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JP4698049B2 - 水性接着剤 - Google Patents

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JP4698049B2
JP4698049B2 JP2001082623A JP2001082623A JP4698049B2 JP 4698049 B2 JP4698049 B2 JP 4698049B2 JP 2001082623 A JP2001082623 A JP 2001082623A JP 2001082623 A JP2001082623 A JP 2001082623A JP 4698049 B2 JP4698049 B2 JP 4698049B2
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孝 柳原
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Nippon Yakin Kogyo Co Ltd
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、水性接着剤に関し、特に、ラミネート用の水性接着剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の大気汚染、作業環境改善、資源等の有効活用の観点から、有機溶剤型の接着剤等の代わりに水性エマルジョン型の接着剤等の要望が強くなってきている。
【0003】
上記水性エマルジョン型のものとしては、アクリル系とウレタン系が知られている。このうち、アクリル系のものは、ポリエステルやポリプロピレン等の極性の異なる基材への密着性を得るには問題点を有する。また、界面活性剤を使用する場合は、耐水性に問題が生じる場合がある。これらの問題を解決すべく、アクリル系での改良がなされている(特許第2886631号公報等)。しかしながら、極性基の異なる基材への接着性はかなり改良されているが、耐水性の点ではやはり問題が残っていた。
【0004】
さらに、ウレタン系のものにおいても、極性の異なる基材に対して密着性を得るには問題を有していた。これに対し、上記基材への密着性を改良したものとして、ポリオレフィンポリオールを主骨格とし、1級又は2級の多価アミンを添加したウレタン水性樹脂が知られている(特開平5−112767号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のウレタン水性樹脂であっても、極性基の異なる基材に対しては、良好な密着性が得られない場合がある。
特に、ドライラミネーション法を採用して積層する場合、上記のウレタン水性樹脂は、良好な密着性や耐水性を示さない場合が多かった。
そこで、この発明は、ドライラミネーション法に適し、良好な密着性及び耐水性を有するウレタン成分を含有する水性接着剤を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明は、(a)イソシアネート基を有するカルボキシル基含有ウレタンプレポリマーの中和物、及びビニルモノマーを含む分散液中のビニルモノマーを重合した水性分散液、(b)エポキシ樹脂、並びに、(c)ヒダントイン骨格を有する酸ヒドラジド又はイミダゾール系化合物を含有させることにより上記の課題を解決したのである。
【0007】
ウレタン成分である上記(a)成分に(b)成分及び(c)成分を加えたので、得られる皮膜は、ウレタン成分の有する接着性を損なわないのみならず、接着性をより向上させ、かつ、耐水性も向上させることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態を説明する。
この発明にかかる水性接着剤は、(a)成分として、イソシアネート基を有するカルボキシル基含有ウレタンプレポリマーの中和物、及びビニルモノマーを含む分散液中のビニルモノマーを重合した水性分散液を有し、(b)成分としてエポキシ樹脂を有し、並びに(c)成分としてヒダントイン骨格を有する酸ヒドラジド又はイミダゾール系化合物を含有するものである。
【0009】
上記(a)成分を構成するウレタンプレポリマーは、ジオール成分とジイソシアネート化合物とを、ジオール成分に対して有機ジイソシアネート成分が化学量論的に過剰となる割合で反応させることによって得られる末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーである。
