JP4769595B2 - 重合体、該重合体を含有する膜形成用組成物、該組成物を用いて形成した絶縁膜及び電子デバイス - Google Patents
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Description
また、有機ポリマーは概して有機溶剤への溶解性の不十分なものが多く、塗布液中での析出、絶縁膜中でのブツ発生の抑制が重要な課題となっているが、溶解性を向上させるためにポリマー主鎖を折れ曲がり構造にするとガラス転移点の低下、耐熱性の低下が弊害となりこれらを両立することは容易ではない。
また、ポリアリーレンエーテルを基本主鎖とする高耐熱性樹脂が知られており、比誘電率は2.6〜2.7の範囲である。しかし、高速デバイスを実現するためには更なる低誘電率化が望まれており、多孔化せずにバルクでの比誘電率を好ましくは2.6以下、より好ましくは2.5以下にすることが望まれている。
また、重合性基として炭素-炭素三重結合を有するビアダマンタンをモノマーとする薄膜形成が可能な重合体の例は知られておらず、かつ該重合体から低誘電率の薄膜を形成した例も知られていない。
により形成した絶縁膜、及び、該絶縁膜を有する電子デバイスを提供する。
(1)下記1)、2)又は3)の化合物を重合促進剤の存在下で重合して得られることを特徴とする重合体。
1)3’,3’,3”,3"−テトラメチル−3,3−ジエチニル−1,1−ビアダマンタン、
2)3,3,3’−トリエチニル−1,1’−ビアダマンタン、
3)1−エチニルビアダマンタンと3,3’−ジエチニル−1,1’−ビアダマンタンの混合物
(3)遷移金属触媒がパラジウム触媒であることを特徴とする上記(2)に記載の重合体。
(4)重合促進剤がラジカル重合開始剤であることを特徴とする上記(1)に記載の重合体。
(5)ラジカル重合開始剤が有機過酸化物およびアゾ化合物の群から選択されることを特徴とする上記(4)に記載の重合体。
(7)重合促進剤の使用量がモノマー1モルに対して0.001〜2モルであることを特徴とする上記(1)〜(6)に記載の重合体。
1)3’,3’,3”,3"−テトラメチル−3,3−ジエチニル−1,1−ビアダマンタン、
2)3,3,3’−トリエチニル−1,1’−ビアダマンタン、
3)1−エチニルビアダマンタンと3,3’−ジエチニル−1,1’−ビアダマンタンの混合物
(10)さらに塗布溶剤を含むことを特徴とする上記(8)又は(9)に記載の膜形成用組成物。
(12)密着促進剤を含むことを特徴とする上記(8)〜(11)のいずれかに記載の膜形成用組成物。
(14)上記(13)に記載の絶縁膜を有する電子デバイス。
(15)下記1)、2)又は3)の化合物を重合促進剤の存在下で重合することを特徴とする、重合体の製造方法。
1)3’,3’,3”,3"−テトラメチル−3,3−ジエチニル−1,1−ビアダマンタン、
2)3,3,3’−トリエチニル−1,1’−ビアダマンタン、
3)1−エチニルビアダマンタンと3,3’−ジエチニル−1,1’−ビアダマンタンの混合物
本発明の重合体は一般式(I)で表される化合物を重合促進剤の存在下で重合したものであり、本発明の膜形成用組成物は、一般式(I)で表される化合物の重合体を含有する。
R1及びR2は、それぞれ独立に、炭素-炭素三重結合を含む置換基を表す。
X1及びX2は、それぞれ独立に、炭素-炭素三重結合を含む置換基以外の置換基を表す。
l及びmは、独立に、0〜15の整数を表す。ただし、lとmが同時に0になることはない。
p及びnは、独立に、0〜14の整数を表す。
R1又はR2の好ましい炭素-炭素三重結合を含む置換基としては、アルキニル基(好ましくは総炭素数2〜10)、鎖中に炭素-炭素三重結合を有するアルキル基(好ましくは総炭素数3〜10)、又は、置換基として炭素-炭素三重結合を有する基を有するアリール基(好ましくは総炭素数8〜30)を挙げることができる。
R1又はR2として好ましい置換基はアルキニル基、置換基として炭素-炭素三重結合を有する基を有するアリール基であり、より好ましくはアルキニル基であり、特に好ましくはエチニル基である。
)は、好ましくは0〜4であり、より好ましくは0〜2であり、特に好ましくは0又は1である。また、l+mは1以上の整数であり、l+mの好ましい範囲は1〜4であり、より好ましくは1〜3であり、特に好ましくは2である。
アダマンタン骨格一つ当たりの炭素−炭素三重結合を含む基以外の置換基の置換数(n
又はp)は、好ましくは0〜4であり、より好ましくは0〜2であり、特に好ましくは0である。
ロモエチル基を導入、続けて強塩基で脱HBr化することによって容易に得ることができる。また、臭素置換ビアダマンタンとアリール誘導体とのフリーデルクラフツ反応によって、アリール基を導入することも容易に出来る。
