JP4749826B2 - 建具 - Google Patents
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Description
この上げ下げ窓において、上部障子は、その縦框の上部が縦枠の上部に固定したガイドピースに嵌合することで室内外方向(見込み方向)に位置決めされるとともに、下框の左右両端に突没自在に設けたロッド棒を縦枠に固定したストッパーに係合することで、窓枠に固定されるようになっている。そして、上部障子の取り付け手順としては、先ず、縦框の上部をガイドピースに嵌合させながら上部障子全体を若干持ち上げておき、次に、上部障子を持ち上げた状態でロッド棒を縦枠側に突出させてストッパーに係合し、その後に、ロッド棒を下框にビス止め固定するという手順になっている。
そして、上部障子の上端部分の移動を規制するための固定部品等を別途に設ければ、固定状態を安定化させることが可能になるものの、部品点数の増加や取付手順の煩雑化を招いてしまい、製造コストの増加や施工性の低下などの新たな問題が生じる。
また、受け材に対して固定材が着脱自在に設けられるとは、受け材と固定材とが別体で構成されて固着部材等で受け材と固定材とが連結される形態だけでなく、受け材と固定材とが別体で構成されて受け材と固定材とが固着部材等を用いずにお互いがスナップ係合し合うことで連結されるものでもよく、さらには、受け材と固定材とが別体で構成されて互いがスナップ係合し合うとともに固着部材等を用いて連結されるものでもよい。
そして、固定材を受け材に固着するだけで固定障子の固定作業が完了するので、固定装置とは別の固定部品等を用意する必要がなく、部品点数の増加および取付手順の煩雑化を防止して、低コスト化および良好な施工性を実現することができる。
さらに、固定障子を取り付ける際や取り外す際に、固定障子を作業者が手で支えておかなくても、受け材または縦枠に係止された固定材によって固定障子が支持されるので、固定障子の脱落が防止でき、取付作業や取外し作業を容易に実施することができる。従って、例えば一人の作業者で固定障子を取り付けたり取り外したりすることも可能になって、施工性をさらに向上させることができる。
このような構成によれば、固定障子を取り付ける際や取り外す際に、位置決め部材の位置決め部が上枠から外れた位置にあって位置決めされていない状態であっても、規制部が縦枠に係止されて固定障子の上辺部が見込み方向へ移動規制されることで、固定障子が見込み方向に倒れることが防止でき、取付作業や取外し作業を一層容易に実施することができる。
このような構成によれば、低コスト化および良好な施工性が実現可能で、固定障子の固定状態の安定化を図ることが可能な上げ下げ窓を構成することができる。
なお、第2実施形態以降において、次の第1実施形態で説明する構成部材と同じ構成部材、および同様な機能を有する構成部材には、第1実施形態の構成部材と同じ符号を付し、それらの説明を省略または簡略化する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る建具である上げ下げ窓1を示す縦断面図である。図2は、上げ下げ窓1を示す横断面図である。図3は、上げ下げ窓1を室外側から見た姿図である。
図1〜図3において、上げ下げ窓1は、戸建て住宅等の建物の外壁開口部に設けられて建物の室内空間と室外空間とを仕切る建具であって、上枠11、下枠12、および左右の縦枠13を四周枠組みした窓枠10と、この窓枠10の内側に支持された上部障子20および下部障子30と、これらの室外側に開閉自在に支持された網戸40とを備えて構成されている。
図4は、上部障子20の下辺部を支持する固定装置50を示す横断面図である。図5(A)〜(C)および図6(A)〜(C)は、それぞれ固定装置50の受け材51および固定材52を示す三面図である。図7は、上部障子20の上辺部を示す横断面図である。図8は、上部障子20の上辺部に設けられる位置決め部材60を示す三面図である。
受け材51は、金属板材から折り曲げ加工により成形され、縦枠13の見込み片部131に固定される上下の固定片部511と、これらの固定片部511から縦枠13の見付け方向内側にコ字形に突出する固着部512とを有して形成されている。そして、受け材51は、縦枠13の見付け方向外側から螺合されるビスによって固定片部511が縦枠13の見込み片部131に固定されるようになっている。また、固着部512には、固定材52を螺合するための2つのビス孔512Aが設けられている。
