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JP4740517B2 - 酸性飲料の製造方法 - Google Patents

酸性飲料の製造方法 Download PDF

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Description

技 術 分 野
本発明は、好酸菌の増殖を抑制された酸性飲料、例えばスポーツドリンクなどの酸性飲料、およびその製造方法に関する。
背 景 技 術
液性が酸性領域にある飲料、例えば乳酸菌飲料、スポーツドリンクなどにおいて変質、腐敗などの事故を起こす主たる原因菌は、酸性領域で生育可能な真菌類(カビ類)および酵母類であるとされてきた。これは該酸性飲料においては、一般に細菌は生育し難いからである。
しかるに、最近、これら酸性飲料を収容する容器としてペットボトルなどが普及したことに伴って、このペットボトル入り酸性飲料において、上記真菌類および酵母類以外の菌による汚染の問題が生じるに至った。この汚染の原因菌は好酸菌、特にアリサイクロバシラス(Alicyclobacillus)属に属する耐熱性好酸菌などと考えられる。
これらの好酸菌による汚染問題についての対策は、現在全く開発されいない。
また、この汚染問題は、従来、一般細菌に対してなされてきた飲料製品の制御方法、例えば製品の保存温度を低下させる方法(冷蔵保存)、殺菌条件を厳しくする方法(高温殺菌など)、原料、工場などの菌混入環境条件を管理する方法(サニテーションの強化など)などの間接的な方法では、尚充分には解決できない。
従って、本発明の目的は、従来の間接的な方法に替わって、直接に飲料製品自体における好酸菌の増殖を抑制する技術(制菌技術)を開発することにある。
発 明 の 開 示
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、例えばブドウ種子の水抽出物が、酸性飲料中に混入してこれを汚染するおそれのある有害な好酸菌、殊に酸性飲料の一般的加熱殺菌条件では尚完全には死滅し得ないアリサイクロバシラス属に属する好酸菌、代表的にはアリサイクロバシラス・アシドカルダリアス(Alicyclobacillus acidocaldarius)、アリサイクロバシラス・アシドテレストリス(Alicyclobacillus acidoterrestris)およびアリサイクロバシラス・サイクロヘプタニカス(Alicyclobacillus cycloheptanicus)に対して優れた制菌効果(増殖抑制効果)を奏することを見出した。また本発明者は、上記物質を酸性飲料中に添加配合することによって、上記目的に合致する好酸菌の増殖を抑制された酸性飲料が得られることを見出した。
本発明は、これらの新しい知見に基づいて完成されたものである。
本発明は、酸性飲料中にて増殖可能な好酸菌の増殖抑制作用を有する物質を、酸性飲料中に配合することを特徴とする酸性飲料の製造方法を提供する。
特に本発明は、以下の方法を提供する。
(1)酸性飲料中にて増殖可能な好酸菌の増殖抑制作用を有する物質が、ブドウ種子の水抽出物およびブドウ果実搾汁粕の水抽出物から選ばれる少なくとも1種である上記方法;
(2)酸性飲料中にて増殖可能な好酸菌の増殖抑制作用を有する物質が、酸性飲料中に0.00036−0.0073重量%配合される上記方法;
(3)酸性飲料が、果実飲料、乳性飲料、ベジタブルジュース、ゲル状飲料、ニアウオーターおよびスポーツドリンクからなる群から選択されるpH4.6未満のものである上記方法;および
(4)好酸菌の増殖抑制作用を有する物質が、アリサイクロバシラス属に属する好酸菌の増殖抑制作用を有するものである上記方法。
また、本発明は、上記各方法によって得られ、好酸菌の増殖が抑制されている酸性飲料を提供する。
更に、本発明は、ブドウ種子の水抽出物およびブドウ果実搾汁粕の水抽出物から選ばれる少なくとも1種を有効成分として含有することを特徴とする酸性飲料中における好酸菌の増殖抑制剤を提供する。
