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JP4769273B2 - 甘味組成物およびそれを含有する食品 - Google Patents

甘味組成物およびそれを含有する食品 Download PDF

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Description

本発明は、L−アラビノースを含有する甘味組成物に関する。より詳細には高甘味度甘味料にL−アラビノースを組み合わせることにより、高甘味度甘味料の甘味質が良好に改善された甘味組成物に関する。さらに本発明は、当該甘味組成物を甘味料として含む食品に関する。
砂糖(ショ糖)は、その良質な甘味とコク感(ボディー感)、保湿性、粘度の付与等の特性から、従来より飲食物に甘味料として広く利用されている。しかしながら、最近の健康志向や低カロリー志向から、肥満や虫歯の原因となるショ糖は敬遠されるようになり、特に飲料やデザートなどの嗜好品においては低カロリー化が進んでいる(例えば、非特許文献1及び非特許文献2参照)。
ショ糖代替甘味料として登場したいわゆる「高甘味度甘味料」の多くは、これらが有するショ糖よりも強い甘味のため少ない使用量で甘味を付与することができ「低カロリー甘味料」としての特徴を併せもっている(例えば、非特許文献3参照)。しかしながら、これらの甘味料には、甘味や雑味の後引きやコク感の不足があって、ショ糖のような美味しい甘味を提供することができないという問題がある。
讃井ほか、「ラットにおけるショ糖の消化吸収およびエネルギー代謝に対するL−アラビノースの抑制作用」、日本栄養・食糧学会誌、Vol.50,No.2,p.133-137(1997) 大木ほか、「L−アラビノース配合ショ糖摂取が健常人の糞便内菌叢および糞便成分に及ぼす影響」、健康・栄養食品研究、Vol.2,No.4,p.1-7(1999) 俣野ほか「アセスルファムカリウム"サネット"の特性と食品への利用」、食品と科学、VOL.42,NO.5,p.92-103(2000)
本発明は、高甘味度甘味料の欠点である甘みの後引き感並びにボディ感(コク感)の不足を改善し、食品、医薬品又は医薬部外品等といった経口的に用いられる製品に対して良好な甘味を付与できる甘味組成物を提供することを目的とする。更に本発明は、かかる甘味組成物を甘味料として含有する甘味質の改善された食品を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねていたところ、高甘味度甘味料にL−アラビノースを特定の割合で添加配合することにより、高甘味度甘味料に特有の甘味や雑味の後引き感が解消され、更に甘みにコク感やボディ感が付与できることを見いだし、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、L−アラビノースと高甘味度甘味料を含有する甘味組成物であって、高甘味度甘味料が、ステビオサイド、サッカリンアスパルテーム及びアセスルファムKからなる群から選択される少なくとも1種であり、かつ、前記高甘味度甘味料1質量部に対するL−アラビノースの配合量が、ステビオサイドの場合には2〜10質量部、サッカリンの場合には2〜30質量部アスパルテームの場合には1〜30質量部、アセスルファムKの場合には3〜50質量部であることを特徴とする甘味組成物を要旨とするものである。
また、別の本発明は、前記の甘味組成物を含有する食品を要旨とするものであり、好ましくは食品が炭酸飲料、果実飲料、コーヒー、清涼飲料水、乳飲料、茶系飲料、デザート及び菓子からなる群から選択されるいずれかであるものである。
本発明の甘味組成物によれば、高甘味度甘味料が本来有する呈味性における欠点(甘味の後引き感、雑味、すっきりしない等)を軽減し改善するとともに甘味にコク感(ボディ感)を付与することができ、より美味しい甘味料を提供することができる。更に、本発明の甘味組成物は、上記高甘味度甘味料の欠点ゆえに適用対象が制限されていた食品等の経口組成物にも広く用いられ、美味しい甘味を有する食品、例えば炭酸飲料、果実飲料、コーヒー、清涼飲料水、乳飲料、菓子類、デザート類等を提供することができる。
