JP4691256B2 - トレッド支持膜 - Google Patents
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Description
(技術分野)
本発明はタイヤのトレッド用の支持手段に関する。上記支持手段は上記タイヤとその取付けリムとで、車両用の走行組立体を構成しており、この走行組立体はタイヤの必然的な予期しない圧力損失後に走行することができ、上記タイヤは特に重車両のチューウブレス型または土木工学型である。
【0002】
(背景技術)
フランス出願第FR2756221号はタイヤのキャビティの圧力P1より大きい圧力P0まで膨らまされる補強ゴム製の環状面形膜をトレッド用支持手段として述べ、且つ請求しており、この環状面形膜は膨らまし状態で、推薦圧力で使用されるタイヤの負荷半径REより小さいクラウン半径RMを有し、上記膜は少なくともそのクラウンにおいて、コードまたはケーブルよりなる少なくとも1つの層により補強されており、上記膜の上記クラウンは更に周方向配向のコードまたはケーブルよりなる少なくとも1つのたが嵌め補強体を備えており、このたが嵌め補強体はクラウン半径RMと表面1cmあたりの圧力との積に少なくとも等しい層1cmあたりの破断荷重を有し、その結果、層1cmあたりの張力はタイヤが受けることができる最大の遠心力に起因した張力と同等になり、タイヤが受ける圧力損失の場合に存在し、初めの差圧P0−P1より大きい差圧P0−P'1の場合、すなわち、通常走行中、たが嵌めコードまたはケーブルの破断を許容する。上記たが嵌め補強体は一般にクラウン補強層間に位置決めされた少なくとも1つの層で構成されるか、或いは下層を半径方向に覆う保護層または指示バンドに形成された凹部に位置決めされたいくつかのバンドで構成されている。
【0003】
低温状態、すなわち、20℃で測定した上記膜の内圧は、関係するタイヤの寸法に応じて、0.5x105Paと5.0x105Paとの間の量だけタイヤの内キャビティの圧力P1より大きい。環状面形膜のクラウン半径RMが好ましくはタイヤの負荷半径REの0.80倍と0.97倍との間にあると仮定すると、主のタイヤの加熱の理由で、高すぎる差圧により、タイヤ自身の或る数の特性、例えば、過剰に大きいたが嵌め補強体を必要としながら、タイヤのカーカス補強体の寿命に悪影響する恐れがある。
【0004】
上記膜のクラウンは好ましくは、各々において互いに平行であり、1つから次まで交差されて周方向と50°と85°との間の角度をなすコードまたはケーブルよるなり2つの層により補強されている。ケーブルまたはコードは有利には軽さ、可撓性および良好な耐腐食性の理由で織物であり、好ましくは芳香族ポリアミド製である。2つの層の軸方向端部は好ましくは、Sがタイヤのカーカス補強体の最大の軸方向幅であるとすると、層の幅が好ましくはSと1.30Sとの間であるように、膜の側壁部に位置決めされている。
【0005】
差圧P0−P1は、タイヤがパンクし、且つたが嵌め層が判断した場合に増大し、環状面形支持膜はタイヤのキャビティの中へ伸張し、タイヤのキャビティ内の圧力降下にかかわらず、全体が走行し続けることが可能である。
【0006】
上記フランス特許出願に記載の発明による環状面形支持膜は各々が半径芳香のコードまたはケーブルよりなる少なくとも1つの層により補強された側壁部を備えてもよく、これらの側壁部は有利にはタイヤの金属取付けリムに開口する半径方向溝を備えている。
【0007】
タイヤ、その取付けリムおよび膜のより構成された組立体の通常の走行条件下、このタイヤに薦められる負荷条件、圧力条件および速度条件下で、膜は実際に一定であってタイヤの負荷半径より小さい赤道半径を保持し、側壁部の外壁部は大部分がタイヤの内壁部と永久接触している。上記壁部間に存在する摩擦の結果、タイヤの内壁部を覆う不透過性ゴム層が早期に劣化し、磨耗する。
【0008】
