JP4577965B2 - 感熱記録材料およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はウレアウレタン化合物顕色剤を用いた感熱記録材料に関し、特に感度及び記録画像の耐可塑剤性を向上させた感熱記録材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子供与性染料前駆体と電子受容性化合物を使用した記録材料は、感圧記録紙、感熱紙、感光感圧記録紙、通電感熱記録紙等としてよく知られている。例えば英国特許2140449、米国特許4480052、同4436920、特公昭60−23922、特開昭57−179836、同60−123556、同60−123557などに詳しい。
【0003】
記録材料の具備すべき性能は、(1)発色濃度及び発色感度が十分であること、(2)カブリを生じないこと、(3)発色後の発色体の堅牢性が十分であること、(4)発色色相が適切で複写機適性があること、(5)発色体の耐薬品性が充分であること、などであるが、現在これらを完全に満足するものは得られていない。
【0004】
特に近年感熱記録材料の発達が著しいが、これらの感熱記録材料は、白色度が高い、外観、感触が普通紙に近い、発色感度等の記録適性が良い等、多くの優れた特性を備えており、また感熱記録は、装置が小型、メインテナンスフリー、騒音の発生がないことなどの利点があり、計測用記録計、ファクシミリ、プリンター、コンピューターの端末機、ラベル、乗車券等の自動券売機など広範囲の分野に用途を拡大してきた。これら記録方式の主流は、ともに、2成分発色剤を含有する発色層を支持体上に設けてなる記録材料を用い、これに記録エネルギーとして熱を感熱ヘッド、ホットスタンプ、レーザー光等により加えることにより、記録材料上で感熱剤成分を相互に接触させ、発色記録する方法である。中でも、発色剤として、無色又は淡色の電子供与性染料前駆体(特にロイコ染料)とフェノール性化合物のような酸性顕色剤を用いるものが多い。これらロイコ染料を用いた記録材料は、例えば、クリスタルバイオレットラクトンと4,4´−イソプロピリデンジフェノール(ビスフェノールA)を感熱剤とする感熱紙(米国特許第3539375号公報など参照)等で代表される。
【0005】
これらに用いられる染料前駆体及び顕色剤はそれぞれ電子供与性化合物及び電子受容性化合物が主として一般に用いられている。これは、該電子供与性化合物である染料前駆体の反応性が高く、電子受容性化合物である顕色剤と接触することにより、瞬間的に濃度の高い発色画像が得られること、また白色に近い外観が得られ、赤色、橙色、黄色、緑色、青色、黒色等各種の発色色相を得ることができる等々の優れた特性をもっているためである。しかしながら、その反面、得られた発色画像は耐薬品性が劣ることから、プラスチックシートや消しゴムに含まれる可塑剤あるいは食品や化粧品に含まれる薬品に接触して、記録が容易に消失したり、また、記録部分の耐光性が劣ることから、比較的短期間の日光暴露で記録が退色したり、さらには消失するなど、記録の保存安定性に劣るという欠点を有し、この欠点の故に、その用途に一定の制約を受けているのが現状であり、その改良が強く望まれている。
【0006】
また近年ビスフェノールAを代表とするフェノール性化合物は環境ホルモンの問題から使用が懸念されており、非フェノール系の顕色剤が要望されている。
【0007】
既にこの様な要望に対して保存性の良い記録画像が得られる記録シートとして、例えば特開昭59−115887号公報、及び米国特許第4521793号公報には、芳香族イソシアナート化合物とイミノ化合物からなる発色剤の組合せからなる記録シートが開示されている。この発明では、熱、圧力、光等の記録エネルギーを加えることにより、2種の発色剤を接触し反応させる各種の記録シートが開示されている。また、発色剤を適宜選択することにより、赤、橙、黄、茶、褐色等の各種の色を発色することができると記載している。しかしながら、現在広く用いられている感熱記録シートで強く要望されている黒発色については、いまだ不十分である。
【0008】
また、非フェノール系顕色剤を用いた感熱記録シートとしては、特開平8−2111号公報、特開平8−2112号公報に、無色又は淡色の染料前駆体とウレア化合物を含有する発色層を有する感熱記録体が開示されている。しかし、これらの記録体は発色濃度が低く保存性も不十分であった。
【0009】
また、特開平5−116459号公報には、無色又は淡色の染料前駆体とスルホニルウレア化合物を含む感熱発色層を有する感熱記録体が開示されている。しかし、これらの記録体は白色度が低く保存性も不十分であった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、感度及び記録画像の耐可塑剤性を向上させた感熱記録材料を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、ウレアウレタン化合物顕色剤を含有する感熱記録材料において、その分散条件、配合条件を特定の条件とすることによって驚くべき優れた性能を発現することを見出し本発明を完成するに至った。
【0012】
すなわち、本発明は以下の通りである。
発明の第1は、ウレアウレタン化合物顕色剤を含有する感熱記録材料において、該ウレアウレタン化合物顕色剤の平均粒子径が0.05μm以上5μm以下であることを特徴とする感熱記録材料である。
【0013】
発明の第2は、ウレアウレタン化合物顕色剤を含有する感熱記録材料において、該ウレアウレタン化合物顕色剤粉砕時の液温が60℃以下であることを特徴とする感熱記録材料である。
【0014】
発明の第3は、ウレアウレタン化合物顕色剤粉砕時のpHが5〜10であることを特徴とする発明の第2に記載の感熱記録材料である。
【0015】
発明の第4は、ウレアウレタン化合物顕色剤を含有する感熱記録材料において、該ウレアウレタン化合物顕色剤の分散剤として水溶性高分子及びアニオン系界面活性剤の中から選ばれる何れか1つ以上を用いることを特徴とする感熱記録材料である。
【0016】
発明の第5は、ウレアウレタン化合物顕色剤を含有する感熱記録材料において、該ウレアウレタン化合物顕色剤の分散剤としてポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、縮合ナフタレンスルホン酸ソーダ、ポリカルボン酸アンモニウム塩、水溶性低分子コポリマー及び2−エチルヘキシルスルホコハク酸ソーダの中から選ばれる何れか1つ以上を用いることを特徴とする感熱記録材料である。
【0017】
発明の第6は、ウレアウレタン化合物顕色剤の分散剤として発明の第4または5の何れかに記載の分散剤を用いることを特徴とする発明の第1〜3の何れかに記載の感熱記録材料である。
【0018】
発明の第7は、熱可融性物質を含有する発明の第1〜6の何れかに記載の感熱記録材料である。
【0019】
発明の第8は、熱可融性物質の分散剤として水溶性高分子及びアニオン系界面活性剤の中から選ばれる何れか1つ以上を用いることを特徴とする発明の第7に記載の感熱記録材料である。
【0020】
発明の第9は、熱可融性物質の分散剤としてポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、縮合ナフタレンスルホン酸ソーダ、ポリカルボン酸アンモニウム塩、水溶性低分子コポリマー及び2−エチルヘキシルスルホコハク酸ソーダの中から選ばれる何れか1つ以上を用いることを特徴とする発明の第7に記載の感熱記録材料である。
【0021】
発明の第10は、ウレアウレタン化合物顕色剤及び熱可融性物質を含有する感熱記録材料において、該ウレアウレタン化合物顕色剤の分散剤としてメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、縮合ナフタレンスルホン酸ソーダ及び水溶性低分子コポリマーの中から選ばれる何れか1つ以上を用い、熱可融性物質の分散剤として変性ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、縮合ナフタレンスルホン酸ソーダ及びポリカルボン酸アンモニウム塩の中から選ばれる何れか1つ以上を用いることを特徴とする感熱記録材料である。
【0022】
発明の第11は、ウレアウレタン化合物顕色剤及び熱可融性物質の分散剤として発明の第10に記載の分散剤を用いることを特徴とする発明の第1〜3の何れかに記載の感熱記録材料である。
【0023】
発明の第12は、ウレアウレタン化合物顕色剤と熱可融性物質を同時に微粉砕化したことを特徴とする発明の第7〜11の何れかに記載の感熱記録材料である。
【0024】
発明の第13は、無色または淡色の染料前駆体を含有する発明の第1〜12の何れかに記載の感熱記録材料である。
【0025】
発明の第14は、無色または淡色の染料前駆体の分散剤として水溶性高分子、アニオン系界面活性剤及び両者の混合分散剤から選ばれるいずれかを用いることを特徴とする発明の第13に記載の感熱記録材料である。
【0026】
発明の第15は、水溶性高分子がメチルセルロースまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースであり、アニオン系界面活性剤がポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩または2−エチルヘキシルスルホコハク酸ソーダである混合分散剤であることを特徴とする発明の第14に記載の感熱記録材料である。
【0027】
発明の第16は、感熱記録材料の感熱記録層を塗布する支持体表面のpHが3〜9であることを特徴とする発明の第1〜15の何れかに記載の感熱記録材料である。
【0028】
発明の第17は、感熱記録材料の感熱記録層を形成する感熱塗液のpHを5〜12の間で支持体上に塗布したことを特徴とする発明の第1〜16の何れかに記載の感熱記録材料の製造方法である。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態を詳細に説明する。
本発明の感熱記録材料は、ウレアウレタン化合物顕色剤を含有する。
本発明に係わるウレアウレタン化合物顕色剤とは、分子中にウレア基(-NHCONH-基)とウレタン基(-NHCOO-基)がそれぞれ少なくとも1以上存在する化合物を言う。
【0030】
これまでウレア基を持った化合物が顕色作用を示すことは知られていたが、発色濃度が低く保存性も低く実用的でなかった。ところが驚くべきことにウレア基とウレタン基が一分子中に同時に存在するウレアウレタン化合物は、無色または淡色の染料前駆体の優れた顕色剤となり、両者を含有する発色剤及びそれを用いた感熱記録材料は発色濃度も高く、保存性にも優れている。
【0031】
このようなウレアウレタン化合物が優れた顕色作用を示す機構は不明であるが、分子中のウレア基とウレタン基の相互作用によるものと推定される。
【0032】
本発明に係わるウレアウレタン化合物顕色剤は、分子中にウレア基(-NHCONH-基)とウレタン基(-NHCOO-基)の両方が存在すればどの様な化合物でもよいが、芳香族化合物又は複素環化合物であることが好ましい。また、ウレア基とウレタン基の両端に芳香族化合物残基または複素環化合物残基が直接結合しているものが好ましい。更に好ましくは分子中にウレア基(-NHCONH-基)とウレタン基(-NHCOO-基)の他にスルホン基(-SO2-基)またはアミド基(-NHCO-基)またはイソプロピリデン基(-C(CH3)2-基)がウレア基に直接結合せずに存在することが望ましい。
【0033】
本発明に係わるウレアウレタン化合物顕色剤の合成方法は、ウレア基(-NHCONH-基)とウレタン基(-NHCOO-基)が生成する方法であれば特に制限はないが、イソシアナート化合物とOH基含有化合物及びアミン化合物との反応で作る方法が容易で好ましい。
【0034】
すなわち、本発明に係わるウレアウレタン化合物顕色剤は、少なくとも2つ以上のイソシアナト基を持つイソシアナートを出発物質として、そのイソシアナートの少なくとも1つのイソシアナト基を残して他のイソシアナト基とOH基含有化合物を反応させてウレタン基を形成させ、次に残ったイソシアナト基とアミン化合物を反応させウレア基を形成させることができる。また、まずイソシアナト基とアミン化合物を反応させてウレア基を形成させ、次に残ったイソシアナト基とOH基含有化合物を反応させてウレタン基を形成させてもよい。
【0035】
