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JP4665506B2 - インクジェットプリンタ - Google Patents

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Description

本発明は、複数色の液体インクの微粒子を印刷用紙(記録材)上に吐出出力して所定の文字や画像を描画するようにしたインクジェットプリンタに関し、特に予め設定された色のインクを吐出出力するノズルを印字走査方向と直交方向に直線状に複数配設するラインヘッド型のインクジェットプリンタに好適なものである。
このようなインクジェットプリンタは、一般に安価で且つ高品質のカラー印刷物が容易に得られることから、パーソナルコンピュータやデジタルカメラなどの普及に伴い、オフィスのみならず一般ユーザにも広く普及してきている。
このようなインクジェットプリンタは、一般に、インクカートリッジと印字ヘッドとが一体的に備えられたキャリッジなどと称される移動体が印刷媒体(用紙)上をその紙送り方向の左右に往復しながらその印字ヘッドのノズルから液体インクの粒子をドット状に吐出(噴射)出力することで、印刷用紙上に所定の文字や画像を描画して所望の印刷物を作成するようになっている。そして、このキャリッジに黒色(ブラック)を含めた4色(イエロー、マゼンタ、シアン)のインクカートリッジと各色毎の印字ヘッドを備えることで、モノクロ印刷のみならず、各色を組み合わせたフルカラー印刷も容易に行えるようになっている(更に、これらの各色に、ライトシアンやライトマゼンタなどを加えた6色や7色、或いは8色のものも実用化されている)。
また、このようにキャリッジ上の印字ヘッドを紙送り方向の左右(印刷用紙の幅方向)に往復させながら印刷を実行するようにしたタイプのインクジェットプリンタでは、1頁全体をきれいに印刷するために印字ヘッドを数十回から100回以上も往復動させる必要があるため、他の方式の印刷装置、例えば複写機などのような電子写真技術を用いたレーザプリンタなどに比べて大幅に印刷時間がかかるといった欠点がある。
これに対し、印刷用紙の幅と同じ寸法の長尺の印字ヘッドを配置してキャリッジを使用しないタイプのインクジェットプリンタでは、印字ヘッドを印刷用紙の幅方向に移動させる必要がなく、所謂1パスでの印刷が可能となるため、前記レーザプリンタと同様な高速な印刷が可能となる。また、印字ヘッドを搭載するキャリッジやこれを移動させるための駆動系などが不要となるため、プリンタ筐体の小型・軽量化が可能となり、更に静粛性も大幅に向上すると行った利点も有している。なお、前者方式のインクジェットプリンタを一般に「マルチパス型プリンタ」、後者方式のインクジェットプリンタを一般に「ラインヘッド型プリンタ」と呼んでいる。
ところで、このようなインクジェットプリンタに不可欠な印字ヘッドは、直径が10〜70μm程度の微細なノズルを一定の間隔で直列、又は印刷方向に多段に配設してなるものであるため、製造誤差によって一部のノズルのインクの吐出方向が傾いてしまったり、ノズルの位置が理想位置と外れた位置に配置されてしまったりするために、そのノズルで形成されるドットが目標点よりもずれてしまうといった問題は回避できていない。
そこで、以下に示す特許文献1では、印字ヘッド毎のインク吐出特性情報又はその吐出特性に応じた色変換テーブルをインクジェットプリンタ内の記憶部に記憶しておき、所謂RGB画像を前記4色の液体インクに対応する印刷画像に変換する際、このインク吐出特性を読み出し、それを参照しながら色変換を行うようにしている。つまり、この特許文献1に記載されるインクジェットプリンタでは、印字ヘッドに配設される全てのノズルについて吐出(以下、出力と称す)特性情報を記憶する。
特開2003−341110号公報
しかしながら、前記特許文献1に記載されるインクジェットプリンタでは、印字ヘッドに配設される全てのノズルについて出力特性情報を記憶する必要があるため、例えば予め設定された色のインクを出力するノズルを印字走査方向と直交方向に直線状に複数配設してノズルラインを構成し、このノズルラインを印字走査方向に複数配設してラインヘッドを構成するような場合には、記憶すべきノズルの出力特性情報が、ノズルライン数倍されることになり、記憶すべきノズルの出力特性情報が多いという問題が生じる。
本発明は、上記のような問題点に着目してなされたものであり、記憶すべきノズルの出力特性情報の量を低減することが可能なインクジェットプリンタを提供することを目的とするものである。