【0010】
上記のジオール成分と有機ジイソシアネート成分との使用割合は、ジオール成分:有機ジイソシアネート成分(当量比)=1:1.1〜2.5程度が適当であり、1:1.2〜2.0程度が好ましい。
【0011】
上記有機ジイソシアネート成分としては、脂肪族、脂環式、芳香族等のジイソシアネート化合物等の多価イソシアネート化合物を用いることができる。この様なジイソシアネート化合物の具体例としては、ジシクロへキシルメタンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,3−シクロヘキシレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネート等をあげることができる。これらの内で、脂肪族又は脂環式のイソシアネートは、黄変が少ない点で好適である。
【0012】
上記ジオール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、シクロヘキサンジメタノール等の比較的低分子量のジオール成分の他、ポリプロピレングリコール、ポリエステルジオール、ポリエーテルジオール、ポリカーボネートジオール等の比較的高分子量のジオール成分を用いることができる。
【0013】
また、得られるウレタンプレポリマーは、カルボキシル基を含むことが必要であり、このウレタンプレポリマーの酸価は、15〜60程度の範囲にあることが好ましく、15〜50の範囲がより好ましく、18〜50の範囲が更に好ましい。上記ウレタンプレポリマーの酸価が低すぎると、後工程における水への分散状態が悪くなって水性分散液が得られなかったり、ドライラミネート接着剤として使用したときのエポキシ基と反応するポリウレタン中のカルボキシル基が不足するため、十分な架橋度が得られなくなって、接着強度が不足する傾向となる。一方、酸価が高すぎると、十分な耐水性、耐溶剤性が得られなくなる場合がある。
【0014】
このウレタンプレポリマーにカルボキシル基を導入するには、ジオール成分の一部として、下記化学式
【0015】
【化1】
Figure 0004698049
【0016】
(式中、Rは、メチル基又はエチル基である。)で表されるジメチロールアルカン酸を用いることが好ましい。このジメチロールアルカン酸の具体例としては、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸等を挙げることができる。ジメチロールアルカン酸の使用量は、形成されるウレタンプレポリマーの酸価が上記した範囲となる量とすればよい。
【0017】
ウレタンプレポリマーの製造は、無溶剤下でも行い得るが、反応を均一に行うために、ジオキサン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド類等、イソシアネート基に対して不活性で水との親和性の大きい有機溶剤を使用してもよい。また、イソシアネート基に対して反応性のないビニルモノマーの存在下にウレタンプレポリマーを製造する場合にも、反応系が希釈されて反応を均一に行うことができる。ウレタンプレポリマーの製造反応は、通常、30〜120℃程度で0.1〜20時間程度、好ましくは、50〜100℃程度で0.5〜10時間程度行なえばよい。これにより得られるプレポリマーは、末端にイソシアネート基を有し、数平均分子量は800〜10,000程度となる。
【0018】
ウレタンプレポリマーの製造に使用される触媒としては、一般にウレタン重合に使用される触媒が使用される。この例として、ジブチル錫ジラウリレート等があげられる。
【0019】
上記のウレタンプレポリマー中のカルボキシル基は、中和剤によって中和することにより、水中で水分散性をプレポリマーに与える。この中和剤としては、第三アミン化合物を用いることが好ましい。第三アミン化合物の使用量は、カルボキシル基に対して0.7〜1.3当量程度がよく、当量程度が好ましい。この発明での使用に適する第三アミン化合物の具体例としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン等を例示できる。この中和反応は、ウレタンプレポリマーを製造した後、水中に分散させる前であれば、任意の時期に行うことができ、ビニルモノマーを添加する前後のいかなる時期に行っても良い。
【0020】