出発物質のイソシアナートはイソシアナト基を2つ以上持つものであれば他に特に制限はないが、例えばパラフェニレンジイソシアナート、2,5−ジメトキシベンゼン−1,4−ジイソシアナート、2,4−トルエンジイソシアナート、2,6−トルエンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナート、o−トリジンジイソシアナート、ジフェニルエーテルジイソシアナート、1,5−ナフチレンジイソシアナート、ジアニシジンジイソシアナート、9−エチルカルバゾール−3,6−ジイソシアナート、3,3´−ジメチル−4,4´−ジフェニルメタンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、トリフェニルメタントリイソシアナート、トリス(4−フェニルイソシアナート)チオホスファート、4,4´,4´´−トリイソシアナト−2,5−ジメトキシトリフェニルアミン、4,4´,4´´−トリイソシアナトトリフェニルアミン、メタキシリレンジイソシアナート、リジンジイソシアナート、ダイマー酸ジイソシアナート、イソプロピリデンビス−4−シクロヘキシルイソシアナート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアナート、メチルシクロヘキサンジイソシアナート等があげられる。またジイソシアナートの2量体例えばトルエンジイソシアナートの2量体であるN,N´(4,4´−ジメチル−3,3´−ジフェニルジイソシアナト)ウレトジオン(商品名デスモジュールTT)や3量体、例えば4,4´,4´´−トリメチル−3,3´,3´´−トリイソシアナト−2,4,6−トリフェニルシアヌレート等でもよい。またトルエンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナート等の水アダクトイソシアナート例えば1,3−ビス(3−イソシアナト−4−メチルフェニル)ウレアやポリオールアダクト例えばトルエンジイソシアナートのトリメチロールプロパンアダクト(商品名デスモジュールL)やアミンアダクト体等でもよい。また特開平10−76757号公報及び特開平10−95171号公報(これらの公報の内容は参照することにより本明細書中に取り込まれる。)に記載のイソシアナート化合物及びイソシアナートアダクト体化合物のうち、イソシアナト基が2以上存在するものでもでもよい。
【0036】
特に好ましい例としてトルエンジイソシアナートを挙げることができる。トルエンジイソシアナートは2,4−トルエンジイソシアナートが好ましいが、この他に2,4−トルエンジイソシアナートと2,6−トルエンジイソシアナートの混合物が一般に市販されており、安価に入手することが可能であるがこれでもよい。
【0037】
ウレアウレタン化合物顕色剤の出発物質であるイソシアナートと反応させウレア基を形成させるアミン化合物としては、アミノ基を有する化合物であれば何でもよいが例えばアニリン、o−トルイジン、m−トルイジン、p−トルイジン、o−アニシジン、p−アニシジン、p−フェネチジン、N,N−ジメチル−p−フェニレンジアミン、N,N−ジエチル−p−フェニレンジアミン、2,4−ジメトキシアニリン、2,5−ジメトキシアニリン、3,4−ジメトキシアニリン、p−アミノアセトアニリド、p−アミノ安息香酸、o−アミノフェノール、m−アミノフェノール、p−アミノフェノール、2,3−キシリジン、2,4−キシリジン、3,4−キシリジン、2,6−キシリジン、4−アミノベンゾニトリル、アントラニル酸、p−クレシジン、2,5−ジクロロアニリン、2,6−ジクロロアニリン、3,4−ジクロロアニリン、3,5−ジクロロアニリン、2,4,5−トリクロロアニリン、α−ナフチルアミン、アミノアントラセン、o−エチルアニリン、o−クロロアニリン、m−クロロアニリン、p−クロロアニリン、N−メチルアニリン、N−エチルアニリン、N−プロピルアニリン、N−ブチルアニリン、アセト酢酸アニリド、臭化トリメチルフェニルアンモニウム、4,4´−ジアミノ−3,3´−ジエチルジフェニルメタン、4,4´−ジアミノベンズアニリド、3,5−ジアミノクロロベンゼン、ジアミノジフェニルエーテル、3,3´−ジクロロ−4,4´ジアミノジフェニルメタン、3,3´−ジメチル−4,4´−ジアミノジフェニルメタン、トリジンベース、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2−クロロ−p−フェニレンジアミン、ジアニシジン、p−アミノ安息香酸メチル、p−アミノ安息香酸エチル、p−アミノ安息香酸n−プロピル、p−アミノ安息香酸イソプロピル、、p−アミノ安息香酸ブチル、p−アミノ安息香酸ドデシル、p−アミノ安息香酸ベンジル、o−アミノベンゾフェノン、m−アミノアセトフェノン、p−アミノアセトフェノン、m−アミノベンズアミド、o−アミノベンズアミド、p−アミノベンズアミド、p−アミノ−N−メチルベンズアミド、3−アミノ−4−メチルベンズアミド、3−アミノ−4−メトキシベンズアミド、3−アミノ−4−クロロベンズアミド、p−(N−フェニルカルバモイル)アニリン、p−〔N−(4−クロロフェニル)カルバモイル〕アニリン、p−〔N−(4−アミノフェニル)カルバモイル〕アニリン、2−メトキシ−5−(N−フェニルカルバモイル)アニリン、2−メトキシ−5−〔N−(2´−メチル−3´−クロロフェニル)カルバモイル〕アニリン、2−メトキシ−5−〔N−(2´−クロロフェニル)カルバモイル〕アニリン、5−アセチルアミノ−2−メトキシアニリン、4−アセチルアミノアニリン、4−(N−メチル−N−アセチルアミノ)アニリン、2,5−ジエトキシ−4−(N−ベンゾイルアミノ)アニリン、2,5−ジメトキシ−4−(N−ベンゾイルアミノ)アニリン、2−メトキシ−4−(N−ベンゾイルアミノ)−5−メチルアニリン、4−スルファモイルアニリン、3−スルファモイルアニリン、2−(N−エチル−N−フェニルアミノスルホニル)アニリン、4−ジメチルアミノスルホニルアニリン、4−ジエチルアミノスルホニルアニリン、スルファチアゾール、4−アミノジフェニルスルホン、2−クロロ−5−N−フェニルスルファモイルアニリン、2−メトキシ−5−N,N−ジエチルスルファモイルアニリン、2,5−ジメトキシ−4−N−フェニルスルファモイルアニリン、2−メトキシ−5−ベンジルスルホニルアニリン、2−フェノキシスルホニルアニリン、2−(2´−クロロフェノキシ)スルホニルアニリン、3−アニリノスルホニル−4−メチルアニリン、ビス〔4−(m−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(p−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔3−メチル−4−(p−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、3,3´−ジメトキシ−4,4´−ジアミノビフェニル、3,3´−ジメチル−4,4´−ジアミノビフェニル、2,2´−ジクロロ−4,4´−ジアミノ−5,5´−ジメトキシビフェニル、2,2´,5,5´−テトラクロロ−4,4´−ジアミノビフェニル、オルソ−トリジンスルホン、2,4´−ジアミノビフェニル、2,2´−ジアミノビフェニル、4,4´−ジアミノビフェニル、2,2´−ジクロロ−4,4´−ジアミノビフェニル、3,3´−ジクロロ−4,4´−ジアミノビフェニル、2,2´−ジメチル−4,4´−ジアミノビフェニル、4,4´−チオジアニリン、2,2´−ジチオジアニリン、4,4´−ジチオジアニリン、4,4´−ジアミノジフェニルエーテル、3,3´−ジアミノジフェニルエーテル、3,4´−ジアミノジフェニルエーテル、4,4´−ジアミノジフェニルメタン、3,4´−ジアミノジフェニルメタン、ビス(3−アミノ−4−クロロフェニル)スルホン、ビス(3,4−ジアミノフェニル)スルホン、4,4´−ジアミノジフェニルスルホン、3,3´−ジアミノジフェニルスルホン、3,4´−ジアミノジフェニルスルホン、3,3´−ジアミノジフェニルメタン、4,4−ジアミノジフェニルアミン、4,4´−エチレンジアニリン、4,4´ジアミノ−2,2´−ジメチルジベンジル、3,3´−ジアミノベンゾフェノン、4,4´−ジアミノベンゾフェノン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン、4,4´−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニル、3,3´,4,4´−テトラアミノジフェニルエーテル、3,3´,4,4´−テトラアミノジフェニルスルホン、3,3´,4,4´−テトラアミノベンゾフェノン、3−アミノベンゾニトリル、4−フェノキシアニリン、3−フェノキシアニリン、4,4´−メチレンビス−o−トルイジン、4,4´−(p−フェニレンイソプロピリデン)−ビス−(2,6−キシリジン)、o−クロロ−p−ニトロアニリン、o−ニトロ−p−クロロアニリン、2,6−ジクロロ−4−ニトロアニリン、5−クロロ−2−ニトロアニリン、2−アミノ−4−クロロフェノール、o−ニトロアニリン、m−ニトロアニリン、p−ニトロアニリン、2−メチル−4−ニトロアニリン、m−ニトロ−p−トルイジン、2−アミノ−5−ニトロベンゾニトリル、メトール、2,4−ジアミノフェノール、N−(β−ヒドロキシエチル)−o−アミノフェノール硫酸塩、スルファニル酸、メタニル酸、4B酸、C酸、2B酸、p−フルオロアニリン、o−フルオロアニリン、3−クロロ−4−フルオロアニリン、2,4−ジフルオロアニリン、2,3,4−トリフルオロアニリン、m−アミノベンゾトリフルオライド、m−トルイレンジアミン、2−アミノチオフェノール、2−アミノ−3−ブロモ−5−ニトロベンゾニトリル、ジフェニルアミン、p−アミノジフェニルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、2−メチル−4−メトキシジフェニルアミン、N,N−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、ジアニシジン、3,3´−ジクロロベンジジン、4,4´−ジアミノスチルベン−2,2´−ジスルホン酸、ベンジルエチルアニリン、1,8−ナフタレンジアミン、ナフチオン酸ソーダ、トビアス酸、H酸、J酸、フェニルJ酸、1,4−ジアミノ−アントラキノン、1,4−ジアミノ−2,3−ジクロロアントラキノン等の芳香族アミン類、さらに3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、2−アミノピリジン、3−アミノピリジン、4−アミノピリジン、α−アミノ−ε−カプロラクタム、アセトグアナミン、2,4−ジアミノ−6−[2´−メチルイミダゾリル−(1)]エチル−S−トリアジン、2,3−ジアミノピリジン、2,5−ジアミノピリジン、2,3,5−トリアミノピリジン、1−アミノ−4−メチルピペラジン、1−(2−アミノエチル)ピペラジン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、N−(3−アミノプロピル)モルホリン等の複素環化合物アミン類、メチルアミン、エチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ステアリルアミン、アリルアミン、ジアリルアミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、2−エチルヘキシルアミン、エタノールアミン、3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピルアミン、3−エトキシプロピルアミン、ジイソブチルアミン、3−(ジエチルアミノ)プロピルアミン、ジ−2−エチルヘキシルアミン、3−(ジブチルアミノ)プロピルアミン、t−ブチルアミン、プロピルアミン、3−(メチルアミノ)プロピルアミン、3−(ジメチルアミノ)プロピルアミン、3−メトキシプロピルアミン、メチルヒドラジン、1−メチルブチルアミン、メタンジアミン、1,4−ジアミノブタン、シクロヘキサンメチルアミン、シクロヘキシルアミン、4−メチルシクロヘキシルアミン、2−ブロモエチルアミン、2−メトキシエチルアミン、2−エトキシメチルアミン、2−アミノ−1−プロパノール、2−アミノブタノール、3−アミノ−1,2−プロパンジオール、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパン、2−アミノエタンチオール、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族アミン類などが挙げられる。
【0038】
さらに上記アミン化合物の中でも特に下記式(I)の如き少なくとも1個のアミノ基を有するアニリン誘導体であることが好ましい。
【0039】
【化1】
【0040】
(式中、R1、R2、R3及びR4は、各々独立して、水素、ハロゲン、アルキル基、アルコシキ基またはアミノ基を表し、X1及びX2は、各々独立してアミノ基または式(b)で示される基を表し、
【0041】
【化2】
【0042】
Y1は−SO2−、−O−、−(S)n−、−(CH2)n−、−CO−、−CONH−、式(a)で示される下記の一群の基の何れか、
【0043】
【化3】
または存在しない場合を示す。nは1または2である。)
