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JP4624063B2 - インクジェット記録装置のメンテナンス機構 - Google Patents

インクジェット記録装置のメンテナンス機構 Download PDF

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JP4624063B2 JP2004297975A JP2004297975A JP4624063B2 JP 4624063 B2 JP4624063 B2 JP 4624063B2 JP 2004297975 A JP2004297975 A JP 2004297975A JP 2004297975 A JP2004297975 A JP 2004297975A JP 4624063 B2 JP4624063 B2 JP 4624063B2
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Description

本発明は、多数のノズルを配列してなるインクジェット記録ヘッドのメンテナンスを行うインクジェット記録装置のメンテナンス機構に関する。
インクジェット記録ヘッドのメンテナンスに関する技術は、例えば各特許文献1、2に開示されている。特許文献1には、多数のノズルが配列形成されたヘッド本体のメンテナンスを行うもので、大気圧よりも低い負圧を生成する負圧生成手段に連通された局所吸引手段を有し、この局所吸引手段を位置決めガイドで保持し、この位置決めガイドによって局所吸引手段をヘッド本体に対して位置決めした状態で、ノズルの配列方向ら向かって相対的に移動させることが記載されている。
特許文献2には、記録ヘッドに配列されたインク吐出口の一部分を覆うキャップを有する可動体を記録ヘッドに対して摺動自在に設けると共に、キャップの内部に負圧を発生させる負圧発生部を設け、キャップの内部に負圧を発生させた状態で可動体を記録ヘッドに摺動させることで、不具合を生じているインク吐出口からインクを吸い出すことが開示されている。
特許第3161050号公報 特開平6−191020号公報
特許文献1、2のいずれもヘッド本体又は記録ヘッドすなわちインクジェット記録ヘッドに対して負圧を発生する局所吸引手段又は可動体等の局所吸引部を摺動させている。このようにインクジェット記録ヘッドに対して局所吸引部を密着させて摺動させ、摺動の終了位置に到達すると、インクジェット記録ヘッドと局所吸引部との密着状態を離間している。
しかしながら、インクジェット記録ヘッドと局所吸引部との当接状態を離間する際、インクジェット記録ヘッドにおける局所吸引部の摺動の終了位置にインクが残るという問題がある。すなわち、局所吸引部は、例えば平坦部に負圧を発生する複数の吸引ノズルを設けたものとなっている。このため、インクジェット記録ヘッドと局所吸引部における各吸引ノズル以外の平坦部との間の僅かな隙間が生じ、この隙間内に毛細現象によってインクが吸引される。そして、このインクがインクジェット記録ヘッドと局所吸引部との離間の際にインクジェット記録ヘッドに付着して残る。
インクジェット記録ヘッドに対する局所吸引部の摺動長をインクジェット記録ヘッドの長さ以上に設定すると、局所吸引部はインクジェット記録ヘッドの端部を越えたところで摺動を停止するものとなる。このため、局所吸引部の摺動の終了位置において、局所吸引部は、例えばインクジェット記録ヘッドの端部を支点として回転して傾いてしまい、インクジェット記録ヘッドとの間の密着を保てなくなる。インクジェット記録ヘッドと局所吸引部との間の密着が保てなければ、インクジェット記録ヘッドに付着して残る。
このようにインクジェット記録ヘッドにインクが付着して残ると、記録用紙等の記録媒体への記録動作時に、例えば記録媒体に波うちやコックリングによって記録媒体がインクジェット記録ヘッドに接触すると、インクジェット記録ヘッドに付着している残インクが記録媒体に移ってしまい、記録媒体を残インクで汚してしまう。又、インクジェット記録ヘッドにインクが付着して残ると、各インク吐出口から吐き出されるインクの飛行経路を曲げたり、インクの飛行そのものを阻害し、記録媒体への記録を不良としてしまう。