本発明方法においては、酸性飲料中にて増殖可能な好酸菌の増殖抑制作用を有する物質の利用、即ち、該好酸菌の増殖抑制剤の利用を必須とする。この増殖抑制剤としては、特にブドウ種子の水抽出物および/またはブドウ果実搾汁粕の水抽出物を好ましいものとして例示することができる。
これらの水抽出物は、好ましくは、ブドウ種子またはブドウ果実搾汁粕を予め70℃未満で水と接触させて水可溶性物質を除去した後、水にて70℃以上で抽出することにより得られる。また、これらの水抽出物は、プロアントシアニジンを、好酸菌の増殖抑制のための主な成分の一つとして含有する。
プロアントシアニジンとは、植物体中に存在する縮合型タンニンである。これは、一般に、フラバン−3−オールおよびフラバン−3,4−ジオールをモノマー単位として、それらの2−30が縮合もしくは重合した分子量の異なる複数の化合物からなっている。また、このプロアントシアニジンは、これを酸処理することによって、シアニジン、デルフィニジン、ペラルゴニジンなどのアントシアニジンを生成する。プロアントシアニジンには、上記各アントシアニジンのそれぞれの2−30が縮合もしくは重合した多量体(例えば2量体、3量体、4量体などのプロシアニジン、プロデルフィニジンおよびプロペラルゴニジンなど)が含まれる。更に、プロアントシアニジンには、これらの立体異性体も含まれる。これらのプロアントシアニジンは、いずれも所望の好酸菌増殖抑制作用を有している。本発明好酸菌増殖抑制剤における好酸菌増殖抑制成分は、これらのいずれであってもよい。
前記好ましい好酸菌増殖抑制剤であるブドウ種子の水抽出物およびブドウ果実搾汁粕の水抽出物の製造において、用いられるブドウ果実は、白ブドウ、赤ブドウ、黒ブドウなどのいずれでもよい。その品種も何等制限はない。例えばシャルドネ、ナイヤガラ、ネオ・マスカット、甲州、デラウェア、マスカットベリーA、キャンベルアーリーなどの品種を例示することができる。
ブドウ果実搾汁粕としては、例えばブドウ飲料、ブドウ酒などの製造のために、上記ブドウ果実を圧搾して果汁を採取した残渣、即ち搾汁粕、赤ブドウ酒製造の際の前発酵後に圧搾して得られる搾汁粕などを例示することができる。
該搾汁粕には一般的には無水物換算で果皮が約50%、種子が約45%、梗が約数%含まれる。本発明に利用する上記搾汁粕は、アントシアニン系赤色々素を含まない白ブドウ果実の搾汁粕が好ましい。
ブドウ種子としては、上記した搾汁粕から得られるものが好ましい。何故なら、該ブドウ種子は、搾汁粕の約45%を占める通り搾汁粕中に多量含まれており、該搾汁粕から容易に入手でき、しかもプロアントシアニジン含量が高く、糖類などの夾雑物含量が少ないからである。
ブドウ種子およびブドウ果実搾汁粕は、それぞれそのままでおよびカッティングミルなどを用いて適当な大きさの細片に破砕して、水抽出処理に供される。特にブドウ種子は、その内部に油分を含有しているので、破砕するよりはそのまま水抽出処理に供するのが好ましい。
水抽出処理は、70℃以上の温度条件下、好ましくは約80−120℃、特に好ましくは約80−100℃の温度範囲下で実施される。
抽出時の原料(無水物換算)に対する水量は、特に制限されない。通常、原料100gに対して水約200−2000mlとなる割合、即ち約2−20倍量(V/W)の範囲から選ばれるのが普通である。好ましくは約3−10倍量(V/W)の範囲から選ばれる。また、抽出に当たっては、必要により少量の界面活性剤、例えばショ糖脂肪酸エステルなどを使用することもできる。界面活性剤を用いる場合、その使用量は、水に対して約0.01−1.0%(W/V)の範囲から選ぶことができる。
抽出時間は、プロアントシアニジンの抽出量が最大となるように適宜選択できる。通常10分−4時間程度、好ましくは15分−2時間程度である。
抽出処理は、例えば回分式、半連続式、連続式など何れの型式の抽出装置を用いても実施できる。何れの型式の抽出装置を用いる場合も、密閉型の装置を用いるのが好ましい。また、密閉型の装置は、必要により耐圧性であることもできる。抽出処理は、所望により内容物を攪拌して行ってもよい。
上記抽出処理後、例えば濾過、遠心分離などによって、所望の抽出液(プロアントシアニジン含有水溶液)を得る。この際、更に必要に応じて、抽出残渣を水洗して得た液を合わせて濾過などを行うこともできる。
