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JP4758614B2 - 電気めっき組成物および方法 - Google Patents

電気めっき組成物および方法 Download PDF

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JP4758614B2 JP2004094728A JP2004094728A JP4758614B2 JP 4758614 B2 JP4758614 B2 JP 4758614B2 JP 2004094728 A JP2004094728 A JP 2004094728A JP 2004094728 A JP2004094728 A JP 2004094728A JP 4758614 B2 JP4758614 B2 JP 4758614B2
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Description

関連出願との相互参照
この出願は、2003年4月7日に出願された米国仮出願番号第60/460,937号の、米国特許法第119条(e)に基づく特典を請求している。この特許の内容全体が、参照して本明細書に組込まれる。
この発明は一般に、金属めっきに有用な金属合金の分野に関する。特に本発明は、基体へ錫合金を堆積させるための電解質組成物、および基体へ錫合金を堆積させる方法に関する。この発明はさらに、半導体デバイス上に相互接続バンプを形成する方法に関する。半導体デバイスパッケージングにおいて、半導体デバイス上への相互接続バンプの形成に、特別な応用性を見出すことができる。
錫および錫−鉛合金堆積物は、エレクトロニクス産業、特にプリント配線板、電気接点およびコネクタ、半導体、電線用導管、およびこれらの堆積物の固有の特性が必要とされるその他の関連部品の製造において有用である。様々な電子用途のうち、半導体製造産業においてウエハーレベルパッケージング(WLP)に目下焦点が当てられている。ウエハーレベルパッケージングを用いて、IC相互接続は、ウエハー上にひとまとめに製造され、ウエハーがダイシングされる前に、完全なICモジュールをウエハー上に構築することができる。WLPを用いて得られる利点には、例えばI/O密度の増加、操作速度の改良、および出力密度および熱管理の強化、およびパッケージサイズの減少が含まれる。
WLPのキーポイントの1つは、ウエハー上へのフリップチップ導電性相互接続バンプの構築である。これらの相互接続バンプは、プリント配線板への半導体部品の電気的および物理的接続として役立つ。半導体デバイス上への相互接続バンプのいくつかの形成方法が提案されている。例えばはんだめっきバンピング、蒸発バンピング、導電性接着剤接着、ステンシルプリントはんだバンピング、スタッドバンピング、およびボール配置バンピングである。これらの技術のうち、細かいピッチアレーを形成するのに最も費用有効的な技術は、はんだめっきバンピングであると考えられる。これは、一時的フォトレジストめっきマスクと電気めっきとの組合わせを包含する。この技術は、高い付加価値のアセンブリー、例えばマイクロプロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ、および特定用途向け集積回路などのための全領域相互接続バンプ技術として急速に採用されるようになっている。
錫、錫−鉛、およびその他の錫含有合金の堆積のための電気めっき方法はよく知られており、例えば金属および/または合金を電気めっきするために多くの電解質が提案されている。例えばTobenらの米国特許第4,880,507号は、錫、鉛、または錫−鉛合金を堆積させるための電解質、装置(systems)、およびプロセスを開示している。エレクトロニクス産業は最近、鉛の毒性およびその結果としてその使用を禁止する現在の世界規模の活動に鑑みて、錫−鉛の代替物を追求している。錫−鉛合金の適切な置換物は、ある一定の用途に対して、錫−鉛と同一な、または十分に類似の特性を有すべきである。適切な置換材料がひとたび発見されたら、所望の特性を付与するためのこのような材料を堆積させうる電気めっき方法の開発は、1つの課題になりうる。
堆積物の組成は、ある一定の用途には高すぎるかまたは低すぎる温度での材料の融解を防ぐために効果的に制御されることが望まれる。組成制御の悪さから、処理される成分が耐えるには高すぎる温度が生じるか、またはもう一方の極端な場合には、はんだ接合の不完全な形成を結果として生じることがある。
電気めっきによる鉛を含まない錫合金の共堆積に関連した問題は、堆積される材料が、有意に異なる析出電位を有する時に発生する。複雑な問題は、例えば錫(−0.137V)と銅(0.34V)または銀(0.799V)との合金を堆積させようと試みる時に発生することがある。このような材料の共堆積を可能にするために、シアン化物化合物を含む電解質の使用が提案されている。例えばソ連特許出願第377,435A号は、シアン化銅(I)、シアン化カリウム、錫酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、および3−メチルブタノールを含む浴から電気的に堆積される銅−錫合金を開示している。しかしながらこの電解質組成物は、非常に高いシアン化物濃度を有し、一般的な取扱いならびに廃棄物処理が危険なものになる。
電気めっきによるこのような錫合金の共堆積の代替方法は知られている。例えばHurらの米国特許第6,476,494号は、アンダーバンプ冶金の暴露部分へ銀を電気めっきし、銀上へ錫をめっきし、この構造をリフローさせて、銀−錫合金はんだバンプを形成することによる、銀−錫合金はんだバンプの形成を開示している。銀−錫合金の組成は、このプロセスにおいて正確に制御するのが難しいが、その理由は、これがいくつかの変数によるものであり、これら自体が正確に制御されなければならないからである。例えば錫の中に拡散する銀の量、したがって銀の濃度は、リフロー温度、リフロー時間、および錫層の厚さ、ならびにその他のパラメーターの関数である。錫合金の共堆積に代わる別の提案された方法は、錫電気めっき、次いで合金化金属の交換めっき、およびリフロープロセスを包含する。このような方法は一般的に、かなりなプロセス時間を必要とし、合金濃度の正確な制御は難しくなることがある。
したがって、実質的に鉛およびシアン化物を含まず、良好な機械的性質を有する合金を形成し、容易にはんだ付け可能であり、電気的に共堆積されうる、基体上へ錫合金を堆積させるための電気めっき組成物への継続的ニーズが当業界に存在する。さらには、ウエハーレベルパッケージング目的のための半導体デバイスへの相互接続バンプの形成のために用いうる、このような電気めっき組成物への二ーズも存在する。
