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JP4689371B2 - 橋梁伸縮継手 - Google Patents

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JP4689371B2 JP2005194675A JP2005194675A JP4689371B2 JP 4689371 B2 JP4689371 B2 JP 4689371B2 JP 2005194675 A JP2005194675 A JP 2005194675A JP 2005194675 A JP2005194675 A JP 2005194675A JP 4689371 B2 JP4689371 B2 JP 4689371B2
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Description

本発明は、橋桁同士の間に設置される伸縮装置に関する。特に本発明は、道路橋の橋桁間に設けられた遊間を取り付けられる伸縮継手に関する。
遊間を補完する伸縮継手の1つとして、鋼製のフィンガープレートを用いたフィンガージョイントが知られている。フィンガージョイントは、一対の鋸歯状のフィンガーを一定の隙間を隔てて対向させたものであり、この隙間により橋桁の温度差による伸縮や、車両走行時の振動、あるいは継手間の高低差を吸収している。しかし、フィンガージョイントでは、水漏れが発生し、桁下環境を悪化さるとともに、車両走行時に騒音を発生させ、乗り心地を悪化させる。このような問題に対し、フィンガープレートの上部をゴム等からなる弾性体で覆う伸縮継手が提案されている(特許文献1)。
実開平2−13521号公報
しかし、フィンガージョイントを用いた構成では、橋軸直角方向の動きに対し制約的であるという問題があるともに、弾性体継手部の寸法が大きくなるという問題がある。このような問題に対し、フィンガー間の隙間を大きく取ることも考えられるが、隙間を大きくとると、荷重保持力が低下するとともに継手部の寸法も大きくなるという問題が発生する。
本発明は、コンパクトでありながら、横方向(橋軸直角方向)への動きにも十分な許容性を示し、かつ広い遊間にも適用可能な橋梁伸縮継手を提供することを目的としている。
本発明の橋梁伸縮継手は、橋桁の端部間に設けられる遊間に取り付けられる橋梁伸縮継手であって、各々の橋桁端部に固定され、橋桁端部から遊間に張り出した張出部を有する遊間張出部材と、張出部の間に架け渡され、張出部によって支持される荷重支持部材と、橋桁端部間の相対位置変化を吸収する弾性変形手段とを備えたことを特徴としている。
弾性変形手段は、弾性部材からなる剪断層を備え、この剪断層は張出部の各々と荷重支持部材との間に設けられる。また、荷重支持部材は弾性部材に埋設され、荷重支持部材を埋設する弾性部材は剪断層の弾性部材と一体的に形成さる。
以上のように、本発明によれば、コンパクトでありながら、横方向(橋軸直角方向)への動きにも十分な許容性を示し、かつ広い遊間にも適用可能な橋梁伸縮継手を提供できる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態である橋梁伸縮継手の側断面図であり、図2は図1に示された橋梁伸縮継手の平面図である。なお、図1は、図2のI−I線に沿った断面図である。また、図3、図4は、橋桁遊間部に本実施形態の橋梁伸縮継手が取り付けられた状態を示す側断面図および平面図であり、図3は図4のIII−III線に沿った断面図である。
図1および図2に示されるように、本実施形態の橋梁伸縮継手10は、ジョイント部11と、一対の遊間張出部材12A、12Bと、多数のアンカープレート13A、13Bとから概ね構成される。ジョイント部11は、橋梁伸縮継手10の略中央に位置し、横方向(橋梁の幅方向に対応)に延在する。遊間張出部材12A、12Bは、互いに所定の距離dを隔てって配置され、ジョイント部11に平行に延在し、距離dを架け渡すジョイント部11により互いに連結される。またアンカープレート13A、13Bは、遊間張出部12A、12Bの各々から橋桁軸方向外側に向けて所定の間隔毎に延出する。なお、図1において、橋梁伸縮継手10の構造は左右対称である。