上記で得られる抽出液、即ち、プロアントシアニジン含有水溶液を抽出用水として用いて、新たな原料の抽出処理を行うこともできる。
上記で得られるプロアントシアニジン含有水溶液は、プロアントシアニジンを通常0.1−5%(W/V)程度含有している。
本発明では、上記で得られる抽出液をそのままで、または適宜濃縮したり、乾燥して、好酸菌の増殖抑制剤として用いることができる。
高純度のプロアントシアニジンを含有する好酸菌の増殖抑制剤を得るためには、特に、次に示す態様の高度抽出法、精製法などを採用するのが好ましい。
高度抽出の好ましい態様としては、前処理としてブドウ果実搾汁粕またはブドウ種子を予め低温の水と接触させた後、液部を分離して水可溶性物質(例えば糖類、有機酸などの夾雑物を含有)を除去し、次いでその残渣を上記したごとく熱水抽出する方法を挙げることができる。
上記において前処理としての水との接触は、70℃未満、好ましくは約40−70℃未満で行う。この前処理における原料(無水物換算)に対する水量は、約2−20倍量(V/W)、好ましくは約3−10倍量(V/W)であり、抽出時間は、5分−4時間程度、好ましくは10分−2時間程度である。
上記水接触処理の終了後、固液分離を行って液部を除去し、必要により得られた残渣を適当量の水で洗浄し、次いで、上記した熱水抽出を行う。
この方法により得られるプロアントシアニジン含有水溶液は、プロアントシアニジン含有量が通常約0.1−5%(W/V)程度であり、純度が約30−80%である。
上記抽出液の精製は、例えば下記(a)−(c)に示す方法により実施することができる。これによって一層高純度のプロアントシアニジンを含む所望の抽出液を得ることができる。
(a)吸着剤処理法:ポリスチレン系樹脂、セファデックス(登録商標)LH−20(ファルマシア社製)、ポリアミド、逆相系シリカゲルなどの吸着剤を用いてプロアントシアニジンを吸着させた後、水洗し、極性溶媒で流出、分取する方法。
(b)膜分離法:逆浸透膜、限外濾過膜を用い分画分子量500−5000の画分を分取する方法(例えば特開昭63−267774号公報参照)。
(c)溶剤分別法:酢酸エチルで分配抽出した後、酢酸エチル層を脱水処理し、クロロホルムなどの非極性溶媒でプロアントシアニジンを含む成分を分別沈殿させて分取する方法。
本発明において利用するブドウ種子の水抽出物は、例えばキッコーマン社より「KPA−F」および「グラヴィノール」の商品名で市販されており、本発明ではこれらの市販品を利用することも可能である。
本発明において、酸性菌の増殖抑制作用を有する物質は、酸性飲料に対して、通常約0.00036−0.0073重量%(例えばブドウ種子の水抽出物の場合は約3.7−74mg/Lに相当する)の範囲で添加され、これにより、本発明所期の好酸菌増殖抑制作用を発揮することができる。
その添加時期は任意であり、酸性飲料の製造工程中のいずれかの工程または各工程の間でもよく、製造後であってもよい。
本発明によってその増殖を抑制される好酸菌には、代表的にはアリサイクロバシラス・アシドカルダリアス(Alicyclobacillus acidocaldarius)、アリサイクロバシラス・アシドテレストリス(Alicyclobacillus acidoterrestris)、アリサイクロバシラス・サイクロヘプタニカス(Alicyclobacillus cycloheptanicus)などが含まれる。
なお、本発明において「酸性飲料」には、pHが4.6未満の各種の飲料が含まれる。その例としては、JAS規格の定義に基づく分類に従う天然果汁、果汁飲料、果肉飲料、果汁入り飲料、果粒入り飲料などの果実飲料;厚生省令52号の規定による分類に従う乳飲料、発酵乳、乳酸菌飲料などの乳性飲料(ヨーグルト類などを含む);ベジタブルジュース;ニアウオーター;スポーツドリンクなどを例示することができる。また、この酸性飲料にはゲル状飲料も包含される。このゲル状飲料とは、ゲル化が僅かで、常温で振盪などの操作を行うことによって容易にゲルが崩壊乃至離水し得る固形乃至半固形状の飲料をいう。
本発明によれば、好酸菌の増殖を抑制された酸性飲料が提供される。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明を更に詳しく説明するため、試験例および実施例を挙げる。
