JP4762732B2 - 車両用ウインドシールド構造体 - Google Patents
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Description
フロントピラー80は、車両内側から外側に向かって、インナ部材281、補強部材282、及びアウタ部材283を配置して構成される。具体的には、フロントピラー80は、インナ部材281のフランジ281A,281Bと、補強部材282のフランジ282A,282Bと、アウタ部材283のフランジ283A,283Bと、をそれぞれ合わせて溶接した閉断面構造である。
この車両60の内部のうち、フロントガラス71の後方には、運転者が自身の頭部62を位置させることができるヘッドレスト61が設けられている。すなわち、上述のフロントピラー80は、運転者の斜め前方に位置する。
したがって、視界を向上できるフロントピラーが望まれていた。
これらの特許文献1、2で示された提案によれば、いずれも、透明な材質でフロントピラーを形成したので、運転者はフロントピラーを通して車外を視認できる。
また、従来ではウインド部とピラー部とが別部材であるのに対し、本願発明ではウインド部及びピラー部を一体に形成したので、部品点数を削減でき、車両用ウインドシールド構造体の組み立てを簡素化できる。
また、例えば、棒状部材をインサートしてピラー部を成形する際に、スタッドボルトを利用して、棒状部材をピラー部の金型に対して位置決めできるから、ピラー部を高精度で成形できる。
以下、本発明の第1実施形態に係る車両用ウインドシールド構造体について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るウインドシールド構造体1を示す斜視図である。
図2は、ウインドシールド構造体1を示す部分斜視図である。
フロントウインド31の表面311Eには、透明な中間膜312を介して、フロントガラス314が接着される。なお、本実施形態では、このフロントウインド31の表面311Eにフロントガラス314を設けたが、本発明はこれに限るものではない。
黒色セラミック塗料351は、周縁部35の車両内側の面に、ウインドシールド本体3の端から所定の幅に亘って塗布されている。接着材352は、この黒色セラミック塗料351上の一部に塗布されており、これにより、ウインドシールド本体3の周縁部35は、車両骨格9の開口縁96に接着される。
図5は、剛性部材5を示す部分斜視図である。
図6は、図2中の線V−V断面を示す断面図である。
なお、図2に示された鋼管51は、その上下端が塞がれたものが図示されているが、これに限るものではない。鋼管51の上下端にそれぞれ孔を形成することにより、ルームランプハーネス等のハーネスを鋼管51の上端から下端へ挿通させることができる。
以上のように形成されたブラケット52は、その裏面521Fを車両内側へ向け、かつ、ブラケット52の表面521Eを含む部分をフロントピラー32に埋没させた状態で固定されている。ブラケット52の穴部522,522には、スタッドボルト523,523の一端が取り付けられている。このようにして、剛性部材5の両端に、それぞれ、複数のスタッドボルト523が車両内側に向けて突設される。
図7は、ウインドシールド構造体1と車両骨格9を示す部分斜視図である。
また、上述のように、ウインドシールド本体3の周縁部35には接着材352が塗布されている。したがって、ウインドシールド本体3の周縁部35が車両骨格9の開口縁96に固定されると、この接着材352により、ウインドシールド本体3と車両骨格9とは隙間無く接着される。
図8は、図11のフロントピラー80の断面を示し、運転者のアイポイント65を含む断面図である。
図9は、図3のウインドシールド構造体1の断面を示し、運転者のアイポイント65を含む断面図である。
したがって、運転者の視界を妨げるものは、車両の剛性に寄与する剛性部材5の鋼管51のみとなる。これにより、運転者の視界を向上できる。
これにより、フロントピラー32と剛性部材5とを一体化でき、フロントピラー32の剛性を向上できる。
したがって、スタッドボルト523,523を孔部963,963に挿通するだけで、フロントピラー32を車両骨格9に対して位置決めで切るので、ウインドシールド構造体1の取り付け精度を向上できる。
これにより、例えば、剛性部材5をインサートしてウインドシールド構造体1をインサート成形する際に、このスタッドボルト523を位置決め治具として利用できる。したがって、ウインドシールド構造体1を高精度で形成できる。
このようにして、表面311Eにフロントガラス314を設けることにより、例えば、フロントガラス314の表面上でワイパーを動作させても、樹脂で形成されたフロントウインド31が傷つくのを保護できる。