[発明1]上記課題を解決するために、発明1のインクジェットプリンタは、予め設定された色のインクを出力するノズルを印字走査方向と交差する方向に直線状に複数配設してノズルラインを構成し、このノズルラインを走査方向に互いに重合するように複数配設してラインヘッドを構成して、各ノズルラインのノズルで同一の色のインクを同一の位置に出力できるようにしたインクジェットプリンタにおいて、印刷対象となる画像情報の一画素の一つの色成分を所定の階調で表現するために必要な最小限のノズル又はノズルの組合せをノズルブロックとし且つ印字走査方向上の二以上のノズルブロックで同一の位置に同一の色のインクを出力する重ね打ち制御手段と、前記同一の位置に同一の色のインクを出力する二以上のノズルブロックのインク出力特性の合計値をそれらのノズルブロックのインク出力特性として記憶するインク出力特性記憶手段と、前記インク出力特性記憶手段で記憶されているインク出力特性に基づいて、前記同一の位置に同一の色のインクを出力する二以上のノズルブロックのうちの一部のノズルブロックについてのみ、ノズルインク出力を補正するインク出力補正手段とを備えたことを特徴とするものである。
この発明1のインクジェットプリンタによれば、インク出力特性記憶手段は、同一の位置に同一の色のインクを出力する二以上のノズルブロックのインク出力特性の合計値をそれらのノズルブロックのインク出力特性として記憶すればよいので、それらの統合されるノズルブロックの数分だけ、記憶すべきインク出力特性の量を低減することができる。勿論、同一の位置に同一の色のインクを出力する二以上のノズルブロックのうちの一部のノズルブロックについてのみ、ノズルインク出力を補正し、その二以上のノズルブロックで同一の位置に同一の色のインクを出力することにより、同一の位置に同一の色のインクを出力する全てのノズルブロックによるノズルインク出力を適正なものとすることができる。
[発明2]発明2のインクジェットプリンタは、前記発明1のインクジェットプリンタにおいて、前記インク出力補正手段は、前記同一の位置に同一の色のインクを出力する二以上のノズルブロックのうち、前記ノズルインク出力を補正する一部のノズルブロックを交互に又は順番に又は乱数的に設定することを特徴とするものである。
この発明2のインクジェットプリンタによれば、ノズルインク出力の補正されるノズルブロックが連続することや、ノズルインク出力の補正されないノズルブロックが連続することを回避することができ、これにより例えばバンディング現象などの印刷不具合を低減することが可能となる。
ここでいう「バンディング現象」とは、「飛行曲がり現象」などによって「白スジ」や「濃いスジ」が発生する現象をいう。「飛行曲がり現象」とは、単なる一部のノズルの不吐出現象とは異なり、インクは吐出するものの、その一部のノズルの吐出方向が傾くなどしてドットが目標位置よりずれて形成されてしまう現象をいう。また、「白スジ」とは、「飛行曲がり現象」などによって隣接ドット間の距離が所定の距離よりも広くなる現象が連続的に発生して印刷媒体の下地の色がスジ状に目立ってしまう部分(領域)をいい、また、「濃いスジ」とは、同じく「飛行曲がり現象」などによって隣接ドット間の距離が所定の距離よりも狭くなる現象が連続的に発生して印刷媒体の下地の色が見えなくなったり、或いはドット間の距離が短くなることによって相対的に濃く見えたり、更にはずれて形成されたドットの一部が正常なドットと重なり合ってその重なり合った部分が濃いスジ状に目立ってしまう部分(領域)をいう。
[発明3]発明3のインクジェットプリンタは、予め設定された色のインクを出力するノズルを印字走査方向と交差する方向に直線状に複数配設してノズルラインを構成し、このノズルラインを走査方向に互いに重合するように複数配設してラインヘッドを構成して、各ノズルラインのノズルで同一の色のインクを同一の位置に出力できるようにしたインクジェットプリンタにおいて、印刷対象となる画像情報の一画素の一つの色成分を所定の階調で表現するために必要な最小限のノズル又はノズルの組合せをノズルブロックとし且つ印字走査方向上の二以上のノズルブロックで同一の位置に同一の色のインクを出力する重ね打ち制御手段と、前記同一の位置に同一の色のインクを出力する二以上のノズルブロックのインク出力特性の平均値をそれらのノズルブロックのインク出力特性として記憶するインク出力特性記憶手段と、前記インク出力特性記憶手段で記憶されているインク出力特性に基づいて、前記同一の位置に同一の色のインクを出力する二以上のノズルブロックの全てのノズルブロックのノズルインク出力を補正するインク出力補正手段とを備えたことを特徴とするものである。
この発明3のインクジェットプリンタによれば、インク出力特性記憶手段は、同一の位置に同一の色のインクを出力する二以上のノズルブロックのインク出力特性の平均値をそれらのノズルブロックのインク出力特性として記憶すればよいので、それらの統合されるノズルブロックの数分だけ、記憶すべきインク出力特性の量を低減することができる。勿論、同一の位置に同一の色のインクを出力する二以上のノズルブロックの全てのノズルブロックのノズルインク出力を補正し、その二以上のノズルブロックで同一の位置に同一の色のインクを出力することにより、同一の位置に同一の色のインクを出力する全てのノズルブロックによるノズルインク出力を適正なものとすることができる。
