JP3711441B2 - 印刷制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、各色インクのインク滴を吐出して印刷媒体上に画像を印刷する技術に関し、詳しくはブロンズ化現象の生じない良好な画像を印刷する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータ等の画像機器の出力装置として、インクジェットプリンタが広く使用されている。インクジェットプリンタは、印刷媒体上にシアン色,マゼンタ色,イエロ色,黒色などの各色のインクドットを形成することによって、カラー画像を印刷している。
【0003】
かかるインクジェットプリンタは、各色のインク滴を印刷用紙上に吐出して画像を形成しているため、インクドットの形成密度が高くなると、吐出したインク滴が印刷媒体上で混ざり合ったり、印刷用紙が膨潤してシワになったりする。このように印刷用紙には、これ以上の密度でインクドットを形成できないという限界、いわゆるインクデューティの許容値が存在している。そこで、インクデューティの許容値を高めて、これらの問題を生じにくくした専用の印刷用紙が各種提供されている。インクジェットプリンタ専用の印刷用紙を使用すれば、用紙の膨潤やインクの滲み等のない良好な画像を印刷することができる。また、これら専用用紙に加えて、印刷画像の表面が写真のような光沢のある仕上がりとなる印刷用紙や、印刷画像が容易に退色しない耐候性のある印刷用紙といった、更に高機能な専用用紙も提供されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、専用用紙を用いて画像を印刷すると、ブロンズ化と呼ばれる現象が発生して画質が悪化する場合があるという問題があった。ここで、ブロンズ化と呼ばれる現象は、吐出されたインク滴の染料が印刷用紙の表面に凝集したり、あるいはインク毎に顔料の粒度が異なるために、印刷用紙表面に残る顔料粒度の分布により、見る角度によっては印刷表面がブロンズ色に呈色するなど、印刷用紙表面で反射される光の状態が変化する現象である。ブロンズ化現象の発生しにくい印刷用紙を提供する技術も開発されている(例えば特開平7−214892や特開平10−217603等)が、このような専用用紙を用いてブロンズ化現象の発生を回避することとしたのでは、既存の多様な印刷用紙を使用して良好な画像を印刷することはできない。
【0005】
この発明は、従来技術における上述の課題を解決するためになされたものであり、既存の多様な印刷用紙を使用しながら、ブロンズ化現象の発生しない良好な画像を印刷する技術を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明の印刷制御装置は、次の構成を採用した。すなわち、
黒色インクによるドットと、互いに組み合わせることで無彩色を表現可能な複数の基本色インクのドットとを形成することにより、画像データに対応したカラー画像を印刷媒体上に形成する印刷部に、該各色のインクによるドットの形成を制御するための制御情報を出力して、該印刷部を制御する印刷制御装置であって、
カラー画像の色彩と、該色彩を前記基本色インクおよび黒色インクを用いて表現するための各色階調値の組合せとを対応付けた色変換テーブルを記憶する色変換テーブル記憶手段と、
前記記憶されている色変換テーブルを参照しながら、前記画像データを前記基本色インクおよび黒色インクについての階調データに変換する画像データ変換手段と、
前記変換された階調データに基づいて、前記基本色インクおよび黒色インクによるドットの形成有無を判断するドット形成手段と、
前記ドット形成有無の判断結果を、前記制御情報として前記印刷部に出力する制御情報出力手段と
を備え、
前記色変換テーブルは、
前記基本色インクのみを用いて表現したときに前記印刷媒体上に形成される各色ドットの合計密度が所定密度を超える色彩については、該基本色インクと前記黒色インクとの各色階調値の組合せであって、該各色階調値に基づいて各色のインクドットを形成したときにブロンズ化現象の発生し難いことの確認されている各色階調値の組合せが対応付けられたテーブルであることを要旨とする。
【0007】
また、上記の印刷制御装置に対応する本発明の印刷制御方法は、
黒色インクによるドットと、互いに組み合わせることで無彩色を表現可能な複数の基本色インクのドットとを形成することにより、画像データに対応したカラー画像を印刷媒体上に形成する印刷部に、該各色のインクによるドットの形成を制御するための制御情報を出力して、該印刷部を制御する印刷制御方法であって、
カラー画像の色彩と、該色彩を前記基本色インクおよび黒色インクを用いて表現するための各色階調値の組合せとを対応付けた色変換テーブルを参照しながら、前記画像データを、前記基本色インクおよび黒色インクについての階調データに変換し、
前記変換された階調データに基づいて、前記基本色インクおよび黒色インクによるドットの形成有無を判断し、
前記ドット形成有無の判断結果を、前記制御情報として前記印刷部に出力するに際して、
前記色変換テーブルとして、
前記基本色インクのみを用いて表現したときに前記印刷媒体上に形成される各色ドットの合計密度が所定密度を超える色彩については、該基本色インクと前記黒色インクとの各色階調値の組合せであって、該各色階調値に基づいて各色のインクドットを形成したときにブロンズ化現象の発生し難いことの確認されている各色階調値の組合せが対応付けられたテーブルを記憶していることを要旨とする。
【0008】
かかる印刷制御装置および印刷制御方法においては、画像データを前記階調データに変換するに際して、上記の色変換テーブルを参照しながら変換する。ここで、色変換テーブルとは、所定の複数の色彩毎に、前記基本色インクおよび黒色インクについての階調データを対応付けて記憶した数表である。こうして得られた階調データに基づいて前記基本色インクおよび黒色インクによるドットの形成有無を判断して、判断結果を前記制御情報として印刷部に出力する。このようにすれば、以下に説明する理由から、ブロンズ化現象の発生しない良好な画像を印刷することが可能となる。
【0009】
図17は、ブロンズ化現象の発生条件を示した説明図であり、本発明は図17に示されているような関係を見出すことによって完成されたものである。尚、使用するインクの種類や印刷媒体の種類、および印刷しようとする画像の色相によって、厳密にはブロンズ化現象の発生条件は少しずつ異なっているが、以下では、図17に示したブロンズ化現象の発生条件が、各条件におけるブロンズ化の現象発生条件を代表しているものとして説明する。先ず、図17の読み方について説明する。
【0010】
図17は縦軸と横軸とにそれぞれ黒色レベルとUCR率とをとって、ブロンズ化現象が発生する条件を示している。黒色レベルとは、印刷画像の明度に相当する指標である。黒色レベルの値が小さくなるほど画像の明度は明るくなっていく。例えば、全ての画素の黒色インクのドットのみを形成した画像は、黒色レベル100%の画像となる。同様に半分の画素に黒色インクのドットのみを形成した画像は黒色レベル50%の画像となる。また、黒色レベル110%とは、全ての画素に黒色インクのドットが形成された上に10%の画素に黒色インクのドットが重ねて形成されている状態を示している。
【0011】
また、本発明の印刷制御装置によって制御される印刷部は、組み合わせて用いることにより無彩色を表現可能な複数の基本色インクを備えている。従って、ある黒色レベルの画像を印刷する場合に、黒色インクのドットだけでなく、基本色インクのドットを組み合わせて用いることによっても印刷することができる。図17の横軸にとったUCR率とは、黒色レベルの画像を印刷する場合に、黒色インクのドットを使用する比率を表す指標である。例えば、UCR率100%とは、黒色インクのドットのみを用いて画像を印刷している状態を示す。また、UCR率50%とは、UCR率100%の状態の黒色インクのドットのうち、半分のドットを基本色インクのドットの組合せに変更した状態を示している。
【0012】
図17中でハッチングを施している領域がブロンズ化現象が生じる領域である。図中でインクデューティと表示されているのは、インクドットの形成密度に相当する指標である。インクデューティの値が大きくなるほど、インクドットの形成密度が高くなる。例えば、インクデューティ100%とは全ての画素にドットが形成されている状態を示し、インクデューティ120%とは全ての画素のドットが形成された上に20%の画素にドットが重ねて形成されている状態を示している。
【0013】
ここで、例えば図17に示した印刷条件A、すなわち黒色レベル70%、UCR率90%の条件で印刷された画像を考える。印刷条件Aはハッチングを施した領域中にあるから、この条件で印刷した画像にはブロンズ化現象が発生する。しかし、印刷条件Aを、黒色レベルを保ったままでUCR率を90%から80%に変更すれば、ハッチングを施した領域外にある印刷条件Bで印刷することになるので、ブロンズ化現象の発生を回避することができる。黒色レベルを保ったままUCR率を減少させるには、黒色インクの一部ドットを基本色インクのドットの組合せに変更すればよい。ここで、黒色レベルを保ったままUCR率を減少させても、黒色インクのドットの一部をこれと等価な基本色インクのドットの組合せに変更しているに過ぎない。従って、印刷条件Aを印刷条件Bを変更することにより、色彩も明度も同じでありながら、ブロンズ化現象の発生し難い良好な画像を印刷することができる。