本発明によって、実質的に鉛およびシアン化物を含まない錫合金が、本発明の電解質組成物を用いて首尾よくめっきされうることが発見された。これらの電解質組成物によって、これらの金属が有意に異なる析出電位を有する場合でさえ、錫と1つまたはそれ以上の合金化金属との共堆積が可能になる。これらの組成物は、ウエハーレベルパッケージングにおいて、半導体デバイス上への相互接続バンプの形成に特別な用途を見出す。
第一の態様によれば、本発明は、基体上への錫合金の堆積のための電解質組成物を提供する。この電解質組成物は、錫イオン、1つまたはそれ以上の合金化金属のイオン、酸、チオウレア誘導体、およびアルカノールアミン、ポリエチレンイミン、アルコキシル化芳香族アルコール、およびこれらの組合わせから選択される添加剤を含んでいる。
第二の態様によれば、本発明は、基体上への錫合金の堆積方法を提供する。この方法は、錫イオン、1つまたはそれ以上の合金化金属のイオン、酸、チオウレア誘導体、およびアルカノールアミン、ポリエチレンイミン、アルコキシル化芳香族アルコール、およびこれらの組合わせから選択される添加剤を含んでいる電解質組成物と基体とを接触させることを含む。基体上へ錫合金を堆積させるために、電流を電解質組成物に通す。
第三の態様によれば、本発明は、半導体デバイス上への相互接続バンプの形成方法を提供する。この方法は、(a)複数の相互接続バンプパッドを有する半導体ダイを提供する工程と;(b)相互接続バンプパッド上にシード層を形成する工程と;(c)半導体ダイと、錫イオン、1つまたはそれ以上の合金化金属のイオン、酸、チオウレア誘導体、およびアルカノールアミン、ポリエチレンイミン、アルコキシル化芳香族アルコール、およびこれらの組合わせから選択される添加剤を含んでいる電解質組成物とを接触させ、この電解質組成物に電流を通して、基体上に錫合金相互接続バンプ層を堆積させることによって、相互接続バンプパッド上に錫合金相互接続バンプ層を堆積させる工程と;および(d)この相互接続バンプ層をリフローさせる工程とを含む。
本発明は、次の図面を参照して考察される。図面において、同様な数字は、同様な部材を示す。
本明細書全体で用いられている次の省略形は、文脈から明らかに他の意味が示されていない限り、次の意味を有するものとする:℃=摂氏度;g=グラム;mL=ミリリットル;L=リットル;wt%=重量%;およびA/dm2=およびASD=1平方デシメートルあたりのアンペア。析出電位は、水素参照電極に関して示されている。電気めっきプロセスに関する「堆積」、「コーティング」、「電気めっき」、および「めっき」は、この明細書全体において互換的に用いられる。「ハロゲン化物」は、フッ化物、塩化物、臭化物、およびヨウ化物のことを言う。すべてのパーセンテージは、他の注記がなければ重量パーセントである。すべての数字の範囲は、両端の数字を含む。
本発明の電解質組成物は、錫イオン、1つまたはそれ以上の合金化金属のイオン、酸、チオウレア誘導体、並びにアルカノールアミン、ポリエチレンイミン、アルコキシル化芳香族アルコール、およびこれらの組合わせから選択される添加剤を含んでいる。
本発明の電解質組成物および錫合金は好ましくは鉛を実質的に含まず、より好ましくは鉛を含まない。「鉛を実質的に含まない」とは、本発明の電解質組成物および錫合金が、約50ppm未満の鉛を含むことを意味する。本発明の電解質組成物は一般的に、シアン化物を含まない。
本発明の電解質組成物における錫イオンは、電解質へのあらゆる溶液溶解性錫化合物の添加の結果生じうる。適切な溶液溶解性錫化合物には、塩、例えば錫ハロゲン化物、錫スルフェート、錫アルカンスルホネート、錫アルカノールスルホネートなど、および酸が含まれるが、これらに限定されるわけではない。錫ハロゲン化物が用いられる時、このハロゲン化物は塩化物であるのが一般的である。この錫化合物は一般的に、錫スルフェート、錫塩化物、または錫アルカンスルホネート、およびより一般的には錫スルフェート、または錫メタンスルホネートである。本発明において有用な錫化合物は、一般に商品として入手可能であるか、または文献において知られている方法によって調製することができる。溶液溶解性錫化合物の混合物も、本発明において用いることができる。
本発明の電解質組成物において有用な錫化合物の量は、堆積されるフィルムの所望の組成および操作条件によるであろう。一般的にこれは、5〜100g/L、より一般的には5〜80g/L、さらに一般的には10〜70g/Lの範囲内の錫イオン含量を供給する量である。
本発明において有用な1つまたはそれ以上の合金化金属イオンは、錫との二元、三元、およびより高い次数の合金の形成に有用なものである。これには、銀、銅、ビスマス、亜鉛、インジウム、アンチモン、およびこれらの組合わせ、例えば錫−銀−銅、錫−銀−ビスマスなどが含まれるが、これらに限定されるわけではない。本発明において有用な合金化金属イオンは、あらゆる溶液溶解性金属化合物、または所望の合金化金属の溶液溶解性金属化合物の混合物の添加の結果として生じうる。適切な合金化金属化合物には、所望の合金化金属の、金属ハロゲン化物、金属スルフェート、金属アルカンスルホネート、金属アルカノールスルホネートなどが含まれるが、これらに限定されるわけではない。金属ハロゲン化物が用いられる時、このハロゲン化物は塩化物であるのが一般的である。この金属化合物は、金属スルフェート、金属アルカンスルホネート、またはこれらの混合物、より一般的には金属スルフェート、金属メタンスルホネート、またはこれらの混合物であるのが一般的である。本発明において有用な金属化合物は、一般に商品として入手可能であるか、または文献に記載されている方法によって調製することができる。
本発明の電解質組成物において有用な1つまたはそれ以上の合金化金属化合物の量は、例えば堆積されるフィルムの所望の組成および操作条件によるであろう。一般的にこの量は、0.01〜10g/L、より特定すれば0.02〜5g/Lの範囲の電解質組成物中の合金化金属イオン含量を供給するであろう。
溶液溶解性であって、他の点ではこの電解質組成物に悪影響を与えないあらゆる酸を、本発明において有利に用いることができる。適切な酸には、アリールスルホン酸、アルカンスルホン酸、例えばメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、およびプロパンスルホン酸、アリールスルホン酸、例えばフェニルスルホン酸、およびトリルスルホン酸、および鉱酸、例えば硫酸、スルファミン酸、塩酸、臭化水素酸、およびフルオロホウ酸が含まれるが、これらに限定されるわけではない。好ましい酸は、アルカンスルホン酸およびアリールスルホン酸である。酸の混合物も用いることができるが、単一の酸が用いられるのが一般的である。本発明において有用な酸は、一般に商品として入手可能であるか、または文献で知られている方法によって調製することができる。
