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JP4513249B2 - 銅ダマシン構造の製造方法 - Google Patents

銅ダマシン構造の製造方法 Download PDF

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JP4513249B2 JP2001303199A JP2001303199A JP4513249B2 JP 4513249 B2 JP4513249 B2 JP 4513249B2 JP 2001303199 A JP2001303199 A JP 2001303199A JP 2001303199 A JP2001303199 A JP 2001303199A JP 4513249 B2 JP4513249 B2 JP 4513249B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置の配線構造の製造方法に関し、詳しくは、半導体の銅配線に好適なダマシン構造の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置の微細化にともない、配線材料を従来のアルミから銅へ転換する動きが進展している。銅を配線材料として用いる場合、ダマシン法が用いられることが多く、その中でもビア配線とトレンチ配線を同時に形成できるデュアルダマシン法は、半導体装置の製造コストを低減できるので好ましい手法と見られている。
現在、シリカを絶縁膜とする配線構造において、このデュアルダマシン法によって形成される銅配線技術が一般に普及しつつある。
そして半導体装置のさらなる微細化要求において、配線材料ばかりでなく、絶縁材料を現行のシリカ(比誘電率4)からより低誘電な材料へ切り替える検討も活発化している。
このような低誘電材料としては、CVD法炭素含有シリカ膜、塗布型有機系絶縁膜、塗布型シロキサン系膜などが挙げられる。
特に、比誘電率が2.5以下のUltra low−kと呼ばれる低誘電率材料は、材料の密度が1g/cmもしくはそれ以下であり、力学的強度も従来のシリカと比較して格段に弱くなっている。例えば、弾性率は、シリカが72GPaであるのに対して低誘電率材料は一般的に10GPa以下である。
【0003】
このような機械的強度の弱い材料を積層し、ダマシン構造を形成する上で、最も過酷なプロセスは、化学的機械的研磨(CMP)工程である。特に、ダマシン構造では、異種材料間の界面が多く存在する。この中で低誘電率材料が有する界面は、銅拡散防止層と低誘電材料、銅拡散防止用導電層と低誘電材料、キャップ層/エッチハードマスクと低誘電材料などである。(図1参照)これら低誘電材料と接する材料の多くは、低誘電材料と全く異なる力学的、熱的性質を有している。この力学パラメータのミスマッチが、CMP工程において、界面における応力集中を招き、剥離や亀裂発生などの問題を引き起こしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題を解決するために、新たな銅ダマシン構造の製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、銅拡散防止層上に力学緩衝層として1〜100nmの有機系絶縁膜を配線およびビア層を形成する無機系絶縁膜との間に配した状態で、無機系絶縁膜を化学機械研磨することを特徴とする銅ダマシン構造の製造方法を提供するものである。
銅拡散防止層
銅ダマシン構造では、銅拡散防止層は、専らプラズマCVD法により形成された炭化珪素系絶縁膜もしくは窒化珪素系絶縁膜(以下、これらを「CVD系絶縁膜」という)が用いられる。
本発明では、CVD系絶縁膜は銅の拡散防止機能を有するものであればよい。
炭化珪素系絶縁膜は、構成元素として珪素、炭素ばかりでなく、窒素、酸素、水素のうち一種、もしくは複数種がを主要構成と含むものが多い。また、窒化珪素系絶縁膜では、珪素、窒素以外に水素原子が含まれることが一般的である。
CVD系絶縁膜は、酸化珪素系絶縁膜などとの密着性、接着性を向上させる目的で、例えば、プラズマCVD法にて表面に薄い酸化珪素層を形成する、ヘリウムやアルゴンなどで表面をスパッタリングする、酸素プラズマ、もしくはUVオゾンなどで表面を酸化する、などの表面処理が施されていてもよい。
【0006】
有機系絶縁膜
本発明において有機系絶縁膜は、銅拡散防止層と配線層およびビア層を構成する無機系絶縁膜との力学的なミスマッチを緩衝し、CMP、ヒートサイクルなどのプロセス上にかかる負荷に対する耐性を向上させる役割を果たす。したがって、十分な耐熱性、高い力学靭性値、そして銅拡散防止層および無機系絶縁膜双方との十分な接着性を有することが必要である。