次に、本発明のインクジェットプリンタの第1実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態のインクジェットプリンタとそれを駆動するためのホストコンピュータを表している。ホストコンピュータ6は、パーソナルコンピュータを始めとして各種のコンピュータが適用可能である。本実施形態のインクジェットプリンタは、前述したラインヘッド型プリンタ1であり、例えば図2に示すように、予め設定された色のインクを出力するノズル5を印字走査方向と交差する方向に直線状に複数配設してノズルラインを構成し、このノズルラインを印字走査方向に2列ずつ(複数)互いに重合するように配設してラインヘッド(図1ではヘッドユニット)2が構成されている。本実施形態のラインヘッド型プリンタ1は、ヘッドユニット2によるインク出力状態を制御するプリンタ制御部3及びヘッドユニット2の各ノズル5の出力特性を記憶するノズル出力特性記憶部(ノズル出力特性記憶手段)4を備えている。このうち、プリンタ制御部3はマイクロコンピュータなどの演算処理装置で構成され、ノズル出力特性記憶部4はROM、RAMなどの記憶装置で構成されている。つまり、これらの制御装置や記憶装置も、コンピュータシステムで構築されている。
図2は、前述したラインヘッド型のヘッドユニット2であり、前述したシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の各色毎に、ノズルラインを印字走査方向に二列ずつ備えている。実際のノズルラインは、印刷用紙上を1パスで印刷するので、図示するよりも遙かにノズル数が多く、長さ(幅)も大きい。そして、各色の2つのノズルラインのノズル5で同一の色のインクを同一の位置に出力できるようにした。なお、以後、1つの色に対して2列に配設されたノズルラインのうち、図3に示すように、印字走査方向手前側のノズルラインの列をA列、印字走査方向先方側のノズルラインの列をB列と定義し、更に図示左方から右方に向けてノズル番号を0,1,2…の順に附すものとする。また、本実施形態では、1つのノズルが1つのノズルブロックを形成する。即ち、本実施形態の1つのノズルは、印刷対象となる画像情報の1画素の1つの色成分を所定の階調(この場合は全階調)で表現することができる。換言すれば、印刷対象となる画像情報の1画素の1つの色成分を所定の階調(この場合は全階調)で表現するために必要な最小限のノズル数は1つということになる。
図4は、前記プリンタ制御部で行われる演算処理の機能ブロック図である。このプリンタ制御部では、ステップS1でRGB画像データを読み込む。このRGB画像データは、例えば1画素あたりの各色(R、G、B)毎の階調(輝度値)が8ビット(0〜255)で表現される多値の画像データとしてホストコンピュータから読み込まれる。次のステップS2では、前記ステップS1で読み込まれたRGB画像データを前述した4色のCMYK色に変換してCMYK画像データを得る。次のステップS3では、後述するようにして前記ノズル出力特性記憶部に記憶されているノズル出力特性を読み出す。次のステップS4では、後述するようにして、前記ステップS3で読み出されたノズル出力特性に基づいて各ノズルへの濃度値の補正を行う。このステップS4が、前記プリンタ制御部3内に構築されるインク出力補正手段を構成している。
次のステップS5では、前記CMYK画像データを構成する各画素の2値化処理を行う。この2値化処理とは、例えば画像データを構成する任意の1画素に注目し、その注目画素に対してドットを打つ、つまりノズルから液体インクを吐出出力するか否かの所謂2値化処理を実行すると共に、その2値化処理によって発生した画素の誤差について通常のデータ変換と同様に所定の誤差拡散マトリックスに基づいた誤差拡散処理を実行する。この誤差拡散処理とは、多値のデータを或る閾値を境に2値化処理する際に、その閾値との差を捨ててしまうのではなく、誤差としてこれから処理する複数の画素に拡散させて活用するようにしたものである。例えば、処理対象となる注目画素が8ビット(256階調)で表現可能で且つその階調が「101」であった場合、通常の2値化処理では、その階調は閾値(中間値)である「127」に満たないため、「0」即ちドットを形成しない画素として処理されてしまい、「101」は、そのまま捨てられてしまう。
これに対し、誤差拡散処理の場合は、その「101」が所定の誤差拡散マトリックスに従ってその周囲の未処理の画素に対して拡散されることになるため、例えば、注目画素の右隣の画素が通常の2値化処理のみでは注目画素と同じく閾値に満たないことから「ドットを形成しない」として処理されてしまっていたのが、注目画素の誤差を受け取ることによってその画素値が閾値を超えて「ドットを形成する」というような取り扱いを受けることになり、より元の画像データに近い2値化データを得ることが可能となる。そして、このようにして注目画素についての誤差拡散処理が終了したならば、その2値化処理の結果、その注目画素の位置にドットが形成されるか否かを判定する。