【0044】
またイソシアナートと反応させウレタン基を形成させるOH基含有化合物としてはOH基を有する化合物であれば何でもよいが、例えばフェノール、クレゾール、キシレノール、p−エチルフェノール、o−イソプロピルフェノール、レゾルシン、p−tert−ブチルフェノール、p−tert−オクチルフェノール、2−シクロヘキシルフェノール、2−アリルフェノール、4−インダノール、チモール、2−ナフトール、p−ニトロフェノール、o−クロロフェノール、p−クロロフェノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)ヘプタン、カテコール、3−メチルカテコール、3−メトキシカテコール、ピロガロール、ヒドロキノン、メチルヒドロキノン、4−フェニルフェノール、p,p´−ビフェノール、4−クミルフェノール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ベンジル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、4−ヒドロキシフェニル−4´−メチルフェニルスルホン、3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル−4´−メチルフェニルスルホン、3,4−ジヒドロキシフェニル−4´−メチルフェニルスルホン、4−イソプロピルオキシフェニル−4´−ヒドロキシフェニルスルホン、ビス(2−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、4−ヒドロキシフェニル−4´−ベンジルオキシフェニルスルホン、4−イソプロピルフェニル−4´−ヒドロキシフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4´−イソプロポキシジフェニルスルホン、ビス(2−メチル−3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、4,4´−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4´−チオジフェノール、4,4´−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4´−ジヒドロキシジフェニルメタン、3,3´−ジヒドロキシジフェニルアミン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィド、ビス(4−(2−ヒドロキシ)フェニル)スルホン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2´,4,4´−テトラヒドロキシベンゾフェノン、サリチル酸フェニル、サリチルアニリド、4−ヒドロキシ安息香酸メチル、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4−ヒドロキシ安息香酸(4´−クロロベンジル)、1,2−ビス(4´−ヒドロキシ安息香酸)エチル、1,5−ビス(4´−ヒドロキシ安息香酸)ペンチル、1,6−ビス(4´−ヒドロキシ安息香酸)ヘキシル、3−ヒドロキシフタル酸ジメチル、没食子酸ステアリル、没食子酸ラウリル、没食子酸メチル、4−メトキシフェノール、4−(ベンジルオキシ)フェノール、4−ヒドロキシベンズアルデヒド、4−n−オクチルオキシサリチル酸、4−n−ブチルオキシサリチル酸、4−n−ペンチルオキシサリチル酸、3−n−ドデシルオキシサリチル酸、3−n−オクタノイルオキシサリチル酸、4−n−オクチルオキシカルボニルアミノサリチル酸、4−n−オクタノイルオキシカルボニルアミノサリチル酸等のフェノール類があげられる。ただし、これらのフェノール類にはアミノ基を有するものは好ましくない。アミノ基はOH基よりもイソシアナト基との反応性が高いのでアミノ基が先にイソシアナト基と反応し、目的とする化合物を得ることが困難な場合がある。またメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、イソプロパノール、イソブタノール、イソペンタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、1−デカノール、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、2−ペンタノール、3−ヘキサノール、tert−ブタノール、tert−アミルアルコール、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、アリルアルコール、2−メチル−2−プロペン−1−オール、ベンジルアルコール、4−ピリジンメタノール、フェニルセロソルブ、フルフリルアルコール、シクロヘキサノール、シクロヘキシルメタノール、シクロペンタノール、2−クロロエタノール、1−クロロ−3−ヒドロキシプロパン、グリセリン、グリセロール等のアルコール類、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、アジペート系ポリオール、エポキシ変成ポリオール、ポリエーテルエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンジオール、フェノール系ポリオール、アミン変成ポリオール等のポリエーテル系ポリオール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサングリコール、1,9−ノナンジオール、アクリルポリオール、フッ素ポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリヒドロキシポリオール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ヘキサントリオール、リン酸、ネオペンチルグリコール、ペンタエリスリトール、ヒマシ油系ポリオール、ポリマーポリオール、メチルペンタンジオール、含ハロゲンポリオール、含リンポリオール、エチレンジアミン、α−メチルグルコシド、ソルビトール、シュークローズ等のポリオール類があげられる。
【0045】
本発明に係わるウレアウレタン化合物顕色剤として、分子構造中におけるウレア基の数(A)とウレタン基の数(B)が次の数式を満たすウレアウレタン化合物が好ましい。
10≧(A+B)≧3 (ただし、A、Bは1以上の整数)
【0046】
ウレア基の数(A)とウレタン基の数(B)が数式10≧(A+B)≧3(ただし、A、Bは1以上の整数)を満たすウレアウレタン化合物とは、分子構造中にウレア基(-NHCONH-基)とウレタン基(-NHCOO-基)がそれぞれ少なくとも1以上存在し、かつウレア基とウレタン基の合計数が3以上でかつ10以下存在する化合物である。
【0047】
従来、このような化合物は知られておらず、全く新規な化合物である。この新規化合物は、例えば、熱、圧力などの記録エネルギーを用いた記録材料に有用である。
【0048】
ウレア基の数(A)とウレタン基の数(B)が数式10≧(A+B)≧3(ただし、A、Bは1以上の整数)を満たすウレアウレタン化合物の合成方法は、ウレア基(-NHCONH-基)とウレタン基(-NHCOO-基)とが、ウレア基とウレタン基の合計数が3〜10となるように生成される方法であれば特に制限はないが、イソシアナート化合物とOH基含有化合物及びアミン化合物との反応で作る方法が容易で好ましい。
【0049】
すなわち、本発明に係わるウレアウレタン化合物は、例えば少なくとも2つ以上のイソシアナト基を持つイソシアナートを出発物質として、そのイソシアナートの少なくとも1つのイソシアナト基を残して他のイソシアナト基とOH基含有化合物を反応させてウレタン基を形成させ、次にこのウレタン化合物2分子の残ったイソシアナト基同士を水で反応させ結合させることによりウレア基とウレタン基の合計数が少なくとも3つのウレアウレタン化合物を得ることが出来る。
【0050】
また、例えば少なくとも2つ以上のイソシアナト基を持つイソシアナートを出発物質として用い、そのイソシアナートの少なくとも1つのイソシアナト基を残して他のイソシアナト基とOH基含有化合物を反応させてウレタン基を形成させ、次に残ったイソシアナト基と2つ以上のアミノ基を有するアミン化合物を反応させウレア基を形成させ、さらに残ったアミノ基にイソシアナート化合物を反応することによって、ウレア基とウレタン基の合計数が少なくとも3つのウレアウレタン化合物を得ることができる。また、まずイソシアナト基とアミン化合物を反応させてウレア基を形成させ、次に残ったイソシアナト基と2つ以上のOH基を有するOH基含有化合物を反応させてウレタン基を形成させ、さらにイソシアナート化合物を反応させることによってもウレア基とウレタン基の合計数が少なくとも3つのウレアウレタン化合物を得ることができる。この時、最後に反応するイソシアナートとして2つ以上のイソシアナト基を持つイソシアナート化合物を用い、残ったイソシアナト基と2つ以上のOH基を有するOH含有化合物あるいは2つ以上のアミノ基を有するアミノ化合物を反応させる操作を順次繰り返すことによって、ウレア基とウレタン基の合計数が3〜10存在するウレアウレタン化合物を得ることが出来る。
【0051】
出発物質のイソシアナートはイソシアナト基を2つ以上持つものであれば他に特に制限はないが、例えばパラフェニレンジイソシアナート、2,5−ジメトキシベンゼン−1,4−ジイソシアナート、2,4−トルエンジイソシアナート、2,6−トルエンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナート、o−トリジンジイソシアナート、ジフェニルエーテルジイソシアナート、1,5−ナフチレンジイソシアナート、ジアニシジンジイソシアナート、9−エチルカルバゾール−3,6−ジイソシアナート、3,3´−ジメチル−4,4´−ジフェニルメタンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、トリフェニルメタントリイソシアナート、トリス(4−フェニルイソシアナート)チオホスファート、4,4´,4´´−トリイソシアナト−2,5−ジメトキシトリフェニルアミン、4,4´,4´´−トリイソシアナトトリフェニルアミン、メタキシリレンジイソシアナート、リジンジイソシアナート、ダイマー酸ジイソシアナート、イソプロピリデンビス−4−シクロヘキシルイソシアナート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアナート、メチルシクロヘキサンジイソシアナート等があげられる。またジイソシアナートの2量体例えばトルエンジイソシアナートの2量体であるN,N´(4,4´−ジメチル−3,3´−ジフェニルジイソシアナト)ウレトジオン(商品名デスモジュールTT)や3量体例えば4,4´,4´´−トリメチル−3,3´,3´´−トリイソシアナト−2,4,6−トリフェニルシアヌレート等でもよい。またトルエンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナート等の水アダクトイソシアナート例えば1,3−ビス(3−イソシアナト−4−メチルフェニル)ウレアやポリオールアダクト例えばトルエンジイソシアナートのトリメチロールプロパンアダクト(商品名デスモジュールL)やアミンアダクト体等でもよい。また特開平10−76757号公報及び特開平10−95171号公報に記載のイソシアナート化合物及びイソシアナートアダクト体化合物の内イソシアナト基が2以上存在するものでもでもよい。
【0052】
特に好ましい例としてトルエンジイソシアナートを挙げることができる。トルエンジイソシアナートとしては、2,4−トルエンジイソシアナートが好ましいが、この他に2,4−トルエンジイソシアナートと2,6−トルエンジイソシアナートの混合物が一般に市販されており、安価に入手することが可能であるがこれでもよい。これらのトルエンジイソシアナート異性体混合物は常温で液体である。
【0053】