すなわち、位置決め部材60は、上部障子20の上辺部に載置される本体61と、この本体部61の室内側に設けられて上框21および縦框23に係合する一対の係合部62と、本体部61の室外側側面に形成されて上枠11の突片111室内面に当接する当接面部63と、当接面部63よりも室外側に突出して突片111の切欠き111Aに挿入される位置決め突部64と、本体部61の左右に突出する規制部65とを有して形成されている。
図9〜図11は、上部障子20の建て込み手順を説明する縦断面図である。
上部障子20の建て込みに際しては、先ず、図9に示すように、縦枠13の見込み片部131に固定装置50の受け材51を固定しておくとともに、窓枠10内(縦枠13間)に上部障子20を入れた後、上部障子20の上辺両端部に位置決め部材60を取り付けておく。ここで、縦枠13の中間部見付け片133から室外側に突出した突片133A、および室外側見付け片134から室内側に突出した突片134Aには、それぞれ固定装置50に対応した切欠きが予め形成されている。
なお、上部障子20を窓枠10から取り外す場合には、上述した建て込み手順と逆の手順で取り外すことになるが、この際、ビス523を受け材51および固定材52から外しても、固定材52が縦枠13の突片133A,134Aに係止され、上部障子20が脱落しないようになっている。
(1)すなわち、上部障子20の上辺部が上枠11に位置決めされた状態で、固定装置50の固定材52が受け材51に取り付けて固着され、この固定材52で上部障子20の下辺部が支持されるので、固定材52を受け材51に固着するだけで上部障子20を窓枠11に移動不能に固定することができ、上部障子20の固定状態の安定化を図ることができる。
次に、本発明の第2実施形態について図12〜図17に基づいて説明する。
図12は、第2実施形態に係る建具における上部障子20の固定装置70を示す縦断面図である。図13(A)〜(C)は、固定装置70の受け材71および固定材72を示す三面図である。図14〜図16は、上部障子20の建て込み手順を説明する縦断面図である。図17は、上部障子20の取り外し手順を説明する縦断面図である。
本実施形態の建具は、上部障子20の下辺部を固定する固定装置70の構造が前記第1実施形態の固定装置50と相違し、上部障子20の建て込みおよび取り外し手順が前記第1実施形態と相違するもので、他の構成は第1実施形態と略同様である。以下、相違点について詳しく説明する。
受け材71は、金属板材から折り曲げ加工により成形され、縦枠13の見込み片部131に固定される固定片部711と、この固定片部711の上端部から縦枠13の見付け方向内側斜め上方に突出する固着部712と、固定片部711の下端部に設けられた係止片部713と、固定片部711の両側端部に設けられた案内片部714とを有して形成されている。そして、受け材71は、縦枠13の見付け方向外側から螺合されるビスによって固定片部711が縦枠13の見込み片部131に固定されるようになっている。また、固着部712には、固定材72を固着するビスを螺合するためのビス孔712Aが設けられている。
上部障子20の建て込みに際しては、前記第1実施形態と同様に、上部障子20の上辺両端部に位置決め部材60を取り付けておく。そして、図14に示すように、縦枠13の見込み片部131に固定装置70の受け材51を固定するとともに、この受け材71の係止片部713に被係止縁部721Gを係止させて固定材72を受け材71に取り付けておく。そして、上部障子20の下辺部を固定材72上に載せるようにして、上部障子20を縦枠13間に室外側から嵌め込む。
次に、図15に示すように、上部障子20を持ち上げて上辺部を上枠11に挿入し、位置決め部材60によって上部障子20の上辺部を上枠11に位置決めする。この上部障子20の上辺部の位置決め手順は、前記第1実施形態と略同様である。
次に、図16に示すように、固定装置70の固定材72を受け材71の案内片部714沿って上方にスライドさせ、固定補強板722の上面を受け材71の固着部712下面に当接させる。この状態において、固定材72の水平支持片部721Bおよび固定補強板722が上部障子20の下辺部(下框22の下面)に当接するとともに、係合突起721Eが下框22に係合するようになっている。そして、ビス723を水平支持片部721B、固定補強板722および受け材71の固着部712に螺合し、固定材72を受け材71に固着する。以上によって下辺部が固定装置70に支持され、かつ上辺部が上枠11に位置決めされることで、上部障子20が窓枠10に対して移動不能に固定され、上部障子20の建て込み手順が完了する。