上記のイソシアネート基を有するカルボキシル基含有ウレタンプレポリマーの中和物は、必要に応じて、単官能アミンと反応させてもよい。これにより、ウレタンプレポリマーの鎖延長反応時に分子量が制御されて、低分子量化が可能となりドライラミネート接着剤としての使用時に粘着性が発現され、基材との初期密着性が向上する。この後、ウレタン中のカルボキシル基と添加されたエポキシ基との架橋反応により接着力が発現して、強固な接着剤層となる。この単官能アミンとしては、例えば、モノエタノールアミン等のモノアルカノールアミン類や、ジ−n−ブチルアミン等のアルキルアミン類等があげられる。
【0021】
上記イソシアネート基を有するカルボキシル基含有ウレタンプレポリマーの中和物としては、多価イソシアネート化合物、ジオール成分及びカルボキシル基含有ジオール成分に炭素数1〜12の1価アルコールを反応させて得られたものであってもよい。このイソシアネート基を有するカルボキシル基含有ウレタンプレポリマーの中和物を用いると、ウレタンプレポリマーの鎖延長反応時に、分子量が制御されて低分子量化が可能となると共に、反応させた1価アルコールの効果によって内部可塑化され、ドライラミネート接着剤としての使用時に、粘着性能が付与される。その後、ウレタン中のカルボキシル基と添加されたエポキシ基との架橋反応により、接着力が発現して、強固な接着剤層を形成することができる。
【0022】
上記炭素数1〜12の1価アルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、ブチルアルコール、ペンチルアルコール、ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、n−オクチルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ドデシルアルコール等があげられる。これらの中でも、2−エチルヘキシルアルコールやn−オクチルアルコールが好ましい。
【0023】
(a)成分を構成するビニルモノマーとしては、イソシアネート基に対して反応性のないビニルモノマーがあげられ、その具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸等の低級アルキル(C1〜C8)エステル類、スチレン、酢酸ビニル、アクリル酸ビニル、メタクリル酸ビニル等があげられる。
【0024】
アクリル酸、メタクリル酸等の低級アルキル(C1〜C8)エステル類の例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート等があげられる。なお、上記(メタ)アクリレーとは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
【0025】
上記のウレタンプレポリマーとビニルモノマーの使用割合は、ウレタンプレポリマー:ビニルモノマー(固形分重量比)=10:90〜90:10がよく、30:70〜80:20が好ましい。ウレタンプレポリマーが10重量%未満の場合は、合成時に乳化不足となり、水分散時にゲル化や不均一な水分散体となりやすい。また、90重量%を超えると、接着剤として使用したときの接着力が不十分となり、特に非極性のポリプロピレンやポリエチレン等の基材に対しての接着力低下を生じさせやすい。
【0026】
上記のウレタンプレポリマーの中和物とビニルモノマーを含む水性分散液を得る方法は、ウレタンプレポリマー中に含まれるカルボキシル基を中和して水分散性としたウレタンプレポリマーの中和物とビニルモノマーが水中に均一に分散させることができる方法であればよく、ビニルモノマーの添加時期は特に限定されない。例えば、ビニルモノマーをウレタンプレポリマー中のカルボキシル基を中和する前に添加してもよく、又はその後に添加してもよい。また、中和したウレタンプレポリマーを水中に分散させた後、この分散液にビニルモノマーを添加しても良い。また、ウレタンプレポリマーの原料であるジオール成分と有機ジイソシアネート成分とを、ビニルモノマーの一部又は全部と混合し、ビニルモノマーの存在下にジオール成分と有機ジイソシアネート成分とを反応させてウレタンプレポリマーを製造し、その後ビニルモノマーの一部のみを用いた場合には、残量のビニルモノマーを、ウレタンプレポリマー中のカルボキシル基を中和する前又は後の任意の時期に添加しても良い。
【0027】
