JP4665508B2 - 印刷用画像処理装置 - Google Patents
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Description
このようなインクジェットプリンタは、一般に、インクカートリッジと印字ヘッドとが一体的に備えられたキャリッジなどと称される移動体が印刷媒体(用紙)上をその紙送り方向の左右に往復しながらその印字ヘッドのノズルから液体インクの粒子をドット状に吐出(噴射)出力することで、印刷用紙上に所定の文字や画像を描画して所望の印刷物を作成するようになっている。そして、このキャリッジに黒色(ブラック)を含めた4色(イエロー、マゼンタ、シアン)のインクカートリッジと各色毎の印字ヘッドを備えることで、モノクロ印刷のみならず、各色を組み合わせたフルカラー印刷も容易に行えるようになっている(更に、これらの各色に、ライトシアンやライトマゼンタなどを加えた6色や7色、或いは8色のものも実用化されている)。
特に、このようなバンディング現象は、前述したような「マルチパス型プリンタ」の場合よりも、印字ヘッドが固定(1パス印刷)で、且つノズルの数がマルチパス型プリンタよりも格段に多い「ラインヘッド型プリンタ」の方に顕著に発生し易い(マルチパス型プリンタでは、印字ヘッドを何回も往復させることを利用して白スジを目立たなくする技術がある)。
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたものであり、印字走査方向上の二以上のノズルで同一の位置に同一の色のインクドットを出力可能なインクジェットプリンタでバンディング現象を効果的に低減可能な印刷用画像処理装置を提供することを目的とするものである。
ここでいう「バンディング現象」とは、「飛行曲がり現象」などによって「白スジ」や「濃いスジ」が発生する現象をいう。「飛行曲がり現象」とは、単なる一部のノズルの不吐出現象とは異なり、インクは吐出するものの、その一部のノズルの吐出方向が傾くなどしてドットが目標位置よりずれて形成されてしまう現象をいう。また、「白スジ」とは、「飛行曲がり現象」などによって隣接ドット間の距離が所定の距離よりも広くなる現象が連続的に発生して印刷媒体の下地の色がスジ状に目立ってしまう部分(領域)をいい、また、「濃いスジ」とは、同じく「飛行曲がり現象」などによって隣接ドット間の距離が所定の距離よりも狭くなる現象が連続的に発生して印刷媒体の下地の色が見えなくなったり、或いはドット間の距離が短くなることによって相対的に濃く見えたり、更にはずれて形成されたドットの一部が正常なドットと重なり合ってその重なり合った部分が濃いスジ状に目立ってしまう部分(領域)をいう。
この発明5の印刷用画像処理装置によれば、印刷対象となる画像情報の一画素の一つの色成分の階調に応じて一つのノズルで該当する色のインクドットを出力する構成としたため、印刷対象となる画像情報の一画素の一つの色成分に該当するインクドットを一つのノズルで出力したり、二以上のノズルで出力したりすることにより、夫々のインク出力特性に応じたインクドットをばらつかせ、これにより所定範囲の画像データの視覚特性を保持しながら、バンディング現象を効果的に低減することができる。
この発明6の印刷用画像処理装置によれば、印刷対象となる画像情報の一画素の一つの色成分に該当するインクドットを一つのノズルで出力する形態と、二以上のノズルで出力する形態とを交互に又は順番に又は乱数的に選択する構成としたため、夫々のインク出力特性に応じたインクドットを効果的にばらつかせ、これにより所定範囲の画像データの視覚特性を保持しながら、バンディング現象を効果的に低減することができる。
図1は、本実施形態の印刷用画像処理装置を適用したインクジェットプリンタとそれを駆動するためのホストコンピュータを表している。ホストコンピュータ6は、パーソナルコンピュータを始めとして各種のコンピュータが適用可能である。本実施形態のインクジェットプリンタは、前述したラインヘッド型プリンタ1であり、例えば図2に示すように、予め設定された色のインクを出力するノズル5を印字走査方向と交差する方向に直線状に複数配設してノズルラインを構成し、このノズルラインを印字走査方向に2列ずつ(複数)互いに重合するように配設してラインヘッド(図1ではヘッドユニット)2が構成されている。本実施形態のラインヘッド型プリンタ1は、ヘッドユニット2によるインク出力状態を制御するプリンタ制御部3及びヘッドユニット2の各ノズル5の出力特性を記憶するノズル出力特性記憶部(ノズル出力特性記憶手段)4を備えている。このうち、プリンタ制御部3はマイクロコンピュータなどの演算処理装置で構成され、ノズル出力特性記憶部4はROM、RAMなどの記憶装置で構成されている。つまり、これらの制御装置や記憶装置も、コンピュータシステムで構築されている。
