なお、本明細書は、次のような遊技機に係る発明も開示している。
(0)遊技媒体を払い出す払出手段と、前記払出手段によって払い出された前記遊技媒体を検出する遊技媒体用検出手段とを備えた遊技機において、
前記払出手段の状態を検出する払出状態検出手段を備えることを特徴とする遊技機。
前記(0)の発明によれば、遊技媒体を払い出す払出手段と、払出手段によって払い出された遊技媒体を検出する遊技媒体用検出手段とを備える他に、さらに、その払出手段の状態を検出する払出状態検出手段を備える。払出状態検出手段を備えることで、払出手段の状態を検出することができるので、払出手段の不具合を検出することができ、払出手段によって払い出された遊技媒体を遊技媒体用検出手段が検出するのと合わせることで、払出動作に関する精度を向上することができる。
(1)前記(0)に記載の遊技機において、前記払出手段は、駆動することで遊技媒体を払い出す払出駆動手段であって、払出状態検出手段は、前記払出駆動手段の駆動状態を検出することを特徴とする遊技機。
払出手段の一例は、前記(1)の発明のように、駆動することで遊技媒体を払い出す払出駆動手段である。この場合には、払出状態検出手段は、払出駆動手段の駆動状態を検出することで、払出駆動手段である払出手段の状態を検出することができる。
(2)前記(0)または前記(1)に記載の遊技機において、前記遊技機は、遊技媒体の払出を制御する払出制御手段を備えるとともに、前記払出制御手段は、払い出すべき遊技媒体の個数を記憶する第1払出個数記憶手段を備え、前記第1払出個数記憶手段に記憶された遊技媒体の個数から、前記遊技媒体用検出手段によって検出された遊技媒体の個数を減算して、減算された遊技媒体の個数に書き換えて第1払出個数記憶手段に記憶することを特徴とする遊技機。
前記(2)の発明によれば、遊技媒体の払出を制御する払出制御手段を備えるとともに、その払出制御手段は、払い出すべき遊技媒体の個数を記憶する第1払出個数記憶手段を備え、その第1払出個数記憶手段に記憶された遊技媒体の個数から、遊技媒体用検出手段によって検出された遊技媒体の個数を減算して、減算された遊技媒体の個数に書き換えて第1払出個数記憶手段に記憶している。このように構成することで、遊技媒体用検出手段および第1払出個数記憶手段によって、払い出すべき遊技媒体の個数を把握することができる。
(3)前記(2)に記載の遊技機において、前記払出制御手段は、前記第1払出個数記憶手段に記憶された遊技媒体の個数を複写して記憶する第2払出個数記憶手段を備え、前記第2払出個数記憶手段に記憶された遊技媒体の個数から、前記払出状態検出手段によって検出された前記払出手段の状態に応じた遊技媒体の個数を減算して、減算された遊技媒体の個数に書き換えて第2払出個数記憶手段に記憶することを特徴とする遊技機。
前記(2)の発明の場合には、遊技媒体用検出手段によって検出された遊技媒体の個数に基づいて、払い出すべき遊技媒体の個数を書き換えるような第1払出個数記憶手段の他に、払出手段の状態に応じた遊技媒体の個数に基づいて払い出すべき遊技媒体の個数を書き換える記憶手段を別に備える方が好ましい。そこで、前記(3)の発明のように、第1払出個数記憶手段に記憶された遊技媒体の個数を複写して記憶する第2払出個数記憶手段を備え、払出状態検出手段によって検出された払出手段の状態に応じた遊技媒体の個数を減算して、減算された遊技媒体の個数に書き換えて第2払出個数記憶手段に記憶することで、遊技媒体用検出手段および第1払出個数記憶手段によって、払い出すべき遊技媒体の個数を把握するのみならず、払出状態検出手段および第2払出個数記憶手段によっても、払い出すべき遊技媒体の個数を把握することができる。さらに、第1払出個数記憶手段とは別に第2払出個数記憶手段を備えているので、遊技媒体用検出手段の検出結果を第1払出個数記憶手段に、払出状態検出手段の検出結果を第2払出個数記憶手段にそれぞれ分けることができ、払い出すべき遊技媒体の個数の書き換えが煩雑になるのを防止することができる。
(4)前記(3)に記載の遊技機において、前記第2払出個数記憶手段に記憶された遊技媒体の個数が0以外の場合には、前記払出制御手段は、前記払出手段が動作するように制御し、前記第2払出個数記憶手段に記憶された遊技媒体の個数が0の場合には、前記払出制御手段は、前記払出手段が停止するように制御することを特徴とする遊技機。
前記(4)の発明によれば、第2払出個数記憶手段に記憶された遊技媒体の個数が0か否かに応じて、払出制御手段は、払出手段の動作/停止を制御するので、払出動作をより精度良く制御することができる。また、第2払出個数記憶手段に記憶された遊技媒体の個数が0の場合には、払出制御手段は、払出手段が停止するように制御することで、次に払い出されるべき遊技媒体が払出手段の動作によって余分に払い出されるという不具合を解消することができる。
(5)前記(3)または(4)に記載の遊技機において、前記第1払出個数記憶手段に記憶された遊技媒体の個数が0以外で、かつ、前記第2払出個数記憶手段に記憶された遊技媒体の個数が0のときのみ、第1払出個数記憶手段に記憶された遊技媒体の個数を複写して第2払出個数記憶手段に記憶することを特徴とする遊技機。
前記(5)の発明によれば、第1払出個数記憶手段に記憶された遊技媒体の個数を複写して第2払出個数記憶手段に記憶するタイミングを、第1払出個数記憶手段に記憶された遊技媒体の個数が0以外で、かつ、第2払出個数記憶手段に記憶された遊技媒体の個数が0のときのみに限定することで、払い出すべき遊技媒体の個数を第2払出個数記憶手段に精度良く記憶することができる。
(6)前記(5)に記載の遊技機において、前記払出手段から前記遊技媒体用検出手段まで遊技媒体が通過する最大の時間を最大通過時間としたときに、前記第1払出個数記憶手段に記憶された遊技媒体の個数が0以外で、かつ、前記第2払出個数記憶手段に記憶された遊技媒体の個数が0になってから所定時間後に、第1払出個数記憶手段に記憶された遊技媒体の個数を複写して第2払出個数記憶手段に記憶し、前記所定時間は前記最大通過時間よりも長く設定されていることを特徴とする遊技機。
前記(6)の発明によれば、第1払出個数記憶手段に記憶された遊技媒体の個数を複写して第2払出個数記憶手段に記憶するタイミングを、さらに、第1払出個数記憶手段に記憶された遊技媒体の個数が0以外で、かつ、第2払出個数記憶手段に記憶された遊技媒体の個数が0になってから所定時間後に限定し、その所定時間が、払出手段から遊技媒体用検出手段まで遊技媒体が通過する最大の時間である最大通過時間よりも長く設定されているので、払い出すべき遊技媒体の個数を第2払出個数記憶手段に、より一層精度良く記憶することができる。
例えば、第1/第2払出個数記憶手段に記憶されている遊技媒体の個数がともに1で、払出手段が遊技媒体を払い出すことで、第2払出個数記憶手段に記憶されている遊技媒体の個数が0になったとき、第1払出個数記憶手段に記憶されている遊技媒体の個数が1で0以外なので、第1払出個数記憶手段に記憶されている遊技媒体の個数である1が複写されて第2払出個数記憶手段に書き込まれて、次に払い出されるべき遊技媒体が1つ余分に払い出される恐れがある。そこで、前記(6)の発明のように、所定時間後に第2払出個数記憶手段に遊技媒体の個数を書き込むことで、第1/第2払出個数記憶手段に記憶されている遊技媒体の個数がともに1で、払出手段が遊技媒体を払い出すと、第2払出個数記憶手段に記憶されている遊技媒体の個数が0になったときにおいても、所定時間が払出手段から遊技媒体用検出手段まで遊技媒体が通過する最大の時間である最大通過時間よりも長く設定されているので、遊技媒体用検出手段が遊技媒体を検出する段になっても、第1払出個数記憶手段に記憶されている遊技媒体の個数である1が複写されて第2払出個数記憶手段に書き込まれることなく、遊技媒体用検出手段が遊技媒体を検出することで、第1払出個数記憶手段に記憶されている遊技媒体の個数も0になる。従って、次に払い出されるべき遊技媒体が1つ余分に払い出されるという不具合を解消することができる。
