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JP4656526B2 - 液晶電気光学装置 - Google Patents

液晶電気光学装置 Download PDF

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JP4656526B2 JP2006211877A JP2006211877A JP4656526B2 JP 4656526 B2 JP4656526 B2 JP 4656526B2 JP 2006211877 A JP2006211877 A JP 2006211877A JP 2006211877 A JP2006211877 A JP 2006211877A JP 4656526 B2 JP4656526 B2 JP 4656526B2
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Description

本発明は、主として表示装置等として用いられ、例えば、パーソナルコンピュ
ータ、ワードプロセッサ、アミューズメント機器、テレビジョン装置などの平面
表示装置やシャッタ効果を利用した表示板、窓、扉、壁などに好適に用いること
ができる液晶電気光学装置に関する。
従来、液晶電気光学装置、特に、液晶表示装置においては、ある領域内で液晶
分子の配向方向が異なる領域を形成する、いわゆる配向分割によって視角を広げ
る試みがなされてきた。この配向分割を行う場合には、通常、表示モードとして
捩れネマティックモード(TN)が用いられており、配向膜のマスクラビングを
行ったり、光照射を行うこと等によって液晶分子の配向方向が異なる領域を設け
ていた。
一方、近年では、視野角拡大、表示品位の向上及びコントラストの向上という
観点から、液晶層に電界を印加しない状態で液晶分子を基板に対して垂直に配向
させる技術の開発が進んでいる。
さらに、この垂直配向技術と上述の配向分割技術を組み合わせた例も、例えば
特開平8−43285号に記載されている。ここでは、液晶分子の配向方向もし
くはプレティルトの制御とカイラルドーパントの添加とによって垂直捩れネマテ
ィックモードを実現している。
上述したように、垂直配向捩れネマティックモードの液晶表示装置においては
、水平配向捩れネマティックモードに比べて視野角拡大、表示品位の向上及びコ
ントラストの向上を図ることができるという利点を有する。
しかしながら、垂直配向技術と配向分割技術を組み合わせた液晶表示装置、特
に、特開平8−43285号に記載されている液晶表示装置には、以下のような
問題点がある。
即ち、この液晶表示装置においては、アレイ側基板と対向基板とで配向分割ラ
インの位置を合わせる必要があるが、パターン精度、基板の収縮、位置合わせ装
置の精度等の要因から、実際の製造工程では数μmのずれが生じる。そして、こ
のずれによって液晶分子が良好に配向できない領域が発生するため、表示品位を
著しく低下させることがあり、良品率の低下やコストアップが懸念される。
さらに、従来の配向分割方法では、一般に、4分割の配向状態を実現するため
には、上下両基板共に4種類の異なる配向状態を形成する必要があり、製造プロ
セスが複雑化するという問題があった。
本発明は、このような従来技術の課題を解決するためになされたものであり、
製造プロセスが容易で良品率を向上することができ、視野角拡大、表示品位の向
上及びコントラストの向上を図ることができる液晶電気光学装置を提供すること
を目的とする。
本発明の液晶電気光学装置は、少なくとも所定の温度範囲でネマティック相を
示し、かつ、誘電異方性が負である液晶材料からなる液晶層を挟んで一対の基板
が設けられ、各基板の該液晶層側の面に、電圧無印加時に液晶分子を該基板の表
面に対して略垂直に配向させる配向膜を有する液晶電気光学装置において、各基
板上の配向膜は、液晶分子を基板表面に対して垂直な方向から若干傾かせるプレ
ティルト方向が異なる2種類以上の配向領域に各々分割され、一方の基板上の配
向領域の境界と他方の基板上の配向領域の境界とが交差するように両基板が貼り
合わせられており、そのことにより上記目的が達成される。
前記各基板上の配向膜は、前記液晶分子のプレティルト方向がほぼ180゜異
なる2種類の配向領域を各々有し、一方の基板上の配向領域の境界と他方の基板
上の配向領域の境界とが略直交するように両基板が貼り合わせられていてもよい
前記一方の基板上の配向膜と他方の基板上の配向膜とは、前記液晶分子のプレ
ティルト方向が略直交していてもよい。