ウレアウレタン化合物の出発物質であるイソシアナートと反応させウレア基を形成させるアミン化合物としては、アミノ基を有する化合物であれば何でもよいが例えばアニリン、o−トルイジン、m−トルイジン、p−トルイジン、o−アニシジン、p−アニシジン、p−フェネチジン、N,N−ジメチル−p−フェニレンジアミン、N,N−ジエチル−p−フェニレンジアミン、2,4−ジメトキシアニリン、2,5−ジメトキシアニリン、3,4−ジメトキシアニリン、p−アミノアセトアニリド、p−アミノ安息香酸、o−アミノフェノール、m−アミノフェノール、p−アミノフェノール、2,3−キシリジン、2,4−キシリジン、3,4−キシリジン、2,6−キシリジン、4−アミノベンゾニトリル、アントラニル酸、p−クレシジン、2,5−ジクロロアニリン、2,6−ジクロロアニリン、3,4−ジクロロアニリン、3,5−ジクロロアニリン、2,4,5−トリクロロアニリン、α−ナフチルアミン、アミノアントラセン、o−エチルアニリン、o−クロロアニリン、m−クロロアニリン、p−クロロアニリン、N−メチルアニリン、N−エチルアニリン、N−プロピルアニリン、N−ブチルアニリン、アセト酢酸アニリド、臭化トリメチルフェニルアンモニウム、4,4´−ジアミノ−3,3´−ジエチルジフェニルメタン、4,4´−ジアミノベンズアニリド、3,5−ジアミノクロロベンゼン、ジアミノジフェニルエーテル、3,3´−ジクロロ−4,4´ジアミノジフェニルメタン、3,3´−ジメチル−4,4´−ジアミノジフェニルメタン、トリジンベース、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2−クロロ−p−フェニレンジアミン、ジアニシジン、p−アミノ安息香酸メチル、p−アミノ安息香酸エチル、p−アミノ安息香酸n−プロピル、p−アミノ安息香酸イソプロピル、p−アミノ安息香酸ブチル、p−アミノ安息香酸ドデシル、p−アミノ安息香酸ベンジル、o−アミノベンゾフェノン、m−アミノアセトフェノン、p−アミノアセトフェノン、m−アミノベンズアミド、o−アミノベンズアミド、p−アミノベンズアミド、p−アミノ−N−メチルベンズアミド、3−アミノ−4−メチルベンズアミド、3−アミノ−4−メトキシベンズアミド、3−アミノ−4−クロロベンズアミド、p−(N−フェニルカルバモイル)アニリン、p−〔N−(4−クロロフェニル)カルバモイル〕アニリン、p−〔N−(4−アミノフェニル)カルバモイル〕アニリン、2−メトキシ−5−(N−フェニルカルバモイル)アニリン、2−メトキシ−5−〔N−(2´−メチル−3´−クロロフェニル)カルバモイル〕アニリン、2−メトキシ−5−〔N−(2´−クロロフェニル)カルバモイル〕アニリン、5−アセチルアミノ−2−メトキシアニリン、4−アセチルアミノアニリン、4−(N−メチル−N−アセチルアミノ)アニリン、2,5−ジエトキシ−4−(N−ベンゾイルアミノ)アニリン、2,5−ジメトキシ−4−(N−ベンゾイルアミノ)アニリン、2−メトキシ−4−(N−ベンゾイルアミノ)−5−メチルアニリン、4−スルファモイルアニリン、3−スルファモイルアニリン、2−(N−エチル−N−フェニルアミノスルホニル)アニリン、4−ジメチルアミノスルホニルアニリン、4−ジエチルアミノスルホニルアニリン、スルファチアゾール、4−アミノジフェニルスルホン、2−クロロ−5−N−フェニルスルファモイルアニリン、2−メトキシ−5−N,N−ジエチルスルファモイルアニリン、2,5−ジメトキシ−4−N−フェニルスルファモイルアニリン、2−メトキシ−5−ベンジルスルホニルアニリン、2−フェノキシスルホニルアニリン、2−(2´−クロロフェノキシ)スルホニルアニリン、3−アニリノスルホニル−4−メチルアニリン、ビス〔4−(m−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(p−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔3−メチル−4−(p−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、3,3´−ジメトキシ−4,4´−ジアミノビフェニル、3,3´−ジメチル−4,4´−ジアミノビフェニル、2,2´−ジクロロ−4,4´−ジアミノ−5,5´−ジメトキシビフェニル、2,2´,5,5´−テトラクロロ−4,4´−ジアミノビフェニル、オルソ−トリジンスルホン、2,4´−ジアミノビフェニル、2,2´−ジアミノビフェニル、4,4´−ジアミノビフェニル、2,2´−ジクロロ−4,4´−ジアミノビフェニル、3,3´−ジクロロ−4,4´−ジアミノビフェニル、2,2´−ジメチル−4,4´−ジアミノビフェニル、4,4´−チオジアニリン、2,2´−ジチオジアニリン、4,4´−ジチオジアニリン、4,4´−ジアミノジフェニルエーテル、3,3´−ジアミノジフェニルエーテル、3,4´−ジアミノジフェニルエーテル、4,4´−ジアミノジフェニルメタン、3,4´−ジアミノジフェニルメタン、ビス(3−アミノ−4−クロロフェニル)スルホン、ビス(3,4−ジアミノフェニル)スルホン、4,4´−ジアミノジフェニルスルホン、3,3´−ジアミノジフェニルスルホン、3,4´−ジアミノジフェニルスルホン、3,3´−ジアミノジフェニルメタン、4,4−ジアミノジフェニルアミン、4,4´−エチレンジアニリン、4,4´ジアミノ−2,2´−ジメチルジベンジル、3,3´−ジアミノベンゾフェノン、4,4´−ジアミノベンゾフェノン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン、4,4´−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニル、3,3´,4,4´−テトラアミノジフェニルエーテル、3,3´,4,4´−テトラアミノジフェニルスルホン、3,3´,4,4´−テトラアミノベンゾフェノン、3−アミノベンゾニトリル、4−フェノキシアニリン、3−フェノキシアニリン、4,4´−メチレンビス−o−トルイジン、4,4´−(p−フェニレンイソプロピリデン)−ビス−(2,6−キシリジン)、o−クロロ−p−ニトロアニリン、o−ニトロ−p−クロロアニリン、2,6−ジクロロ−4−ニトロアニリン、5−クロロ−2−ニトロアニリン、2−アミノ−4−クロロフェノール、o−ニトロアニリン、m−ニトロアニリン、p−ニトロアニリン、2−メチル−4−ニトロアニリン、m−ニトロ−p−トルイジン、2−アミノ−5−ニトロベンゾニトリル、メトール、2,4−ジアミノフェノール、N−(β−ヒドロキシエチル)−o−アミノフェノール硫酸塩、スルファニル酸、メタニル酸、4B酸、C酸、2B酸、p−フルオロアニリン、o−フルオロアニリン、3−クロロ−4−フルオロアニリン、2,4−ジフルオロアニリン、2,3,4−トリフルオロアニリン、m−アミノベンゾトリフルオライド、m−トルイレンジアミン、2−アミノチオフェノール、2−アミノ−3−ブロモ−5−ニトロベンゾニトリル、ジフェニルアミン、p−アミノジフェニルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、2−メチル−4−メトキシジフェニルアミン、N,N−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、ジアニシジン、3,3´−ジクロロベンジジン、4,4´−ジアミノスチルベン−2,2´−ジスルホン酸、ベンジルエチルアニリン、1,8−ナフタレンジアミン、ナフチオン酸ソーダ、トビアス酸、H酸、J酸、フェニルJ酸、1,4−ジアミノ−アントラキノン、1,4−ジアミノ−2,3−ジクロロアントラキノン等の芳香族アミン類、さらに3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、2−アミノピリジン、3−アミノピリジン、4−アミノピリジン、α−アミノ−ε−カプロラクタム、アセトグアナミン、2,4−ジアミノ−6−[2´−メチルイミダゾリル−(1)]エチル−S−トリアジン、2,3−ジアミノピリジン、2,5−ジアミノピリジン、2,3,5−トリアミノピリジン、1−アミノ−4−メチルピペラジン、1−(2−アミノエチル)ピペラジン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、N−(3−アミノプロピル)モルホリン等の複素環化合物アミン類、メチルアミン、エチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ステアリルアミン、アリルアミン、ジアリルアミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、2−エチルヘキシルアミン、エタノールアミン、3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピルアミン、3−エトキシプロピルアミン、ジイソブチルアミン、3−(ジエチルアミノ)プロピルアミン、ジ−2−エチルヘキシルアミン、3−(ジブチルアミノ)プロピルアミン、t−ブチルアミン、プロピルアミン、3−(メチルアミノ)プロピルアミン、3−(ジメチルアミノ)プロピルアミン、3−メトキシプロピルアミン、メチルヒドラジン、1−メチルブチルアミン、メタンジアミン、1,4−ジアミノブタン、シクロヘキサンメチルアミン、シクロヘキシルアミン、4−メチルシクロヘキシルアミン、2−ブロモエチルアミン、2−メトキシエチルアミン、2−エトキシメチルアミン、2−アミノ−1−プロパノール、2−アミノブタノール、3−アミノ−1,2−プロパンジオール、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパン、2−アミノエタンチオール、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族アミン類などが挙げられる。
【0054】
さらに上記アミン化合物の中でも特に下記式(I)の如き少なくとも1個のアミノ基を有するアニリン誘導体が好ましい。
【0055】
【化4】
【0056】
(式中、R1、R2、R3及びR4は、各々独立して、水素、ハロゲン、アルキル基、アルコシキ基またはアミノ基を表し、X1及びX2は、各々独立してアミノ基または式(b)で示される基を表し、
【0057】
【化5】
【0058】
Y1は−SO2−、−O−、−(S)n−、−(CH2)n−、−CO−、−CONH−、式(a)で示される下記の一群の基の何れか、
【0059】
【化6】
または存在しない場合を示す。nは1または2である。)
【0060】
またイソシアナートと反応させウレタン基を形成させるOH基含有化合物としてはOH基を有する化合物であれば何でもよいが、例えばフェノール、クレゾール、キシレノール、p−エチルフェノール、o−イソプロピルフェノール、レゾルシン、p−tert−ブチルフェノール、p−tert−オクチルフェノール、2−シクロヘキシルフェノール、2−アリルフェノール、4−インダノール、チモール、2−ナフトール、p−ニトロフェノール、o−クロロフェノール、p−クロロフェノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)ヘプタン、カテコール、3−メチルカテコール、3−メトキシカテコール、ピロガロール、ヒドロキノン、メチルヒドロキノン、4−フェニルフェノール、p,p´−ビフェノール、4−クミルフェノール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ベンジル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、4−ヒドロキシフェニル−4´−メチルフェニルスルホン、3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル−4´−メチルフェニルスルホン、3,4−ジヒドロキシフェニル−4´−メチルフェニルスルホン、4−イソプロピルオキシフェニル−4´−ヒドロキシフェニルスルホン、ビス(2−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、4−ヒドロキシフェニル−4´−ベンジルオキシフェニルスルホン、4−イソプロピルフェニル−4´−ヒドロキシフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4´−イソプロポキシジフェニルスルホン、ビス(2−メチル−3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、4,4´−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4´−チオジフェノール、4,4´−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4´−ジヒドロキシジフェニルメタン、3,3´−ジヒドロキシジフェニルアミン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィド、ビス(4−(2−ヒドロキシ)フェニル)スルホン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2´,4,4´−テトラヒドロキシベンゾフェノン、サリチル酸フェニル、サリチルアニリド、4−ヒドロキシ安息香酸メチル、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4−ヒドロキシ安息香酸(4´−クロロベンジル)、1,2−ビス(4´−ヒドロキシ安息香酸)エチル、1,5−ビス(4´−ヒドロキシ安息香酸)ペンチル、1,6−ビス(4´−ヒドロキシ安息香酸)ヘキシル、3−ヒドロキシフタル酸ジメチル、没食子酸ステアリル、没食子酸ラウリル、没食子酸メチル、4−メトキシフェノール、4−(ベンジルオキシ)フェノール、4−ヒドロキシベンズアルデヒド、4−n−オクチルオキシサリチル酸、4−n−ブチルオキシサリチル酸、4−n−ペンチルオキシサリチル酸、3−n−ドデシルオキシサリチル酸、3−n−オクタノイルオキシサリチル酸、4−n−オクチルオキシカルボニルアミノサリチル酸、4−n−オクタノイルオキシカルボニルアミノサリチル酸等のフェノール類があげられる。