所望の合金組成および操作条件によるが、これらの電解質組成物中の酸の量は一般的に、0.01〜500g/L、より一般的には10〜400g/L、さらにより一般的には100〜300g/Lの範囲にある。この組成物中の錫イオンおよび/または1つまたはそれ以上の合金化金属のイオンが金属ハロゲン化物化合物に由来する時、対応酸の使用が望まれることがある。例えば錫塩化物、銀塩化物、銅塩化物、またはビスマス塩化物のうちの1つまたはそれ以上が用いられる時、酸成分として塩酸の使用が望まれることがある。酸の混合物が本発明に用いうることは、当業者によって理解されるであろう。
本発明の電解質組成物における1つまたはそれ以上のチオウレア誘導体の使用の結果、優れた電気めっき性能特徴、およびチオウレアそれ自体よりも幅広い電流密度範囲にわたるまったく驚くべきほど改良された性能を生じることが発見された。チオウレア誘導体はまた、チオウレアと比較した時に、この組成物に優れた酸化防止特徴を与えることも発見された。本発明の電解質組成物において有用なチオウレア誘導体には、次のものが含まれる。例えば、1−アリル−2−チオウレア、1,1,3,3−テトラメチル−2−チオウレア、チオウレア1,3−ジエチル、チオウレア1,3−ジメチル、チオウレア1−メチル、チオウレア1−(3−トリル)、チオウレア1,1,3−トリメチル、チオウレア1−(2−トリル)、チオウレア1,3−ジ(2−トリル)、およびこれらの組合わせである。これらの組成物中のチオウレア誘導体錯化剤の量は例えば、この組成物中に存在する合金化金属および錫イオンの量によるであろう。一般的にはチオウレア誘導体は、0.01〜50g/L、より一般的には2〜20g/Lの量で存在する。
これらの電界質組成物はさらに、アルカノールアミン、ポリエチレンイミン、アルコキシル化芳香族アルコール、およびこれらの組合わせから選択される1つまたはそれ以上の添加剤も含む。これらのグループ内、および/またはこれらのグループのうちの2つまたはそれ以上の異なる添加剤の組合わせを、有利に用いることができる。一般的にこの添加剤は、0.01〜50g/L、より特定すれば2〜20g/Lの量で存在する。
適切なアルカノールアミンには例えば、置換または非置換メトキシル化、エトキシル化、およびプロポキシル化アミン、例えばテトラ(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、2−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]−メチルアミノ}エタノール、N,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)−エチレンジアミン、2−(2−アミノエチルアミン)−エタノール、およびこれらの組合わせが含まれる。
適切なポリエチレンイミンには例えば、800〜750,000の分子量を有する置換または非置換直鎖または分岐鎖ポリエチレンイミンまたはこれらの混合物が含まれる。適切な置換基には例えば、カルボキシアルキル、例えばカルボキシメチル、カルボキシエチルが含まれる。
本発明において有用なアルコキシル化芳香族アルコールには例えば、エトキシル化ビスフェノール、エトキシル化ベータナフトール、およびエトキシル化ノニルフェノールが含まれる。
場合により、第一錫酸化が例えばニ価から四価状態へ発生するのを最小限にするかまたは防ぐために、1つまたはそれ以上の酸化防止化合物をこれらの電解質組成物において有利に用いることができる。適切な酸化防止化合物は当業者に知られており、例えばThomsonらの米国特許第5,378,347号に開示されている。この特許の内容全体は、参照して本明細書に組込まれる。これらの酸化防止化合物には一般的に、例えば元素周期表の第IVB族、第VB族、および第VIB族の元素、例えばバナジウム、ニオブ、タンタル、チタン、ジルコニウム、およびタングステンをベースとする多価化合物が含まれる。これらのうち、多価バナジウム化合物、例えば原子価が5、4、3、2のバナジウムが好ましい。有用なバナジウム化合物の例には、バナジウム(IV)アセチルアセトネート、五酸化バナジウム、硫酸バナジウム、およびバナジン酸ナトリウムが含まれる。一般的にこのような酸化防止化合物は、電解質組成物中に用いられる時、0.01〜10g/L、より一般的には0.01〜2g/Lの量で存在する。
錫を溶解性ニ価状態に保持するのを補助するために、本発明の電解質組成物に還元剤が、場合により添加されてもよい。適切な還元剤には、ヒドロキノンおよびヒドロキシル化芳香族化合物、例えばレゾルシノール、カテコールなどが含まれるが、これらに限定されるわけではない。一般的にこのような還元剤は、電界質組成物中に用いられる時、0.01〜10g/L、より一般的には0.1〜5g/Lの量で存在する。
1つまたはそれ以上の他の添加剤が、本発明の電解質組成物と組合わされてもよいことは、当業者によって理解されるであろう。例えば湿潤剤、光沢剤などである。添加剤の混合物が本発明に用いられてもよい。
良好な湿潤能力を必要とする用途の場合、1つまたはそれ以上の湿潤剤を、この電解質組成物中に含めてもよい。適切な湿潤剤は当業者に知られており、これには、良好なはんだ性、所望の場合は良好な艶消しまたは光沢仕上げ、満足すべき粒子微細化を有する堆積物を生じ、かつ酸性電気めっき浴中で安定であるあらゆるものが含まれる。
本発明の電解質組成物に光沢剤を添加することによって、輝きのある堆積物を得ることができる。このような光沢剤は当業者によく知られている。適切な光沢剤には、芳香族アルデヒド、例えばクロロベンズアルデヒド、またはこれらの誘導体、例えばベンザルアセトンが含まれるが、これらに限定されるわけではない。光沢剤の適量は、当業者に知られている。
さらなる粒子微細化を与えるために、本発明の電解質組成物に他の化合物が添加されてもよいことは、当業者によって理解されるであろう。堆積物の外見および操作電流密度範囲をさらに改良するために、このような他の化合物が本発明の電解質組成物に添加されてもよい。このような他の化合物には、アルコキシレート、例えばポリエトキシル化アミンのジェファミン(JEFFAMINE)T−403またはトリトン(TRITON)RW、または硫酸化アルキルエトキシレート、例えばトリトンQS−15、およびゼラチンまたはゼラチン誘導体が含まれるが、これらに限定されるわけではない。本発明の組成物において有用なこのような他の化合物の量は、当業者によく知られており、存在する時は一般的に、0.1〜20mL/L、好ましくは0.5〜8mL/L、より好ましくは1〜5mL/Lの範囲内にある。
どの任意添加剤(もしあるとすれば)が本発明の電解質組成物に添加されるかは、望まれる堆積物の結果および型によるであろう。