【0014】
以上の説明では、ブロンズ化現象の発生する印刷条件Aを、ブロンズ化現象の発生しない印刷条件Bに変更する場合を例にとって説明したが、予めブロンズ化現象の発生する印刷条件を調べておき、この結果に基づいて色変換テーブルを設定しておいても良い。すなわち、基本色インクのドットに加えて黒色インクのドットが形成される色彩、換言すれば、基本色インクのみを用いて印刷したときに印刷媒体上に形成される各色ドットの合計密度が所定密度を超える色彩については、基本色および黒色の各色階調値に基づいてドットを形成したときにブロンズ化現象の発生し難いことが確認されている各色階調値を、該色変換テーブルに設定しておく。このようにして設定された色変換テーブルを参照しながら画像データを変換すれば、ブロンズ化現象の発生し難い良好な画像を印刷することが可能となる。尚、色変換テーブルを参照して画像をデータを変換することとすれば、画像データの変換に要する時間を短縮化することができるので、ブロンズ化現象の発生していない画像を迅速に印刷することができるので好ましい。
【0015】
もちろん、印刷用紙はそれぞれにインクデューティの許容値が決まっていて、この許容値を超えるとインクが滲んだり印刷用紙が膨潤したりして印刷画質が悪化してしまう。上述のように、UCR率を減少させる方向に印刷条件を変更すれば、インクデューティの値は増加する。しかし、図17に示した例にも示されているように、インクデューティの許容値を超えてしまうまでUCR率を減少させなくても、通常はブロンズ化現象の発生を回避することができる。特にブロンズ化現象の発生しやすい専用用紙では、インクデューティの許容値も大きな値となっているので、ブロンズ化現象を回避するためにUCR率を減少させたことで、許容されているインクデューティの値を超えてしまうことはない。
【0016】
以上説明したように、本発明の印刷制御装置および印刷制御方法においては、画像データは、ブロンズ化現象の発生し難いことが確認されている階調データに変換され、該階調データに基づいて生成された各色インクドットの制御情報が前記印刷部に出力される。このため印刷部では、ブロンズ化現象の生じない良好な画像を得ることができるのである。
【0017】
同様に、本発明の印刷装置および印刷方法においては、画像データを、ブロンズ化現象の発生し難いことが確認された階調データに一旦変換し、該階調データから得た各色インクドットの制御情報に基づいて、基本色インクおよび黒色インクのインクドットを形成してカラー画像を印刷する。その結果、ブロンズ化現象の生じ難い良好な画像を印刷することができるので好適である。
【0018】
上述の印刷制御装置においては、前記基本色インクおよび黒色インクの種類を区別して設定された色変換テーブルを複数記憶しておき、前記印刷部がドットの形成に使用する前記基本色インクおよび黒色インクの種類についての情報に基づいて色変換テーブルを選択して、選択した色変換テーブルを参照しながら前記画像データを変換するようにしても良い。
【0019】
あるいは、ドットが形成される印刷媒体の種類を区別して設定された色変換テーブルを複数記憶しておき、前記印刷部がドットを形成する印刷媒体の種類についての情報に基づいて色変換テーブルを選択して、選択した色変換テーブルを参照しながら前記画像データを変換するようにしても良い。
【0020】
更には、前記基本色インクおよび黒色インクの種類と、ドットが形成される印刷媒体の種類とを区別して設定された色変換テーブルを複数記憶しておき、前記印刷部がドットの形成に使用するインクの種類および印刷媒体の種類についての情報に基づいて色変換テーブルを選択して、選択した色変換テーブルを参照しながら前記画像データを変換するようにしても良い。
【0021】
印刷に使用するインクの種類によって、ブロンズ化現象が発生する条件は少しずつ異なっている場合がある。特に、いわゆる染料系のインクと顔料系のインクとではインクの特性が異なっており、ブロンズ化現象の発生する条件も異なっている。更には、インクドットが形成される印刷媒体の種類によっても、ブロンズ化現象が発生する条件は少しずつ異なっている場合がある。従って、ドットの形成に使用されるインクの種類あるいは印刷媒体の種類に対応する色変換テーブルを選択し、選択した色変換テーブルを参照して画像データを変換すれば、インクの種類や印刷媒体の種類に応じて的確に変換することができる。その結果、ブロンズ化現象の発生し難い良好な画像を印刷することができるので好適である。もちろん、インクの種類と印刷媒体の種類とのいずれも考慮した色変換テーブルを参照して画像データを変換すれば、更に良好な画像を印刷することが可能となる。尚、複数記憶されている色変換テーブルの中から、インクの種類および印刷媒体の種類に応じて外部から選択された色変換テーブルを用いて、画像データを変換するようにしても構わない。
【0022】
かかる印刷印刷装置は、基本色インクによるインクドットの形成を制御する制御情報として、シアン色,マゼンタ色,イエロ色の各色インクによるドットの制御情報を出力することとしても良い。更には、該シアン色よりも濃度の薄い淡シアン色、および該マゼンタ色よりも濃度の薄い淡マゼンタ色の各色インクによるドットについての制御情報を出力することとしてもよい。
【0023】
シアン色,マゼンタ色,イエロ色の各色インクや、これらに淡シアン色および淡マゼンタ色のインクを加えた各色インクを組み合わせて用いることにより無彩色を表現することができる。従って、仮にブロンズ化現象が発生した場合でも、黒色インクの一部を、シアン色,マゼンタ色,イエロ色のインクに置き換えたり、あるいは淡シアン色,淡マゼンタ色,イエロ色のインクに置き換えるといったことにより、ブロンズ化現象の発生を回避することができる。従って、予めブロンズ化現象の発生し難いことが確認されている階調値の組合せの範囲内で、前記色変換テーブルを設定しておき、該色変換テーブルを参照して画像データを変換すれば、ブロンズ化現象の発生しない良好な画像を印刷することができるので好ましい。
【0024】
上述の印刷制御装置においては、次のような態様としても良い。すなわち、
黒色インクによるドットと、互いに組み合わせることで無彩色を表現可能な複数の基本色インクのドットとを形成することにより、画像データに対応したカラー画像を印刷媒体上に形成する印刷部に、該各色のインクによるドットの形成を制御するための制御情報を出力して、該印刷部を制御する印刷制御装置であって、
前記画像データを前記基本色インクの各々についての階調データたる第1の階調データに変換する画像データ変換手段と、
該第1の階調データを前記基本色インクのドットの有無による表現形式に変換したときに、前記印刷媒体上に形成される前記基本色インクのドットの合計密度が所定密度を超えないように、前記第1の階調データ中に表現された無彩色の少なくとも一部をこれと等価な前記黒色インクの階調データに置換することにより、前記第1の階調データを前記基本色インクおよび黒色インクについての階調データたる第2の階調データに置換する画像データ置換手段と、
前記印刷媒体上にインクドットを形成したときにブロンズ化現象が発生するような、前記基本色インクおよび黒色インクについての階調データの組合せたるブロンズ化現象発生条件を記憶しているブロンズ化現象発生条件記憶手段と、
前記第2の階調データに従って前記基本色インクおよび黒色インクのドットを形成したときにブロンズ化現象が発生すると、前記記憶されているブロンズ化現象発生条件に基づいて判断した場合には、前記第2の階調データの黒色インクについての階調データの少なくとも一部を、前記基本色インクについての階調データに置換することにより、前記第2の階調データをブロンズ化現象の発生し難い第3の階調データとして確定する画像データ確定手段と、
該確定された第3の階調データに基づいて、前記基本色インクおよび黒色インクによるドットの形成有無を判断するドット形成手段と、
前記判断結果を、前記制御情報として前記印刷部に出力する制御情報出力手段と
を備える印刷制御装置としての態様である。
【0025】
かかる印刷制御装置においては、入力された画像データを一旦第1の階調データに変換した後、印刷媒体上に形成される各色のインクドットの合計密度が所定の密度を超えないように、第1の階調データを第2の階調データに変換する。かかる変換は、第1の階調データにおいて無彩色を表現している基本色インクの階調データの一部を黒色インクの階調データに置換することで行う。黒色インクのインクドットを用いれば、基本色インクのインクドットを用いるよりも少ないインクドットで無彩色を表現することができるので、かかる変換によってインクドットの合計密度が所定の密度を越えないようにすることができる。こうして得られた第2の階調データに基づいて画像を印刷した場合にブロンズ化現象が発生するか否かを、予め記憶されているブロンズ化現象発生条件を参酌することによって判断し、ブロンズ化現象が発生すると判断された場合は、黒色インクの階調データの一部を基本色インクの階調データに再び変換することで、第2の階調データを第3の階調データに変換する。こうして得られた第3の階調データに基づいて、該基本色インクおよび黒色インクのドットについての形成有無を判断し、該判断結果を前記制御情報として出力する。
