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JP4517508B2 - 演奏教示装置および演奏教示方法 - Google Patents

演奏教示装置および演奏教示方法 Download PDF

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JP4517508B2 JP2000401761A JP2000401761A JP4517508B2 JP 4517508 B2 JP4517508 B2 JP 4517508B2 JP 2000401761 A JP2000401761 A JP 2000401761A JP 2000401761 A JP2000401761 A JP 2000401761A JP 4517508 B2 JP4517508 B2 JP 4517508B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、演奏者に楽器の演奏方法を教示する演奏教示装置および演奏教示方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、演奏者がピアノなどの楽器の演奏方法を習得するために、講師を付けて楽器の演奏練習を行うといったことが行われている。このような演奏練習では、講師は演奏者の技術レベルやその技術の向上具合に応じて、適切な指示や指摘を行えば、より大きな成果が得られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年では、上述したような講師の指示にしたがって行われる演奏練習に代えて、パーソナルコンピュータ等を利用して演奏者が単独で演奏練習を行えるようにする技術が提案されている。しかしながら、従来提案されているパーソナルコンピュータを利用した演奏練習方法では、予め用意された画一的なカリキュラムにしたがった教習を行うようになっているので、演奏者の演奏技術レベルや演奏技術の特徴等を考慮して各演奏者に応じた教習を行うことはできない。
【0004】
本発明は、上記の事情を考慮してなされたものであり、楽器の演奏方法を習得する際に、演奏者の特性に合わせた適切な教習を行うことができる演奏教示装置および演奏教示方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の請求項1に記載の演奏教示装置は、演奏者が楽器を用いて楽曲の演奏を行う際に、前記演奏者に演奏方法を教示する演奏教示装置であって、演奏すべき楽曲の演奏内容を示す模範演奏情報を記憶する模範情報記憶手段と、前記演奏すべき楽曲の演奏方法を教示するための教示情報であって、当該演奏方法の変更すべき程度を複数の段階で示す教示情報を音符ごとに前記演奏者に報知する教示手段と、前記演奏すべき楽曲の過去の演奏内容を示す過去演奏情報を記憶する過去演奏情報記憶手段と、前記模範演奏情報が示す演奏内容と前記演奏者によって過去に行われた前記演奏すべき楽曲の演奏内容との比較結果、および当該過去に行われた演奏の際に前記教示手段によって報知された前記教示情報に基づいて、前記教示情報を報知した際に前記演奏者による演奏内容に反映される応答量を前記教示情報の段階ごとに導出する応答量導出手段と、前記教示情報の各段階と、前記応答量導出手段によって導出された応答量を示す応答量情報との対応関係を記憶する応答情報記憶手段と、前記模範演奏情報の演奏内容と前記過去演奏情報記憶手段に記憶された過去演奏情報の演奏内容とを音符ごとに比較し、音符ごとの比較結果と前記応答情報記憶手段に記憶された前記対応関係とに基づいて、次に前記演奏者が前記演奏すべき楽曲を演奏する際に前記報知手段が報知すべき教示情報を音符ごとに決定する教示情報決定手段とを具備することを特徴とする。
【0006】
また、請求項2に記載の演奏教示装置は、演奏者が楽器を用いて楽曲の演奏を行う際に、前記演奏者に演奏方法を教示する演奏教示装置であって、演奏すべき楽曲の演奏内容を示す模範演奏情報を記憶する模範情報記憶手段と、前記演奏すべき楽曲の演奏方法を教示するための教示情報であって、当該演奏方法の変更すべき程度を複数の段階で示す教示情報を音符ごとに前記演奏者に報知する教示手段と、前記模範演奏情報が示す演奏内容と前記演奏者によって過去に行われた前記演奏すべき楽曲の演奏内容との比較結果、および当該過去に行われた演奏の際に前記教示手段によって報知された前記教示情報に基づいて、前記教示情報を報知した際に前記演奏者による演奏内容に反映される応答量を前記教示情報の段階ごとに導出する応答量導出手段と、前記教示情報の各段階と、前記応答量導出手段によって導出された応答量を示す応答量情報との対応関係を記憶する応答情報記憶手段と、演奏内容の変更すべき程度を複数の段階で示す前記教示情報の各々と、前記応答量導出手段によって導出された応答量を示す応答量情報との対応関係を記憶する応答情報記憶手段と、前記応答情報記憶手段に記憶された対応関係を表示する表示手段と、指示者の指示に応じて、次に前記演奏者が前記演奏すべき楽曲を演奏する際に前記報知手段が報知すべき教示情報を音符ごとに選択する選択手段とを具備することを特徴とする。
【0007】
また、請求項3に記載の演奏教示装置は、請求項1または2に記載の演奏教示装置において、前記教示情報が示す変更すべき演奏内容は、前記演奏すべき楽曲を構成する各音符の音高、演奏開始時期、演奏時間および強さの少なくとも1つを指示する情報であることを特徴とする。
【0008】
また、請求項4に記載の演奏教示装置は、請求項1ないしのいずれかに記載の演奏教示装置において、前記教示情報が示す変更すべき演奏方法は、前記演奏すべき楽曲を構成する各音符の音高、演奏開始時期、演奏時間および強さの少なくとも1つを指示する情報であることを特徴とする。
【0009】
また、請求項5に記載の演奏教示装置は、請求項1ないし4のいずれかに記載の演奏教示装置において、楽曲の演奏を行う前記演奏者の演奏技術レベル情報を入力するレベル情報入力手段と、前記レベル情報入力手段によって入力された演奏技術レベル情報に基づいて、必要である場合には前記模範情報記憶手段に記憶された模範演奏情報を、当該模範演奏情報に基づく演奏を行った場合よりも演奏操作の少なくなるように変形した楽曲の演奏内容を示すように調整する調整手段とをさらに具備することを特徴とする。
【0010】
また、請求項6に記載の演奏教示装置は、請求項5に記載の演奏教示装置において、前記レベル情報入力手段は、前記演奏者による前記楽曲の演奏内容に応じた演奏技術レベル情報を入力することを特徴とする。
【0011】
また、請求項7に記載の演奏教示方法は、演奏すべき楽曲の演奏内容を示す模範演奏情報を記憶する模範情報記憶手段と、前記演奏すべき楽曲の演奏方法を教示するための教示情報であって、当該演奏方法の変更すべき程度を複数の段階で示す教示情報を音符ごとに前記演奏者に報知する教示手段と、前記演奏すべき楽曲の過去の演奏内容を示す過去演奏情報を記憶する過去演奏情報記憶手段と、前記模範演奏情報が示す演奏内容と前記演奏者によって過去に行われた前記演奏すべき楽曲の演奏内容との比較結果、および当該過去に行われた演奏の際に前記教示手段によって報知された前記教示情報に基づいて、前記教示情報を報知した際に前記演奏者による演奏内容に反映される応答量を前記教示情報の段階ごとに導出する応答量導出手段と、前記教示情報の各段階と、前記応答量導出手段によって導出された応答量を示す応答量情報との対応関係を記憶する応答情報記憶手段とを具備する装置において、演奏者が楽器を用いて楽曲の演奏を行う際に、前記演奏者に演奏方法を教示する演奏教示方法であって、前記模範演奏情報の演奏内容と前記過去演奏情報記憶手段に記憶された過去演奏情報の演奏内容とを音符ごとに比較し、音符ごとの比較結果と前記応答情報記憶手段に記憶された前記対応関係とに基づいて、次に前記演奏者が前記演奏すべき楽曲を演奏する際に前記報知手段が報知すべき教示情報を音符ごとに決定する教示情報決定ステップと、前記教示情報決定ステップによって決定された教示情報を前記教示手段に報知させる報知ステップとを具備することを特徴とする。
【0012】
また、請求項8に記載の演奏教示方法は、請求項7に記載された演奏教示方法において、楽曲の演奏を行う前記演奏者の演奏技術レベル情報を入力するレベル情報入力ステップと、前記レベル情報入力ステップで入力された演奏技術レベル情報に基づいて、必要である場合には前記模範情報記憶手段に記憶された模範演奏情報を、当該模範演奏情報に基づく演奏を行った場合よりも演奏操作の少なくなるように変形した楽曲の演奏内容を示すように調整する調整ステップとをさらに具備し、前記教示情報決定ステップにおいては、前記調整ステップにおいて調整された模範演奏情報の演奏内容と前記過去演奏情報記憶手段に記憶された過去演奏情報の演奏内容とを音符ごとに比較し、音符ごとの比較結果と前記応答情報記憶手段に記憶された前記対応関係とに基づいて、次に前記演奏者が前記演奏すべき楽曲を演奏する際に前記報知手段が報知すべき教示情報を音符ごとに決定することを特徴とする。
【0013】
また、請求項9に記載の演奏教示方法は、演奏すべき楽曲の演奏内容を示す模範演奏情報を記憶する模範情報記憶手段と、演奏すべき楽曲の演奏内容を示す模範演奏情報を記憶する模範情報記憶手段と、前記演奏すべき楽曲の演奏方法を教示するための教示情報であって、当該演奏方法の変更すべき程度を複数の段階で示す教示情報を音符ごとに前記演奏者に報知する教示手段と、前記模範演奏情報が示す演奏内容と前記演奏者によって過去に行われた前記演奏すべき楽曲の演奏内容との比較結果、および当該過去に行われた演奏の際に前記教示手段によって報知された前記教示情報に基づいて、前記教示情報を報知した際に前記演奏者による演奏内容に反映される応答量を前記教示情報の段階ごとに導出する応答量導出手段と、前記教示情報の各段階と、前記応答量導出手段によって導出された応答量を示す応答量情報との対応関係を記憶する応答情報記憶手段とを具備する装置において、演奏者が楽器を用いて楽曲の演奏を行う際に、前記演奏者に演奏方法を教示する演奏教示方法であって、前記応答情報記憶手段に記憶された対応関係を表示して指示者に対していずれかの教示情報の選択を促す表示ステップと、前記指示者の指示に応じて、次に前記演奏者が前記演奏すべき楽曲を演奏する際に前記報知手段が報知すべき教示情報を音符ごとに選択する選択ステップと前記選択ステップで選択された教示情報を前記教示手段に報知させる報知ステップとを具備することを特徴とする。