試験例1
ブドウ種子の水抽出物についての好酸菌増殖抑制作用試験
(1)供試酸性飲料
下記表1に記載の各成分からなる供試液Aおよび供試液Bを供試酸性飲料液として調製し、本試験に利用した。尚、表1には各供試液のpHおよびブリックス値を併記する。
Figure 0004740517
(2)供試菌
供試菌として、アリサイクロバシラス・アシドカルダリアス(Alicyclobacillus acidocaldarius IFO15652、以下、この菌を「供試菌a」とする)、アリサイクロバシラス・アシドテレストリス(Alicyclobacillus acidoterrestris ATCC49025、以下、この菌を「供試菌b」とする)およびアリサイクロバシラス・サイクロヘプタニカス(Alicyclobacillus cycloheptanicus IFO15310、以下、この菌を「供試菌c」とする)を用いた。
各供試菌は、供試液AおよびBに対してそれぞれ以下の濃度で接種した。
供試菌a;0.13cfu/ml
供試菌b;11cfu/ml
供試菌c;21cfu/ml
(3)好酸菌増殖抑制作用物質
好酸菌増殖抑制作用物質を含む市販品として、キッコーマン社製ブドウ種子水抽出物製剤「KPA−F」(ブドウ種子抽出物37重量%(ポリフェノール40重量%およびプロアントシアニジン38重量%含有)およびデキストリン63重量%からなる)を用いた。
(4)試験方法
各供試菌のそれぞれを接種した各供試酸性飲料に、KPA−Fを製剤として10、15および20ppm(ブドウ種子の水抽出物として0.00036重量%、0.00054重量%および0.00073重量%)のいずれかの量で添加した後、攪拌し、98℃で30秒間殺菌し、ペットボトル(内容:500ml)に充填してサンプルを調製した。比較のため、KPA−F無添加の対照サンプルを同様に調製した。
(5)制菌試験
各サンプルを50℃恒温室内にて14日間保存し、保存開始から3日後、7日後および14日後に取り出し、各サンプル内容液の好酸菌数を以下の菌試験方法に従い測定した。
〔菌試験方法〕
試験検体を1ml量り、リン酸緩衝液を希釈剤として用いて、順次希釈液(10倍希釈液、100倍希釈液など)を作成する。この希釈液1mlずつを滅菌済みシャーレに分注し、これに予め45℃前後に保温されて溶けた状態にある滅菌済み標準寒天培地(クエン酸でpHを3.6−3.8に調整)15−20mlを分注する。よく混和後、寒天を固化させる。固化後、シャーレを倒置した状態で、50℃で5日間培養し、出現した細菌の集落数を計測する。この値に希釈率を乗じたものを1ml当たりの菌数とする。
(6)結果
得られた結果を、用いた供試酸性飲料液毎に下記表2および3(表2:供試液Aおよび表3:供試液B)に示す。
Figure 0004740517
Figure 0004740517
尚、各表中、「−」は、試験していないことを示す。
表2に示す結果から、供試液Aについては、KPA−F製剤を10ppm以上添加することによって、即ちブドウ種子の水抽出物を0.00036%以上添加することによって、全ての好酸菌(3種)に対する制菌効果が認められることが判った。また、表3に示す結果から、供試液Bでは、KPA−F製剤の20ppmの添加によって全ての好酸菌に対して制菌効果が認められることが明らかとなった。
試験例2
ブドウ種子の水抽出物についての好酸菌増殖抑制作用試験
(1)供試酸性飲料および供試菌
試験例1に記載の供試液Aおよび供試液Bを供試酸性飲料液として調製し、本試験に利用した。また、供試菌としては、試験例1に記載の供試菌a、供試菌bおよび供試菌cをそれぞれ用いた。但し、各供試菌液濃度は、供試菌a;7cfu/ml、供試菌b;8cfu/mlおよび供試菌c;0.12cfu/mlとした。
(2)好酸菌増殖抑制作用物質
好酸菌増殖抑制作用を有する物質として、市販のブドウ種子水抽出物(キッコーマン社製「グラヴィノール」を用いた。
(3)試験方法
各供試菌のそれぞれを接種した供試酸性飲料に、好酸菌増殖抑制作用物質を所定量添加した後、攪拌し、98℃で30秒間殺菌し、ペットボトル(内容:500ml)に充填してサンプルを調製した。比較のため、好酸菌増殖抑制作用物質無添加の対照サンプルを同様に調製した。