有機系絶縁膜としてはガラス転移点が400℃以上かつ熱分解温度が500℃以上の有機ポリマーからなる膜である。
本発明では、有機系絶縁膜は配線工程において除去することなく、積層構造の中に残存するので、ガラス転移点が400℃未満であると多層配線時に変形を起こし、配線の接続不良や層間剥離などの問題を起すので好ましくない。
【0007】
有機系絶縁膜の膜厚は通常1nm〜100nmの範囲であり、好ましくは、5nm〜50nmの範囲である。膜厚が厚い方が力学緩衝効果が高いが、あまり厚すぎるとダマシン溝形成時、特にエッチング、アッシング工程が複雑になり好ましくない。
有機系絶縁膜は、力学緩衝効果を発揮するために高い強靭性を有する必要があるが、その具体的指標として臨界エネルギー放出速度として2.5J/m以上好ましくは、3.5J/m以上の値を有することが必要である。
また、有機系絶縁膜は、比誘電率が4.0以下であることが好ましく、さらには、比誘電率が3.5以下であることが好ましい。
有機系絶縁膜としては、ポリアリーレン、ポリアリーレンエーテル、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾビスオオキサゾール,ポリトリアゾール,ポリフェニルキノキサリン、ポリキノリン,ポリキノキサリンなどより選ばれる有機ポリマーが挙げられるが、特にポリアリーレン、ポリアリーレンエーテルが好ましい。
これらの有機系絶縁膜は、有機ポリマーを有機溶剤に溶解した有機系絶縁膜用塗布液を塗布し、加熱することにより形成することができる。
この有機系絶縁膜用塗布液には、銅拡散防止層や無機系絶縁膜との接着性をさらに向上させるためにカップリング剤を含有させることもできる。
ここで、無機系絶縁膜が有機基を有するシリカ膜形成用塗布液を塗布し、加熱したものである場合には、この有機シリカ膜と化学結合を形成するアルコキシル基またはシラノール基と有機系絶縁膜の硬化過程で化学結合を形成する官能基を併せ持つ構造のカップリング剤が好ましい。
有機系絶縁膜用塗布液の加熱条件は、50〜600℃、好ましくは200〜500℃の温度で焼成することが好ましい。
有機系絶縁膜を乾燥、部分硬化(Bステージ)した状態に、無機系絶縁膜を塗布し、その後、300〜500℃で有機系絶縁膜、無機系絶縁膜を同時に焼成させることで無機系絶縁膜との接着性を向上させることができる。
【0008】
無機系絶縁膜
本発明において無機系絶縁膜としては、シリカ、炭化水素基を有するポリシロキサンが好ましい。
これらのシリカまたは炭化水素基を有するポリシロキサンからなる無機系絶縁膜はCVD法で形成することもできるが、塗布液を用いて形成することが好ましい。
無機系絶縁膜用塗布液は、(A)ポリシロキサンおよび(B)有機溶媒からなる。
ここで、ポリシロキサンとしては(A)下記一般式(1)で表される化合物(以下、「化合物(1)」という)、下記一般式(2)で表される化合物(以下、「化合物(2)」という)および下記一般式(3)で表される化合物(以下、「化合物(3)」という)の群から選ばれた少なくとも1種のシラン化合物を加水分解し、縮合した加水分解縮合物を挙げることができる。
Si(OR4−a ・・・・・(1)
(式中、Rは水素原子、フッ素原子または1価の有機基、R は1価の有機基、aは1〜2の整数を示す。)
Si(OR ・・・・・(2)
(式中、R は1価の有機基を示す。)
(RO)3−bSi−(R−Si(OR3−c (3)
〔式中、R〜R は同一または異なり、それぞれ1価の有機基、bおよびcは同一または異なり、0〜2の数を示し、Rは酸素原子、フェニレン基または−(CH−で表される基(ここで、nは1〜6の整数である)、dは0または1を示す。〕
【0009】
化合物(1);
上記一般式(1)において、RおよびRの1価の有機基としては、アルキル基、アリール基、アリル基、グリシジル基などを挙げることができる。また、一般式(1)において、Rは1価の有機基、特にアルキル基またはフェニル基であることが好ましい。
ここで、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などが挙げられ、好ましくは炭素数1〜5であり、これらのアルキル基は鎖状でも、分岐していてもよく、さらに水素原子がフッ素原子などに置換されていてもよい。
一般式(1)において、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、フルオロフェニル基などを挙げることができる。