そして、次のステップS6では、前記ステップS5の2値化処理結果に基づいて、ヘッドユニットへ信号出力を行う。
次に、本実施形態でのノズル出力特性の内容と、その記憶方法について説明する。本実施形態では、ノズル1つが1つのノズルブロックを形成しているので、印字走査方向上の2つのノズルブロックは、印字走査方向上に並んでいる2つのノズルに他ならない。そして、本実施形態では、印字走査方向に並んでいる2つのノズルブロック(=ノズル)で夫々1回ずつ、同一の位置に同一の色のインクを計2回出力するように所謂重ね打ち制御すると共に、各ノズル(又はノズルブロック)へのインク出力指令信号として、濃度値を出力する。濃度値は、例えば後述の図8に示すドットの大きさであったり、或いは面積階調値であったりするが、何れにしても濃度値が大きいほど、見た目の色の濃度が濃く、濃度値が小さいほど、見た目の色の濃度が薄いことを意味する。
例えば図5に示すように、要求濃度値が「100」である場合には、各ノズルブロックに分割する要求濃度値を「50」とし、その要求濃度値に対する各ノズルブロック(=ノズル)A0、B0、A1、B1の実際の濃度値(図では印字濃度値)が、夫々、「60」、「55」、「55」、「40」であったとする。本実施形態では、各ノズルブロック(=各ノズル)の要求濃度値に対する印字濃度値の誤差を、当該要求濃度値に対するバラツキ(%)として求め、印字走査方向上の2つのノズルブロック(=2つのノズル)のバラツキの合計値をそれらのノズルブロック(=それらのノズル)のインク出力特性のノズル特性値Sとして、前記ノズル出力特性記憶部に記憶する。従って、全てのノズルブロックのインク出力特性を記憶する場合に比して、記憶すべきインク出力特性の量は半減する。もし、ノズルブロックが複数のノズルで構成される場合には、全てのノズルのインク出力特性を記憶する場合に比して、更に記憶すべきインク出力特性の量が低減する。
この場合には、ノズルブロック(=ノズル)A0及びノズルブロック(=ノズル)B0に関しては、両者の印字濃度バラツキの合計値である「30%」を特性値Sとして代表して記憶し、ノズルブロック(=ノズル)A1及びノズルブロック(=ノズル)B1に関しては、両者の印字濃度バラツキの合計値である「−10%」を特性値Sとして代表して記憶する。これらのノズル特性値Sを用い、補正前の要求濃度値Nを(1−S/100)で除して、補正後の要求濃度値Nとする。
前述したように、本実施形態では、例えば1つの色に対して、前記「A列」のノズルブロック(=ノズル)からもインクを出力し、続けて前記「B列」のノズルブロック(=ノズル)からもインクを出力する、といったように、2つのノズルラインでインクを重ね打ちする。先に出力されたインクが乾燥する前に、同じ位置にインクを出力すると、それらのインクの総量を1つのノズルで出力した結果と同等になる。そして、何れか一方のノズルブロック(=ノズル)の要求濃度値Nは補正せず、他方のノズルブロック(=ノズル)の要求濃度値Nを、前述のようにして補正する。
従って、図5の「補正対象ノズルブロックの選択(その1)」のように「B列」のノズルブロック(=ノズル)の要求濃度値Nだけを補正する場合には、補正前の要求濃度値が「50」である場合のノズルブロック(=ノズル)A0及びノズルブロック(=ノズル)B0の補正後の要求濃度値は夫々「50(補正なし)」、「38」であり、それらの補正後の印字濃度値は夫々「60」、「42」となり、合計では「102」となる。また、同じく「B列」のノズルブロック(=ノズル)の要求濃度値Nだけを補正する場合のノズルブロック(=ノズル)A1及びノズルブロック(=ノズル)B1の補正後の要求濃度値は夫々「50(補正なし)」、「56」であり、それらの補正後の印字濃度値は夫々「55」、「44」となり、合計では「99」となる。
一方、図5の「補正対象ノズルブロックの選択(その2)」のように「A列」のノズルブロック(=ノズル)の要求濃度値Nだけを補正する場合には、補正前の要求濃度値が「50」である場合のノズルブロック(=ノズル)A0及びノズルブロック(=ノズル)B0の補正後の要求濃度値は夫々「38」、「50(補正なし)」であり、それらの補正後の印字濃度値は夫々「46」、「55」となり、合計では「101」となる。また、同じく「B列」のノズルブロック(=ノズル)の要求濃度値Nだけを補正する場合のノズルブロック(=ノズル)A1及びノズルブロック(=ノズル)B1の補正後の要求濃度値は夫々「56」、「50(補正なし)」、であり、それらの補正後の印字濃度値は夫々「61」、「40」となり、合計では「101」となる。
