JP4579744B2 - フィルタ検査装置 - Google Patents
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しかしながら、フィルタの設置枚数が多数となるような大型ダクト経路の場合は、ダクト経路内で検査用対象物の濃度が大きくばらついている。このため、従来のように、ダクト経路のフィルタの上流側と下流側の各一点でサンプリングした値に基づいて算出された除去効率は、精度が低く、信頼性がないという問題があった。
また、請求項2記載のフィルタ検査装置は、請求項1記載のフィルタ検査装置において、前記検査用対象物発生装置が、粒子を発生させるものであって、前記サンプリング装置が、フィルタの上流側と下流側の各側に設けた複数の吸引具がそれぞれ連結された吸引手段と、複数の吸引具のうち一つの吸引具からサンプリングされた粒子を分析装置に送る切替手段を備え、前記分析装置が、粒子計測手段を備え、前記演算装置が、前記粒子計測手段によって計測された値に基づいて除去効率を算出するものであることを特徴とする。
また、請求項3記載のフィルタ検査装置は、請求項1記載のフィルタ検査装置において、前記検査用対象物発生装置が、ガスを発生させるものであって、前記サンプリング装置が、フィルタの上流側と下流側の各側に設けた複数の吸引具のそれぞれに連結された複数のガス吸着手段と、前記ガス吸着手段を通過したガス流量を求める流量測定手段を備え、前記分析装置が、ガス吸着手段に吸着されたガス濃度を分析するガス濃度分析手段を備え、前記演算装置が、前記ガス濃度分析手段によって測定された値に基づいて除去効率を算出するものであることを特徴とする。
本発明のフィルタ検査装置によれば、ダクト経路内に設置された前記フィルタのうち少なくとも一つ又はこれらのフィルタから選択された複数のフィルタからなるフィルタ群の除去効率を測定することができる。
粒子除去フィルタのうち高性能フィルタとしては、例えば、極細ガラス繊維を抄紙した濾材をジグザグ状に折り畳み、アルミ箔等からなる金属製のセパレータ又はホットメルト樹脂で濾材のジグザグ状の間隔を保持したフィルタパックを作製し、このフィルタパックをウレタン樹脂等で、金属製、樹脂製又は木製等のフィルタ枠に密着させた構成のものを検査する対象とすることができる。また、粒子除去フィルタとしては、極細ガラス繊維を抄紙した濾材からなるフィルタの他、合成繊維製濾材やPTFE膜濾材からなるフィルタを検査する対象とすることができる。
また、例えば、ガス除去フィルタとしては、活性炭を用いたフィルタや、イオン交換樹脂を用いたフィルタを検査する対象とすることができる。また、活性炭若しくはイオン交換樹脂を不織布に担持させた濾材を用いたフィルタや、活性炭素繊維、イオン交換繊維等からなる濾材を用いたフィルタを検査する対象とすることができる。
また、ガス除去フィルタの検査を行う場合は、前記検査用対象物発生装置が、ガスを発生させるものであることが好ましい。前記ガスとしては、例えば、ヨウ化メチルや、フロリナート等を使用することができる。
例えば、検査するフィルタが粒子除去フィルタの場合は、サンプリング装置が、複数の吸引具に連結されたブロア等の吸引手段と、前記複数の吸引具のうち一つの吸引具からサンプリングされた粒子を分析装置に送るバルブ切替機等の切替手段を備えたものであることが好ましい。切替手段であるブロア切替機には、複数の吸引具のうち一つの吸引具を選択して、この選択された吸引具からサンプリングされた粒子を分析装置に送るバルブ切替コントローラを備えているものであることが好ましい。
また、例えば、検査するフィルタがガス除去フィルタの場合は、サンプリング装置が、複数の吸引具のそれぞれに連結された複数のガス吸着手段であるガス吸着管と、前記ガス吸着手段に吸着されたガス流量を測定する流量測定手段である積算流量計を備えたものであることが好ましい。
例えば、検査対象が粒子除去フィルタの場合は、分析装置がパーティクルカウンタであることが好ましい。
また、例えば、検査対象がガス除去フィルタの場合は、分析装置がガスクロマトグラフであることが好ましい。
図1に示すように、ダクト経路1内には、縦610mm×横610mm×奥行290mmの大きさの高性能フィルタ2を4段4列、合計16個を並列させて設け、その下流側に、縦610mm×横610mm×奥行290mmの大きさの活性炭フィルタ3を4段4列、合計16個を並列させて設けている。ダクト経路内には、図示を省略した送風機から送られる448m3/分の流速の空気を流通させている。
検査用対象物発生装置4は、検査用対象物発生管4aと、容器4bと、流量計4cと、圧力調整器4dから構成されている。本実施の形態において、容器4b内には、DOPが貯留されている。検査用対象物発生装置4は、圧力調整器4dで調整した100Paの空気を、容器4bに圧送し、DOPをエアロゾル化させる。そして、検査用対象物発生管4aを介して、15000ml/分の流量でダクト経路1内に、0.3μmのDOP粒子を発生させる。
