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JP4682181B2 - 撮像装置および電子情報機器 - Google Patents

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Description

本発明は、被写体からの画像光を光電変換して撮像するカメラモジュールなどの撮像装置および、この撮像装置を、画像入力デバイスとして撮像部に用いた例えばデジタルビデオカメラおよびデジタルスチルカメラなどのデジタルカメラや、車載用後方監視カメラなどの画像入力カメラ、スキャナ、ファクシミリ、カメラ付き携帯電話装置などの電子情報機器に関する。
上述した従来の撮像装置としてのカメラモジュールは、CCD型やCMOS型などの半導体イメージセンサと、この半導体イメージセンサから出力される画像データを信号処理する信号処理部であるDSP(digitalsignal processor)と、半導体イメージセンサの受光撮像領域に画像を結像させるための光学レンズとを組み合わせたものである。
図17は、従来のカメラモジュールの要部構成例を模式的に示す縦断面図である。
図17に示すように、従来のカメラモジュール100は、基板101上に装着されたイメージセンサ102と、レンズ103が装着されたレンズユニット104が上部に装着されると共に、イメージセンサ102が下部に収容され、このイメージセンサ102とレンズ103間を横切るように、レンズ103からの入射光から赤外線をカットする赤外線(IR)カットフィルタ105が配置されたレンズホルダ106と、レンズホルダ106の近傍位置の基板101上に装着された信号処理部であるDSP107とを有している。なお、このDSP107をレンズホルダ106内に内蔵したり、半導体イメージセンサ102とDSP107が1チップで構成したりする場合もある。このレンズユニット104にはその外周部分にねじが切られており、これをレンズホルダ106内に螺合させることによりレンズ103の焦点距離を鉛直方向に半導体イメージセンサ102上に合わせるように調整している。
上記構成により、レンズユニット104の光学レンズを通して入射光を半導体イメージセンサ102の受光撮像領域上に結像させ、イメージセンサ102により撮像された画像データが出力され、この画像データを、色補間処理や色調補正処理など、ユーザが必要とする画像データにDSP107により信号処理が施され、その信号処理後の画像データを外部に出力する。
このように、レンズユニット104のレンズ103には、画像中心部から周辺部に向かって暗くなるという特性を持っており、信号処理なしで得られる画像は表示画面の中心から周辺に行くにしたがって画像が暗くなるというシェーディング特性を有するというユーザにとって不都合が生じる。DSP107による画像処理、例えばシェーディング補正処理により、画像全体がほぼ均一の輝度を持った画像を得ることができる。このシェーディング補正処理は、画像中心から周辺部分に向かって同心円状に、周辺輝度が中心輝度とほぼ同じ輝度レベルになるように補正処理が行われている。
一般に、テレビジョンカメラやビデオカメラなどに用いられるカメラモジュール(撮像装置)では、撮像素子の特性やレンズの特性などによって、得られる画像に輝度ムラが生じることがあった。このため、撮像画像のそれぞれの位置に対して補正係数を乗じて画像を補正するシェーディング補正が行われている。これら撮像画像の輝度ムラは、画像中央から外周側に向かった方向に同心円状に発生するため、従来技術では、画像の中央部分を中心として同心円状に補正係数を乗じることによって行われていた。
また、色収差などの画質劣化の補正を各色別の画像を拡大、縮小することにより行う場合にも、同時に手振れ補正を行う撮像装置が特許文献1に提案されている。
しかし、特許文献1では、シャッターの形状や閉じる機構などにより発生する輝度ムラは、その形状や機構によっては、輝度ムラの分布の中心の位置が画像中心とは異なる場合や、また、シャッターのスピードによって補正用の中心の位置が異なる場合があり、この場合、従来の方法では正しいシェーディング補正をすることができないという不都合があった。
そこで、シャッタースピードの速さに応じて明るさの中心がずれる場合にも、任意のシャッタースピードに対して光量ムラをなくした撮像画像を得ることが特許文献2に開示されている。
図18は、特許文献2に開示されている従来のカメラモジュールの要部構成例を模式的に示すブロック図である。
図18において、従来のカメラモジュール200は、レンズ201を介してCCD(ChargeCoupled Device)202にて取得した被写体203の撮像信号に所定の信号処理を施した後にSDRAM(Synchronous Dynamic RandomAccess Memory)204に蓄えて、映像信号としてモニタ205やフラッシュメモリ206に出力するものである。レンズ201は被写体203からの入射光に対してフォーカス調整やズーム調整などにより所定の光学的に変換を施している。レンズ201で光学的変換された被写体203の反射光は、メカシャッター207を介してCCD202の撮像領域上に結像される。CCD202は入射する被写体203の反射光を撮像信号として出力する。
この従来のカメラモジュール200は、CCD202から得られる撮像信号を、以後の信号処理が可能となるように増幅するアンプ208と、このアンプ208から与えられる撮像信号をアナログ信号からデジタル信号に変換するA/D変換部209と、このA/D変換部209によりデジタル信号とされた撮像信号に輝度の補正処理を施して、撮像信号のシェーディングを補正するシェーディング補正部210とを有している。
CPU211は、CCD202による撮像の露光タイミングを切り替えるメカシャッター207のシャッタースピードに応じて、シェーディング補正部210によるシェーディング補正の中心位置を変化させる中心位置補正手段として働く。
図19に示すように、両開きのメカシャッター207がCCD202の矩形の長辺方向に対応する開閉方向Hに開閉動作されることにより、CCD202のCCD撮像面202aに入射する被写体203の反射光の光量は、光量特性LのようにCCD撮像面202aのうちレンズ201の周辺部であってメカシャッター207の開閉方向の外周縁部で低下している。