本発明は、多数の吐出ノズルが配列して形成された平面状のヘッド本体端面を有するインクジェット記録ヘッドのメンテナンスを行うメンテナンス機構において、大気圧よりも低い負圧を生成する負圧生成手段と、各吐出ノズルのうち一部の各吐出ノズルを覆う程度の大きさに形成され、ヘッド本体端面に当接する当接面と、負圧生成手段と連通する吸引開口とを有する局所吸引部と、局所吸引部をヘッド本体端面に当接させた状態で各吐出ノズルの配列方向に沿って移動させる移動手段とを具備し、局所吸引部における吸引開口は、各吐出ノズルの配列方向に沿って複数形成され、局所吸引部の移動方向における吸引開口の幅をA、局所吸引部の移動方向における当接面の幅をBとした場合、吸引開口と当接面とは、A≧Bなる関係を有して形成されるインクジェット記録装置のメンテナンス機構である。
本発明は、多数の吐出ノズルが配列して形成された平面状のヘッド本体端面を有するインクジェット記録ヘッドのメンテナンスを行うメンテナンス機構において、大気圧よりも低い負圧を生成する負圧生成手段と、各吐出ノズルのうち一部の各吐出ノズルを覆う程度の大きさに形成され、ヘッド本体端面に当接する当接面と、負圧生成手段と連通する吸引開口とを有する局所吸引部と、局所吸引部をヘッド本体端面に当接させた状態で各吐出ノズルの配列方向に沿って移動させる移動手段とを具備し、局所吸引部の移動方向における吸引開口の幅をA、最下流側に形成された吸引開口と最下流側の側端部との間における当接面の幅をCとした場合、吸引開口と当接面とは、A≧2Cなる関係を有して形成されるインクジェット記録装置のメンテナンス機構である。
本発明は、インクジェット記録ヘッドと局所吸引部との離間の際にインクがインクジェット記録ヘッドに残ることなくインクジェット記録ヘッドから除去できるインクジェット記録装置のメンテナンス機構を提供できる。
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
図1はインクジェット記録装置のメンテナンス機構の概略構成図である。インクジェット記録ヘッド1は、下面のインク吐出面2に多数の吐出ノズルがX軸方向にライン状に配列されている。これら吐出ノズルは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)又はイエロ(Y)の各色のインクを吐き出す。
吸引ノズル装置3がインクジェット記録ヘッド1の下方に設けられている。この吸引ノズル装置3は、インクジェット記録ヘッド1のインク吐出面2に当接し、この状態でインク吐出面2に対して各吐出ノズルの配列方向(X軸方向)に沿って摺動してインク吐出面2に付着しているインク除去のメンテナンスを行う。
この吸引ノズル装置3には、昇降機構4、移動機構5及び負圧生成部6が設けられている。昇降機構4は、吸引ノズル装置3をZ軸方向に昇降させるもので、例えばメンテナンスの開始時に吸引ノズル装置3を上昇させてインクジェット記録ヘッド1のインク吐出面2に当接させ、メンテナンスの終了時に吸引ノズル装置3を下降させてインクジェット記録ヘッド1のインク吐出面2から離間させる。
移動機構5は、吸引ノズル装置3をインクジェット記録ヘッド1のインク吐出面2に当接させた状態で、吸引ノズル装置3をインク吐出面2に対して各吐出ノズルの配列方向(X軸方向)に沿って移動させる。
負圧生成部6は、吸引ノズル装置3に対して負圧を掛けることによりエアー吸引を行って、インクジェット記録ヘッド1のインク吐出面2に付着しているインクを吸引する。
図2乃至図5は吸引ノズル装置3の構成図であって、図2は側面図、図3は上面図、図4は正面図、図5はインクジェット記録ヘッド1と当接した状態を示す図である。ベース部10上には、コイルバネ11を介して吸引部12が設けられている。具体的にベース部10の内部には、エアー吸引通路13が設けられている。このエアー吸引通路13は、ベース部10の側面に設けられた吸引口14と、ベース部10の上面に設けられた連通口15とを有する。エアー吸引通路13の吸引口14は、負圧生成部6に連通する。