本発明の甘味組成物は、L−アラビノースと高甘味度甘味料を含有することを特徴とするものである。
本発明で用いられるL−アラビノースは、ショ糖に近い味質を持ち、難吸収性を示すノンカロリーの糖質である。自然界では、高等植物のヘミセルロース中にアラビナン、アラビノキシラン等多糖体の構成糖等として存在している。単糖の状態では、微量ではあるが味噌や酒等の発酵食品、インスタントコーヒー等に含まれている。また、ショ糖等、二糖の加水分解酵素を阻害する、すなわちα−グルコシダーゼ阻害活性を持つことから、ショ糖等摂取時の血糖値の上昇を抑制するという効果も知られている。
L−アラビノースの製造方法としては、コーンファイバーやアラビアガム、ビートパルプなどに含まれるヘミセルロースを酸分解する方法(特開平11−313700号公報、特開平11−113600号公報)、または酵素分解を行う方法(特開平9−299093号公報、農芸化学会誌49巻,6号,295−305,1975年)が報告されており、これらの方法により得られたL−アラビノースが用いられる。
本発明における高甘味度甘味料とは、砂糖と比べてより大きい甘味強度を有する天然及び合成の化合物である。高甘味度甘味料は、砂糖より大きい甘味特性を有するため、より少ない量で大量の砂糖と同等の甘味強度を与えることができるため、これを使用することで、低カロリー(又はノンカロリー)の食品を提供することができる。当業界においては多くの高甘味度甘味料が、低カロリー及び/又は非う触性商品に、砂糖の代替品として使用されている。
本発明で用いられる高甘味度甘味料は、サッカリン及びその塩(好ましくはナトリウム塩)、アセスルファムK(6−メチル−1,2,3−オキサチアジン−4(3H)−オン2,2ジオキサイド、カリウム塩)アスパルテーム(N−L−α−アスパルチル−L−フェニルアラニン1−メチルエステル)、ステビア抽出物に含まれるステビオサイド(英国特許第2098848B号)である。
なお、これらの高甘味度甘味料は、その性質並びにその製造方法が既に当業界で公知となっており、また商業的にも入手可能である。
これらの高甘味度甘味料のショ糖に対する相対甘味度を表1に例示する。
これらの高甘味度甘味料は、1種単独でL−アラビノースと組み合わせて用いられても良いし、また任意の2種以上と組み合わせてL−アラビノースに配合して用いることもできる。高甘味度甘味料の2種以上の組み合わせとしては、特に制限されない。
L−アラビノースと高甘味度甘味料の配合割合は、用いる高甘味度甘味料の種類並びに甘味組成物を適用する対象製品の種類によって異なり一概に規定することはできないが、高甘味度甘味料1質量部に対するL−アラビノースの配合量は、ステビオサイドの場合には2〜10質量部、サッカリンの場合には2〜30質量部アスパルテームの場合には1〜30質量部、アセスルファムKの場合には3〜50質量部であることが必要である。
また、高甘味度甘味料を任意の2種以上と組み合わせてL−アラビノースと配合する場合、L−アラビノースの配合割合は、配合する高甘味度甘味料それぞれに対する量を合わせて配合すれば良い。
本発明の甘味組成物は、上記成分を含有するものであればよく、本発明の効果を損なわないことを限度として、ショ糖を含めた他の甘味料、香料、防腐剤、安定化剤等の他の成分を含んでいてもよい。
なお、本発明の甘味組成物の形状は特に制限されず、水等で希釈された溶液状、スプレードライ法等で乾燥された粉末状または顆粒状、これらの粉末や顆粒を打錠成形した錠剤状であってもよい。
本発明の甘味組成物は、甘味料として通常使用されるショ糖やその他の甘味料に代替する目的で、それ自身調理用甘味料又は卓上甘味料として用いることができるとともに、あらゆる経口組成物の甘味料としてそれらに配合して用いることができる。
ここで経口組成物とは、経口摂取される製品(可食製品)並びに口内利用される製品を意味し、例えば菓子や飲料を含む食品、ドロップ剤やシロップ剤を含む医薬品ならびに口内清涼剤、うがい剤及び歯磨き等の医薬部外品を挙げることができる。本発明の甘味組成物によれば、従来の高甘味度甘味料及び糖アルコールの甘みに不足がちであったコク感(ボディ感、量感)を付与し、また嫌な甘みの後引き感を軽減して、味覚5原味の一つである甘味を質的に改善並びに向上することができる。このため、特に美味しさ(甘味)が要求されてそれが商品価値につながる食品、とりわけデザートや製菓を含む菓子類や飲料等の嗜好食品に有用である。