ただし、これらのフェノール類としてはアミノ基を有するものは好ましくない。アミノ基はOH基よりもイソシアナト基との反応性が高いのでアミノ基が先にイソシアナト基と反応し、目的とする化合物を得ることが困難な場合がある。またメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、イソプロパノール、イソブタノール、イソペンタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、1−デカノール、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、2−ペンタノール、3−ヘキサノール、tert−ブタノール、tert−アミルアルコール、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、アリルアルコール、2−メチル−2−プロペン−1−オール、ベンジルアルコール、4−ピリジンメタノール、フェニルセロソルブ、フルフリルアルコール、シクロヘキサノール、シクロヘキシルメタノール、シクロペンタノール、2−クロロエタノール、1−クロロ−3−ヒドロキシプロパン、グリセリン、グリセロール等のアルコール類、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、アジペート系ポリオール、エポキシ変成ポリオール、ポリエーテルエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンジオール、フェノール系ポリオール、アミン変成ポリオール等のポリエーテル系ポリオール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサングリコール、1,9−ノナンジオール、アクリルポリオール、フッ素ポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリヒドロキシポリオール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ヘキサントリオール、リン酸、ネオペンチルグリコール、ペンタエリスリトール、ヒマシ油系ポリオール、ポリマーポリオール、メチルペンタンジオール、含ハロゲンポリオール、含リンポリオール、エチレンジアミン、α−メチルグルコシド、ソルビトール、シュークローズ等のポリオール類があげられる。
【0061】
本発明に係わるウレアウレタン化合物顕色剤としては、さらに一般式(II)〜(VIII)のウレアウレタン化合物も好ましい。
【0062】
【化7】
【0063】
(式中、X及びZは各々独立して芳香族化合物残基または複素環化合物残基または脂肪族化合物残基を表し、各残基は置換基を有していてもよく、Y0は、トリレン基、キシリレン基、ナフチレン基、ヘキサメチレン基、及び−φ−CH2−φ−基からなる群から選ばれる1つを表し、−φ−はフェニレン基を示す。)、
【0064】
【化8】
【0065】
(式中、X及びYは、各々独立して芳香族化合物残基または複素環化合物残基または脂肪族化合物残基を表し、また、各残基は置換基を有していてもよい。)、
【0066】
【化9】
【0067】
(式中、X及びYは、各々独立して芳香族化合物残基または複素環化合物残基または脂肪族化合物残基を表し、αは2価以上の価数を有する残基を表し、nは2以上の整数を表し、また、各残基は置換基を有していてもよい。)、
【0068】
【化10】
【0069】
(式中、Z及びYは、各々独立して芳香族化合物残基または複素環化合物残基または脂肪族化合物残基を表し、βは2価以上の価数を有する残基を表し、nは2以上の整数を表し、また、各残基は置換基を有していてもよい。)、
【0070】
【化11】
【0071】
(式中、ベンゼン環の水素原子は芳香族化合物残基又は脂肪族化合物残基又は複素環化合物残基により置換されていてもよく、また、各残基は置換基を有していてもよく、γは−SO2−、−O−、−(S)n−、−(CH2)n−、−CO−、−CONH−、式(a)で示される基の何れかからなる群から選ばれる1つ、
【0072】
【化12】
又は存在しない場合を示す。nは1または2である。)、
【0073】
【化13】
【0074】
(式中、ベンゼン環の水素原子は芳香族化合物残基又は脂肪族化合物残基又は複素環化合物残基により置換されていてもよく、また、各残基は置換基を有していてもよく、δは−SO2−、−O−、−(S)n−、−(CH2)n−、−CO−、−CONH−、−NH−、−CH(COOR1)−、−C(CF3)2−、及び−CR2R3−からなる群から選ばれる1つ又は存在しない場合を示し、R1、R2及びR3はアルキル基を表し、nは1または2である。)、及び
【0075】
【化14】
【0076】
(式中、X、Y及びZは各々独立して芳香族化合物残基または複素環化合物残基または脂肪族化合物残基を表し、各残基は置換基を有していてもよい。ここでX、Y及びZは芳香族化合物残基または複素環化合物残基であることが好ましい。
)
【0077】
一般式(II)〜(VIII)のウレアウレタン化合物も全く新規な化合物である。この新規化合物は、例えば、熱、圧力などの記録エネルギーを用いた感熱記録材料に有用である。
【0078】
本発明に係わる式(II)のウレアウレタン化合物は製法に限定はないが例えば下記一般式(IX)のOH基含有化合物と下記一般式(X)のイソシアナート化合物及び下記一般式(XI)のアミン化合物を、例えば下記反応式(A)にしたがって反応させることにより得ることができる。
【0079】
【化15】
【0080】
【化16】
【0081】
【化17】
【0082】
(式中、X及びZは各々独立して芳香族化合物残基または複素環化合物残基または脂肪族化合物残基を表し、各残基は置換基を有していてもよい。Y0は、トリレン基、キシリレン基、ナフチレン基、ヘキサメチレン基、又は−φ−CH2−φ−基からなる群から選ばれる1つを表し、−φ−はフェニレン基を示す。)
なお、本発明でいう脂肪族とは脂環式も含むものとする。
【0083】
【化18】
【0084】
本発明に係わる式(III)のウレアウレタン化合物は、製法に限定はないが例えば一般式(IX)のOH基含有化合物と下記一般式(XII)のイソシアナート化合物及び水を、例えば下記反応式(B)にしたがって反応させることにより得ることができる。
【0085】
【化19】
【0086】
(式中、Yは芳香族化合物残基または複素環化合物残基または脂肪族化合物残基を表す。また、残基は置換基を有していてもよい。)
【0087】
【化20】
【0088】
本発明に係わる式(IV)のウレアウレタン化合物は、製法に限定はないが例えば一般式(IX)のOH基含有化合物と一般式(XII)のイソシアナート化合物及び下記一般式(XIII)のアミン化合物を、例えば下記反応式(C)または(D)にしたがって反応させることにより得ることができる。
【0089】
【化21】
【0090】
(式中、αは2価以上の価数を有する残基を表し、nは2以上の整数を表す。)
【0091】
【化22】
【0092】
【化23】
【0093】
本発明に係わる式(V)のウレアウレタン化合物は、製法に限定はないが例えば一般式(XI)のアミン化合物と一般式(XII)のイソシアナート化合物及び下記一般式(XIV)のOH基含有化合物を、例えば下記反応式(E)または(F)にしたがって反応させることにより得ることができる。
【0094】
【化24】
【0095】
(式中、βは2価以上の価数を有する残基を表し、nは2以上の整数を表す。)
【0096】
【化25】
【0097】
【化26】
【0098】
上記式(II)〜(IV)で表されるウレアウレタン化合物を合成するときに用いることができる一般式(IX)〜(XIV)の化合物についてさらに詳しく述べる。
【0099】
一般式(IX)で表されるOH基含有化合物としてはOH基を一つ以上持つ化合物であれば特に制限はないが、例えばフェノール、クレゾール、キシレノール、p−エチルフェノール、o−イソプロピルフェノール、レゾルシン、p−tert−ブチルフェノール、p−tert−オクチルフェノール、2−シクロヘキシルフェノール、2−アリルフェノール、4−インダノール、チモール、2−ナフトール、p−ニトロフェノール、o−クロロフェノール、p−クロロフェノール、4−フェニルフェノール、4−ヒドロキシフェニル−4´−メチルフェニルスルホン、3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル−4´−メチルフェニルスルホン、4−イソプロピルフェニル−4´−ヒドロキシフェニルスルホン、4−イソプロピルオキシフェニル−4´−ヒドロキシフェニルスルホン、4−ヒドロキシフェニル−4´−ベンジルオキシフェニルスルホン、4−イソプロピルフェニル−4´−ヒドロキシフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4´−イソプロポキシジフェニルスルホン、サリチル酸フェニル、サリチルアニリド、4−ヒドロキシ安息香酸メチル、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4−ヒドロキシ安息香酸(4´−クロロベンジル)、1,2−ビス(4´−ヒドロキシ安息香酸)エチル、1,5−ビス(4´−ヒドロキシ安息香酸)ペンチル、1,6−ビス(4´−ヒドロキシ安息香酸)ヘキシル、3−ヒドロキシフタル酸ジメチル、4−メトキシフェノール、4−(ベンジルオキシ)フェノール、4−ヒドロキシベンズアルデヒド、4−n−オクチルオキシサリチル酸、4−n−ブチルオキシサリチル酸、4−n−ペンチルオキシサリチル酸、3−n−ドデシルオキシサリチル酸、3−n−オクタノイルオキシサリチル酸、4−n−オクチルオキシカルボニルアミノサリチル酸、4−n−オクタノイルオキシカルボニルアミノサリチル酸等のモノフェノール類があげられる。また2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)ヘプタン、カテコール、3−メチルカテコール、3−メトキシカテコール、ピロガロール、ヒドロキノン、メチルヒドロキノン、4−フェニルフェノール、4,4´−ビフェノール、4−クミルフェノール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ベンジル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、3,4−ジヒドロキシフェニル−4´メチルフェニルスルホン、ビス(2−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(2−メチル−3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、4,4´−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4´−チオジフェノール、4,4´−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4´−ジヒドロキシジフェニルメタン、3,3´−ジヒドロキシジフェニルアミン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィド等のジフェノール類があげられる。ただし、これらのOH含有化合物としてはアミノ基を有するものは好ましくない。アミノ基はOH基よりもイソシアナト基との反応性が高いのでアミノ基が先にイソシアナト基と反応し、目的とする化合物を得ることが困難な場合がある。またメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、イソプロパノール、イソブタノール、イソペンタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、1−デカノール、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、2−ペンタノール、3−ヘキサノール、tert−ブタノール、tert−アミルアルコール、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、アリルアルコール、2−メチル−2−プロペン−1−オール、ベンジルアルコール、4−ピリジンメタノール、フェニルセロソルブ、フルフリルアルコール、シクロヘキサノール、シクロヘキシルメタノール、シクロペンタノール、2−クロロエタノール、1−クロロ−3−ヒドロキシプロパン、グリセリン、グリセロール等のモノアルコール類があげられる。またポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、アジペート系ポリオール、エポキシ変成ポリオール、ポリエーテルエステルポリオールポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンジオール、フェノール系ポリオール、アミン変成ポリオール等のポリエーテル系ポリオール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサングリコール、1,9−ノナンジオール、アクリルポリオール、フッ素ポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリヒドロキシポリオール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ヘキサントリオール、リン酸、ネオペンチルグリコール、ペンタエリスリトール、ヒマシ油系ポリオール、ポリマーポリオール、メチルペンタンジオール、含ハロゲンポリオール、含リンポリオール、エチレンジアミン、α−メチルグルコシドルビトール、シュークローズ等のポリオール類でもよい。これらのうち、好ましくはモノフェノール類が用いられる。