前記配向膜は、ポリイミド、ポリアミド及びポリシロキサンのうちの少なくと
も1種類の構造を少なくとも一部に含む材料からなり、又は酸化シリコンからな
っていてもよい。
前記配向膜は、ラビング法、イオンビーム照射法、光照射法、形状制御法又は
斜方蒸着法により配向処理がなされていてもよい。
前記液晶層は、カイラルドーパントを含有しない液晶材料からなっていてもよ
い。
以下に、本発明の作用について説明する。
本発明にあっては、各基板上の垂直配向膜を液晶分子のプレティルト方向が異
なる2以上の配向領域に分割し、両基板上の配向領域の境界が交差するように両
基板を貼り合わせてあるので、一方の基板上で配向分割された各領域が、さらに
他方の基板上の配向領域の境界で配向分割されることになる。これにより、配向
分割のために各基板上の配向膜に対して行われる配向処理を少なくすることがで
き、例えば、各基板上で配向方向を2分割することにより、4分割の配向状態が
得られる。
さらに、特開平8−43825号のように、両基板の配向領域の境界を厳密に
位置合わせする必要が無いので、液晶が良好に配向できない領域が生じず、良好
な表示状態が得られる。
液晶層は、少なくとも所定の温度範囲でネマティック相を示し、かつ、誘電異
方性が負である液晶材料からなり、電圧無印加時に液晶分子が基板に対して略垂
直な方向に配向し、電圧印加時に液晶分子がプレティルト方向に従って電界の方
向に対して垂直な方向に傾く。
このように垂直配向と配向分割とを組み合わせることにより、表示装置として
用いる場合に、視野角拡大、表示品位の向上及びコントラストの向上を図ること
ができる。
ところで、配向分割によって視角を広げる場合には、通常、90゜捩れ垂直配
向モードを用いられるが、その理由は、高コントラストの表示を低駆動電圧下で
得ることができるからである。
そこで、本発明では、例えば、後述する図1(a)及び図1(b)に示すよう
に、各基板上の配向膜を液晶分子のプレティルト方向がほぼ180゜異なる2種
類の配向領域に配向分割し、後述する図2に示すように、両基板上の配向領域の
境界が略直交するように両基板を貼り合わせることにより、両基板上の配向膜に
おける液晶分子のプレティルト方向を略直交させてもよい。このようにすると、
カイラルドーパントの助けを借りずに90゜捩れ垂直配向を実現することが可能
であり、各基板上で配向方向を2分割するだけで後述する図2に示すような4分
割の90゜捩れ垂直配向状態が得られる。
以上詳述したように、本発明による場合には、視野角が広く、表示品位及びコ
ントラストが良好な優れた特性の液晶表示装置を簡便な方法で安価に製造するこ
とができる。
このように優れた特性を有する本発明の液晶表示装置は、パーソナルコンピュ
ータ、ワードプロセッサ、アミューズメント機器、テレビジョン装置などの平面
ディスプレイやシャッタ効果を利用した表示板、窓、扉、壁などに好適に用いる
ことができる。
以下に、本発明の実施の形態について説明する。
ここでは、一方の基板上に多数の画素電極を設けて、各画素電極に対して低温
ポリシリコン薄膜トランジスタからなるスイッチング素子を介して選択的に電位
を与える構成のアクティブマトリクス透過型カラー液晶表示装置について、本発
明を適用した例について説明する。
この液晶表示装置は、ガラス基板上に600℃以下の低温で形成したポリシリ
コンを半導体層として有する薄膜トランジスタと画素電極、バスライン及び信号
入力端子部等を形成したアレイ側基板と、カラーフィルタ及び遮光膜等を形成し
た対向側基板の両方に、垂直配向膜が形成されている。
一方の基板(下側基板)1に設けられた垂直配向膜は、図1(a)に示すよう
に、その垂直配向膜に接する液晶分子を初期において基板に垂直な方向から若干
傾かせる(プレティルト)させる配向処理がほぼ180゜異なる2方向になされ
て2つの配向領域に分割されている。他方の基板(上側基板)2に設けられた垂
直配向膜は、図1(b)に示すように、その垂直配向膜に接する液晶分子をプレ
ティルトさせる配向処理がほぼ180゜異なる2方向になされて2つの配向領域
に分割されている。
両基板1、2は、図2に示すように、各基板上の配向方向が異なる領域の境界
が互いに交差(ここでは略直交)するように対向させて貼り合わせられており、
各基板上の配向膜のプレティルト方向が略直交している。液晶を封入した状態で
は、液晶分子の捩れ方向が異なる4つの領域が形成され、4方向の視角方向が得
られる。
上記垂直配向膜としては、ポリイミド、ポリアミド及びポリシロキサンのうち
の少なくとも1種類の構造を少なくとも一部に含む材料、例えば、ポリイミド、