支持筒16が連通口15に設けられている。この支持筒16内には、吸引部12が嵌め込められている。この吸引部12は、吸引部上部筐体17と、この吸引部上部筐体17の下部に設けられた下部嵌合筒18とからなる。下部嵌合筒18は、支持筒16内に嵌合する。これら吸引部上部筐体17及び下部嵌合筒18の内部には、吸引空間19が形成されている。この吸引空間19は、エアー吸引通路13を通して負圧生成部6に連通する。そして、ベース部10と吸引部12との間でかつ支持筒16及び下部嵌合筒18の外周にコイルバネ11が設けられている。
吸引部12の上面には、位置決めガイド20が設けられている。この位置決めガイド20は、インクジェット記録ヘッド1の各吐出ノズル1a、1bの配列方向(X軸方向)に沿って三角形状の断面を有する凸状に形成されている。すなわち、インクジェット記録ヘッド1は、互いに平行に2列に各吐出ノズル1a、1bが設けられ、かつこれら吐出ノズル1a、1bの各配列の間にガイド溝1cが並設されている。このガイド溝1cは、V字形状に形成され、このガイド溝1c内に位置決めガイド20が嵌め込められる。これにより、インクジェット記録ヘッド1に対して吸引ノズル装置3が位置決めされる。なお、インクジェット記録ヘッド1において各吐出ノズル1a、1bが設けられた面がインク吐出面1dである。
吸引部12の上面における位置決めガイド20の両側には、それぞれ各当接面21、22が設けられている。これら当接面21、22は、インクジェット記録ヘッド1のインク吐出面1dと面状に当接する。なお、当接面21は、吐出ノズル1aが設けられた側のインク吐出面1dと当接し、当接面22は、吐出ノズル1bが設けられた側のインク吐出面1dと当接する。
これら当接面21、22上には、それぞれ局所吸引部の各吸引開口である複数の吸引溝23a〜23c、24a〜24cが設けられている。これら吸引溝23a〜23c、24a〜24cは、それぞれ位置決めガイド20の形成方向(X軸方向)に対して垂直方向(Y軸方向)に例えば3本づつ延在して設けられている。これら吸引溝23a〜23c、24a〜24cは、それぞれ同一長さで、かつ互いに平行に設けられている。
これら吸引溝23a〜23c、24a〜24cの各最外位置には、それぞれ各吸引用孔25a〜25c、26a〜26cが設けられている。これら吸引用孔25a〜25c、26a〜26cは、それぞれインクジェット記録ヘッド1の各吐出ノズル1a、1bよりも外側に設けられている。これら吸引用孔25a〜25c、26a〜26cは、それぞれ共通して吸引空間19に連通し、この吸引空間19からエアー吸引通路13を通して負圧生成部6に連通する。
ここで、各吸引溝23a〜23c、24a〜24cにおける吸引ノズル装置3の移動方向(X軸方向)の幅を寸法A、各当接面21、22における吸引ノズル装置3の移動方向(X軸方向)の幅を寸法Bとした場合、各吸引溝23a〜23c、24a〜24cの幅の寸法Aと各当接面21、22の幅の寸法Bとは、A≧Bなる関係を有して形成されている。
又、吸引ノズル装置3の移動方向(X軸方向)における最下流側に形成された各吸引溝23a、24aと最下流側の側端部27との間における各当接面21、22の幅を寸法Cとした場合、各吸引溝23a、24aと最下流側における各当接面21、22とは、A≧2Cなる関係を有して形成されている。
次に、これら吸引溝23a〜23c、24a〜24cの幅の寸法A、各当接面21、22の幅の寸法B、各当接面21、22の幅の寸法Cに形成した理由について説明する。
図6は例えば1つの吸引溝23aの拡大断面図を示す。インクジェット記録ヘッド1の下面には、マスクプレート28が設けられている。このマスクプレート28は、記録用紙等の記録媒体との衝突によるインク吐出面1dの破損を防止するために設けられている。
吸引溝23aは、位置決めガイド20の一部を切り欠き、当接面21の面方向に沿って吸引用孔25aまで直線方向に延在している。
負圧生成部6により負圧を発生させると、この負圧は、図5に示すエアー吸引通路13、連通口15及び吸引空間19を通し、さらに図6に示す吸引用孔25aを通して吸引溝23a内に加わる。これにより、吸引用孔25aを通して吸引溝23a内には、エアーの流れWが発生する。このエアーの流れWによってインク吐出面1dにも負圧が加わり、このインク吐出面1dに残留しているインク29は、インク吸引の流れVに沿ってインク吐出面1dから除去される。この除去されたインク29は、エアーの流れWに乗って吸引用孔25aを通り、吸引空間19から連通口15、エアー吸引通路13を通って吸引ノズル装置3の外部に排出される。
