JP4797249B2 - 加飾シート、射出成形同時加飾方法、及び加飾成形品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、射出成形同時加飾技術に関する。特に、優れた耐擦傷性が得られる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、樹脂成形物の表面を加飾した加飾成形品が各種用途で使用されている。例えば、特公昭50−19132号公報、特公平2−42080号公報等に開示の射出成形同時加飾方法では、樹脂成形物の射出成形と同時に、その表面に加飾シートをラミネ−トシート又は転写シートとして用いて、表面が加飾された加飾成形品が得られる。そして、加飾成形品に耐擦傷性等の表面硬度が要求される場合は、例えば次の様な加飾シートが用いられる。
【0003】
(1)特公昭61−3272号公報、特公昭64−1320号公報等に開示の如き、転写後に表層にくる剥離層を、電離放射線硬化性樹脂の硬化物からなる硬質塗膜(ハードコート層)とした転写シートを加飾シートとして用いる。そして、一般的には表面硬度を有する加飾成形品は、この様な加飾シートによる転写にて得る事が多い。
(2)或いは特公平4−19924号公報、特公平5−49480号公報等に開示の如き、未硬化状態に於いて室温で固体の電離放射線硬化性樹脂の未硬化物層を持つ転写シートを加飾シートとして用いて、それを成形同時転写し、而る後に電離放射線照射で硬化させて硬質塗膜とする。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記(1)の転写で形成する硬質塗膜は、加飾シートの状態で既に硬化物層としてハードコート性を持たせている。その上、数μm程度の薄膜で十分耐擦傷性を確保する為、硬質塗膜の硬度は最大限高く設計される為、被転写体の形状によっては成形性が問題となり、加飾シートの予備成形時及び射出成形時に、硬質塗膜が延びきれず、硬質塗膜にクラック等が発生する等の不具合が生じる。
また、上記(2)では、硬質塗膜は転写時には未硬化状態であるので、上記(1)の問題は解決するが、硬化後の耐擦傷性、耐溶剤性を向上させようとすると、硬質塗膜の樹脂の分子量を小さく(架橋点間分子量を小さく)せざる得ない。しかし、そうすると、未硬化物が軟質となり加飾シートを印刷製造時に、印刷機のローラ等により未硬化状態の硬質塗膜面に擦り傷が付く場合がある。また、ブロッキングもし易い。しかも、射出成形同時加飾の場合は更に、未硬化状態の硬質塗膜は(硬化状態に比べて)加熱時の強度が低下しているので、成形同時転写時に転写層が流動、変形し易くなる。
更に、上記(2)の欠点として、一旦、加飾成形品の凹凸面に沿って転写された硬質塗膜にバラツキ無く全面均一に、迅速且つ容易に電離放射線照射を行うことは困難であり生産性が低下する。
【0005】
すなわち、本発明の課題は、上記問題点(シート製造時の傷付き、ブロッキング、成形時のクラック、塗膜の流動・変形、硬化のバラツキ、生産性低下)を回避しつつ、耐擦傷性が優れる加飾シート及び射出成形同時加飾方法を提供する事である。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そこで、上記課題を解決すべく、本発明の加飾シートは、射出成形同時加飾に用いる加飾シートにおいて、透明な熱可塑性ポリエステル樹脂からなる基材シートの表面側に、アルミナ粒子を添加したアクリレート系の電離放射線硬化性樹脂の硬化物から成る透明な表面保護層を積層し、且つ該基材シートの裏面側に、ポリエステルポリオールとイソシアネートとを反応させて成るバインダー樹脂中に、着色剤を添加して成る装飾層と、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を主成分とする接着剤層とをこの順に積層して成る構成とした。
【0007】
上記の様な構成とすることで、耐擦傷性に優れ、また、ポリカーボネート樹脂等への密着が良い加飾シートとなる。その上、表面保護層は加飾シートの状態で既に硬化物としてある為に、加飾シート製造時の傷付き、ブロッキングが防げる他、加飾シート成形時の表面保護層の流動・変形が防げ、更に、加飾シートラミネ−ト後に硬化させる必要が無いので、硬化のバラツキや生産性低下も防げる。また、表面保護層の表面強度は樹脂分のみで硬質化せずに、アルミナ粒子添加及び基材シートの存在で最終的な性能を出しているので、樹脂自体の硬度も低めに設定でき、更に、基材シートによる成形応力の分散・緩和によって、加飾シート成形時の表面保護層のクラック発生も防げる。
【0008】