(4)制菌試験
各サンプルを50℃恒温室内にて1週間保存し、保存開始から3日後、7日後および10日後に取り出し、各サンプル内容液の好酸菌数を試験例1と同様にして測定した。
(5)結果
得られた結果を、用いた供試酸性飲料液毎に下記表4および5(表4:供試液Aおよび表5:供試液B)に示す。
Figure 0004740517
Figure 0004740517
尚、各表中、「−」は、試験していないことを示す。
上記表4および5に示される結果からも、本発明好酸菌増殖抑制作用を有する物質の添加(0.00073%,0.0009%および0.0011%)が、全ての好酸菌(3種)に対して制菌効果を奏し得ることが明らかである。
実施例1
酸性飲料の調製
(1)果実飲料の調製
熱間充填(ホット・パック)法に従って、リンゴ果汁、砂糖および酸味料を原材料とする4倍希釈時果汁50w/v%のリンゴ果汁飲料を調製し、その調合の際、好酸菌増殖抑制作用物質としてのブドウ種子の水抽出物(キッコーマン社製「グラヴィノール」)を製品飲料当たり0.004重量%となる量で添加して本発明の酸性飲料(pH4.0)を調製した。
得られた飲料は、風味良好な美味しいものであった。
(2)果汁入り飲料の調製
上記(1)と同様にして熱間充填(ホット・パック)法に従って、うんしゅうみかん果汁、果糖、香料、酸味料およびビタミンCを原材料とする30w/v%うんしゅうみかん果汁入り飲料を調製し、その調合の際、好酸菌増殖抑制作用物質としてのブドウ種子の水抽出物(キッコーマン社製「グラヴィノール」)を製品飲料当たり0.005重量%となる量で添加して本発明の酸性飲料(pH4.0)を調製した。
得られた飲料は、風味良好な美味しいものであった。
(3)果汁入り清涼飲料の調製
上記(1)と同様にして熱間充填(ホット・パック)法に従って、ブドウ果汁、果糖ブドウ糖液糖およびクエン酸Naを原材料とする20w/v%ブドウ果汁入り清涼飲料を調製し、その調合の際、好酸菌増殖抑制作用物質としてのブドウ種子の水抽出物(キッコーマン社製「グラヴィノール」)を製品飲料当たり0.006重量%となる量で添加して本発明の酸性飲料(pH4.0)を調製した。
得られた飲料は、風味良好な美味しいものであった。
(4)発酵乳の調製
乳、砂糖、果糖ブドウ糖液糖、モモ果肉、乳製品、ゲル化剤(ペクチン)および香料を原材料として、これらを溶解混合し、乳酸菌を接種して発酵乳を調製し、その混合の際、好酸菌増殖抑制作用物質としてのブドウ種子の水抽出物(キッコーマン社製「グラヴィノール」)を製品飲料当たり0.007重量%となる量で添加して本発明の酸性飲料(pH4.0)を調製した。
得られた飲料は、風味良好な美味しいものであった。
(5)ゼリー飲料の調製
熱間充填(ホットパック)法に従って、砂糖、果糖ブドウ糖液糖、リンゴ果汁、乳酸カルシウム、増粘多糖類、酸味料および香料を原料とするゼリー飲料を調製し、その調合の際、好酸菌増殖抑制作用物質としてのブドウ種子の水抽出物(キッコーマン社製「グラヴィノール」)を製品飲料当たり0.0037重量%となる量で添加して本発明の酸性飲料(pH4.0)を調製した。
得られた飲料は、風味良好な美味しいものであった。

Claims (4)

  1. 酸性飲料中にて増殖可能な耐熱性好酸菌の増殖抑制作用を有する物質であってブドウ種子の水抽出物およびブドウ果実搾汁粕の水抽出物から選ばれる少なくとも1種の物質を、酸性飲料中に0.00036−0.0073重量%配合することを特徴とする酸性飲料の製造方法。
  2. 酸性飲料が、果実飲料、乳性飲料、ベジタブルジュース、ゲル状飲料、ニアウオーターおよびスポーツドリンクからなる群から選択されるpH4.6未満のものである請求項1に記載の酸性飲料の製造方法。
  3. 耐熱性好酸菌が、アリサイクロバシラス属に属する耐熱性好酸菌である請求項1に記載の酸性飲料の製造方法。
  4. 請求項1に記載の方法によって得られ、耐熱性好酸菌の増殖が抑制されていることを特徴とする酸性飲料。
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