食品としては特に制限はされないが、好適には、柑橘果汁や野菜果汁等を含む果実飲料又は野菜ジュース、コーラやジンジャエール又はサイダー等の炭酸飲料、スポーツドリンク等の清涼飲料水、コーヒー、紅茶や抹茶等の茶系飲料、ココアや乳酸菌飲料等の乳飲料などの飲料一般;ヨーグルト、ゼリー、プディング及びムース等のデザート類;ケーキや饅頭等といった洋菓子及び和菓子を含む焼菓子や蒸菓子等の製菓;果実フレーバーソースやチョコレートソースを含むソース類;バタークリームや生クリーム等のクリーム類;イチゴジャムやマーマレード等のジャム;アイスクリームやシャーベット等の氷菓;チューイングガム、ハードキャンディー、ヌガーキャンディー、ゼリービーンズ等の菓子類を挙げることができる。
これら経口組成物に用いられる本発明の甘味組成物の量は、経口組成物に所望の甘味を付与するために有効な量であればよく、特に制限されない。具体的には、甘味は、甘味料を適用する経口組成物の種類、該組成物に含まれる他の成分、並びに甘味の嗜好性等の要因によって種々変動し得るものであり、ゆえに本発明の甘味組成物の配合量も最終製品において所望の呈味を得るために、用いる高甘味度甘味料の種類及びその甘味を考慮しながら当業者の通常の能力に応じて裁量的に変化して用いることができる。
また本発明には、他の態様としてL−アラビノースの高甘味度甘味料に対する甘味補助剤又は甘味改良剤としての用途、並びにL−アラビノースを併用することによる高甘味度甘味料の甘味質の改善方法を提供するものである。
以下、本発明の内容を以下の実施例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。なお、以下特に断らない限り、部は質量部を意味する。
参考例1
ビートパルプ200g(カーギル社製、水分11%)を2Lの水に懸濁したのち、スミチームARS(新日本化学工業株式会社製アラビナーゼ、力価400ユニット/mL)を2mL添加し、55℃で24時間撹拌下で反応した。反応終了後静置し、上澄みを濾過することによりL−アラビノースを含む清澄な溶液1.9Lを得た。この溶液中の糖の分析をHPLCにより行った結果、1.9L中に27gのL−アラビノースが蓄積していた。
なお、HPLCによる糖成分分析の条件は以下に示す条件で行なった。
カラム:Aminex HPX87P(7.8×300mm、BIO RAD製)、移動相:水、流速:0.6mL/min、カラム温度:80℃、検出:示差屈折計(RI)
ついでこの溶液に粉末活性炭(武田薬品社製、商品名カルボラフィン)10gを加えて20分間撹拌し、ろ過によりL−アラビノースを含む溶液を回収した。つぎに、この溶液をアニオン交換樹脂(三菱化学社製ダイアイオンWA30、OH-型、ベッドボリューム100mL)、カチオン交換樹脂(三菱化学社製ダイアイオンSK1B、H+型ベッドボリューム100mL)にこの順序で通液しL−アラビノースを含む溶液を回収した。回収した溶液をブリックス70となるまでエバポレーターで濃縮したのち、熱エタノールを最終濃度85%となるように添加し、少量の結晶L−アラビノースを添加し、4℃で放置した。この溶液を濾過することにより、25gの結晶L−アラビノースを得た。得られたL−アラビノースの融点は157〜160℃であった。
〔ステビアとの配合例:実施例1〜4〕
実施例1〔シュガーレスコーヒー〕
酵素処理したステビア(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製)及びL−アラビノース(参考例1で得られたもの)を含有する甘味組成物を用いて、シュガーレスコーヒーを調製した。
具体的には、牛乳2.5部、脱乳糖脱脂粉乳1部、カゼインナトリウム0.1部、やし油0.5部、食物繊維2.7部、乳化剤製剤(微結晶セルロース、ショ糖脂肪酸エステル)0.1部、酵素処理ステビア0.012部及び水66部を配合し、これを80℃で10分間加熱し、次いで炭酸水素ナトリウム0.06部、コーヒーエキス27部及び香料0.02部及びL−アラビノース(下記配合割合)を添加し、水にて全量を100部としてホモゲナイザー(150kg/cm2)にて均質化後、缶に充填した。これを121℃で20分間レトルト殺菌して、缶入りシュガーレスコーヒーを得た。