シェーディング補正部210は、レンズ201の周辺部の光量落ちを補正するために設けられたものであり、撮影された画像の中央部分を中心として同心円状に光量特性Lとその逆特性となるシェーディング補正特性Pに示されるようなゲイン特性を持ち、このゲイン特性を、得られた画像データに対して掛ける働きをする。
図20は、特許文献3に開示されている従来のカメラモジュールの要部構成例を模式的に示すブロック図である。
図20において、従来のカメラモジュール(撮像装置)300は、レンズ(光学素子)301、CCDセンサ302、アナログフロントエンド(AFE)303、光軸調整部304、およびビデオアンプ305を備えている。レンズ301は、カメラケース306に設けられており、CCD302、AFE303、光軸調整部304およびビデオアンプ305は、カメラケース306に内蔵されている。カメラモジュール300により撮像された映像は、モニタ(表示部)307に表示されるようになっている。
レンズ301は、被写体からの光を、CCD302に結像するための光学素子である。レンズ301は、フォーカス機能なども有している。
CCD302は、複数の画素がマトリクス状に配置された撮像領域を有している。被写体光が入射されることにより撮像領域上に結像された光学像を電気信号に変換して、アナログの画像信号として出力する。
なお、固体撮像素子としてCCD302を用いているが、CMOSイメージセンサを用いてもよい。
AFE303は、CCD302から得られたアナログ信号をデジタル信号に変換するものである。AFE303は、CCD302から得られたアナログ信号の増幅、および、ノイズ除去などを行う。
光軸調整部304は、CCD302から出力された映像信号(撮像信号)に基づき、CCD302の光軸を調整するためのものであり、例えば、LSI(大規模集積回路:large-scale integration)からなるDSPである。なお、光軸調整部304は、図示しないが、プログラムに従って各種演算処理を行うCPU(中央演算処理装置)、プログラムを格納するROM、各処理過程のデータなどを格納するRAMなども備えている。これにより、光軸調整処理以外にも、カメラモジュール300全体を制御する機能も有している。
ビデオアンプ305は、光軸調整部304から出力された信号を、映像としてモニタ307に映し出すための映像信号に変換する処理を行うものである。つまり、ビデオアンプ305は、映像信号規格に基づき、映像信号を生成する。例えば、日本では、NTSC(National Television System Committee)方式が、テレビジョン放送信号として規格化されている。このため、ビデオアンプ305は、光軸調整部304から出力された信号を、NTSC方式の映像信号に変換する。
カメラモジュール300では、レンズ301を通過した入射光が、CCD302によって光電変換される。CCD302から出力されたアナログ画像信号は、AFE303によりデジタル信号に変換される。AFE303から出力されたデジタル信号は、光軸調整部304の映像信号処理回路(後述)により、必要な帯域データを取り出され、再びアナログ信号に変換される。
これにより、その変換した映像信号が、映像信号線308を介して、液晶ディスプレイ(LCD)などのモニタ307に出力されると、映像がモニタ307に表示される。
ここで、カメラモジュール300において、レンズ301の光軸とCCD302の光軸との光軸が一致していない(つまり「光軸ずれ」が生じている)と、CCD302により撮像された被写体を正確に映し出すことはできない。このため、その光軸ずれを許容範囲内に補正する必要がある。
そこで、カメラモジュール300がテストパターンの光軸チャート309を認識した場合に、光軸のずれを補正する光軸調整モードを実行するようになっている。
テストパターンとしての光軸チャート309は、カメラモジュール300に光軸調整モードを実行させるための、特定の被写体である。光軸チャート309は、図21では、光軸チャート309の水平方向(X方向)および垂直方向(Y方向)のそれぞれの中心を示す中心ライン309aと、図形の形状および色成分の少なくとも一方が互いに異なる4つのイラスト309bとを有している。中心ライン309aは光軸調整用の光軸ラインであり、イラスト309bは光軸チャート309を特徴付けるものである。つまり、光軸チャート309にイラスト309bが描かれていることによって、光軸チャート309は、光軸調整モードを実施するための特定の被写体となる。
光軸チャート309が所定の位置に配置され、CCD302により撮像された被写体が、光学チャート309であることが認識されると、光軸調整部304は、有効撮像面の全映像信号を読み出し、中心ライン309aの光軸ずれが許容範囲309cおよび309d内となるように、有効撮像面の全映像信号から、実効撮像面に等しい映像信号を切り出す光軸調整モードを実行する。
特開2003−255424号公報 特開2006−165894号公報 特開2007−134999号公報
しかしながら、上記図17の従来技術および上記特許文献1〜3では、シェーディング補正を掛ける同心円の中心は画像中心であることが一般的である。そのため、イメージセンサの受光領域の中心と、レンズの光学中心が一致することが望ましいが、例えば基板101に対してイメージセンサ102を装着するときに平面方向にずれが生じる可能性があるし、レンズ103をレンズユニット104内に収容してレンズホルダ106に螺着し、基板101に対して、イメージセンサ102を内部に収容してレンズホルダ106を装着するときにも、イメージセンサ102とレンズ103間で平面方向にずれが生じる可能性がある。このように、組み立てる際にXY方向(平面方向)にずれが生じるため、組み立て精度により、イメージセンサ102の受光領域の中心と、レンズ103の光学中心とは必ずしも一致しない。このため、レンズ103に起因する画像のシェーディング特性の中心位置と、補正の中心位置(イメージセンサ102の中心)にずれが生じ、図21に示すように、そのずれた中心位置が最も明るくなってシェーディング(イメージセンサ出力)にもずれが生じて、DSPによる補正が正規の画像中心位置での補正とはならず、シェーディング補正後の画像全体で輝度バランスの崩れた画像が最終的に出力されて表示画面上で画像表示されることになる。