ウレタンプレポリマーの中和物を水中に分散させる方法としては、ウレタンプレポリマーの中和物又はこれとビニルモノマーの混合物に水を滴下して分散させる方法、この中和物又はこれとビニルモノマーの混合物を水中に滴下して分散させる方法のいずれでもよい。分散時の温度は、0〜80℃程度、好ましくは10〜60℃程度とすればよい。分散液の濃度は、特に限定的ではないが、最終的に得られる重合体水性分散液中の不揮発分量が20〜70%重量程度となる量とすることが好ましく、30〜60重量%程度となる量とすることがより好ましい。この不揮発分量が20重量%未満では、塗工時の塗布厚の調整が難しくなったり、乾燥に時間を要したりする。また、70重量%を超えると、分散液の粘度が高くなったり、ゲル化することがある。
【0028】
この様にしてウレタンプレポリマーの中和物とビニルモノマーを含む水性分散物を得た後、ビニルモノマーの重合反応を行うと共に、ウレタンプレポリマーの鎖延長反応を行う。ウレタンプレポリマーの鎖延長反応は、水分散物を得た後であれば、ビニルモノマーの重合前、重合後、若しくは同時のどの時点でも構わない。ウレタンプレポリマーの鎖延長反応は、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン等のジアミン類や水との反応によって実施することができる。このようにして、(a)成分である水性分散液が得られる。
【0029】
上記ビニルモノマーの重合反応は、例えば、該水性分散液にラジカル開始剤を添加して行うことができる。このラジカル開始剤としては、慣用のラジカル開始剤を用いれば良く、例えば、アゾ系開始剤、過硫酸塩系開始剤、有機過酸化物系開始剤等を用いることができる。好適には、パーオキサイド系開始剤とアスコルビン酸又はロンガリットによるレドックス系、過硫酸塩系開始剤と金属亜硫酸塩によるレドックス系等がよい。ラジカル開始剤の使用量は、ビニルモノマーに対して、0.1〜5重量%程度、好ましくは0.5〜2重量%程度とすればよい。
【0030】
上記ビニルモノマーの重合反応は、10〜60℃の液温で行うのがよく、30〜50℃の液温で行なうことが好ましい。重合反応は、通常、発熱反応が終了した後、40〜90℃程度に30分〜3時間程度維持することによって、ほぼ完全に終了する。
【0031】
上記の(b)成分を構成するエポキシ樹脂としては、液状のエポキシ樹脂または熱溶融することにより乳化することができる固形のエポキシ樹脂が用いられる。このエポキシ樹脂の代表例としては、たとえばビスフェノールAとエピクロルヒドリンの縮合物であるビスフェノールA型エポキシ樹脂などがあげられる。
【0032】
上記の(c)成分を構成するヒダントイン骨格を有する酸ヒドラジド又はイミダゾール系化合物は、エポキシ樹脂硬化促進剤としての役目を有する。上記ヒダントイン骨格を有する酸ヒドラジドとしては、アジピン酸ジヒドラジド、1,3−ビス(ヒドラジノカルボエチル)−5−イソプロピルヒダントイン等があげられる。また、イミダゾール系化合物としては、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等があげられる。これらは、通常、単独でまたは2種以上を混合して用いられる。
【0033】
上記(a)成分と(b)成分との混合割合は、(a)成分のカルボキシル基100当量に対し、(b)成分のエポキシ基が80〜500当量がよく、100〜300当量が好ましい。80当量より少ないと、架橋反応が少なく、十分な接着強度や耐水性が得られない場合がある。一方、500当量より多いと、未反応のエポキシ樹脂が多く残存し、やはり接着強度や耐水性が得られなくなる場合がある。
【0034】
また、上記(c)成分は、(a)成分のカルボキシル基と(b)成分のエポキシ基の架橋反応を促進するもので、(c)成分は、(b)成分のエポキシ基100当量に対し、(c)成分中の酸ヒドラジド基又はイミダゾール基が1〜30当量がよく、2〜20当量が好ましい。1当量より少ないと、(a)成分のカルボキシル基と(b)成分のエポキシ基との架橋反応が遅くなり、十分な接着強度が得られない場合がある。一方、30当量より多いと、架橋反応が速すぎるため、ポットライフが短く、接着剤として使用する場合に、作業上問題が生じる場合がある。
【0035】
この発明にかかる水性接着剤は、上記の(a)成分、(b)成分及び(c)成分を上記の割合で混合したものであり、これらの混合液を塗布し、60〜120℃で1分間程度乾燥することにより、乾燥皮膜が得られる。次いで、この乾燥皮膜を40〜80℃で48時間程度エージングする。これにより、接着性が良好で、水に浸けても接着性能が保持でき、かつ白化もしない皮膜が得られる。このため、耐水性のみならず耐白化性を有する。
【0036】
【実施例】
以下、本発明を実施例を用いてより詳細に説明する。
【0037】