ここでL−アラビノースの配合割合を表2に示すように調整して、コーヒーの甘味質を評価した。
その結果、L−アラビノースを全く配合せず、甘味料としてステビアだけを使用した場合は(表中1で示す)、ステビアの嫌な甘みの後引き感が口内に残り、また甘味の発現が遅いため、甘みに量感(コク味)がなく水っぽく感じた。一方、L−アラビノースをステビアと併用すると、甘みに量感が出てコク味が付与されるとともに、飲んだ後の後味もすっきりしていた。ただし、傾向的には、L−アラビノースの配合割合が少ないと飲用後に口内に甘味が残り、配合割合が多くなりすぎると甘みに嫌味が出てくるという傾向にある。これらのことから、酵素処理ステビアとL−アラビノースとの最適配合割合は、酵素処理ステビア1部あたり、L−アラビノースが2〜10部であった。
実施例2、比較例1〜7〔シュガーレスティー〕
紅茶抽出液(20倍抽出)50部、食物繊維2.2部、L−アスコルビン酸ナトリウム0.09部、酵素処理ステビア0.012部、香料0.1部を水にて全量100部とし、缶に充填し、121℃、4分間レトルト殺菌して、シュガーレスティーを調製した。この紅茶に表3に記載する種々の糖を添加配合して、紅茶の味(甘み等)を評価した。評価の結果を表3に併せて記載する。
実施例3〔缶コーヒー〕
牛乳2.5部、脱乳糖脱脂粉乳1部、カゼインナトリウム0.1部、やし油0.5部、食物繊維2.7部、乳化剤製剤(微結晶セルロース、ショ糖脂肪酸エステル)0.1部、酵素処理ステビア0.012部、水66部を80℃、10分間加熱し、炭酸水素ナトリウム0.06部、コーヒーエキス27部、香料0.12部、L−アラビノース0.06部を添加し、水にて全量を100部としホモゲナイザー(150kg/cm2)にて均質化後
、缶に充填した。121℃、20分間レトルト殺菌した。その結果、こくがあり、しかも後味のすっきりしたコーヒー飲料に仕上がった。
実施例4〔シュガーレスティー〕
紅茶抽出液(20倍抽出)50部、食物繊維2.2部、L−アスコルビン酸ナトリウム0.09部、酵素処理ステビア0.02部、L−アラビノース0.04部、香料0.1部を水にて全量100部とし、缶に充填し121℃、4分間レトルト殺菌した。その結果、甘みにこくがあり、しかも甘みの後引き感のないすっきりした紅茶に仕上がった。
〔アセスルファムKとの配合例:実施例
実施例〔シュガーレスティー〕
アセスルファムK及びL−アラビノースを含有する甘味組成物を用いて、清涼飲料水を調製した。
具体的には、紅茶抽出液(20倍抽出)50部、食物繊維2.2部、L−アスコルビン酸ナトリウム0.09部、アセスルファムK0.02部、L−アラビノース0〜2部、香料0.1部を水にて全量100部とし、シュガーレスティーを得た。
ここでL−アラビノースの配合割合を表5に示すように調整して、シュガーレスティーの甘味質を評価した。
その結果、L−アラビノースを全く配合せず、甘味料としてアセスルファムKだけを使用した場合は(表中1で示す)、アセスルファムK特有の嫌味、後引きが感じられた。一方、L−アラビノースをアセスルファムKと併用すると、嫌味が軽減されるとともに、飲んだ後の後引きも解消されすっきりとしていた。ただし、傾向的には、L−アラビノースの配合割合が多くなりすぎると甘みに量感がなくなるという傾向にある。これらのことから、アセスルファムKとL−アラビノースとの最適配合割合は、アセスルファムK1部あたり、L−アラビノースが3〜50部であった。
〔アスパルテームとの配合例:実施例6、7
実施例〔清涼飲料水〕
アスパルテーム及びL−アラビノースを含有する甘味組成物を用いて、清涼飲料水を調製した。
具体的には、食物繊維3部、アスパルテーム0.07部、5倍濃縮透明グレープフルーツ果汁0.44部、クエン酸0.053部、クエン酸三ナトリウム0.015部、L−アスコルビン酸0.03部、乳酸カルシウム0.06部、塩化カリウム0.01部、ビタミンB1 0.00018部、ビタミンB6 0.00015部、ナイアシン0.0014部を水にて全量を80部とする。93℃まで加熱後、香料0.14部、L−アラビノース0〜3.5部を添加し、水にて全量100部とし、清涼飲料水を得た。
ここでL−アラビノースの配合割合を表6に示すように調整して、清涼飲料水の甘味質を評価した。