(7)前記(3)から(6)のいずれかに記載の遊技機において、前記払出手段は、回転駆動することで前記遊技媒体を払い出すモータであって、前記第2払出個数記憶手段に記憶された遊技媒体の個数を、モータが回転駆動する所定の角度ごとに1ずつ減算して、減算された遊技媒体の個数に書き換えて第2払出個数記憶手段に記憶することを特徴とする遊技機。
払出手段のさらなる一例は、前記(7)の発明のように回転駆動することで遊技媒体を払い出すモータがある。第2払出個数記憶手段に記憶された遊技媒体の個数を、モータが回転駆動する所定の角度ごとに1ずつ減算して、減算された遊技媒体の個数に書き換えて第2払出個数記憶手段に記憶することが可能となる。
(8)前記(7)に記載の遊技機において、前記モータは、パルス信号を受信するごとに1ステップずつ所定の角度に回転駆動するステッピングモータであって、前記第2払出個数記憶手段に記憶された遊技媒体の個数を、所定ステップごとに1ずつ減算して、減算された遊技媒体の個数に書き換えて第2払出個数記憶手段に記憶することを特徴とする遊技機。
モータのさらなる一例は、前記(8)の発明のように、パルス信号を受信するごとに1ステップずつ所定の角度に回転駆動するステッピングモータがある。第2払出個数記憶手段に記憶された遊技媒体の個数を、所定ステップごとに1ずつ減算して、減算された遊技媒体の個数に書き換えて第2払出個数記憶手段に記憶することが可能となる。
(9)前記(2)から(8)のいずれかに記載の遊技機において、前記第1払出個数記憶手段に記憶された遊技媒体の個数を、遊技媒体用検出手段によって遊技媒体が検出されるごとに1ずつ減算して、減算された遊技媒体の個数に書き換えて第1払出個数記憶手段に記憶することを特徴とする遊技機。
第1払出個数記憶手段の書き換えの一例は、前記(9)の発明のように、第1払出個数記憶手段に記憶された遊技媒体の個数を、遊技媒体用検出手段によって遊技媒体が検出されるごとに1ずつ減算して、減算された遊技媒体の個数に書き換えて第1払出個数記憶手段に記憶することである。
(10)前記(2)から(9)のいずれかに記載の遊技機において、遊技の制御をするための主制御手段を備え、前記遊技機に配設された入賞手段に遊技媒体が入賞したときに、遊技媒体の払出を要求する払出要求信号を前記主制御手段から出力し、その払出要求信号を前記払出制御手段が受信することを特徴とする遊技機。
前記(10)の発明によれば、遊技の制御をするための主制御手段を備え、遊技機に配設された入賞手段に遊技媒体が入賞したときに、遊技媒体の払出を要求する払出要求信号を主制御手段から出力し、その払出要求信号を払出制御手段が受信することで、払出制御手段は、払出動作の制御のタイミングを把握することができる。
(11)前記(10)に記載の遊技機において、前記払出要求信号を前記払出制御手段が受信したときに、前記第1払出個数記憶手段に、払出要求信号に応じた遊技媒体の個数を累積して記憶することを特徴とする遊技機。
前記(11)の発明によれば、払出要求信号を払出制御手段が受信したときに、第1払出個数記憶手段に、払出要求信号に応じた遊技媒体の個数を累積して記憶している。このように構成することで、払出要求信号によって、払出制御手段は、払い出すべき遊技媒体の個数を把握することができる。
(12)前記(3)から(11)のいずれかに記載の遊技機において、(a)遊技媒体の払出を要求する払出要求信号を前記払出制御手段が受信する過程、(b)前記払出要求信号に応じた遊技媒体の個数を累積して前記第1払出記憶手段に記憶する過程、(c)第1払出個数記憶手段に記憶された遊技媒体の個数が0以外で、かつ、前記第2払出個数記憶手段に記憶された遊技媒体の個数が0のときのみ、第1払出個数記憶手段に記憶された遊技媒体の個数を複写して第2払出個数記憶手段に記憶する過程、(d)第1払出個数記憶手段に記憶された遊技媒体の個数から、前記遊技媒体用検出手段によって検出された遊技媒体の個数を減算して、減算された遊技媒体の個数に書き換えて第1払出個数記憶手段に記憶するとともに、第2払出個数記憶手段に記憶された遊技媒体の個数から、前記払出状態検出手段によって検出された前記払出手段の状態に応じた遊技媒体の個数を減算して、減算された遊技媒体の個数に書き換えて第2払出個数記憶手段に記憶する過程、および(e)第2払出個数記憶手段に記憶された遊技媒体の個数が0以外の場合には、前記払出制御手段は、払出手段が動作するように制御し、第2払出個数記憶手段に記憶された遊技媒体の個数が0の場合には、払出手段が停止するように制御する過程、前記(a)〜(e)の過程からなる一連の払出動作について、第1払出記憶手段に記憶された遊技媒体の個数が0になるまで前記一連の払出動作を実行することを特徴とする遊技機。
前記(12)の発明は、遊技機における一連の払出動作の一例であって、第1払出記憶手段に記憶された遊技媒体の個数が0になるまで、この一連の払出動作を実行する。
(13)前記(0)、または前記(1)から(12)のいずれかに記載の遊技機において、前記遊技機はパチンコ機であることを特徴とする遊技機。
前記(13)の発明によれば、遊技媒体を適切に貸し出すことができる遊技機を提供することができる。なお、パチンコ機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(または作動ゲートを通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報(図柄等)が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
(14)前記(0)、または前記(1)から(12)のいずれかに記載の遊技機において、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機。
前記(14)の発明によれば、遊技媒体を適切に貸し出すことができるスロットマシンを提供することができる。なお、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
(15)前記(0)、または前記(1)から(12)のいずれかに記載の遊技機において、前記遊技機はパチンコ機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機。
前記(15)の発明によれば、遊技媒体を適切に貸し出すことができる、パチンコ機とスロットマシンとを融合させたものを提供することができる。なお、この融合させたものの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用するとともに、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
本実施例では、遊技機の一例として弾球遊技機の一種であるパチンコ機、特に、第1種パチンコ遊技機を用いて説明する。なお、本発明を第3種パチンコ遊技機(権利物とも呼ばれる)や、コイン遊技機、スロットマシン等の他の遊技機に用いることは、当然に可能である。