【0026】
こうして出力された制御情報に基づいて、前記基本色インクおよび黒色インクによるインクドットを形成すれば、ブロンズ化現象の発生し難い良好な画像を印刷することが可能となる。
【0027】
かかる印刷制御装置においては、ブロンズ化現象発生条件を、次のように2つの指標を用いて記憶しておいても良い。1つめの指標は、画像データ中の無彩色を黒色インクのみを用いて表現するとした場合の該黒色インクについての階調データに相当する指標である。一例としては、前述の図17に示した黒色レベルに相当する指標である。2つ目の指標は、1つめの指標で示される無彩色を表現する場合にブロンズ化現象が発生し始める黒色インクについての階調データに相当する指標である。一例としては、図17に示したUCR率に相当する指標である。これら2つの指標を記憶しておくことによって、画像データに表された明度に応じて、どの程度黒色インクのドットを形成すればブロンズ化現象が発生するかを記憶しておくことができる。
【0028】
ブロンズ化現象の発生条件を基本色インクおよび黒色インクについての階調データとして記憶しておくためには、使用するインクの種類に相当する階調データを記憶しておかなければならないが、上述のように2つの指標を用いて記憶しておけば、少ない記憶容量を用いて記憶することができるので好適である。
【0029】
かかる印刷制御装置においては、ブロンズ化現象を発生させずに表現可能な階調値の組合せを色変換テーブルに設定しておき、前記画像データを変換するに際しては、該色変換テーブルを参照しながら変換することによって、前記画像データ置換手段と前記ブロンズ化現象発生条件記憶手段と前記画像データ確定手段とで行われる各処理が、画像データの変換の際に実質的に行われるようにしても良い。これら各処理を画像データの変換の際に実質的に行ってしまえば、ブロンズ化現象の発生し難い良好な画像を、迅速に印刷することが可能となって好適である。
【0030】
本発明は、以上に説明した態様の他にも種々の態様で把握することが可能である。例えば、色変換テーブルの設定に着目して本発明を把握すれば、次のような色変換テーブルの設定方法として把握することができる。すなわち、
カラー画像の画像データを、黒色および互いに組み合わせて無彩色を表現可能な基本色についての各色階調データに変換する際に使用され、該カラー画像の色彩と該各色階調データとを対応付けて記憶した色変換テーブルの設定方法であって、
前記画像データで表された色彩の各々と、該色彩を表現するための前記基本色の階調値の組合せたる基本色階調データとを対応付けておき、
前記基本色階調データに基づき前記基本色のドットを形成して前記色彩を表現したときに、前記印刷媒体上に形成される各色のドットの合計密度が所定密度を超えるか否かを判断し、
前記合計密度が所定密度を超える場合には、前記印刷媒体上に各色のドットを形成したときにブロンズ化現象の発生し難いことが確認されている前記基本色および黒色の階調値の組合せの範囲内で、前記基本色階調データの中で無彩色に相当する階調値の少なくとも一部をこれと等価な前記黒色の階調値に置き換える色変換テーブルの設定方法としての態様である。
【0031】
かかる方法によって設定された色変換テーブルを参照して画像データを変換すれば、ブロンズ化現象の発生し難い良好なカラー画像を印刷することが可能となる。
【0032】
また、かかる色変換テーブルの設定方法においては、前記ブロンズ化現象の発生し難いことが確認されている前記各色インクの階調値の組合せの範囲を、次のようにして規定してもよい。すなわち、前記基本色階調データの中で無彩色に相当する階調値を前記黒色インクのみで表現するとした場合の該黒色インクについての階調値と、該無彩色部分を置換した場合にブロンズ化現象が発生し始める該黒色インクの階調値とによって、ブロンズ化現象の発生し難い範囲を規定する。
【0033】
ブロンズ化現象の発生条件を基本色インクおよび黒色インクについての階調データとして記憶しておくためには、使用するインクの種類に相当する階調データを記憶しておかなければならないが、上述のように2つの指標を用いて記憶しておけば、少ない記憶容量を用いて記憶することができるので好適である。
【0034】
本発明の印刷制御方法は、印刷部を制御するための機能をコンピュータを用いて実現することによっても実施することが可能である。従って、本発明は、コンピュータを用いてこれら機能を実現するプログラムを、コンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体として把握することもできる。すなわち、このような態様の記録媒体は、
黒色インクによるドットと、互いに組み合わせることで無彩色を表現可能な複数の基本色インクのドットとを形成することにより、画像データに対応したカラー画像を印刷媒体上に形成する印刷部に、該各色のインクによるドットの形成を制御するための制御情報を出力して、該印刷部を制御する方法を、コンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体であって、
カラー画像の色彩と、該色彩を前記基本色インクおよび黒色インクを用いて表現するための各色階調値の組合せとを対応付けた色変換テーブルを記憶しておく機能と、
前記記憶されている色変換テーブルを参照しながら、前記画像データを前記基本色インクおよび黒色インクについての階調データに変換する機能と、
前記変換された階調データに基づいて、前記基本色インクおよび黒色インクによるドットの形成有無を判断する機能と、
前記ドット形成有無の判断結果を、前記制御情報として前記印刷部に出力する機能と
を実現するプログラムを記憶しているとともに、
前記記憶されている色変換テーブルは、
前記基本色インクのみを用いて表現したときに前記印刷媒体上に形成される各色ドットの合計密度が所定密度を超える色彩については、該基本色インクと前記黒色インクとの各色階調値の組合せであって、該各色階調値に基づいて各色のインクドットを形成したときにブロンズ化現象の発生し難いことの確認されている各色階調値の組合せが対応付けられたテーブルである記録媒体としての態様である。
【0035】
これら記録媒体に記録されたプログラムがコンピュータに読み込まれ、該コンピュータが各種の処理を行うことにより、ブロンズ化現象の発生し難い良好な画像を印刷することができる。
【0036】
【発明の他の態様】
更には、本発明は、上述した印刷制御方法を実現するプログラムコードをコンピュータに記憶させ、該プログラムコードに記述された処理をコンピュータに実行させることによっても実現することができる。従って、本発明は次のようなプログラムコードとして把握することも可能である。すなわち、
黒色インクによるドットと、互いに組み合わせることで無彩色を表現可能な複数の基本色インクのドットとを形成することにより、画像データに対応したカラー画像を印刷媒体上に形成する印刷部に、該各色のインクによるドットの形成を制御するための制御情報を出力して、該印刷部を制御する方法を実現するプログラムを記述したプログラムコードであって、
カラー画像の色彩と、該色彩を前記基本色インクおよび黒色インクを用いて表現するための各色階調値の組合せとを対応付けた色変換テーブルを記憶しておく機能と、
前記記憶されている色変換テーブルを参照しながら、前記画像データを前記基本色インクおよび黒色インクについての階調データに変換する機能と、
前記変換された階調データに基づいて、前記基本色インクおよび黒色インクによるドットの形成有無を判断する機能と、
前記ドット形成有無の判断結果を、前記制御情報として前記印刷部に出力する機能と
を実現するプログラムコードが記述されているとともに、
前記記憶されている色変換テーブルは、
前記基本色インクのみを用いて表現したときに前記印刷媒体上に形成される各色ドットの合計密度が所定密度を超える色彩については、該基本色インクと前記黒色インクとの各色階調値の組合せであって、該各色階調値に基づいて各色のインクドットを形成したときにブロンズ化現象の発生し難いことの確認されている各色階調値の組合せが対応付けられたテーブルであるプログラムコードとしての態様である。
【0037】
【発明の実施の形態】
本発明の作用・効果をより明確に説明するために、本発明の実施の形態を、次のような順序に従って以下に説明する。
A.装置の構成:
B.印刷処理の概要:
C.ブロンズ化現象発生の回避方法:
(1)ブロンズ化現象発生条件の調査方法:
(2)ブロンズ化現象を回避する第1の実施例:
(3)ブロンズ化現象を回避する第2の実施例:
【0038】
A.装置の構成:
図1は、本発明の印刷制御装置を含む印刷システムの構成を示す説明図である。図示するように、この印刷システムは、印刷制御装置としてのコンピュータ80と、カラープリンタ20とから構成されており、コンピュータ80に所定のプログラムがロードされ実行されることによって、全体として印刷システムとして機能する。印刷しようとするカラー原稿は、コンピュータ80に接続されたカラースキャナ21を用いて取り込まれたり、あるいはコンピュータ80上で各種のアプリケーションプログラム91により作成した画像等が使用される。これらの画像のデータORGは、コンピュータ80内のCPU81により、カラープリンタ20が印刷可能な画像データに変換され、画像データFNLとしてカラープリンタ20に出力される。カラープリンタ20は、この画像データFNLに従って、印刷媒体上に各色のインクドットを形成する結果、印刷用紙上にカラー原稿に対応するカラー画像が印刷されることになる。
【0039】
コンピュータ80は、各種の演算処理を実行するCPU81や、データを一時的に記憶するRAM83、各種のプログラムを記憶しておくROM82,ハードディスク26等から構成されている。また、SIO88をモデム24を経由して公衆電話回線PNTに接続すれば、外部のネットワーク上にあるサーバSVから必要なデータやプログラムをハードディスク26にダウンロードすることが可能となる。
【0040】
カラープリンタ20は、カラー画像の印刷が可能なプリンタであり、本実施例では、印刷用紙上にシアン・マゼンタ・イエロ・ブラックの合計4色のドットを形成することによって、カラー画像を印刷するインクジェットプリンタを使用している。もちろん、これら4色のドットに加えて、濃度の薄いシアンである淡シアンのドットや、濃度の薄いマゼンタである淡マゼンタのドットを加えた合計6色のドットを形成可能なインクジェットプリンタを用いても構わない。本実施例で使用したインクジェットプリンタのインク吐出方式は、後述するようにピエゾ素子PEを用いる方式を採用しているが、他の方式によりインクを吐出するノズルユニットを備えたプリンタを用いるものとしてもよい。例えば、インク通路に配置したヒータに通電し、インク通路内に発生する泡(バブル)によってインクを吐出する方式のプリンタに適用するものとしてもよい。
【0041】
図2は、本印刷制御装置のソフトウェアの構成を概念的に示すブロック図である。コンピュータ80においては、すべてのアプリケーションプログラム91はオペレーティングシステムの下で動作する。オペレーティングシステムには、ビデオドライバ90やプリンタドライバ92が組み込まれていて、各アプリケーションプログラム91から出力される画像データは、これらのドライバを介して、カラープリンタ20に出力される。
【0042】
アプリケーションプログラム91が印刷命令を発すると、コンピュータ80のプリンタドライバ92は、アプリケーションプログラム91から画像データを受け取って、所定の画像処理を行い、プリンタが印刷可能な画像データに変換する。図2に概念的に示すように、プリンタドライバ92が行う画像処理は、解像度変換モジュール93と、色変換モジュール94と、ハーフトーンモジュール95と,インターレースモジュール96の大きく4つのモジュールから構成されている。各モジュールで行う画像処理の内容は後述するが、プリンタドライバ92が受け取った画像データは、これらモジュールで変換された後、最終的な画像データFNLとしてカラープリンタ20に出力される。尚、本実施例のカラープリンタ20は、画像データFNLに従って、ドットを形成する役割を果たすのみであり、画像処理は行っていないが、もちろん、カラープリンタ20で画像変換の一部を行うものであってもよい。
【0043】
図3に、本実施例のカラープリンタ20の概略構成を示す。このカラープリンタ20は、図示するように、キャリッジ40に搭載された印字ヘッド41を駆動してインクの吐出およびドット形成を行う機構と、このキャリッジ40をキャリッジモータ30によってプラテン36の軸方向に往復動させる機構と、紙送りモータ35によって印刷用紙Pを搬送する機構と、制御回路60とから構成されている。
【0044】
キャリッジ40をプラテン36の軸方向に往復動させる機構は、プラテン36の軸と並行に架設されたキャリッジ40を摺動可能に保持する摺動軸33と、キャリッジモータ30との間に無端の駆動ベルト31を張設するプーリ32と、キャリッジ40の原点位置を検出する位置検出センサ34等から構成されている。
【0045】
印刷用紙Pを搬送する機構は、プラテン36と、プラテン36を回転させる紙送りモータ35と、図示しない給紙補助ローラと、紙送りモータ35の回転をプラテン36および給紙補助ローラに伝えるギヤトレイン(図示省略)とから構成されている。印刷用紙Pは、プラテン36と給紙補助ローラの間に挟み込まれるようにセットされ、プラテン36の回転角度に応じて所定量だけ送られる。
【0046】
制御回路60の内部には、コンピュータ80とのデータのやり取りを行うPCインターフェース64,紙送りモータ35やキャリッジモータ30等とのデータのやり取りを行う周辺機器入出力部(PIO)65,インク吐出用ヘッド44ないし47にドットのオン・オフ信号を供給する駆動バッファ67,これらを制御するCPU61やデータを一時的に記憶するRAM63等が設けられている。また、制御回路60内には、駆動波形を出力する発振器70,発振器70の出力をインク吐出用ヘッド44ないし47に所定のタイミングで分配する分配出力器69も設けられている。尚、シアン,マゼンタ,イエロ,ブラックの4色のドットに加えて、淡シアン,淡マゼンタを加えた合計6色のドットを形成可能なカラープリンタでは、更に2系統分のインク吐出用ヘッドが追加される。
【0047】
CPU61は、キャリッジモータ30に駆動信号を出力しながら、発振器70に対してトリガ信号を出力し、これに同期をとりながら、RAM63に蓄えられているドットのオン・オフ信号を読み出して駆動バッファ67に出力する。こうしてCPU61の制御の下、キャリッジ40の主走査を行いながら、ノズルユニットに設けられた各ノズルからインク滴を吐出する。また、CPU61はキャリッジの動きに同期して、紙送りモータ35の動きも制御している。こうして印刷用紙上の適切な位置にインクドットが形成される。
【0048】
キャリッジ40には黒(K)インクを収納するインクカートリッジ42と、シアン(C)・マゼンタ(M)・イエロ(Y)の合計3色のインクを収納するインクカートリッジ43とが装着されている。もちろん、Kインクと多色のインクとを同じインクカートリッジに収納等してもよい。また、多色のインクをそれぞれ別のカートリッジに収納しても構わない。複数のインクを1つのカートリッジに収納可能とすれば、インクカートリッジをコンパクトに構成することができる。
【0049】
図4は、インクカートリッジ42の外観形状を示した説明図である。図示するように、インクカートリッジには識別ラベル56が貼付されていて、インクカートリッジに収納されているインクの種類を表す番号が記入されている。後述するように、本実施例の印刷装置においては、インクの種類と印刷用紙に関する情報に基づいて、いわゆるブロンズ化現象の発生し難い良好な画像を印刷することが可能となっている。このうち、インクの種類は識別ラベル56に記入された番号によって特定している。
【0050】
図5は、インクカートリッジ42,43に収納されているインク組成の一例を示す説明図である。図5(a)は染料を用いてインクの色相を呈するようにした、いわゆる染料インクの組成を示し、図5(b)は顔料を用いた、いわゆる顔料インクの組成を示している。図5に例示されるように、各色のインクは蒸留水に、インクの発色のための染料あるいは顔料と、染料あるいは顔料の溶媒として使用されているとともにインク粘度を調整するための有機溶媒とを、適量ずつ添加した混合溶液となっている。もちろん、図5に示す組成に限られず、種々の組成のインクを適用可能なことは言うまでもない。尚、淡シアンインクや淡マゼンタインク等のインクは、シアンインクやマゼンタインクの染料濃度を減らした組成となっている。
【0051】
このようなインクを収納したインクカートリッジ42,43をキャリッジ40に装着すると、カートリッジ内の各インクは図示しない導入管を通じて、各色毎のインク吐出用ヘッド44ないし47に供給される。各ヘッドに供給されたインクは、以下に説明する方法によって吐出され、印刷用紙上にドットを形成する。
【0052】
図6(a)は各色ヘッドの内部構造を示した説明図である。各色のインク吐出用ヘッド44ないし47には各色毎に48個のノズルNzが設けられていて、各ノズルには、インク通路50とその通路上にピエゾ素子PEが設けられている。ピエゾ素子PEは、周知のように、電圧の印加により結晶構造が歪み、極めて高速に電気−機械エネルギの変換を行う素子である。本実施例では、ピエゾ素子PEの両端に設けられた電極間に所定時間幅の電圧を印可することにより、図6(b)に示すように、ピエゾ素子PEが電圧の印加時間だけ伸張し、インク通路50の一側壁を変形させる。この結果、インク通路50の体積はピエゾ素子PEの伸張に応じて伸縮し、この収縮分に相当するインクが、粒子IpとなってノズルNzから高速で吐出される。このインクIpがプラテン36に装着された印刷用紙Pに染み込むことにより、印刷用紙Pの上にドットが形成される。尚、ピエゾ素子PEに印可する電圧波形を制御することによって、吐出するインク滴の大きさを制御することも可能である。吐出するインク滴の大きさを制御すれば、印刷用紙に形成されるインクドットの大きさを制御することが可能である。
【0053】