特に、上記特許文献2では、シャッタースピードに応じてシェーディング補正の中心位置を変化させるものであって、本発明のようにシェーディング補正を掛ける画像中心を求めるものではない。また、上記特許文献3では、テストパターンの光学チャート309を予め設定して実際に表示部に映し出し、光軸調整部304が中心ライン309aの光軸ずれが許容範囲309cおよび309d内となるように光軸調整する必要があって、その許容範囲がラフであれば光軸調整もラフになり、その許容範囲が厳しければ光軸調整も困難なものとなる。これはあくまでテストパターンを実際に表示して光軸調整するものであって、本発明のようにシェーディング補正を掛ける画像中心を求めるものではなく、この光軸調整に工数もかかる。
本発明は、上記従来の問題を解決するもので、画像中心でシェーディング補正することにより、組み立てによる光軸中心ずれ精度を高める必要もなく、より良好なシェーディング補正画像を得ることができる撮像装置および、この撮像装置を、画像入力デバイスとして撮像部に用いたカメラ付き携帯電話装置などの電子情報機器を提供することを目的とする。
本発明の撮像装置は、光学系を通して被写体を撮像する撮像手段と、該撮像手段からの画像データに対して、画面のX方向およびY方向それぞれで、画面1ライン分の輝度値の分解能を低下させ、分解能を低下させた画面1ライン分の輝度値のうちの最も内側の二つの輝度変化点座標を抽出し、最も内側の二つの輝度変化点座標の各中心座標から画像中心位置情報を求めてシェーディング補正処理する信号処理手段とを有するものであり、そのことにより上記目的が達成される。
また、好ましくは、本発明の撮像装置における信号処理手段は、前記撮像手段からの画像データを取り込んで前記画像中心位置情報を求める画像中心位置情報抽出手段と、該画像中心位置情報をシェーディング中心位置情報として用いて撮像画像周辺部分で光量が低下しないようにシェーディング補正処理を行うシェーディング補正手段とを有する。
さらに、好ましくは、本発明の撮像装置における撮像手段は基板上に装着され、前記光学系の集光レンズが装着されたレンズホルダが内部に該撮像手段を収容して該基板上に装着され、前記信号処理手段が、該レンズホルダの近傍の基板上に装着されている。
さらに、好ましくは、本発明の撮像装置におけるレンズホルダの内部に、前記撮像手段と前記集光レンズ間を横切るように、前記集光レンズからの入射光から赤外線をカットする赤外線カットフィルタが配設されている。
さらに、好ましくは、本発明の撮像装置における撮像手段は、被写体光を光電変換する複数の受光部がマトリクス状に配列された撮像領域を有する受光素子である。
さらに、好ましくは、本発明の撮像装置における受光素子からのアナログ撮像信号をデジタルデータに変換するA/D変換手段が設けられ、該A/D変換手段からのデジタルデータを前記画像データとして前記画像中心位置情報の抽出用に用いられる。
さらに、好ましくは、本発明の撮像装置における画像中心位置情報抽出手段は、前記撮像手段からの画像データを取り込む画像データ取込手段と、該画像データ取込手段で取り込んだ画像データから、前記画像中心位置情報の水平中心座標を抽出する水平中心座標抽出手段と、該画像データ取込手段で取り込んだ画像データから、該画像中心位置情報の垂直中心座標を抽出する垂直中心座標抽出手段とを有する。
さらに、好ましくは、本発明の撮像装置における画像中心位置情報抽出手段は、前記水平中心座標抽出手段および前記垂直中心座標抽出手段で抽出した各中心座標の座標値を前記画像中心位置情報として記憶手段に記憶させる座標情報記録制御手段をさらに有する。
さらに、好ましくは、本発明の撮像装置における画像データ取込手段は、前記撮像手段からの画像データの画面全部または画面中央部のデータを取り込む。
さらに、好ましくは、本発明の撮像装置における画像データの画面中央部は、X方向およびY方向の各画面1ライン分の輝度値の分解能をそれぞれ低下させたときに、該X方向およびY方向それぞれの最も内側の二つの輝度変化点座標を少なくとも含む画像中央領域である。
さらに、好ましくは、本発明の撮像装置における水平中心座標抽出手段および垂直中心座標抽出手段はそれぞれ、画面1ライン分の輝度値を抽出する輝度値抽出処理手段と、抽出された画面1ライン分の輝度値の分解能を低下させる輝度値分解能低下処理手段と、分解能を低下させた画面1ライン分の輝度値のうちの最も内側の二つの輝度変化点座標を抽出する輝度変化点座標抽出処理手段と、該最も内側の二つの輝度変化点座標の中心座標をシェーディング中心座標として抽出するシェーディング中心座標抽出処理手段とを有する。
さらに、好ましくは、本発明の撮像装置における輝度値抽出処理手段は、前記撮像手段からのデジタル画像データから、Y座標方向中心部におけるX方向1ライン分の輝度値を横方向に1ライン分だけ抽出すると共に、X座標方向中心部におけるY方向1ライン分の輝度値を縦方向に1ライン分だけ抽出する。
さらに、好ましくは、本発明の撮像装置における輝度値分解能低下処理手段は、X方向1ライン分の輝度値のデジタル画像データからその所定の下位数ビットを取り除いて輝度値分解能を落したX方向1ライン分の輝度値データを抽出すると共に、Y方向1ライン分の輝度値のデジタル画像データからその所定の下位数ビットを取り除いて輝度値分解能を落したY方向1ライン分の輝度値データを抽出する。
さらに、好ましくは、本発明の撮像装置における輝度変化点座標抽出処理手段は、前記輝度値分解能が落とされた1ライン分の輝度値データを順次積分処理して変化点を抽出し、該輝度値データの変化点のうち最も内側の二つの変化点座標を求める。
さらに、好ましくは、本発明の撮像装置におけるシェーディング中心座標抽出処理手段は、前記最も内側の二つの変化点座標X1、X2およびY1、Y2を用いて、X0=X1+(X2−X1)/2の式およびY0=Y1+(Y2−Y1)/2の式から、変化点座標X1,X2およびY1、Y2の画像の中心座標X0、Y0を求める。
さらに、好ましくは、本発明の撮像装置におけるシェーディング補正処理手段は、前記記憶手段に記憶させた画像中心位置情報の各座標値を読み出す座標情報読出手段と、該座標情報読出手段からの画像中心位置情報の各座標値を用いてシェーディング補正処理を行うシェーディング補正処理手段と、シェーディング補正処理後の画像データを出力する画像データ出力手段とを有する。
さらに、好ましくは、本発明の撮像装置におけるシェーディング補正処理は、輝度シェーディング補正処理および色シェーディング補正処理のうちの少なくともいずれかである。
さらに、好ましくは、本発明の撮像装置における画像中心位置情報抽出手段は、前記撮像手段からの均一画像データから光軸中心位置情報を前記画像中心位置情報として検出する。