本発明の電気めっき浴は、電子デバイスの製造への使用、特にウエハーレベルパッケージングの半導体デバイス上への相互接続バンプの形成への使用に適した錫合金を提供することが、驚くべきことに発見された。
本発明の電解質組成物が入っている電気めっき浴は一般的に、容器にこれらの酸の1つまたはそれ以上を添加し、次いで溶液溶解性錫化合物の1つまたはそれ以上、チオウレア誘導体の1つまたはそれ以上、溶液溶解性合金性金属化合物の1つまたはそれ以上、アルカノールアミン、ポリエチレンイミン、および/またはアルコキシル化芳香族アルコール添加剤の1つまたはそれ以上、1つまたはそれ以上の他の任意添加剤、および残量の脱イオン水を添加して調製される。本発明の組成物の成分の添加の他の順序も用いることができる。この浴がひとたび調製されたら、望まれない材料は、例えば濾過によって除去されてもよく、次いでこの浴の最終容積を調節するために、一般的に水が添加される。この浴は、めっき速度の増加のために、あらゆる既知の手段、例えば攪拌、ポンピング、または再循環によって攪拌されてもよい。
本発明の電解質組成物およびこれから調製されためっき浴は、一般的に酸性である。すなわちpH7未満、一般的には1未満である。本発明の電解質組成物の利点は、この電気めっき浴のpH調節が不要であるということである。
本発明の電解質組成物は、錫合金が望まれるあらゆるめっき方法において有用である。適切なめっき方法には例えば、水平または垂直ウエハーめっき、バレルめっき、および高速めっきが含まれる。錫合金は、基体と上記の電解質組成物とを接触させる工程、およびこの電解質に電流を通して錫合金を基体に堆積させる工程によって基体に堆積させることができる。金属で電解的にめっきすることができるあらゆる基体が、本発明によるめっきに適している。適切な基体には次のものが含まれるが、これらに限定されるわけではない。すなわち、銅、銅合金、ニッケル、ニッケル合金、ニッケル−鉄含有材料、電子部品、プラスチック、半導体ウエハー、例えばシリコンウエハーなどである。適切なプラスチックには、プラスチックラミネート、例えばプリント配線板、特に銅クラッド配線板が含まれる。本発明の電解質組成物は、電子部品、例えばリードフレーム、半導体ウエハー、半導体パッケージ、構成部品、コネクタ、接続、チップコンデンサ、チップレジスタ、プリント配線板などの電気めっきに特に適しており、ウエハー相互接続バンプめっき用途に特別な応用性が見出される。
基体は、当業界で知られているあらゆる方法で電解質組成物と接触させることができる。一般的に基質は、本発明の電解質組成物が入っている浴に入れられる。
本発明の錫−合金をめっきするために用いられる電流密度は、特定のめっき方法によるであろう。一般に電流密度は、1またはそれ以上のA/dm、より特定すれば1〜200A/dm、さらにより特定すれば2〜30A/dm、さらになお特定すれば2〜20A/dm、さらになお特定すれば2〜10A/dm、さらになお特定すれば2〜8A/dmであろう。
一般的に本発明の錫−合金は、15℃またはそれ以上、より特定すれば15℃〜66℃、さらになお特定すれば21℃〜52℃、さらに詳しく特定すれば23℃〜49℃の範囲内の温度で堆積することができるが、これらに限定されない。
一般に、本発明の電解質組成物が入っているめっき浴中に基体が残留する時間の長さは、決定的ではない。ある一定の温度および電流密度の場合、より長い時間は一般的に、結果としてより厚い堆積物を生じるが、一方で、より短い時間は一般的に、結果としてより薄い堆積物を生じる。したがってめっき浴中に基体が残留する時間の長さは、結果として生じる合金堆積物の厚さを制御するために利用することができる。
本発明の電解質組成物は、様々な組成の錫合金を堆積させるために用いることができる。例えば錫と、銀、銅、ビスマス、亜鉛、インジウム、またはアンチモンのうちの1つまたはそれ以上との合金は一般的に、原子吸光分光法(atomic adsorption spectroscopy)(「AAS」)、蛍光X線分析(「XRF」)、誘導結合プラズマ(「ICP」)、または示差走査熱量測定(「DSC」)のいずれかによって測定された場合、この合金の重量を基準にして、これらの合金性金属0.01〜25重量%と錫75〜99.99重量%、より特定すればこれらの合金性金属0.01〜10重量%と錫90〜99.99重量%、さらに特定すればこれらの合金性金属0.1〜5重量%と錫95〜99.9重量%を含んでいる。多くの用途に対して、この特定の合金の共融組成物は特に有利に用いることができる。このような錫合金は、鉛およびシアン化物を実質的に含まず、好ましくは鉛およびシアン化物を含まない。
本発明の電解質組成物は、上記の多様な用途に有利に用いることができるが、本発明はここで、ウエハーレベルパッケージング用の相互接続バンプ形成の使用例を参照して記載する。
この方法は、複数の相互接続バンプパッドを有する半導体ダイを供給する工程と、この相互接続バンプパッド上にシード層を形成する工程と、この半導体ダイと、本発明の電解質組成物とを接触させ、この電解質組成物に電流を通して、基体上に錫合金相互接続バンプ層を堆積させ、この相互接続バンプ層をリフローさせることによって、この相互接続バンプパッド上に錫合金相互接続バンプ層を堆積させる工程とを含む。
図1(a)〜(l)は、本発明による、様々な形成段階における半導体デバイス上の相互接続バンプを断面図で例証している。より詳しくは図1(a)〜(f)は、相互接続バンプの形成のための、マッシュルームめっきプロセスを例証しており、一方、図1(g)〜(l)は、イン−バイア(in−via)めっきプロセスを例証している。
図1(a)および(g)に示されているように、このデバイスは、導電性相互接続バンプパッド102が上に形成されている半導体基体100を含んでいる。単一I/Oパッドが例証されているが、複数のこのようなI/Oパッドがデバイス上に存在する。半導体基体100は例えば、単結晶シリコンウエハー、サファイア上シリコン(SOS)基体、または絶縁体上シリコン(SOI)基体であってもよい。導電性相互接続バンプパッド102は、一般的に物理的蒸着(PVD)、例えばスパッターによって形成されるような、金属、複合金属、または金属合金の1つまたはそれ以上の層であってもよい。一般的な導電性相互接続バンプパッド材料には、非限定的に、アルミニウム、銅、窒化チタン、およびこれらの合金が含まれる。
パシベーション層104が、相互接続バンプパッド102上に形成され、この相互接続バンプパッドまで伸びている開口部が、エッチングプロセスによって、一般的にはドライエッチングによってその中に形成される。パシベーション層104は一般的に、絶縁体、例えば窒化ケイ素、オキシ窒化ケイ素、または酸化ケイ素、例えばホスホシリケートガラス(PSG)である。このような材料は、化学的蒸着(CVD)プロセス、例えばプラズマエンハンストCVD(PECVD)によって堆積させることができる。