図7は、インク吐出用ヘッド44ないし47におけるインクジェットノズルNzの配列を示す説明図である。図示するように、インク吐出用ヘッドの底面には、各色毎のインクを吐出する4組のノズルアレイが形成されており、1組のノズルアレイあたり48個のノズルNzが、一定のノズルピッチkで千鳥状に配列されている。尚、各ノズルアレイに含まれる48個のノズルNzは、必ずしも千鳥状に配列する必要はなく、一直線上に配列されていても良い。ただし、千鳥状に配列すれば、ノズルピッチkの値を小さくすることができる利点がある。
【0054】
図7に示すように、各色のインク吐出用ヘッド44ないし47はキャリッジ40の搬送方向に位置がずれている。また、各色ヘッド毎のノズルについても、千鳥状に配置しているのでキャリッジ40の搬送方向に位置がずれている。カラープリンタ20の制御回路60は、キャリッジ40を搬送しながら、これらノズル位置の違いを考慮し適切なタイミングでそれぞれのPE素子を駆動してインク滴を吐出している。
【0055】
以上のようなハードウェア構成を有するカラープリンタ20は、キャリッジモータ30を駆動することによって、各色のインク吐出用ヘッド44ないし47を印刷用紙Pに対して主走査方向に移動させ、また紙送りモータ35を駆動することによって、印刷用紙Pを副走査方向に移動させる。制御回路60の制御の下、キャリッジ40の主走査および副走査を繰り返しながら、適切なタイミングでノズルを駆動してインク滴を吐出することによって、カラープリンタ20は印刷用紙上にカラー画像を印刷している。
【0056】
B.印刷処理の概要:
上述のように、カラープリンタ20は、画像データFNLの供給を受けてカラー画像を印刷する機能を有するが、カラープリンタ20に供給する画像データFNLはコンピュータ80がカラー画像に所定の画像処理を行うことによって生成する。図8は、コンピュータ80がカラープリンタ20に画像データFNLを出力して、画像を印刷する処理の概要を示したフローチャートである。かかる処理は、コンピュータ80のプリンタドライバ92内で、CPU81の各機能を用いて実現される。以下、同図に従って、印刷処理の概要を説明する。
【0057】
図8に示すように、印刷処理ルーチンが開始されると、CPU81は初めに画像データを入力する(ステップS100)。この画像データは図2で説明したようにアプリケーションプログラム91から供給されるデータであり、画像を構成する各画素毎にR・G・Bそれぞれの色について、0〜255の値の256階調を有するデータである。この画像データの解像度は、原画像のデータORGの解像度等に応じて変化する。
【0058】
画像データの入力が終了すると、CPU81は画像データの解像度をカラープリンタ20が印刷するための解像度に変換する(ステップS102)。画像データが印刷解像度よりも低い場合には、線形補間により隣接する原画像データの間に新たなデータを生成することで解像度変換を行う。逆に画像データが印刷解像度よりも高い場合には、一定の割合でデータを間引くことにより解像度変換を行う。
【0059】
次に、CPU81は、色変換処理を行う(ステップS104)。色変換処理とは、R・G・Bの階調値からなる画像データをカラープリンタ20で使用するC・M・Y・Kの各色の階調値のデータに変換する処理である。この処理は、色変換テーブルLUTを用いて行われており(図2参照)、LUTにはR・G・Bのそれぞれの組合せからなる色をカラープリンタ20で表現するためのC・M・Y・Kの組合せが記憶されている。尚、カラープリンタが淡シアン(LC)および淡マゼンタ(LM)のドットも形成可能な場合は、C・M・Y・Kに加えてLC・LMの組合せが記憶されているLUTを使用する。本実施例のカラープリンタ20では、色変換処理を、印刷用紙およびインクの組合せに合わせて適切に行うことにより、ブロンズ化現象の発生を回避している。色変換処理の詳細については後述する。
【0060】
色変換処理を終了すると、2値化処理を行う(ステップS106)。本実施例においては、色変換後の画像データはC・M・Y・Kの4色の256階調画像となっている。一方、本実施例のカラープリンタ20では、ドットの形成有無の2つの状態しか採り得ない。従って、256階調を有する画像を、カラープリンタ20が表現できる2階調で表現された画像に変換する必要がある。このような変換を行う処理が2値化処理である。
【0061】
CPU81は2値化処理を終了すると、インターレース処理を開始する(ステップS108)。この処理は、2値化処理によってドットの形成有無を表す形式に変換された画像データを、カラープリンタ20に転送すべき順序に並べ替える処理である。すなわち、前述のようにカラープリンタ20は、キャリッジ40の主走査と副走査を繰り返しながら、印字ヘッド41を駆動して印刷用紙Pの上にドット列(ラスタ)を形成していく。図7を用いて説明したように、各色毎のインク吐出用ヘッド44ないし47には、複数のノズルNzが設けられているので、1回の主走査で複数本のラスタを形成することができるが、それらラスタは互いにノズルピッチkだけ離れている。そこで、1回の主走査で、まずノズルピッチkだけ離れた複数のラスタを形成し、次にヘッド位置を少しずらして、ラスタの間に新たなラスタを形成していくといった制御が必要となる。このような制御を行うと、カラープリンタ20が実際にドットを形成する順序は、画像データ上での画素の順序と異なった順序となるので、インターレース処理において画像データの並べ替えを行う。
【0062】
インターレース処理が終了すると、画像データはプリンタが印刷可能な画像データFNLとして、カラープリンタ20に出力される(ステップS110)。この画像データFNLに従って、カラープリンタ20がドットを形成することで印刷用紙上に画像が印刷される。
【0063】
C.ブロンズ化現象発生の回避方法:
本実施例の印刷システムにおいては、ブロンズ化現象の発生条件を予め調べておき、この条件を避けることによって、あるいは色変換テーブルをこの条件を避けるように設定しておくことによって、ブロンズ化現象のない良好な画像を印刷している。以下では、初めに、ブロンズ化現象の発生条件を調べる方法について説明し、次いで、この条件を避けて画像を印刷する方法について説明する。
【0064】
(1)ブロンズ化現象発生条件の調査方法:
図9は、本実施例においてブロンズ化現象が発生する条件の調査方法を示す説明図である。本実施例では、図に示すように、黒色レベル(明度)とUCR率を変更したパッチ画像群を印刷することで、ブロンズ化現象の発生条件を調査している。以下、図9に従って説明する。
【0065】
パッチ画像群を印刷する前に、予め印刷条件を調べておく。ここでいう印刷条件とは、インクの種類と、印刷用紙の種類、および色相というブロンズ化現象の発生に関係する3つの条件である。ブロンズ化現象は、インクと印刷用紙の組合せによって、発生のし易さが異なることが知られているので、インクの種類と印刷用紙の種類を予め調べておく。また色相については、無彩色を中心に調べるが、他にシアン色,マゼンタ色,およびイエロ色についても調べることができる。
【0066】
これらの条件を設定した後、小さな四角形(パッチ画像)が縦横にそれぞれ21個ずつならんだパッチ画像群を印刷する。それぞれのパッチ画像は、縦方向に黒色レベルが異なっており、横方向にはUCR率が異なっている。UCR率の内容については後述する。黒色レベルは、値が大きくなるほど明度が暗くなる指標である。Kインクのみを用いて印刷した場合は、黒色レベルの値はKドットのドット記録率と同じ値になる。ドット記録率とは、画素当たりにドットが形成される割合をいう。例えば、ドット記録率100%とは全ての画素にドットが形成されている状態であり、ドット記録率50%とは半分の画素にドットが形成されている状態である。また、ドット記録率110%とは全ての画素にドットが形成された上に、10%分のドットが重ねて形成されている状態である。
【0067】
前述したように、黒色を表現する場合に、Kドットを用いて印刷することもできるし、Cドット・Mドット・Yドットをほぼ等量ずつ混在して形成して黒色を印刷することもできる。このようにCドット・Mドット・Yドットを使用して印刷した黒色を、Kドットで印刷した黒色と区別して、コンポジットKと呼ぶ。すなわち、同じ黒色レベルのパッチ画像を印刷する場合に、Kドットのみを用いて印刷する場合と、コンポジットKを用いて印刷することも可能である。Kドットのみを用いて印刷した場合をUCR率100%と呼び、C・M・Yドットのみを用いて印刷した場合をUCR率0%と呼ぶ。UCR率50%とはUCR率100%の状態から半分のKドットをC・M・Yドットに置き換えた状態である。
【0068】
このようにそれぞれ条件を変えて印刷したパッチ画像の中から、ブロンズ化現象が発生しているパッチ画像を目視によって選び出す。図10(a)は、あるインクと印刷用紙の組合せた条件で、ブロンズ化現象が発生しているパッチ画像を選択した一例を示したものである。図10(a)中に「○」を付したパッチ画像が、ブロンズ化現象が発生していると判断された画像である。一般的に、ブロンズ化現象は黒色レベルが高く、かつUCR率が高いときに発生する現象である。尚、図10(a)では、図5(a)に示した染料インクを用いた場合を例示しているが、図5(b)に示した顔料インクを用いた場合でも、大まかにはほぼ同じような傾向の結果を得ることができる。