上記欠点を解消するために、フランス特許出願第97/16450号は、膜に特定の側壁構成を与えることを提案している。すなわち、構成によりたが嵌め層の破断後に破断を許容する環状補強要素のまわりに側壁部補強層がいずれかの側で巻かれており、上記側壁部補強層は、膨らまし状態では、或る高さ以降、膜と最も近い側壁部の内壁部との間に接触が無いようになっている子午線輪郭を有する。換言すると、環状補強要素の存在により、膨らまし状態で且つ通常の走行中、タイヤキャビティ内の圧力損失時に支持膜の通常の完全伸張を妨げないで、側壁補強層の所望の子午線輪郭を維持することが可能である。
【0009】
膜の側壁補強層の環状要素または巻きつけビードワイヤの存在により、下記の2つの主な欠点が生じる。
【0010】
− 破断後にビードワイヤの切片の位置を制御することは不可能とは言わないが困難であり、かくして、特に、赤道平面に対する伸張後の膜のクラウンの位置決めの目立った非対称が非常に頻繁に見られ、これにより装備した車両に或る駆動問題を引き起こしていた。
【0011】
− いわゆる閉鎖支持膜(この膜の横断面は連続した外形を有する)の場合、巻きつけビードワイヤの破断は上記ビードワイヤの下に半径方向に位置決めされた膜部分の大きい伸張を引き起こし、その結果、上記部分が破断し、上記膜から膨らましガスが逃げる。
【0012】
上記欠点を解消するために、第1に、タイヤキャビティの膨らまし圧が消去されるときにタイヤのキャビティを埋めることが可能な伸張可能な環状面形膜の原理、第2に、通常の走行の場合に膜とタイヤの内壁部との間の最も低い可能性の接触長さの原理と保持しながら、本発明による補強ゴム膜は、
− タイヤP用のトレッド支持手段として使用され、上記タイヤPと、呼称直径がDSであり、フランジが外径DRを有するタイヤの取付けリムJとともに、タイヤが圧力損失を受けると、走行することが可能である走行組立体を構成し、
− タイヤのキャビティの圧力P1より大きい圧力P0まで膨らまされ、
− 膨らまし状態で、推薦圧力で使用されるタイヤの負荷半径REより小さいクラウン半径RMを有し、
− クラウンにおいて、各々において互いに平行であり、且つ1つから次まで交差されているコードまたはケーブルよりなる少なくとも2つの層により補強されており、上記層の少なくとも一方は、コードまたはケーブルよりなる少なくとも1つの層で構成されており、且つ第1に、通常走行中に存在する差圧P0−P1に起因して張力により増大されたタイヤが受ける最大の遠心力による張力、第2に、P0−P1より大きい差圧P0−P'1のためのコードまたはケーブルの破断を阻止することを可能にする層1cmあたりの破断荷重を有する所謂たが嵌め層であり、
− 少なくとも1つの層により側壁部の各々において補強されている。本発明によるこの補強ゴム膜は、子午線断面で見て、以下の点を特徴としている。
【0013】
− 側壁補強層は側壁層の作用により誘発される張力の作用下で破断しない伸張不可能な環状補強要素のまわりに巻くことによって側壁部の各下部分に固定され、上記環状補強要素の内径Dは値DRと、リム座部の幅LSと上記座部の傾斜角のタンジェントとの積をDSから引いた値との間であり、
― 上記側壁補強層は補強要素で構成されており、各要素は螺旋状に巻かれたコードまたはケーブルにより取囲まれたコアを備えており、上記コアは、第1に、差圧P0−P1および上記要素が受ける最大の遠心力に起因して層の各要素あたり張力より大きく、且つ第2に、P0−P1より大きい差圧P0−P'1の場合で、たが嵌め層の要素の破断後、側壁層の上記要素の破断を許容する程度の破断荷重を有しており、
― 側壁層の上記補強要素は、コアの破断伸び率aAより大きい伸び率の場合、伸び率の関数としての牽引力の変化が実質的にゼロであるセグメントを有する相対伸び率aの関数としての張力を表す曲線を有しており、
− 補強要素の破断伸び率aRは膜の外側子午線長さに対するタイヤの内側子午線長さと膜の外側子午線長さとの差の比に少なくとも等しい。
【0014】
好ましくは、伸張不可能な補強要素の内径Dは値DSと、リム座部の幅LSと上記座部の傾斜角度のタンジェントとの積をDSから引いた値との間にある。