(実施例1、比較例1)
温度計、撹拌装置及び還流冷却管を備えた4ツ口フラスコに、ポリプロピレングリコール(第一工業製薬(株)製;ハイレフレックスD−2000、OHV56.1)90重量部、ジメチロールプロピオン酸(トリメット・テクニカルプロダクツ社製;DMPA)14.1重量部、ブチルアクリレート164重量部及びハイドロキノンモノメチルエーテル0.1重量部を加え、内温50℃とし、イソホロンジイソシアネート60重量部及びジブチル錫ジラウリレート0.1重量部を加えて90℃に加温し、この温度で5時間反応させてウレタンプレポリマーを製造した。このウレタンプレポリマーの酸価は36であり、数平均分子量は2000であった。
【0038】
反応終了後、70℃にてトリエチルアミン10.8重量部を加えてウレタンプレポリマー中のカルボキシル基を中和した。これに蒸留水330重量部を40℃で30分かけて滴下し、乳白色の透明性のある分散液を得た。
【0039】
そして、この分散液を40℃に保温し、この温度で7%t−ブチルハイドロパーオキサイド水溶液12重量部と1%アスコルビン酸水溶液41重量部からなるレドックス系重合開始剤を添加して、ビニルモノマー(ブチルアクリレート)の重合を開始した。発熱終了後、さらに80℃に昇温して2時間維持することによって、ポリウレタンとビニル重合体を含む水性分散液(以下、「P−1液」と称する。)を得た。
【0040】
得られたP−1液を100重量部に対して、1,3−ビス(ヒドラジドカルボエチル)−5−イソプロピルヒダントイン(味の素(株)製:アミキュアーVDH)1重量部及びビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製:エピコート828、エポキシ当量184〜194)のエマルジョン(樹脂固形分60重量%)10重量部を添加して接着剤組成物(以下、「P−2液」と称する。)を得た。
【0041】
(実施例2、比較例2)
温度計、撹拌装置及び還流冷却管を備えた4ツ口フラスコに、実施例1で用いたポリプロピレングリコール90重量部、ジメチロールプロピオン酸14.1重量部、ブチルアクリレート164重量部及びハイドロキノンモノメチルエーテル0.1重量部を加え、内温50℃とし、イソホロンジイソシアネート60重量部及びジブチル錫ジラウリレート0.1重量部を加えて90℃に加温し、この温度で5時間反応させてウレタンプレポリマーを製造した。このウレタンプレポリマーの酸価は36であり、数平均分子量は2000であった。
【0042】
反応終了後、70℃にてトリエチルアミン10.8重量部を加えてウレタンプレポリマー中のカルボキシル基を中和した。これに蒸留水330重量部を40℃で30分かけて滴下し、乳白色の透明性のある分散液を得た。
【0043】
そして、この分散液に5.5重量%モノエタノールアミン水溶液を40℃で30分間かけて滴下し、乳白色で透明性のある分散液を得た。次いで、この温度で7%t−ブチルハイドロパーオキサイド水溶液12重量部と1%アスコルビン酸水溶液41重量部からなるレドックス系重合開始剤を添加して、ビニルモノマー(ブチルアクリレート)の重合を開始した。発熱終了後、さらに80℃に昇温して2時間維持することによって、ポリウレタンとビニル重合体を含む水性分散液(以下、「U−1液」と称する。)を得た。
【0044】
得られたU−1液を100重量部に対して、実施例1で用いた1,3−ビス(ヒドラジドカルボエチル)−5−イソプロピルヒダントイン1重量部、及びビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量184〜194)のエマルジョン10重量部を添加して接着剤組成物(以下、「U−2液」と称する。)を得た。
【0045】
(比較例3)
温度計、撹拌装置及び還流冷却管を備えた4ツ口フラスコに、水700gを仕込み、70℃に昇温した。つぎに撹拌しながら、過硫酸アンモニウムの10%水溶液25gを加えたのち、メチルメタクリレート200g、エチルアクリレート580g、ブチルアクリレート200g、メタクリル酸20g、ポリオキシエチレンジアルキルエーテル硫酸アンモニウム30gおよび水465gからなるエマルジョンを滴下ロートにて反応容器内に2.5時間かけて連続滴下し、77℃で重合反応を4時間行なった。反応後、反応液を30℃に放冷し、えられたアクリル系樹脂のガラス転移温度を測定したところ、−5.3℃であった。
【0046】
次に、アンモニア水で反応液のpHを7〜8となるように調整したのち、1,3−ビス(ヒドラジノカルボエチル)−5−イソプロピルヒダントイン)18gを添加して樹脂固形分45重量%の水性エマルジョン2238gを得た。