このように、何れか一方のノズルブロックの要求濃度値Nを印字濃度値のバラツキの合計値からなる特性値Sで補正した結果は、本来の要求濃度値と同程度になり、2列のノズルブロックを夫々個別に補正した場合と大差がない。つまり、本実施形態では、同一の位置に同一の色のインクを重ね打ちする2つのノズルブロックのうち、一方(一部)のノズルブロックのインク出力をインク出力特性の合計値で補正することにより、記憶すべきインク出力特性の量を低減しながら、全体としてのインク出力状態を目標状態に近づけることができる。更に、本実施形態では、補正対象となるノズルブロック、つまり「補正対象ノズルブロックの選択」の「その1」と「その2」とを乱数的に設定することにより、ノズルインク出力の補正されるノズルブロックが連続することや、ノズルインク出力の補正されないノズルブロックが連続することを回避することができ、これにより例えば前述したバンディング現象などの印刷不具合を低減することが可能となる。
図6には、ノズル出力特性記憶部における、これら特性値Sの記憶構成を示す。本実施形態では、前述したノズルブロック番号をアドレスとして、印字走査方向上のノズルブロック(=ノズル)の印字濃度値のバラツキの合計値を夫々特性値Sとして記憶する。
次に、前述した画像データの各画素の要求濃度値に対して、各ノズルブロック(=ノズル)への要求濃度値の補正を行う演算処理を図7のフローチャートに示す。なお、本実施形態では、前述の注目画素、つまり要求濃度値の補正対象となる画素のID(識別子)を番号で表す。この演算処理では、まずステップS21で、補正対象となる画素のID(番号)を初期化する。次にステップS22に移行して、補正対象画素の要求濃度値Nを入力する。次にステップS23に移行して、ステップS22で読込まれた補正対象画素の要求濃度値Nを、この場合は2つのノズルブロックに平均化するようにして各ノズルブロックに分配する。次にステップS24に移行して、補正対象画素に対応する2つのノズルブロックのうち、要求濃度値を補正する補正対象ノズルブロックを乱数的(ランダム)に選択する。次にステップS25に移行して、前述した印字濃度バラツキの合計値からなる特性値Sを入力する。次にステップS26に移行して、ステップS24で選択された補正対象ノズルブロックの要求濃度値Nのみを前述したように(1−S/100)で除して補正後の要求濃度値Nとする。次にステップS27に移行して、全ての画素の要求濃度値が補正完了したか否かを判定し、全ての画素の要求濃度値が補正完了した場合には演算処理を終了し、そうでない場合にはステップS28に移行する。ステップS28では、補正対象画素のID(番号)をインクリメントしてからステップS22に移行する。
これらの演算処理による印字濃度値の結果を図8に示す。図8aは各種の濃度値の例(本実施形態ではドットの大きさ)を示す。図8bには、図8aの濃度値例(注目画素(=補正対象画素)の要求濃度値)「100」の要求濃度に対し、補正を行わない場合の印字濃度値を示す。本実施形態では、前述のようにA0、B0或いはA1、B1のように印字走査方向上の二つのノズルブロック(=ノズル)から同一位置にインクを重ね打ち出力するので、要求濃度値を補正しない場合には、夫々のノズルブロックの特性値がそのまま反映する。一方、図8dには、全てのノズルブロック(=ノズル)を、個々の特性値で補正した場合の印字濃度値を示す。勿論、個々の特性値で補正した場合の印字濃度値は要求濃度値に一致する。
これに対し、図8cには、本実施形態の印字濃度値、つまり1つの画素に対して重ね打ちを行う2つのノズルブロック(=ノズル)A0、B0又はA1、B1のうち、何れか一方の要求濃度値Nのみを、両者の印字濃度値のバラツキの合計値からなる特性値Sで補正した場合の印字濃度値を示す。ここでは、補正対象ノズルブロック(=ノズル)を交互に選択、つまりノズルブロックA0について要求濃度値Nを補正したら、次はノズルブロックB0について要求濃度値Nを補正する、或いはノズルブロックA1について要求濃度値Nを補正したら、次はノズルブロックB1について要求濃度値Nを補正するようにした。図8dの全てのノズルブロック(=ノズル)について個々の特性値で要求濃度値を補正した場合に比べると、本実施形態では印字濃度値に多少のバラツキは残存する。しかしながら、全体としては、両者に大差はなく、前述したように、隣り合うノズル(≒ドット)のピッチが10〜70μmであるインクジェットプリンタ(ラインヘッド型プリンタ)であることを考慮すると、少なくとも見た目には、両者は同じように見える。
つまり、本実施形態では、記憶すべきインク出力特性の量を低減しながら、全体としてのインク出力状態を目標状態に近づけることができることから、記憶容量の低減、計算量の減少につながり、ひいては低消費電力、省エネルギー、環境性向上につながる。また、同一の位置に同一の色のインクを出力する2つ以上のノズルブロックのうち、インク出力の補正対象となるノズルブロックを乱数的に(又は交互に)設定することにより、ノズルインク出力の補正されるノズルブロックが連続することや、ノズルインク出力の補正されないノズルブロックが連続することを回避することができ、これにより例えば前述したバンディング現象などの印刷不具合を低減することが可能となる。なお、この効果は、インク出力の補正対象となるノズルブロックを順番に設定することによっても得られる。