また、本発明の射出成形同時加飾方法は、上記本発明の加飾シートを、その接着剤層が射出樹脂と接する向きにして、雌雄両型間に挿入した後、両型を型締めし、両型で形成されるキャビティ内に流動状態の樹脂を射出し、該樹脂を固化させた後、型開きして、樹脂成形物に前記加飾シートが積層一体化された加飾成形品を得る様にした。
【0009】
この様な加飾方法とする事で、前記した加飾シートの効果が得られる。すなわち、加飾シート製造時から発生する表面傷付きが防げる上、成形時のクラック、塗膜の流動・変形、硬化のバラツキ、及び生産性低下を回避しつつ、優れた耐擦傷性を加飾成形品に付与できる。
【0010】
また、本発明の加飾成形品は、ポリカーボネート樹脂から成る樹脂成形物の表面に、請求項1記載の加飾シートが、その接着剤層と樹脂成形物とが接する向きで積層一体化して成る構成とした。
【0011】
この様な構成とすることで、前記した本発明の加飾シートによる効果が得られる。すなわち、加飾シートと樹脂成形物との密着性良好な上、加飾シート製造時から発生する表面傷付きが防げる上、クラック、塗膜の流動・変形、硬化のバラツキ、及び生産性低下を回避しつつ、優れた耐擦傷性が付与された加飾成形品とすることができる。また、樹脂成形物の樹脂がポリカーボネート樹脂であるので、耐熱性、耐衝撃性、寸法安定性、及び耐候性も良好となる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
【0013】
加飾シート:
先ず、加飾シートから説明する。
【0014】
〔概要〕
先ず、図1の断面図に、本発明の加飾シートの一形態を示す。図1の加飾シートSは、射出成形同時加飾に用いる加飾シートとして、透明な熱可塑性ポリエステル樹脂からなる基材シート1の表面側に、アルミナ粒子を添加したアクリレート系の電離放射線硬化性樹脂の硬化物から成る透明な表面保護層2が積層され、一方、基材シート1の裏面側には、ポリエステルポリオールとイソシアネートとを反応させて成るバインダー樹脂中に、着色剤を添加して成る装飾層3と、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を主成分とする接着剤層4がこの順に積層されて成る構成の加飾シートである。
【0015】
〔基材シート〕
基材シート1としては、透明な熱可塑性ポリエステル樹脂が使用される。該熱可塑性ポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、エチレン−テレフタレート−イソフタレート共重合体、ポリエチレンナフタレート、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、非晶性ポリエステル等が使用できる。
上記ポリエステル系熱可塑性エラストマーとしては、ハードセグメントに高結晶で高融点の芳香族ポリエステル、ソフトセグメントにはガラス転移温度が−70℃以下の非晶性ポリエーテル等を使用したブロックポリマー等があり、該高結晶性で高融点の芳香族ポリエステルには、例えばポリブチレンテレフタレートが使用され、該非晶性ポリエーテルには、ポリテトラメチレングリコール等が使用される。
また、前記非晶質ポリエステルとしては、代表的には、エチレングリコール−1,4−シクロヘキサンジメタノール−テレフタル酸共重合体がある。
なお、透明基材シート中には、必要に応じ適宜、副成分の範囲内でポリエステル樹脂以外の樹脂を添加しても良い。
【0016】
なお、基材シート1は、必要に応じて未延伸、1軸延伸、或いは2軸延伸したものを選択する。積層一体化の際の成形性が求められる場合は、未延伸のものの方が好ましい。また、成形性が求められない場合は、むしろ、1軸又は2軸延伸して、積層一体化時の基材シート変形を抑えた方が、表面保護層の硬度をより高く設定しても亀裂の発生を防止出来て好ましい。
【0017】
また、基材シートは、通常は無着色透明だが、必要に応じ適宜公知の着色剤の添加によって着色透明としても良い。但し、着色は該シートを通して装飾層を観察可能な範囲内で行う。装飾層の表側に、この透明な熱可塑性ポリエステル樹脂からなる基材シートを使用する事で、該基材シートによる優れた透明性によって、塗装感、透明感等の高級感の意匠を加飾成形品に付与できる。また、これに加えて、基材シートは表面保護層に加わる積層一体化(射出成形)時の応力を分担・緩和して、表面保護層の亀裂を防ぐとともに、耐擦傷性の向上にも寄与する。
また、基材シート中には、必要に応じて、適宜、可塑剤、安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤等の各種添加剤を、物性調整の為に添加しても良い。