【0047】
得られた水性エマルジョン100gにエポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量:184〜194)のエマルジョン(樹脂固形分60重量%)10gを添加して接着剤組成物(以下、「A−1液」と称する。)を得た。
【0048】
[評価]
上記のP−1液、P−2液、U−1液、U−2液及びA−1液のそれぞれを、バーコーターにてOPP(二軸延伸ポリプロピレン)フィルム又はPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムに、ドライ塗布量が2.7g/m2となるように塗布した。
【0049】
次に、80℃の熱風乾燥機中で1分間乾燥したのち、上記皮膜の上にCPPフィルム(無延伸ポリプロピレンフィルム)を重ね合わせ、熱ロール(60℃、2kgf/cm2)を用いて2回圧着した。そして、50℃で48時間エージングした。
【0050】
得られた各ラミネートフィルムについて、下記の方法にしたがって常態接着強度、耐水接着強度、耐水外観及びボイル試験を行った。OPPフィルムを使用した結果を表1に、PETフィルムを使用した結果を表2に示す。
【0051】
▲1▼常態接着強度
ラミネートフィルムを15mm幅にカットして、引張り試験機を用いて引張り速度300mm/分、180度剥離の条件で強度を測定した。
【0052】
▲2▼耐水接着強度、及び耐水外観
ラミネートフィルムを幅15mm幅にカットし、それを常温の水に3日間浸漬した。その後、ラミネートフィルムを水から取り出し、すぐに上記と同じ方法で引張り強度を測定した。
また、同時に外観変化を観察した。このとき、外観に変化がない場合は○、白化現象が見られた場合は×とした。
【0053】
▲3▼ボイル試験
ラミネートフィルムを幅15mm幅にカットし、それを90±2℃の熱水に30分間浸漬した。そして、ラミネートフィルムを熱水から取り出し、すぐに上記と同じ方法で引張り強度を測定し、外観変化を観察した。
【0054】
【表1】
Figure 0004698049
【0055】
【表2】
Figure 0004698049
【0056】
【発明の効果】
この発明は、所定の成分を含有するので、得られる皮膜は、ウレタン成分の有する接着性を損なわないのみならず、接着性をより向上させ、かつ、耐水性も向上させることができる。さらに、耐白化性を有する。

Claims (4)

  1. (a)イソシアネート基を有するカルボキシル基含有ウレタンプレポリマーの中和物、及びビニルモノマーを含む分散液中のビニルモノマーを重合した、ポリウレタンとビニル重合体を含む水性分散液、
    (b)エポキシ樹脂、並びに、
    (c)ヒダントイン骨格を有する酸ヒドラジド又はイミダゾール系化合物を含有し、
    上記の(a)成分と(b)成分との混合割合が、(a)成分のカルボキシル基100当量に対し、(b)成分のエポキシ基が80〜500当量であり、
    上記の(c)成分中の酸ヒドラジド基又はイミダゾール基の含有量が、(b)成分のエポキシ基100当量に対し、1〜30当量である水性接着剤。
  2. 上記イソシアネート基を有するカルボキシル基含有ウレタンプレポリマーの中和物が、多価イソシアネート化合物、ジオール成分及びカルボキシル基含有ジオール成分を炭素数1〜12の1価アルコールの存在下で反応させて得られたものである請求項1に記載の水性接着剤。
  3. (a)イソシアネート基を有するカルボキシル基含有ウレタンプレポリマーの中和物と単官能アミンとの反応物、及びビニルモノマーを含む分散液中のビニルモノマーを重合した、ポリウレタンとビニル重合体を含む水性分散液、
    (b)エポキシ樹脂、並びに、
    (c)ヒダントイン骨格を有する酸ヒドラジド又はイミダゾール系化合物を含有し、
    上記の(a)成分と(b)成分との混合割合が、(a)成分のカルボキシル基100当量に対し、(b)成分のエポキシ基が80〜500当量であり、
    上記の(c)成分中の酸ヒドラジド基又はイミダゾール基の含有量が、(b)成分のエポキシ基100当量に対し、1〜30当量である水性接着剤。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の水性接着剤を用いたラミネート用接着剤。
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