ちなみに、本実施形態で、2つのノズルブロックの印字濃度値のバラツキの合計値を特性値として、何れかの一方のノズルブロックの要求濃度値のみを補正した場合に、2つのノズルブロックで重ね打ちした画素が本来の要求濃度値に近づく理由を、以下に数式で証明する。「A列」のノズルブロックの印字濃度値のバラツキをa、「B列」のノズルブロックの印字濃度値のバラツキをb、「A列」、「B列」の夫々の分割・補正後の要求濃度をx1、x2、2つのノズルブロックによる印字濃度値をyとすると、下記1式が得られる。
y=(1+a)×x1+(1+b)×x2 ……… (1)
注目画素の要求濃度値をXとすると、補正を行わない「A列」のノズルブロックの要求濃度値x1はX/2であり、補正後の「B列」のノズルブロックの要求濃度値x2はX/(2×(1−(a+b)))である。これらを1式に代入して、下記2式を得る。
y=X+X×a×(a+b)/(2×(1−(a+b))) ……… (2)
印字濃度値のバラツキa、bは−1から+1の範囲であるので、2式の第2項の分子a×(a+b)は、分母2×(1−(a+b))よりも遙かに小さい。従って、2式で得られる印字濃度値yは本来の注目画素の要求濃度値Xの近似値であることが分かる。
次に、本発明のインクジェットプリンタの第2実施形態について説明する。このインクジェットプリンタの構成は、前記第1実施形態の図1〜図3のものと同様であり、プリンタ制御部で行われる機能ブロックも、前記第1実施形態の図4のものと同様であるが、本実施形態では、各ノズルブロックの要求濃度値Nの補正の仕方並びに補正に必要な特性値Sの記憶の仕方が異なる。ちなみに、本実施形態でも、同一の位置に同一の色のインクを印字走査方向上の2つのノズルブロック(=ノズル)から出力する、重ね打ち制御を行う。
例えば図9に示すように、要求濃度値が「100」である場合には、各ノズルブロックに分割する要求濃度値を「50」とし、その要求濃度値に対する各ノズルブロック(=ノズル)A0、B0、A1、B1の実際の濃度値(図では印字濃度値)が、夫々、「60」、「55」、「55」、「40」であったとする。本実施形態でも、各ノズルブロック(=各ノズル)の要求濃度値に対する印字濃度値の誤差を、当該要求濃度値に対するバラツキ(%)として求めるが、第1実施形態と異なるのは、印字走査方向上の2つのノズルブロック(=2つのノズル)のバラツキの平均値をそれらのノズルブロック(=それらのノズル)のインク出力特性のノズル特性値Sとして、前記ノズル出力特性記憶部に記憶する。従って、本実施形態でも、全てのノズルブロックのインク出力特性を記憶する場合に比して、記憶すべきインク出力特性の量は半減する。もし、ノズルブロックが複数のノズルで構成される場合には、全てのノズルのインク出力特性を記憶する場合に比して、更に記憶すべきインク出力特性の量が低減する。
この場合には、ノズルブロック(=ノズル)A0及びノズルブロック(=ノズル)B0に関しては、両者の印字濃度バラツキの平均値である「15%」を特性値Sとして代表して記憶し、ノズルブロック(=ノズル)A1及びノズルブロック(=ノズル)B1に関しては、両者の印字濃度バラツキの平均値である「−5%」を特性値Sとして代表して記憶する。これらのノズル特性値Sを用い、補正前の要求濃度値Nを(1−S/100)で除して、補正後の要求濃度値Nとする。本実施形態では、特性値Sが2つのノズルブロック(=ノズル)の印字濃度バラツキの平均値であることから、要求濃度値Nは、2つのノズルブロック(=ノズル)とも補正する。
従って、図9に示すように、補正前の要求濃度値が「50」である場合のノズルブロック(=ノズル)A0及びノズルブロック(=ノズル)B0の補正後の要求濃度値はどちらも「43」であり、それらの補正後の印字濃度値は夫々「52」、「48」となり、合計では「100」となる。また、ノズルブロック(=ノズル)A1及びノズルブロック(=ノズル)B1の補正後の要求濃度値はどちらも「53」であり、それらの補正後の印字濃度値は夫々「58」、「42」となり、合計では「100」となる。
このように、何れか一方のノズルブロックの要求濃度値Nを印字濃度値のバラツキの合計値からなる特性値Sで補正した結果は、本来の要求濃度値と同等になり、2列のノズルブロックを夫々個別に補正した場合と差がない。つまり、本実施形態では、同一の位置に同一の色のインクを重ね打ちする2つのノズルブロックのうち、一方(一部)のノズルブロックのインク出力をインク出力特性の平均値で補正することにより、記憶すべきインク出力特性の量を低減しながら、全体としてのインク出力状態を目標状態に近づける又は一致させることができる。
図10には、ノズル出力特性記憶部における、これら特性値Sの記憶構成を示す。本実施形態では、前述したノズルブロック番号をアドレスとして、印字走査方向上のノズルブロック(=ノズル)の印字濃度値のバラツキの平均値を夫々特性値Sとして記憶する。