(6)すなわち、上部障子20の上辺部が上枠11に位置決めされた状態で、固定装置70の固定材72が上方にスライドされてから受け材71に固着され、この固定材72で上部障子20の下辺部が支持されるので、上部障子20を固定位置よりも持ち上げてから下げるような従来の取付方法によらなくてもよく、固定材72を受け材71に固着するだけで上部障子20を窓枠11に移動不能に固定することができ、上部障子20の固定状態の安定化を図ることができる。
例えば、前記実施形態においては、下部障子30が上下スライド開閉可能な上げ下げ窓1について説明したが、本発明の建具は、上げ下げ窓1に限らず、可動障子を有していなくてもよく、また可動障子や可動面材が突出し形式や内倒し形式、開き形式、辷出し形式等で開閉されるものであってもよい。
また、前記実施形態では、上部障子20の上辺部を上枠11に位置決めする構成としているが、この上部障子20の上辺部の位置決め箇所は前記実施形態のものに限らず、上部障子20の上辺部を縦枠13の上端部に位置決めする構成としてもよく、上部障子20の上辺部を縦枠13の上下端部間(つまり、例えば縦枠13の中間部)に位置決めする構成としてもよい。
また、前記第1実施形態では、上部障子20を窓枠10から取り外す場合に、ビス523を受け材51および固定材52から外しても、固定材52が縦枠13の突片133A,134Aに係止されて上部障子20が脱落しない構成としたが、固定材52が受け材51に係止されることで上部障子20が脱落しない構成としてもよく、固定材52が縦枠13の突片133A,134Aおよび受け材51の両方に係止されて上部障子20が脱落しない構成としてもよい。
また、固定装置の構成としては、次の図18に示すような構成が採用可能である。すなわち、図18の固定装置は、第1実施形態の固定装置50と略同様の受け材51および固定材52を備え、固定材52には、鉛直支持片部522Bから受け材51側に突出した一対の係合片部522Cが設けられている。そして、この固定装置では、係合片部522Cを受け材51の固着部512側端縁に係合させることで、固定材52が受け材51に係着されるようになっている。このため、上部障子20の建て込み時における固定材52の受け材51への固着作業時に、固定材52を受け材51に係着しておけば、ビス523の取り付け作業まで固定材52を手で支えておく必要がなくなり、取付作業の容易化を図ることができるようになっている。
従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
Claims (4)
- 上枠、下枠、および左右の縦枠を有する窓枠と、この窓枠内上部に固定される固定障子とを備え、
前記固定障子は、上辺部が前記上枠または前記縦枠に位置決めされるとともに、下辺左右両端部が一対の固定装置を介して前記縦枠に固定され、
前記一対の固定装置は、それぞれ前記縦枠に固定される受け材と、この受け材に対して着脱自在に設けられるとともに、当該受け材に固着可能かつ前記固定障子の下辺部を支持可能な固定材とを有して構成され、
前記固定材は、前記固定障子の固定位置で前記縦枠に係止されることで前記固定障子の下辺部を支持可能であるとともに、前記固定障子の下辺部を支持した固定材が前記受け材に固着されることで、前記固定障子が前記窓枠に固定される建具。 - 上枠、下枠、および左右の縦枠を有する窓枠と、この窓枠内上部に固定される固定障子とを備え、
前記固定障子は、上辺部が前記上枠または前記縦枠に位置決めされるとともに、下辺左右両端部が一対の固定装置を介して前記縦枠に固定され、
前記一対の固定装置は、それぞれ前記縦枠に固定される受け材と、この受け材に対して着脱自在に設けられるとともに、当該受け材に固着可能かつ前記固定障子の下辺部を支持可能な固定材とを有して構成され、
前記固定障子は、その固定位置から所定量だけ下がった位置から上方にスライドされ、前記固定材は、前記固定障子の固定位置から所定量だけ下がった位置にて前記受け材に係止されるとともに、前記下がった位置から上方にスライドされて前記受け材に固着され、前記受け材に固着された固定材に前記固定障子の下辺部が支持されることで、前記固定障子が前記窓枠に固定される建具。 - 前記固定障子の上辺両端部には、当該上辺部を位置決めする位置決め部材が取り付けられ、この位置決め部材は、前記上枠に対して左右方向および見込み方向に前記上辺部を位置決めする位置決め部と、前記固定障子の建て込み時に前記縦枠に係止されることで当該建て込み時における前記上辺部の見込み方向への移動を規制する規制部とを有して形成されている請求項1または請求項2に記載の建具。
- 前記固定障子の室内側に沿って上下スライド開閉自在に前記窓枠に支持された可動障子を備えた上げ下げ窓である請求項1から請求項3のいずれかに記載の建具。
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