また、基材シートは、単層のシート他、2層以上の積層体のシートでも良い。また、基材シートの表面、裏面、或いは表裏両面には、必要に応じて、コロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理等の易接着処理を行い、表面にヒドロキシル基、カルボキシル基、カルボニル基等の極性官能基を生成させても良い。
また、基材シートの厚みは、特に限定されないが、通常20〜500μm程度である。
【0018】
〔表面保護層〕
表面保護層2としては、アルミナ粒子を添加したアクリレート系の電離放射線硬化性樹脂の硬化物から成る透明な層として、基材シート1の表側とする面に形成する。この表面保護層によって、製造時の表面傷付き、ブロッキング、シート成形時のクラック等、塗膜の流動・変形、硬化のバラツキ、或いは生産性低下等の各種問題発生を回避しつつ、優れた耐擦傷性が得られる。
【0019】
表面保護層の樹脂としては、基本的には各種の電離放射線硬化性樹脂を用いる事ができる。該電離放射線硬化性樹脂としては、具体的には、分子中にラジカル重合性不飽和結合又はカチオン重合性官能基を有する、プレポリマー(所謂オリゴマーも包含する)及び/又はモノマーを適宜混合した電離放射線により架橋硬化可能な組成物が好ましくは用いられる。なお、ここで電離放射線とは、分子を重合或いは架橋させ得るエネルギーを有する電磁波又は荷電粒子を意味し、通常は、電子線(EB)、又は紫外線(UV)が一般的である。
【0020】
上記プレポリマー又はモノマーは、具体的には、分子中に(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基等のラジカル重合性不飽和基、エポキシ基等のカチオン重合性官能基等を有する化合物からなる。これらプレポリマー、モノマーは、単体で用いるか、或いは複数種混合して用いる。なお、ここで、例えば、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基又はメタクリロイル基の意味である。
【0021】
アクリレート系として、分子中にラジカル重合性不飽和基を有するプレポリマーの例としては、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、トリアジン(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレート等が使用できる。分子量としては、通常250〜100,000程度のものが用いられる。
【0022】
また、アクリレート系として、分子中にラジカル重合性不飽和基を有するモノマーの例としては、単官能モノマーでは、メチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等がある。また、多官能モノマーでは、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイドトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等もある。
【0023】
一般に電離放射線硬化性樹脂としては、エポキシ系、ポリエン/チオール系等もあるが、なかでも、特に好ましいものは、分子中に(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ基等を有するアクリレート系の電離放射線硬化性樹脂である。それは、各種表面物性に応じた各種樹脂材料を、アクリレート系の電離放射線硬化性樹脂では、比較的低コストで入手でき、且つ耐擦傷性、その他物性等の各種表面物性に対応し易いからである。
また、表面物性及びコストの点で好ましい電離放射線硬化性樹脂の具体例を挙げれば、多官能ポリエステル(メタ)アクリレートと、3〜4官能(メタ)アクリレートモノマーと、適宜エチレンオキサイド変性したトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートとの混合系が挙げられる。
【0024】
なお、上記電離放射線硬化性樹脂を、紫外線にて硬化させる場合には、該電離放射線硬化性樹脂に更に光重合開始剤を添加する。アクリレート系の電離放射線硬化性樹脂の場合は、通常ラジカル重合で硬化させるので、光重合開始剤として、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル類を単独又は混合して用いる。
なお、これらの光重合開始剤の添加量としては、電離放射線硬化性樹脂100質量部に対して、0.1〜10質量部程度である。
【0025】