インク29をインク吐出面1dから除去するには、エアーの流れWの速度を速くすればよい。ところが、エアーの流れWの速度を速くし過ぎると、吐出ノズル1aの先端部に形成されるインク29のメニスカスを破壊してしまい、吐出ノズル1aから正常にインク29を吐き出すことが不可能になる。このため、エアーの流れWの速度を無制限に速くすることはできず、エアーの流れWの速度に上限値が存在することになる。インク吐出面1dに残留しているインク29を除去するためには、なるべくエアーの流れWの速度を上限値の近傍に設定することが望ましい。
インク吐出面1dにインク29が残留するメカニズムを図7に示す各吸引溝23a〜23cの断面図を参照して説明する。インクジェット記録ヘッド1のインク吐出面1dと吸引ノズル装置3の当接面21とは、理論上密着関係にあるが、実際には微小な隙間tが存在する。この隙間tが存在する理由は、例えばマスクプレート28の平面度が低かったり、インク吐出面1dと当接面21との各面粗度が低いことなどによる。この隙間t内にインク29が入り込むと、このインク29を除去するのは容易でなくなる。
図7において各吸引溝23a〜23cには、図面上手前から奥に向かうエアーの流れWが発生している。このエアーの流れWによって各隙間tから各吸引溝23a〜23c内に向かって各エアー吸引流れQが発生する。これにより、各隙間t内の各インク29は、エアー吸引流れQの方向に吸引される。ところが、各隙間tは、微小であるために、毛細現象の作用により各隙間t内に留まる力が大きく、各吸引溝23a〜23cに向かって生じるエアー吸引流れQによる吸引力では、インク29を吸引しきれないことがある。このため、各隙間t内に残ったインク29がインクジェット記録ヘッド1のインク吐出面1dに残留してしまう。
このようなインクジェット記録ヘッド1のインク吐出面1dに残留するインク29を除去する手法として各吸引溝23a〜23c、24a〜24cの各幅の寸法Aを広げること、及び各吸引溝23a〜23c、24a〜24cの各間隔すなわち各当接面21、22の幅の寸法Bを狭めることが有効である。
各吸引溝23a〜23c、24a〜24cの各幅の寸法Aを広げる手法について説明すると、吐出ノズル1aの先端部に形成されるインク29のメニスカスの破壊防止の観点からエアーの流れWの速度は、上限値以上よりも速くすることができない。
エアーの流れWを発生させる負圧生成部6で発生する負圧を一定値に制御した状態で、各吸引溝23a〜23c、24a〜24cの各幅の寸法Aを広げると、相対的にエアーの0流れWの速度が低下する。これにより、負圧生成部6で発生する負圧を大きくし、エアーの流れWの速度を上限値の近傍までに上げることが可能になる。
この結果、負圧生成部6で発生する負圧が大きくなると、各吸引用孔25a〜25c、26a〜26cの近傍での負圧が大きくなる。これによって図7に示す各吸引溝23a〜23c内に向かう各エアー吸引流れQの速度が速くなる。これにより、各隙間t内に残留する各インク29が除去し易くなる。
各当接面21、22の幅の寸法Bを狭める手法について説明すると、これら当接面21、22の幅の寸法Bを狭くすると、インク29が残留する面積が減少する。これにより、当然のことながら各当接面21、22に残留するインク29の量が減少する。これにより、各エアー吸引流れQによって各隙間t内に残留する各インク29が除去し易くなる。
以上のような各吸引溝23a〜23c、24a〜24cの各幅の寸法Aを広げる手法、及び各当接面21、22の幅の寸法Bを狭める手法は、いずれも部品の強度に影響を与えるために、無制限に行うことはできない。
これに対して出願人は、各吸引溝23a〜23c、24a〜24cの幅の寸法Aと、各当接面21、22の幅の寸法Bと、各当接面21、22の幅の寸法Cとの各値を変化させて記録用紙等の記録媒体に付着するインク29により汚れを観察して、インク29により汚れの発生率を求めた。