図1は、本実施例のパチンコ機の概略正面図であり、図2はパチンコ機の遊技盤の概略正面図である。本実施例のパチンコ機Pは、図1に示すように、遊技盤1と、球を貯留する上受け皿2および下受け皿3と、球を遊技盤1へ発射するための発射ハンドル4とを備えている。遊技盤1は、前面枠1aに嵌め込まれたポリカーボネート製の透明板1bに覆われている。
図2に示すように、遊技盤1の周囲には、球が入賞することにより5個から15個の球が払い出される複数の普通入賞口5が設けられている。また、遊技盤1の中央には、複数種類の識別情報としての図柄等を表示する液晶ディスプレイ(以下単に「LCD」と略す)6が設けられている。このLCD6の表示画面は、例えば、縦方向に3分割されており、つまり、左列,中列,右列の3列で構成されており、3分割された各列の表示領域において、それぞれ上から下へ垂直方向にスクロールしながら図柄の変動表示が行われる。
LCD6の上方には、表面に「○」と「×」との普通図柄が表示された2つのLED(発光ダイオード)9a,9bで構成された普通図柄表示装置9が配設されている。この普通図柄表示装置9では、遊技領域に打ち込まれた球がLCD6の両側に配設されたゲート10を通過した場合に、「○」と「×」とのLED9a,9bを交互に点灯させる変動表示が行われる。かかる変動表示が「○」のLED9aで終了した場合には、当りとなってLCD6の下方の普通電動役物7が所定時間(例えば0.5秒間)二点鎖線で示すように開放され、この普通電動役物7に球が入り易くなる。
LCD6の下方に配設された普通電動役物7には、図柄作動口(第1種始動口)7aが設けられ、球がこの図柄作動口7aを通過することにより、前記したLCD6の変動表示が開始される。図柄作動口7aの下方には、特定入賞口(大入賞口)8が設けられている。この特定入賞口8は、LCD6の変動後の表示結果が予め定められた図柄の組み合わせの1つと一致する場合に、大当たりとなって、球が入賞しやすいように所定時間(例えば、30秒経過するまで、あるいは、球が10個入賞するまで)開放される入賞口である。
この特定入賞口8内には、Vゾーン8aが設けられており、特定入賞口8の開放中に、球がVゾーン8a内を通過すると、継続権が成立して、特定入賞口8の閉鎖後、再度、その特定入賞口8が所定時間(又は、特定入賞口8に球が所定個数入賞するまで)開放される。この特定入賞口8の開閉動作は、最高で16回(16ラウンド)繰り返し可能にされており、開閉動作の行われ得る状態が、いわゆる所定の遊技価値が付与された状態(特別遊技状態)である。
なお、第3種パチンコ遊技機において所定の遊技価値が付与された状態(特別遊技状態)とは、LCD6の変動後の表示結果が予め定められた図柄の組み合わせの1つと一致する場合に、特定入賞口が所定時間開放されることをいう。この特定入賞口の開放中に、球がその特定入賞口内へ入賞すると、特定入賞口とは別に設けられた大入賞口が所定時間、所定回数開放される。
次に、パチンコ機Pの背面の構造について、図3を参照して説明する。図3は、パチンコ機の概略背面図である。パチンコ機Pの背面は、図3に示すように、遊技盤1の背後にある機構板11からなる。この機構板11は、後述する供給レール13や払出ユニットSやバイブレータ14などの機械装置類や、主制御基板Cや払出制御基板Hなどのような制御基板が組み付けられた組立体から構成される。
機構板11の上部には、パチンコ機Pの外部にある遊技場(ホール)から球を供給して、その球を貯留するタンク12が配設されている。機構板11の上部から下部へは、払出ユニットSに球を供給して、その払出ユニットSから上受け皿2(図1参照)に球を払い出すための供給レール13が、背面からみて機構板11の右端の部分を通るように配設されている。すなわち、いわゆる『コの字』状になるように供給レール13は配設されている。また、最上流にタンク12に連通接続し、最下流に上受け皿2(図1参照)に連通接続するように供給レール13は構成されている。
この供給レール13には、タンク12と払出ユニットSとの間に、上流側から順に、振動モータ31によってアンバランスウェイト(図示省略)を駆動するように構成されるバイブレータ14,透過型のフォトセンサなどから構成されるタンク空スイッチ15,および球抜きを制御する球抜きクランク16が配設されている。
このバイブレータ14のケース部分は、供給レール13に一体的に形成されている。また、バイブレータ14内の振動モータ31がアンバランスウェイトを駆動することでアンバランスウェイトが偏心回転し、この偏心回転によって振動が発生し、バイブレータ14は供給レール13に振動を付与している。このバイブレータ14を備えることで、バイブレータ14の近傍で発生した球詰まりを解消することができる。
タンク空スイッチ15は、球の有無を検出するスイッチであって、供給レール13内を通る球がこのタンク空スイッチ15を通過すると、光が遮断されてOFFとなり、球がこのタンク空スイッチ15を通過しないと、光が受信されてONとなる透過型のフォトセンサからなる。球抜きクランク16は球抜きボタン17に接続されており、球抜きクランク16の下には球抜き通路18が機構板11の下部へ延在するように配設されている。この球抜き通路18は、球抜きクランク16を介して、供給レール13に連通接続されている。球抜きボタン17を押下することで、球抜きクランク16が開いて供給レール13から球が球抜き通路18へ通過して球抜きが行われ、球抜きボタン17を再度押下することで、球抜きクランク16が閉じて供給レール13から球が球抜き通路18へ通過せずに球抜きが停止する。
『コの字』状に配設された供給レール13に挟まれるように、各制御基板が機構板11に組み付けられている。本実施例では、機構板11の上部から下部へ順に、表示用制御基板をカバーしたカバー部材19、後述する主制御基板C、および払出制御基板Hなどが配設される。
次に、パチンコ機Pの電気的構成について、図4を参照して説明する。図4は、パチンコ機の電気的構成を示したブロック図である。パチンコ機Pは、大別すると、図4に示すように、パチンコ機Pの遊技内容の制御を行う主制御基板C、賞球や貸球の払出制御を行う払出制御基板H、電源基板50などから構成されるとともに、図示を省略するが、その他にLCD6(図2参照)の表示画面に表示される図柄の変動表示を制御する表示用制御基板、効果音の出力を制御する効果音制御基板、ランプの点灯を制御するランプ制御基板から構成される。主制御基板Cは、本発明における主制御手段に、払出制御基板Hは、本発明における払出制御手段にそれぞれ相当する。
パチンコ機Pの主制御基板Cは、演算装置であるワンチップマイコンとしてMPU21が搭載されている。このMPU21には、そのMPU21により実行される各種の制御プログラムなどを記憶したROM22と、そのROM22内に記憶される制御プログラムの実行に当って各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM23などが内蔵されている。
主制御基板Cは、入出力ポート(図示省略)を介して、払出制御基板Hに双方向通信可能に接続されている。その他、主制御基板Cは、入出力ポート(図示省略)を介して、複数の普通入賞スイッチ24、第1種始動口スイッチ25、Vカウントスイッチ26、10カウントスイッチ27、電源基板50などに接続されている。
複数の普通入賞スイッチ24は、遊技盤1に設けられた複数の普通入賞口5へ入賞した球をそれぞれ検出するためのスイッチであり、各普通入賞口5の入口近傍に設けられている。第1種始動口スイッチ25は、図柄作動口(第1種始動口)7aを通過した球を検出するためのスイッチであり、図柄作動口7aの近傍に設けられている。普通入賞スイッチ24のいずれかまたは第1種始動口スイッチ25によって球が検出されると、主制御基板Cから払出制御基板Hへ賞球の払出に関するコマンドが送信され、払出制御基板Hによって5個の賞球が払い出される。