【0069】
図10(b)は図10(a)の結果を整理したものである。図10(b)のハッチングを施した条件でブロンズ化現象が発生する。例えば黒色レベル70%の画像をKインクのみで印刷するとブロンズ化現象が発生するが、Kドットの中の20%程度をコンポジットKに置き換えるとブロンズ化現象の発生を回避することができる。また、20%のKドットを、これとほぼ等量のCドットおよびMドット、Yドットで置き換えることにより、単位面積当たりに形成されるドットの数が増加する。すなわち、コンポジットKを使用する前はドット記録率は70%であるが、一部にコンポジットKを使用する結果、Kドット,Cドット,Mドット,Yドットのドット記録率の合計が98%程度に増加する。図10(b)中に示したインクデューティは、各色ドットのドット記録率を合計した値である。画像を印刷する際には、インクデューティの値が所定値を越えないように注意しておく必要がある。つまり、印刷用紙上の同一箇所にあまりに多くのインクドットを形成すると、インク同士が混ざり合ったり、印刷用紙が膨潤してシワになったりして画質の悪化を引き起こす。このため、一般にインクデューティの許容値が印刷用紙毎に決まっていて、この制限値の範囲内で画像を印刷する必要があるのである。本実施例のカラープリンタ20は、ブロンズ化現象の発生を回避するためにKドットの一部をコンポジットKで置き換えるが、それと同時にインクデューティの値が制限値を越えることにないように考慮されている。
【0070】
インクの種類,印刷用紙の1つの組合せ毎に、図9に示すパッチ画像群を印刷して図10(b)に示すようなデータを蓄積していく。色相に関する条件を変更する場合は次のように行う。シアン色について調べる場合は、所定量のシアンドットを形成した上から、前述の黒色レベルのパッチ画像群を印刷する。初めに形成しておくシアンドットのは、種々の設定が可能だが、ここではドット記録率30%のシアンドットを形成した。マゼンタ色やイエロ色についても、同様にしてブロンズ化現象の発生条件を調査する。
【0071】
図11は、このようにして色相のみを変更して、ブロンズ化現象の発生条件を調べたものである。ブロンズ化現象を発生させる条件は、厳密には色相毎に少しずつ異なっていたが、傾向が異なることはなかった。また、ブロンズ化現象が発生する条件は、無彩色の場合が一番広めになり、色相を変更すると若干狭くなるようであった。この現象については、現時点では次のように考えられる。同じ黒色レベルのパッチ画像でも、有彩色の場合、すなわち例えばCドット等のドットを予め形成した上に印刷した場合は、無彩色の場合に比べて、Kドットの割合が予め形成したドットの分だけ低くなる。これは、あたかもKドットをコンポジットKに変更する比率を大きくしたのと同様に傾向となる。このため有彩色の場合は無彩色の場合に比べて、ブロンズ化現象が発生する条件が若干狭くなるものと想像される。
【0072】
ブロンズ化現象の発生メカニズムは、現時点では十分に解明されているわけではないが、簡易的には、無彩色の条件でのみブロンズ化現象の発生条件を調査し、有彩色の場合も無彩色の場合と同様の結果が得られるとしても、実用上の問題は生じない。後述するように、本実施例のカラープリンタ20では、このような知見を下に、各色ドットの形成状況を制御している。
【0073】
(2)ブロンズ化現象を回避する第1の実施例:
本実施例の印刷システムは、前述したように印刷処理ルーチン中の色変換処理において、R・G・B各色の画像データをC・M・Y・K各色の階調データに変換し(図8のステップS104)、続く2値化処理では変換された階調値に基づいて、C・M・Y・Kの各色毎にドットの形成有無を判断し(ステップS106)、この2値化結果に基づいて各色のドットを形成する。ここで、各色のドットの形成割合が適切でない場合には、ブロンズ化現象が発生して印刷画質を悪化させる場合がある。そこで、第1実施例の印刷システムでは、ブロンズ化現象の発生条件を予め記憶しておき、記憶してある発生条件に基づいて、色変換の結果を次のように修正することで、ブロンズ化現象の発生を回避している。
【0074】
図12は、第1の実施例における色変換処理の流れを示すフローチャートである。図示するように、第1の実施例における色変換処理を開始すると、CPU81は初めに印刷条件を取得し、取得した印刷条件に基づいてブロンズ化現象の発生条件を選定する(ステップS200)。すなわち、前述したように、ブロンズ化現象はインクの種類と印刷用紙との組合せによって発生する範囲が異なっている。そこで、予めインクの種類と印刷用紙の種類に関する情報を取得し、この情報に基づいてブロンズ化現象が発生する条件を特定するのである。以下、印刷条件の取得について説明し、次いでブロンズ化現象の発生条件の選定について説明する。
【0075】
印刷条件は、カラープリンタ20の使用者がプリンタドライバ92に対して設定する情報に基づいて取得される。インクの種類は、カラープリンタ20の使用者がインクの製品番号をCRT画面上からプリンタドライバ92に入力すると、プリンタドライバ92が製品番号からインクの種類を特定する。インクの製品番号は、図4に示すようにインクカートリッジに貼付されたラベルに記載されている。印刷用紙の種類については、CRT画面上に各種の印刷用紙の類別が表示されるので、この中からカラープリンタ20の使用者が選択すると、選択結果からプリンタドライバ92が印刷用紙の種類を特定する。こうして特定されたインクの種類と印刷用紙の種類に関する情報は、プリンタドライバ92内に記憶され、カラープリンタ20の使用者がCRT画面上から設定し直すまで保持されている。CPU81はステップS200において、先ず初めにこの情報を読み込むのである。
【0076】
次いで、読み込んだ印刷条件に関する情報から、ブロンズ化現象が発生する条件を特定する。図13は、CPU81がブロンズ化現象の発生する条件を特定する方法を示す説明図である。ブロンズ化現象が発生する条件は、前述した方法を使用して、インクの種類と印刷用紙の組合せ毎に予め調査されている。こうして得られた調査結果が似かよっている場合には、第1の実施例では、それらの結果を1つにまとめて記憶している。すなわち、インクの種類と印刷用紙の組合せの数だけ調査結果を記憶するのでは記憶容量が多量に必要となるので、似かよった調査結果は1つにまとめて記憶するのである。
【0077】
図13(a)は、印刷条件(すなわちインクの種類と印刷用紙との組合せ)と、記憶している調査結果との対応関係を示した説明図である。例えば、印刷用紙1にインク種類1を使用した場合と、同じく印刷用紙1にインク種類2を使用した場合と、印刷用紙2にインク種類3を使用した場合との3つの印刷条件では、ブロンズ化現象の発生条件はほぼ同じような結果が得られることから、これらの印刷条件には結果Aを対応付けて記憶している。このように似かよった調査結果を1つにまとめる結果、図13(a)に示すように、9通りの印刷条件に対して結果Aないし結果Dの4種類の調査結果を、コンピュータ80内に記憶しておけばよい。
【0078】
各調査結果は、図13(b)に示すような形式で記憶されている。すなわち、UCR率は100%から50%範囲のみを記憶している。これは、UCR率が50%より小さい範囲ではブロンズ化現象は発生していないので、記憶容量を節約するためである。また、黒色レベルは階調値による表現に変換されて記憶されている。この理由については後述する。
【0079】
CPU81は、読み込んだ印刷条件に関する情報から、図13(a)に示す対応関係を参照して、該当する調査結果を1つ選択することによって、ブロンズ化現象の発生条件を特定するのである。以上の処理が、ステップS200において行われる処理である。
【0080】
次いで、CPU81は色変換テーブルLUTを参照しながら、R・G・B各色の画像データをC・M・Y・K各色の階調データに変換する(ステップS202)。図14は、色変換テーブルLUTを概念的に示したものである。R・G・B各色の階調値を互いに直交する3つの軸にとり、3つの軸が張る空間を格子状に細分する。各格子点のR・G・Bの各座標値を、R・G・B各色の階調値と対応させれば、各格子点がそれぞれに異なる色彩を表していることになる。そこで、各格子点の1つ1つに、格子点の色彩に対応するC・M・Y・Kの階調値を記憶しておく。色変換テーブルは、このような3次元の数表である。
【0081】
CPU81は、色変換テーブルを参照しながら次のようにして色変換を行う。例えば、画像データのR・G・B階調値がそれぞれRA・GA・BAの場合、色変換テーブル上の座標(RA,GA,BA)で表される点Aを考え、点Aを含むような小さな立方体dVを見つけ出し、この立方体に各頂点の格子点に記憶されているC・M・Y・Kの階調値を読み出す。こうして読み出した各階調値から補間演算を行うことで、点Aに相当するC・M・Y・K各色の階調値を算出する。
【0082】