【0014】
また、請求項10に記載の演奏教示方法は、請求項9に記載された演奏教示方法において、前記装置は、楽曲の演奏を行う前記演奏者の演奏技術レベル情報を入力するレベル情報入力手段と、前記レベル情報入力手段によって入力された演奏技術レベル情報に基づいて、必要である場合には前記模範情報記憶手段に記憶された模範演奏情報を、当該模範演奏情報に基づく演奏を行った場合よりも演奏操作の少なくなるように変形した楽曲の演奏内容を示すように調整する調整手段とをさらに具備することを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
A.実施形態の構成
まず、図1は本発明の一実施形態に係る演奏教示方法が適用されるシステムの外観を示す。同図に示すように、このシステムは、パーソナルコンピュータ(以下、PCという)10と、ピアノ11と、PC10とピアノ11とを接続するケーブル12とを備えている。PC10はピアノ11との間でケーブル12を介して様々なデータの授受を行うことができるようになされている。
【0016】
このシステムにおいては、演奏者は、PC10の表示部に表示されるピアノの演奏方法に関する教示内容を参照しながら、ピアノ11を用いて演奏練習を行うことにより、効果的な演奏練習が行えるようになっている。以下、このような効果的な演奏練習を実現するためのピアノ11およびPC10の構成について説明する。
【0017】
ここで、図2はピアノ11の主要部の構成を示す。同図において、符号1は鍵であり、符号3は鍵1の運動をハンマ2に伝達するアクションである。符号4はハンマ2によって打撃される弦であり、符号5は鍵1を駆動するソレノイドである。自動演奏時には、ソレノイド5のプランジャが突出すると、鍵1がバランスピンPを中心に回動し、演奏者側に下がる。これに連動してアクション機構3が作動し、ダンパー6が弦4から離れるとともに、ハンマ2が回動して弦4を打撃する。一方、演奏者が演奏する場合には、鍵1の前端が演奏者により押し下げられて、上記と同様の作用が生じて弦4が打撃される。
【0018】
符号25は、各鍵1の下方に取り付けられたキーセンサであり、対応する鍵1の押鍵動作(オン/オフのみならず、速度もしくは加速度)を検出し、検出した押鍵動作情報を制御部30に出力する。制御部30は、このピアノ11の装置各部を制御するものである。すなわち、自動演奏モードでは、演奏データに基づいた制御部30による制御の下、ソレノイド駆動回路31がソレノイド5を選択駆動することにより、鍵1を回動させて上記のように所望の弦4を打撃して楽音を発生させる。また、制御部30は、後述するPC10によって実行される演奏教示処理中には、PC10からの要求に応じて、演奏者の演奏によってキーセンサ25に取得された各鍵1の押鍵動作報をリアルタイムでPC10に出力する。
【0019】
また、このピアノは、ハンマ2が弦4を打撃する直前でアクション機構3の動きを停止させるストッパ(図示略)を有する消音機構を備えており、消音演奏を可能としている。また、制御部30がキーセンサ25から供給される押鍵情報に応じた制御信号を音源33に供給し、音源33が押下された鍵1に対応した楽音信号を生成する。この楽音信号がスピーカ34に供給されて演奏者の押鍵に応じた楽音を発生することができるようになっている。
【0020】
次に、図3はPC10の構成を示すブロック図である。同図に示すように、PC10は、CPU(中央処理装置)120と、RAM(Random Access Memory)121と、ROM(Read Only Memory)122と、ハードディスク123と、表示部124と、表示用インタフェース125と、操作部126と、操作部用インタフェース127と、通信インターフェース128と、ディスクドライブ装置129とを備えている。
【0021】
CPU120は、各種演算処理を行うとともに装置各部を制御する。RAM121は、CPU120のワークメモリとして使用され、演奏情報や各種データを一時的に格納する。ROM122は、CPU120に読み出されて実行されるプログラム群を格納している。表示部124は、液晶表示装置等であり、ユーザに対して画像を表示する。表示用インタフェース125は、CPU120から供給されたデータに応じた画像を表示部124に表示させるためのインタフェースである。操作部126は、ユーザが指示を入力するためのキーボードやマウス等である。操作部用インタフェース127は、操作部126を介して入力された指示を表すデータをCPU120へ供給するインタフェースである。通信インターフェース128は、ピアノ11との間で各種データの授受を行うためのインターフェースである。ディスクドライブ装置129は、フロッピーディスク、CD−ROM(Compact Disc-Read Only Memory)、DVD−ROM(Digital Versatile Disc-Read Only Memory)等の記録メディアに記述されたデータを読み出すドライブ装置である。
【0022】
ハードディスク123は、CPU120に読み出されて実行されるオペレーティングシステムやアプリケーションプログラム等のプログラム群を格納する。本実施形態では、ハードディスク123に演奏教示処理プログラム群が格納されており、当該演奏教示処理プログラム群をCPU120が実行することにより、ピアノの演奏方法について演奏者に応じた教示内容を表示部124に表示するように構成されている。また、ハードディスク123には、上記演奏教示処理プログラム群の実行時に利用される練習曲データベース123aが構築されており、さらに演奏記録エリア123b、第1プロファイルエリア123cおよび第2プロファイルエリア123dといった更新可能な各種データを記憶する領域が設定されている。
【0023】
ここで、図4は練習曲データベース123aのデータ構造を示す図である。同図に示すように、練習曲データベース123aには、多数の演奏練習のための練習用楽曲毎に、「楽曲番号」、「曲名」、「基本演奏情報」、「楽譜情報」、「運指情報」といった項目の情報が格納されている。ここで、「楽曲番号」には、この楽曲を識別するための識別番号情報が格納されている。「曲名」には、この楽曲の曲名データが格納されている。「基本演奏情報」には、この楽曲を再生するためのシーケンスデータ(例えば、MIDI(Musical Instrument Digital Interface)データ)が格納されている。「楽譜情報」には、当該楽曲の楽譜を表示部124に表示させるためのデータが格納されている。「運指情報」には、当該楽曲を構成する各音符毎に、どの指を利用して押鍵するといったデータが格納されている。
【0024】
次に、図5は演奏記録エリア123bのデータ構造を示す図である。演奏記録エリア123bは、練習曲データベース123aに格納されている多数の練習曲の中から、演奏者によって演奏練習を行う楽曲が選択された場合に、選択された楽曲に関するデータが格納されるエリアである。同図に示すように、演奏記録エリア123bには、演奏者によって選択された楽曲について、「楽曲番号」、「曲名」、「調整後練習曲情報」、「実演奏情報」といった項目の情報が格納されている。
【0025】
演奏記録エリア123bにおける「楽曲番号」および「曲名」には、各々選択された楽曲を識別する番号情報および曲名データが格納される。「調整後練習曲情報」には、演奏者によって選択された楽曲の基本演奏情報や楽譜情報を調整(未調整の場合もある)した楽曲の情報が格納される。ここで、基本演奏情報や楽譜情報の調整とは、演奏者の技術レベルに応じてCPU120によって当該楽曲の構成音を削減することをいい、演奏者のレベルが未熟であればあるほど、楽曲の構成音数が大きく削減されるような調整が行われる(図7参照)。「調整後練習曲情報」には、このようにCPU120によって調整された楽曲を再生するためのシーケンスデータ及び調整後の楽曲の楽譜を表示するための情報が格納されるようになっている。「実演奏情報」には、演奏者が選択した当該楽曲を演奏した際に、その演奏内容に基づいたデータが格納されるエリアである。すなわち、このエリアには、演奏者による当該選択された楽曲の演奏の際に、どのタイミングで、どの鍵が、どのくらいの時間、どのくらいの強さで操作されたといった情報が格納される。
【0026】
次に、図6は第1プロファイルエリア123cのデータ構造を示す図である。第1プロファイルエリア123cには、当該演奏者が過去に演奏したことのある練習曲毎に、各練習曲について過去に行われた演奏者の演奏内容を分析した情報や、当該分析した情報に基づく演奏者の技術レベルを表す情報といった当該演奏者のプロファイル情報が格納される。具体的には、図6に示すように、第1プロファイルエリア123cには、「評価回数」、「ミスキー」、「キーオン時期」、「キータイム」、「ベロシティ」、「初見マスター度」といった項目の情報を格納するエリアが用意されている。
【0027】
第1プロファイルエリア123cにおける「評価回数」には、当該楽曲がこの演奏者によって演奏された回数を示す情報であり、この楽曲がこの演奏者に演奏される毎に、「評価回数」に格納される数値が1つインクリメントされるようになっている。
【0028】