化合物(1)として好ましい化合物は、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ−n−プロポキシシラン、メチルトリ−iso−プロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシランなどである。
これらは、1種あるいは2種以上を同時に使用してもよい。
【0010】
化合物(2);
上記一般式(2)において、Rで表される1価の有機基としては、先の一般式(1)と同様な有機基を挙げることができる。
化合物(2)の具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−tert−ブトキシシラン、テトラフェノキシシランなどが挙げられる。
化合物(3);
上記一般式(3)において、R〜Rで表される1価の有機基としては、先の一般式(1)と同様な有機基を挙げることができる。
化合物(3)のうち一般式(3)におけるR が酸素原子の化合物としては、
ヘキサメトキシジシロキサン、ヘキサエトキシジシロキサン、1,1,3,3−テトラメトキシ−1,3−ジメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラエトキシ−1,3−ジメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラメトキシ−1,3−ジフェニルジシロキサン、1,3−ジメトキシ−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ジエトキシ−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ジメトキシ−1,1,3,3−テトラフェニルジシロキサン、1,3−ジエトキシ−1,1,3,3−テトラフェニルジシロキサンなどを、好ましい例として挙げることができる。
一般式(3)においてd=0の化合物としては、ヘキサメトキシジシラン、ヘキサエトキシジシラン、1,1,2,2−テトラメトキシ−1,2−ジメチルジシラン、1,1,2,2−テトラエトキシ−1,2−ジメチルジシラン、1,1,2,2−テトラメトキシ−1,2−ジフェニルジシラン、1,2−ジメトキシ−1,1,2,2−テトラメチルジシラン、1,2−ジエトキシ−1,1,2,2−テトラメチルジシラン、1,2−ジメトキシ−1,1,2,2−テトラフェニルジシラン、1,2−ジエトキシ−1,1,2,2−テトラフェニルジシランなどを、好ましい例として挙げることができる。
【0011】
さらに、一般式(3)において、Rが−(CH−で表される基の化合物としては、ビス(トリメトキシシリル)メタン、ビス(トリエトキシシリル)メタン、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン、1,2−ビス(トリエトキシシリル)エタン、1−(ジメトキシメチルシリル)−1−(トリメトキシシリル)メタン、1−(ジエトキシメチルシリル)−1−(トリエトキシシリル)メタン、1−(ジメトキシメチルシリル)−2−(トリメトキシシリル)エタン、1−(ジエトキシメチルシリル)−2−(トリエトキシシリル)エタン、ビス(ジメトキシメチルシリル)メタン、ビス(ジエトキシメチルシリル)メタン、1,2−ビス(ジメトキシメチルシリル)エタン、1,2−ビス(ジエトキシメチルシリル)エタン、1,2−ビス(トリメトキシシリル)ベンゼン、1,2−ビス(トリエトキシシリル)ベンゼン、1,3−ビス(トリメトキシシリル)ベンゼン、1,3−ビス(トリエトキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(トリメトキシシリル)ベンゼン、1,4−ビス(トリエトキシシリル)ベンゼンなどを好ましい例として挙げることができる。
【0012】
本発明において、化合物(1)〜(3)としては、上記化合物(1)、(2)および(3)の1種もしくは2種以上を用いることができる。
化合物(1)〜(3)を加水分解、縮合させる際には、触媒を使用してもよい。
この際に使用する触媒としては、金属キレート化合物、有機酸、無機酸、有機塩基、無機塩基を挙げることができる。
【0013】
各成分を完全加水分解縮合物に換算したときに、化合物(3)が化合物(1)、化合物(2)および化合物(3)の総量に対して5〜60重量%、好ましくは5〜50重量%、さらに好ましくは5〜40重量%であり、かつ〔化合物(1)の重量〕<〔化合物(2)の重量〕である。完全加水分解縮合物に換算した各成分の割合で、化合物(3)が化合物(1)〜化合物(3)の総量の5重量%未満では、得られる塗膜の機械的強度が低下し、一方、60重量%を超えると、吸水性が高くなり電気的特性が低下する。また、化合物(1)の重量が化合物(2)の重量以上であると、得られる塗膜の強度が劣る。
