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JP4664914B2 - エチレンアミンの製造方法 - Google Patents

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JP4664914B2 JP2006522248A JP2006522248A JP4664914B2 JP 4664914 B2 JP4664914 B2 JP 4664914B2 JP 2006522248 A JP2006522248 A JP 2006522248A JP 2006522248 A JP2006522248 A JP 2006522248A JP 4664914 B2 JP4664914 B2 JP 4664914B2
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Description

本発明は、モノエタノールアミン(MEOA)とアンモニアとを触媒の存在下で反応器(1)において反応させ、そして得られた反応排出物を分離することによってエチレンアミンを製造する方法に関する。
エチレンアミンは、溶剤、安定化剤として、キレート形成剤、人工樹脂、医薬品、阻害剤及び界面活性物質の合成のために使用される。
特にジエチレントリアミン(ビス(2−アミノエチル)アミン;DETA)は、着色剤用の溶剤として使用され、かつこれはイオン交換体、殺虫剤、酸化防止剤、腐蝕保護剤、錯形成剤、テキスタイル助剤及び(酸性)ガス用の吸収剤の製造のための出発材料である。
エチレンアミン、なかでもDETAの製造について、文献に多くの方法が記載されている。
PEP Report No. 138, "Alkyl Amines", SRI International, 03/1981の、特に7、8、13〜16、43〜107、113、117頁によれば、ジクロロエタンとアンモニアとをモル比1:15で反応させることで、形成されたエチレンアミンの割合の20質量%より多くのジエチレントリアミン(DETA)が得られる。しかしながら40質量%のエチレンジアミン(EDA)の他に40質量%の高級エチレンアミンが生ずる。
モノエタノールアミン(MEOA)をアンモニアでアミノ化することによって(例えば前記のPEP Reportを参照)、前記の高級エチレンアミン(すなわちトリエチレンテトラミン(TETA)の沸点より高い沸点を有するエチレンアミン)の形成を、エチレンジアミンのために十分に抑制することができる。しかしながら、副生成物として、前記の反応の際に、アミノエチルエタノールアミン(AEEA)及びピペラジン(PIP)が生ずる。前記の両方の生成物の市場での需要がエチレンジアミンとジエチレントリアミンに比べて不安定なので、エチレンジアミンとジエチレントリアミンの割合をアミノエチルエタノールアミンとピペリジンを犠牲にして高める幾つかの方法が開発された。
一般に、モノエタノールアミンを遷移金属触媒(例えばNi,Co,Cu触媒;US4,014,933号(BASF AG社))上で水素の存在下にモル過剰のアンモニア(NH:MEOA>6)と部分的にのみ(40〜60%)反応させることで達成される。
水の添加(US3,766,184号)、水素量の変化(US4,234,730号(Texaco社))及びMEOA含量の制御(US4,647,701号(UCC社))によって、形成されたエチレンアミン中のピペラジンとアミノエチルエタノールアミンの割合を、MEOA転化率40〜60%で20質量%未満に保持することに成功している。高いアンモニア過剰とMEOAの部分的な転化に限定して、形成されたエチレンアミン中のジエチレンアミンの割合は明らかに20質量%未満である。
