトルク上限値Tevulmtを越えることのないよう、第2クラッチ伝達トルク容量目標値tTc2を制限してクラッチコントローラ26に向かわせる。
かように決定した第2クラッチ伝達トルク容量目標値tTc2をクラッチコントローラ26へ供給し、このコントローラにより第2クラッチ7を、その伝達トルク容量が目標値tTc2に一致するよう締結制御する。
モータトルク制限手段43は、演算手段42で求めた第2クラッチスリップ制御用モータトルク目標値tTmslipを、演算手段39で上記のごとくに求めたEV時モータトルク上限値Tevulmtに制限してモータ/ジェネレータ1のモータトルク目標値tTmとする。
かように決定したモータ/ジェネレータ1のモータトルク目標値tTmをモータ/ジェネレータコントローラ25へ供給し、このコントローラによりモータ/ジェネレータ1を、そのモータトルクが目標値tTmに一致するよう駆動制御する。
上記した実施例になるハイブリッド車両の電気走行制御装置によれば、
電気(EV)走行モードで、モータ/ジェネレータ1のモータトルク目標値tTmに対し、モータ/ジェネレータ1が発生可能な最大モータトルクTmmaxから、ハイブリッド(HEV)走行モードへの切り替えに際して行うべきエンジン始動のために要求されるエンジン始動トルクTengstを差し引いたトルク値を上限とする上限値Tevulmt=Tmmax−Tengstを設定し、
同時に、第2クラッチ7の伝達トルク容量目標値tTc2に対しても、モータトルク目標値tTmに対すると同じ上限値Tevulmtを設定し、
電気(EV)走行中は、モータ/ジェネレータ1のモータトルクが上限値Tevulmtを越えないように制限すると共に、第2クラッチ7の伝達トルク容量が同じ上限値Tevulmtを越えないように制限するため、図13に示すように以下の作用効果が奏し得られる。
図13は、電気(EV)走行モードで車両を発進させ、車速の上昇で瞬時t3に電気(EV)走行モードからハイブリッド(HEV)モードへの切り替え指令が出されてエンジン始動制御が開始され、瞬時t4にエンジンの始動が完了した場合の動作タイムチャートである。
発進のために増大させるモータトルク目標値tTmがモータトルク上限値Tevulmt(図示では80Nm)に達する瞬時t2以後は、モータトルク目標値tTmがモータトルク上限値Tevulmtを超えることのないよう、モータトルク目標値tTmを図示のごとくモータトルク上限値Tevulmtに保って、電気(EV)走行中はモータトルク目標値tTmにエンジン始動トルクα=Tengst分の余裕を持たせておく。
また、上記モータトルク目標値tTmの制限と同時に、つまり瞬時t2より、第2クラッチ7の伝達トルク容量目標値tTc2に対しても図示のごとく同じ上限値Tevulmt(図示では80Nm)を設定し、第2クラッチ伝達トルク容量目標値tTc2が上限値Tevulmtを越えることのないようにする。
かかる第2クラッチ7の伝達トルク容量制限制御によれば、以下の作用効果が奏し得られる。
ハイブリッド(HEV) 走行モードへの切り替え(エンジン始動)指令瞬時t3は、モータトルク目標値tTmをエンジン始動トルク分α=Tengstだけ増大させて、第1クラッチ6の締結とでエンジン2をクランキングさせることにより、エンジン回転数NeおよびエンジントルクTeの立ち上がりから明らかなようにエンジンを始動させることになるが、
この間、第2クラッチ7が伝達トルク容量Tc2をモータトルク上限値Tevulmt(図示では80Nm)に制限されていることから、上記モータトルク増大分α=Tengstによるエンジン始動時に第2クラッチ7が、その入出力側回転数Nc2i,Nc2o間における差回転として示されているようにスリップして、モータトルク増大分α=Tengstを車輪側に向かわせることなく全てエンジン始動の用に供し得る。
モータトルク増大分α=Tengstの一部でも車輪側に向かうと、図14の破線A,Bで囲んだ加速度変化にもとづき前述した不自然な加速度変化を生ずるが、
本実施例によれば、モータトルク増大分α=Tengstを全く車輪側に向かわせることがないため、エンジン始動開始瞬時t3からエンジン始動瞬時t4までの間における車両加速度の時系列変化から明らかなように、エンジン始動時に不自然な加速度変化が発生するのを防止することができる。
本発明の一実施例になる電気走行制御装置を具えたハイブリッド車両のパワートレーンを、その制御システムと共に示す略線図である。 図1における統合コントローラの電気走行制御部分に係わる機能別ブロック線図である。 図1における統合コントローラが実行する電気走行制御の制御プログラムを示すフローチャートである。 図3の電気走行制御において第2クラッチ制御モードを決定するためのプログラムを示すフローチャートである。 車輪駆動トルク目標値を求めるときに用いる特性線図である。 図1における第2クラッチの伝達トルク容量を求めるときに用いる特性線図である。 図3における第2クラッチ締結制御部分の機能別ブロック線図である。 エンジン始動時第2クラッチ伝達トルク容量補正値の変化特性を示す特性線図である。 クラッチ伝達トルク容量目標値に対応したクラッチ油圧を求めるときに用いる特性線図である。 図9にもとづき求めたクラッチ油圧を発生させる油圧ソレノイド電流を求めるときに用いる特性線図である。 図1〜3におけるハイブリッド車両用電気走行制御の動作タイムチャートである。 本発明によるハイブリッド車両用電気走行制御装置の他の例を示す、図2と同様な機能別ブロック線図である。 図12におけるハイブリッド車両用電気走行制御の動作タイムチャートである。 従来のハイブリッド車両用電気走行制御の動作タイムチャートである。
符号の説明
1 モータ/ジェネレータ
2 エンジン
3L,3R 左右駆動車輪
4 自動変速機
5 モータ/ジェネレータ軸
6 第1クラッチ
7 第2クラッチ
8 終減速機
11 アクセル開度センサ
12 車速センサ
13 第2クラッチ入力側回転センサ
14 第2クラッチ出力側回転センサ
15 エンジン回転センサ
16 第2クラッチ作動油温センサ
20 統合コントローラ
21 バッテリ
22 インバータ
23 バッテリコントローラ
24 エンジンコントローラ
25 モータ/ジェネレータコントローラ
26 クラッチコントローラ
27 変速機コントローラ
31 駆動トルク目標値演算手段
32 トルク配分手段
33 第1クラッチ状態設定手段
34 第2クラッチ出力側回転数目標値演算手段
35 第2クラッチ入力側回転数目標値演算手段
36 第2クラッチ回転数目標値選択手段
37 第2クラッチ伝達トルク容量目標値選択手段
38 第2クラッチスリップ回転数目標値演算手段
39 EV時モータトルク上限値演算手段
40 第2クラッチ伝達トルク容量制限手段
41 第1クラッチ伝達トルク容量目標値演算手段
42 第2クラッチスリップ制御用モータトルク目標値演算手段
43 モータトルク制限手段
51 フィードフォワード補償演算部
52 第2クラッチ出力側回転数目標値演算部
53 第2クラッチ出力側回転数規範値演算部
54 第2クラッチ出力側回転数偏差演算部
55 第2クラッチ伝達トルク容量補正値演算部
56 最終クラッチ伝達トルク容量目標値演算部