一般的に複数の金属または金属合金層から形成されているアンダーバンプ金属化(UBM)構造106が、このデバイス上に堆積される。UBMは、形成される相互接続バンプ用の接着層および電気接触ベース(シード層)として作用する。UBM構造を形成する層は、PVD、例えばスパッタリングまたは蒸発、またはCVDプロセスによって堆積させることができる。非限定的に、UBM構造は例えば、順に底部クロム層、銅層、および上部錫層を含む複合構造であってもよい。
図1(b)および(h)に示されているように、フォトレジスト層がこのデバイスに加えられ、次いで標準的フォトリソグラフィック露光および現像技術によってめっきマスク108が形成される。このめっきマスクは、I/OパッドおよびUBM上のめっきバイア110のサイズおよび位置を画定する。非限定的に、マッシュルームめっきプロセスは一般に、厚さが一般的に約25〜70μmの比較的薄いフォトレジスト層を用い、一方、インバイアめっきプロセスは一般に、厚さが一般的に約70〜120μmの比較的厚いフォトレジスト層を用いる。適切なフォトレジスト材料は商品として入手可能であり、これには例えば、マサチューセッツ州マールボローL.L.C.のシプレイ社(Shipley Company,L.L.C.,Marlborough,MA)のシプレイBPR(商標)−100が含まれる。
図1(c)および(i)に示されているように、相互接続バンプ材料112は、上記電気めっき組成物を用いる電気めっきプロセスによってデバイス上に堆積される。非限定的に、適切な相互接続バンプ材料には、例えば錫−銀、錫−銅、錫−銀−銅、錫−ビスマス、および錫−銀−ビスマス合金が含まれる。このような合金は、例えば上記のような組成を有していてもよい。このような組成物を、これらの共融濃度において用いることが望ましいであろう。バンプ材料は、めっきバイア110によって画定された区域に電気堆積される。この目的のために、水平または垂直ウエハーめっき系、例えば噴水めっき系が、直流(DC)またはパルスめっき技術とともに一般的に用いられる。図1(c)のマッシュルームめっきプロセスにおいて、相互接続バンプ材料は完全にバイア110を満たし、このめっきマスクの上部表面の一部分の上方またはこれに接して伸びている。このことによって、リフロー後に所望のボールサイズを得るのに十分な容積の相互接続バンプ材料が確実に堆積される。このインバイアめっきプロセスにおいて、フォトレジストの厚さは、適切な容積の相互接続バンプ材料がめっきマスクバイア内に含まれるように十分な厚さがある。銅またはニッケル層は有利には、相互接続バンプ材料112のめっきに先立って、めっきバイア110中に電気堆積されてもよい。このような層は、リフローの時に相互接続バンプへの湿潤性基盤として作用しうる。
図1(d)および(j)を参照すると、相互接続バンプ材料112の堆積に続いて、めっきマスク108が、適切を溶媒を用いてストリッピングされる。次いでUBM構造が、既知の技術を用いて選択的にエッチングされ、相互接続バンプ間およびその周りのフィールド区域からすべての金属が除去される。その結果生じた構造が、図1(e)および(k)に示されている。
次いで、場合によりウエハーが溶かされ、図1(f)および(l)に例証されているように、相互接続バンプ材料が融解してフローし、面取りされた実質的に球形形状になる温度まで、リフローオーブンで加熱される。適切な加熱技術は、当業界で知られており、これには例えば赤外線、熱伝導、対流技術、およびこれらの組合わせが含まれる。このリフローされた相互接続バンプは一般に、UBM構造の縁部と同一の広がりを持つ。熱処理工程は、不活性ガス雰囲気中または空気中で実施することができ、特定のプロセス温度および時間は、相互接続バンプ材料の特定の組成による。
次の実施例は、本発明をさらに詳しく例証するためのものであるが、どの態様においても本発明の範囲を限定するためのものではない。
実施例1〜3
錫メタンスルホネートからの錫60g/L、銀メタンスルホネートからの銀1.5g/L、50g/Lのメタンスルホン酸、15g/Lの1−アリル−2−チオウレア、1.04g/Lのバナジウム(IV)アセチルアセトネート、5、10、および15g/Lの量のテトラ(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、および脱イオン水(残量)を30℃で組合わせて、電解質組成物を調製した。ハル(Hull)鋼パネルの切り取り試験片を、ハルセルにおいてこれらの組成物中に浸漬し、2、4、6、および8A/dmの電流密度で錫−銀の層でめっきした。これらのサンプルの各々について、結果として生じた層の銀濃度を、XRFによって測定した。これらの結果を図2に示す。これは、堆積組成物対電流密度のグラフである。図2は、錫−銀堆積物について、概して均一な組成物が広い電流密度範囲にわたって得られることを示している。
実施例4〜5、比較例1
錫メタンスルホネートからの錫40g/L、銀メタンスルホネートからの銀1g/L、90g/Lのメタンスルホン酸、2g/Lのエトキシル化ビスフェノール、4g/Lの1−アリル−2−チオウレア、および脱イオン水(残量)を30℃で組合わせて、電解質組成物を調製した。ハル鋼パネルを、ハルセルにおいてこの組成物中に浸漬し、錫−銀の層でめっきした。2、4、6、8、および10A/dmに対応する鋼パネル上の位置における、結果として生じた層の銀濃度を、XRFによって測定した。1−アリル−2−チオウレアを4g/Lの1,1,3,3−テトラメチル−2−チオウレアと替え、次いで4g/Lのチオウレア(比較例)と替えた電解質組成物について、この手順を繰返した。これらの結果を図3に示す。これは、3つの電解質組成物についての堆積組成物対電流密度のグラフである。
図3から分かるように、チオウレア誘導体である、1−アリル−2−チオウレア、および1,1,3,3−テトラメチル−2−チオウレアを用いた電解質組成物は、錫−銀堆積物について、2〜10A/dmの電流密度範囲全体にわたって比較的均一な組成物を結果として生じた。これに対して、チオウレアを用いた比較電解質組成物は、テストされた電流密度範囲の低い方の末端部において不均一な組成物を結果として生じた。
実施例6、比較例2
錫メタンスルホネートからの錫40g/L、銅メタンスルホネートからの銅1g/L、90g/Lのメタンスルホン酸、2g/Lのエトキシル化ビスフェノール、4g/Lの1−アリル−2−チオウレア、および脱イオン水(残量)を30℃で組合わせて、電解質組成物を調製した。ハル鋼パネルを、ハルセルにおいてこの組成物中に浸漬し、錫−銅の層でめっきした。2、4、6、8、および10A/dmに対応する鋼パネル上の位置における、結果として生じた層の銅濃度を、XRFによって測定した。1−アリル−2−チオウレアを4g/Lのチオウレア(比較例)と替えた電解質組成物について、この手順を繰返した。これらの結果を図4に示す。これは、2つの電解質組成物についての堆積組成物対電流密度のグラフである。