一般式(I)の化合物の重合反応で使用する溶媒は、原料モノマーが必要な濃度で溶解可能であり、かつ得られる重合体から形成する膜の特性に悪影響を与えないものであればどのようなものを使用しても良い。例えば水やメタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール系溶剤、アルコールアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン、メチルベンゾエート等のエステル系溶剤、ジブチルエーテル、アニソール等のエーテル系溶剤、トルエン、キシレン、メシチレン、1,2,4,5−テトラメチルベンゼン、ペンタメチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、1,4−ジイソプロピルベンゼン、t−ブチルベンゼン、1,4−ジ−t−ブチルベンゼン、1,3,5−トリエチルベンゼン、1,3,5−トリ−t−ブチルベンゼン、4−t−ブチル−オルトキシレン、1−メチルナフタレン、1,3,5−トリイソプロピルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶剤、N−メチルピロリジノン、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶剤、四塩化炭素、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン等のハロゲン系溶剤、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤などが利用できる。
反応液の濃度は好ましくは1〜50質量%、より好ましくは5〜30質量%、特に好ましくは10〜20質量%である。
本発明において、一般式(I)の化合物の重合反応は、重合促進剤の存在下で行うことが好ましい。重合促進剤としては、例えば、金属触媒およびラジカル重合開始剤を挙げることができる。
金属触媒を使用することで、反応時間短縮、反応温度の低下のメリットの他、特に本発
明においては塗布溶剤への溶解性の良好な重合体をより高い収率で得ることができる優れた効果がある。使用できる触媒としては遷移金属触媒が好ましく用いられ、例えばPd(PPh3)4、Bis(benzonitrile)Palladiumchloride、Pd(OAc)2等のパラジウム触媒、Ziegler−Natta触媒、ニッケルアセチルアセトネート等のNi系触媒、WCl6等のW系触媒、MoCl5等のMo系触媒、TaCl5等のTa系触媒、NbCl5等のNb系触媒、Rh系触媒、Pt系触媒等が好ましく用いられる。
ラジカル重合開始剤としては有機過酸化物または有機アゾ系化合物が好ましく用いられるが、特に有機過酸化物が好ましい。
有機過酸化物としては、日本油脂株式会社より市販されているパーヘキサH等のケトンパーオキサイド類、パーヘキサTMH等のパーオキシケタール類、パーブチルH−69等のハイドロパーオキサイド類、パークミルD、パーブチルC、パーブチルD等のジアルキルパーオキサイド類、ナイパーBW等のジアシルパーオキサイド類、パーブチルZ、パーブチルL等のパーオキシエステル類、パーロイルTCP等のパーオキシジカーボネート、ジイソブチリルパーオキサイド、クミルパーオキシネオデカノエート、ジ‐n‐プロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ‐sec−ブチルパーオキシジカーボネート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカノエート、ジ(4−t−ブチルクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシネオヘプタノエート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシピバレート、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイド、1,1,3,
3−テトラメチルブチルパーオキシ‐2−エチルヘキサノエート、ジコハク酸パーオキサイド、2,5−ジメチルー2,5−ジ(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、t−ヘキシルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、ジ(4−メチルベンゾイル)パーオキサイド、t−ブチルパーオキシ‐2−エチルヘキサノエート、ジ(3−メチルベンゾイル)パーオキサイド、ベンゾイル(3−メチルベンゾイル)パーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ジ(4,4−ジ‐(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキシル)プロパン、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシ‐3,5,5、−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジ‐メチル‐2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−ジー(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、n-ブチル4,4−ジーt−ブチルパーオキシバレレート、ジ(2−t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ジクミルパーオキサイド、シ゛-t−ヘキシルパーオキサイド、2,5−ジメチル-2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーイキサイド、ジ‐t−ブチルパーオキサイド、p−メタンヒドロパーオキサイド、2,5−ジメチル-2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン‐3、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、2,3−ジメチルー2,3−ジフェニルブタン、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、o−クロロベンゾイルパーオキサイド、p
−クロロベンゾイルパーオキサイド、トリス‐(t−ブチルパーオキシ)トリアジン、2,4,4−トリメチルペンチルパーオキシネオデカノエート、α‐クミルパーオキシネオデカノエート、t−アミルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、ジーt−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート、ジ‐t−ブチルパーオキシトリメチルアジペート、ジ‐3−メトキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ‐イソプロピルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、1,6−ビス(t−ブチルパーオキシカルボニルオキシ)ヘキサン、ジエチレングリコールビス(t−ブチルパーオキシカーボネート)、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート等が好ましく用いられる。
金属触媒およびラジカル重合開始剤などの重合促進剤の使用量は、モノマー1モルに対して、好ましくは0.001〜2モル、より好ましくは0.01〜1モル、特に好ましくは0.05〜0.5モルである。
また、重合体の酸化分解を抑制するために不活性ガス雰囲気下(例えば窒素、アルゴン等)で反応させることが好ましい。また、望まない光反応を抑制するために遮光条件で重合することも好ましい。
重合して得られるポリマーの重量(質量)平均分子量の好ましい範囲は1000〜500000、より好ましくは3000〜300000、特に好ましくは5000〜200000である。
上記一般式(I)で表される化合物の重合物は、塗布溶剤に十分な濃度で溶解することが望まれる。溶解性の目安としては、電子デバイス製造の際に使用される塗布溶剤(例えば、シクロヘキサノン)に25℃で好ましくは1質量%以上、より好ましくは7質量%以上、特に好ましくは10質量%以上溶解することが好ましい。
このような重合物は、前述のようにラジカル開始剤を選択することで調製することができる。
アリルトリエトキシシラン、ジビニルジエトキシシラン、トリビニルエトキシシラン等が挙げられる。
これらの物質の例としては、Dendritech,Inc.を通じて入手でき、また、Polymer J.(東京),Vol.17,117(1985)にTomalia等により記載されているポリアミドアミン(PAMAM)デンドリマー、DSMCorporationから入手できるポリプロピレンイミンポリアミン(DAB−Am)デンドリマー、フレッシェ型ポリエーテルデンドリマー(J.Am.Chem.Soc.,Vol.112,7638(1990)、Vol.113,4252(1991)にFrec
het等により記載されている)、パーセク型液晶モノデンドロン、デンドロン化ポリマーおよびそれらの自己集合高分子(Nature,Vol.391,161(1998)、J.Am.Chem.Soc.,Vol.119,1539(1997)にPercec等により記載されている)、ボルトロンHシリーズ樹枝状ポリエステル(PerstorpABから商業的に入手できる)が挙げられる。