「ミスキー」は、演奏者が押下する鍵をどの程度の正確性をもって操作しているかを分析するための情報が格納されるエリアであり、この楽曲を構成する音符毎に「成功回数」および「最近値」といった項目の情報が格納される。「成功回数」には、その音符に対応する鍵が演奏者によって正確に押下された回数を示す情報が格納され、当該楽曲の演奏がなされた後、この音符について演奏者が対応する鍵を正確に押下操作した場合には、「成功回数」に格納される数値が1つインクリメントされる。一方、この音符に対応する鍵を押下操作できなかった場合には、「成功回数」に格納される数値は変動しない。「最近値」には、最も近い時期にこの楽曲を演奏した際に、各音符について押鍵操作が正確に行われたか否か(図示では○、×)を示す情報が格納されるエリアである。したがって、「最近値」に格納される情報は、当該楽曲が演奏される毎に、その演奏内容に応じて更新される。
【0029】
「キーオン時期」は、演奏者が鍵の押下を開始するタイミングがどの程度正確性をもって操作されているかを分析するための情報が格納されるエリアであり、この楽曲を構成する音符毎に「最近値」および「平均値」といった項目の情報が格納される。「最近値」には、最も近い時期にこの楽曲を演奏した際に、各音符に対応する鍵について、模範となる押下を開始すべき時期に対する実際の押下を開始した時期との割合(パーセント)を示す情報が格納される。したがって、「最近値」に格納される情報は、当該楽曲が演奏される毎に、その演奏内容に応じて更新される。「平均値」には、過去にこの楽曲が演奏された際の、各音符に対応する鍵について、模範となる押下を開始すべき時期に対する実際の押下を開始した時期の割合の平均値を示す情報が格納される。ここで、「平均値」は、各音符毎の平均値ではななく、当該楽曲を分割したフレーズ(例えば、1フレーズ4音構成)毎の平均値が格納される。この「平均値」に格納される情報も、この楽曲の演奏が行われて平均値が変動した場合にはもちろん更新される。なお、上記「キーオン時期」及び以下に説明する「キータイム」における「最近値」および「平均値」には、実際に演奏された時間(キーオン時期の場合は、1つ前のキーオン時期から対象キーの押下開始時期までの間の時間)÷正規の時間×100で算出された値、すなわち正規な値に対する割合をパーセントで示した値が格納されるようになっている。
【0030】
「キータイム」は、演奏者が鍵を押下している時間がどの程度正確性をもって操作されているかを分析するための情報が格納されるエリアであり、この楽曲を構成する音符毎に「最近値」および「平均値」といった項目の情報が格納される。「最近値」には、最も近い時期にこの楽曲を演奏した際に、各音符に対応する鍵について、模範となる押下時間に対する実際の押下時間の割合を示す情報が格納される。したがって、「最近値」に格納される情報は、当該楽曲が演奏される毎に、その演奏内容に応じて更新される。「平均値」には、過去にこの楽曲が演奏された際の、各音符に対応する鍵について、模範となる押下時間に対する実際の押下時間の割合の平均値を示す情報がフレーズ毎に格納される。この「平均値」に格納される情報も、この楽曲の演奏が行われて平均値が変動した場合にはもちろん更新される。
【0031】
「ベロシティ」は、演奏者が鍵を押下する強さがどの程度正確性をもって操作されているかを分析するための情報が格納されるエリアであり、この楽曲を構成する音符毎に「最近値」および「平均値」といった項目の情報が格納される。「最近値」には、最も近い時期にこの楽曲を演奏した際に、各音符に対応する鍵について、模範となる押下すべき強さ(例えば、MIDIのベロシティ値)に対する実際に押下した強さの割合を示す情報が格納される。したがって、「最近値」に格納される情報は、当該楽曲が演奏される毎に、その演奏内容に応じて更新される。「平均値」には、過去にこの楽曲が演奏された際の、各音符に対応する鍵について、模範となる押下すべき強さに対する実際に押下した強さの割合の平均値を示す情報がフレーズ毎に格納される。この「平均値」に格納される情報も、この楽曲の演奏が行われて平均値が変動した場合にはもちろん更新される。なお、「ベロシティ」における「最近値」および「平均値」には、実際の押鍵力(ベロシティ値)÷正規のベロシティ値×100で算出された値、すなわち正規な値に対する割合をパーセントで示した値が格納されるようになっている。
【0032】
「初見マスター度」は、上述した「ミスキー」、「キーオン時期」、「キータイム」および「ベロシティ」といったエリアに格納される情報、すなわち演奏者の演奏内容の分析結果に基づいて判別されたこの演奏者の技術レベルが格納されるエリアである。ここで、本実施形態では、1つの楽曲の演奏を練習するために3つの練習ステップが用意されており、各ステップ毎にこの演奏者の技術レベルを3段階で評価する情報が格納される。ここで、当該技術レベルの評価情報を格納するエリアは、この楽曲を分割したフレーズ(例えば、1フレーズ4音構成)毎に用意されており、楽曲のフレーズ単位で当該演奏者の技術レベルを評価する情報が格納できるようになっている。
【0033】
ここで、本実施形態における各練習ステップの内容と、各ステップの内容と各ステップにおける各技術レベルの場合の練習曲の調整内容(構成音削減内容)とを図7に示す。同図に示すように、ステップ1は、この楽曲のメロディー部分のみを演奏するステップであり、レベル1では、当該メロディー部分を構成する音符のうち、短音が削除されるとともに、連続音が単音化されるといった調整が行われて構成音数が削減される。ここで、短音削除とは、楽曲全体の中で相対的に短い音を削除することであり、連続音の短音化とは、同音の連続部を単音の延長に変更することである。次に、レベル2では、短音の削除は行われず、連続音の単音化のみが実施される。レベル3は、構成音の削減は行われないオリジナルの楽曲(メロディー部分のみ)の演奏練習が行われることになる。
【0034】
次に、ステップ2は、この楽曲のコード部分のみを演奏するステップであり、レベル1では、和音の単音化といった調整が行われ、構成音数が削減される。ここで、和音の単音化とは、複数音により構成される和音を、ルートの単音だけに変更することである。次に、レベル2では、分散和音の同時和音化といった調整が行われ、構成音数が削減される。ここで、分散和音の同和音化とは、アルペシオ等の分散和音を、同時に鍵を押下する和音に変更することである。レベル3では、構成音の削減は行われないオリジナルの楽曲(コード部分のみ)の演奏練習が行われることになる。
【0035】
次に、ステップ3は、この楽曲のメロディー及びコードの両者、すなわち楽曲全体を演奏するステップであり、レベル1では、メロディー部分についてはステップ1のレベル1と同様の構成音削減が実施され、コード部分についてはステップ2のレベル1と同様の構成音削減が実施される。次に、レベル2では、メロディー部分についてはステップ1のレベル2と同様の構成音削減が実施され、コード部分についてはステップ2のレベル2と同様の構成音削減が実施される。レベル3では、メロディー部分およびコード部分の両者において構成音削減は行われない、すなわちオリジナルの楽曲の演奏練習が行われることになる。
【0036】
次に、図8は第2プロファイルエリア123dのデータ構造を示す図である。第2プロファイルエリア123dには、この演奏者にどのような教示をすれば、この演奏者による演奏操作内容にどのように反映されるかといった当該演奏者について教示内容とその応答量とを示す情報といった演奏者のプロファイル情報が格納されている。本実施形態では、演奏方法を教示するために表示部124に表示して演奏者に教示する情報として、通常の音符ではなく変形した絵柄の音符を表示するようにしている。具体的には、表示部124に楽曲の楽譜を表示させる際に、当該楽譜上に表示される各音符について、図8の「表示絵柄」の欄に記載された変形した音符絵柄を表示することができるようになっており、これにより当該楽曲を演奏するために、押下すべき鍵、押下すべきタイミング、押下する時間、押下する強さといった教示情報を演奏者に報知している。
【0037】
第2プロファイルエリア123dには、上述したような演奏方法に関する教示情報である各「表示絵柄」毎に、「表示回数」および「応答量(平均値)」といった項目の情報が格納されている。また、本実施形態において教示情報である音符を変形した「表示絵柄」は、「キーオン時期」、「キータイム」、「ベロシティ」および「キー」といった項目毎に各々7段階のレベルの絵柄が用意されており、これらの各々の絵柄について「表示回数」および「応答量(平均値)」といった項目を格納するエリアが設定されている。
【0038】
ここで、「キーオン時期」は楽曲を構成する音符に対応する鍵を押下開始するタイミングについての情報格納エリアであり、この項目の「表示絵柄」には、図示のように音符の上側に左右方向の矢印が付加された絵柄が用意されている。ここで、左側への矢印は、演奏者に対してこの音符に対応する鍵の押下開始タイミングを早くしてください、といった趣旨の教示内容である。一方、音符に付加される右側への矢印は、演奏者に対してこの音符に対応する鍵の押下開始タイミングを遅くしてください、といった趣旨の教示内容であり、各々のレベルによって異なる矢印の長さはその度合いを示す(例えば、レベル1は、押下タイミングを早くしてくださいといった教示の度合いが最も大きい、すなわち最も強い注意を促している教示情報である)。また、矢印が付加されていない音符は、通常の音符であり、この音符が表示されるのは、演奏者に対して、この音符に対応する鍵の押下開始タイミングについては特に教示する必要がない場合である。
【0039】