図4から分かるように、チオウレア誘導体である、1−アリル−2−チオウレアを用いた電解質組成物は、錫−銅堆積物について、2〜10A/dmの電流密度範囲全体にわたって比較的均一な組成物を結果として生じた。これに対して、チオウレアを用いた比較電解質組成物は、テストされた電流密度範囲にわたって不均一な組成物を結果として生じた。
実施例7、比較例3
錫メタンスルホネートからの錫40g/L、ビスマスメタンスルホネートからのビスマス1g/L、160g/Lのメタンスルホン酸、2g/Lのエトキシル化ビスフェノール、4g/Lの1−アリル−2−チオウレア、および脱イオン水(残量)を30℃で組合わせて、電解質組成物を調製した。ハル鋼パネルを、ハルセルにおいてこの組成物中に浸漬し、錫−ビスマスの層でめっきした。2、4、6、および8A/dmに対応する鋼パネル上の位置における、結果として生じた層のビスマス濃度を、XRFによって測定した。1−アリル−2−チオウレアを4g/Lのチオウレア(比較例)と替えた電解質組成物について、この手順を繰返した。これらの結果を図5に示す。これは、2つの電解質組成物についての堆積組成物対電流密度のグラフである。
図5から分かるように、チオウレア誘導体である、1−アリル−2−チオウレアを用いた電解質組成物は、錫−ビスマス堆積物について、2〜8A/dmの電流密度範囲全体にわたって比較的均一な組成物を結果として生じた。これに対して、チオウレアを用いた比較電解質組成物は、テストされた電流密度範囲にわたって不均一な組成物を結果として生じた。
実施例8、比較例4
錫メタンスルホネートからの錫40g/L、銀メタンスルホネートからの銀1g/L、銅メタンスルホネートからの銅1g/L、90g/Lのメタンスルホン酸、2g/Lのエトキシル化ビスフェノール、4g/Lの1−アリル−2−チオウレア、および脱イオン水(残量)を30℃で組合わせて、電解質組成物を調製した。ハル鋼パネルを、ハルセルにおいてこの組成物中に浸漬し、錫−銀−銅の層でめっきした。2、4、6、8、および10A/dmに対応する鋼パネル上の位置における、結果として生じた層の銀および銅濃度を、XRFによって測定した。1−アリル−2−チオウレアを4g/Lのチオウレア(比較例)と替えた電解質組成物について、この手順を繰返した。これらの結果を図6に示す。これは、2つの電解質組成物についての堆積組成物対電流密度のグラフである。
図6から分かるように、チオウレア誘導体である、1−アリル−2−チオウレアを用いた電解質組成物は、錫−銀−銅堆積物について、2〜10A/dmの電流密度範囲全体にわたって比較的均一な組成物を結果として生じた。これに対して、チオウレアを用いた比較電解質組成物は、テストされた電流密度範囲にわたって不均一な組成物を結果として生じた。
実施例9、比較例5
錫メタンスルホネートからの錫40g/L、銀メタンスルホネートからの銀1g/L、ビスマスメタンスルホネートからのビスマス1g/L、90g/Lのメタンスルホン酸、2g/Lのエトキシル化ビスフェノール、4g/Lの1−アリル−2−チオウレア、および脱イオン水(残量)を30℃で組合わせて、電解質組成物を調製した。ハル鋼パネルを、ハルセルにおいてこれらの組成物中に浸漬し、錫−銀−ビスマスの層でめっきした。2、4、6、8、および10A/dmに対応する鋼パネル上の位置における、結果として生じた層の銀およびビスマスの濃度を、XRFによって測定した。1−アリル−2−チオウレアを4g/Lのチオウレア(比較例)と替えた電解質組成物について、この手順を繰返した。これらの結果を図7に示す。これは、2つの電解質組成物についての堆積組成物対電流密度のグラフである。
図7から分かるように、チオウレア誘導体である、1−アリル−2−チオウレアを用いた電解質組成物は、錫−銀−ビスマス堆積物について、2〜10A/dmの電流密度範囲全体にわたって比較的均一な組成物を結果として生じた。これに対して、チオウレアを用いた電解質組成物は、テストされた電流密度範囲にわたって不均一な組成物を結果として生じた。
実施例10〜11、比較例6
錫メタンスルホネートからの錫40g/L、銀メタンスルホネートからの銀1g/L、90g/Lのメタンスルホン酸、2g/Lのテトラ(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、4g/Lの1−アリル−2−チオウレア、および脱イオン水(残量)を30℃で組合わせて、電解質組成物を調製した。ハル鋼パネルを、ハルセルにおいてこの組成物中に浸漬し、錫−銀の層でめっきした。2、4、6、および8A/dmに対応する鋼パネル上の位置における、結果として生じた層の銀濃度を、XRFによって測定した。1−アリル−2−チオウレアを4g/Lの1,1,3,3−テトラメチル−2−チオウレア、次いで4g/Lのチオウレア(比較例)と替えた電解質組成物について、この手順を繰返した。これらの結果を図8に示す。これは、3つの電解質組成物についての堆積組成物対電流密度のグラフである。
図8から分かるように、チオウレア誘導体である、1−アリル−2−チオウレア、および1,1,3,3−テトラメチル−2−チオウレアを用いた電解質組成物は、錫−銀堆積物について、2〜8A/dmの電流密度範囲全体にわたって比較的均一な組成物を結果として生じた。これに対して、チオウレアを用いた電解質組成物は、テストされた電流密度範囲にわたって不均一な組成物を結果として生じた。
実施例12〜13、比較例7
錫メタンスルホネートからの錫40g/L、銅メタンスルホネートからの銅1g/L、90g/Lのメタンスルホン酸、2g/Lのテトラ(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、4g/Lの1−アリル−2−チオウレア、および脱イオン水(残量)を30℃で組合わせて、電解質組成物を調製した。ハル鋼パネルを、ハルセルにおいてこの組成物中に浸漬し、錫−銅の層でめっきした。2、4、6、および8A/dmに対応する鋼パネル上の位置における、結果として生じた層の銅濃度を、XRFによって測定した。1−アリル−2−チオウレアを4g/Lの1,1,3,3−テトラメチル−2−チオウレア、次いで4g/Lのチオウレア(比較例)と替えた電解質組成物について、この手順を繰返した。これらの結果を図9に示す。これは、3つの電解質組成物についての堆積組成物対電流密度のグラフである。