本発明に用いられる密着促進剤の代表的な例は、シラン、好ましくはアルコキシ・シラン(例えばトリメトキシビニルシラン、トリエトキシビニルシラン、テトラエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、ジビニルジエトキシシラン)等のオルガノシラン、アセトキシシラン(例えばビニルトリアセトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン)、およびこれらの加水分解物あるいは脱水縮合物、ヘキサメチルジシラザン[(CH3)3−Si−NH−Si(CH3)3]、または、アミノシラン・カプラー、例えばγ−アミノプロピルトリエトキシシラン、またはキレート(例えば、酸化アルミニウムを形成する点から、アルミニウムモノエチルアセトアセテートジイソプロピレート[((i-C3H7O)2Al(OCOC2H5CHCOCH3))]、アルミニウム・アルコキシド)などを挙げることができる。これらの材料を混合して用いてもよい。また、接着促進剤として市販されているものを用いてもよい。
膜形成用組成物中の密着促進剤の添加量は、全固形分に対して、一般的には0.05質量%〜5質量%、好ましくは0.1〜2質量%である。
後加熱処理は数回に分けて行っても良い。また、この後加熱は酸素による熱酸化を防ぐために窒素雰囲気下で行うことが特に好ましい。
さらに、別の用途として本発明の膜に電子ドナーまたはアクセプターをドープすることによって導電性を付与し、導電性膜として使用することも出来る。
文献(Journal of Polymer Science: Part A: Polymer Chemistry, Vol.30, 1747-1754(1992))に記載の方法に従って、3,3'−ジエチニル−1,1'−ビアダマンタン(例示化合物D−2)を合成した。次に、3,3'−ジエチニル−1,1'−ビアダマンタン10gと1,3,5−トリイソプロピルベンゼン50mlおよびPd(PPh3)4 150mgを窒素気流下で内温200℃で10時間攪拌した。反応液を室温に下げて、不溶物をろ過した後、ろ液にイソプロピルアルコール300mlを添加した。析出した固体を濾過して、イソプロピルアルコールで洗浄した。質量平均分子量200000の重合体(A)を3.0g得た。重合体(A)のシクロヘキサノンへの溶解度は25℃で15質量%以上であった。
塗布溶剤をアニソールに変更した他は実施例1と全く同じようにして、塗膜を作製した。誘電率は2.46であった。また、塗膜後の面状は良好であった。
3,3’−ジエチニル−1,1’−ビアダマンタン(例示化合物D−2)2gとジクミルパーオキサイド(パークミルD、日本油脂製)0.4g、t−ブチルベンゼン10mlを窒素気流下で内温150℃で3時間撹拌、重合した。反応液を室温にした後、メタノール100mlに添加、析出した固体を濾過して、メタノールで洗浄した。質量平均分子量約1.2万の重合体(B)を1.5g得た。
重合体(B)の1H−NMRチャート(400MHz、溶媒:CDCl3)を図1に示した。
この薄膜のFT−IRチャートを図2に示した。
この硬膜後の薄膜のFT−IRチャートを図3に示した。
3’,3’,3”,3"−テトラメチル−3,3−ジエチニル−1,1−ビアダマンタン(例示化合物D−33)2gとジクミルパーオキサイド(パークミルD、日本油脂製)0.4g、t−ブチルベンゼン10mlを窒素気流下で内温150℃で5時間撹拌、重合した。反応液を室温にした後、メタノール100mlに添加、析出した固体を濾過して、メタノールで洗浄した。質量平均分子量約1.5万の重合体(C)を1.4g得た。重合体(C)1.0gをシクロヘキサノン10gに室温で完全に溶解させて塗布液を調製した。この溶液を0.1ミクロンのテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過した後、シリコンウェハー上にスピンコートし、この塗膜を窒素気流下ホットプレート上で150℃で60秒間加熱した後、更に窒素置換した400℃のオーブン中で60分焼成した結果、膜厚0.5ミクロンのブツのない均一な膜が得られた。この膜をシクロヘキサノンに室温で5時間浸漬したが膜圧は全く減少しなかった。膜の比誘電率をフォーディメンジョンズ製水銀プローバおよび横川ヒューレットパッカード製のHP4285ALCRメーターを用いて1MHzにおける容量値から算出したところ、2.38であった。また、塗膜後の面状は良好であった。
合成した3,3,3’−トリエチニル−1,1’−ビアダマンタン(例示化合物D−3)10gと1,3,5−トリイソプロピルベンゼン50mlおよびPd(PPh3)4 150mgを窒素気流下で内温200℃で10時間攪拌した。反応液を室温に下げて、不溶物をろ過した後、ろ液にイソプロピルアルコール300mlを添加した。析出した固体を濾過して、イソプロピルアルコールで洗浄した。質量平均分子量100000の重合体(D)を3.0g得た。
重合体(D)のシクロヘキサノンへの溶解度は室温で15質量%以上であった。