さらに、好ましくは、本発明の撮像装置はカメラモジュールである。
本発明の電子情報機器は、本発明の上記撮像装置を画像入力デバイスとして撮像部に用いたものであり、そのことにより上記目的が達成される。
上記構成により、以下、本発明の作用を説明する。
本発明においては、光学系を通して被写体を撮像する撮像手段と、この撮像手段からの画像データに対して画像中心位置情報を求めてシェーディング補正処理する信号処理手段とを有している。これによって、画像中心でシェーディング補正するので、組み立てによる光軸中心ずれ精度を高める必要もなく、より良好なシェーディング補正画像を得ることが可能となる。
以上により、本発明のよれば、撮像手段からの画像データに対して画像中心位置情報を求めてシェーディング補正処理するため、組み立てによる光軸中心ずれ精度を高める必要もなく、より良好なシェーディング補正画像を得ることができる。
以下に、本発明の撮像装置の実施形態1〜3をカメラモジュールに適用した場合について図面を参照しながら詳細に説明すると共に、本発明のカメラモジュールの実施形態1〜3のいずれかを画像入力デバイスとして撮像部に用いた電子情報機器を実施形態4として、図面を参照しながら詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明のカメラモジュールの実施形態1の要部構成例を示すブロック図であり、図2は、図1の入力信号処理部およびシェーディング補正処理部の具体的構成例を示すブロック図である。
図1において、本実施形態1のカメラモジュール1は、被写体から集光レンズ2を通った入射光を光電変換して撮像する撮像手段としてのイメージセンサ3と、イメージセンサ3からの画像データに対して画像中心位置を求めてシェーディング補正処理する信号処理手段としてのDSP4とを有している。
イメージセンサ3は、被写体光を光電変換する複数の受光部がマトリクス状に配列された撮像領域を持つ受光素子31と、受光素子31からのアナログ信号である撮像信号をデジタルデータに変換するA/D変換部32とを有している。
DSP4は、A/D変換部32からのデジタルデータ(画像データ)を入力として所定の演算処理を行って画像の中心位置を求める画像中心位置情報抽出手段としての入力信号処理部41と、入力信号処理部41で信号処理した画像の中心位置データを一旦記憶するメモリ42と、シェーディング補正用の制御データが入力されるレジスタ43と、メモリ42からの画像の中心位置データとレジスタ43からのシェーディング補正用の制御データを用いて、画像中心位置情報をシェーディング中心位置情報として用いて撮像画像周辺部分で光量低下を補うようにシェーディング補正処理を行うシェーディング補正処理手段としてのシェーディング補正処理部44とを有している。
入力信号処理部41は、イメージセンサ3からの画像データを取り込む画像データ取込手段としての画像データ取込手段411と、画像データ取込手段411で取り込んだ画像データから、画像中心位置データとしての水平シェーディング中心座標(X,Y)の水平座標(X座標)を抽出する水平中心座標抽出手段としての水平シェーディング中心座標X抽出手段412と、シェーディング中心座標(X,Y)の垂直座標(Y座標)を抽出する垂直中心座標抽出手段としての垂直シェーディング中心座標Y抽出手段413と、水平シェーディングX座標抽出手段412および垂直シェーディングY座標抽出手段413で抽出したシェーディング中心座標(X,Y)の各座標値を画像中心位置データとしてメモリ42に記憶させる座標情報記録制御手段414とを有している。
これらの画像データ取込手段411、水平シェーディング中心座標X抽出手段412および垂直シェーディングY座標抽出手段413により画像中心位置情報抽出手段が構成されており、撮像素子31からの画像データを取り込み、取り込んだ画像データから、画像中心位置情報の水平中心座標を抽出し、また、取り込んだ画像データから、画像中心位置情報の垂直中心座標を抽出する。
これらの水平中心座標抽出手段および垂直中心座標抽出手段はそれぞれ、画面1ライン分の輝度値を抽出する輝度値抽出処理手段(図示せず)と、抽出された画面1ライン分の輝度値の分解能を低下させる輝度値分解能低下処理手段(図示せず)と、分解能を低下させた画面1ライン分の輝度値のうちの最も内側の二つの輝度変化点座標を抽出する輝度変化点座標抽出処理手段(図示せず)と、この最も内側の二つの輝度変化点座標の中心座標をシェーディング中心座標として抽出するシェーディング中心座標抽出処理手段(図示せず)とを有している。
輝度値抽出処理手段は、撮像素子31からのデジタル画像データから、Y座標方向中心部におけるX方向1ライン分の輝度値を横方向に1ライン分だけ抽出すると共に、X座標方向中心部におけるY方向1ライン分の輝度値を縦方向に1ライン分だけ抽出する。
輝度値分解能低下処理手段は、X方向1ライン分の輝度値のデジタル画像データからその所定の下位数ビットを取り除いて輝度値分解能を落したX方向1ライン分の輝度値データを抽出すると共に、Y方向1ライン分の輝度値のデジタル画像データからその所定の下位数ビットを取り除いて輝度値分解能を落したY方向1ライン分の輝度値データを抽出する。
輝度変化点座標抽出処理手段は、輝度値分解能が落とされた1ライン分の輝度値データを順次積分処理して変化点を抽出し、この輝度値データの変化点のうち最も内側の二つの変化点座標を求める。
シェーディング中心座標抽出処理手段は、前記最も内側の二つの変化点座標X1、X2およびY1、Y2を用いて、X0=X1+(X2−X1)/2の式およびY0=Y1+(Y2−Y1)/2の式から、変化点座標X1,X2およびY1、Y2の画像の中心座標X0、Y0を求める
シェーディング補正処理部44は、情報記録制御手段414によりメモリ42に記憶させたシェーディング中心座標(X,Y)の各座標値を読み出す座標情報読出手段441と、座標情報読出手段441からのシェーディング中心座標(X,Y)の各座標値を用いてシェーディング補正処理を行うシェーディング補正処理手段442と、シェーディング補正処理後の画像データを出力する画像データ出力手段443とを有している。
上記構成により、以下、その動作を説明する。
図3は、図2の水平シェーディング中心座標X抽出手段412および垂直シェーディング中心座標Y抽出手段413による画像中心座標抽出処理の一例を示すフロー図である。
まず、ステップS1の画像取込処理では、図4に示す座標(X0,Y0)から座標(Xm,Yn)の白色に代表される単色出力画像情報として、イメージセンサ3からの画像データを取り込む。