図9から分かるように、チオウレア誘導体である、1−アリル−2−チオウレア、および1,1,3,3−テトラメチル−2−チオウレアを用いた電解質組成物は、錫−銅堆積物について、2〜8A/dmの電流密度範囲にわたって比較的均一な組成物を結果として生じた。これに対して、チオウレアを用いた電解質組成物は、テストされた電流密度範囲にわたって不均一な組成物を結果として生じた。
実施例14〜15、比較例8
錫メタンスルホネートからの錫40g/L、ビスマスメタンスルホネートからのビスマス1g/L、90g/Lのメタンスルホン酸、2g/Lのテトラ(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、4g/Lの1−アリル−2−チオウレア、および脱イオン水(残量)を30℃で組合わせて、電解質組成物を調製した。ハル鋼パネルを、ハルセルにおいてこの組成物中に浸漬し、錫−ビスマスの層でめっきした。2、4、6、および8A/dmに対応する鋼パネル上の位置における、結果として生じた層のビスマス濃度を、XRFによって測定した。1−アリル−2−チオウレアを4g/Lの1,1,3,3−テトラメチル−2−チオウレア、次いで4g/Lのチオウレア(比較例)と替えた電解質組成物について、この手順を繰返した。これらの結果を図10に示す。これは、3つの電解質組成物についての堆積組成物対電流密度のグラフである。
図10から分かるように、チオウレア誘導体である、1−アリル−2−チオウレア、および1,1,3,3−テトラメチル−2−チオウレアを用いた電解質組成物は、錫−ビスマス堆積物について、2〜8A/dmの電流密度範囲にわたって比較的均一な組成物を結果として生じた。これに対して、チオウレアを用いた電解質組成物は、テストされた電流密度範囲にわたって不均一な組成物を結果として生じた。
実施例16
錫メタンスルホネートからの錫60g/L、銀メタンスルホネートからの銀1.5g/L、銅メタンスルホネートからの銅0.5g/L、110g/Lのメタンスルホン酸、1g/Lバナジウム(IV)アセタールアセトネート、10g/Lのテトラ(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、15g/Lの1−アリル−2−チオウレア、および脱イオン水(残量)を25℃で組合わせて、電解質組成物を調製した。ハル鋼パネルを、ハルセルにおいてこの組成物中に浸漬し、錫−銀−銅の層でめっきした。1、2、4、6、および8A/dmに対応する鋼パネル上の位置における、結果として生じた層の錫、銅、および銀の濃度を、XRFによって測定した。これらの結果を図11に示す。図11から分かるように、良好な均一性を有する錫−銀−銅フィルムが、テストされた電流密度範囲全体にわたって得られた。
実施例17
錫メタンスルホネートからの錫60g/L、銀メタンスルホネートからの銀0.5g/L、銅メタンスルホネートからの銅0.3g/L、150g/Lのメタンスルホン酸、1g/Lのバナジウム(IV)アセチルアセトネート、5g/Lのテトラ(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、7g/Lの1−アリル−2−チオウレア、および脱イオン水(残量)を25℃で組合わせて、電解質組成物を調製した。3A/dmで回転鋼シリンダー上に錫−銀−銅層をめっきするために、この組成物を用いた。結果として生じた層の錫、銅、および銀の濃度を、XRFによって測定し、この堆積物の融点を決定した。この堆積物の組成は、95.56重量%の錫、3.56重量%の銀、および0.88重量%の銅であり、融点は217.48℃であった。
実施例18
錫メタンスルホネートからの錫20g/L、銀メタンスルホネートからの銀0.5g/L、50g/Lのメタンスルホン酸、8g/Lの1−アリル−2−チオウレア、5g/Lのカルボキシメチル化ポリエチレンイミン(分子量5,000)、および脱イオン水(残量)を30℃で組合わせて、電解質組成物を調製した。ハル鋼パネルおよび銅シードウエハーの切り取り試験片を、ハルセルにおいてこの組成物中に浸漬し、2、3、5、7、および9A/dmの電流密度で錫−銀の層でめっきした。結果として生じた堆積物を目視観察し、これらのサンプルの各々について、結果として生じた堆積物の銀濃度をXRFによって測定した。これらの堆積物は、目視観察によって平滑で均一であることが分かり、共融またはほぼ共融組成物であった。
実施例19
錫メタンスルホネートからの錫60g/L、銀メタンスルホネートからの銀0.5g/L、130g/Lのメタンスルホン酸、7g/Lの1−アリル−2−チオウレア、5g/Lのテトラ(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、および脱イオン水(残量)を30℃で組合わせて、電解質組成物を形成すること以外、実施例18の手順を繰返した。これらの堆積物は、目視観察によって平滑で均一であることが分かり、共融またはほぼ共融組成物であった。
実施例20
錫メタンスルホネートからの錫40g/L、銀メタンスルホネートからの銀1g/L、90g/Lのメタンスルホン酸、5g/Lの1−アリル−2−チオウレア、1g/Lのポリエチレンイミン(分子量50,000)、および脱イオン水(残量)を30℃で組合わせて、電解質組成物を形成すること以外、実施例18の手順を繰返した。これらの堆積物は、目視観察によって平滑で均一であることが分かり、共融またはほぼ共融組成物であった。
実施例21
錫メタンスルホネートからの錫20g/L、銀メタンスルホネートからの銀0.5g/L、160g/Lのメタンスルホン酸、3g/Lの1−アリル−2−チオウレア、4g/Lのポリエチレンイミン(分子量2,000)、および脱イオン水(残量)を30℃で組合わせて、電解質組成物を形成すること以外、実施例18の手順を繰返した。これらの堆積物は、目視観察によって平滑で均一であることが分かり、共融またはほぼ共融組成物であった。
実施例22〜23、比較例9
錫メタンスルホネートからの錫40g/L、銀メタンスルホネートからの銀1g/L、90g/Lのメタンスルホン酸、2g/Lのエトキシル化ビスフェノール、4g/Lの1−アリル−2−チオウレア、および脱イオン水(残量)を30℃で組合わせて、電解質組成物を調製した。1−アリル−2−チオウレアを4g/Lの1,1,3,3−テトラメチル−2−チオウレア、および4g/Lのチオウレア(比較例)と替えること以外、上記のように2つの追加の電解質組成物を調製した。アイドリング時間中の錫−銀浴の安定性に対する様々な錯化剤の効果をテストした。各浴250mlを室温に維持し、錫(II)の濃度を、4日の期間にわたって分析した。これらの結果を図12に示す。これは、錫(II)濃度対時間のグラフである。図12によって示されているように、錫(II)濃度は、チオウレア誘導体を含む組成物の場合4日間にわたって1重量%またはそれ以下しか減少しなかった。チオウレアを含んでいる組成物中の錫(II)濃度は、6重量%超も減少した。したがってチオウレア誘導体含有組成物は、チオウレア含有組成物よりも優れた酸化防止特性を示した。