なお、上記電離放射線硬化性樹脂には、後述するアルミナ粒子以外に、更に必要に応じて、各種添加剤を添加しても良い。これらの添加剤としては、例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、セルロース系樹脂等の熱可塑性樹脂、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の微粉末からなる体質顔料(充填剤)、ワックス、シリコーン樹脂等の滑剤、染料、顔料等の着色剤等である。
【0026】
なお、紫外線源としては、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク灯、ブラックライト、メタルハライドランプ等の光源が使用される。紫外線の波長としては通常190〜380nmの波長域が主として用いられる。また、電子線源としては、コッククロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、或いは、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器を用い、100〜1000keV、好ましくは、100〜300keVのエネルギーをもつ電子を照射するものが使用される。
【0027】
そして、本発明では、この表面保護層とするアクリレート系の電離放射線硬化性樹脂中に、必須成分としてアルミナ粒子を添加する。アルミナ粒子の添加により、加飾シート成形時に表面保護層のクラック発生無しにその耐擦傷性を良くすることが出来る。
該アルミナ粒子の形状は、球形、多面体、或いは鱗片形等である。アルミナとしては好ましくは、α−アルミナを使用する。また、粒径は、平均粒径で3〜30μm程度のものを通常使用する。粒径が小さ過ぎると耐擦傷性向上効果が低減する。また粒径が大きすぎると表面の平滑性が低下する。また、必要に応じて、アルミナ粒子の表面にシランカップリング剤で被覆処理を施しても良い。アルミナ粒子の添加量は、樹脂分100質量部に対して、通常5〜30質量%程度である。
【0028】
なお、更に減摩剤として、シリカ、アルミノシリケート等の粒子を添加しても良い。
【0029】
〔装飾層〕
装飾層3としては、バインダー樹脂に特定樹脂を用い、着色剤が添加された層とする他は、基本的には特に制限は無い。装飾層は、通常は印刷インキ或いは塗料で、公知の印刷又は塗工法により形成する。また、装飾層の代表例は、絵柄を表現する絵柄層である。
【0030】
上記特定のバインダー樹脂として、本発明では、ポリエステルポリオールとイソシアネートとを反応させて成る樹脂を用いる。この様な樹脂を用いる事によって、熱可塑性ポリエステル樹脂からなる基材シートに密着良く装飾層を積層できる。
【0031】
なお、ポリエステルポリオールとしては、例えば、ポリ(エチレンアジペート)、ポリ(ブチレンアジペート)、ポリ(ネオペンチルアジペート)、ポリ(ヘキサメチレンアジペート)、ポリ(ブチレンアゼラエート)、ポリ(ブチレンセバケート)、ポリカプロラクトン等を使用する。
また、イソシアネートとしては、分子中に2個以上のイソシアネート基を有する多価イソシアネートが用いられる。例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート、或いは、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂肪族(乃至は脂環式)イソシアネートが用いられる。或いはまた、上記各種イソシアネートの付加体又は多量体、例えば、トリレンジイソシアネートの付加体、トリレンジイソシアネート3量体(trimer)等も用いられる。
【0032】
なお、ポリエステルポリオールとイソシアネートとを反応させて成る樹脂は、熱可塑性ウレタン樹脂として、或いは、ポリエステルポリオールとイソシアネートとによる2液硬化型ウレタン樹脂として、用いる。
【0033】
なお、上記印刷インキ(或いは塗料)に用いる着色剤は公知の染料や顔料で良く、例えば、チタン白、亜鉛華、カーボンブラック、鉄黒、弁柄、クロムバーミリオン、黄鉛、チタンイエロー、群青、コバルトブルー等の無機顔料、フタロシアニンブルー、インダスレンブルー、イソインドリノンイエロー、ベンジジンイエロー、キナクリドンレッド、ポリアゾレッド、アニリンブラック等の有機顔料(或いは染料も含む)、或いは、アルミニウム、真鍮、等の鱗片状箔粉からなる金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸鉛等の鱗片状箔粉からなる真珠光沢(パール)顔料等を使用する。
【0034】