【0100】
一般式(X)のイソシアナート化合物としては、2,4−トルエンジイソシアナート、2,6−トルエンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、1,5−ナフチレンジイソシアナート、メタキシリレンジイソシアナート等が挙げられる。これらのうち、トルエンジイソシアナートが好ましい。
【0101】
また、一般式(XII)のイソシアナート化合物としては、イソシアナト基を2つ以上持つものであれば他に特に制限はないが、例えばパラフェニレンジイソシアナート、2,5−ジメトキシベンゼン−1,4−ジイソシアナート、2,4−トルエンジイソシアナート、2,6−トルエンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナート、o−トリジンジイソシアナート、1,5−ナフチレンジイソシアナート、ジアニシジンジイソシアナート、9−エチルカルバゾール−3,6−ジイソシアナート、3,3´−ジメチル−4,4´−ジフェニルメタンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、トリフェニルメタントリイソシアナート、トリス(4−フェニルイソシアナート)チオホスファート、4,4´,4´´−トリイソシアナト−2,5−ジメトキシトリフェニルアミン、4,4´,4´´−トリイソシアナトトリフェニルアミン、メタキシリレンジイソシアナート、リジンジイソシアナート、ダイマー酸ジイソシアナート、イソプロピリデンビスー4−シクロヘキシルイソシアナート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアナート、メチルシクロヘキサンジイソシアナート、等があげられる。またジイソシアナートの2量体例えばトルエンジイソシアナートの2量体であるN,N´−(4,4´−ジメチル−3,3´−ジフェニルジイソシアナート)ウレトジオン(商品名デスモジュールTT)や3量体例えば4,4´,4´´−トリメチル−3,3´,3´´−トリイソシアナート−2,4,6−トリフェニルシアヌレート等でもよい。またトルエンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナート等の水アダクトイソシアナート、例えば1,3−ビス(3イソシアナトー4−メチルフェニル)ウレアやポリオールアダクト例えばトルエンジイソシアナートのトリメチロールプロパンアダクト(商品名デスモジュールL)やアミンアダクト体等でもよい。また特開平10−76757号公報及び特開平10−95171号公報に記載のイソシアナート化合物及びイソシアナートアダクト体化合物のうち、イソシアナト基が2以上存在するものでもよい。特に好ましい例としてトルエンジイソシアナートを挙げることができる。
【0102】
一般式(XI)のアミン化合物としてはアミノ基を一つ以上持つ化合物であれば他に特に制限はないが例えばアニリン、o−トルイジン、m−トルイジン、p−トルイジン、o−アニシジン、p−アニシジン、p−フェネチジン、2,4−ジメトキシアニリン、2,5−ジメトキシアニリン、3,4−ジメトキシアニリン、p−アミノアセトアニリド、p−アミノ安息香酸、o−アミノフェノール、m−アミノフェノール、p−アミノフェノール、2,3−キシリジン、2,4−キシリジン、3,4−キシリジン、2,6−キシリジン、4−アミノベンゾニトリル、アントラニル酸、p−クレシジン、2,5−ジクロロアニリン、2,6−ジクロロアニリン、3,4−ジクロロアニリン、3,5−ジクロロアニリン、2,4,5−トリクロロアニリン、α−ナフチルアミン、アミノアントラセン、o−エチルアニリン、o−クロロアニリン、m−クロロアニリン、p−クロロアニリン、p−アミノ安息香酸メチル、p−アミノ安息香酸エチル、p−アミノ安息香酸n−プロピル、p−アミノ安息香酸イソプロピル、、p−アミノ安息香酸ブチル、p−アミノ安息香酸ドデシル、p−アミノ安息香酸ベンジル、o−アミノベンゾフェノン、m−アミノアセトフェノン、p−アミノアセトフェノン、m−アミノベンズアミド、o−アミノベンズアミド、p−アミノベンズアミド、p−アミノ−N−メチルベンズアミド、3−アミノ−4−メチルベンズアミド、3−アミノ−4−メトキシベンズアミド、3−アミノ−4−クロロベンズアミド、p−(N−フェニルカルバモイル)アニリン、p−〔N−(4−クロロフェニル)カルバモイル〕アニリン、p−〔N−(4−アミノフェニル)カルバモイル〕アニリン、2−メトキシ−5−(N−フェニルカルバモイル)アニリン、2−メトキシ−5−〔N−(2´−メチル−3´−クロロフェニル)カルバモイル〕アニリン、2−メトキシ−5−〔N−(2´−クロロフェニル)カルバモイル〕アニリン、5−アセチルアミノ−2−メトキシアニリン、4−アセチルアミノアニリン、2−メトキシ−4−(N−ベンゾイルアミノ)−5−メチルアニリン、4−スルファモイルアニリン、3−スルファモイルアニリン、2−(N−エチル−N−フェニルアミノスルホニル)アニリン、4−ジメチルアミノスルホニルアニリン、4−ジエチルアミノスルホニルアニリン、スルファチアゾール、4−アミノジフェニルスルホン、2−クロロ−5−N−フェニルスルファモイルアニリン、2−メトキシ−5−N,N−ジエチルスルファモイルアニリン、2,5−ジメトキシ−4−N−フェニルスルファモイルアニリン、2−メトキシ−5−ベンジルスルホニルアニリン、2−フェノキシスルホニルアニリン、2−(2´−クロロフェノキシ)スルホニルアニリン、3−アニリノスルホニル−4−メチルアニリン、o−クロロ−p−ニトロアニリン、o−ニトロ−p−クロロアニリン、2,6−ジクロロ−4−ニトロアニリン、5−クロロ−2−ニトロアニリン、2−アミノ−4−クロロフェノール、o−ニトロアニリン、m−ニトロアニリン、p−ニトロアニリン、2−メチル−4−ニトロアニリン、m−ニトローp−トルイジン、2−アミノ−5−ニトロベンゾニトリル、スルファニル酸、メタニル酸、4B酸、C酸、2B酸、p−フルオロアニリン、o−フルオロアニリン、3−クロロ−4−フルオロアニリン、2,4−ジフルオロアニリン、2,3,4−トリフルオロアニリン、m−アミノベンゾトリフルオリド、2−アミノ−3−ブロモ−5−ニトロベンゾニトリル等の芳香族モノアミン類、4,4´−ジアミノ−3,3´−ジエチルジフェニルメタン、4,4´−ジアミノベンズアニリド、3,5−ジアミノクロロベンゼン、ジアミノジフェニルエーテル、3,3´−ジクロロ−4,4´−ジアミノジフェニルメタン、3,3´−ジメチル−4,4´−ジアミノジフェニルメタン、トリジンベース、ジアニシジン、ビス〔4−(m−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(p−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔3−メチル−4−(p−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、3,3´−ジメトキシ−4,4´−ジアミノビフェニル、3,3´−ジメチル−4,4´−ジアミノビフェニル、2,2´−ジクロロ−4,4´−ジアミノ−5,5´−ジメトキシビフェニル、2,2´,5,5´−テトラクロロ−4,4´−ジアミノビフェニル、オルソ−トリジンスルホン、2,4´−ジアミノビフェニル、2,2´−ジアミノビフェニル、4,4´−ジアミノビフェニル、2,2´−ジクロロ−4,4´−ジアミノビフェニル、3,3´−ジクロロ−4,4´−ジアミノビフェニル、2,2´−ジメチル−4,4´−ジアミノビフェニル、4,4´−チオジアニリン、2,2´−ジチオジアニリン、4,4´−ジチオジアニリン、4,4´−ジアミノジフェニルエーテル、3,3´−ジアミノジフェニルエーテル、3,4´−ジアミノジフェニルエーテル、4,4´−ジアミノジフェニルメタン、3,4´−ジアミノジフェニルメタン、ビス(3−アミノ−4−クロロフェニル)スルホン、ビス(3,4−ジアミノフェニル)スルホン、4,4´−ジアミノジフェニルスルホン、3,3´−ジアミノジフェニルスルホン、3,4´−ジアミノジフェニルスルホン、3,3´−ジアミノジフェニルメタン、4,4´−ジアミノジフェニルアミン、4,4´−エチレンジアニリン、4,4´ジアミノ−2,2´−ジメチルジベンジル、3,3´−ジアミノベンゾフェノン、4,4´−ジアミノベンゾフェノン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン、4,4´−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニル、ジアニシジン、3,3´−ジクロロベンジジン、等の芳香族ジアミン類などが挙げられる。さらに3−アミノ−1,2,4−トリアゾール、2−アミノピリジン、3−アミノピリジン、4−アミノピリジン、α−アミノ−ε−カプロラクタム、アセトグアナミン、2,4−ジアミノ−6−[2´−メチルイミダゾリル−(1)]エチル−S−トリアジン、2,3−ジアミノピリジン、2,5−ジアミノピリジン、2,3,5−トリアミノピリジン、1−アミノ−4−メチルピペラジン、1−(2−アミノエチル)ピペラジン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、N−(3−アミノプロピル)モルホリン等の複素環化合物アミン類、メチルアミン、エチルアミン、ステアリルアミン、アリルアミン、イソプロピルアミン、2−エチルヘキシルアミン、エタノールアミン、3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロピルアミン、3−エトキシプロピルアミン、3−(ジエチルアミノ)プロピルアミン、3−(ジブチルアミノ)プロピルアミン、t−ブチルアミン、プロピルアミン、3−(メチルアミノ)プロピルアミン、3−(ジメチルアミノ)プロピルアミン、3−メトキシプロピルアミン、メチルヒドラジン、1−メチルブチルアミン、メタンジアミン、1,4−ジアミノブタン、シクロヘキサンメチルアミン、シクロヘキシルアミン、4−メチルシクロヘキシルアミン、2−ブロモエチルアミン、2−メトキシエチルアミン、2−エトキシメチルアミン、2−アミノ−1−プロパノール、2−アミノブタノール、3−アミノ−1,2−プロパンジオール、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパン、2−アミノエタンチオール、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ヘキサメチレンジアミン等の脂肪族アミン類等が挙げられる。これらのうち、好ましくは芳香族モノアミン類が用いられる。
【0103】