その結果、L−アラビノースを全く配合せず、甘味料としてアスパルテームだけを使用した場合は(表中1で示す)、アスパルテーム特有の嫌味、後引き、量感不足が感じられた。一方、L−アラビノースをアスパルテームと併用すると、嫌味が軽減され、甘みに量感が出てコク味が付与されるとともに、後引きが解消されたため飲んだ後の後味もすっきりしていた。ただし、傾向的には、L−アラビノースの配合割合が多くなりすぎると雑味が感が感じられる傾向にある。これらのことから、アスパルテームとL−アラビノースとの最適配合割合は、アスパルテーム1部あたり、L−アラビノースが1〜30部であった。
実施例〔清涼飲料水(ノンシュガータイプ)〕
食物繊維3部、アスパルテーム(味の素株式会社製)0.04部、ソーマチン0.0015部、5倍濃縮透明グレープフルーツ果汁0.44部、クエン酸0.053部、クエン酸三ナトリウム0.015部、L−アスコルビン酸0.03部、乳酸カルシウム0.06部、塩化カリウム0.01部、ビタミンB1 0.00018部、ビタミンB6 0.00015部、ナイアシン0.0014部を水にて全量80部とした。93℃まで加熱後、香料0.14部、L−アラビノース0.12部を添加し、水にて全量100部として、清涼飲料水(ノンシュガータイプ)を調製した。当該清涼飲料水はこくのある甘味を有しており、アスパルテームのボディー感不足が解消されていた。
〔サッカリンとの配合例:実施例8,9
実施例〔清涼飲料水〕
サッカリン(大和化成株式会社製)及びL−アラビノースを含有する甘味組成物を用いて、清涼飲料水を調製した。
具体的には、食物繊維3部、サッカリン0.05部、5倍濃縮透明グレープフルーツ果汁0.44部、クエン酸0.053部、クエン酸三ナトリウム0.015部、L−アスコルビン酸0.03部、乳酸カルシウム0.06部、塩化カリウム0.01部、ビタミンB1 0.00018部、ビタミンB6 0.00015部、ナイアシン0.0014部を水にて全量を80部とする。93℃まで加熱後、香料0.14部、L−アラビノース0〜2.5部を添加し、水にて全量100部とし、シュガーレス清涼飲料水を得た。
ここでL−アラビノースの配合割合を表7に示すように調整して、シュガーレス清涼飲料水の甘味質を評価した。
その結果、L−アラビノースを全く配合せず、甘味料としてサッカリンだけを使用した場合は(表中1で示す)、サッカリン特有の後味の残留や後引きが感じられた。一方、L−アラビノースをサッカリンと併用すると、後味の残留や後引きが軽減し、飲んだ後の後味もすっきりしていた。ただし、傾向的には、L−アラビノースの配合割合が少ないと飲用後に後味残留や後引きが残り、配合割合が多くなりすぎると甘みに量感がなくなるという傾向にある。これらのことから、サッカリンとL−アラビノースとの最適配合割合は、サッカリン1部あたり、L−アラビノースが2〜30部であった。
実験例〔レモン炭酸飲料〕
エリスリトール6部、L−アラビノース0.85部、サッカリン0.06部、クエン酸0.27部、レモン果汁0.5部を水110部に溶解させる。撹拌しながら93℃まで加熱殺菌したあと、水にて全量120部に調整し炭酸飲料のシロップとする。7℃まで冷却したシロップ120部と、炭酸水40部を加え、瓶に詰める。その結果、サッカリン特有の後味の残留や後引きがなく、すっきりした飲料に仕上がった。

Claims (3)

  1. L−アラビノースと高甘味度甘味料を含有する甘味組成物であって、高甘味度甘味料が、ステビオサイド、サッカリンアスパルテーム及びアセスルファムKからなる群から選択される少なくとも1種であり、かつ、前記高甘味度甘味料1質量部に対するL−アラビノースの配合量が、ステビオサイドの場合には2〜10質量部、サッカリンの場合には2〜30質量部アスパルテームの場合には1〜30質量部、アセスルファムKの場合には3〜50質量部であることを特徴とする甘味組成物。
  2. 請求項1記載の甘味組成物を含有する食品。
  3. 炭酸飲料、果実飲料、コーヒー、清涼飲料水、乳飲料、茶系飲料、デザート及び菓子からなる群から選択されるいずれかである請求項2記載の食品。
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