Vカウントスイッチ26は、特定入賞口8内のVゾーン8aへ入賞した球を検出するためのスイッチである。また、10カウントスイッチ27は、特定入賞口8内のVゾーン8a以外へ入賞した球を検出するためのスイッチである。Vカウントスイッチ26または10カウントスイッチ27により球が検出されると、主制御基板Cから払出制御基板Hへ賞球の払出に関するコマンドが送信され、払出制御基板Hによって15個の賞球が払い出される。
払出制御基板Hは、賞球や貸球の払出制御を行うものであり、演算装置であるワンチップマイコンとしてMPU28が搭載されている。MPU28には、そのMPU28により実行される制御プログラムなどを記憶したROM29と、ワークメモリ等として使用されるRAM30などが内蔵されている。図8〜図11に示すフローチャートは、制御プログラムの一部としてROM29内に記憶されている。
払出制御基板Hは、入出力ポート(図示省略)を介して、上述した主制御基板Cに接続されている。その他、払出制御基板Hは、入出力ポート(図示省略)を介して、上述したタンク空スイッチ15、球抜きクランク16、バイブレータ14内の振動モータ31、払出ユニットSに搭載された払出モータ32と賞球カウントスイッチ33と払出回転センサ34、電源基板50などに接続されている。
振動モータ31は、上述したようにバイブレータ14に備えられ、振動モータ31の駆動は、払出制御基板Hによって制御される。なお駆動時において、振動モータ31は、払出制御基板Hによって間欠的(本実施例では600ms)に駆動する。
賞球カウントスイッチ33は、払出モータ32によって払い出された賞球を検出するためのスイッチであり、払出モータ32および払出回転センサ34とともに払出ユニットSに搭載されている。払出モータ32は、賞球を払い出すためのモータである。払出モータ32の駆動は、払出制御基板Hによって制御される。払出モータ32は、本発明における払出手段に、賞球カウントスイッチ33は、本発明における遊技媒体用検出手段にそれぞれ相当する。また、払出モータ32は、本発明における払出駆動手段にも相当する。払出モータ32および賞球カウントスイッチ33については、図5のブロック図,図6の斜視図、および図7の断面図で詳しく後述する。
払出回転センサ34は、払出モータ32の駆動状態を監視するものであり、払出モータ32および賞球カウントスイッチ33とともに払出ユニットSに搭載されている。払出回転センサ34は、本発明における払出状態検出手段に相当する。払出回転センサ34についても、図5のブロック図,図6の斜視図、および図7の断面図で詳しく後述する。
払出制御基板HのRAM30には、賞球を払い出すべき賞球数が記憶された総賞球個数カウンタ30aおよび払出個数カウンタ30bが備わっており、総賞球個数カウンタ30aに記憶された賞球数は、賞球カウントスイッチ33が賞球を検出するたびに、総賞球個数カウンタ30aの値を『1』ずつ減算し、払出個数カウンタ30bに記憶された賞球数は、払出モータ32が所定ステップ(本実施例では30ステップ)分駆動するのを払出回転センサ34が監視して検出するたびに、払出個数カウンタ30bの値を『1』ずつ減算する。払出個数カウンタ30bの値が『0』になったときに払い出すべき賞球がなくなったとして、払出モータ32を停止させる。そうでないときには、払出モータ32は駆動したままである。また、総賞球個数カウンタ30aの値が『0』になったときに一連の払出動作を終了する。この一連の払出動作については、図8のフローチャートで詳しく後述する。賞球個数カウンタ30aは、本発明における第1払出個数記憶手段に、払出個数カウンタ30bは、本発明における第2払出個数記憶手段にそれぞれ相当する。賞球個数カウンタ30aおよび払出個数カウンタ30bについても、図5のブロック図で詳しく後述する。
主制御基板CのRAM23および払出制御基板HのRAM30は、バックアップエリア(図示省略)をそれぞれ備えており、これらのRAM23,30には、パチンコ機Pの電源オフ後においても、電源基板50からバックアップ電圧が供給されており、データを保持(バックアップ)できるように構成されている。
次に、総賞球個数カウンタ30a,払出個数カウンタ30b,払出モータ32,賞球カウントスイッチ33,および払出回転センサ34との相互の関係について、図5を参照して説明する。図5は、払出制御基板H内の総賞球個数カウンタ30aおよび払出個数カウンタ30bと、払出ユニットS内の払出モータ32,賞球カウントスイッチ33,および払出回転センサ34との電気的構成を示したブロック図である。
球が入賞すると、主制御基板Cは、賞球の払出を要求する払出要求信号(入賞信号)を出力する。払出制御基板Hが、その払出要求信号を受信すると、払出要求信号に応じた賞球数を総賞球個数カウンタ30aに累積して記憶する。例えば、球が普通入賞口5へ入賞すると、普通入賞スイッチ24は入賞した球を検出し、5個の賞球を払い出すべく5個に関する払出要求信号を主制御基板Cは出力し、球が特定入賞口8内へ入賞すると、Vカウントスイッチ26または10カウントスイッチ27が球を検出し、15個の賞球を払い出すべく15個に関する払い出す要求信号を主制御基板Cは出力する。5個に関する払出要求信号を払出制御基板Hが受信したときには、総賞球個数カウンタ30bに記憶されていた賞球数に5個分累積して、総賞球個数カウンタ30bに新たに記憶する。15個に関する払出要求信号を払出制御基板Hが受信したときには、総賞球個数カウンタ30bに記憶されていた賞球数に15個分累積して、総賞球個数カウンタ30bに新たに記憶する。
また、総賞球個数カウンタ30aに記憶された賞球数は、賞球カウントスイッチ33が賞球を検出するたびに、総賞球個数カウンタ30aの値を『1』ずつ減算し、総賞球個数カウンタ30aの値が『0』になったときに一連の払出動作を終了する。すなわち、総賞球個数カウンタ30aの値が『0』になるまで一連の払出動作を実行する。
払出個数カウンタ30bは、総賞球個数カウンタ30aに記憶された賞球数をコピー(複写)して記憶するものである。具体的には、総賞球個数カウンタ30aに記憶された賞球数が『0』以外で、かつ、払出個数カウンタ30bに記憶された賞球数が『0』のときのみ、総賞球個数カウンタ30aに記憶された賞球数をコピーして払出個数カウンタ30bに記憶する。
本実施例では、払出個数カウンタ30bに記憶された賞球数が『0』になってから、所定時間(本実施例では0.5秒)後に、総賞球個数カウンタ30aに記憶された賞球数をコピーして払出個数カウンタ30bに記憶する。0.5秒後にコピーのタイミングを設定した理由については、詳しく後述する。
払出個数カウンタ30bに記憶された賞球数は、払出モータ32が30ステップ分駆動するのを払出回転センサ34が監視して検出するたびに、払出個数カウンタ30bの値を『1』ずつ減算し、払出個数カウンタ30bの値が『0』になったときに、払い出すべき賞球がなくなったとして、払出モータ32を停止させる。そうでないときには、払出モータ32は駆動したままである。