次に、前述した画像データの各画素の要求濃度値に対して、各ノズルブロック(=ノズル)への要求濃度値の補正を行う演算処理を図11のフローチャートに示す。なお、本実施形態でも、前述の注目画素、つまり要求濃度値の補正対象となる画素のID(識別子)を番号で表す。この演算処理では、まずステップS31で、補正対象となる画素のID(番号)を初期化する。次にステップS32に移行して、補正対象画素の要求濃度値Nを入力する。次にステップS33に移行して、ステップS32で読込まれた補正対象画素の要求濃度値Nを、この場合は2つのノズルブロックに平均化するようにして各ノズルブロックに分配する。次にステップS34に移行して、前述した印字濃度バラツキの平均値からなる特性値Sを入力する。次にステップS35に移行して、補正対象ノズルブロック、この場合は印字走査方向上の2つのノズルブロック(=ノズル)全ての要求濃度値Nを前述したように(1−S/100)で除して補正後の要求濃度値Nとする。次にステップS36に移行して、全ての画素の要求濃度値が補正完了したか否かを判定し、全ての画素の要求濃度値が補正完了した場合には演算処理を終了し、そうでない場合にはステップS37に移行する。ステップS37では、補正対象画素のID(番号)をインクリメントしてからステップS32に移行する。
これらの演算処理による印字濃度値の結果を図12に示す。図12aは各種の濃度値の例(本実施形態ではドットの大きさ)を示す。図12bには、図12aの濃度値例(注目画素(=補正対象画素)の要求濃度値)「100」の要求濃度に対し、補正を行わない場合の印字濃度値を示す。本実施形態では、前述のようにA0、B0或いはA1、B1のように印字走査方向上の二つのノズルブロック(=ノズル)から同一位置にインクを重ね打ち出力するので、要求濃度値を補正しない場合には、夫々のノズルブロックの特性値がそのまま反映する。一方、図12dには、全てのノズルブロック(=ノズル)を、個々の特性値で補正した場合の印字濃度値を示す。勿論、個々の特性値で補正した場合の印字濃度値は要求濃度値に一致する。
これに対し、図12cには、本実施形態の印字濃度値、つまり1つの画素に対して重ね打ちを行う2つのノズルブロック(=ノズル)A0、B0又はA1、B1の全ての要求濃度値Nを、両者の印字濃度値のバラツキの平均値からなる特性値Sで補正した場合の印字濃度値を示す。図12dの全てのノズルブロック(=ノズル)について個々の特性値で要求濃度値を補正した場合と、本実施形態の印字濃度値は同等又は一致する。つまり、2つのノズルブロックの印字濃度値のバラツキの平均値を特性値Sとし、その特性値Sで2つのノズルブロックの要求濃度値、つまりインク出力を補正したのであるから、それらによる総印字濃度値は、本来の注目画素要求濃度値に一致又はそれに極めて近い値となる。実質的に、多少の違いがあったとしても、前述したように、隣り合うノズル(≒ドット)のピッチが10〜70μmであるインクジェットプリンタ(ラインヘッド型プリンタ)であることを考慮すると、少なくとも見た目には、両者は同じに見える。
つまり、本実施形態では、記憶すべきインク出力特性の量を低減しながら、全体としてのインク出力状態を目標状態に一致させる又は近づけることができることから、記憶容量の低減、計算量の減少につながり、ひいては低消費電力、省エネルギー、環境性向上につながる。
なお、前記各実施形態では、1つのノズルが1つのノズルブロックを構成する場合について説明したが、複数のノズルが1つのノズルブロックを構成する場合にも、本発明は同様に適用可能である。例えば図13に示すように、A’0という注目画素を印刷する場合には、A0、A1、A2という3つのノズルから3回、印字走査方向にインクを出力し、B’0という注目画素を印刷する場合には、B0、B1、B2という3つのノズルから3回、印字走査方向にインクを出力する(実質的には、注目画素A’0をノズルB0、B1、B2で印刷することもできるし、注目画素B’0をノズルA0、A1、A2で印刷することもできる)。つまり、本実施形態では、例えばノズルA0、A1、A2が1つのノズルブロックを構成し、ノズルB0、B1、B2が1つのノズルブロックを構成する。この場合、1つの注目画素に対して延べ9つのノズルが必要になる。つまり、注目画素A’0、B’0、A’1、B’1…を便宜上、ノズルブロックA’0、B’0、A’1、B’1…とすると、このノズルブロックA’0、B’0、A’1、B’1…について、前記各実施形態と同様にして、要求濃度値Nの特性値Sを記憶すればよい。
また、前記各実施形態では、一つの色のインクに対してノズルラインが印字走査方向に2列配列されたものについて説明したが、ノズルラインの数はこれに限定されない。例えばノズルラインが4列配列されたものにあって、ノズルブロックが一列内のノズルで構成され、且つ各ノズルブロックのインク出力特性の合計値を補正用の代表値として記憶する場合には、そのうちの2つのノズルブロックのインク出力について補正を行えばよい。