【0015】
膜のクラウンはクラウンのところの上記層の存在が効果的であるときに層により補強されると言える。膜の側壁部は側壁部に実際に層が存在するなら、層により補強されると言え、かくして、2つの膜ビードワイヤに固定された層は側壁補強層であるだけではなく、クラウン補強層でもある。
【0016】
(発明を実施するための最良の形態)
本発明による環状面形膜Mは、第1例(図1)では、そのクラウン(1)が閉じられ、且つ補強されている。この膜は、その薄い厚さがその半径方向内側部分(10)にわたって一定であるが、その側壁部(11)およびそのクラウン(1)のところで厚くなっている。膜は2つの層(120)により全体的に補強されており、各層は、互いに平行であり、且つ集成体の赤道線XX'と50°と85°との間の角度、より正確には60°に等しい角度をなしている補強要素で構成されており、この角度は層の一方では一方向で、他方の層では反対方向のものである。2つの層(120)各々の幅はその端部の一方が膜Mの肩部のうちの一方の領域に位置決めされ、層(120)の他端部Bが、上記肩部と反対の側に位置決めされた膜側壁部の下部分において環状の補強要素(2)のまわりに巻いた後に形成する上向き部(20)の端部であるような幅である。従って、2つの層(20)は、膜Mのクラウンの領域AAにおいて、各々において互いに平行であり、1つから次まで交差されて、赤道方向と60°の角度をなす要素の2つのクラウン補強層の機能を果たし、また側壁部の領域ABにおいて側壁補強層の機能を果たし、各側壁部は赤道方向と90°より小さく且つ赤道平面で測定した角度より大きい可変角度をなす要素層で補強されている。
【0017】
容易に伸張可能であるかくして形成された2つのクラウン層(120)の集成体(12)上には、凹部‘141)により互いにから分離された截頭円錐形浮彫り要素(140)を備えたゴム支持バンド(14)が設けられるのがよい。これらの截頭円錐形「ブロック」はブロック(140)の2つの軸方向隣接列間に芳香族ポリアミド製の3本のコードで構成された周ケーブルよりなるたが嵌めストリップ(131)が配置されるようにバンド(14)の表面に周方向の列を構成する。かくして構成され且つたが嵌め集成体(13)を構成する3本の周ケーブル(それらの数はブロック(140)の列間の軸方向ギャップの数に等しい)よりなるストリップ(131)よりなる集成体は、第1に遠心力に起因する力に抗して、第2に差圧p0−p1(p0は10x105Paに等しい環状面形膜Mの膨らまし圧力であり、p1は9.0x105Paに等しいタイヤPの圧力である)に起因する力に抗して膜Mをたが嵌めする機能を果たす。上記たが嵌め機能により、集成体の通常の走行条件下、すなわち、このタイヤ用に薦められる負荷、圧力および速度条件下で、膜Mおよびそのクラウン層が通常の走行条件下で実際に一定であり且つタイヤPの負荷半径REより小さいそれぞれの半径RM、RM1を保持することが可能である。
【0018】
各環状要素は167x2のポリアミド製ケーブルを巻くことによって構成されている。このような組成物は側壁層の補強要素の環状要素に及ぼされる必要な強さの少なくとも1.05倍の引張り強さおよび事実上完全な伸張性を上記環状要素に与え、かくして環状要素(2)は上記条件下でできるだけタイヤの取付けリムに半径方向に近接して配置され、図示の場合、その内径はリムの呼称直径DSと値DSマイナス積LS x tan aとの間である(LSはタイヤビード座部の軸方向幅であり、tan aは取付けリムの座部の傾斜角度のタンジェントである)。
【0019】