次に、払出ユニットS、特に払出ユニットS内の払出モータ32,賞球カウントスイッチ33,および払出回転センサ34の具体的構成について、図6,図7を参照して説明する。図6は、払出ユニットの斜視図、図7は、図6の断面図であって、(a)はA−Aの矢視断面図,(b)はB−Bの矢視断面図,(c)はC−Cの矢視断面図である。払出ユニットSは、図6に示すように、筐体状で構成されており、筐体内に供給レール13が挿通するように配設される。供給レール13は、払出ユニットSよりも上流側で、供給レール13の幅方向に2つに分割する第1レール13a,および第2レール13bになるように構成されており、払出ユニットSの筐体内に、第1/第2レール13a,13bがともに挿通されている。
各レール13a,13bには払出カム35が1つずつそれぞれ配設されており、払出モータ32、払出回転センサ34,第2レール13bに配設された払出カム35,第1レール13aに配設された払出カム35の順に、回転軸36を介して、それぞれが連結されている。
払出モータ32は、パルス信号を受信するごとに1ステップずつ所定の角度(本実施例では3°)に回転駆動するステッピングモータであって、30ステップ分駆動すると払出モータ32は90°分回転駆動する。本実施例では、払出モータ32が90°分回転駆動すると、球が1個分払い出されたと認識する。従って、90°分回転駆動するのを払出回転センサ34が監視して検出すると、すなわち払出モータ32が30ステップ分駆動するのを払出回転センサ34が監視して検出すると、払出個数カウンタ30bの値を『1』ずつ減算する。
各レール13a,13bにそれぞれ配設された2つの払出カム35は、互いに90°分ズレて組み合わされており、図7(a),図7(b)に示すように、各払出カム35が180°回転するたびに、球が払出カム35を通過して、払出カム35によって球1個分が払い出される。従って、一方のレール13において払出カム35によって球1個分が払い出されると、払出カム35が90°回転するたびに、他方のレール13において払出カム35によって球1個分が払い出される。また、払出カム35は回転軸36を介して払出モータ32に連結されているので、払出モータ32が30ステップ分駆動すると、すなわち払出モータ32が90°分回転駆動すると、これに連動して各払出カム35が90°分それぞれ回転して、いずれかのレール13において1個分球が払い出される。これによって、払出モータ32が正常に駆動しているのを払出回転センサ34が監視している限り、払出モータ32が30ステップ分駆動すると、図7(c)に示すように球が1個分払い出されたと認識することができる。
賞球カウントスイッチ33は、図6に示すように、球が流下する方向に対して、払出モータ32よりも下流側に配設されている。払出モータ32から賞球カウントスイッチ33まで球が通過する最大の時間を『最大通過時間』としたときに、本実施例では、この最大通過時間は、200ms(=200×10−3秒)である。この最大通過時間は、球が流下する速度や払出モータ32から賞球カウントスイッチ33までの距離によって適宜変わるものである。
また、上述したように払出個数カウンタ30bの値が『0』になるまでは払出モータ32を駆動させ続けるので、払出モータ32が、例えば15個分の球を払い出すときには、15個分の球を払い出すまで払出モータ32を駆動させ続ける。ただ、払出モータ32の回転は高速であるので、15個分の球を払い出すまで同じ回転速度で回転駆動させると、最後の15個目の球が払い出されても、勢いで余分の球が払いだされる恐れがある。そこで、従来では、払出モータ32の回転速度を徐々に遅くしていき、払い出すべき15個目の寸前の14個目で低速にし、15個目の球で払出モータ32を停止するようにしている。しかし、従来のように払出回転センサ34がない場合には、払出モータ32の駆動状態を検出していないので、払出カム35の停止位置が分からなく、例えば停止した払出カム35の四隅のうち一隅に球が乗って、球が乗ったその隅と供給レール13の内壁に球が挟まれて、停止位置によっては球が供給レール13内に詰まる恐れがある。本実施例の場合には払出モータ32としてステッピングモータを使用しているので、ステップ数から払出モータ32の回転駆動分の角度が分かり、払出カム35の停止位置もある程度分かるようになるものの、実際に払出モータ32が回転してない場合、実際の回転速度が違う場合には、払出カム35の停止位置が変わってしまう。そこで、払出回転センサ34を備えることで、払出モータ32の駆動状態を監視して検出することができるので、払出カム35の停止位置も容易に分かる。これによって、払い出すべき15個目の寸前の14個目まで払出モータ32を高速に回転駆動させ、15個目の球で払出モータ32を停止するという、いわゆる『即止め』も可能になる。
続いて、所定時間(0.5秒)後にコピーのタイミングを設定した理由について説明する。ある1つの球が払出モータ32に連結された払出回転センサ34を通過すると、払出カム35が90°回転するので、球が1個分払い出されたと認識して払出個数カウンタ30bの値が『1』減算される。球が払出モータ32を通過してから長くても最大通過時間の200ms後には、その球は賞球カウントスイッチ33を通過しているので、その200ms後には総賞球個数カウンタ30aの値が『1』減算される。すなわち、払出個数カウンタ30bの値が『1』減算されてから、長くても200msのタイムラグが生じるが、200ms後には総賞球個数カウンタ30aの値が『1』減算される。つまり、払出個数カウンタ30bの値を『1』減算するたびに、長くても200ms後には総賞球個数カウンタ30aの値が『1』減算される。
このような状態で、例えば、総賞球個数カウンタ30aおよび払出個数カウンタ30bに記憶されている賞球数がともに『1』で、払出モータ32が球を払い出すことで、払出個数カウンタ30bに記憶されている賞球数が『0』になったときに、200ms経過するまでは、総賞球個数カウンタ30aに記憶されている賞球数が『1』で『0』以外なので、0.5秒後にコピーのタイミングを設定せずに即座にコピーを開始すれば、総賞球個数カウンタ30aに記憶されている賞球数の『1』が払出個数カウンタ30bにコピーされて、次に払い出されるべき球が1つ余分に払い出される恐れがある。
そこで、0.5秒後にコピーのタイミングを設定することで、総賞球個数カウンタ30aおよび払出個数カウンタ30bに記憶されている賞球数がともに『1』で、払出モータ32が球を払い出すと、払出個数カウンタ30bに記憶されている賞球数が『0』になったときにおいても、所定時間である0.5秒が、最大通過時間である200msよりも長く設定されているので、賞球カウントスイッチ33が球を検出する段になっても、総賞球個数カウンタ30aに記憶されている『1』がコピーされて払出個数カウンタ30bに書き込まれることなく、賞球カウントスイッチ33が球を検出することで、総賞球個数カウンタ30aに記憶されている賞球数も『0』になる。従って、次に払い出されるべき球が1個余分に払い出されるという不具合を解消することができる。
次に、上記のように構成されたパチンコ機Pで実行される一連の払出動作について、図8〜図11に示すフローチャートを参照して説明する。図8は、払出制御基板で実行される一連の払出動作のフローチャートであって、図9は、払出モータ駆動処理のフローチャートであって、図10は、賞球カウントスイッチ読込処理のフローチャートであって、図11は、払出回転センサ読込処理のフローチャートである。
ステップS1では、主制御基板Cが出力した払出要求信号(入賞信号)を払出制御基板Hが受信する。払出制御基板Hが、その払出要求信号を受信すると、ステップS2では、払出要求信号に応じた賞球数を総賞球個数カウンタ30aに累積して記憶する。このステップS1は、本発明における(a)の過程に、ステップS2は、本発明における(b)の過程にそれぞれ相当する。