実施例24
1,500Å厚さの銅シード層を有する8インチシリコンウエハーに、25μmの厚さに、ドライフィルムレジストでコーティングした。このレジストを、フォトマスクを用いてパターン化し、直径100μmの円筒バイアを形成した。錫メタンスルホネートからの錫60g/L、銀メタンスルホネートからの銀0.5g/L、140g/Lのメタンスルホン酸、15g/Lの1−アリル−2−チオウレア、10g/LのN,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、0.2g/Lのバナジウム(IV)アセチルアセトネート、および脱イオン水(残量)を25℃で組合わせて、電解質組成物を調製した。ウエハーを、脱イオン水中に30秒間予め浸漬し、次いで噴水型めっき装置において、8A/dmの電流密度で5分間、20rpmウエハー回転、および5GPM電解質流量で、この電解質組成物で電気めっきした。厚さ25μmの錫−銀堆積物が、バイア内に形成された。アセトン中でリンスして、レジストをウエハーから除去し、暴露された銅シード層を、シプレイカプロエッチ(Cuproetch)(商標)BPエッチング溶液を用いた化学的エッチングにより除去した。
堆積されたバンプの組成は、XRF測定によって、3.5%銀±0.5%であると決定された。目視観察、走査電子顕微鏡法(SEM)、および断面のバンプの分析によって、これらのバンプは平滑な表面を有し、空隙を含まないと決定された。
実施例25
1,500Å厚さの銅シード層を有する8インチシリコンウエハーに、100μmの厚さに、BPR100レジストでコーティングした。このレジストを、フォトマスクを用いてパターン化し、直径100μmの円筒バイアを形成した。錫メタンスルホネートからの錫60g/L、銀メタンスルホネートからの銀0.5g/L、50g/Lのメタンスルホン酸、15g/Lの1−アリル−2−チオウレア、10g/LのN,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、1.04g/Lのバナジウム(IV)アセチルアセトネート、および脱イオン水(残量)を組合わせて、電解質組成物を調製した。ウエハーを、脱イオン水中に30秒間浸漬し、次いで垂直型めっき装置において、8A/dmの電流密度で25分間25℃で、この電解質組成物で電気めっきした。厚さ95μmの錫−銀堆積物が、バイア内に形成された。BPRストリッパー中でリンスして、レジストをウエハーから除去し、露出された銅シード層を、シプレイカプロエッチBPエッチング溶液を用いた化学的エッチングにより除去した。
堆積されたバンプの組成は、XRF測定によって、3.5%銀±0.5%であると決定された。目視観察、走査電子顕微鏡法(SEM)、および断面のバンプの分析によって、これらのバンプは平滑な表面を有し、空隙を含まないと決定された。
本発明は、これの特定の実施態様を参照して詳細に記載されてはいるが、特許請求の範囲から逸脱することなく、様々な変更および修正を行なうことができ、同等のものを用いることができることは、当業者には明らかであろう。
図1(a)〜(l)は、本発明による、様々な形成段階における半導体デバイス上の相互接続バンプを断面図で例証している。 図2は、本発明による錫−銀電気めっき組成物についての堆積組成物対電流密度のグラフである。 図3は、本発明による錫−銀電気めっき組成物および比較錫−銀電気めっき組成物についての堆積組成物対電流密度のグラフである。 図4は、本発明による錫−銅電気めっき組成物および比較錫−銅電気めっき組成物についての堆積組成物対電流密度のグラフである。 図5は、本発明による錫−ビスマス電気めっき組成物および比較錫−銅電気めっき組成物についての堆積組成物対電流密度のグラフである。 図6は、本発明による錫−銀−銅電気めっき組成物および比較錫−銀−銅電気めっき組成物についての堆積組成物対電流密度のグラフである。 図7は、本発明による錫−銀−ビスマス電気めっき組成物および比較錫−銀−ビスマス電気めっき組成物についての堆積組成物対電流密度のグラフである。 図8は、本発明による錫−銀電気めっき組成物および比較錫−銀電気めっき組成物についての堆積組成物対電流密度のグラフである。 図9は、本発明による錫−銅電気めっき組成物および比較錫−銅電気めっき組成物についての堆積組成物対電流密度のグラフである。 図10は、本発明による錫−ビスマス電気めっき組成物および比較錫−ビスマス電気めっき組成物についての堆積組成物対電流密度のグラフである。 図11は、本発明による錫−銀−銅電気めっき組成物についての堆積組成物対電流密度のグラフである。 図12は、本発明による錫−銀電気めっき組成物および比較錫−銀電気めっき組成物についての錫(II)濃度対時間のグラフである。
符号の説明
100 半導体基体
102 導電性相互接続バンプパッド
104 パシベーション層
106 アンダーバンプ金属化(UBM)構造
108 めっきマスク
110 めっきバイア
112 相互接続バンプ材料

Claims (4)

  1. 基体上へ錫合金を堆積させるための電解質組成物であって、錫イオン;銀及び銅の合金化金属のイオン;バナジウム、ニオブ、タンタル、チタン、ジルコニウムおよびタングステンから選択される元素をベースとする1以上の多価化合物;;1−アリル−2−チオウレアまたは1,1,3,3−テトラメチル−2−チオウレアからなる群から選択されるチオウレア誘導体並びにアルカノールアミン、ポリエチレンイミンおよびこれらの組合わせから選択される添加剤を含む組成物。
  2. 基体上に錫合金を堆積させる方法であって、前記基体と請求項1記載の電解質組成物とを接触させる工程、および前記電解質組成物に電流を通して、基体上に錫合金を堆積させる工程を含む、前記方法。
  3. 前記基体が、リードフレーム、半導体ウエハー、半導体パッケージ、構成部品、コネクタ、接点、チップコンデンサ、チップレジスタ、およびプリント配線板からなる群から選択される電子部品である、請求項に記載の方法。
  4. 半導体デバイス上に相互接続バンプを形成する方法であって、
    (a)複数の相互接続バンプパッドを有する半導体ダイを提供する工程と;
    (b)前記相互接続バンプパッド上にシード層を形成する工程と;
    (c)前記半導体ダイと請求項1記載の電解質組成物とを接触させ、さらにこの電解質組成物に電流を通して、基体上に錫合金相互接続バンプ層を堆積させることによって、相互接続バンプパッド上に錫合金相互接続バンプ層を堆積させる工程と;および
    (d)前記相互接続バンプ層をリフローさせる工程と、
    を含む前記方法。
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