なお、本発明において、完全加水分解縮合物とは、化合物(1)〜(3)のSiOR1基が100%加水分解してSiOH基となり、さらに完全に縮合してシロキサン構造となったものをいう。
【0014】
本発明において無機系絶縁膜は、上記シラン化合物の加水分解、縮合物を(B)有機溶媒に溶解した塗布液を塗布し、加熱することにより形成することが好ましい。
(B)有機溶媒としては、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、アミド系溶媒、エステル系溶媒および非プロトン系溶媒の群から選ばれた少なくとも1種が挙げられる。
ここで、アルコール系溶媒としては、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、n−ペンタノール、i−ペンタノール、2−メチルブタノール、sec−ペンタノール、t−ペンタノール、3−メトキシブタノール、n−ヘキサノール、2−メチルペンタノール、sec−ヘキサノール、2−エチルブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテルなどが好ましい。
【0015】
ケトン系溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、ジエチルケトン、メチル−i−ブチルケトン、メチル−n−ペンチルケトン、エチル−n−ブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジ−i−ブチルケトン、トリメチルノナノン、シクロヘキサノン、2−ヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン、アセトフェノン、フェンチョンなどのほか、アセチルアセトン、2,4−ヘキサンジオン、2,4−ヘプタンジオン、3,5−ヘプタンジオン、2,4−オクタンジオン、3,5−オクタンジオン、2,4−ノナンジオン、3,5−ノナンジオン、5−メチル−2,4−ヘキサンジオン、2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオン、1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロ−2,4−ヘプタンジオンなどのβ−ジケトン類などが挙げられる。
これらのケトン系溶媒は、1種あるいは2種以上を同時に使用してもよい。
【0016】
アミド系溶媒としては、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、N−メチルピロリドン、N−ホルミルモルホリン、N−ホルミルピペリジン、N−ホルミルピロリジン、N−アセチルモルホリン、N−アセチルピペリジン、N−アセチルピロリジンなどが挙げられる。
これらアミド系溶媒は、1種あるいは2種以上を同時に使用してもよい。
【0017】
エステル系溶媒としては、ジエチルカーボネート、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ジエチル、酢酸メチル、酢酸エチル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸n−ペンチル、酢酸sec−ペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸メチルペンチル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸n−ノニル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノプロピルエーテル、酢酸プロピレングリコールモノブチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジ酢酸グリコール、酢酸メトキシトリグリコール、プロピオン酸エチル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸i−アミル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジ−n−ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸n−ブチル、乳酸n−アミル、マロン酸ジエチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチルなどが挙げられる。