ジエチレントリアミンの狙いを定めた製造のために、GB−A−2,147,896号(三井東圧社)では、モノエタノールアミンとエチレンジアミン及びアンモニア(EDA:MEOA:NHをモル比2:1:18で)とをリン酸塩含有触媒の存在下で反応させることを記載している。MEOA転化率65%の場合に、DETA選択性>90%が記載されている。この場合の欠点は、アンモニアを過剰に使用せねばならないことと、高いDETA選択性はEDAの存在下でのみ部分的なMEOA転化率で達成されるにすぎないということである。前記の技術の一般的な問題は、更に、激しい反応条件(280〜350℃)下では、使用される触媒の寿命が低いことである。
前記の欠点を排除するために、多くの様々なリン酸塩含有触媒が特許出願されている(US4,683,335号(Texaco社)、US4,612,397号(Texaco社)、US4,609,761号(Texaco社))。ヒドロキシエチルピペラジンを気相アミノ化してトリエチレンジアミンを得ることは別として、前記の触媒は今までに技術的に成果を収めることができていない。
リン酸塩触媒と比較して、エチレンジアミンとそれ自身(GB−A1,508,460号(BASF AG社);US4,568,746号(UCC社))又はモノエタノールアミン(US3,714,259号(Jefferson Chemical社);US4,568,746号)とは、遷移金属触媒上で水素雰囲気下に非常に穏やかな条件(140〜210℃)で反応させることができる。
US3,714,259号に記載される条件下では、1kgのDETA当たりに、約0.45〜0.84kgのピペラジンとAEEAが形成される。
より高いDETA/ピペラジン比は、米国特許第4,568,746号においては、Ni/Re触媒(DETA/PIP=5.4〜8.9、23〜33%の転化率で)上で温度>170℃において達成され、かつGB−A−1,508,460号においては、Ni/Co/Cu触媒(DETA/PIP=17〜26、23%の転化率で)上で温度<150℃と有利な圧力25〜45バールで達成される。
US5,410,086号(Burgess社)は、液相中の水素濃度の調整によるDETA/ピペラジン比の制御を特許請求の範囲に含めている。
前記の技術(単独で)の欠点は、この場合にエチレンジアミンが生成しないことと、エチレンジアミンの縮合によって遊離されるアンモニアが使用物質として失われることである。
DD−A−213206号は、モノエタノールアミンを水素化触媒上で予備反応帯域とその帯域と接続された主要反応帯域とでアミノ化することによって、ジ−及びポリエチレンポリアミンを製造する方法に関する。
DD−A−217507号は、モノエタノールアミンを水素化触媒上で2つの反応段階でアミノ化するにあたり、第一の反応段階からの第一のアミノ化生成物を過剰のアンモニアの分離後に反応させて第二のアミノ化生成物を得ることによって、ジ−及びポリエチレンポリアミンを製造する方法を記載している。
EP−A2−197611号(Union Carbide Corp.社)では、形成されたエチレンアミン中の高級エチレンアミンの割合を2つの直列に接続された反応器を使用することによって高める方法を記載している。
該方法を図1(添付物1)で概略を示す。EP−A2−197611号中の図3も参照のこと。
第一の反応器において、MEOAのアミノ化をアンモニアにより遷移金属触媒(Ni、Re、担体)上で実施する。
その反応排出物を、高級エチレンアミンの割合を高めるために、同様に遷移金属触媒又はリン酸塩触媒が装填されている第二の反応器を介して送る。
生成物分布の制御と直鎖状エチレンアミンに関する選択性の向上のために、第二の反応器の前に、第二の反応器の反応排出物の後処理から由来し、MEOAとHOも含有するエチレンジアミンを導入する。
前記の方法の欠点は、AEEAが更に反応して、DETAではなく有利にはピペラジンが得られることと、EDAとMEOAとの反応によって付加的な量のAEEAが形成されることである。
本発明の課題は、エチレンアミンが特にエチレンジアミン(EDA)、ジエチレントリアミン(DETA)、アミノエチルエタノールアミン(AEEA)、ピペラジン(PIP)及び/又はトリエチレンテトラミン(TETA)であるところのエチレンアミンの製造にあたり、EDA、DETA、AEEA及びピペラジンに関して90%より高い全収率で、形成されるエチレンアミン中のジエチレントリアミンの割合が20質量%より高く、かつ形成されたエチレンアミン中のピペラジンとアミノエチルエタノールアミンの割合が必要に応じて15質量%未満に制限できる改善された経済的な製造方法を見出すことであった。