遊間張出部材12A、12Bは、略T字形の断面形状を有するT形鋼からなる。遊間張出部材12A、12Bに用いられるT形鋼のフランジ部上面は、ゴム等の弾性部材14によって覆われる。弾性部材14には、両側辺に沿って横方向に延在する溝15A、15Bが形成されており、これらの溝15A、15Bが、橋梁伸縮継手10の中央のジョイント部11を画成する。また、弾性部材14の下側中央には、橋梁伸縮継手10の長手方向に沿って延在する溝16が形成される。すなわち、弾性部材14の溝15A、15Bに挟まれる領域は、略コの字を伏せた状態の断面形状とされる。なお溝16の幅は遊間張出部材12A、12Bの間の距離dに略等しい。
なお、弾性部材14には、例えば、JIS K 6253 デュロメーター硬さ試験 タイプAにおいて硬さ45〜60;JIS K 6251において引張強さ15N/mm2以上、伸び300%以上の物性を示すクロロプレンゴムなどが適する。
ジョイント部11は、弾性部材14内に例えば鋼板からなる荷重支持板17を埋設した構造をなし、本実施形態ではジョイント部11の両端は、それぞれ剪断層18A、18Bに上部を形成し、荷重支持板17は剪断層18A、18Bによって支持される。すなわち、荷重支持板17は、ジョイント部11の略全幅に渡り、その幅は遊間張出部材12A、12Bの間の距離dよりも大きい。
剪断層18A、18Bは弾性部材14の一部分であり、ジョイント部11と一体的に形成され、剪断層18A、18Bの内部には水平に内部鋼板19A、19Bがそれぞれ埋設される。また、剪断層18A、18Bの底面を含め弾性部材14の底面は、遊間張出部材12A、12Bの上面に接着(例えば加硫接着)されている。なお、遊間張出部材12A、12Bの上面外側よりには、遊間張出部材12A、12Bの長手方向に沿って延在する板材20A、20Bがそれぞれ垂直に取り付けられており、板材20A、20Bは弾性部材14の溝15A、15Bの外側の領域21A、21B内に埋設される。
なお、アンカープレート13Aには、2つの開口部22Aが形成されており、アンカープレート13Bには、2つの開口部22Bが形成されている。これらの開口部22A、22Bは、以下に説明するように、橋梁伸縮継手10の取り付けの際に使用される。
図3に示されるように、橋桁30A、30Bは、例えば鉄筋コンクリートなどから構成される床版31A、31Bと例えばアスファルト舗装32A、32Bからなる。また、床版31A、31Bの端部の間には幅Dの遊間が設けられている。
遊間張出部材12A、12Bは、T形鋼のフランジ部底面から垂直に延出する防撓板同士が遊間幅Dと同じ距離となるように配置されている。橋梁伸縮継手10は、床版31A、31Bの端部上面に形成された箱抜き部33A、33B内に装置される。このとき橋梁伸縮継手10は、防撓板の相対する面が各々床版31A、31Bの端面と一致し、ジョイント部11の上面が舗装面と一致するように位置決めされる。すなわち、遊間張出部材12A、12Bのフランジ部の一方は、それぞれ、遊間に張り出し(張出部)、剪断層18A、18Bを介して荷重支持板17の両端を支持する。
箱抜き部33A、33Bの床面からは、それぞれ床版31A、31Bのコンクリートに埋設されたアンカー34A、34Bが突出する。アンカープレート13A、13Bの開口部22A、22Bにはそれぞれ、横方向に沿って延在する鉄筋35A、35Bが通され、開口部22A、22Bの縁に溶接される。また、鉄筋35A、35Bは、アンカー34A、34Bにそれぞれ溶接される。これにより、橋梁伸縮継手10は、遊間を隔てて隣接する橋桁30A、30Bに固定される。なおこの後、箱抜き部33A、33Bに後打ちコンクリートが舗装面まで流し込まれ、橋梁伸縮継手10の取り付けは終了する。
このように、橋桁30A、30B間に設けられる遊間は橋梁伸縮継手10により覆われ、遊間において車両等からの荷重は、ジョイント部11の荷重支持板17と、これを支える遊間張出部材12A、12Bにより支持される。また、橋桁30A、30Bの伸縮等による遊間幅Dの変化、あるいは橋桁30A、30B間の横方向への相対的な運動は、弾性部材14からなる剪断層18A、18Bや溝15A、15Bの弾性変形により吸収される。なお、剪断層18A、18Bの変形は主に剪断変形である。このとき、荷重支持板17の遊間張出部材12A、12Bに対する相対的な位置の変化は、剪断層18A、18Bの変形によって実現される。