側壁およびクラウン補強層(120)の各補強要素(15)(図3)は122x1レーヨン補強要素で形成されているコア(150)で構成されている。このコアは7.5%の相対伸び率ε A の場合に6.2daNの破壊荷重FRAを有する(図4)(曲線の点Mは相対伸び率の関数としての力を表している。上記コアのまわりには、167テックスのコード(151)が巻かれており、各コード(151)がそれ自身に撚られており、2本のコードがコア(150)のまわりに撚られている。破断コア要素と称するかくして得られた補強要素(15)はコア(150)の破断時の伸び率ε A よりはるかに大きい90%の破断伸び率ε R (曲線上の点R)を有しており、従って、上記コアの破断後、補強要素(15)はそれ自身が破断する前の高い伸びポテンシャルを有し(曲線の部分NR)、上記ポテンシャルは80%より大きいと推定される。上記ポテンシャルは、タイヤキャビティが充填されるまで、膜の完全な伸張を許容するのに非常に十分である。何故なら、必要十分な伸び率が膜の外側子午線長さに対するタイヤの内側子午線長さと膜の外側子午線長さとの差の比に等しいからであり、上記長さはビードワイヤからビードワイヤまで測定したものである。
【0020】
先に考察した場合では、たが嵌めバンド(131)の周方向補強要素は或る差圧P0−P'1で破断する。層(120)用に使用した要素(15)の構造と同様な構造を有する補強要素をたが嵌めバンド用の補強要素として使用することが含まれず、本発明の範囲から逸脱することは明らかである。例えば、各たが嵌め要素は110x1の芳香族ポリアミド製コアと、上記コアのまわりに巻かれた167x2の2本の芳香族ポリアミド製ケーブルとで構成されている。たが嵌め要素のコアは圧力P1を下げた結果の支持張力で破断する一方、全体要素は破断しないが、非常に伸張性になる。この解決法によれば、ストリップの部片が破断した後、実質的に高い材料コストを犠牲にしてストリップの部片の分散をできるだけ回避することが可能である。
【0021】
図2において、組立体Eは上記例では寸法495/45―R―22.5のタイヤPと、取付けリムJと、本発明による環状面形膜Mとで構成されている。タイヤPは一般に公知なタイヤであり、側壁部が外側でトレッド(21)に半径方向に接合され、且つ内側で2つのビード(22)に半径方向に延長されており、各ビード(22)は、ラジアルカーカス補強体(24)がまわりに固定されて上向き部(25)を構成している少なくとも1本のビードワイヤ(23)により補強されている。上記カーカス補強体(24)上には、クラウンにおいて、金属コードまたはケーブルよりなる少なくとも2つの層で構成されたクラウン補強体(26)が設けられており、このクラウン補強体(26)は各層において互いにに平行であり、1つの層から次の層まで交差されて周方向と5°と45°との間であるのがよい角度を成している。タイヤPはチューブレスと称し、膨らましガスに対して不透過性であるゴム混合物よりなる層を内側に備えている。
【0022】
図5は支持膜の最も簡単な構成を示しており、クラウンおよび上記膜の側壁部は1つの平面内に見られる。側壁部(11)は半径方向以外は上記のものと同じ組成の破断コア補強要素(15)の単一の半径方向層(120)により補強されている。上記膜のクラウン(1)は支持バンド(14)の下に半径方向に配置されたたが嵌め層(13)により相補的に補強されており、上記たが嵌め層は層1cmあたりの破断荷重がタイヤのキャビティの膨らまし圧P1の一次関数であるように補強要素で構成されており、代表的な直線の角度係数は0.05に等しく、上記直線の原点における座標は0.3x105Paに等しく、タイヤは「重車両」型タイヤである。クラウンは有利には、平面内でうねっていて、互いに平行であり、0°90°との間であるのがよい角度に周方向に対して配向された金属補強要素よりなる少なくとも1つの層により、たが嵌め層の外側まで半径方向に完全に補強されており、うねりの振幅および波長は明らかに膜の半径方向伸張を妨げないように選択される。
【0023】
図6は2つの層(120)を有する膜の組織を示しており、これらの層は、ビードワイヤ(2)からビードワイヤ(2)まで連続しており、上記のものと同じ組成の破断コア補強要素(15)で構成されが、1つの層から次の層まで交差されて膜の赤道平面で測定して50°と85°との間、より正確には、60°に等しい角度を周方向となしている。これらの2つの層(120)は側壁補強層およびクラウン補強層であり、クラウンは図5に示し且つ先に説明したようにたが嵌め層(13)により相補的に補強されている。