「キータイム」は、楽曲を構成する音符に対応する鍵を押下する時間についての情報格納エリアであり、この項目の「表示絵柄」には、図示のように音符の下側に左右方向の矢印が付加された絵柄が用意されている。ここで、左側への矢印は、演奏者に対してこの音符に対応する鍵の押下時間を短くしてください、といった趣旨の教示内容である。一方、音符に付加される右側への矢印は、演奏者に対してこの音符に対応する鍵の押下時間を長くしてください、といった趣旨の教示内容であり、各々のレベルで異なる矢印の長さはその教示内容の度合いを示す。また、矢印が付加されていない音符は、通常の音符であり、この音符が表示されるのは、演奏者に対して、この音符に対応する鍵の押下時間については特に教示する必要がない場合である。
【0040】
「ベロシティ」は、楽曲を構成する音符に対応する鍵を押下する強さについての情報格納エリアであり、この項目の「表示絵柄」には、図示のように音符の右側に上下方向の矢印が付加された絵柄が用意されている。ここで、上側への矢印は、演奏者に対してこの音符に対応する鍵の押下を強くしてください、といった趣旨の教示内容である。一方、音符に付加される下側への矢印は、演奏者に対してこの音符に対応する鍵の押下を弱くしてください、といった趣旨の教示内容であり、各々のレベルで異なる矢印の長さはその度合いを示す。また、矢印が付加されていない音符は、通常の音符であり、この音符が表示されるのは、演奏者に対して、この音符に対応する鍵の押下強さについては特に教示する必要がない場合である。
【0041】
「キー」は、楽曲を構成する音符に対応する鍵が押下されているかについての情報格納エリアであり、この項目の「表示絵柄」には、音符の表示色を変更した絵柄が用意されている。図中かっこ内の記載は、音符の表示色を示す。ここで、青い表示色は、演奏者に対してより低い音高に対応する鍵を押下するように教示するものであり、赤い表示色は、演奏者に対してより高い音高に対応する鍵を押下するように教示するものであり、各色の濃度はその度合いを示す。また、黒色表示される音符は、通常の音符であり、この音符が表示されるのは、演奏者に対して、この音符に対応する鍵の押し間違いがほとんどなく、特に教示する必要がない場合である。この項目の「表示絵柄」、すなわち色替え表示は、音符は五線譜上に配置される位置でその音高を示すことになるが、このような一般的な表示ではどうしても押し間違えるといったこともあることを考慮したものであり、ある音符について、その音符よりも低い音高の鍵を押下してしまうといった癖のある演奏者には、音符を青色表示して注意を促すためのものである。
【0042】
上記のような各項目の各「表示絵柄」について、現在までに表示した回数が「表示回数」の欄に数値情報として書き込まれる。また、各項目の各「表示絵柄」について、当該表示絵柄を表示した場合の演奏者の演奏内容に反映された操作量、すなわち各表示絵柄を表示して教示した場合の演奏者の操作応答量の平均値が「応答量(平均)」の欄に数値情報としてで書き込まれる。これらの「表示回数」および「応答量」は演奏者によって演奏が行われる毎にCPU120によって実行される更新処理によって更新されるが、これについては後述する。
【0043】
ここで、応答量を数値化した情報とは、「キーオン時期」や「キータイム」の場合はテンポ値や実時間等を用いることができる。また、「ベロシティ」の場合はMIDIベロシティ値を用いることができ、「キー」の場合はMIDIのノートナンバーを用いて応答量を数値化することができる。
【0044】
なお、1つの表示音符に対し「キーオン時期」、「キータイム」、「ベロシティ」および「キー」といった項目の表示絵柄が重複する場合もあるが、この場合には同一の音符に対し各項目に応じた変形が施された表示絵柄が用いられる。具体的に例示すると、ある1つの音符に対し、「キーオン時期」を早めるといった教示と、「キータイム」を長くするといった教示を行う場合には、当該音符の上側に左側への矢印が付加され、音符の下側に右側への矢印が付加された音符が表示されることになる。
【0045】
B.実施形態の動作
上記構成のPC10は、図示せぬ電源の投入および操作部126により入力されるユーザの指示に基づいてCPU120がROM122およびハードディスク123に格納された演奏教示処理プログラム群等を実行することにより、ピアノの演奏方法について演奏者に応じた適切な教示内容を表示部124に表示し、演奏者に効果的な演奏練習を行わせることができるようになされている。以下、このような演奏練習を行う際の、PC10のCPU120によって実行される演奏教示処理を中心にピアノ11およびPC10の動作について図9を参照しながら説明する。
【0046】
まず、PC10およびピアノ11を利用して演奏者が演奏練習を行う場合、図1に示すように、両者をケーブル12で接続する。そして、PC10およびピアノ11の電源を投入し、操作部126を適宜操作してPC10におけるハードディスク123に格納されている演奏教示処理プログラム群の実行開始をCPU120に指示する。
【0047】
このように演奏者からの指示があると、ハードディスク123に格納された演奏処理プログラム群にしたがってCPU120は、ハードディスク123の練習曲データベース123aに格納された多数の練習曲のいずれかを演奏者に選択させるための練習曲選択メニュー画面を表示部124に表示させる(ステップSa1)。このように練習曲選択メニュー画面を表示させると、CPU120は演奏者から練習曲の選択を待ち受ける待ち受け状態に移行し、演奏者からの練習曲選択がなされたか否かを判別する(ステップSa2)。
【0048】
ここで、演奏者によって操作部126が適宜操作されて練習曲が選択されると、当該選択内容に基づいた指示がCPU120に入力される。練習曲の選択指示が入力されると、CPU120は、当該演奏者の選択した楽曲についてどのような演奏技術レベルにあるかといった情報に基づいて表示部124に表示させる表示内容等の調整処理を行う(ステップSa3)。具体的には、CPU120は選択された練習曲に関するデータ(図4参照)をハードディスク123の練習曲データベース123aから読み出すとともに、第1プロファイルエリア123cに格納されているこの演奏者の選択された楽曲についてのプロファイルを読み出す。そして、CPU120はプロファイルの「初見マスター度」に格納されている当該演奏者の各ステップ毎の技術レベルを参照し、図7に示す3つの練習ステップの中からいずれかの練習ステップを選択し、選択したステップ及びそのステップのレベルに応じて練習曲データベース123aから読み出した基本演奏情報および楽譜情報を調整、すなわち構成音の削減等を行う。
【0049】
なお、当該演奏者がこの演奏処理プログラムを初めて実行する場合には、選択された練習曲の調整は行われず、オリジナルの楽曲のまま次の処理に進むことになる。また、この場合には、当該演奏者の当該楽曲について第1プロファイルエリア123cおよび第2プロファイルエリア123dが新たに作成され、最初の演奏終了後に作成した両プロファイルエリアの各項目にその演奏に応じたデータが書き込まれることになる。
【0050】
また、CPU120は、第1プロファイルエリア123cに格納されている各フレーズ毎の「ミスキー」、「キーオン時期」、「キータイム」および「ベロシティ」を参照し、ミスが予想される楽曲中の音符については教示用の「表示絵柄」を適宜選択するといった楽譜表示用データの調整を行う。ここでの「表示絵柄」の選択方法は、第2プロファイルエリア123dに格納されている当該演奏者のプロファイルを参照して行われる。すなわち、第2プロファイルエリア123dには、当該演奏者が各「表示絵柄」のうちどのレベルの表示絵柄を表示した場合に、演奏にどのように反映されるかといった情報が格納されており、この情報と上記第1プロファイルエリア123cによるミスの予想量とを勘案して「表示絵柄」が決定される。例えば「キーオン時期」、「キータイム」および「ベロシティ」といった項目については、第1プロファイルエリア123cの「平均値」から本来演奏すべき値とのずれを求め、これをミスの予想量とし、当該予想量に最も近い応答量が得られる「表示絵柄」のレベル、すなわち教示内容を決定するようにすればよい。このように調整された調整後のデータがCPU120によって演奏記録エリア123bに書き込まれる。
【0051】
また、CPU120は、上記のように調整した楽譜表示用データに基づいた楽譜を表示部124に表示させる(ステップSa4)。ここで、図10は、当該演奏者の技術レベル等に応じて調整された楽譜表示の一例を部分的に示す図である。同図に示すように、本実施形態では、上述したような調整によって演奏者による過去の演奏内容を分析し、この楽曲を演奏する際の技術的な特徴や癖などが考慮され、正確な演奏がなされるように矢印や色の変化等が付加された音符を五線譜上に表示し、楽譜表示と各音符についての教示情報とを合わせて表示するようにしている。なお、どの指を使用して鍵を押下するといった情報である運指情報を表示部124に表示させるようにしてもよい。
【0052】
このように演奏者の技術的な特徴等に応じて教示用に変形された音符等が五線譜上に配置された楽譜の表示処理を実行すると、CPU120は演奏者による演奏開始の待ち受け状態に移行し、演奏が開始されたか否かを判別する(ステップSa5)。ここでの判別方法は、例えば上記楽譜表示の際に、演奏開始ソフトボタンを表示させ、当該演奏開始ソフトボタンがクリックされたか否かといった判別方法であってもよい。また、演奏者によってピアノ11のある鍵1が押下操作されたことがキーセンサ25によって検知され、当該検知結果がピアノ11からPC10のCPU120に入力された場合に演奏開始と判別するようにしてもよい。
【0053】