以上のように、本実施形態では、2つの遊間張出部材をそれぞれ遊間へ張り出し、この張出部で荷重支持板を支えている。したがって、本実施形態によれば、ジョイント部に対し遊間幅を実質的に遊間張出部材が張り出した分だけ狭くすることできる。これにより荷重支持板の幅を狭くすることができると同時に厚さも薄くすることができ、橋梁伸縮継手の軽量化、コンパクト化を可能にする。また、本実施形態の橋梁伸縮継手を使用することにより、遊間を広く設定することが可能となる。
また本実施形態では、剪断層が荷重支持板と遊間張出部の間に設けられ、支承としての役割を果たしているので、荷重支持板のためのスライド面等を設ける必要もなく、剪断層を設けるための幅も節約できる。したがって、本実施形態では、橋梁伸縮継手を更にコンパクトにすることができる。また、本実施形態の構成によれば、フィンガージョイントのように橋桁間の横方向への相対的な運動が、弾性部材のジョイントの可動範囲内であれば規制されることがないので、より大きな橋軸直角方向への動きにも対応可能である。
更に、本実施形態では、剪断層を構成する弾性部材が遊間張出部材に接着(加硫接着)されているため、ボルトやナットを用いて弾性部材を遊間張出部材に固定する必要がない。これによりボルトとナットを用いる場合に比べて150mm程度製品幅を小さくすることができ、車両通行時の騒音が低減され、走行性が向上される。
本発明の一実施形態である橋梁伸縮継手の図2のI−I線に沿った側断面図である。 図1に示された橋梁伸縮継手の平面図である。 橋桁遊間部に本実施形態の橋梁伸縮継手が取り付けられた状態を示す図4のIII−III線に沿った側断面図である。 橋桁遊間部に本実施形態の橋梁伸縮継手が取り付けられた状態を示す平面図である。
符号の説明
10 橋梁伸縮継手
11 ジョイント部
12A、12B 遊間張出部材
13A、13B アンカープレート
14 弾性部材
15A、15B 溝
18A、18B 剪断層
19A、19B 内部鋼板

Claims (5)

  1. 橋桁の端部間に設けられる遊間に取り付けられる橋梁伸縮継手であって、
    取り付け時、前記各々の橋桁端部に固定され、前記橋桁端部の各々から前記遊間に張り出す張出部を有する遊間張出部材と、
    前記張出部の間に架け渡され、前記張出部によって支持される荷重支持部材と、
    前記張出部と前記荷重支持部材との間に設けられる弾性部材からなる剪断層を有する前記橋桁端部間の相対位置変化を吸収する弾性変形手段とを備え
    前記遊間張出部材は前記橋梁幅方向に延在するT形鋼からなり、前記剪断層の底面はT字形の横棒に対応する前記T形鋼のフランジ部上面に直接接着され、前記T形鋼のT字形の縦棒に対応する防撓板が前記橋桁端面の一部を形成し、前記防撓板から遊間側へ延出する前記フランジ部が前記張出部を構成する
    ことを特徴とする橋梁伸縮継手。
  2. 前記荷重支持部材が弾性部材に埋設され、前記荷重支持部材を埋設する弾性部材が前記剪断層の弾性部材と一体的に形成されたことを特徴とする請求項1に記載の橋梁伸縮継手。
  3. 前記橋梁伸縮継手が、前記遊間張出部材から橋桁軸方向に延出し、前記橋桁端部に固定されるアンカープレートを備え、前記アンカープレートが前記橋桁端部の上面に形成された箱抜き部に配置固定され、前記遊間張出部材が前記アンカープレートを通して前記橋桁端部に固定されることを特徴とする請求項1に記載の橋梁伸縮継手。
  4. 前記フランジ部の前記張出部とは反対側の上面に、前記弾性部材に埋設された板材が垂直に設けられ、前記板材が埋設された領域と前記剪断層の間に前記橋梁幅方向に延在する溝が設けられることを特徴とする請求項3に記載の橋梁伸縮継手。
  5. 前記剪断層の内部に鋼板が水平に配置・埋設されることを特徴とする請求項4に記載の橋梁伸縮継手。
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