ステップS3では、払出個数カウンタ30bの値が『0』であるか否かを確認する。払出個数カウンタ30bの値が『0』でない場合には、ステップS4の処理に跳び、払出個数カウンタ30bの値が『0』の場合には、ステップS5の処理に跳ぶ。
ステップS4では、払出要求信号を払出制御基板Hが受信したか否かを確認する。受信していなければ、ステップS3に戻って払出個数カウンタ30bの値が『0』になるまで、ステップS3,S4の処理をループする。受信していれば、ステップS2に戻り、払出要求信号に応じた賞球数を総賞球個数カウンタ30aに累積して記憶する。
ステップS5では、ステップS3の処理から0.5秒経過したか否かを確認する。0.5秒経過していなければ、経過するまで、このステップS5の処理をループする。0.5秒経過していれば、ステップS6に移行する。
ステップS6では、この0.5秒間に総賞球個数カウンタ30aに記憶されている賞球数が『1』から『0』になっているか否かを確認する。この0.5秒間に総賞球個数カウンタ30aに記憶されている賞球数が『1』から『0』になっていれば、総賞球個数カウンタ30aに記憶された賞球数が『0』になったことを示すので、この一連の払出動作を終了する。すなわち、総賞球個数カウンタ30aの値が『0』になるまで一連の払出動作が実行されることになる。この0.5秒間に総賞球個数カウンタ30aに記憶されている賞球数が『1』から『0』になっていなければ、ステップS3で払出個数カウンタ30bに記憶されている賞球数は既に『0』になっているので、総賞球個数カウンタ30aに記憶されている賞球数は『0』以外で、かつ、払出個数カウンタ30bに記憶された賞球数が『0』で、ステップS7では、総賞球個数カウンタ30aに記憶された賞球数をコピーして払出個数カウンタ30bに記憶する。このステップS7は、本発明における(c)の過程に相当する。
なお、この0.5秒間に総賞球個数カウンタ30aに記憶されている賞球数が『1』から『0』になっていれば、総賞球個数カウンタ30aに記憶された賞球数をコピーして払出個数カウンタ30bに記憶するステップS7の処理を行うことなく、一連の払出動作を終了するので、総賞球個数カウンタ30aに記憶されている『1』がコピーされて払出個数カウンタ30bに書き込まれることなく、この0.5秒の間に賞球カウントスイッチ33が球を検出することで、総賞球個数カウンタ30aに記憶されている賞球数も『0』になる。従って、次に払い出されるべき球が1個余分に払い出されるという不具合を解消することができる。
ステップS7の処理が終了すれば、ステップS4に跳び、払出要求信号を受信したか否かを確認する。
図9は、払出モータ駆動処理のフローチャートである。この払出モータ駆動処理によって払出モータ32が回転駆動し、球が払い出される。なお、払い出された賞球数は、すなわち総賞球個数カウンタ30aに記憶された賞球数は、後述する賞球カウントスイッチ読込処理(図10参照)によってカウントされるとともに、払出個数カウンタ30bに記憶された賞球数は、後述する払出回転センサ読込処理(図11参照)によってカウントされる。
払出モータ駆動処理において、ステップS11では、払出個数カウンタ30bの値が『0』であるか否かを確認する。払出個数カウンタ30bの値が『0』でなければ、ステップS12では、払出モータ32を回転駆動させて、球を払い出す。払出個数カウンタ30bの値が『0』であれば、払い出すべき賞球がなくなったとして、ステップS13では、払出モータ32を停止して、この払出モータ駆動処理を終了する。この払出モータ駆動処理は、本発明における(e)の過程に相当する。
図10は、賞球カウントスイッチ読込処理のフローチャートである。この賞球カウントスイッチ読込処理によって、実際に払い出された球の数がカウントされる。先ず、ステップS21では、球を賞球カウントスイッチ33が検出したか否かを確認し、球を検出していれば、ステップS22では、総賞球個数カウンタ30aの値を『1』ずつ減算する。一方、賞球カウントスイッチ33が球を検出していなければ、ステップS22の処理をスキップして、この賞球カウントスイッチ読込処理を終了する。このステップS22は、本発明における(d)の過程の一部に相当する。
図11は、払出回転センサ読込処理のフローチャートである。この払出回転センサ読込処理によって、払出個数カウンタ30bに記憶された賞球数がカウントされる。先ず、ステップS31では、払出モータ32が30ステップ分駆動、すなわち90°分回転駆動したか否かを払出回転センサ34が確認し、30ステップ分駆動していれば、1個分の球が払出カム35によって払い出されたとして、ステップS32では、払出個数カウンタ30bの値を『1』ずつ減算する。一方、30ステップ分駆動していなければ、ステップS32の処理をスキップして、この払出回転センサ読込処理を終了する。このステップS32も、本発明における(d)の過程の一部に相当する。
次に、本実施例において、より具体的な例について、図12を参照して説明する。図12は、より具体的な例を示した各カウンタの値および払出モータの駆動状態を示す説明図である。なお、図12では、総賞球個数カウンタ30aおよび払出個数カウンタ30bともに記憶されている賞球数が『0』の状態のときに、『x』個に関する払出要求信号を払出制御基板Hが受信し、総賞球個数カウンタ30aおよび払出個数カウンタ30bに記憶されている賞球数がともに『5』になったときに、『y』個に関する払出要求信号を払出制御基板Hが新たに受信するとする。
総賞球個数カウンタ30aおよび払出個数カウンタ30bともに記憶されている賞球数が『0』の状態のときに、『x』個に関する払出要求信号を払出制御基板Hが受信する(図12▲1▼参照)と、『x』個の賞球数を総賞球個数カウンタ30aに累積して記憶する。このとき、払出個数カウンタ30bの賞球数、すなわち値が『0』であるので、払出モータ32は停止したままである。払出モータ32は払出個数カウンタ30bの値が『0』以外の値になるまで停止した状態となる(図12▲1▼〜▲4▼参照)。受信前には総賞球個数カウンタ30aに記憶されている賞球数が『0』であるので、総賞球個数カウンタ30aに記憶されている賞球数の総合計は、受信後では『x』個となる(図12▲2▼参照)。
総賞球個数カウンタ30aに記憶されている賞球数が『x』個になってから、0.5秒経過すると、総賞球個数カウンタ30aに記憶された賞球数が『x』個と『0』以外で、かつ、払出個数カウンタ30bに記憶された賞球数が『0』であるので、総賞球個数カウンタ30aに記憶された賞球数である『x』個をコピーして払出個数カウンタ30bに記憶する(図12▲3▼参照)。コピーの結果、払出個数カウンタ30bに記憶された賞球数も『x』個となる(図12▲4▼参照)。これによって、払出個数カウンタ30bに記憶された賞球数、すなわち値が『0』以外の値になったので、払出モータ32の回転駆動を開始する(図12▲4▼参照)。
払出個数カウンタ30bに記憶された賞球数が『x』個になってから、すなわち払出モータ32の回転駆動が開始してから、払出モータ32による球の払出が行われる。払出モータ32が30ステップ分駆動すると、球が1個分払い出されたとして、払出個数カウンタ30bの値が『1』減算される。これによって、払出個数カウンタ30bに記憶された賞球数は『x−1』個になる(図12▲5▼参照)。このとき、総賞球個数カウンタ30aに記憶されている賞球数は『x』個のままである。