次に、ステップS2のX方向1ラインの輝度値抽出処理では、水平シェーディング中心座標X抽出手段412により、イメージセンサ3からのデジタル画像データから、Y座標方向中心部における図4に示すX方向1ラインLXの輝度値を図5に示すように横方向(行方向)に1ライン分だけ抽出する。
続いて、ステップS3の輝度値分解能低下処理では、水平シェーディング中心座標X抽出手段412により、図5のX方向1ラインの輝度値の例えば8ビットのデジタル画像データからその下位数ビット(ここでは8ビットの256階調の下位2ビットまたは4ビット)を取り除いて輝度値分解能を落して一定の幅の変化をなくした後に、図6に示す1ライン分の輝度値データを抽出する。
さらに、ステップS4の輝度変化点座標X1,X2抽出処理では、水平シェーディング中心座標X抽出手段412により、図6の分解能(階調)が落とされた1ライン分の輝度値データから、図7に示すように輝度値データを順次積分処理(演算処理)して変化点を抽出し、その輝度値データの変化点のうち最も中央(最も内側)の変化点座標X1,X2を求める。
その後、ステップS5の水平シェーディング中心座標X0抽出処理では、図7の中央の変化点座標X1,X2を用いて、X0=X1+(X2−X1)/2の式から、変化点座標X1,X2の画像の中心座標X0を演算して求める。
上記ステップS2〜S5の場合と同様にして、ステップS6で、垂直シェーディング中心座標Y抽出手段413により垂直シェーディング中心座標Y0を抽出する。
即ち、まず、Y方向中心1ラインの輝度値抽出処理では、垂直シェーディング中心座標Y抽出手段413により、イメージセンサ3からのデジタル画像データから、X座標方向中心部における図4に示すY方向1ラインLYの輝度値を図5に示すように縦方向(列方向)の1ライン分だけ抽出する。
次に、輝度値分解能低下処理では、垂直シェーディング中心座標Y抽出手段413により、図5のY方向1ラインの輝度値の例えば8ビットのデジタル画像データからその下位数ビットを取り除いて(ここでは8ビットの256階調の下位2ビットまたは4ビットを落とす)、輝度値分解能を落して一定の幅の変化をなくした後に、図6に示す1ライン分の輝度値データを抽出する。
さらに、輝度変化点座標Y1,Y2抽出処理では、垂直シェーディング中心座標Y抽出手段413により、図6のように分解能(階調)が落とされたX方向中央のY方向1ライン分の輝度値データから、図7に示すように輝度値データを順次積分処理(演算処理)して変化点を抽出し、その輝度値データの変化点のうち最も中央(平面視同心円の最も内側)の変化点座標Y1,Y2を求める。
その後、垂直シェーディング中心座標Y0抽出処理では、図7の中央の変化点座標Y1,Y2を用いて、Y0=Y1+(Y2−Y1)/2の式から、変化点座標Y1,Y2の画像の中心座標Y0を演算して求める。
このようにして、水平シェーディング中心座標X抽出手段412により水平シェーディング中心座標X0を抽出すると共に、垂直シェーディング中心座標Y抽出手段413により垂直シェーディング中心座標Y0を抽出して、図8に示すように画像中心のシェーディング中心座標(X0,Y0)を求める。このシェーディング中心座標(X0,Y0)を用いてシェーディング補正を行う。
このように、シェーディング中心座標(X0,Y0)を抽出する際に、イメージセンサ3からの画像データから、図8の点線のように等輝度値の画素を結ぶ等輝度線を抽出(上記変化点を抽出)し、その画像中心のX座標およびY座標をシェーディング中心座標(X0,Y0)として算出して画像の中心位置を略特定することができる。なお、上記手段とは別の手段として、例えば、水平方向(X方向)に輝度値をプロットして得られる山形の曲線(図5の曲線)からピーク位置を検出してX0座標を、また同様に、垂直方向(Y方向)に輝度値をプロットして得られる山形の曲線(図5の曲線)からピーク位置を検出してY0座標を取得し、これをシェーディング中心位置(画像の中心位置)としてシェーディング中心座標(X0,Y0)を略特定することができる。
DSP4には、不揮発性の記憶回路、例えばフラッシュメモリからなるメモリ42が設けられており、上記手段にて得られたシェーディング中心座標(X0,Y0)を、電源を切った場合でも記憶できるようにしておく。
例えばカメラモジュールメーカの出荷検査において白画像に代表される均一画像を撮像し、本実施形態1のカメラモジュール1により、得られた画像データから上記手段にてシェーディング中心座標(X0,Y0)を抽出し、その座標データ(X0,Y0)をDSP4のメモリ42に記録させておく。
実際のユーザでの使用において、DSP4はシェーディング補正を行う際に、上記メモリ42に記録されているシェーディング中心座標(X0,Y0)を呼び出して、その座標データ(X0,Y0)を中心にしてシェーディング補正処理を行う。
したがって、本実施形態1を実施することにより、図9のシェーディング特性図のように、DSP4はシェーディング補正を行う際に、上記メモリ42に記録されているシェーディング中心座標(X0,Y0)を呼び出し、その座標(X0,Y0)を中心にしてシェーディング補正処理を行うことができる。その結果、イメージセンサ3の受光領域(撮像領域)の中心と、レンズ2の光学中心(光軸)が一致していない場合においても、画像全体の輝度が精度よくほぼ均一の画像データを得ることができる。
また、本実施形態1を実施することにより、各カメラモジュール1それぞれで異なるシェーディング中心座標(X0,Y0)に合わせて精度よくシェーディング補正を実施することができる。
さらに、シェーディング補正座標をDSP4に設けた不揮発性の記憶回路であるメモリ42に記録することにより、電源投入の都度にシェーディング中心座標(X0,Y0)を抽出するような手間をかけないで済む。
(実施形態2)
上記実施形態1では、1画像全てについて画像の輝度値の中心位置をシェーディング補正中心として求めたが、本実施形態2では、1画像全てではなく、少なくとも輝度変化点座標X1、X2およびY1,Y2を含む程度の画像中央部分の所定領域を指定して、演算領域を削減する場合について説明する。
図10は、本発明のカメラモジュールの実施形態2の要部構成例を示すブロック図であり、図11は、図10の入力信号処理部およびシェーディング補正処理部の具体的構成例を示すブロック図である。