合成した1−エチニルビアダマンタン5gと3,3’−ジエチニル−1,1’−ビアダマンタン5gと1,3,5−トリイソプロピルベンゼン50mlおよびPd(PPh3)4150mgを窒素気流下で内温200℃で15時間攪拌した。反応液を室温に下げて、不溶物をろ過した後、ろ液にイソプロピルアルコール300mlを添加した。析出した固体を濾過して、イソプロピルアルコールで洗浄した。質量平均分子量100000の重合体(E)を3.0g得た。重合体(E)のシクロヘキサノンへの溶解度は室温で15質量%以上であった。
実施例1と同じ方法で重合体(A)のシクロヘキサノン塗布液を8.3g作った。この液に空孔形成剤として質量平均分子量13700のポリスチレン0.2gを加えて完溶させた。この塗布液を用いて実施例1と同じ方法で塗膜を作製した。膜の比誘電率は、2.27であった。また、塗膜後の面状は良好であった。
実施例5と同じ方法で、空孔形成剤の入った塗布液を8.5g作製した。ビニルトリアセトキシシランに3倍モルの水を加えて、室温で10分間攪拌して加水分解と脱水縮合を行い、密着促進剤として部分縮合体を合成した。この縮合体10mgを塗布液に加え、完溶させた。こうして得られた塗布液を使用して実施例1と同じ方法で塗膜を作製した。比誘電率は2.27であった。また、塗膜後の面状は良好であった。
1,3,5−トリエチニルアダマンタン1gをアニソール10gに溶解して、触媒を用いないで内温200℃で50時間攪拌した。反応液のGPCを測定したが、97%が原料の1,3,5−トリエチニルアダマンタンであった。
得られた化合物を実施例1と同様に塗膜を作製したところ、均一な絶縁膜を形成することは出来なかった。
1,3−ジエチニルアダマンタン5gをトリイソプロピルベンゼン中で触媒を用いないで210℃で100時間反応させ、実施例1の方法に準じて後処理を行った結果、1.0gの重合体(F)を得た。重合体(F)1.0gをシクロヘキサノン7.3gに室温で完全に溶解させて塗布液を調製して実施例1と同じ方法で塗膜を作製した。膜の比誘電率を測定した結果、2.63であった。塗膜後の面状は悪かった。
Claims (15)
- 下記1)、2)又は3)の化合物を重合促進剤の存在下で重合して得られることを特徴とする重合体。
1)3’,3’,3”,3"−テトラメチル−3,3−ジエチニル−1,1−ビアダマンタン、
2)3,3,3’−トリエチニル−1,1’−ビアダマンタン、
3)1−エチニルビアダマンタンと3,3’−ジエチニル−1,1’−ビアダマンタンの混合物 - 重合促進剤が遷移金属触媒であることを特徴とする請求項1に記載の重合体。
- 遷移金属触媒がパラジウム触媒であることを特徴とする請求項2に記載の重合体。
- 重合促進剤がラジカル重合開始剤であることを特徴とする請求項1に記載の重合体。
- ラジカル重合開始剤が有機過酸化物およびアゾ化合物の群から選択されることを特徴とする請求項4に記載の重合体。
- シクロヘキサノンに25℃で1質量%以上溶解しうることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の重合体。
- 重合促進剤の使用量がモノマー1モルに対して0.001〜2モルであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の重合体。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の重合体を含むことを特徴とする膜形成用組成物。
- 下記1)、2)又は3)の化合物の重合体を含むことを特徴とする膜形成用組成物。
1)3’,3’,3”,3"−テトラメチル−3,3−ジエチニル−1,1−ビアダマンタン、
2)3,3,3’−トリエチニル−1,1’−ビアダマンタン、
3)1−エチニルビアダマンタンと3,3’−ジエチニル−1,1’−ビアダマンタンの混合物 - さらに塗布溶剤を含むことを特徴とする請求項8又は9に記載の膜形成用組成物。
- 空孔形成剤を含むことを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項に記載の膜形成用組成物。
- 密着促進剤を含むことを特徴とする請求項8〜11のいずれか1項に記載の膜形成用組成物。
- 請求項8〜12のいずれか1項に記載の膜形成用組成物を用いて形成した絶縁膜。
- 請求項13に記載の絶縁膜を有する電子デバイス。
- 下記1)、2)又は3)の化合物を重合促進剤の存在下で重合することを特徴とする、重合体の製造方法。
1)3’,3’,3”,3"−テトラメチル−3,3−ジエチニル−1,1−ビアダマンタン、
2)3,3,3’−トリエチニル−1,1’−ビアダマンタン、
3)1−エチニルビアダマンタンと3,3’−ジエチニル−1,1’−ビアダマンタンの混合物
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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