ステップS17では、下記2式に従って、分割したB列ノズルの要求濃度値PB[x,y]を算出してからステップS18に移行する。なお、算出されたB列ノズルの要求濃度値PB[x,y]については、四捨五入などによって、出力可能値、つまりドットサイズS又はドットサイズMに相当する濃度値40%又は80%にクリッピングする(まとめる)。
一方、ステップS15では、注目画素座標[x,y]の要求濃度値P[x,y]をA列又はB列のノズルに乱数的に割り当ててからステップS18に移行する。ステップS18では、全ての画素についてインクドット出力指令値の設定処理を行ったか否かを判定し、全ての画素を処理した場合には図4の演算処理のステップS6に移行し、そうでない場合にはステップS12に移行する。
また、印刷対象となる画像情報の一画素の一つの色成分の階調が維持されるように、印字走査方向上の二以上のノズルから出力するインクドットの大きさ又はその大きさに応じた濃度相当のインクドット出力指令値を設定することとしたため、所定範囲の画像データの視覚特性が保持され、印刷された画像情報と入力された画像情報とを整合することができる。
また、前記各実施形態では、一つの色のインクに対してノズルラインが2列配列されたものについて説明したが、本発明の印刷用画像処理装置に適するインクジェットプリンタは、例えばノズルラインの一部がオーバラップし、少なくともその部分では、2つ以上のノズルブロックで同一の位置に同一の色のインクを出力することが可能であれば、そのような部分にのみ適用することも可能である。
Claims (3)
- 予め設定された色のインクを出力するノズルを、記録材とノズルとの相対移動方向である印字走査方向と交差する方向に直線状に複数配設してノズルラインを構成し、このノズルラインを前記印字走査方向に互いに重合するように複数配設し、各ノズルラインのノズルで同一の色のインクドットを同一の位置に出力できるようにしたインクジェットプリンタの印刷用画像処理装置であって、印刷対象となる画像情報の一画素の一つの色成分を所定の階調で表現するために、印字走査方向上の二以上のノズルで同一の位置に同一の色のインクドットを出力する重ね打ち制御手段と、前記同一の位置に同一の色のインクドットを出力する二以上のノズルのインクドットの理想形成位置と実際の形成位置とのずれ量であるインク出力特性を記憶するインク出力特性記憶手段と、を備え、
前記重ね打ち制御手段は、前記印刷対象となる画像情報の一画素の一つの色成分の階調が維持されるように、前記印字走査方向上の二以上のノズルから出力するインクドットの大きさ又はその大きさに応じた濃度相当のインクドット出力指令値を設定するインクドット出力指令値設定手段を備え、
前記インクドット出力指令値設定手段は、要求濃度値に相当するドットサイズを各ノズルから出力可能なドットサイズのインクドットに分割して、分割した各ドットサイズを前記二以上のノズルから出力することにより、当該要求濃度値に相当するインクドットを形成できる場合には、前記インク出力特性の逆比を重み付けした要求濃度値の平均値により重ね打ちするための前記インクドット出力指令値を設定することを特徴とする印刷用画像処理装置。 - 前記重ね打ち制御手段は、印刷対象となる画像情報の一画素の一つの色成分の階調に応じて一つのノズルで該当する色のインクドットを出力する非重ね打ち制御手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の印刷用画像処理装置。
- 前記重ね打ち制御手段は、非重ね打ち制御手段によるインクドットの出力形態と、印字走査方向上の二以上のノズルで同一の位置に同一の色のインクドットを出力する出力形態とを交互に又は順番に又は乱数的に選択することを特徴とする請求項2に記載の印刷用画像処理装置。
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