JP4640968B2 - 車両用シートおよび車両用シートの組立方法 - Google Patents
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Description
即ち、後方移動する可動フレームのエネルギーを回動中心軸を中心にヘッドレストの前方回動に変換させる着想のため、ヘッドレストと可動フレームとを直接フレームにより連結していたのである。
この構成では、必然的に可動フレームおよびフレームは着座者の背が当たる部分の背凭シート内に設けるので、着座フィーリングが低下する。
また、可動フレームは背凭シート内を後方に移動するため、その移動量には限界があり、それゆえ、ヘッドレストの移動量を大きくできず、ヘッドレストの移動量が着座者の頭部を支持に十分でなく、むち打ち症防止効果を十分に発揮できないという課題がある。
即ち、単にシーソーのように、可動フレームの後方移動を、回動中心を支点としてヘッドレストの前方移動に変換するのであるから、ヘッドレストの移動量には限界が生じる。
また、公知例では、ヘッドレストと可動フレームとを直接連結しているため、後突されて前方移動するヘッドレストが頭部を支持しても、可動フレームが後方移動するので、着座者の上体と頭部との前後位置の差が広がり、着座姿勢が悪化するという課題もある。
本願は、着座者の背中後方に位置する前後移動体によって着座者の後方移動荷重を検出する構成でありながら、ヘッドレストの移動量を十分に確保し、しかも、後突を検知するとき着座姿勢を崩さないように特段の工夫したものである。
本発明は、背凭シート2の背凭フレーム3の上部にヘッドレスト6を上側リンク15により前後移動可能に取付け、略四角形の一枚板状に形成したプレート体31に、プレート体31より側方に突き出すワイヤスプリング34を上下に所定間隔をおいて複数取付け、前記複数上下に並設したワイヤスプリング34の内の何れかを後突感知用スプリング34Bとし、後突感知用スプリング34Bおよび後突感知用スプリング34B付近のプレート体31の後方移動により後突を感知するように構成し、該後突感知用スプリング34Bは、該後突感知用スプリング34Bの先端の後方に屈曲した係合部39を、縦長に形成した下側リンク35の係合孔42を横向きにして係合させて取付け、前記下側リンク35は係合孔42が縦向きになるようにして軸37により背凭フレーム3に回動自在に取付け、前記下側リンク35と前記上側リンク15とを伝動部材26により連結する車両用シートの組立方法としたものである。
請求項2の発明では、後突感知用スプリング(ワイヤスプリング)34Bおよびプレート体31の取付作業を頗る容易にできる。
背凭シート2の上部にはヘッドレスト6を設ける。ヘッドレスト6の構成は任意であり、少なくとも着座者Tの頭部Hを支持する頭部支持部7と、前記背凭シート2に装着するためピラー8とを設けて構成している。
ヘッドレスト6のピラー8は左右方向のヘッドレスト取付杆10に設けたピラー支持部材11に高さ調節自在に取付ける。ピラー8とピラー支持部材11の構成は公知であり、図示は省略するが、ピラー8に形成した係合凹部にピラー支持部材11に設けた係合部材を係合させて保持すればよい。
上側リンク15は、上側リンク15の一部を構成する第一リンク杆16の一端(後端)を前記ヘッドレスト取付杆10の左右両端に固定した移動側ブラケット17に軸18により取付け、第一リンク杆16の他端は背凭フレーム3の左右両側の上部に設けた固定側ブラケット19に軸20により回動自在に夫々取付ける。
第一リンク杆16の下方の移動側ブラケット17には、第二リンク杆23の一端を軸24により軸着する。第二リンク杆23はその中間部を前記固定側ブラケット19に軸25により回動自在に取付ける。
前記第二リンク杆23の他端には伝動部材(ロッド)26の上部を軸27により連結する。
前記第一リンク杆16の下部には、一端を背凭フレーム3側に係止したバネ28の他端を係止し、ヘッドレスト6が常時後側に位置するように上側リンク15を付勢する。
この場合、前記ワイヤスプリング34は、所定の弾性を有しており、プレート体31に荷重が掛かったときに、プレート体31全体が面形状を保持したまま後方移動しうるように構成する。
したがって、係合部39と係合孔42との係合は容易であり、背凭フレーム3に下側リンク35を取付けると、係合部39は係合孔42から外れない。