図10において、本実施形態2のカメラモジュール1Aは、被写体からの画像光を集光レンズ2を通した入射光を光電変換して撮像するイメージセンサ3と、イメージセンサ3からの画像データのうち、少なくとも輝度変化点座標X1、X2およびY1,Y2を含む程度の画像中央部分の所定領域の画像データのみに対して画像中心位置を求めてシェーディング補正処理する信号処理手段としてのDSP4Aとを有している。
イメージセンサ3は、被写体光を光電変換する複数の受光部がマトリクス状に配列された撮像領域を持つ受光素子31と、受光素子31からのアナログ信号である撮像信号をデジタルデータに変換するA/D変換部32とを有している。
DSP4Aは、A/D変換部32からのデジタルデータ(画像データ)のうちの中央部分の画像データのみを入力として演算量を削減して所定の演算処理を行って画像の中心位置を求める入力信号処理部41Aと、入力信号処理部41Aで信号処理した画像の中心位置データを一旦記憶するメモリ42と、シェーディング補正用の制御データが入力されるレジスタ43と、メモリ42からの画像の中心位置データとレジスタ43からのシェーディング補正用の制御データとを用いてシェーディング補正処理を行うシェーディング補正処理部44とを有している。
入力信号処理部41Aは、イメージセンサ3からの1画面分の画像データのうちの1画面中央部分(少なくとも輝度変化点座標X1、X2およびY1,Y2を含む程度の画像中央部分)の画像データを取り込む画像データ取込手段411Aと、画像データ取込手段411Aで取り込んだ1画面中央部分の画像データから、水平シェーディング中心座標(X,Y)の水平座標(X座標)を抽出する水平シェーディング中心座標X抽出手段412と、シェーディング中心座標(X,Y)の垂直座標(Y座標)を抽出する垂直シェーディング中心座標Y抽出手段413と、水平シェーディングX座標抽出手段412および垂直シェーディングY座標抽出手段413で抽出したシェーディング中心座標(X,Y)の各座標値をメモリ42に記憶させる座標情報記録制御手段414とを有している。
シェーディング補正処理部44は、情報記録制御手段414に記憶したシェーディング中心座標(X,Y)の各座標値を読み出す座標情報読出手段441と、座標情報読出手段441からのシェーディング中心座標(X,Y)の各座標値を用いてシェーディング補正処理を行うシェーディング補正処理手段442と、シェーディング補正処理後の画像データを出力する画像データ出力手段443とを有している。
上記構成により、以下、その動作を説明する。
図12は、図11の水平シェーディング中心座標X抽出手段412および垂直シェーディング中心座標Y抽出手段413によるシェーディング中心座標抽出処理の一例を示すフロー図である。
まず、ステップS11の画像取込処理では、図13に示す座標(X0,Y0)から座標(Xm,Yn)の白色に代表される1画面分の単色出力画像情報(図13の点線部分)のうち、これよりも狭い領域の所定画面中央部分の単色出力画像情報(図13の実線部分)として、イメージセンサ3からの画像データの中央部分を取り込む。
次に、ステップS12のX方向1ラインの輝度値抽出処理では、水平シェーディング中心座標X抽出手段412により、イメージセンサ3からの所定の画面中央部分のデジタル画像データから、Y座標方向中心部における図13に示す1ラインLXの輝度値を図14に示すように1ラインの中央部分(実線部分)だけ抽出する。
続いて、ステップS13の輝度値分解能低下処理では、水平シェーディング中心座標X抽出手段412により、図14のX方向1ラインの輝度値の例えば8ビットのデジタル画像データからその下位数ビット(ここでは8ビットの256階調の下位2ビットまたは4ビット)を取り除いて輝度値分解能を落して一定の幅の変化をなくした後に、図15に示す1ライン分の輝度値データを抽出する。
さらに、ステップS14の輝度変化点座標X1,X2抽出処理では、水平シェーディング中心座標X抽出手段412により、図15の分解能(階調)が落とされた1ラインの中央部分の輝度値データから、その輝度値データを順次積分処理(演算処理)して変化点を抽出し、その輝度値データの変化点のうち最も中央(最も内側)の変化点座標X1,X2を求める。要するに、変化点座標X1,X2を含むように、所定の画面中央部分の単色出力画像情報(図13の実線部分)を取り込むようにする。
その後、ステップS15の水平シェーディング中心座標X0抽出処理では、最も中央内側のの変化点座標X1,X2を用いて、X0=X1+(X2−X1)/2の式から、変化点座標X1,X2の画像の中心座標X0を演算して求める。
上記ステップS12〜S15の場合と同様にして、ステップS16で、垂直シェーディング中心座標Y抽出手段413により垂直シェーディング中心座標Y0を抽出する。
以上によって、本実施形態2によれば、画像の中心位置を求めるのに、演算領域を削減して演算量を大幅に低減することができる。
(実施形態3)
上記実施形態1、2では、輝度値のシェーディング補正をする際に画像の中心位置を求めてそれをシェーディング中心座標としてシェーディング補正をする場合について説明したが、本実施形態3では、赤外線(IR)カットフィルタを用いた場合に、3原色(R、GおよびB)のうちの赤色(R)だけが画面周辺部分でレベル落ち(光量落ち)するのを色シェーディング補正する場合について説明する。
図1または図10のメモリ42に記憶した画像の中心位置情報として、シェーディング中心座標(X,Y)を用いて、赤色データの信号レベルのみを、他の緑色データおよび青色データの信号レベルに画面全体で合わせるように赤色シェーディング補正を行う。この場合、各種のデジタル信号処理のうちのカラー信号補間処理後の3原色が揃った後に赤色シェーディング補正を行えばよい。
なお、上記実施形態1または2の輝度値のシェーディング補正と、本実施形態3の赤色の色シェーディング補正とを共に行うこともできる。
(実施形態4)
図16は、本発明の実施形態4として、本発明の実施形態1〜3のいずれかのカメラモジュールを撮像部に用いた電子情報機器の概略構成例を示すブロック図である。
図16において、本実施形態4の電子情報機器50は、上記実施形態1〜3のいずれかのカメラモジュール1,1Aまたは1B(カメラモジュール1Bは上記実施形態3の場合)と、このカメラモジュール1,1Aまたは1Bのいずれかからのカラー画像信号を記録用に所定の信号処理した後にデータ記録可能とする記録メディアなどのメモリ部51と、このカメラモジュール1,1Aまたは1Bのいずれかからのカラー画像信号を表示用に所定の信号処理した後に液晶表示画面などの表示画面上に表示可能とする液晶表示装置などの表示手段52と、このカメラモジュール1,1Aまたは1Bのいずれかからのカラー画像信号を通信用に所定の信号処理をした後に通信処理可能とする送受信装置などの通信手段53とを有している。