フィルタ群の上流側と下流側で相対する複数個の上流側吸引具5aと下流側吸引具5bは、ダクト経路の断面方向に沿って仮想X−Y軸上に、それぞれ16個ずつ設けられている。
例えば、ダクト経路内に16個並列に多段多列に設けられた高性能フィルタ2と活性炭フィルタ3のうち、一つの高性能フィルタ2と活性炭フィルタ3に対して、フィルタの上流側と下流側に相対する一対の上流側吸引具5aと下流側吸引具5bを設けるとよい。
図2に示すように、サンプリング装置9は、ダクト経路1内のフィルタ群の上流側や下流側に設ける吸引具5と、これらの吸引具5がそれぞれ連結されたバルブ切替機6と、バルブ切替機6に接続されたブロア7と、バルブ切替機6に設けられたバルブ切替コントローラ8から構成されている。本実施の形態においては、ダクト経路1内のフィルタ群の上流側と下流側に、吸引具を設けた同一構成の2つのサンプリング装置9が設けられている。
サンプリング装置9は、ブロア7の動作によって、DOP粒子を吸引する。そして、バルブ切替コントローラ8とバルブ切替機6の作動によって、相対する上流側吸引具5aと下流側吸引具5bでサンプリングしたDOP粒子を、分析装置であるパーティクルカウンタ10に送る。
本実施の形態において、検査用対象物発生装置4の容器4b内には、フロリナート(フッ素系不活性液体)が貯留されている。検査用対象物発生装置4は、圧力調整器4dで調整された50Paの空気を、容器4bに圧送し、フロリナートをガス化させる。そして、検査用対象物発生管4aを介して、15000ml/分の流量でダクト経路1内に、フロリナートガスを発生させる。
フィルタ群の上流側と下流側で相対する複数の上流側吸引具5aと下流側吸引具5bは、ダクト経路の断面方向に沿って仮想X−Y軸上に、それぞれ16個ずつ設けられている。
ダクト経路1内に発生させたフロリナートガスは、サンプリング装置15の吸引ポンプ14の作動と、積算流量計13による調整によって、1000m/分の流量で、上流側吸引具5aと下流側吸引具5bから、これらの上流側吸引具5aと下流側吸引具5bに連結された個々のガス吸着管12にサンプリングされる。
複数の上流側吸引具5aと下流側吸引具5bから、相対する一対の上流側吸引具5aと下流側吸引具5bを選択して、この上流側吸引具5aと下流側吸引具5bに連結された2つのガス吸着管12を取り出し、これらの2つのガス吸着管12を、分析装置であるガスクロマトグラフ16のオートサンプラにセットする。
2 高性能フィルタ
3 活性炭フィルタ
4 検査用対象物発生装置
4a 検査用対象物発生管
4b 容器
4c 流量計
4d 圧力調整器
5 吸引具
5a 上流側吸引具
5b 下流側吸引具
6 切替バルブ
7 ブロア
8 バルブ切替コントローラ
9 サンプリング装置
10 パーティクルカウンタ
11 コンピュータ
12 ガス吸着管
13 積算流量計
14 ポンプ
15 サンプリング装置
16 ガスクロマトグラフ
Claims (3)
- ダクト経路に設置されたフィルタの除去効率を測定するフィルタ検査装置であって、フィルタの上流側から検査用対象物をダクト経路内に発生させる検査用対象物発生装置と、前記ダクト経路のフィルタの上流側と下流側に、相対する吸引具を、前記ダクト経路の断面方向に沿って複数対設けたサンプリング装置と、前記吸引具でサンプリングした検査用対象物を測定する分析装置と、前記分析装置の測定結果に基づいて、前記複数対の吸引具が設けられた各箇所付近のフィルタの除去効率を算出し、これらの除去効率の平均値をダクト経路内に設置されたフィルタ全体の除去効率として算出する演算装置を備えたことを特徴とするフィルタ検査装置。
- 前記検査用対象物発生装置が、粒子を発生させるものであって、前記サンプリング装置が、フィルタの上流側と下流側の各側に設けた複数の吸引具がそれぞれ連結された吸引手段と、複数の吸引具のうち一つの吸引具からサンプリングされた粒子を分析装置に送る切替手段を備え、前記分析装置が、粒子計測手段を備え、前記演算装置が、前記粒子計測手段によって計測された値に基づいて除去効率を算出するものであることを特徴とする請求項1記載のフィルタ検査装置。
- 前記検査用対象物発生装置が、ガスを発生させるものであって、前記サンプリング装置が、フィルタの上流側と下流側の各側に設けた複数の吸引具のそれぞれに連結された複数のガス吸着手段と、前記ガス吸着手段を通過したガス流量を求める流量測定手段を備え、前記分析装置が、ガス吸着手段に吸着されたガス濃度を分析するガス濃度分析手段を備え、前記演算装置が、前記ガス濃度分析手段によって測定された値に基づいて除去効率を算出するものであることを特徴とする請求項1記載のフィルタ検査装置。
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