【0024】
図7に示す組織は、ビードワイヤ(2)からビードワイヤ(2)まで連続しているので、側壁/クラウン補強層(120)を備えており、この層(120)は先のものと同じ破断コア要素で構成されており、これらの要素は層において互いに平行であり、膜のクラウンのところで測定して周方向と60°(できれば、50°と85°との間)の角度をなしている。層(120)のものと同じ補強要素補強要素で構成された所定の軸方向幅のクラウン層(121)がクラウンにおける層(120)上に半径方向に設けられており、このクラウン層(121)は層(120)と交差されて周方向に対して同じ反対方向の角度をなしている。層(121)上には、凹部(141)により間隔を隔てられた截頭円錐形浮彫り要素(140)を備えた支持ストリップ(14)が半径方向に設けられてもよい。これらの截頭円錐形「ブロック」はトレッド(14)の表面に周方向列を構成し、集成体がたが嵌め層(13)を構成する周方向ケーブルよりなるたが嵌めストリップ(131)がブロック(140)の2つの軸方向隣接列間に配置されるようになっている。また、層(121)には、図5に示して図5に対応する節で述べたもののようなたが嵌め層がより簡単に設けられてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による環状面形支持膜の図である。
【図2】 作動時に設けられ、膨らまされたタイヤに適所にある図1の膜の図である。
【図3】 膜の側壁補強層用に使用される補強要素の図である。
【図4】 側壁補強層の補強要素の相対伸び率の関数としての張力を示す曲線である。
【図5】 本発明による支持膜の変形例の図である。
【図6】 本発明による支持膜の変形例の図である。
【図7】 本発明による支持膜の変形例の図である。
Claims (7)
- タイヤP用のトレッド支持手段として使用される補強ゴム膜であって、
前記タイヤPと、呼称直径がDSでありフランジが外径DRを有する取付けリムJとで、タイヤの圧力が損失したときに走行可能である走行組立体を構成し、
タイヤのキャビティの圧力P1より大きい圧力P0まで膨らまされ、
膨らまし状態で、推薦圧力で使用されるタイヤの負荷半径REより小さいクラウン半径RMを有する補強ゴム膜であって、該補強ゴム膜が、
該補強ゴム膜のクラウン(1)において、互いに平行なコードまたはケーブルよりなる少なくとも2つのプライであって、前記コードまたはケーブルが1のプライと次のプライで交差している少なくとも2つのプライにより補強され、
該プライの少なくとも一方が、コードまたはケーブルよりなる少なくとも1つの層で構成された所謂たが嵌めプライ(13)であり、該たが嵌めプライのコードまたはケーブルは円周方向に配向され、通常走行中に存在する圧力差P0−P1に起因する張力により増大された、タイヤが受ける最大遠心力に起因した張力に耐え、さらに、P0−P1より大きい圧力差P0−P’1の場合に前記コードまたはケーブルが破断するような、プライ1cmあたりの破断荷重を有し、
側壁部の各々において少なくとも1つの側壁補強プライ(120)により補強されている補強ゴム膜において、
子午線断面で見て、
前記側壁補強プライ(120)は、前記側壁補強プライ(120)の作用により誘発される張力で破断しない伸張不可能な環状補強要素(2)のまわりに巻かれることによって側壁部の各下部分で固定され、前記環状補強要素(2)の内径Dは値DRと、前記リムの座部の幅LSと前記座部の傾斜角のタンジェントとの積をDSから引いた値との間であり、
前記側壁補強プライ(120)は補強要素(15)で構成され、各補強要素(15)は螺旋状に巻かれたコードまたはケーブル(151)により取囲まれたコア(150)を備え、前記コア(150)は破断荷重を有し、該破断荷重は、プライの各要素あたり、圧力差P0−P1と前記要素(15)が受ける最大遠心力とに起因する張力より大きく、圧力差がP0−P1より大きいP0−P’1の場合、たが嵌めプライ(13)の破断後、側壁補強プライ(120)の要素(15)の破断を許容するものであり、