図8は各吸引溝23a〜23c、24a〜24cの幅の寸法Aと各当接面21、22の幅の寸法Bとの比(A/B)を変化した場合のインク29により汚れの発生率を示し、図9は各吸引溝23a〜23c、24a〜24cの幅の寸法Aと各当接面21、22の幅の寸法Cの2倍(2C)との比(A/2C)を変化した場合のインク29により汚れの発生率を示す。
これら図8及び図9に示すように各吸引溝23a〜23c、24a〜24cの幅の寸法Aと、各当接面21、22の幅の寸法Bと、各当接面21、22の幅の寸法Cとの関係が
A≧B、A≧2C
になると、インク29により汚れの発生率が1/1000程度で一定値となり、実質的に記録用紙等の記録媒体へのインク29により汚れが問題にならないことが分かる。
2つのワイパー30、31が位置決めガイド20の両側にそれぞれ設けられている。これらワイパー30、31は、インクジェット記録ヘッド1のマスクプレート28に接触し、吸引ノズル装置3の移動と共にマスクプレート28及びインク吐出面1dに対して摺動して、マスクプレート28に付着しているインク29を掻き取る。
次に、上記の如く構成されたメンテナンス機構によるインクジェット記録ヘッド1に残留するインク29の除去作用について図10(a)〜(d)に示すインクの除去作用の工程図を参照して説明する。
インクジェット記録ヘッド1のメンテナンスの開始時、昇降機構4は、図10(a)に示すように吸引ノズル装置3を上昇させてインクジェット記録ヘッド1のインク吐出面2に当接させる。
吸引ノズル装置3の上昇が終了すると、吸引ノズル装置3は、図10(b)に示すように移動方向に向かって先頭となる部分、例えば各吸引溝23a〜23c、24a〜24cが設けられていない側端部27の周辺部がインクジェット記録ヘッド1のインク吐出面2に当接する。これにより、吸引ノズル装置3は、傾いた姿勢になる。
次に、移動機構5は、図10(c)に示すように吸引ノズル装置3をインクジェット記録ヘッド1のインク吐出面2に当接させた状態で、吸引ノズル装置3をインク吐出面2に対して各吐出ノズルの配列方向(X軸方向)に沿って移動させる。
吸引ノズル装置3の移動と共に、負圧生成部6は、吸引ノズル装置3に対して負圧を掛けることによりエアー吸引を行う。これにより、吸引ノズル装置3は、インクジェット記録ヘッド1のインク吐出面2に付着しているインク29を吸引する。
このときのインクジェット記録ヘッド1のインク吐出面2に付着しているインク29の吸引作用は、次のように行われる。
負圧生成部6により発生した負圧は、図5に示すエアー吸引通路13、連通口15及び吸引空間19を通し、さらに図6に示す吸引用孔25aを通して吸引溝23a内に加わる。これにより、吸引用孔25aを通して吸引溝23a内には、エアーの流れWが発生するので、このエアーの流れWによってインク吐出面1dにも負圧が加わり、このインク吐出面1dに残留しているインク29は、インク吸引の流れVに沿ってインク吐出面1dから除去される。
この除去されたインク29は、エアーの流れWに乗って吸引用孔25aを通り、吸引空間19から連通口15、エアー吸引通路13を通って吸引ノズル装置3の外部に排出される。
ここで、各吸引溝23a〜23c、24a〜24cの幅の寸法Aと、各当接面21、22の幅の寸法Bと、各当接面21、22の幅の寸法Cとは、A≧B、A≧2Cなる関係に設定されている。これにより、負圧生成部6で発生する負圧を大きくし、エアーの流れWの速度を上限値の近傍までに上げることが可能になる。この結果、図7に示すように各吸引溝23a〜23c内に向かう各エアー吸引流れQの速度が速くなり、各隙間t内に残留する各インク29が除去される。
又、各当接面21、22の幅の寸法Bが狭くなっているので、これら当接面21、22にインク29が残留する面積が減少する。これにより、各当接面21、22に残留するインク29の量が減少し、各エアー吸引流れQによって各隙間t内に残留する各インク29が除去される。
このように吸引ノズル装置3は、インクジェット記録ヘッド1のインク吐出面2に当接した状態で、各吐出ノズルの配列方向(X軸方向)に沿って移動しながらインクジェット記録ヘッド1のインク吐出面2に付着しているインク29を吸着し、除去する。