Claims (3)

  1. 動力源としてエンジンおよびモータ/ジェネレータを具え、これらエンジンおよびモータ/ジェネレータ間に伝達トルク容量を変更可能な第1クラッチを介在させ、モータ/ジェネレータおよび駆動車輪間に伝達トルク容量を変更可能な第2クラッチを介在させ、
    エンジンを停止させ、第1クラッチを解放すると共に第2クラッチを締結することによりモータ/ジェネレータからの動力のみによる電気走行モードを選択可能で、第1クラッチおよび第2クラッチを共に締結することによりエンジンおよびモータ/ジェネレータの双方からの動力によるハイブリッド走行モードを選択可能なハイブリッド車両において、
    前記電気走行モードでは、前記モータ/ジェネレータのモータトルク目標値および前記第2クラッチの伝達トルク容量目標値に対しそれぞれ、モータ/ジェネレータの発生可能な最大モータトルクから、ハイブリッド走行モードへの切り替えに際して行うべきエンジン始動のために要求されるエンジン始動トルクを差し引いたトルク値を上限とする上限値を設定したことを特徴とするハイブリッド車両の電気走行制御装置。
  2. 車両運転状態に応じた駆動トルク目標値から前記第2クラッチの伝達トルク容量目標値を演算し、該第2クラッチの入力側回転数を前記モータ/ジェネレータにより制御する、請求項1に記載の電気走行制御装置において、
    前記電気走行モードでは、前記モータ/ジェネレータのモータトルク目標値に対し前記上限値を設定し、該モータトルク目標値が前記上限値に達した時における第2クラッチの伝達トルク容量目標値を、第2クラッチの伝達トルク容量目標値の上限値として設定するよう構成したことを特徴とするハイブリッド車両の電気走行制御装置。
  3. 請求項2に記載の電気走行制御装置において、
    前記モータ/ジェネレータのモータトルク目標値が前記上限値に制限されている間、前記第2クラッチの伝達トルク容量制御により該第2クラッチの入力側回転数を調整して第2クラッチのスリップ制御を行うよう構成したことを特徴とするハイブリッド車両の電気走行制御装置。

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