それに応じて、モノエタノールアミン(MEOA)とアンモニアとを触媒の存在下で反応器(1)において反応させ、そして得られた反応排出物を分離することによってエチレンアミンを製造する方法において、分離に際して得られたエチレンジアミン(EDA)を別個の反応器(2)において触媒の存在下に反応させて、ジエチレントリアミン(DETA)を得て、そして得られた反応排出物を反応器1から生ずる反応排出物の分離に供給することを特徴とする方法が見出された。
該方法は以下の通りに実施できる。
モノエタノールアミンとアンモニアとの反応器1における反応は、当然のように2つ又はそれより多くの直列又は並列に接続された反応器に分けることもできるが、該反応は当業者に公知の方法に従って実施できる(例えばPEP Peport No. 138, "Alkyl Amines", SRI International, 03/1981、第81〜99、117頁と冒頭に引用した文献を参照のこと)。
モノエタノールアミンとアンモニアとの反応は、反応器(1)中で、有利には遷移金属触媒上で、一般に150〜250バールで、かつ一般に160〜210℃で実施されるか、又は該反応は、ゼオライト触媒上で、一般に1〜20バールで、かつ一般に280〜380℃で実施される。
反応器1は、有利には固定床反応器である。
触媒中で有利に使用される遷移金属は、Ni、Co、Cu、Ru、Re、Rh、Pd又はPt又は前記の金属の2種又はそれ以上の混合物であって、これらは酸化物担体(例えばAl、TiO、ZrO、SiO)上に担持される。
有利なゼオライト触媒は、モルデナイト、フォージャサイト及びチャバサイトである。
直鎖状アミンとしてのEDA及びDETAに関してできる限り高い選択性を達成するために、遷移金属触媒の場合に、一般にアンモニアとモノエタノールアミンとのモル比6〜20、有利には8〜15で作業され、そしてゼオライト触媒の場合に、一般に前記の比20〜80、有利には30〜50で作業される。
MEOA転化率は、一般に10%〜80%の範囲、有利には40〜60%の範囲に保持される。
所定の反応条件下で、有利には連続運転で、WHSV(単位時間当たりの質量空間速度(weight hourly space velocity))0.3〜0.6kg/(kg*時間)(1時間あたり触媒1kgについてのMEOAのkg)の範囲で、転化されたMEOAに関するEDA+DETAについての選択性、有利には>80%、特に83〜85%が達成される。
触媒活性の保持のために、金属触媒を使用する場合には、有利には更に0.05〜0.5質量%(反応器供給物M−OA+NH+Hに対して)の水素を反応器1に導入する。
引き続き反応器排出物を、有利には20〜30バールに減圧する。この場合に生ずる“低圧水素”を、直接又はアンモニアの分離後に、ガス洗浄を介して反応器2のための供給物として(以下参照)使用することができる。
水素の分離後に残った反応排出物は、アンモニア、水、エチレンジアミン、ピペラジン、モノエタノールアミン、ジエチレントリアミン、アミノエチルエタノールアミン、トリエチレンテトラミン(TETA)及び高級エチレンアミン(すなわちTETAより高い沸点(同じ圧力下で)を有するエチレンアミン)を主に含有するか、又はそれらからなり、該排出物を蒸気圧に従って個々の成分に分離する。
これらの成分の多段階での分離は、有利には蒸留により、特に連続蒸留により行われる。かかる分離方法は、当業者に、例えば前記のPEP Report No. 138から公知である。
個々の生成物、とりわけ所望のエチレンアミンの蒸留による精製のために必要な蒸留塔は、当業者によって、彼らによく知られた方法と共に解釈できる(例えば分離段の数、還流比など)。