装飾層の絵柄は、例えば、木目、石目、布目、砂目、皮絞模様、タイル貼模様、煉瓦積模様、幾何学模様、文字、記号、全面ベタを1種又は2種以上を組合わせた模様等が用いられる。
【0035】
なお、上記装飾層以外に、導電体層、磁性体層等の機能性付与層を併用しても良い。例えば、導電体層では、上記特定バインダー樹脂中に含有させる材料として、着色剤の代わりに銀粉等の導電性粉末を分散させる。また、磁性体層の場合には、着色剤の代わりに、酸化鉄等から成る磁性体粉末を分散させる。
また、装飾層の絵柄としては、目視不可能な絵柄模様として、例えば可視光に対しては透明で紫外線照射で蛍光を発する蛍光顔料を着色剤に用いた蛍光インキで印刷した絵柄、着色剤に透明赤外線吸収顔料を用いた赤外線吸収性インキで印刷したバーコード等でも良い。
【0036】
〔接着剤層〕
接着剤層4は、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合を主成分とした層として形成する。接着剤層に上記樹脂を用いる事で、被着体の樹脂がポリカーボネート樹脂である場合に、加飾シートを密着性良く積層できる様になる。もちろん、他の材料からなる被着体であっても、その密着性が満足されるものであれば、ポリカーボネート樹脂以外の樹脂からなる被着体に対して、本発明の加飾シートを適用しても良い。なお、接着剤層には上記特定樹脂以外の樹脂を、副成分としての範囲で併用しても良い。例えば、アクリル樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂等である。
接着剤層は、上記樹脂による接着剤を、グラビア印刷、ロールコート等の公知の印刷又は塗工法により形成する。接着剤層の厚さは特に制限は無いが、通常は1〜100μm程度である。また、接着剤層中には、更に、印刷(或いは塗工)適性等の諸物性を調整・向上させる為に、必要に応じて適宜、体質顔料、保存安定剤等の公知の各種添加剤を添加しても良い。
【0037】
〔その他の層:保護シート〕
なお、本発明の加飾シートは、図4(A)の断面図で例示の加飾シートSaの如く、図1で示した加飾シートSの構成に対して、表面保護層2上に更に仮接着しておく保護シート6を積層した構成としても良い。保護シートは、射出成形同時加飾に加飾シートを使用前に剥がしても良いが、図7(B)に例示の如く、保護シート付きの加飾シートを樹脂成形物に積層後、その用途に適用された最終段階で保護シート6を剥離するなどすれば、得られる加飾成形品Pは、その表面が傷が無い高品質のものに出来る。しかも、加飾シートが射出成形同時加飾によって樹脂成形物に積層される際に、保護シートも加飾シートの一部として凹凸面にも成形できるので、平坦面以外に凹凸面でも保護できる。
【0038】
なお、保護シートは、例えば、ポリオレフィン系樹脂フィルム等からなり表面保護層から容易に剥離できる樹脂シートを用いる。そして、表面保護層の硬化前に積層するか、硬化後に積層する。硬化後の場合は、例えば、ゴム系、アクリル樹脂系等の適宜な粘着剤による粘着剤層、或いは接着剤層を有する構成の保護シートとしてラミネ−トする。
【0039】
射出成形同時加飾方法:
本発明の射出成形同時加飾方法は、前述した本発明の加飾シートを用いて、所謂射出成形同時加飾方法によって、樹脂成形物の表面に加飾シートを成形して積層する事で、該加飾シートが、その接着剤層を樹脂成形物に接する様にして、樹脂成形物の表面に積層一体化した加飾成形品を得る方法である。
【0040】
なお、射出成形同時加飾方法とは、特公昭50−19132号公報、特公昭43−27488号公報等に記載されるように、加飾シートを雌雄両型間に挿入した後、両型を型締めし、両型で形成されるキャビティ内に流動状態の樹脂を射出し固化させて、樹脂成形物の成形と同時にその表面に加飾シートを積層一体化して加飾成形品を得る方法である。
【0041】
本発明の射出成形同時加飾方法は、用いる加飾シートとして前述した本発明の加飾シートを用いる事以外は、従来公知の射出成形同時加飾方法に於ける各種形態をとり得るものである。例えば、基本的には、加飾シートの予備成形を行う形態でも行わない形態でも、いずれでも良い。また、加飾シートの予熱を行っても良く、行わなくても良い。なお、予備成形時には通常は加飾シートは予熱する。
【0042】