また、2つ以上のノズルブロックで同一の位置に同一の色のインクを出力するにあたり、それらのノズルブロックへのインク出力指令は注目画素の階調度の平均値である必要はなく、例えば予め設定された分配比で分配すればよい。
また、前記各実施形態では、一つの色のインクに対してノズルラインが2列配列されたものについて説明したが、本発明のインクジェットプリンタは、例えばノズルラインの一部がオーバラップし、少なくともその部分では、2つ以上のノズルブロックで同一の位置に同一の色のインクを出力することが可能であれば、そのような部分にのみ適用することも可能である。
本発明のインクジェットプリンタの第1実施形態を示す構成図である。 図1のヘッドユニットの詳細図である。 図2のヘッドユニットにおける「A列」「B列」の説明図である。 図1のプリンタ制御部で行われる機能ブロック図である。 第1実施形態におけるインク出力特性値と要求濃度値補正の説明図である。 第1実施形態で記憶される特性値の説明図である。 第1実施形態で要求濃度値を補正する演算処理のフローチャートである。 第1実施形態の作用の説明図である。 本発明のインクジェットプリンタの第2実施形態におけるインク出力特性値と要求濃度値補正の説明図である。 第2実施形態で記憶される特性値の説明図である。 第2実施形態で要求濃度値を補正する演算処理のフローチャートである。 第3実施形態の作用の説明図である。 複数のノズルでノズルブロックを構成する場合の説明図である。
符号の説明
1はラインヘッド型プリンタ、2はヘッドユニット(ラインヘッド)、3はプリンタ制御部、4はノズル特性記憶部、5はノズル、6はホストコンピュータ

Claims (2)

  1. 予め設定された色のインクを出力するノズルを、記録材と該ノズルとの相対移動方向である印字走査方向と交差する方向に直線状に複数配設してノズルラインを構成し、このノズルラインを前記印字走査方向に互いに重合するように複数配設してラインヘッドを構成して、各ノズルラインのノズルで同一の色のインクを同一の位置に出力できるようにしたインクジェットプリンタにおいて、印刷対象となる画像情報の一画素の一つの色成分を所定の階調で表現するために必要な最小限のノズル又はノズルの組合せをノズルブロックとし且つ印字走査方向上の二以上のノズルブロックで同一の位置に同一の色のインクを出力する重ね打ち制御手段と、前記同一の位置に同一の色のインクを出力する二以上のノズルブロックの要求濃度値と実際の印字濃度値との差を示す値であるインク出力特性の合計値をそれらのノズルブロックのインク出力特性として記憶するインク出力特性記憶手段と、前記インク出力特性記憶手段で記憶されているインク出力特性に基づいて、一画素を出力する際に、前記同一の位置に同一の色のインクを出力する二以上のノズルブロックのうち、設定した一部のノズルブロックについてのみ、ノズルインク出力を補正するインク出力補正手段とを備え
    前記インク出力補正手段は、複数の画素を出力する際に、交互又は順番又は乱数的のいずれかのパターンで、前記同一の位置に同一の色のインクを出力する二以上のノズルブロックのうち、前記ノズルインク出力を補正するノズルブロックを設定することを特徴とするインクジェットプリンタ。
  2. 予め設定された色のインクを出力するノズルを、記録材と該ノズルとの相対移動方向である印字走査方向と交差する方向に直線状に複数配設してノズルラインを構成し、このノズルラインを前記印字走査方向に互いに重合するように複数配設してラインヘッドを構成して、各ノズルラインのノズルで同一の色のインクを同一の位置に出力できるようにしたインクジェットプリンタにおいて、印刷対象となる画像情報の一画素の一つの色成分を所定の階調で表現するために必要な最小限のノズル又はノズルの組合せをノズルブロックとし且つ印字走査方向上の二以上のノズルブロックで同一の位置に同一の色のインクを出力する重ね打ち制御手段と、前記同一の位置に同一の色のインクを出力する二以上のノズルブロックの要求濃度値と実際の印字濃度値との差を示す値であるインク出力特性の平均値をそれらのノズルブロックのインク出力特性として記憶するインク出力特性記憶手段と、前記インク出力特性記憶手段で記憶されているインク出力特性に基づいて、前記同一の位置に同一の色のインクを出力する二以上のノズルブロックの全てのノズルブロックのノズルインク出力を補正するインク出力補正手段とを備え
    前記インク出力補正手段は、複数の画素を出力する際に、交互又は順番又は乱数的のいずれかのパターンで、前記同一の位置に同一の色のインクを出力する二以上のノズルブロックのうち、前記ノズルインク出力を補正するノズルブロックを設定することを特徴とするインクジェットプリンタ。
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