演奏が開始されたと判別すると(ステップSa5の判別「YES」)、CPU120は、演奏者の演奏(すなわち、鍵1の押下操作)に応じてキーセンサ25により取得された鍵1の動作情報を制御部30および通信インターフェース128を介して受け取り、演奏者による演奏内容に応じた演奏情報を演奏記録エリア123bに記録する(ステップSa6)。この記録処理の際にCPU120は、演奏者の演奏に応じてピアノ11から逐次供給される鍵の押鍵動作情報に基づいて、現在演奏者が楽曲のどの位置を演奏しているかを特定する演奏トレース処理を行い、図11に示すように、演奏者による演奏によってピアノ11から逐一供給される1つ1つの押鍵動作情報の各々が、本来演奏すべき楽曲(調整されている場合には、調整後の楽曲)のどの音符に対応しているかを特定する。そして、特定した本来演奏すべき楽曲を構成する各音符に対応付けて、演奏者による押鍵動作情報(押鍵されたキーナンバー、押鍵開始時期、押鍵時間および押鍵力を示す情報)を演奏記録エリア123bの「実演奏情報」のエリアに記録する。
【0054】
このようにピアノ11から逐一供給される各押鍵動作情報と、本来演奏すべき楽曲を構成する各音符とを対応付けて記録するには、上述したようにピアノ11から逐一供給される押鍵動作情報から演奏者が楽曲のどの位置を演奏しているかを正確に特定する演奏トレース処理を行う必要がある。
【0055】
本実施形態において行われる演奏トレース処理では、ピアノ11から供給される押鍵動作情報に含まれるキーナンバ(音高)データに基づいて、本来演奏すべき音符列をサーチし、一致箇所(候補)を見つけるという演奏→楽譜のマッチング検出作業であるノートトレース処理、および本来演奏すべき音符のうちもうすぐ演奏されるであろう音符を割り出し、この音符に対応するキーナンバ情報を含む押鍵動作情報の入力を待ち受けるという楽譜→演奏のマッチング検出作業であるタイムスケールトレース処理の双方向について行う。
【0056】
まず、ノートトレースについて説明する。これは、ピアノ11から逐次供給される押鍵動作情報に含まれるキーナンバ情報(音高)に基づいて音高列を生成し、これをパターンとして本来演奏すべき楽曲(調整した場合には、調整後の楽曲)の音符列とのマッチングを検出するものである。
【0057】
図12を参照してノートトレース処理の手法を具体的に説明する。この例では、楽譜データの音符データ列がドレミドミレド、ミレミソファレドと並んでいるものとする。同図は第5音のミから弾きはじめられミスタッチなく演奏された場合の例である。すなわち、「ミレド・・・」と演奏された場合の例である。この実施形態では、演奏を練習する場合などで途中から弾きなおしされた場合でも演奏箇所を検出できるようにしている。
【0058】
まず最初のキーナンバ情報として「ミ」が入力される。「ミ」と一致する音符を本来演奏されるべき音符列から検索すると、第3音、第5音、第8音、第10音がこれに該当する。この第3音、第5音、第8音、第10音の位置をそれぞれ現在位置の候補221、222、223、224として記憶する。この候補2は入力されたキーナンバ情報が次の音符(第4音、第6音、第9音、第11音)と一致したとき、その位置に移動する。
【0059】
各候補の候補データは、「音符位置/一致ノート数/不一致ノート数/連続一致数/連続不一致数」で構成され、新たなキーナンバ情報が入力されるごとに更新される。音符位置は、この候補が現在どの音符列上にあるかを示すものである。一致ノート数は入力されたキーナンバ情報のうち音符列と一致したものの数である。不一致ノート数は入力された音高データのうち音符データ列と一致しなかったものの数である。連続一致数は、入力されたキーナンバ情報が音符列と一致したときこれで連続していくつ一致しているかを示す数である。連続不一致数は、入力された音高データが音符データ列と一致しなかったときこれで連続していくつ不一致であるかを示す数である。
【0060】
上記候補221〜224は、最初の1音のみの一致であるため、候補データは、それぞれ、「第3音/1/0/1/0」、「第5音/1/0/1/0」、「第8音/1/0/1/0」、「第10音/1/0/1/0」である。
【0061】
次の演奏によるキーナンバ情報として「レ」が入力される。前記候補221〜224の各々について次の音符が「レ」であるかを検査する。そうすると、候補222および候補223の次の音符が「レ」であるため、これらの候補の音符位置をこの音符の位置に移動して候補データを更新する。候補222は「第6音/2/0/2/0」、候補223は「第9音/2/0/2/0」となる。一方、候補221、24は、次の音符データが「レ」でないためキーナンバ情報と不一致となり、候補221は「第3音/1/1/0/1」となり、候補224は「第10音/1/1/0/1」となる。
【0062】
次に、既存の候補が移動してこなかった「レ」の音符データを検索すると、第2音、第13音が存在する。これらを新たな現在位置の候補として候補225、226とする。候補225は「第2音/1/0/1/0」、候補226は「第13音/1/0/1/0」となる。
【0063】
さらに次のキーナンバ情報として「ド」が入力されるので、候補221〜226について次の音符が「ド」であるかを検査する。候補221、候補222および候補226の次の音符が「ド」であるため、これらの候補の音符位置をこの音符の位置に移動して候補データを更新する。候補221は「第4音/2/1/1/0」、候補222は「第7音/3/0/3/0」、候補226は「第14音/2/0/2/0」となる。
【0064】
また、候補223〜225は、それぞれ、候補223は「第9音/2/1/0/1」、候補224は「第10音/1/2/0/2」、候補225は「第2音/1/1/0/1」となる。次に、既存の候補が移動して来なかったドの音符データを検索すると第1音が存在する。これを新たな現在位置の候補として候補227「第1音/1/0/1/0」となる。
【0065】
このように、正しい演奏位置であるカレントポイントを示している候補222は一致数、連続一致数とも大きな値となり、不一致数は少ない(0)。このように候補2データを検査することによって正しいカレントポイントを割り出すことができる。また、不一致の場合でも、候補を即座に削除しないで不一致数を記憶しながら残しておくのは、演奏者がミスタッチして間違った音を入力した場合に対応するためである。すなわち演奏者がミスタッチをした場合でも不一致数が1つ増加する程度であり、正しいカレントポイントを割り出す大きな妨げにはならない。たとえば、「ミレド・・・」と演奏すべきところを「ミレレド・・・」と演奏した場合でも、候補222は「第7音/3/1/2/0」となり、やはり有力なカレントポイントの候補である。また、演奏者が音を間違えた場合や音を飛ばした場合には、その次の音からこの図に示した正しい候補の割り出しが開始される。
【0066】
次にタイムスケールトレース処理について説明する。上記のノートトレース処理によってカレントポイントの候補が幾つかに絞り込まれる。この絞り込まれた候補付近からそれぞれ1つの音符を抽出し、この音符に一致するキーナンバ情報が所定時刻付近で到来するかを待ち受ける。このとき到来するキーナンバ情報に基づいてどの候補が実際のカレントポイントであるかを決定するとともに到来タイミングに基づいてテンポ抽出を行い、楽譜データの拍子と合わせることでカレントポイントの表示を予測的に進行させる。
【0067】
ここで、図13はタイムスケールトレース処理の動作を示すフローチャートである。タイムスケールトレース処理では、上述したノートトレース処理によって候補2が割り出されるまで待機する(ステップSb1)。ノートトレース処理によって候補が割り出されると、この候補と本来演奏されるべき楽曲の音符列に基づいて、次にピアノ11から供給されるであろう音符のキーナンバを予測する(ステップSb2)。そして、演奏者が演奏を進めることによりピアノ11から次のキーナンバ情報が供給されると、このキーナンバ情報と予測した音高との一致/不一致を判定する(ステップSb3)。ここで、供給されたキーナンバ情報と予測した音符のキーナンバが一致した場合には(ステップSb4)、供給されたキーナンバ情報を含む押鍵動作情報が、本来演奏されるべき楽曲中の予測した音符に対応するものであると特定することができる(ステップSb5)。
【0068】
本実施形態では、上述したノートトレース処理とタイムスケールトレース処理とを双方向で行う演奏トレース処理により、ピアノ11から逐次供給される押鍵動作情報と、本来演奏されるべき楽曲の音符との対応付けをより正確に行うことができるようになっている。
【0069】
演奏者によって演奏が行われている間、当該演奏による押鍵動作情報は、逐次ピアノ11からPC10のCPU120に入力され、上述したような演奏トレース処理によって演奏すべき楽曲、すなわち調整後の練習曲を構成する音符のいずれかに対応付けられて演奏記録エリア123bに記録される。
【0070】
そして、上記演奏トレース処理によって演奏が終了したことを判別すると(ステップSa6)、CPU120は演奏記録エリア123bに記録した演奏者の演奏に応じた演奏情報と、演奏記録エリア123bに格納されている調整後練習曲情報(この演奏の模範となる演奏情報)とを用い、当該演奏に対する評価処理を行い(ステップSa8)、第1プロファイルエリア123cおよび第2プロファイルエリア123dの記憶内容を更新する。
【0071】
ここで、第1プロファイルエリア123cおよび第2プロファイルエリア123dの更新方法について説明する。まず、第1プロファイルエリア123cの更新方法について図14を参照しながら説明する。図14は、演奏練習を行った楽曲のあるフレーズの更新処理の概念を示す図である。第1プロファイルエリア123cの更新は、各フレーズ毎に行われ、「キー」、「キーオン時期」、「キータイム」および「ベロシティ」といった項目の情報について、模範の曲情報である練習曲情報と演奏者によって実際に行われた演奏による情報(演奏曲情報)とを比較する。ここでは、図示のように処理対象フレーズを、「ド」(MIDIノートナンバ=60)→「レ」(MIDIノートナンバ=62)→「ミ」(MIDIノートナンバ=64)→「ド」(MIDIノートナンバ=60)といった四分音符(テンポ値=120、ベロシティ値=64)で構成する場合について説明する。
【0072】