なお、もちろんの事だが、加飾シートの絞りが大きい場合は、予備成形を行うのが好ましい。一方、加飾シートの絞りが少ない場合は、射出される流動状態の樹脂の樹脂圧で加飾シートを成形しても良い。この際、絞りが浅ければ、予備成形無しで樹脂射出と同時に型内に充填される流動状態の樹脂の樹脂圧のみで加飾シートを成形しても良い。また、樹脂圧で加飾シートを成形する場合でも、加飾シートは予熱せずに射出樹脂の熱を利用する事もある。また、加飾シートの予備成形は、通常は、射出成形型を真空成形型と兼用して行うが、型間に加飾シートを供給する前に、型外部で別の真空成形型で加飾シートを真空成形する様な予備成形(オフライン予備成形)でも良い。但し、予備成形は、射出成形型と真空成形型とを兼用して行う形態が効率的且つ精度良く加飾シートを積層できる点で好ましい。しかし、予備成形済みの加飾シートを予め別の場所で纏めて製造しておく場合等では、予備成形はオフライン予備成形の形態が好ましい。なお、本発明の説明に於いて真空成形とは真空圧空成形も包含する。
【0043】
ここで、射出成形同時加飾方法を、例えば、射出成形型を真空成形型と兼用して加飾シートを予備成形する形態に於ける或る一例として、工程毎に分けて述べれば、次の様な工程からなる射出成形同時加飾方法がある。すなわち、雌雄一対からなる型が型開き状態の時に雌型のパーティング面上に加飾シートを供給するシート供給工程と、前記加飾シートを雌型のパーティング面上に固定保持するクランプ工程と、前記加飾シートを延伸させて雌型のキャビティ面に沿わせる延伸工程(予備成形工程)と、雌型と雄型とを型締めする型締め工程と、雌型と雄型とで形成されるキャビティ内に流動状態の樹脂を注入充填し固化させて、樹脂成形物と前記加飾シートとを積層一体化させる射出工程と、雌型と雄型とを離間させる型開き工程と、樹脂成形物が加飾シートで加飾された加飾成形品を取り出す取出し工程、をこの順に行う射出成形同時加飾方法がある。
【0044】
ところで、図2は射出成形同時加飾方法を或る一形態で説明する概念図である。図2に示す形態では、型締めする前に、加飾シートを型間で加熱し軟化させて射出成形型で真空成形により予備成形した後に、型締めして樹脂を射出する形態である。そこで次に、図2を用いて、射出成形同時加飾方法をより具体的に説明する。また、この形態は、前記した加飾シートの予備成形、予熱の各種組合わせ形態の中で、加飾シートの絞りが深い場合に、より好ましい形態である。なお、本発明の射出成形同時加飾方法で用いる加飾シートは、枚葉、連続帯状のどちらでも良い事はもちろんである。
【0045】
先ず、図2(A)の如く、射出成形型としては、射出ノズルと連通する湯道(ランナー)及び湯口(ゲート)を有する型Maと、キャビティ面に吸引孔41を有しシートの予備成形型を兼用する型Mbの一対の成形型を用いる。これらの型は鉄等の金属、或いはセラミックスからなる。型開き状態に於いて両型Ma、Mb間に加飾シートSを供給し、型Mbに加飾シートSを平面視枠状のシートクランプ42で押圧する等して固定する。この際、加飾シートの接着剤層側は、図面右側の射出樹脂側を向く様にする事はもちろんである。次いで、適宜、両型間に挿入したヒータ(図示略)で加飾シートを加熱軟化させる。加熱は例えば非接触の輻射加熱とするが、接触による伝導加熱でも良い。そして、吸引孔から吸引して真空成形して、加飾シートを型Mbのキャビティ面に沿わせ予備成形する。次いで、ヒータを両型間から退避させ、図2(B)の如く両型を型締めし、両型で形成されるキャビティに加熱熔融状態等の流動状態の樹脂を充填する。そして、樹脂が冷却等によって固化した後、型開きして成形物を取り出す。そして、加飾シートの不要部分がある場合は適宜トリミングすれば、図3に示す如く、樹脂成形物の表面に加飾シートが積層一体化された構成の加飾成形品が得られる
【0046】
〔射出樹脂〕
本発明の射出成形同時加飾方法に於いて、射出成形する樹脂としては、基本的には特に制限はなく公知の樹脂で良い。製品の要求物性やコスト等に応じて選定すれば良い。例えば、熱可塑性樹脂であれば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン共重合体、オレフィン系熱可塑性エラストマー等のポリオレフィン系樹脂、或いは、ABS樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂等である。また、硬化性樹脂であれば、2液硬化型の樹脂、例えば、ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等の未硬化樹脂液等である。熱可塑性樹脂は加熱熔融して流動状態で射出し、また硬化性樹脂は(その未硬化物を)室温又は適宜加熱して流動状態で射出する。
但し、本発明の射出成形同時加飾方法では、前述した本発明の加飾シートを使用する方法であり、特に塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を主成分とする接着剤層の特徴を活かして最も効果を奏するのは、上記のなかでも、ポリカーボネート樹脂である。特に加飾成形品の耐熱性、耐衝撃性、寸法安定性、及び耐候性の点でポリカーボネート樹脂は好ましい樹脂である。