これらエステル系溶媒は、1種あるいは2種以上を同時に使用してもよい。
【0018】
非プロトン系溶媒としては、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、N,N,N´,N´−テトラエチルスルファミド、ヘキサメチルリン酸トリアミド、N−メチルモルホロン、N−メチルピロール、N−エチルピロール、N−メチル−ト3 −ピロリン、N−メチルピペリジン、N−エチルピペリジン、N,N−ジメチルピペラジン、N−メチルイミダゾール、N−メチル−4−ピペリドン、N−メチル−2−ピペリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジメチルテトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノンなどを挙げることができる。
以上の有機溶媒は、1種あるいは2種以上を混合して使用することができる。
【0019】
上記の有機溶剤のなかではアルコール系溶媒が好ましい。
無機系絶縁膜用塗布液の塗布方法としては、スピンコート、ディッピング、ローラーブレードなどが挙げられる。
この際の膜厚は、乾燥膜厚として、1回塗りで厚さ0.05〜1.5μm程度、2回塗りでは厚さ0.1〜3μm程度の塗膜を形成することができる。
無機系絶縁膜用塗布液により形成する塗膜の厚さは、通常、0.2〜20μmである。
この際の加熱方法としては、ホットプレート、オーブン、ファーネスなどを使用することができ、加熱雰囲気としては、大気下、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気、真空下、酸素濃度をコントロールした減圧下などで行なうことができる。
また、上記の無機系絶縁膜用塗布液の硬化速度を制御するため、必要に応じて、段階的に加熱したり、窒素、空気、酸素、減圧などの雰囲気を選択することができる。
このようにして得られるシリカまたはシロキサン系膜は、膜密度が、比誘電率が1.5〜3.2、通常、0.35〜1.2g/cm、好ましくは0.4〜1.1g/cm、さらに好ましくは0.5〜1.0g/cmである。膜密度が0.35g/cm 未満では、塗膜の機械的強度が低下し、一方、1.2g/cmを超えると低比誘電率が得られない。
などが挙げられる。
本発明において、無機系絶縁膜としては上記のシラン化合物をCVD法により蒸着する膜も使用することができる。
【0020】
本発明においては、上記のように銅拡散防止層と無機系絶縁膜の間に有機系絶縁膜を存在させた構造を形成し、化学的機械的研磨により無機系絶縁膜を研磨する。
化学的機械的研磨に使用することのできる化学的機械的研磨用スラリーは、一般的に使用されるものを適用できるが、例えばシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、セリア等の無機粒子;ポリ塩化ビニル、ポリスチレンおよびスチレン系共重合体、ポリアセタール、飽和ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン等のポリオレフィンおよびオレフィン共重合体、フェノキシ樹脂、ポリメチルメタクリレート等の(メタ)アクリル樹脂およびアクリル系共重合体などからなる有機粒子;上記の有機粒子および無機粒子からなる有機/無機複合粒子;のうち、少なくとも一種以上の粒子からなる砥粒を水系媒体に分散させた水分散体に各種添加剤、例えば酸化剤、アルカリ化合物、界面活性剤、酸化合物などを添加したものである。
また、研磨条件も通常の範囲を適用することができる。
本発明において、化学機械研磨を実施する際には、市販の化学機械研磨装置(荏原製作所(株)製 EPO−112、EPO−222、ラップマスターSFT社製、型式「LGP−510、LGP−552」、アプライドマテリアル社製 「Mirra」等)を用いて所定の研磨条件で研磨することができる。
本発明において、無機系絶縁膜を化学的機械的研磨する工程の前後の工程は、所望の工程を任意に選択して銅ダマシンを製造することができる。
【0021】
【実施例】
以下、本発明を実施例を挙げてさらに具体的に説明する。ただし、以下の記載は、本発明の態様例を概括的に示すものであり、特に理由なく、かかる記載により本発明は限定されるものではない。
なお、実施例および比較例中の部および%は、特記しない限り、それぞれ重量部および重量%であることを示している。
合成例1 無機系絶縁膜用塗布液