ポリアミック酸、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリシロキサン等の高分子化
合物を用いることが可能であり、例えばRN−783(日産化学工業株式会社製
)を用いることができる。又は、酸化シリコン等の無機物を用いてもよい。
高分子化合物からなる垂直配向膜は、例えば印刷法、スピンコート法、ディッ
ピング法等を用いて形成することが可能である。一方、無機物からなる配向膜は
、斜方蒸着法により形成するのが一般的であり、これにより配向処理も兼ねるこ
とができる。
配向処理については、主として高分子化合物からなる配向膜に対しては、ラビ
ング法、イオンビーム照射法、光照射法等を用いて行うことができる。
ここでは、各基板に対して2方向の配向処理を行う必要があるため、特殊な配
向処理方向が必要となる。
例えば、ラビング法で行う場合には、まず、所定の領域に開口部を設けたマス
クを用いて1方向にラビング処理を行い、次に、相補的に開口部を有するマスク
を用いて逆方向にラビング処理を行う方法がある。しかし、この方法ではマスク
の位置合わせ精度から、必然的に配向処理を良好に行えない領域が発生する。よ
って、一旦全面を一定方向にラビング処理してから、必要な領域をマスク又はフ
ォトレジスト等で覆って逆方向にラビング処理を行うようにするのが望ましい。
このときのラビング条件は、1度目よりも2度目のラビング処理を強く行うのが
望ましい。
光照射法を用いる場合には、斜め方向から紫外光を照射する方法や偏光紫外光
を照射する方法が一般的に用いられている。しかし、ラビング法と同様の問題が
あるので、フォトマスク等で必要な領域を覆って各基板に対して光照射方向を変
えて2方向から照射することにより配向分割を行うのが望ましい。この場合にも
、一旦全面を一定方向に配向処理してから必要な領域だけ逆方向に配向処理する
ことが可能であるが、2度配向処理を行った領域ではやや配向規制力が低下する
ことがある。
イオンビーム照射法についても、メタルマスク等で必要な領域を覆って各基板
に対して照射方向を変えて2方向から照射することにより配向分割を行うことが
できる。この場合にも、一旦全面を一定方向に配向処理してから必要な領域だけ
逆方向に配向処理することが可能である。
形状制御法による場合には、図3に示すように、基板7上に、液晶分子のプレ
ティルト方向を制御するための形状をフォトレジスト8等を用いて予め形成して
おき、その上に垂直配向膜を形成することで配向分割を行うことができる。
斜方蒸着法による場合には、メタルマスク等で必要な領域を覆って各基板に対
して蒸着方向を変えて蒸着を2回行い、さらに垂直配向のために蒸着を1回行う
ことにより配向分割を行うことができる。
このように、各基板上で180゜異なった配向方向の領域が所定の部分に形成
された両基板を、図2に示すように、各基板上の配向方向が異なる領域の境界が
互いに交差(ここでは略直交)するように対向させて貼り合わせる。そして、そ
の周囲をシールし、両基板の間隙に負の誘電異方性を有する液晶材料を注入して
注入口を封止することにより液晶パネルが得られる。このときの液晶材料として
は、例えばMLC−2012(メルクジャパン株式会社製)等を用いることがで
きる。
この液晶パネルに対して所定の方向に偏光板を貼り付け、駆動回路と接続して
適切な信号を印加することによって液晶表示装置を作製することができる。
このようにして作製された液晶表示装置は、上下左右の視角がコントラスト5
以上で各々70゜以上と非常に広い視角特性を得ることができる。
さらに、各基板に対して2方向の配向処理を行うだけで4分割の配向状態が得
られるので、各基板に対して4方向に配向処理を行う必要がある従来技術と比べ
て製造プロセスを非常に簡略化することができ、コスト、良品率の両面から非常
に有利である。
なお、ここでは、低温ポリシリコン薄膜トランジスタを用いたアクティブマト
リクス型液晶表示装置について説明したが、必要に応じてアモルファスシリコン
やポリシリコン、単結晶シリコン等を用いた薄膜トランジスタや各種ダイオード
等の非線形素子アレイを設けることができる。又は、これらを設けない構成の液
晶電気光学装置についても本発明は適用可能である。
非線形素子アレイが設けられている基板の場合には、各画素電極に対して配向
方向を4分割するのが一般的であるが、複数の画素電極で1つのドットを表示す
る場合などには、必要な数だけ配向分割を行えば良い。
図1(a)及び図1(b)では、プレティルト方向を配向領域の境界に対して
ほぼ垂直にしたが、両基板で配向領域の境界を交差させて両基板上の液晶分子の