【0047】
なお、射出樹脂は、用途に応じて適宜、着色剤を添加して着色した樹脂を使用しても良い。着色剤には、前述装飾層で述べた如き公知の着色剤を使用すれば良い。また、射出樹脂には、必要に応じ適宜、シリカ、アルミナ、タルク、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム等の無機物粉末、ガラス繊維等の充填剤、安定剤、滑剤等の公知の各種添加剤を含有させる。
【0048】
加飾成形品:
本発明の加飾成形品は、ポリカーボネート樹脂から成る樹脂成形物の表面に、前述した本発明の加飾シートが、その接着剤層と樹脂成形物とが接する向きで積層一体化して成る構成の成形品である。
図3の断面図では本発明の加飾成形品Pの一形態として、図1で示した様な構成の加飾シートSが樹脂成形物5上に積層一体化された構成の成形品である。樹脂成形物5の樹脂は、ポリカーボネート樹脂であり、加飾シートSは既に述べたので、ここでは更なる説明は省略する。
本発明の加飾成形品では、用いる加飾シートが特にポリカーボネート樹脂に対して密着性が良くなる構成のシートであるので、樹脂成形物の樹脂は上記如きポリカーボネート樹脂の構成が良好なる加飾シートの密着性が得られる。また、前述した加飾シートによる各種効果が得られる。また、樹脂成形物の樹脂がポリカーボネート樹脂であるので、耐熱性、耐衝撃性、寸法安定性、及び耐候性も良好となる。
【0049】
なお、加飾成形品は、通常、加飾シートによる加飾面が凹凸面等と非平面の立体物である。しかし、本発明の加飾成形品としては、加飾シートの積層面は平面だが他の面が非平面の立体物、積層面が平面となる板状物を排除するものではない。
【0050】
なお、本発明の加飾成形品を得るには、前述本発明の加飾シートをポリカーボネートの樹脂成形物に積層する方法が好ましく、またその積層方法としては、前述した射出成形同時加飾方法が好適であるが、当該方法に必ずしも限定されるものでは無い。例えば、加飾シートの被着体である樹脂成形物(に於ける加飾シートの被着面の形状)、用意できる製造設備等に応じて、その他の適宜方法を採用しても良い。例えば、特公昭56−45768号公報(オーバーレイ法)、特公昭60−58014号公報(真空プレス法)等に記載の所謂真空成形積層方法等でも良い。もちろん、前述本発明の射出成形同時加飾方法を採用する事が、ポリカーボネート樹脂に対して密着良く積層して、加飾が出来、なお且つ成形と加飾とを同時に1工程で出来、生産効率も良い等の点で好ましい。
【0051】
【実施例】
以下、実施例及び比較例により本発明を更に詳述する。
【0052】
〔実施例1〕
図1の如き加飾シートSを次の様にして作製した。厚さ100μmで透明なポリエチレンテレフタレートシートの表裏両面にコロナ放電処理を施したものを基材シート1とし、その裏側とする面に、順次、装飾層(ポリエステルポリオールと1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートとを100対6質量比で混合した2液硬化型ウレタン樹脂をバインダー樹脂とし、チタン白、イソインドリノンイエロー、キナクリドンレッド、及びフタロシアニンブルーを着色剤として用いたインキにて大理石の絵柄をグラビア印刷で多色刷りして形成)、厚さ6μmの接着剤層(塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体とアクリル樹脂との6対4質量比混合物からなる層)を、通常のグラビア印刷法にて形成して、先ず、印刷シートを作製した。
【0053】
そして、上記印刷シートについて、装飾層が印刷されていない基材シートの表側とする面に、平均粒径3μmの球形状α−アルミナ粒子を樹脂分に対して30質量%添加した下記組成の電離放射線硬化性樹脂塗料を厚み3μmに塗工し、電子線照射で架橋硬化させて該樹脂の硬化物(平均架橋間分子量272)からなる表面保護層2を形成し、目的とする加飾シートSを得た。
【0054】
<電離放射線硬化性樹脂塗料>
2官能ビスフェノールA系エポキシアクリレートプレポリマー 20質量部
2官能フェノール系エポキシアクリレート 20質量部
トリメチロールプロパントリアクリレート 20質量部
ウレタンアクリレート(分子量1700) ※1 20質量部
シリコーンアクリレート 0.8質量部
球形状α−アルミナ粒子(平均粒径3μm) 30質量部
※1 但し、ウレタンアクリレート組成は、
ポリテトラメチレングリコール(分子量1000) 1000質量部