こうして色変換を終了すると、CPU81は黒色レベルとUCR率を算出する(ステップS204)。色変換テーブルの各格子点に記憶されているC・M・Y・Kの各色の階調値は、各格子点が対応する色彩を表現するとともに、良好な画像が得られるようなUCR率に設定されている。すなわち、例えば灰色のような比較的明るい色彩を表現する場合には、Kドットのような目立ちやすいドットをまばらに形成するとざらざらした感じのいわゆる粒状感の悪い画像となってしまうので、Kドットの代わりにコンポジットKを用いることで画質を改善する。これに対し、黒色に近い色のような暗い色彩を表現する場合には、コンポジットKではなくKドットを用いて画像を表現する。これは、暗い色彩を表現する場合に、コンポジットKを使用すると、前述のインクデューティの許容値を超えて画質が悪化してしまうが、その一方で、暗い色彩中にKドットが形成されていてもドットが目立って画質を悪化させることはないからである。このように、良好な画質を得るために、比較的明るい色彩の場合はUCR率は低い値となっており、比較的暗い色彩の場合はUCR率は高い値となっている。しかし、通常の色変換を行ったままでは、ブロンズ化現象が発生する場合がある。そこで、ブロンズ化現象が発生するか否かを判断するために、ステップS204では、色変換結果についての黒色レベルとUCR率とを算出するのである。
【0083】
黒色レベルBrk、UCR率Rucr は、それぞれ次式によって算出する。
Brk =min(α1 ×Cv ,α2 ×Mv ,α3 ×Yv )×3 + Kv …(1)
Rucr =Kv /Brk …(2)
ここで、Cv ,Mv ,Yv ,Kv は、それぞれステップS202の色変換の結果求められたC,M,Y,K各色の階調値を示す。また、α1 ,α2 ,α3 は、Kインクによる表現をコンポジットKによる表現に変更する場合に、C,M,Yの各色インクの割合を示す係数である。これら各係数は実験的に予め求められている。min()は最小値を選択する演算子である。例えば、min(X,Y,Z)は、X,Y,Zの中の最も小さな値をとる。
【0084】
こうして求めた黒色レベルBrkとUCR率Rucr とを求めると、この値に基づいて、CPU81はブロンズ化現象が発生するか否かを判断する処理を開始する(ステップS206)。すなわち、ステップS200において、ブロンズ化現象が発生する条件が既に特定されているので、ステップS204において算出した黒色レベルBrkの値とUCR率Rucr の値とから、ブロンズ化現象が発生するか否かを判断することができる。
【0085】
ここで、図13(b)に示すように、ブロンズ化発生条件についての調査結果は、黒色レベルが階調値による表現形式に変換された形式で記憶されている理由について説明する。式(1)および式(2)に示されるように、色変換後の黒色レベルBrkの値およびUCR率Rucr の値は、階調値による表現で求められる。そこで、ブロンズ化現象が発生するか否かの判断を容易に行えるように、調査結果の黒色レベルも階調値による表現に変換して記憶しておくのである。
【0086】
こうしてステップS206において、ブロンズ化現象が発生すると判断された場合は、UCR率を修正してブロンズ化現象の発生を回避する(ステップS208)。具体的には、次のようにしてUCR率を修正する。
【0087】
算出された黒色レベルBrkにおいて、ブロンズ化現象の発生しないUCR率の最大値Rlmt を求め、色変換後のUCR率Rucr との差ΔRを求める。ここで、ステップS200においてブロンズ化現象の発生条件が特定されているので(図13参照)、この調査結果を参照することにより、最大値Rlmt は容易に求めることができる。こうして求めたΔRを用いて、次式により、色変換後のC・M・Y・Kの各色の階調値を修正する。
Kv →Kv − ΔR …(3)
Cv →Cv + α1 ・ΔR …(4)
Mv →Mv + α2 ・ΔR …(5)
Yv →Yv + α3 ・ΔR …(6)
ここで、「→」は置き換えることを示す記号である。すなわち、A→Bは、AをBで置き換えることを意味する記号である。また、α1 ,α2 ,α3 は、実験的に求められ、前述の式(1)に使用されている係数である。
【0088】
ステップS206の処理において、ブロンズ化現象が発生しないと判断された場合には、全ての画素について色変換処理を終了したか否かを判断し(ステップS210)、未処理の画素が残っている場合は、ステップS202に戻って続く一連の処理を繰り返す。未処理の画素が残っていない場合は色変換処理を終了して、図8の印刷処理ルーチンに復帰する。
【0089】
図8の印刷処理ルーチンに復帰すると、以上のようにして行った色変換処理の結果に対して2値化処理(図8のステップS106)を行う。すなわち、色変換処理の結果得られたC,M,Y,K各色についての256階調の画像データを、ドットの形成有無で表現できる2階調の画像データに変換する。こうして得られた画像データにインターレース処理(図8のステップS108)を加えてカラープリンタ20に出力する。
【0090】
第1の実施例においては、ブロンズ化現象が発生しないように各色の階調データを修正した色変換処理結果に対して2値化処理を行うので、その結果判断される各色ドットの形成割合も、ブロンズ化現象の発生しない形成割合となる。
【0091】
以上のように、第1の実施例は、既存の色変換テーブルを使用して色変換処理を行い、その結果をブロンズ化現象の発生条件に基づいて修正する。従って、新たにブロンズ化現象の発生条件についてのデータを追加することによって、ブロンズ化現象のない良好な画像を簡便に得ることができる。
【0092】
尚、上述の説明においては、インクの種類および印刷用紙との組合せを印刷条件として読み込んでいるが、簡易的には、インクの種類、あるいは印刷用紙の種類のいずれかを印刷条件として読み込み、読み込んだ印刷条件に基づいてブロンズ化現象の発生有無を判断してもよい。こうすれば、図12の色変換処理をより簡便に行うことができる。また、ブロンズ化現象の発生条件として記憶しておくべき種類を少なくすることができるので、コンピュータの記憶容量を節約することも可能となる。
【0093】
(3)ブロンズ化現象を回避する第2の実施例:
上述した第1の実施例においては、既存の色変換テーブルを用いて色変換を行い、ブロンズ化現象が発生しないように色変換結果を修正したが、ブロンズ化現象の発生条件を考慮して、色変換テーブルを変更しておき、変更された色変換テーブルを用いて色変換処理(図8のステップS104)する方法も存在する。第2の実施例は、このように、ブロンズ化現象を考慮して設定された色変換テーブルを用いる方法である。
【0094】
第2の実施例では、予めブロンズ化現象の発生条件を考慮して設定された色変換テーブルを用いて色変換処理を行う。その結果、コンピュータ80が通常の印刷処理ルーチンを実施するだけで、カラープリンタ20はブロンズ化現象の生じない良好な画像を印刷することができる。以下では、ブロンズ化現象の発生条件を考慮して、このような色変換テーブルをどのようにして設定するかについて説明する。
【0095】
図15は、ブロンズ化現象の発生条件に基づいて、色変換テーブルを設定する処理の流れを示すフローチャートである。この処理は、コンピュータ80のCPU81によって行われる処理である。CPU81は、この処理を行うことによって、既存の色変換テーブルを修正し、その結果、インクの種類と印刷用紙の組合せ毎にブロンズ化現象の発生条件を考慮した新たな色変換テーブルを生成する。もちろん、カラープリンタの出荷時に修正済みの色変換テーブルを搭載しておいても構わない。
【0096】
色変換テーブル修正処理を開始すると、初めに印刷条件を取得して、ブロンズ化現象の発生条件を特定する(ステップS300)。すなわち、ブロンズ化現状の発生条件は、インク種類と印刷用紙との組合せによって異なっているので、それぞれの組合せに応じて、色変換テーブルの修正量も異なっている。そこで、先ず、どの印刷条件を想定して色変換テーブルを修正するのかを決定するのである。具体的には、前述した第1の実施例の場合と同様に、コンピュータ80の操作者がCRT画面上からインクの製品番号を入力し、印刷用紙の種類を選択することによって印刷条件を設定する。
【0097】
こうして設定された印刷条件から、対応するブロンズ化現象発生条件を特定する。すなわち、第1の実施例の場合と同様に、コンピュータ80には、ブロンズ化現象の発生条件の調査結果が、インクの種類と印刷用紙の組合せ毎に予め記憶されている(図13参照)。そこで、設定された印刷条件から対応する調査結果を特定するのである。
【0098】
次いで、CPU81は色変換テーブルLUTの格子点に設定されているC・M・Y・K各色の階調データを読み出して(ステップS302)、読み出した格子点についての黒色レベルおよびUCR率を算出する(ステップS304)。算出には、第1の実施例と同様に、式(1)および式(2)を使用する。
【0099】
こうして求めた黒色レベルBrkとUCR率Rucr とから、格子点に設定されている階調データが適切か否か、すなわちブロンズ化現象の発生有無を判断する(ステップS306)。ステップS300で、ブロンズ化現象が発生する条件が既に特定されているので、この条件を参照することにより、算出した黒色レベルBrkとUCR率Rucr の組合せがブロンズ化現象を発生させる条件であるか否かを容易に判断することができる。
【0100】