これにより、フロントウインド31の表面311Eに雨粒が付着しても、この雨粒は、ワイパー(図示せず)や風圧によりフロントピラー32側に流されて、段差322を伝って下方へ流れることとなる。したがって、この段差322により、雨粒がフロントピラー32の車両外側の面を伝ってサブウインド33側へ流れて、運転者の視界を妨げるのを防止できる。
このようにして、黒色セラミック塗料351上に接着材352を塗布することにより、この接着材352や車両骨格9の開口縁96を、車両外側から隠蔽することができる。
本発明の第2実施形態のウインドシールド構造体101について、図10を参照して説明する。
なお、以下の第2実施形態の説明にあたって、第1実施形態と同一の構成要件については、同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
第2実施形態では、剛性部材105の構成、及び車両骨格109の構成が、第1実施形態と異なる。
剛性部材105は、棒状の鋼管151と、この鋼管151の両端に結合されたブラケット152,152と、を備える。
車両骨格109のうち、ルーフパネル193は、センターピラー92の上端部に結合された板であり、車両の屋根を構成する。ダッシュボードアッパ195は、フロントピラーロア94の前端部から車幅方向に延びている。また、ルーフパネル193前端のフロントピラーロア94側と、ダッシュボードアッパ195のフロントピラーロア94側には、それぞれ、接合部966,966が設けられている。これら接合部966,966には、それぞれ、上述の剛性部材105の挿通孔622,622に挿通させるボルト967,967が形成されている。
また、ウインドシールド構造体101を車両骨格109に結合させた後には、このブラケット152を隠蔽する略矩形状のガーニッシュ197が、ルーフパネル193の上面から取り付けられる。
したがって、剛性部材105と車両骨格109との接合部分が運転者の視界の外に設けられることとなり、運転者の視界をさらに向上できるとともに、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
例えば、前記実施形態では、ウインドシールド構造体は、剛性部材を金型内に装填してインサート成形によって形成されるとしたが、これに限らない。例えば、溶融樹脂を固化させて形成されたウインドシールド本体に、剛性部材を嵌め込ませる等して、ウインドシールド構造体を形成してもよい。
また、例えば、前記実施形態では、フロントウインドの表面にのみ、中間膜を介してガラスを接着させたが、これに限らない。例えば、サブウインドの表面にも、同様の中間膜を介してガラスを接着させてもよい。
3 ウインドシールド本体
31 フロントウインド(ウインド部)
312 中間膜
314 フロントガラス
32 フロントピラー(ピラー部)
33 サブウインド33(サブウインド部)
5 剛性部材(棒状部材)
51 鋼管
52 ブラケット
523 スタッドボルト
35 周縁部
9 車両骨格
96 開口縁
963 孔部
964 ナット
Claims (5)
- ウインド部と、該ウインド部の少なくとも一辺に沿って設けられたピラー部と、前記ピラー部に沿って設けられたサブウインド部と、を備え、車体に取り付けられる車両用ウインドシールド構造体であって、
前記ピラー部には、閉断面の棒状部材がインサートされ、
前記ウインド部、ピラー部及びサブウインド部は、透明な樹脂で一体に形成され、
前記棒状部材の両端は、前記車体の骨格に結合され、
前記ウインド部及び前記サブウインド部の周縁は、前記車体の骨格に形成された開口縁に沿って接着固定されることを特徴とする車両用ウインドシールド構造体。 - 前記棒状部材の両端には、スタッドボルトが突設され、
前記車体の骨格には、前記スタッドボルトが挿通される孔部が形成され、
前記棒状部材のスタッドボルトは、前記車体の骨格にナットで締結されることを特徴とする請求項1記載の車両用ウインドシールド構造体。 - 前記車体の骨格には、ボルトが形成され、
前記棒状部材の両端は、前記ウインド部の上下の辺縁よりも延出され、
該棒状部材の延出された部分には、前記ボルトが挿通される挿通孔が形成され、
前記棒状部材の両端は、前記車体の骨格に締結されることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用ウインドシールド構造体。 - 前記ウインド部の表面には、透明な中間膜を介してガラスが接着されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の車両用ウインドシールド構造体。
- 前記ウインド部と前記ピラー部と前記サブウインド部とは、前記棒状部材が装填された一の金型を用いたインサート成形により一体に形成されることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の車両用ウインドシールド構造体。
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