25%アンモニア水溶液5g、超純水320gおよびエタノール600gの混合溶液中にメチルトリメトキシシラン15g(完全加水分解縮合物換算7.4g)とテトラエトキシシラン20g(完全加水分解縮合物換算5.8g)を加え60℃で3時間反応をさせたのち、マレイン酸を添加しpH=2.5とした。この溶液にプロピレングリコールモノプロピルエーテル150gを加え、その後、減圧下で濃縮し、固形分含有量9%の組成物溶液を得た。
【0022】
合成例2 有機系絶縁膜用塗布液
9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン37.8gと炭酸カリウム37.8gをジメチルアセトアミド350gと共にフラスコに入れ、窒素雰囲気下で150℃で2時間加熱を行った。この際、発生する水蒸気を系外に除去した。この溶液にビス(4−フルオロフェニル)ケトン21.8gを添加し、165℃で10時間反応を行った。反応液を冷却したのち、溶液中の不溶物をろ過で除去し、メタノール中に再沈殿を行った。この沈殿物をイオン交換水で十分洗浄したのち、沈殿物をシクロヘキサノンに溶解させ、不溶物を除去したのち、メタノール中に再沈殿させた。この沈殿物を60℃の真空オーブン中で24時間乾燥させることで重合体を得た。
重合体2gをシクロヘキサノン18gに溶解させ0.2μm孔径のポリテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過を行い有機系絶縁膜用塗布液を得た。
【0023】
積層体構造の形成
シリコン基板上に8インチシリコンウエハ上にApplied Material製Producer Sを用い、100nmの酸化珪素膜さらに200nmのテトラメチルシランを原料とする炭化珪素膜を200nm形成した。この炭化珪素膜の元素組成は、Si(26atomic%)、O(3atomic%)、C(26atomic%)、H(45atomic%)であった。炭化珪素膜をプラズマCVD法により銅拡散防止層を形成した基板上、上記合成例2で製造した有機系絶縁膜用塗布液をスピンコート法で塗布し、80℃で1分間、200℃で1分間乾燥し膜厚20.5nmの未硬化の有機系絶縁膜を形成した。さらに、この上に、合成例1で製造した無機系絶縁膜用塗布液をスピンコート法により塗布し、大気中90℃で1分間、次いで窒素下200℃で1分間加熱し410nm、さらに真空下400℃で30分加熱しすることにより有機系絶縁膜(20nm)および無機系絶縁膜(400nm)を積層した。さらにこの上に炭化珪素膜100nmをプラズマCVD法によりキャップ層を形成し積層体構造を得た。
この積層体構造の銅拡散防止層と無機系絶縁膜間の破壊靭性を4ポイントベンディング法を用いて測定したところ、7 J/mという高い値を示した。一方、上記積層体構造から有機系絶縁膜(20nm)を除いた構造の積層体を同様の方法にて形成したところ、その破壊靭性値は、2.0 J/mであった。以上の実験結果により有機系絶縁膜が力学緩衝層として機能していることが判明した。
【0024】
【発明の効果】
本発明の製造方法によれば、銅拡散防止層と配線層、ビア層に用いられる無機系絶縁膜間の力学特性のミスマッチを解消し、ダマシン形成におけるCMP工程やヒートサイクル時に生じる剥離、亀裂発生などの問題点を完全することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】通常の無機系絶縁膜を用いた積層構造を示す。
【図2】有機系絶縁膜を力学緩衝層として用いた積層構造を示す。

Claims (3)

  1. 銅ダマシン構造の製造において、銅拡散防止層上に形成された無機系絶縁膜を化学的機械的研磨する際に、無機系絶縁膜と銅拡散防止層との間に厚さ1〜100nmの有機系絶縁膜を存在させることを特徴とする銅ダマシン構造の製造方法であって、
    銅拡散防止層がプラズマCVD法により形成された炭化珪素系絶縁膜または窒化珪素系絶縁膜であり、
    無機系絶縁膜が比誘電率1.5〜3.2のシロキサン系絶縁膜であり、
    有機系絶縁膜がガラス転移点が400℃以上かつ熱分解温度が500℃以上の有機ポリマーからなることを特徴とする銅ダマシン構造の製造方法。
  2. 比誘電率1.5〜3.2のシロキサン系絶縁膜が炭化水素基を有することを特徴とする請求項1記載の銅ダマシン構造の製造方法。
  3. 有機ポリマーがポリアリーレン、ポリアリーレンエーテル、ポリベンゾオキサゾール、ポリイミドより選ばれることを特徴とする請求項1または2に記載の銅ダマシン構造の製造方法。
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