こうして、ブロンズ化現象が発生すると判断された場合は、第1の実施例と同様に、次のようにしてC・M・Y・K各色の階調値を修正する(ステップS3308)。先ず、ステップS300で特定したブロンズ化現象の発生条件を参照し、算出した黒色レベルBrkにおけるブロンズ化現象の発生しないUCR率の最大値Rlmt を求める。次いで、最大値Rlmt と算出したUCR率Rucr との差ΔRを求め、前述の式(3)〜式(5)を用いて、C・M・Y・Kの各色の階調値を修正する。
【0101】
ステップS306の処理において、ブロンズ化現象が発生しないと判断された場合には、色変換テーブルの全ての格子点について階調値の修正が終了したか否かを判断し(ステップS310)、未だ修正していない格子点がが残っている場合は、ステップS302に戻って続く一連の処理を繰り返す。未処理の格子点がが残っていない場合は色変換テーブル修正処理を終了する。このようにして、インク種類と印刷用紙の組合せ毎に、色変換テーブルを修正して記憶しておく。
【0102】
図16は、第2の実施例のカラープリンタ20が画像を印刷する際に、印刷処理ルーチン中の色変換処理(図8のステップS104)で行う処理の流れを示すフローチャートである。図16のフローチャートに従って、第2の実施例のカラープリンタ20が行う色変換処理を簡単に説明する。色変換処理を開始すると、CPU81は初めに印刷条件(インクの種類および印刷用紙)を取得する(ステップS400)。これら条件は、カラープリンタ20の使用者がCRT画面上からプリンタドライバ92に対して予め設定してあるので、この情報を取得する。
【0103】
次いで、取得した印刷条件に応じて、対応する色変換テーブルを選択する(ステップS402)。前述した色変換テーブル修正処理において、印刷条件毎に色変換テーブルが修正して記憶されているので、この中から印刷条件に対応する色変換テーブルを選択するのである。尚、本実施例では、プリンタドライバが、印刷条件に応じて対応する色変換テーブルを自動的に選択するものとして説明したが、印刷条件に応じて適切な色変換テーブルを外部から指定するようにしても構わない。
【0104】
こうして選択した色変換テーブルを参照して、RGB画像データをCMYKの画像データに変換し(ステップS404)、全ての画素について色変換処理を終了したら色変換処理を抜けて、印刷処理ルーチンに復帰する。
【0105】
このように、第2の実施例の色変換処理においては、ブロンズ化現象が発生しないように印刷条件毎に修正された色変換テーブルを使用する。このため、こうして得られた色変換結果に、2値化処理などの各種処理を行うことにより、最終的にブロンズ化現象の生じない良好な画像を得ることができる。
【0106】
以上に説明したように、かかる第2の実施例においては、ブロンズ化現象の発生条件を考慮して、色変換テーブルを予め修正しておく。この修正済みの色変換テーブルを使用して色変換処理を行えば、通常の色変換処理を行うだけで、ブロンズ化現象の生じない画像を迅速に印刷することができる。
【0107】
尚、上述した第2の実施例においては、インクの種類および印刷用紙との組合せ毎にブロンズ化現象の発生条件を考慮しているが、簡易的には、インクの種類、あるいは印刷用紙の種類のいずれかのみを考慮してもよい。こうすれば、図15の色変換テーブル修正処理および図16の色変換処理をより簡便に行うことが可能となる。また、記憶しておくべき色変換テーブルの種類が少なくなるので、必要な記憶容量を節約することが可能となるので好ましい。
【0108】
以上、各種の実施例について説明してきたが、本発明は上記すべての実施例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することができる。例えば、上述の機能を実現するソフトウェアプログラム(アプリケーションプログラム)を、通信回線を介してコンピュータシステムのメインメモリまたは外部記憶装置に供給し実行するものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の印刷装置の概略構成図である。
【図2】ソフトウェアの構成を示す説明図である。
【図3】本実施例のプリンタの概略構成図である。
【図4】本実施例のカラープリンタで使用されるインクカートリッジの外観形状を示す説明図である。
【図5】カラープリンタに適用可能な各色インクのインク組成を例示する説明図である。
【図6】本実施例のプリンタにおけるドット形成原理を示す説明図である。
【図7】本実施例のプリンタにおけるインク吐出用ヘッドのノズル配列を示す説明図である。
【図8】本実施例における印刷処理ルーチンの流れを示すフローチャートである。
【図9】ブロンズ化現象の発生条件を調査するために印刷されるパッチ画像について説明する説明図である。
【図10】パッチ画像の印刷結果からブロンズ化現象の発生条件を調査した結果を例示する説明図である。
【図11】色相を変更してブロンズ化現象の発生条件を調査した結果を示す説明図である。
【図12】第1の実施例における色変換処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】第1の実施例においてブロンズ化現象発生条件が印刷条件毎に記憶されている様子を示す説明図である。
【図14】第1の実施例の色変換処理で用いられる色変換テーブルについて説明する説明図である。
【図15】第2の実施例においてブロンズ化現象発生条件を考慮して色変換テーブルを修正する処理の流れを示すフローチャートである。
【図16】第2の実施例において実施される色変換処理の流れを示すフローチャートである。
【図17】本発明においてブロンズ化現象の生じない良好な画像を印刷することができる原理を説明する説明図である。
【符号の説明】
20…カラープリンタ
21…カラースキャナ
24…モデム
26…ハードディスク
30…キャリッジモータ
30…ドット記録率
31…駆動ベルト
32…プーリ
33…摺動軸
34…位置検出センサ
35…紙送りモータ
36…プラテン
40…キャリッジ
41…印字ヘッド
42,43…インクカートリッジ
44〜47…インク吐出用ヘッド
50…インク通路
56…識別ラベル
60…制御回路
61…CPU
63…RAM
64…PCインターフェース
67…駆動バッファ
69…分配出力器
70…発振器
80…コンピュータ
81…CPU
82…ROM
83…RAM
88…SIO
90…ビデオドライバ
91…アプリケーションプログラム
92…プリンタドライバ
93…解像度変換モジュール
94…色変換モジュール
95…ハーフトーンモジュール
96…インターレースモジュール
Claims (2)
- 黒色インクによるドットと、互いに組み合わせることで無彩色を表現可能な複数の基本色インクのドットとを形成することにより、画像データに対応したカラー画像を印刷媒体上に形成する印刷部に、該各色のインクによるドットの形成を制御するための制御情報を出力して、該印刷部を制御する印刷制御装置であって、
前記画像データを前記基本色インクの各々についての階調データたる第1の階調データに変換する画像データ変換手段と、
該第1の階調データを前記基本色インクのドットの有無による表現形式に変換したときに、前記印刷媒体上に形成される前記基本色インクのドットの合計密度が所定密度を超えないように、前記第1の階調データ中に表現された無彩色の少なくとも一部をこれと等価な前記黒色インクの階調データに置換することにより、前記第1の階調データを前記基本色インクおよび黒色インクについての階調データたる第2の階調データに置換する画像データ置換手段と、
前記カラー画像の明度に対応する指標たる黒色レベルを、前記第2の階調データに基づいて算出する黒色レベル算出手段と、
前記第2の階調データに基づいて算出された黒色レベルのうち、前記黒色インクによる比率たるUCR率を、該第2の階調データに基づいて算出するUCR率算出手段と、
前記印刷媒体上にインクドットを形成したときにブロンズ化現象が発生するような前記黒色レベルおよび前記UCR率の組合せを、ブロンズ化現象発生条件として記憶しているブロンズ化現象発生条件記憶手段と、
前記第2の階調データに従って前記基本色インクおよび黒色インクのドットを形成したときにブロンズ化現象が発生するものと前記ブロンズ化現象発生条件に基づいて判断した場合には、該第2の階調データから算出された前記黒色レベルの値を保ったまま、前記ブロンズ化現象の発生しない条件まで前記UCR率を小さくすることにより該第2の階調データを変更し、得られた階調データを第3の階調データとして確定する画像データ確定手段と、
該確定された第3の階調データに基づいて、前記基本色インクおよび黒色インクによるドットの形成有無を判断するドット形成手段と、
前記判断結果を、前記制御情報として前記印刷部に出力する制御情報出力手段と
を備える印刷制御装置。 - 請求項1記載の印刷制御装置であって、
前記ブロンズ化現象発生条件記憶手段は、無彩色の画像を印刷する場合にブロンズ化現象が発生する前記黒色レベルと前記UCR率との組合せを、前記ブロンズ化現象発生条件として記憶している手段である印刷制御装置。
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