図示のように「評価結果」は、「キー」、「キーオン時期」、「キータイム」および「ベロシティ」の練習曲情報と演奏曲情報とを比較し、その結果が演奏評価となる。具体的には、「キー」の場合、練習曲情報と演奏曲情報のノートナンバーの一致/不一致が評価され、不一致の場合にはMIDIノートナンバーの差が数値として評価される。図示の例では、最後の「ド」を押下すべきところを「レ」を押下した場合であり、この場合、62(レ)−60(ド)=+2である。なお、図中「−」で示される「ド」の音については、当該ステップで調整(構成音の削減)されて演奏する必要がない音を示している。このような音については無条件で評価は「○」となる。
【0073】
次に、「キーオン時期」の場合には、練習曲情報に示されるタイミング(図示の場合、120)に対する実際のキーオンタイミングの割合をパーセントとして算出する。ここで、練習曲情報および演奏曲情報に「キータイム」に記述されている数値は、1つ前の音符(押鍵)開始タイミングとの間の時間であり、この時間を用いて上記割合を算出する。「キータイム」についても、「キーオン時期」と同様に練習曲情報に示される音長に対する実際の押鍵時間の割合割合(パーセント)が評価値として算出される。また、「ベロシティ」についても「キーオン時期」および「キータイム」と同様に練習曲情報に示される強さ(ベロシティ値)に対する実際の演奏による押鍵力(ベロシティ値)の割合が評価値として算出される。
【0074】
また、「キーオン時期」、「キータイム」および「ベロシティ」の評価で各音符毎に算出された評価値から、そのフレーズにおける平均値も算出される。このような今回の演奏者の演奏内容の評価をフレーズ毎に行い、当該評価結果を基にして図6に示す第1プロファイルエリア123cの各データを以下の手順で更新することになる。
【0075】
まず、第1プロファイルエリア123cにおける「評価回数」の項目の数値が1つインクリメントされる。そして、「ミスキー」について「最近値」が上記評価結果に更新されるとともに、評価結果が「○」の場合には「成功回数」が1つインクリメントされる。また、「キーオン時期」、「キータイム」および「ベロシティ」についても今回の評価結果に基づいて「最近値」および「平均値」が更新される。なお、今回の演奏が初めての演奏の場合には、上述したように新たに作成された第1プロファイルエリア123cの各エリアに今回の評価結果が書き込まれる。このようにして第1プロファイルエリア123cに格納される各データが更新されるのである。なお、第1プロファイルエリア123cにおける「初見マスター度」の更新は、後述する教示および調整内容決定時(ステップSa11)に行われる。
【0076】
次に、第2プロファイルエリア123dの更新方法について図15を参照しながら説明する。第2プロファイルエリア123dの更新は、各フレーズ毎の前回の演奏の評価結果と、今回の演奏の評価結果(図14参照)と、今回の演奏の際に表示した「表示絵柄」を示す情報とに基づいて行われる。具体的には、まず前回の演奏の評価結果の各項目と、今回の演奏の評価結果の各項目とを照らし合わせ、各音符の各項目「キー」、「キーオン時期」、「キータイム」および「ベロシティ」について、前回から今回への変化量、すなわち今回の演奏に反映された応答量を算出する(ステップA)。そして、このように算出した各項目の変化量と、今回の演奏の際に各項目について表示した「表示絵柄」とを対応付け、今回の演奏に対する表示絵柄、すなわち教示内容と応答量の対応関係を求める(ステップB)。このように求めた今回の演奏に対する教示内容と応答量の対応関係を、既に過去の演奏内容および教示内容に基づいて作成されている第2プロファイルエリア123dの内容に反映して第2プロファイルエリア123dに格納された当該演奏者のプロファイルを更新する。
【0077】
具体的に例示すると、「キーオン時期」の項目についてレベル2の絵柄表示がなされた場合に、その応答量が10であり、現在の第2プロファイルエリア123d(図8参照)の「キーオン時期」のレベル2の「表示絵柄」の「表示回数」がn、「応答量(平均)」がmの場合、「表示回数」はn+1、「応答量(平均)」は(m*n+10)/(n+1)に更新される。
【0078】
このような評価処理ならびに評価処理の結果に基づく第1プロファイルエリア123cおよび第2プロファイルエリア123dの更新処理が終了すると、CPU120はこの演奏者の練習ステップをアップさせてもよいか否かを判別する(ステップSa9)。ここでは、上述した第1プロファイルエリア123cの更新処理の際に作成された評価結果を予め設定された数値等と比較し、この演奏者をステップアップさせてもよいか否かを判別する。
【0079】
ここで、図16にステップアップ判定処理例を示す。同図に示すように、ステップアップ判定では、まず、今回演奏前の当該練習ステップにおけるレベルが3であったか否かが判別される(ステップSc1)。ここで、レベル3以外の場合には、ステップアップの判定を行わず、ステップ維持を決定する。一方、ステップSc1の判別において、レベル3であると判別された場合、今回の演奏のミスキー率が所定値(10%)以下であったか否かが判別される(ステップSc2)。ここで、ミスキー率が所定値以下であった場合には、「キーオン時期」、「キータイム」、「ベロシティ」といった項目の値のうち、所定の範囲内(例えば、90%〜110%の間)にある項目が所定の個数以上(例えば、3項目中2つ以上)あるか否かが判別され(ステップSc3)、所定の範囲内の項目が所定個数以上ある場合には、ステップアップすると判別される。また、ステップSc2およびステップSc3の判別が「NO」の場合には、ステップアップ維持を決定する。
【0080】
なお、ここでCPU120により行われるステップアップ判定は、あくまでも目安とし、目安となる判定結果を表示部124に表示させて最終的なステップアップの可否は演奏者に選択させるようにしてもよい。
【0081】
ステップアップ判定が終了すると、CPU120は当該判定の結果、この練習曲についての最終ステップ(図7に示す練習ステップ9)が終了したか否かを判別する(ステップSa10)。この結果、最終ステップが終了している場合には、当該演奏教示処理プログラムを終了する。なお、ここで、プログラムを終了せずに、ステップSa1に戻り、他の練習曲の選択を促すようにしてもよい。
【0082】
一方、ステップSa10の判別の結果、最終ステップが終了していないと判別された場合には、CPU120は判定された練習ステップに応じて練習曲を調整内容および教示内容を決定して演奏記録エリア123bに記録する(ステップSa11)。
【0083】
このような調整内容を決定する際に第1プロファイルエリア123cにおける「初見マスター度」を参照することになるが、その前に今回の演奏内容に応じて「初見マスター度」の項目データの更新を行い、更新後の「初見マスター度」の内容に応じてレベルの選択がなされ、構成音数の削減内容が決定される。ここで、「初見マスター度」の更新方法例について図17を参照しながら説明する。まず、今回演奏した際の練習ステップにおけるレベルが1または2であったか否か判別される(ステップSd1)。ここで、レベルが1または2であった場合(ステップSc1の判別「YES」)、ミスキー率、すなわち鍵の押し間違いの確率が所定値(例えば、15%)以下であるか否かが判別される(ステップSd2)。ここで、ミスキー率が所定値以下である場合には、「キーオン時期」、「キータイム」、「ベロシティ」といった項目の値のうち、所定の範囲内(例えば、90%〜110%の間)にある項目が所定の個数以上(例えば、3項目中2つ以上)あるか否かが判別され(ステップSd3)、所定の範囲内の項目が所定個数以上ある場合には、ステップ内でレベルアップすると判別される。したがって、例えば今回の演奏前のレベルが1であった場合には、レベル2に更新される。また、ステップSd2およびステップSd3の判別が「NO」の場合には、現在のレベルが維持となる。
【0084】
一方、ステップSd1の判別において、現在のレベルが1または2ではない、すなわちレベル3である場合には、ミスキー率が所定値以上であるか否かが判別される(ステップSd4)。ここで、ミスキー率が所定値(例えば、10%)以上である場合には、ステップ内でレベルダウン、すなわちレベル2にダウンすると判定される。一方、ステップSd4の判別においてミスキー率が所定値未満であった場合には、「キーオン時期」、「キータイム」、「ベロシティ」といった項目の値のうち、所定の範囲外(例えば、80%〜120%以外)にある項目が所定の個数以上(例えば、3項目中2つ以上)あるか否かが判別され(ステップSd5)、所定の範囲内の項目が所定個数以上ある場合には、ステップ内でレベルダウン、すなわちレベル2にダウンすると判別される。一方、ステップSd5における判別が「NO」の場合には、現在のレベルであるレベル3が維持される。
【0085】
また、調整内容および教示内容の決定処理の際、楽譜表示に用いる各音符は、更新後の第1プロファイルエリア123cおよび第2プロファイルエリア123dの内容とに基づいて、この演奏者がより正確な演奏を行えるような「表示絵柄」に選択決定する。そして、CPU120は、この調整内容を反映した楽譜を表示部124に表示させた後、演奏者による演奏開始を待ち受け、演奏が開始されたか否かを判別する(ステップSd5)。
【0086】
このように本実施形態では、演奏者がある楽曲の演奏練習を行う際に、当該楽曲がその演奏者の演奏技術レベルに応じた内容に調整され(構成音の削減)、演奏者のその時点の技術レベルで練習しやすい環境が提供される。例えば、初心者の場合には、いきなり構成音の削減のないオリジナルの楽曲を数多く練習しても十分な効果が得られないことがあるが、本実施形態によれば、初心者レベルの場合は、構成音数を削減して練習しやすい曲に調整して演奏練習を行わせ、技術レベルの向上につれて徐々に構成音数の削減数を抑えたオリジナルに近い曲を練習させるといった段階的な練習を行わせることができ、効果的な練習が行えるようになる。