払出個数カウンタ30bに記憶された賞球数が『x−1』個になってから、払い出された球は払出モータ32から賞球カウントスイッチ33まで流下して、球が払出モータ32を通過してから長くても最大通過時間の200ms後には、賞球カウントスイッチ33を通過する。賞球カウントスイッチ33は球を検出し、総賞球個数カウンタ30aの値が『1』減算される。これによって、総賞球個数カウンタ30aに記憶された賞球数も『x−1』個になる(図12▲6▼参照)。つまり、払出個数カウンタ30bの値が『x−1』個になってから、長くても200msのタイムラグが生じるが、200ms後には総賞球個数カウンタ30aの値も『x−1』個になる。
以下、同様の手順で、球が1個ずつ払出ユニットSを通過するたびに、タイムラグが生じるものの、それぞれのカウンタ30a,30bの値が『1』ずつ減算される。
総賞球個数カウンタ30aおよび払出個数カウンタ30bに記憶されている賞球数がともに『5』になったときに、『y』個に関する払出要求信号を払出制御基板Hが新たに受信する(図12▲7▼参照)と、『y』個の賞球数を総賞球個数カウンタ30aに累積して記憶する。このとき、払出個数カウンタ30bの賞球数は『5』であるので、総賞球個数カウンタ30aに記憶されている賞球数の総合計は、受信後では『y+5』個となる(図12▲8▼参照)。
総賞球個数カウンタ30aに記憶された賞球数が『y+5』個と『0』以外であるが、払出個数カウンタ30bに記憶された賞球数が『5』であるので、この時点では、総賞球個数カウンタ30aに記憶された賞球数である『y+5』個は払出個数カウンタ30bにコピーされない。
総賞球個数カウンタ30aに記憶されている賞球数が『y+5』個になってから、払出モータ32が30ステップ分駆動すると、球が1個分払い出されたとして、払出個数カウンタ30bの値が『1』減算される。これによって、払出個数カウンタ30bに記憶された賞球数は『4』になる(図12▲9▼参照)。このとき、総賞球個数カウンタ30aに記憶されている賞球数は『y+5』個のままである。
払出個数カウンタ30bに記憶された賞球数が『4』になってから、長くても200msのタイムラグが生じるが、200ms後には総賞球個数カウンタ30aの値が『1』減算されて『y+4』個になる(図12A参照)。以下、同様の手順で、球が1個ずつ払出ユニットSを通過するたびに、タイムラグが生じるものの、それぞれのカウンタ30a,30bの値が『1』ずつ減算される。
総賞球個数カウンタ30aに記憶されている賞球数が『y』個、払出個数カウンタ30bに記憶されている賞球数が『0』になったとき(図12B参照)に、払出個数カウンタ30bの賞球数、すなわち値が『0』であるので、払出モータ32を停止させる。総賞球個数カウンタ30aに記憶されている賞球数が『y』個になってから、0.5秒経過すると、総賞球個数カウンタ30aに記憶された賞球数が『y』個と『0』以外で、かつ、払出個数カウンタ30bに記憶された賞球数が『0』であるので、総賞球個数カウンタ30aに記憶された賞球数である『y』個をコピーして払出個数カウンタ30bに記憶する(図12C参照)。コピーの結果、払出個数カウンタ30bに記憶された賞球数も『y』個となる(図12D参照)。これによって、払出個数カウンタ30bに記憶された賞球数、すなわち値が『0』以外の値になったので、払出モータ32の回転駆動を再開する(図12D参照)。それ以降については、説明を省略する。
以上より、上述したパチンコ機Pの構成によれば、回転駆動することで球を払い出す払出モータ32と、払出モータ32によって払い出された球を検出する賞球カウントスイッチ33とを備える他に、さらに、その払出モータ32の駆動状態を検出(監視)する払出回転センサ34を備える。払出回転センサ34を備えることで、払出モータ32の駆動状態を検出することができるので、払出モータ32の不具合を検出することができ、払出モータ32によって払い出された球を賞球カウントスイッチ33が検出するのと合わせることで、払出動作に関する精度を向上することができる。
例えば、本実施例の場合には、以下のような効果を奏することができる。すなわち、払出モータ32の回転は高速であるので、所定個数分の球を払い出すまで同じ回転速度で回転駆動させると、最後の球が払い出されても、勢いで余分の球が払いだされる恐れがある。そこで、従来では、払出モータ32の回転速度を徐々に遅くしていき、払い出すべき球の寸前で低速にし、最後の球で払出モータ32を停止するようにしている。しかし、従来のように払出回転センサ34がない場合には、払出モータ32の駆動状態を検出していないので、払出カム35の停止位置が分からなく、例えば停止した払出カム35の四隅のうち一隅に球が乗って、球が乗ったその隅と供給レール13の内壁に球が挟まれるというように、停止位置によっては球が供給レール13内に詰まる恐れがある。本実施例の場合には、払出回転センサ34を備えることで、払出モータ32の駆動状態を監視して検出することができるので、払出カム35の停止位置も容易に分かる。これによって、払い出すべき球の寸前まで払出モータ32を高速に回転駆動させ、最後の球で払出モータ32を停止するという、いわゆる『即止め』も可能になって、払出動作に関する精度を向上することができる。
なお、通常のパチンコ機の多くは、払出モータ32によって払い出された球を検出する賞球カウントスイッチ33を備え、球が流下する方向に対して、払出モータ32よりも下流側に賞球カウントスイッチ33を配設している。このように賞球カウントスイッチ33を備えることで、払い出された球の状態を、賞球カウントスイッチ33によって把握することができる。
また、通常のパチンコ機の多くは、球の払出を制御する払出制御基板Hを備えるとともに、その払出制御基板Hは、払い出すべき賞球数を記憶する総賞球個数カウンタ30aを備え、その総賞球個数カウンタ30aに記憶された賞球数から、賞球カウントスイッチ33によって検出された賞球数を減算して、減算された賞球数に書き換えて総賞球個数カウンタ30aに記憶している。このように構成することで、総賞球個数カウンタ30aおよび賞球カウントスイッチ33によって、払い出すべき賞球数を把握することができる。本実施例の場合には、賞球カウントスイッチ33によって球が検出されるごとに、総賞球個数カウンタ30aの値を『1』ずつ減算して、減算された値に書き換えて総賞球個数カウンタ30aに記憶している。
また、本実施例のように、総賞球個数カウンタ30aに記憶された賞球数をコピーして記憶する払出個数カウンタ30bを備え、払出回転センサ34によって検出された払出モータ32の駆動状態に応じた賞球数を減算して、減算された賞球数に書き換えて払出個数カウンタ30bに記憶することで、総賞球個数カウンタ30aおよび賞球カウントスイッチ33によって、払い出すべき賞球数を把握するのみならず、払出回転センサ34および払出個数カウンタ30bによっても、払い出すべき賞球数を把握することができる。本実施例の場合には、払出モータ32が回転駆動する所定の角度ごとに、さらに詳しく述べるとステッピングモータである払出モータ32が所定ステップ(本実施例では30ステップ)ごとに、払出個数カウンタ30bの値を『1』ずつ減算して、減算された値に書き換えて払出個数カウンタ30bに記憶している。
さらに、総賞球個数カウンタ30aとは別に払出個数カウンタ30bを備えているので、賞球カウントスイッチ33の検出結果を総賞球個数カウンタ30aに、払出回転センサ34の検出結果を払出個数カウンタ30bにそれぞれ分けることができ、払い出すべき賞球数の書き換えが煩雑になるのを防止することができる。