前記側壁補強プライ(120)の補強要素(15)は、相対伸びεとの関連で張力を示す曲線であって、伸びがコアの破断伸びεAより大きい場合に、伸びに関連する牽引力変化が実質的にゼロである区間を有する曲線を備え、
前記補強要素(15)の破断伸びεRが、前記補強ゴム膜の外側子午線長さに対する、前記タイヤの内側子午線長さと前記補強ゴム膜の外側子午線長さの差の比に少なくとも等しい、
ことを特徴とする補強ゴム膜M。 - 伸張不可能な環状補強要素(2)の内径Dが、値DSと、前記リムの座部の幅LSおよび該座部の傾斜角のタンジェントの積を値D S から引いた値との間にある、
請求項1に記載の補強ゴム膜M。 - 前記たが嵌めプライの補強要素が、前記補強要素(15)で構成されている、
請求項2に記載の補強ゴム膜M。 - 全体が2つの側壁補強プライ(120)により補強され、
前記各側壁補強プライは、プライ内で互いに平行で1つのプライと次のプライとで交差された前記補強要素(15)から構成され、
前記各側壁補強プライは、端部の一方Aが前記補強ゴム膜Mの一方の肩部の領域に位置決めされ、該プライ(120)の端部の他方Bが、前記肩部と反対の側に位置決めされた補強ゴム膜側壁部の下部分で環状補強要素(2)の周りに巻かれた後に形成された上向き部(20)の端部であるような幅を有し、
前記2つの側壁補強プライ(120)は、前記補強ゴム膜Mのクラウン領域AAで、クラウン補強プライとして機能し、該補強プライの要素は該プライの各部分で互いに平行であり1つのプライと次のプライで交差され、赤道面で測定して50°と80°との間の円周方向に対する角度をなし、側壁の領域ABにおいては側壁補強プライとして機能し、各側壁が赤道方向で最大90°で赤道面で測定した角度より大きな角度をなし、クラウンの補強が円周方向に配向された前記たが嵌めプライの補強要素によって補われている、
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の補強ゴム膜M。 - ビードワイヤ(2)からビードワイヤ(2)まで軸方向に連続している側壁補強プライ(120)により全体が補強されており、
該側壁補強プライ(120)は補強要素で構成され、
該補強要素は、プライ内で互いに平行であり、補強ゴム膜の赤道平面で測定した50°と85°との間の円周方向に対する角度をなし、
前記側壁補強プライ(120)には、クラウンにおいて、側壁補強プライ(120)の補強要素と同じ補強要素であるが側壁補強プライ(120)の補強要素と交差され絶対値が同じ円周方向角度をなしている補強要素で形成された所定の軸方向幅を有するクラウンプライ(121)が半径方向に載せられ、
前記クラウンプライ(121)自身には、支持バンド(14)が半径方向に載せられ、該支持バンド(14)は截頭円錐形浮彫り要素(140)を備え、該截頭円錐形浮彫り要素(140)は、その集合体がたが嵌めプライ(13)を構成する円周方向ケーブルよりなるたが嵌めストリップが内部に配置された補強列(141)により間隔があけられている、
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の補強ゴム膜M。 - 前記クラウンプライ(121)自身には、支持バンド(14)が半径方向に載せられ、該支持バンド(14)は截頭円錐形浮彫り要素(140)を備え、該截頭円錐形浮彫り要素(140)は、その集合体がたが嵌めプライ(13)を構成する円周方向ケーブルよりなるたが嵌めストリップが内部に配置された補強列(141)により間隔があけられている、
請求項5に記載の補強ゴム膜M。 - プライの平面においてうねっている補強要素よりなる少なくとも1つのプライが前記補強ゴム膜のクラウン補強を補っている、
請求項4ないし6のいずれか1項に記載の補強ゴム膜M。
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