この電子情報機器50としては、例えばデジタルビデオカメラ、デジタルスチルカメラなどのデジタルカメラや、監視カメラ、ドアホンカメラ、車載用カメラ(例えば車載用後方監視カメラなど)およびテレビジョン電話用カメラなどの画像入力カメラ、スキャナ、ファクシミリ、カメラ付き携帯電話装置などの画像入力デバイスを有した電子機器が考えられる。
したがって、本実施形態4によれば、カメラモジュール1,1Aまたは1Bのいずれかからのカラー画像信号に基づいて、これを表示画面上に良好に表示したり、これを紙面にて画像出力装置54により良好にプリントアウトしたり、これを通信データとして有線または無線にて良好に通信したり、これをメモリ部51に所定のデータ圧縮処理を行って良好に記憶したり、各種データ処理を良好に行うことができる。また、この電子情報機器50は、これらのメモリ部51、表示手段52、通信手段53および画像出力装置54のうちの少なくともいずれかを有していればよい。
以上により、上記実施形態1〜3によれば、光学系のレンズ2を通して被写体を撮像する撮像素子31と、この撮像素子31からの画像データをA/D変換したデジタルデータに対して画像中心位置情報を求め、画像中心位置情報をシェーディング補正中心位置情報としてシェーディング補正処理する信号処理手段としてのDSP4とを有している。これによって、画像中心でシェーディング補正することができる。このように、撮像素子31からの画像データに対して画像中心位置情報を求めてシェーディング補正処理するため、従来のように光学チャートによる光軸調整を行うことなく、しかも、組み立てによる光軸中心ずれ精度を高めることなく、より良好なシェーディング補正画像を得ることができる。
なお、本実施形態1では、特に説明しなかったが、光学系を通して被写体を撮像する撮像手段と、撮像手段からの画像データに対して画像中心位置情報を求めてシェーディング補正処理する信号処理手段とを有している。これによって、画像中心でシェーディング補正することにより、組み立てによる光軸中心ずれ精度を高める必要もなく、より良好なシェーディング補正画像を得ることができる本発明の目的を達成することができる。
以上のように、本発明の好ましい実施形態1〜4を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態1〜4に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態1〜4の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した特許、特許出願および文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
本発明は、被写体からの画像光を光電変換して撮像するカメラモジュールなどの撮像装置および、この撮像装置としてのカメラモジュールを、画像入力デバイスとして撮像部に用いた例えばデジタルビデオカメラおよびデジタルスチルカメラなどのデジタルカメラや、車載用後方監視カメラなどの画像入力カメラ、スキャナ、ファクシミリ、カメラ付き携帯電話装置などの電子情報機器の分野において、撮像手段からの画像データに対して画像中心位置情報を求めてシェーディング補正処理するため、組み立てによる光軸中心ずれ精度を高める必要もなく、より良好なシェーディング補正画像を得ることができる。
本発明のカメラモジュールの実施形態1の要部構成例を示すブロック図である。 図1の入力信号処理部およびシェーディング補正処理部の具体的構成例を示すブロック図である。 図2の水平シェーディング中心座標X抽出手段および垂直シェーディング中心座標Y抽出手段によるシェーディング中心座標抽出処理の一例を示すフロー図である。 図2の画像データ取込手段が取り込む単色出力画像を示す画面図である。 図2の水平シェーディング中心座標X抽出手段または垂直シェーディング中心座標Y抽出手段による1ライン輝度値抽出処理例を示す輝度値特性曲線図である。 図2の水平シェーディング中心座標X抽出手段または垂直シェーディング中心座標Y抽出手段による1ライン輝度値分解能低下処理例を示す輝度値特性図である。 図2の水平シェーディング中心座標X抽出手段または垂直シェーディング中心座標Y抽出手段による1ライン輝度変化点座標X1,X2抽出処理例を示す輝度値特性図である。 図2の水平シェーディング中心座標X抽出手段または垂直シェーディング中心座標Y抽出手段による1ライン輝度変化点座標X1,X2抽出処理例を示す輝度値特性の平面図である。 図1のシェーディング補正処理部によるシェーディング特性を示すシェーディング特性図である。 本発明のカメラモジュールの実施形態2の要部構成例を示すブロック図である。 図10の入力信号処理部およびシェーディング補正処理部の具体的構成例を示すブロック図である。 図11の水平シェーディング中心座標X抽出手段および垂直シェーディング中心座標Y抽出手段によるシェーディング中心座標抽出処理の一例を示すフロー図である。 図11の画像データ取込手段が取り込む単色出力画像を示す画面図である。 図11の水平シェーディング中心座標X抽出手段または垂直シェーディング中心座標Y抽出手段による1ライン輝度値抽出処理例を示す輝度値特性曲線図である。 図11の水平シェーディング中心座標X抽出手段または垂直シェーディング中心座標Y抽出手段による1ライン輝度値分解能低下処理例を示す輝度値特性図である。 本発明の実施形態4として、本発明の実施形態1〜3のいずれかのカメラモジュールを撮像部に用いた電子情報機器の概略構成例を示すブロック図である。 従来のカメラモジュールの要部構成例を模式的に示す縦断面図である。 特許文献2に開示されている従来のカメラモジュールの要部構成例を模式的に示すブロック図である。 メカシャッターによる光量特性に応じたシェーディング補正特性を示す図である。 特許文献3に開示されている従来のカメラモジュールの要部構成例を模式的に示すブロック図である。 受光領域中心とシェーディング特性中心とが異なる場合のシェーディング特性を示すシェーディング特性図である。
符号の説明
1、1A、1B カメラモジュール
2 集光レンズ
3 イメージセンサ
4 DSP(信号処理部)
41 入力信号処理部
411 画像データ取込手段