特に有利には、反応器1から生ずる反応排出物を2つの分離シーケンス(Trennsequenz)において多段蒸留によって分離し、その際、第一の分離シーケンス(分離シーケンス1)において、まずアンモニア、水及び場合により存在する水素を分離し、そして第二の分離シーケンス(分離シーケンス2)において、EDA、PIP、MEOA、DETA、AEP、HEP、AEEA、TETA及び高級エチレンアミンへの分離を行う(AEP=N−(2−アミノエチル)ピペラジン;HEP=N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン)。
反応器1から生ずる反応排出物の分離の際に、場合により不完全な反応により生ずるモノエタノールアミンは反応器1に返送することが好ましい。
前記の分離に際して生ずるエチレンジアミン(EDA)を、場合により必要に応じて部分量を貯蔵タンクに分岐させた後に、別個の反応器(2)に導入し、触媒の存在下に反応させてジエチレントリアミン(DETA)を得る。
反応器2においてEDAを反応させてDETAを得ることは、当然のように2つ又はそれより多くの直列又は並列に接続された反応器に分けることもできるが、これは当業者に公知の方法(例えばUS5,410,086号(Burgess社)及びGB−A−1,508,460号(BASF AG社)及びWO−A1−03/010125号(Akzo Nobel社)を参照のこと)に従って実施することができる。
エチレンジアミンを反応させてジエチレントリアミンを得ることは、有利には遷移金属触媒上で行われる。この場合に有利に使用される金属は、Ni、Co、Cu、Ru、Re、Rh、Pd又はPt又は前記の金属の2種又はそれ以上の混合物であり、これらは酸化物触媒(例えばAl、TiO、ZrO、SiO)上に担持される。
遷移金属触媒の代替として、前記の反応のために、形状選択的なゼオライト触媒又はリン酸塩触媒を使用することもできる。
遷移金属触媒上での反応は、一般に圧力1〜200バール、有利には1〜30バールで、かつ一般に温度範囲130〜170℃、有利には140〜160℃で行われる。
一実施態様では、反応器2をMEOAとEDAとからなる混合物を用いて運転させることができ、その際、EDAはモル過剰で、例えばEDA:MEOAのモル比>5で使用される。しかしながら、EDAのみを使用することが好ましい。それというのも、本願ではEP−A2−197611号と比較して、付加的な量のAEEAの形成を反応器2において完全に抑えることができるからである。
触媒活性の保持のために、0.01〜0.15質量%の水素(反応器供給物EDA+Hに対して)を該反応器に導入することが好ましい。
有利には連続運転において、WHSV0.5〜1.5kg/kg*時間(1時間あたり触媒1kgについてのEDAのkg)の場合に、転化率範囲15〜30%において、DETAに関する選択性(S)、有利には≧75%、特に75〜85%が達成される。副生成物として、前記の反応の際に、少量のピペラジン(SPIPは一般に8〜13%)及びトリエチレンテトラミン(STETAは一般に5〜10%)が生ずる。
EDAからDETAへの別個の反応のアンモニア、場合により随意の水素を含有する反応排出物を、本発明による方法の一実施態様(変法1)において、反応器1の排出物と一緒にし、そして共に後処理する、従って前者の排出物を、反応器1から生ずる反応排出物の分離に、特に反応器1から生ずる反応排出物の分離の第一の分離シーケンス(分離シーケンス1)に供給する。
本発明による方法の前記変法1の方法様式は添付物2(図2)にある。
本発明による方法の更なる一実施態様(変法2)において、EDAからDETAへの別個の反応の反応排出物から、まずアンモニア及び場合により水素を分離し(分離シーケンス3)、そしてエチレンアミンを含有する残りの反応排出物を、次いで反応器1から生ずる反応排出物の分離の第二の分離シーケンス(分離シーケンス2)に供給する。
本発明による方法の前記変法2の方法様式は添付物3(図3)にある。
本発明による方法の更なる特性の一実施態様(変法3、変法2の特定の一実施態様を表す)では、エチレンジアミンからジエチレントリアミンへの反応は、アンモニアの除去下に1つの反応塔において、有利には連続的に実施される。