下側リンク35に取付けたワイヤスプリング34は、後突感知用スプリング34Bとし、後突感知用スプリング34Bは、着座者Tの後方移動によるプレート体31の後方移動を下側リンク35に伝達して回動させ、このエネルギーが伝動部材伝動部材26を介して上側リンク15に伝達され、上側リンク15は伝動部材伝動部材26の伝動エネルギーによりヘッドレスト6を前方移動させ、着座者Tの頭部Hを支持する。
つまり、下側リンク35は上側リンク15に設けたバネ28により通常では回動せずに固定状態となり、そのため、プレート体31に取付けた後突感知用スプリング34Bの取付端部38部分が弾性変形し、板状支持材30は面状態を保持したまま前後動させる。
背凭シート2の背凭フレーム3には板状支持材30を設け、板状支持材30は略四角形の一枚板状に形成したプレート体31をワイヤスプリング34を介して背凭フレーム3に前後移動自在に取付けて構成しているから、板状支持材30は、着座者Tが着座すると、そのまま後方に弾力的に後方移動して支持し、車両を走行させると、プレート体31が面状態のまま背凭フレーム3に対して前後移動して支持する。
また、板状支持材30のプレート体31は略四角形の一枚板状に形成しているから、プレート体31の所定部分にのみ掛かる荷重も、プレート体31全体が後方に移動することで上下左右に荷重を分散させ、確実に支持する。
したがって、ヘッドレスト6は上側リンク15により前方回動して頭部Hを支持し、むち打ち症防止効果を奏する。
この場合、後突感知用スプリング(下側ワイヤスプリング)34Bの下方にワイヤスプリング34を設けることはかまわない。
また、取付端部38の係合部39は、後方に屈曲させて形成しており、係合孔42は縦長に形成しているから、係合部39の移動方向に対して係合孔42は交差方向となり、板状支持材30の後突感知部40の前後移動によっても、係合部39と係合孔42との係合が外れることはない。
また、ストッパ機構43の案内溝44と係合部材45は、回動アーム36の回動方向を規制するので、ワイヤスプリング34Bによりプレート体31の下部部分を後突感知部40に形成しても、後突感知部40の移動を円滑にし、確実に後突を感知する。
Claims (2)
- 上側リンク15により背凭フレーム3に前後移動自在に取付けたヘッドレスト6を、着座者Tの後方に位置する背凭シート2内の後突感知部40の後方移動により、前方移動させて着座者Tの頭部Hを支持するように構成したものにおいて、前記背凭フレーム3には、着座者の背中上部より腰部後方に位置する略四角形の一枚板状のプレート体31を、上下に複数並設したワイヤスプリング34を介して前後移動自在に取付けて、構成した板状支持材30を設け、前記プレート体31に、前記複数上下に並設したワイヤスプリング34の内の何れかの左右一対のワイヤスプリング34Bの一端を夫々接続し、該左右一対のワイヤスプリング34Bと該左右一対のワイヤスプリング34Bの間のプレート体31により前記後突感知部40を構成し、前記左右一対のワイヤスプリング34Bの他端は前記背凭フレーム3に回動自在に設けた一対の下側リンク35に夫々取付け、前記下側リンク35と前記上側リンク15とは伝動部材26により連結し、前記ワイヤスプリング34Bの他端は、先端を後方に屈曲させた係合部39に形成し、前記下側リンク35には、前記係合部39が係合する縦長の係合孔42を形成した車両用シート。
- 背凭シート2の背凭フレーム3の上部にヘッドレスト6を上側リンク15により前後移動可能に取付け、略四角形の一枚板状に形成したプレート体31に、プレート体31より側方に突き出すワイヤスプリング34を上下に所定間隔をおいて複数取付け、前記複数上下に並設したワイヤスプリング34の内の何れかを後突感知用スプリング34Bとし、後突感知用スプリング34Bおよび後突感知用スプリング34B付近のプレート体31の後方移動により後突を感知するように構成し、該後突感知用スプリング34Bは、該後突感知用スプリング34Bの先端の後方に屈曲した係合部39を、縦長に形成した下側リンク35の係合孔42を横向きにして係合させて取付け、前記下側リンク35は係合孔42が縦向きになるようにして軸37により背凭フレーム3に回動自在に取付け、前記下側リンク35と前記上側リンク15とを伝動部材26により連結する車両用シートの組立方法。
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