また一般式(XIII)のアミン化合物としてはアミノ基を2つ以上持つ化合物であれば特に制限はないが例えば4,4´−ジアミノ−3,3´−ジエチルジフェニルメタン、4,4´−ジアミノベンズアニリド、3,5−ジアミノクロロベンゼン、ジアミノジフェニルエーテル、3,3´−ジクロロ−4,4´−ジアミノジフェニルメタン、3,3´−ジメチル−4,4´−ジアミノジフェニルメタン、トリジンベース、ジアニシジン、ビス〔4−(m−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(p−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔3−メチル−4−(p−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、3,3´−ジメトキシ−4,4´−ジアミノビフェニル、3,3´−ジメチル−4,4´−ジアミノビフェニル、2,2´−ジクロロ−4,4´−ジアミノ−5,5´−ジメトキシビフェニル、2,2´,5,5´−テトラクロロ−4,4´−ジアミノビフェニル、オルソ−トリジンスルホン、2,4´−ジアミノビフェニル、2,2´−ジアミノビフェニル、4,4´−ジアミノビフェニル、2,2´−ジクロロ−4,4´−ジアミノビフェニル、3,3´−ジクロロ−4,4´−ジアミノビフェニル、2,2´−ジメチル−4,4´−ジアミノビフェニル、4,4´−チオジアニリン、2,2´−ジチオジアニリン、4,4´−ジチオジアニリン、4,4´−ジアミノジフェニルエーテル、3,3´−ジアミノジフェニルエーテル、3,4´−ジアミノジフェニルエーテル、4,4´−ジアミノジフェニルメタン、3,4´−ジアミノジフェニルメタン、ビス(3−アミノ−4−クロロフェニル)スルホン、ビス(3,4−ジアミノフェニル)スルホン、4,4´−ジアミノジフェニルスルホン、3,3´−ジアミノジフェニルスルホン、3,4´−ジアミノジフェニルスルホン、3,3´−ジアミノジフェニルメタン、4,4´−ジアミノジフェニルアミン、4,4´−エチレンジアニリン、4,4´ジアミノ−2,2´−ジメチルジベンジル、3,3´−ジアミノベンゾフェノン、4,4´−ジアミノベンゾフェノン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン、4,4´−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニル、ジアニシジン、3,3´−ジクロロベンジジン、トリジンベース、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン等の芳香族アミン類などが挙げられる。さらに上記アミン化合物の中でも特に下記式(I)の如き少なくとも2個のアミノ基を有するアニリン誘導体であることが好ましい。
【0104】
【化27】
【0105】
(式中、R1、R2、R3及びR4は、各々独立して、水素、ハロゲン、アルキル基、アルコシキ基またはアミノ基を表し、X1及びX2は、各々独立してアミノ基または式(b)で示される基を表し、
【0106】
【化28】
【0107】
Y1は−SO2−、−O−、−(S)n−、−(CH2)n−、−CO−、−CONH−、式(a)で示される下記の一群の基の何れか、
【0108】
【化29】
または存在しない場合を示す。nは1または2である。)
【0109】
また一般式(XIV)のOH基含有化合物としてはOH基を2つ以上持つ化合物であれば特に制限はないが例えば2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)ヘプタン、カテコール、3−メチルカテコール、3−メトキシカテコール、ピロガロール、ヒドロキノン、メチルヒドロキノン、p,p´−ビフェノール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ベンジル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、3,4−ジヒドロキシフェニル−4´−メチルフェニルスルホン、ビス(2−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(2−メチル−3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、4,4´−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4´−チオジフェノール、4,4´−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4´−ジヒドロキシジフェニルメタン、3,3´−ジヒドロキシジフェニルアミン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィド等のフェノール類があげられる。ただし、これらのジフェノール類としてアミノ基を有するものは好ましくない。アミノ基はOH基よりもイソシアナト基との反応性が高いのでアミノ基が先にイソシアナト基と反応し、目的とする化合物を得ることが困難な場合がある。またポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、アジペート系ポリオール、エポキシ変成ポリオール、ポリエーテルエステルポリオールポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンジオール、フェノール系ポリオール、アミン変成ポリオール等のポリエーテル系ポリオール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサングリコール、1,9−ノナンジオール、アクリルポリオール、フッ素ポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリヒドロキシポリオール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ヘキサントリオール、リン酸、ネオペンチルグリコール、ペンタエリスリトール、ヒマシ油系ポリオール、ポリマーポリオール、メチルペンタンジオール、含ハロゲンポリオール、含リンポリオール、エチレンジアミン、α−メチルグルコシド、ソルビトール、シュークローズ等のポリオール類が挙げられる。
【0110】
本発明に係わる式(VI)のウレアウレタン化合物は、製法に限定はないが例えばモノフェノール化合物と芳香族ジイソシアナート化合物及び下記一般式(XV)のジアミン化合物を、例えば下記反応式(G)または(H)にしたがって反応させることにより得ることができる。
【0111】
【化30】
【0112】
(式中、ベンゼン環の水素原子は芳香族化合物残基又は脂肪族化合物残基又は複素環化合物残基により置換されていてもよい。また、各残基は置換基を有していてもよい。γは−SO2−、−O−、−(S)n−、−(CH2)n−、−CO−、−CONH−、式(a)で示される下記の一群の基の何れか、
【0113】
【化31】
又は存在しない場合を示す。nは1または2である。)
【0114】
【化32】
【0115】
【化33】
【0116】
本発明に係わる式(VII)のウレアウレタン化合物は、製法に限定はないが例えばアニリン誘導体と芳香族ジイソシアナート化合物及び下記一般式(XVI)のジヒドロキシ化合物を、例えば下記反応式(J)または(K)にしたがって反応させることにより得ることができる。
【0117】
【化34】
【0118】
(式中、ベンゼン環の水素原子は芳香族化合物残基又は脂肪族化合物残基又は複素環化合物残基により置換されていてもよい。また、各残基は置換基を有していてもよい。δは−SO2−、−O−、−(S)n−、−(CH2)n−、−CO−、−CONH−、−NH−、−CH(COOR1)−、−C(CF3)2−、−CR2R3−の何れか又は存在しない場合を示す。R1、R2、R3はアルキル基を表し、nは1または2である。)
【0119】
【化35】
【0120】
【化36】
【0121】
本発明に係わる式(VI)及び(VII)のウレアウレタン化合物を合成するときに用いることができる化合物について以下で詳しく説明する。
【0122】
式(VI)のウレアウレタン化合物を合成する時に用いることができるモノフェノール化合物としては、ベンゼン環に一つOH基が存在する化合物であれば特に制限はないが、例えばフェノール、クレゾール、キシレノール、p−エチルフェノール、o−イソプロピルフェノール、レゾルシン、p−tert−ブチルフェノール、p−tert−オクチルフェノール、2−シクロヘキシルフェノール、2−アリルフェノール、4−インダノール、チモール、2−ナフトール、p−ニトロフェノール、o−クロロフェノール、p−クロロフェノール、4−フェニルフェノール、4−ヒドロキシフェニル−4´−メチルフェニルスルホン、3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル−4´−メチルフェニルスルホン、4−イソプロピルフェニル−4´−ヒドロキシフェニルスルホン、4−イソプロピルオキシフェニル−4´−ヒドロキシフェニルスルホン、4−ヒドロキシフェニル−4´−ベンジルオキシフェニルスルホン、4−イソプロピルフェニル−4´−ヒドロキシフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4´−イソプロポキシジフェニルスルホン、サリチル酸フェニル、サリチルアニリド、4−ヒドロキシ安息香酸メチル、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4−ヒドロキシ安息香酸(4´−クロロベンジル)、3−ヒドロキシフタル酸ジメチル、4−メトキシフェノール、4−(ベンジルオキシ)フェノール、4−ヒドロキシベンズアルデヒド、4−n−オクチルオキシサリチル酸、4−n−ブチルオキシサリチル酸、4−n−ペンチルオキシサリチル酸、3−n−ドデシルオキシサリチル酸、3−n−オクタノイルオキシサリチル酸、4−n−オクチルオキシカルボニルアミノサリチル酸、4−n−オクタノイルオキシカルボニルアミノサリチル酸等のフェノール類があげられる。ただし、これらのフェノール類としてはアミノ基を有するものは好ましくない。
【0123】
アミノ基はOH基よりもイソシアナト基との反応性が高いのでアミノ基が先にイソシアナト基と反応し、目的とする化合物を得ることが困難な場合がある。
【0124】
また式(VI)、(VII)のウレアウレタン化合物を合成する時に用いることができる芳香族ジイソシアナート化合物としてはベンゼン環に結合したイソシアナト基を2つ有する芳香族ジイソシアナートであれば他に特に制限はないが、例えばパラフェニレンジイソシアナート、2,5−ジメトキシベンゼン−1,4−ジイソシアナート、2,4−トルエンジイソシアナート、2,6−トルエンジイソシアナート等があげられる。とくに好ましい例としてトルエンジイソシアナート類を挙げることができる。トルエンジイソシアナート類としては、2,4−トルエンジイソシアナートが好ましいが、この他に2,4−トルエンジイソシアナートと2,6−トルエンジイソシアナートの混合物が一般に市販されており、安価に入手することが可能であるがこれでもよい。これらのトルエンジイソシアナート異性体混合物は常温で液体である。
【0125】
また式(VI)のウレアウレタン化合物を合成する時に用いることができる一般式(XV)のジアミン化合物としては例えば4,4´−ジアミノ−3,3´−ジエチルジフェニルメタン、4,4´−ジアミノベンズアニリド、3,5−ジアミノクロロベンゼン、ジアミノジフェニルエーテル、3,3´−ジクロロ−4,4´−ジアミノジフェニルメタン、3,3´−ジメチル−4,4´−ジアミノジフェニルメタン、トリジンベース、ジアニシジン、ビス〔4−(m−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(p−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔3−メチル−4−(p−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、3,3´−ジメトキシ−4,4´−ジアミノビフェニル、3,3´−ジメチル−4,4´−ジアミノビフェニル、2,2´−ジクロロ−4,4´−ジアミノ−5,5´ジメトキシビフェニル、2,2´,5,5´−テトラクロロ−4,4´−ジアミノビフェニル、オルソ−トリジンスルホン、2,4´−ジアミノビフェニル、2,2´−ジアミノビフェニル、4,4´−ジアミノビフェニル、2,2´−ジクロロ−4,4´−ジアミノビフェニル、3,3´−ジクロロ−4,4´−ジアミノビフェニル、2,2´−ジメチル−4,4´−ジアミノビフェニル、4,4´チオジアニリン、2,2´−ジチオジアニリン、4,4´−ジチオジアニリン、4,4´−ジアミノジフェニルエーテル、3,3´−ジアミノジフェニルエーテル、3,4´−ジアミノジフェニルエーテル、4,4´−ジアミノジフェニルメタン、3,4´−ジアミノジフェニルメタン、ビス(3−アミノ−4−クロロフェニル)スルホン、ビス(3,4−ジアミノフェニル)スルホン、4,4´−ジアミノジフェニルスルホン、3,3´−ジアミノジフェニルスルホン、3,4´−ジアミノジフェニルスルホン、3,3´−ジアミノジフェニルメタン、4,4´−ジアミノジフェニルアミン、4,4´−エチレンジアニリン、4,4´ジアミノ−2,2´−ジメチルジベンジル、3,3´−ジアミノベンゾフェノン、4,4´−ジアミノベンゾフェノン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン、4,4´−ビス(4−アミノフェノキシ)ジフェニル、ジアニシジン、3,3´−ジクロロベンジジン等の芳香族ジアミン類などが挙げられる。