また、本実施例の場合、払出個数カウンタ30bの値が『0』か否かに応じて、払出制御基板Hは、払出モータ32の駆動/停止を制御するので、払出動作をより精度良く制御することができる。また、払出個数カウンタ30bに記憶された賞球数、すなわち払出個数カウンタ30bの値が『0』の場合には、払出制御基板Hは、払出モータ32が停止するように制御することで、次に払い出されるべき球が払出モータ32によって余分に払い出されるという不具合を解消することができる。
また、本実施例の場合、総賞球個数カウンタ30aの値をコピーして払出個数カウンタ30bに記憶するタイミングを、総賞球個数カウンタ30aの値が『0』以外で、かつ、払出個数カウンタ30bの値が『0』のときのみに限定、さらに詳しく述べると払出個数カウンタ30bの値が『0』になってから所定時間(本実施例では0.5秒)後に限定し、その所定時間である0.5秒が、払出モータ32から賞球カウントスイッチ33まで球が通過する最大の時間である最大通過時間(本実施例では200ms)よりも長く設定されているので、払い出すべき賞球数を払出個数カウンタ30bに精度良く記憶することができる。
続いて、所定時間(0.5秒)後にコピーのタイミングを設定した理由は、上述したように、タイミングを設定しないと、例えば、総賞球個数カウンタ30aおよび払出個数カウンタ30bに記憶されている賞球数がともに『1』で、払出モータ32が球を払い出すことで、払出個数カウンタ30bに記憶されている賞球数が『0』になったときに、200ms経過するまでは、総賞球個数カウンタ30aに記憶されている賞球数が『1』で『0』以外なので、0.5秒後にコピーのタイミングを設定せずに即座にコピーを開始すれば、総賞球個数カウンタ30aに記憶されている賞球数の『1』が払出個数カウンタ30bにコピーされて、次に払い出されるべき球が1つ余分に払い出される恐れがある。
そこで、本実施例のように、0.5秒後にコピーのタイミングを設定することで、総賞球個数カウンタ30aおよび払出個数カウンタ30bに記憶されている賞球数がともに『1』で、払出モータ32が球を払い出すと、払出個数カウンタ30bに記憶されている賞球数が『0』になったときにおいても、所定時間である0.5秒が、最大通過時間である200msよりも長く設定されているので、賞球カウントスイッチ33が球を検出する段になっても、総賞球個数カウンタ30aに記憶されている『1』がコピーされて払出個数カウンタ30bに書き込まれることなく、賞球カウントスイッチ33が球を検出することで、総賞球個数カウンタ30aに記憶されている賞球数も『0』になる。従って、次に払い出されるべき球が1個余分に払い出されるという不具合を解消することができる。
また、通常のパチンコ機の多くは、遊技の制御をするための主制御基板Cを備え、遊技機に配設された入賞手段(本実施例では普通入賞口5,特定入賞口8)に球が入賞したときに、遊技媒体の払出を要求する払出要求信号を主制御基板Cから出力し、その払出要求信号を払出制御基板Hが受信することで、払出制御基板Hは、払出動作の制御のタイミングを把握することができる。
また、通常のパチンコ機の多くは、払出要求信号を払出制御手段Hが受信したときに、総賞球個数カウンタ30aに、払出要求信号に応じた賞球数を累積して記憶している。このように構成することで、払出要求信号によって、払出制御基板Hは、払い出すべき賞球数を把握することができる。
本発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上述した実施例では、本発明における払出状態検出手段は、払出回転センサ34であったが、払出回転センサ34に限定されない。払出モータ32に代表される本発明における払出手段や、その払出手段の駆動状態を検出するものであればよい。また、本発明における払出駆動手段は、ステッピングモータである払出モータ32であったが、ステッピングモータに限定されないし、モータにも限定されない。駆動することで球などの遊技媒体を払い出す手段であればよい。また、上述した実施例では、本発明における払出手段は、駆動することで球などの遊技媒体を払い出す手段である払出駆動手段(払出モータ32)であったが、例えば、払出ユニットS全体であってもよい。この場合には、本発明における払出状態検出手段は、払出ユニットS全体の状態を検出する手段となる。
(2)上述した実施例では、通常のパチンコ機のように、主制御基板Cに代表される主制御手段や、払出制御基板Hに代表される払出制御手段や、その払出制御基板Hに備えられる総賞球個数カウンタ30a(本発明における第1払出個数記憶手段)・払出個数カウンタ30b(本発明における第2払出個数記憶手段)を備えたが、これらを全部必ずしも備える必要はない。例えば、払い出すべき球の個数を把握する必要がなく、単に払出動作に関する精度を向上することのみを目的とする場合には、上述したカウンタ30a,30bを備える必要はない。
(3)上述した実施例では、本発明における第1払出個数記憶手段に相当する総賞球個数カウンタ30aの値が『0』になるまで一連の払出動作を実行し、その一連の払出動作は図8〜図11のフローチャートに示すものであったが、通常の払出動作であれば、実施例に係る払出動作に限定されない。
(4)上述した実施例では、入賞した球、すなわち賞球を払い出す場合について本発明を適用したが、貸し出す球、すなわち貸球を払い出す場合について本発明を適用してもよい。特に、払出モータ32を兼用して賞球・貸球を払い出す場合には、払出個数カウンタは賞球・貸球ともに兼用で用い、総賞球個数カウンタに相当する機能を持つ貸球用のカウンタを別に備えればよい。この場合、この貸球用のカウンタの値が『0』以外で、かつ、払出個数カウンタの値が『0』のときのみ、この貸球用のカウンタの値、すなわち貸球用のカウンタに記憶された貸球数をコピーして払出個数カウンタに記憶する。なお、貸出用のカードユニットから貸出を要求する貸出要求信号を受信した後、この貸球用のカウンタに累積して記憶すればよい。
なお、総賞球個数カウンタの値が『0』以外で、かつ、払出個数カウンタの値が『0』のときと、貸球用のカウンタの値が『0』以外で、かつ、払出個数カウンタの値が『0』のときとが同時の場合には、総賞球個数カウンタまたは貸球用のカウンタのいずれか一方を優先してコピーを行えばよい。
(5)本発明を上記実施例とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される。)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞されることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施してもよい。さらに、パチンコ機以外にも、アレンジボール型パチンコ、雀球、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機等の各種遊技機として実施するようにしてもよい。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定されるものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄が特定図柄であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えたスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
なお、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に有利な大当たり状態が発生させられ、遊技者には、下部の受け皿に多量の球が払い出されるものである。