次に、吸引ノズル装置3が図10(d)に示すようにインクジェット記録ヘッド1の端部に到達すると、移動機構5は、各吐出ノズルの配列方向(X軸方向)への吸引ノズル装置3の移動を停止する。
次に、昇降機構4は、図10(d)に示すように吸引ノズル装置3をZ軸方向に下降させてインクジェット記録ヘッド1のインク吐出面2から離間させる。このとき、ただ単に吸引ノズル装置3がインクジェット記録ヘッド1のインク吐出面2から離間すると、同インク吐出面2にインク29が残留する。
本願装置は、上記の如く各吸引溝23a〜23c、24a〜24cの幅の寸法Aと、各当接面21、22の幅の寸法Bと、各当接面21、22の幅の寸法Cとは、A≧B、A≧2Cなる関係に設定している。これにより、各隙間t内に残留する各インク29が除去されることは上記の通りである。
従って、吸引ノズル装置3がインクジェット記録ヘッド1のインク吐出面2から離間するときも、各隙間t内に残留する各インク29すなわちインクジェット記録ヘッド1のインク吐出面2に付着しているインク29は、除去される。図8及び図9に示すように各吸引溝23a〜23c、24a〜24cの幅の寸法Aと、各当接面21、22の幅の寸法Bと、各当接面21、22の幅の寸法Cとの関係がA≧B、A≧2Cであれば、インク29により汚れの発生率が1/1000程度で一定値となり、実質的に記録用紙等の記録媒体へのインク29により汚れが問題にならないことは上記の通りである。
このように上記一実施の形態によれば、吸引ノズル装置3における各吸引溝23a〜23c、24a〜24cの幅の寸法Aと、各当接面21、22の幅の寸法Bと、各当接面21、22の幅の寸法Cとの関係をA≧B、A≧2Cに設定したので、インクジェット記録ヘッド1のインク吐出面2に残留するインク29を除去することができ、特に吸引ノズル装置3をインクジェット記録ヘッド1のインク吐出面2から離間するときも、インク吐出面2に残留するインク29を除去できる。これにより、インク29により汚れの発生率が1/1000程度で一定値となり、実質的に記録用紙等の記録媒体へのインク29により汚れが問題にならない。
負圧生成部6で発生する負圧を大きくし、エアーの流れWの速度を上限値の近傍までに上げることが可能なので、エアーの流れWの速度を速くし過ぎることがなく、吐出ノズル1aの先端部にインク29のメニスカスを形成することができ、吐出ノズル1aから正常にインク29を吐き出すことが不可能になる。
なお、本発明は、上記一実施の形態に限定されるものではなく、次のように変形してもよい。
上記一実施の形態では、吸引ノズル装置3における各吸引溝23a〜23c、24a〜24cの幅の寸法Aと、各当接面21、22の幅の寸法Bと、各当接面21、22の幅の寸法Cとの関係をA≧B、A≧2Cに設定しているが、この関係をA≧B又はA≧2Cのいずれか一方のみの設定にしてもよい。この関係の設定であっても、上記一実施の形態と同様の作用、効果を得ることができる。
吸引ノズル装置3に設けられる各吸引溝23a〜23c、24a〜24cは、例えば図11に示すようにX軸方向に対して傾きをもたせてもよい。これら吸引溝23a〜23c、24a〜24cは、互いに平行に設けられ、かつ各吸引溝23a〜23c、24a〜24cの幅の寸法Aと、各当接面21、22の幅の寸法Bと、各当接面21、22の幅の寸法Cとの関係は、上記一実施の形態と同様に、A≧B、A≧2Cに設定されている。なお、この関係は、A≧B又はA≧2Cのいずれか一方のみの設定にしてもよいことは言うまでもない。
本発明に係るインクジェット記録装置のメンテナンス機構の一実施の形態を示す概略構成図。 同メンテナンス機構における吸引ノズル装置の側面図。 同メンテナンス機構における吸引ノズル装置の上面図。 同メンテナンス機構における吸引ノズル装置の正面図。 同メンテナンス機構における吸引ノズル装置のインクジェット記録ヘッドと当接した状態を示す図。 同メンテナンス機構における吸引ノズル装置の吸引用孔の拡大断面図。 インクジェット記録ヘッドのインク吐出面にインクが残留するメカニズムを説明するための図。 同メンテナンス機構における吸引ノズル装置の吸引用孔の幅の寸法Aと当接面の幅の寸法Bとの比A/Bを変化した場合のインクにより汚れの発生率を示す図。 同メンテナンス機構における吸引ノズル装置の吸引用孔の幅の寸法Aと各当接面の幅の寸法2Cとの比A/2Cを変化した場合のインクにより汚れの発生率を示す図。 同メンテナンス機構によるインクジェット記録ヘッドに残留するインクの除去作用を示す工程図。 同メンテナンス機構における吸引ノズル装置に設けられる各吸引溝の変形列を示す構成図。