未反応のエチレンジアミンの返送は、この場合に反応塔の還流を介して行われ、アンモニア及び場合により水素は頂部を介して分離され、そしてそれぞれ随意に本方法(反応器1)に返送される。
前記の変法の利点は、縮合平衡からのアンモニアの連続分離である。この場合に、反応温度は塔の圧力によって調整される。
本発明による方法の前記変法3の方法様式は添付物4(図4)にある。
反応塔の解釈(例えば塔区分における分離段階の数、濃縮部、回収部及び反応帯域、還流比など)は当業者によって、彼らによく知られた方法に従って行われる。
反応塔は、当業者に、例えばG.Kaibel et al., Chem.-Ing.-Tech. 50 (1978), Nr.8、第586〜592頁とそこに引用される文献及びWO−A1−97/35834号から公知である。
反応蒸留とも呼称される方法は、例えば教科書“Reactive Distillation”、K.SundmacherとA.Kienleにより編集、Wiley−VCH出版(2003年)においても詳説されている。
エチレンジアミンをアンモニアの除去下に反応塔中で不均一系触媒の存在下に連続的に反応させてエチレンアミン、特にジエチレントリアミンを得ることは、同一出願日のBASF AG社によるドイツ国並行特許出願の対象である。
使用可能な反応塔に関する方法様式の例は、添付物5にある。それに応じて、純粋なEDA又はEDA/PIP混合物を水素と一緒に反応塔に触媒充填物の下方に連続的に供給し、そしてDETA、未反応のEDA、PIP、TETA及び高沸点物(SS、すなわちDETAより高い沸点を有する成分)を含有する混合物が底部を介して得られる。アンモニア、水素及び低沸点物(LS、すなわちDETAより低い沸点を有する成分)が頂部を介して分離される。
反応塔中においてEDAを反応させてDETAを得るための絶対圧力は、一般に1〜20バール、有利には5〜10バールに調整され、かつ触媒活性帯域(反応帯域)での温度は、一般に100〜200℃、有利には140〜160℃に調整される。
反応塔中における触媒活性帯域として、不均一系触媒を、有利には慣用の蒸留用充填物中に緩く注入するか、又は触媒活性表面を有する充填材料(薄膜触媒)を使用する。
触媒活性材料として、遷移金属(例えばNi、Co、Cu、Ru、Re、Rh、Pd及び/又はPt)もゼオライト被覆又はリン酸塩触媒をも使用することができる。
遷移金属触媒の1種又は複数の金属を、酸化物担体(例えばAl、TiO、ZrO、SiO)上に施与することが好ましい。
触媒活性帯域は、塔供給部上方に一般に5〜30、有利には10〜20理論分離段からなり、かつ蒸留帯域は、触媒活性充填物の上方と下方にそれぞれ一般に5〜30、有利には10〜20理論分離段からなる。
塔の還流:供給の質量比は、一般に0.5〜10、有利には0.5〜2である。
触媒活性の保持のために、有利には触媒充填物の下方に水素を供給することが好ましい。この場合に有利な量は、EDAの供給量に対して、0.01〜1質量%の水素である。
遊離されるアンモニア及び場合により水素は、頂部を介して分離され、そして反応生成物であるDETA、ピペラジン及び高級エチレンアミンは未反応のエチレンジアミンと一緒に底部を介して分離される。
この場合に、EDA転化率は、底部温度により調整できる。
本発明による方法に関して特徴的なことは、縮合段階EDA→DETA(反応器2)をモノエタノールアミンを基礎とする慣用のエチレンアミン法に統合することによって、両方の反応排出物が一緒に後処理されることである。
後処理時に生ずる遊離されたアンモニアを、MEOA(反応器1)に返送してよく、そして排ガス水素は、場合によりMEOAのアミノ化で生ずるが、これを縮合反応器(反応器2)のための供給物として使用することができる。
反応器1と反応器2からの両方の排出物を後処理前に混合することと、アンモニア及び排ガス水素を利用可能なことは、エチレンアミン、特にEDAとDETAの生成物品質に悪影響を及ぼさないことが判明した。
EP−A2−197611号による反応器1からの反応排出物の直接的な再処理と比較して、反応器2でのEDAの選択的転化を介して、直鎖状エチレンアミン(EDA+DETA)に関してかなり高い選択性が達成される。