【0087】
また、本実施形態では、演奏者の過去の演奏内容に応じて、楽曲中の演奏ミスが予想される部分を検出し、当該ミスが起きないような教示を促す表示絵柄が選択されて楽譜上のミスが予想される音符に付加されることになる。ここで、表示絵柄にも複数レベルの教示段階が設定されており、予想されるミスの度合いが大きい場合には、大きく注意を促すような表示がなされ、予想されるミスの度合いが小さい場合には、小さく注意を促すといった予想ミス量に応じた教示が設定されるようになっている。しかも、ミスの予想量は当該演奏者の過去の演奏によって分析されたものであり、またその予想ミス量を修正するための教示内容(表示絵柄)も演奏者の過去の教示内容に対する応答量に基づいて決定されたものである。すなわち、本実施形態では、演奏者の過去の演奏等に基づいて技術的な特徴や癖を考慮した上でその演奏者に合致する教示内容を選定して表示するようにしているのである。したがって、演奏者は、表示部124に表示される教示内容を参照することにより、効果的な演奏を行うことができる。
【0088】
C.変形例
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、以下に例示するような種々の変形が可能である。
【0089】
(変形例1)
上述した実施形態では、PC10のハードディスク123に演奏者のプロファイルを記憶した第1プロファイルエリア123cおよび第2プロファイルエリア123dが用意されており、PC10およびピアノ11により本発明を適用した場合について説明したが、図18に示すように、ネットワークシステムに本発明を適用することも可能である。
【0090】
同図に示すように、このネットワークシステムは、インターネット300に電話網302を介して接続されるPC310と、インターネット300に接続されるサーバ301と、PC310に接続されるピアノ311とを備える。
【0091】
ここで、ピアノ311は、上述した実施形態におけるピアノ11と同様の構成であり、演奏教示処理実行時には、演奏者による押鍵操作に応じて逐次押鍵動作情報をPC310に出力する。PC310は、上記実施形態におけるPC10と同様の構成に加え、インターネット300に電話網302を介して接続するためのインターフェース(例えば、モデムやターミナルアダプタ)を搭載している。また、PC310は、そのハードディスクにインターネット300に接続された様々なノードとの間でデータ通信を行うためのブラウザソフトウェア(例えば、マイクロソフト社のInternet Explorer)がインストールされており、当該ブラウザを起動することによりPC310は電話網302およびインターネット300を介してサーバ301にアクセスし、サーバ301との間でのデータの授受を行うことができるようになっている。
【0092】
この変形例と上記実施形態との相違点は、PC310のハードディスクには、上述した実施形態のPC10のハードディスク123に格納されていた練習曲データベース123a、第1プロファイルエリア123cおよび第2プロファイルエリア123dは格納されておらず、これらの各種データがサーバ301に格納されている点である。そして、PC310が上述した実施形態のPC10と同様の演奏教示処理を実行する際に、練習曲データベース123a、第1プロファイルエリア123cおよび第2プロファイルエリア123dに格納されたデータが必要となる場合には、インターネット300および電話網302を介してサーバ301から必要なデータをダウンロードし、PC310のRAM等に一時的に記憶して上記実施形態と同様の演奏教示処理を行う。一方、上述した評価処理等によってプロファイルのデータを更新する場合には、上述したようにダウンロードして一時的にRAMに記憶しているプロファイルデータを更新し、更新後のプロファイルデータを電話網302およびインターネット300を介してサーバ301にアップロードする。
【0093】
このようなネットワークシステムにおいても本発明を適用することが可能であり、この場合、演奏者はサーバ301に自身のプロファイルデータをサーバ301にアップロードしておけば、インターネット300に接続できる環境にあるPC310およびピアノ311があれば、自宅以外の様々な場所で効率のよい演奏練習を行うことができる。また、このような様々な場所で行った演奏練習の内容も自身のプロファイルの更新に使用されることになる。
【0094】
(変形例2)
また、上述した実施形態では、PC10のハードディスク123に第1プロファイルエリア123cおよび第2プロファイルエリア123dを設定し、演奏者のプロファイルを格納するようにしていたが、演奏者が自身のプロファイルをフロッピーディスクやMO(Magneto-optical Disc)、CD−R(CD-Recordable)、DVD−RAM(DVD-Random Access Memory)、CD−RW(CD-Rewritable)などの記録媒体に格納して保持しておき、演奏教示処理を行う際にPC10のディスクドライブ装置129にこの記録媒体をセットし、当該記録媒体からプロファイルを読み出してRAM121に一時的に記憶して上記実施形態と同様の処理を行うようにしてもよい。この際、プロファイルを更新した場合には、更新後のプロファイルを記録媒体に上書きすればよい。
【0095】
また、上記のような記録媒体以外にも書換可能な媒体であれば、種々の記録媒体にプロファイルを記憶させるようにしてもよく、例えばICカードにプロファイルを記憶させておくようにしてもよい。この場合には、PC10にICカードリーダ等を接続し、当該ICカードリーダによって読み取られたプロファイルデータをPC10に供給するようにすればよい。
【0096】
(変形例3)
また、上述した実施形態では、本発明をピアノ演奏の練習に用いた場合について説明したが、これ以外にも、本発明は、ギター、バイオリン、オルガン等の様々な楽器の練習に用いることができる。また、上記実施形態では、ピアノ11とPC10とを別体としていたが、これをピアノ11に一体化した装置として構成してもよい。
【0097】
(変形例4)
また、上述した実施形態では、PC10の表示部124に表示する音符の表示絵柄によって様々な演奏に関する教示情報を演奏者に報知するようにしていたが、これに限らず、音声出力によって演奏者に教示情報を報知するようにしてもよい。例えば、ある音符について早く押下操作すべきであるといった教示を行う場合には、その音符を押鍵すべきタイミングの直前に「早く操作」といった音声を出力するといった方法で演奏者に報知するようにしてもよい。
【0098】
(変形例5)
また、上述した実施形態においては、PC10は第1プロファイルエリア123cや第2プロファイルエリア123dに格納されている演奏者のプロファイルに基づいて、表示すべき「表示絵柄」のレベルを各音符毎に選択するようにしていたが、第2プロファイルエリア123dに格納されている各表示絵柄と、各絵柄を表示した際の演奏者の応答量との関係を示す情報(図15参照)を表示部124に表示させ、この情報を演奏者もしくは演奏者の補助者である指示者等に報知するようにしてもよい。そして、これを参照した演奏者もしくは指示者が練習曲を構成する各音符について、どの「表示絵柄」レベルを表示させるかを任意に選択できるようしてもよい。なお、請求項にいう「指示者」は、演奏者自身を含むものとする。
【0099】
(変形例6)
また、上述した実施形態では、音符の「表示絵柄」を適宜選択して表示することによって演奏者に演奏に関する教示情報を報知するようにしていたが、この際の表示絵柄は図8に示したような表示絵柄に限らず、他の絵柄を表示することで教示情報を演奏者に報知するようにしてもよい。また、例えば、「50msec早く押鍵してください」といったように数値や文字などの情報を表示して演奏に関する教示情報を演奏者に報知するようにしてもよい。
【0100】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、楽器の演奏方法を習得する際に、演奏者の特性に合わせた適切な教習を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る演奏教示方法が適用されるシステムの外観を示す斜視図である。
【図2】 前記システムの構成要素であるピアノの主要部の構成を示す図である。
【図3】 前記システムの構成要素であるPCの構成を示すブロック図である。
【図4】 前記PCのハードディスクに構築される練習曲データベースのデータ構造を示す図である。
【図5】 前記PCのハードディスクに設定される演奏記録エリアのデータ構造を示す図である。
【図6】 前記PCのハードディスクに設定される第1プロファイルエリアのデータ構造を示す図である。
【図7】 前記演奏教示方法における練習ステップの内容および各ステップの各レベルに応じた練習曲の調整内容を示す図である。
【図8】 前記PCのハードディスクに設定される第2プロファイルエリアのデータ構造を示す図である。
【図9】 前記PCのCPUによって実行される演奏教示処理を示すフローチャートである。
【図10】 前記PCの表示部に表示される楽譜中の音符を示す図である。
【図11】 前記PCによって実行される演奏情報記録処理を説明するための図である。
【図12】 前記演奏情報記録処理において用いられる演奏トレース処理を説明するための図である。
【図13】 前記演奏トレース処理におけるタイムスケールトレース処理を示すフローチャートである。
【図14】 前記第1プロファイルエリアに格納されるプロファイルの更新方法を説明するための図である。
【図15】 前記第2プロファイルエリアに格納されるプロファイルの更新方法を説明するための図である。
【図16】 前記演奏教示処理におけるステップアップ判定処理を示すフローチャートである。