符号の説明
1:インクジェット記録ヘッド、2:インク吐出面、3;吸引ノズル装置、4:昇降機構、5:移動機構、6:負圧生成部、10:ベース部、11:コイルバネ、12:吸引部、13:エアー吸引通路、14:吸引口、15:連通口、16:支持筒、17:吸引部上部筐体、18:下部嵌合筒、19:吸引空間、20:位置決めガイド、1a,1b:インクジェット記録ヘッドの吐出ノズル、1c:ガイド溝、1d:インク吐出面、21,22当接面、23a〜23c,24a〜24c:吸引溝、25a〜25c,26a〜26c:吸引用孔、27:側端部、28:マスクプレート、29:インク、30,31:ワイパー。

Claims (5)

  1. 多数の吐出ノズルが配列して形成された平面状のヘッド本体端面を有するインクジェット記録ヘッドのメンテナンスを行うメンテナンス機構において、
    大気圧よりも低い負圧を生成する負圧生成手段と、
    前記各吐出ノズルのうち一部の前記各吐出ノズルを覆う程度の大きさに形成され、前記ヘッド本体端面に当接する当接面と、前記負圧生成手段と連通する吸引開口とを有する局所吸引部と、
    前記局所吸引部を前記ヘッド本体端面に当接させた状態で前記各吐出ノズルの配列方向に沿って移動させる移動手段と、
    を具備し、
    前記局所吸引部における前記吸引開口は、前記各吐出ノズルの配列方向に沿って複数形成され、
    前記局所吸引部の移動方向における前記吸引開口の幅をA、前記局所吸引部の移動方向における前記当接面の幅をBとした場合、前記吸引開口と前記当接面とは、A≧Bなる関係を有して形成される、
    ことを特徴とするインクジェット記録装置のメンテナンス機構。
  2. 前記局所吸引部は、前記各吸引開口のうち前記局所吸引部の移動方向における最上流側に形成された前記吸引開口の幅をA、前記最下流側に形成された前記吸引開口と前記最下流側の側端部との間における前記当接面の幅をCとした場合、前記吸引開口と前記最下流側における前記当接面とは、A≧2Cなる関係を有して形成される、
    ことを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置のメンテナンス機構。
  3. 前記複数の吸引開口は、それぞれ前記局所吸引部の移動方向に対して交差する方向に延在する各溝状に形成され、前記各溝の延在方向に沿って空気流を発生させる、
    ことを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置のメンテナンス機構。
  4. 多数の吐出ノズルが配列して形成された平面状のヘッド本体端面を有するインクジェット記録ヘッドのメンテナンスを行うメンテナンス機構において、
    大気圧よりも低い負圧を生成する負圧生成手段と、
    前記各吐出ノズルのうち一部の前記各吐出ノズルを覆う程度の大きさに形成され、前記ヘッド本体端面に当接する当接面と、前記負圧生成手段と連通する吸引開口とを有する局所吸引部と、
    前記局所吸引部を前記ヘッド本体端面に当接させた状態で前記各吐出ノズルの配列方向に沿って移動させる移動手段と、
    を具備し、
    前記局所吸引部の移動方向における前記吸引開口の幅をA、前記最下流側に形成された前記吸引開口と前記最下流側の側端部との間における前記当接面の幅をCとした場合、前記吸引開口と前記当接面とは、A≧2Cなる関係を有して形成される、
    ことを特徴とするインクジェット記録装置のメンテナンス機構。
  5. 前記複数の吸引開口は、それぞれ前記局所吸引部の移動方向に対して交差する方向に延在する各溝状に形成され、前記各溝の延在方向に沿って空気流を発生させる、
    ことを特徴とする請求項4記載のインクジェット記録装置のメンテナンス機構。
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