実施例
実施例1
モノエタノールアミン、アンモニア及び水素(モル比MEOA:NH:H=1:8:0.14)からなる混合物を、WHSV0.4kg/kg/時間(1時間あたり1kgの触媒あたりのMEOAのkg)で、温度170℃及び圧力200バールで、4質量%の銅、6質量%のコバルト及び8質量%のニッケル(それぞれ担持された触媒に対して)からなる酸化アルミニウム担体上の触媒が充填されている管形反応器(反応器1)に連続的に導入した。排出物として、65.7質量%のアンモニア、4.4質量%の水、15.5質量%のMEOA、10.9質量%のEDA、1.3質量%のDETA、0.9質量%のAEEA、0.74質量%のピペラジン及び0.56質量%のTETA、AEP、HEP+高級エチレンアミン(高級エチレンアミン=TETAより高い沸点を有する(同じ圧力で)エチレンアミン)からなる混合物が得られた。
4質量%の銅、6質量%のコバルト及び8質量%のニッケル(それぞれ担持された触媒に対する)からなる酸化アルミニウム担体上の触媒が同様に充填されている第二の反応器(反応器2)において、WHSV0.7kg/kg/時間(1時間あたり1kgの触媒についてのEDAのkg)で、エチレンジアミンと水素(モル比50:1)からなる混合物を導入した。この場合に反応圧力を30バールに、そして反応器温度を150℃に調整した。排出物として、5.1質量%のアンモニア、69.9質量%のエチレンジアミン、19.3質量%のジエチレントリアミン、2.6質量%のピペラジン及び3.1質量%のTETA、AEP、HEP+高級エチレンアミンからなる混合物が得られた。
両方の反応器の排出物を一緒にし、そして多段階の連続蒸留によって個々の成分に分離する。この場合に生ずるエチレンジアミンを反応器2に80%返送した場合に、28質量%のエチレンジアミン、24質量%の水、28質量%のジエチレントリアミン、8質量%のピペラジン、6質量%のアミノエチルエタノールアミン及び6質量%のTETA、AEP、HEP+高級エチレンアミンからなる生成物混合物が得られる。
アンモニア分離の前に生ずる低圧水素を触媒活性の保持のために反応器2に導入する。
エチレンジアミンを縮合してジエチレントリアミンを得たことにより遊離されたアンモニアをモノエタノールアミンのアミノ化(反応器1)に返送する。
実施例2
モノエタノールアミン、アンモニア及び水素(モル比MEOA:NH:H=1:10:0.14)からなる混合物を、WHSV0.4kg/kg/時間(1時間あたり1kgの触媒についてのMEOAのkg)で、温度170℃及び圧力200バールにおいて、実施例1と同様にCu/Co/Ni触媒が充填されている管形反応器中に連続的に導入した。排出物として、70.7質量%のアンモニア、3.7質量%の水、13.2質量%のMEOA、9.5質量%のEDA、1.1質量%のDETA、0.68質量%のAEEA、0.56質量%のピペラジン及び0.56質量%のTETA、AEP、HEP+高級エチレンアミンからなる混合物が得られた。
実施例1と同様にCu/Co/Ni触媒が同様に充填されている第二の反応器(反応器2)において、WHSV1.1kg/kg/時間(1時間あたり1kgの触媒についてのEDAのkg)で、エチレンジアミン及び水素(モル比50:1)からなる混合物を導入した。この場合に反応圧力を30バールに、そして反応器温度を160℃に調整した。排出物として、4.2質量%のアンモニア、75.0質量%のエチレンジアミン、16.7質量%のジエチレントリアミン、2.6質量%のピペラジン及び1.5質量%のTETA、AEP、HEP+高級エチレンアミンからなる混合物が得られた。
両方の反応器の排出物を一緒にし、そして連続蒸留によって個々の成分に分離する。この場合に生ずるエチレンジアミンを反応器2に60%返送した場合に、37質量%のエチレンジアミン、24質量%の水、23.4質量%のジエチレントリアミン、6質量%のピペラジン、4.4質量%のアミノエチルエタノールアミン及び5.2質量%のTETA、AEP、HEP+高級エチレンアミンからなる生成物混合物が得られる。