プレティルト方向を90゜捩れさせることができれば他のプレティルト方向であ
ってもよい。例えば、プレティルト方向を配向領域の境界に対してほぼ平行にし
たり、斜め方向にしても90゜捩れ垂直配向を形成することができる。
一方の基板上又は各基板上で3種類以上の方向に配向処理を行って液晶層を5
以上の配向状態を有する領域に分割することも可能である。但し、各配向領域で
の光透過特性が異なったものになるため、液晶表示装置の場合には、各基板上で
プレティルト方向を180゜異ならせた2つの領域を形成して4つの配向状態の
液晶領域を作製するのが好ましい。このとき、異なる視角方向を有する領域が同
じ割合で表れるように、各配向処理を行う部分の面積を等しくしておくのが好ま
しい。
捩れ角度は90゜以外の角度であってもよく、必要な特性に応じて配向処理方
向や配向領域の境界の交差角度を設定することにより配向分割を行うことができ
る。
さらに、各配向分割領域の面積を広くするために、図4に示すように隣接画素
において隣接する部分を同一の配向方向とすることも可能であり、このような配
向分割をどちらか一方の基板上のみで行うことも可能である。なお、この図4に
おいて、5は画素電極を示す。
本実施形態では透過型の液晶表示装置について説明したが、透過型と同様の構
造で後方に反射板を配置した反射型液晶表示装置や、一方の基板上の電極を反射
電極とした反射型液晶表示装置についても本発明は適用可能である。透過型の表
示を行う場合には両基板とも透光性の基板を用いればよく、反射型の表示を行う
場合には少なくとも一方の基板が透光性であればよい。或いは、透過型と反射型
とを組み合わせた両用の液晶表示装置等、様々な構成が可能であり、直視型のみ
ならず、投射型表示装置についても本発明は適用可能である。
本発明は液晶表示装置に限られず、シャッタ効果を利用した表示板、窓、扉、
壁や情報処理装置等、表示装置以外の電気光学装置についても適用することが可
能である。
本発明の一実施形態である液晶表示装置について示す図であり、(a)は下側基板に設けられた配向膜の配向方向を示し、(b)は上側基板に設けられた配向膜の配向方向を示す。 本発明の一実施形態である液晶表示装置について、液晶の捩れ方向と視野角方向とを示す図である。 配向膜の配向処理方法の一例を説明するための図である。 本発明の他の実施形態である液晶表示装置について、配向分割の仕方を説明するための図である。
符号の説明
1 下側基板
2 上側基板
5 画素電極
7 基板
8 フォトレジスト
9 配向膜

Claims (4)

  1. ネマチック相を示し、かつ負の誘電異方性を有する液晶分子からなる液晶層と、
    該液晶層を挟持するように配置された一対の基板と、
    該一対の基板のそれぞれの液晶層側の面に設けられた配向膜と
    を備えた液晶電気光学装置であって、
    該配向膜は、電圧無印加時に該液晶分子を該一対の基板の表面に対して略垂直に配向させるように構成されており、
    該一対の基板の一方の基板上の配向膜および該一対の基板の他方の基板上の配向膜のそれぞれは、2種類の配向領域に分割されており、該2種類の配向領域は、該液晶分子のプレティルト方向が互いに異なるように構成されており、該液晶分子のプレティルト方向は、該一対の基板の表面に垂直な方向に対して傾いている方向であり、
    該一対の基板は、該一方の基板上の配向領域の境界と該他方の基板上の配向領域の境界とが交差するように配置されており、
    該一方の基板上の配向膜および該他方の基板上の配向膜は、無機物の蒸着を蒸着方向を変えて2回行う2方向からの斜め方向蒸着法によって、該配向領域の境界と該液晶分子のプレチルト方向とが略平行になるように該各配向領域形成するとともに、垂直配向のための3回目の蒸着を行ってなる無機物膜である、液晶電気光学装置。
  2. 前記2種類の配向領域は、前記液晶分子のプレティルト方向がほぼ180゜異なるように構成されている、請求項1に記載の液晶電気光学装置。
  3. 前記一対の基板は、前記一方の基板上の配向領域の境界と前記他方の基板上の配向領域の境界とが略直交するように配置されている、請求項1に記載の液晶電気光学装置。
  4. 前記一方の基板上の配向膜は、前記一方の基板上の配向領域の境界と前記液晶分子のプレティルト方向とが略平行となるように構成されており、前記他方の基板上の配向膜は、前記他方の基板上の配向領域の境界と前記液晶分子のプレティルト方向とが略平行となるように構成されている、請求項1に記載の液晶電気光学装置。
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