イソホロンジイソシアネート 444質量部
2−ヒドロキシエチルアクリレート 232質量部
【0055】
そして、図2の概念図に示した様な本発明の射出成形同時加飾方法によって、上記加飾シートをポリカーボネート樹脂からなる樹脂成形物の成形と同時にその表面に積層して、加飾シートSで樹脂成形物5の表面が加飾された図3の如き加飾成形品Pを得た。なお、射出成形同時加飾は、加飾シートを射出成形型内で加熱軟化させて予備形成する形態で行った。
【0056】
〔比較例1〕
実施例1に於いて、基材シートを厚さ100μmの透明アクリル樹脂シートに代えて、表面保護層の形成は省略した他は、実施例1と同様にして加飾シートを作製した。そして、実施例1同様に加飾成形品を作製した。
【0057】
〔性能評価〕
得られた加飾成形品について、表面硬度をJIS K 5400に準じた鉛筆引っ掻き試験機による鉛筆硬度(鉛筆引っ掻き値)で評価し、耐擦傷性をスチールウール(#0000)にて10往復擦るスチールウール試験で評価した。
【0058】
その結果、実施例1は鉛筆硬度が2Hで、スチールウール試験では擦り傷は発生すぜ優れたものであった。しかし、比較例1は鉛筆硬度がHで、スチールウール試験にて3往復目にて表面に擦り傷が認められた。
また、実施例1では、加飾シート製造時に、表面保護層表面の傷付き、シート巻取り時のブロッキングも生じず、更に、加飾シート成形時に表面保護層の流動・変形も生じなかった。
【0059】
【発明の効果】
(1)本発明の加飾シートによれば、耐擦傷性に優れ、ポリカーボネート樹脂等への密着性も良い。しかも、加飾シート製造時の表面の傷付き、ブロッキングも防げる上、加飾シート成形時の表面保護層の流動・変形も防げ、また、表面保護層の硬化状態のバラツキが防げ、加飾成形品製造時に表面保護層の硬化工程が不要である為に、工程数増による生産性低下も防げる。また、加飾シート成形時の表面保護層のクラック発生も防げる。
(2)また、本発明の射出成形同時加飾方法によれば、上記本発明の加飾シートによる効果が得られる。すなわち、加飾シート製造時から発生する表面傷付きが防げる上、成形時のクラック、塗膜の流動・変形、硬化のバラツキ、及び生産性低下を回避しつつ、優れた耐擦傷性を加飾成形品に付与できる。
(3)また、本発明の加飾成形品によれば、前記本発明の加飾シートによる効果が得られる。すなわち、加飾シートと樹脂成形物との密着性良好な上、加飾シート製造時から発生する表面傷付きが防げる上、クラック、塗膜の流動・変形、硬化のバラツキ、及び生産性低下を回避しつつ、優れた耐擦傷性が付与された加飾成形品とすることができる。また、樹脂成形物の樹脂がポリカーボネート樹脂であるので、耐熱性、耐衝撃性、寸法安定性、及び耐候性も良好となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の加飾シートの一形態を示す断面図。
【図2】本発明の射出成形同時加飾方法をその一形態で説明する概念図。
【図3】本発明の加飾成形品の一形態を示す断面図。
【図4】本発明の加飾シートの別の形態例を示す断面図。
【符号の説明】
1 透明基材シート
2 透明プライマー層
3 装飾層
4 接着剤層
5 樹脂成形物
6 保護シート
41 吸引孔
42 シートクランプ
Ma 射出成形型(雄型)
Mb 射出成形型(雌型)
P 加飾成形品
S 加飾シート
Sa (保護シート付きの)加飾シート
Claims (3)
- 射出成形同時加飾に用いる加飾シートにおいて、
透明な熱可塑性ポリエステル樹脂からなる基材シートの表面側に、アルミナ粒子を添加したアクリレート系の電離放射線硬化性樹脂の硬化物から成る透明な表面保護層を積層し、且つ該基材シートの裏面側に、ポリエステルポリオールとイソシアネートとを反応させて成るバインダー樹脂中に、着色剤を添加して成る装飾層と、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を主成分とする接着剤層とをこの順に積層して成る、加飾シート。 - 請求項1記載の加飾シートを、その接着剤層が射出樹脂と接する向きにして、雌雄両型間に挿入した後、両型を型締めし、両型で形成されるキャビティ内に流動状態の樹脂を射出し、該樹脂を固化させた後、型開きして、樹脂成形物に前記加飾シートが積層一体化された加飾成形品を得る、射出成形同時加飾方法。
- ポリカーボネート樹脂から成る樹脂成形物の表面に、請求項1記載の加飾シートが、その接着剤層と樹脂成形物とが接する向きで積層一体化して成る、加飾成形品。
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