アンモニア分離の前に生ずる低圧水素を触媒活性の保持のために反応器2に導入する。
エチレンジアミンを縮合してジエチレントリアミンを得たことにより遊離されたアンモニアをモノエタノールアミンのアミノ化(反応器1)に返送する。
図1は、EP−A2−197611号(Union Carbide Corp.社)で採用される方法様式を示す図である 図2は、本発明の変法1の方法様式を示す図である 図3は、本発明の変法2の方法様式を示す図である 図4は、本発明の変法3の方法様式を示す図である 図5は、本発明で使用可能な反応塔に関する方法様式の例を示す図である

Claims (14)

  1. モノエタノールアミン(MEOA)とアンモニアとを触媒の存在下に反応器(1)中で反応させ、そして生ずる反応排出物を分離することによってエチレンアミンを製造する方法において、分離の際に、得られたエチレンジアミン(EDA)を別個の反応器(2)中で触媒の存在下に反応させて、ジエチレントリアミン(DETA)を得て、そして生ずる反応排出物を、反応器(1)から生ずる反応排出物の分離に供給することを特徴とするエチレンアミンの製造方法。
  2. エチレンアミンが、EDA、DETA、アミノエチルエタノールアミン(AEEA)、ピペラジン(PIP)及び/又はトリエチレンテトラミン(TETA)である、請求項1記載のエチレンアミンの製造方法。
  3. DETAの割合が20質量%より高い、請求項1又は2記載のエチレンアミンの製造方法。
  4. 反応器(1)中での反応を遷移金属触媒又はゼオライトの存在下に実施する、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
  5. 反応器(1)中での遷移金属で触媒される反応を水素の存在下で実施する、請求項4記載の方法。
  6. 反応器(1)から生ずる反応排出物の分離を多段階の蒸留によって実施する、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
  7. 反応器(1)から生ずる反応排出物の分離を2つの分離シーケンスにおいて多段階の蒸留によって実施し、その際、第一の分離シーケンスでまずアンモニア、水及び場合により存在する水素を分離し、そして第二の分離シーケンスでEDA、PIP、MEOA、DETA、N−(2−アミノエチル)ピペラジン(AEP)、N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン(HEP)、AEEA、TETA及び高級エチレンアミンへの分離を実施する、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
  8. 反応器(2)中での反応を遷移金属触媒、ゼオライト又はリン酸塩触媒の存在下に実施する、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
  9. 反応器(2)中での遷移金属で触媒される反応を水素の存在下で実施する、請求項8記載の方法。
  10. 反応器(2)から生ずるアンモニア及びDETAを含有する反応排出物を、反応器(1)から生ずる反応排出物の分離の第一の分離シーケンスに供給する、請求項7記載の方法。
  11. 反応器(2)から生ずる反応排出物から、アンモニア及び場合により水素を分離(分離シーケンス3)し、そして次いで反応排出物を、反応器(1)から生ずる反応排出物の分離の第二の分離シーケンスに供給する、請求項7記載の方法。
  12. EDAからDETAへの反応と、アンモニアの分離とを1つの反応塔において実施する、請求項11記載の方法。
  13. 反応器(1)から生ずる反応排出物の分離に際して生ずるアンモニアを反応器(1)に返送する、請求項1から12までのいずれか1項記載の方法。
  14. 反応器(2)の生ずる反応排出物から分離されたアンモニアもしくは反応塔から分離されたアンモニアを反応器(1)に返送する、請求項11又は12記載の方法。
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