【図17】 前記第1プロファイルエリアに格納される初見マスター度情報の更新方法を示すフローチャートである。
【図18】 前記実施形態に係る演奏教示方法が適用されるシステムの変形例を示す図である。
【符号の説明】
10……PC(演奏教示装置)、11……ピアノ、25……キーセンサ、120……CPU(教示手段、教示情報決定手段、応答量導出手段、調整手段)、121……RAM(模範情報記憶手段、応答情報記憶手段)、123……ハードディスク(模範情報記憶手段、応答情報記憶手段)、124……表示部(教示手段、表示手段)300……インターネット、301……サーバ(模範情報記憶手段、応答情報記憶手段)、310……PC、311……ピアノ

Claims (10)

  1. 演奏者が楽器を用いて楽曲の演奏を行う際に、前記演奏者に演奏方法を教示する演奏教示装置であって、
    演奏すべき楽曲の演奏内容を示す模範演奏情報を記憶する模範情報記憶手段と、
    前記演奏すべき楽曲の演奏方法を教示するための教示情報であって、当該演奏方法の変更すべき程度を複数の段階で示す教示情報を音符ごとに前記演奏者に報知する教示手段と、
    前記演奏すべき楽曲の過去の演奏内容を示す過去演奏情報を記憶する過去演奏情報記憶手段と、
    前記模範演奏情報が示す演奏内容と前記演奏者によって過去に行われた前記演奏すべき楽曲の演奏内容との比較結果、および当該過去に行われた演奏の際に前記教示手段によって報知された前記教示情報に基づいて、前記教示情報を報知した際に前記演奏者による演奏内容に反映される応答量を前記教示情報の段階ごとに導出する応答量導出手段と、
    前記教示情報の各段階と、前記応答量導出手段によって導出された応答量を示す応答量情報との対応関係を記憶する応答情報記憶手段と、
    前記模範演奏情報の演奏内容と前記過去演奏情報記憶手段に記憶された過去演奏情報の演奏内容とを音符ごとに比較し、音符ごとの比較結果と前記応答情報記憶手段に記憶された前記対応関係とに基づいて、次に前記演奏者が前記演奏すべき楽曲を演奏する際に前記報知手段が報知すべき教示情報を音符ごとに決定する教示情報決定手段と
    を具備することを特徴とする演奏教示装置。
  2. 演奏者が楽器を用いて楽曲の演奏を行う際に、前記演奏者に演奏方法を教示する演奏教示装置であって、
    演奏すべき楽曲の演奏内容を示す模範演奏情報を記憶する模範情報記憶手段と、
    前記演奏すべき楽曲の演奏方法を教示するための教示情報であって、当該演奏方法の変更すべき程度を複数の段階で示す教示情報を音符ごとに前記演奏者に報知する教示手段と、
    前記模範演奏情報が示す演奏内容と前記演奏者によって過去に行われた前記演奏すべき楽曲の演奏内容との比較結果、および当該過去に行われた演奏の際に前記教示手段によって報知された前記教示情報に基づいて、前記教示情報を報知した際に前記演奏者による演奏内容に反映される応答量を前記教示情報の段階ごとに導出する応答量導出手段と、
    前記教示情報の各段階と、前記応答量導出手段によって導出された応答量を示す応答量情報との対応関係を記憶する応答情報記憶手段と、
    演奏内容の変更すべき程度を複数の段階で示す前記教示情報の各々と、前記応答量導出手段によって導出された応答量を示す応答量情報との対応関係を記憶する応答情報記憶手段と、
    前記応答情報記憶手段に記憶された対応関係を表示する表示手段と、
    指示者の指示に応じて、次に前記演奏者が前記演奏すべき楽曲を演奏する際に前記報知手段が報知すべき教示情報を音符ごとに選択する選択手段と
    を具備することを特徴とする演奏教示装置。
  3. 前記応答量導出手段は、前記演奏者によって前記演奏すべき楽曲の演奏が行われた場合、当該演奏内容に関する情報と、当該演奏の際に前記報知手段によって報知された前記教示情報とを取得し、取得したこれらの情報を反映して新たに前記教示情報ごとに応答量を導出す
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の演奏教示装置。
  4. 前記教示情報が示す変更すべき演奏方法は、前記演奏すべき楽曲を構成する各音符の音高、演奏開始時期、演奏時間および強さの少なくとも1つを指示する情報である
    ことを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の演奏教示装置。
  5. 楽曲の演奏を行う前記演奏者の演奏技術レベル情報を入力するレベル情報入力手段と、
    前記レベル情報入力手段によって入力された演奏技術レベル情報に基づいて、必要である場合には前記模範情報記憶手段に記憶された模範演奏情報を、当該模範演奏情報に基づく演奏を行った場合よりも演奏操作の少なくなるように変形した楽曲の演奏内容を示すように調整する調整手段と
    をさらに具備することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の演奏教示装置。
  6. 前記レベル情報入力手段は、前記演奏者による前記楽曲の演奏内容に応じた演奏技術レベル情報を入力する
    ことを特徴とする請求項5に記載の演奏教示装置。
  7. 演奏すべき楽曲の演奏内容を示す模範演奏情報を記憶する模範情報記憶手段と、
    前記演奏すべき楽曲の演奏方法を教示するための教示情報であって、当該演奏方法の変更すべき程度を複数の段階で示す教示情報を音符ごとに前記演奏者に報知する教示手段と、
    前記演奏すべき楽曲の過去の演奏内容を示す過去演奏情報を記憶する過去演奏情報記憶手段と、
    前記模範演奏情報が示す演奏内容と前記演奏者によって過去に行われた前記演奏すべき楽曲の演奏内容との比較結果、および当該過去に行われた演奏の際に前記教示手段によって報知された前記教示情報に基づいて、前記教示情報を報知した際に前記演奏者による演奏内容に反映される応答量を前記教示情報の段階ごとに導出する応答量導出手段と、
    前記教示情報の各段階と、前記応答量導出手段によって導出された応答量を示す応答量情報との対応関係を記憶する応答情報記憶手段と
    を具備する装置において、演奏者が楽器を用いて楽曲の演奏を行う際に、前記演奏者に演奏方法を教示する演奏教示方法であって、
    前記模範演奏情報の演奏内容と前記過去演奏情報記憶手段に記憶された過去演奏情報の演奏内容とを音符ごとに比較し、音符ごとの比較結果と前記応答情報記憶手段に記憶された前記対応関係とに基づいて、次に前記演奏者が前記演奏すべき楽曲を演奏する際に前記報知手段が報知すべき教示情報を音符ごとに決定する教示情報決定ステップと、
    前記教示情報決定ステップによって決定された教示情報を前記教示手段に報知させる報知ステップと
    を具備することを特徴とする演奏教示方法。
  8. 楽曲の演奏を行う前記演奏者の演奏技術レベル情報を入力するレベル情報入力ステップと、
    前記レベル情報入力ステップで入力された演奏技術レベル情報に基づいて、必要である場合には前記模範情報記憶手段に記憶された模範演奏情報を、当該模範演奏情報に基づく演奏を行った場合よりも演奏操作の少なくなるように変形した楽曲の演奏内容を示すように調整する調整ステップと
    をさらに具備し、
    前記教示情報決定ステップにおいては、前記調整ステップにおいて調整された模範演奏情報の演奏内容と前記過去演奏情報記憶手段に記憶された過去演奏情報の演奏内容とを音符ごとに比較し、音符ごとの比較結果と前記応答情報記憶手段に記憶された前記対応関係とに基づいて、次に前記演奏者が前記演奏すべき楽曲を演奏する際に前記報知手段が報知すべき教示情報を音符ごとに決定する
    ことを特徴とする請求項7に記載の演奏教示方法。
  9. 演奏すべき楽曲の演奏内容を示す模範演奏情報を記憶する模範情報記憶手段と、
    演奏すべき楽曲の演奏内容を示す模範演奏情報を記憶する模範情報記憶手段と、
    前記演奏すべき楽曲の演奏方法を教示するための教示情報であって、当該演奏方法の変更すべき程度を複数の段階で示す教示情報を音符ごとに前記演奏者に報知する教示手段と、
    前記模範演奏情報が示す演奏内容と前記演奏者によって過去に行われた前記演奏すべき楽曲の演奏内容との比較結果、および当該過去に行われた演奏の際に前記教示手段によって報知された前記教示情報に基づいて、前記教示情報を報知した際に前記演奏者による演奏内容に反映される応答量を前記教示情報の段階ごとに導出する応答量導出手段と、
    前記教示情報の各段階と、前記応答量導出手段によって導出された応答量を示す応答量情報との対応関係を記憶する応答情報記憶手段と
    を具備する装置において、演奏者が楽器を用いて楽曲の演奏を行う際に、前記演奏者に演奏方法を教示する演奏教示方法であって、
    前記応答情報記憶手段に記憶された対応関係を表示して指示者に対していずれかの教示情報の選択を促す表示ステップと、
    前記指示者の指示に応じて、次に前記演奏者が前記演奏すべき楽曲を演奏する際に前記報知手段が報知すべき教示情報を音符ごとに選択する選択ステップと
    前記選択ステップで選択された教示情報を前記教示手段に報知させる報知ステップと
    を具備することを特徴とする演奏教示方法。
  10. 前記装置は、
    楽曲の演奏を行う前記演奏者の演奏技術レベル情報を入力するレベル情報入力手段と、
    前記レベル情報入力手段によって入力された演奏技術レベル情報に基づいて、必要である場合には前記模範情報記憶手段に記憶された模範演奏情報を、当該模範演奏情報に基づく演奏を行った場合よりも演奏操作の少なくなるように変形した楽曲の演奏内容を示すように調整する調整手段と
    をさらに具備することを特徴とする請求項9に記載の演奏教示方法。
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