412 水平シェーディング中心座標X抽出手段
413 垂直シェーディング中心座標Y抽出手段
414 座標情報記録制御手段
42 メモリ
43 レジスタ
44 シェーディング補正処理部
441 座標情報読出手段
442 シェーディング補正処理手段
443 画像データ出力手段
31 受光素子
32 A/D変換部
50 電子情報機器
51 メモリ部
52 表示手段
53 通信手段
54 画像出力装置

Claims (20)

  1. 光学系を通して被写体を撮像する撮像手段と、
    該撮像手段からの画像データに対して、画面のX方向およびY方向それぞれで、画面1ライン分の輝度値の分解能を低下させ、分解能を低下させた画面1ライン分の輝度値のうちの最も内側の二つの輝度変化点座標を抽出し、最も内側の二つの輝度変化点座標の各中心座標から画像中心位置情報を求めてシェーディング補正処理する信号処理手段とを有する撮像装置。
  2. 前記信号処理手段は、
    前記撮像手段からの画像データを取り込んで前記画像中心位置情報を求める画像中心位置情報抽出手段と、
    該画像中心位置情報をシェーディング中心位置情報として用いて撮像画像周辺部分で光量が低下しないようにシェーディング補正処理を行うシェーディング補正手段とを有する請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記撮像手段は基板上に装着され、前記光学系の集光レンズが装着されたレンズホルダが内部に該撮像手段を収容して該基板上に装着され、前記信号処理手段が、該レンズホルダの近傍の基板上に装着されている請求項1または2に記載の撮像装置。
  4. 前記レンズホルダの内部に、前記撮像手段と前記集光レンズ間を横切るように、前記集光レンズからの入射光から赤外線をカットする赤外線カットフィルタが配設されている請求項3に記載の撮像装置。
  5. 前記撮像手段は、被写体光を光電変換する複数の受光部がマトリクス状に配列された撮像領域を有する受光素子である請求項1または2に記載の撮像装置。
  6. 前記受光素子からのアナログ撮像信号をデジタルデータに変換するA/D変換手段が設けられ、該A/D変換手段からのデジタルデータを前記画像データとして前記画像中心位置情報の抽出用に用いられる請求項1または2に記載の撮像装置。
  7. 前記画像中心位置情報抽出手段は、
    前記撮像手段からの画像データを取り込む画像データ取込手段と、
    該画像データ取込手段で取り込んだ画像データから、前記画像中心位置情報の水平中心座標を抽出する水平中心座標抽出手段と、
    該画像データ取込手段で取り込んだ画像データから、該画像中心位置情報の垂直中心座標を抽出する垂直中心座標抽出手段とを有する請求項2に記載の撮像装置。
  8. 前記画像中心位置情報抽出手段は、
    前記水平中心座標抽出手段および前記垂直中心座標抽出手段で抽出した各中心座標の座標値を前記画像中心位置情報として記憶手段に記憶させる座標情報記録制御手段をさらに有する請求項7に記載の撮像装置。
  9. 前記画像データ取込手段は、前記撮像手段からの画像データの画面全部または画面中央部のデータを取り込む請求項7に記載の撮像装置。
  10. 前記画像データの画面中央部は、X方向およびY方向の各画面1ライン分の輝度値の分解能をそれぞれ低下させたときに、該X方向およびY方向それぞれの最も内側の二つの輝度変化点座標を少なくとも含む画像中央領域である請求項9に記載の撮像装置。
  11. 前記水平中心座標抽出手段および垂直中心座標抽出手段はそれぞれ、
    画面1ライン分の輝度値を抽出する輝度値抽出処理手段と、抽出された画面1ライン分の輝度値の分解能を低下させる輝度値分解能低下処理手段と、分解能を低下させた画面1ライン分の輝度値のうちの最も内側の二つの輝度変化点座標を抽出する輝度変化点座標抽出処理手段と、該最も内側の二つの輝度変化点座標の中心座標をシェーディング中心座標として抽出するシェーディング中心座標抽出処理手段とを有する請求項7に記載の撮像装置。
  12. 前記輝度値抽出処理手段は、前記撮像手段からのデジタル画像データから、Y座標方向中心部におけるX方向1ライン分の輝度値を横方向に1ライン分だけ抽出すると共に、X座標方向中心部におけるY方向1ライン分の輝度値を縦方向に1ライン分だけ抽出する請求項11に記載の撮像装置。
  13. 前記輝度値分解能低下処理手段は、X方向1ライン分の輝度値のデジタル画像データからその所定の下位数ビットを取り除いて輝度値分解能を落したX方向1ライン分の輝度値データを抽出すると共に、Y方向1ライン分の輝度値のデジタル画像データからその所定の下位数ビットを取り除いて輝度値分解能を落したY方向1ライン分の輝度値データを抽出する請求項11に記載の撮像装置。
  14. 前記輝度変化点座標抽出処理手段は、前記輝度値分解能が落とされた1ライン分の輝度値データを順次積分処理して変化点を抽出し、該輝度値データの変化点のうち最も内側の二つの変化点座標を求める請求項11に記載の撮像装置。
  15. 前記シェーディング中心座標抽出処理手段は、前記最も内側の二つの変化点座標X1、X2およびY1、Y2を用いて、X0=X1+(X2−X1)/2の式およびY0=Y1+(Y2−Y1)/2の式から、変化点座標X1,X2およびY1、Y2の画像の中心座標X0、Y0を求める請求項11に記載の撮像装置。
  16. 前記シェーディング補正処理手段は、
    前記記憶手段に記憶させた画像中心位置情報の各座標値を読み出す座標情報読出手段と、該座標情報読出手段からの画像中心位置情報の各座標値を用いてシェーディング補正処理を行うシェーディング補正処理手段と、シェーディング補正処理後の画像データを出力する画像データ出力手段とを有する請求項8に記載の撮像装置。
  17. 前記シェーディング補正処理は、輝度シェーディング補正処理および色シェーディング補正処理のうちの少なくともいずれかである請求項2に記載の撮像装置。
  18. 前記画像中心位置情報抽出手段は、前記撮像手段からの均一画像データから光軸中心位置情報を前記画像中心位置情報として検出する請求項2に記載の撮像装置。
  19. カメラモジュールである請求項3または4に記載の撮像装置。
  20. 請求項1〜19のいずれかに記載の撮像装置を画像入力デバイスとして撮像部に用いた電子情報機器。
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