【0126】
また式(VII)のウレアウレタン化合物を合成するときに用いることができるアニリン誘導体としては、アミノ基をベンゼン環に一つ持つアニリン化合物であれば他に特に制限はないが、例えばアニリン、o−トルイジン、m−トルイジン、p−トルイジン、o−アニシジン、p−アニシジン、p−フェネチジン、N,N−ジメチル−p−フェニレンジアミン、N,N−ジエチル−p−フェニレンジアミン、2,4−ジメトキシアニリン、2,5−ジメトキシアニリン、3,4−ジメトキシアニリン、p−アミノアセトアニリド、p−アミノ安息香酸、o−アミノフェノール、m−アミノフェノール、p−アミノフェノール、2,3−キシリジン、2,4−キシリジン、3,4−キシリジン、2,6−キシリジン、4−アミノベンゾニトリル、アントラニル酸、p−クレシジン、2,5−ジクロロアニリン、2,6−ジクロロアニリン、3,4−ジクロロアニリン、3,5−ジクロロアニリン、2,4,5−トリクロロアニリン、o−エチルアニリン、o−クロロアニリン、m−クロロアニリン、p−クロロアニリン、p−アミノ安息香酸メチル、p−アミノ安息香酸エチル、p−アミノ安息香酸n−プロピル、p−アミノ安息香酸イソプロピル、、p−アミノ安息香酸ブチル、p−アミノ安息香酸ドデシル、p−アミノ安息香酸ベンジル、o−アミノベンゾフェノン、m−アミノアセトフェノン、p−アミノアセトフェノン、m−アミノベンズアミド、o−アミノベンズアミド、p−アミノベンズアミド、p−アミノ−N−メチルベンズアミド、3−アミノ−4−メチルベンズアミド、3−アミノ−4−メトキシベンズアミド、3−アミノ−4−クロロベンズアミド、p−(N−フェニルカルバモイル)アニリン、p−〔N−(4−クロロフェニル)カルバモイル〕アニリン、p−〔N−(4−アミノフェニル)カルバモイル〕アニリン、2−メトキシ−5−(N−フェニルカルバモイル)アニリン、2−メトキシ−5−〔N−(2´−メチル−3´−クロロフェニル)カルバモイル〕アニリン、2−メトキシ−5−〔N−(2´−クロロフェニル)カルバモイル〕アニリン、5−アセチルアミノ−2−メトキシアニリン、4−アセチルアミノアニリン、4−(N−メチル−N−アセチルアミノ)アニリン、2,5−ジエトキシ−4−(N−ベンゾイルアミノ)アニリン、2,5−ジメトキシ−4−(N−ベンゾイルアミノ)アニリン、2−メトキシ−4−(N−ベンゾイルアミノ)−5−メチルアニリン、4−スルファモイルアニリン、3−スルファモイルアニリン、2−(N−エチル−N−フェニルアミノスルホニル)アニリン、4−ジメチルアミノスルホニルアニリン、4−ジエチルアミノスルホニルアニリン、スルファチアゾール、4−アミノジフェニルスルホン、2−クロロ−5−N−フェニルスルファモイルアニリン、2−メトキシ−5−N,N−ジエチルスルファモイルアニリン、2,5−ジメトキシ−4−N−フェニルスルファモイルアニリン、2−メトキシ−5−ベンジルスルホニルアニリン、2−フェノキシスルホニルアニリン、2−(2´−クロロフェノキシ)スルホニルアニリン、3−アニリノスルホニル−4−メチルアニリン、o−クロロ−p−ニトロアニリン、o−ニトロ−p−クロロアニリン、2,6−ジクロロ−4−ニトロアニリン、5−クロロ−2−ニトロアニリン、2−アミノ−4−クロロフェノール、o−ニトロアニリン、m−ニトロアニリン、p−ニトロアニリン、2−メチル−4−ニトロアニリン、m−ニトローp−トルイジン、2−アミノ−5−ニトロベンゾニトリル、p−フルオロアニリン、o−フルオロアニリン、3−クロロ−4−フルオロアニリン、2,4−ジフルオロアニリン、2,3,4−トリフルオロアニリン、m−アミノベンゾトリフルオリド、2−アミノ−3−ブロモ−5−ニトロベンゾニトリル等が挙げられる。
【0127】
また式(VII)のウレアウレタン化合物を合成するときに用いることができる一般式(XVI)のジヒドロキシ化合物としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)ヘプタン、4,4´−ビフェノール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ベンジル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(2−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(2−メチル−3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、4,4´−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4´−チオジフェノール、4,4´−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4´−ジヒドロキシジフェニルメタン、3,3´−ジヒドロキシジフェニルアミン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィド等のジフェノール類があげられる。ただし、これらのジフェノール類としてはアミノ基を有するものは好ましくない。アミノ基はOH基よりもイソシアナト基との反応性が高いのでアミノ基が先にイソシアナト基と反応し、目的とする化合物を得ることが困難な場合がある。
【0128】
一般式(VIII)のウレアウレタン化合物の合成法については、特に限定はないが例えば一般式(IX)のOH基含有化合物と一般式(XII)のイソシアナート化合物及び一般式(XI)のアミン化合物を、例えば下記反応式(L)にしたがって反応させることにより得ることができる。
【0129】
【化37】
【0130】
なお、一般式(VIII)のウレアウレタン化合物のウレタン基と結合しているXの置換基としては、アルキル基、アルケニル基、フェニル基、シクロアルキル基、アミド基、アルコキシル基、ニトロ基、ニトロソ基、ニトリル基、トルエンスルホニル基、メタンスルホニル基、アセチル基、ハロゲン原子、ホルミル基、ジアルキルアミノ基、イソシアナト基が好ましい。
【0131】
これら一般式(II)〜(VIII)のウレアウレタン化合物顕色剤のうち、好ましいものは一般式(III)〜(VII)の化合物であり、特に好ましいものは一般式(VI)〜(VII)の化合物である。
【0132】
また、式(II)〜(V)、(VIII)のウレアウレタン化合物顕色剤においては、ウレア基あるいはウレタン基と結合している残基が脂肪族化合物残基の場合、発色濃度及び印字保存性能が低下することがあり、ウレア基あるいはウレタン基と結合している残基は、芳香族化合物残基または複素環化合物残基であることが好ましい。しかし、脂肪族化合物残基が化合物中に導入されることによって生じる可能性のある発色濃度及び印字保存性能の低下は、ウレア基とウレタン基の数が増えることによって軽減され、式(IV)、式(V)の化合物ではウレア基あるいはウレタン基と結合している残基の中に脂肪族化合物残基が存在しても性能上の問題はほとんど生じない。
【0133】
本発明に係わるウレアウレタン化合物を得るには、イソシアナートに該反応剤を有機溶媒中または無溶媒にて混合・反応後、濾過にて結晶を取り出せば目的物が得られる。反応剤は目的に応じて単独または複数種類用いてもよい。また溶媒はイソシアナト基及び反応剤の官能基との反応を起こさないものであれば何でもよく、例えば、脂肪族系炭化水素、脂環族系炭化水素、芳香族系炭化水素、塩素化脂肪族炭化水素、塩素化芳香族炭化水素、塩素化脂環族炭化水素、ケトン等が挙げられる。特に、イソシアナートを溶解し、且つ生成物の溶解度の小さいメチルエチルケトン、トルエンなどが好ましい。上記反応操作にて得られる生成物は必ずしも単品とは限らず、置換基の位置の異なる化合物の混合物として得られることもある。
【0134】
本発明のウレアウレタン化合物顕色剤は、通常常温固体の無色または淡色の化合物である。
【0135】
本発明のウレアウレタン化合物顕色剤の分子量は5000以下であることが好ましく、さらには2000以下であることが好ましい。
【0136】
本発明のウレアウレタン化合物顕色剤中のウレア基及びウレタン基の数は合わせて20以下であることが好ましく、さらには10以下であることが好ましい。
また、当該ウレアウレタン化合物分子構造中のウレア基とウレタン基の比率は、1:3〜3:1が好ましく、特に1:2〜2:1が好ましい。
【0137】
ウレアウレタン化合物顕色剤を用いて感熱記録材料を作成するに当たっては当該ウレアウレタン化合物の1種類あるいは必要に応じて2種類以上を併用することもできる。
【0138】
また感熱記録材料においては融点を持った化合物の方が好ましく、本発明のウレアウレタン化合物顕色剤の融点は好ましくは40℃から500℃、特に好ましくは60℃から300℃の範囲にあることが望ましい。
【0139】
本発明によるウレアウレタン化合物顕色剤を感熱記録材料において用いる場合、ウレアウレタン化合物顕色剤の平均粒子径を0.05μm以上、5μm以下とすることによって発色感度が十分で、しかも発色した記録画像は著しく安定で耐可塑剤性の良好な感熱記録材料が得られる。さらに好ましくは、平均粒子径が0.1μm以上、3μm以下である。平均粒子径が0.05μm未満では、可塑剤に対する地肌保存性が悪くなる。一方、平均粒子径が5μm以上では、感熱記録材料の感度が低下する。
【0140】
ウレアウレタン化合物顕色剤を粉砕し分散液の形にするには、ウレアウレタン化合物顕色剤の1種または複数種を、水溶性高分子、界面活性剤などの分散剤を含有する水溶液中でサンドグラインダー等で微粉砕することによって得られる。
【0141】
ウレアウレタン化合物顕色剤を粉砕する場合、粉砕時の液温は60℃以下であることが好ましい。ウレアウレタン化合物顕色剤は粉砕する際に、水と接触することにより、条件によってはウレタン基の加水分解が進行し、ウレアウレタン化合物顕色剤を用いた感熱記録材料の感度低下が生じるおそれがある。特に粉砕時の液温が60℃より高い場合は、感度低下が大きい。粉砕時の液温は、さらに好ましくは40℃以下である。
【0142】
また、ウレアウレタン化合物顕色剤を粉砕する場合、粉砕時のpHを5〜10とすることによってさらに感熱記録材料の感度を向上することができる。粉砕時のpHが5未満では感熱塗液作成時、無機顔料等の分解が生じ、感度が低下するおそれがある。一方、pHが10より大きいとウレアウレタン化合物顕色剤の加水分解が起こり感度が低下することがある。
【0143】
本発明でウレアウレタン化合物顕色剤を粉砕し分散液の形にするのに用いることができる分散剤の具体例としては、ポリビニルアルコール、カルボン酸変性ポリビニルアルコール、スルホン酸変性ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどの水溶性高分子、縮合ナフタレンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩(例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム)、ジアルキルスルホコハク酸エステルナトリウム、アルキルリン酸塩(例えば、アルキルリン酸ジエタノールアミン、アルキルリン酸カリウム)、特殊カルボン酸型高分子などのアニオン系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセライド、ポリエチレングリコール脂肪酸エステルなどのノニオン系界面活性剤、ジシアンアミドポリアミン、第3級アミン塩、第4級アンモニウム塩などのカチオン系界面活性剤をあげることができる。これらの中でも特に水溶性高分子及びアニオン系界面活性剤がウレアウレタン化合物顕色剤を分散する条件によらず高感度の感熱記録材料が得られ、かつウレアウレタン化合物顕色剤の平均粒子径の大きさによらず可塑剤に対する地肌保存性を向上させた感熱記録材料が得られ好ましい。さらにはポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、縮合ナフタレンスルホン酸ソーダ、ポリカルボン酸アンモニウム塩、水溶性低分子コポリマー及び2−エチルヘキシルスルホコハク酸ソーダが好ましい。さらにこの中でもメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、縮合ナフタレンスルホン酸ソーダ、水溶性低分子コポリマーが好ましく、特にヒドロキシプロピルメチルセルロースが最も好ましい。これらは、単独でも混合しても使用できる。
【0144】
次に本発明の感熱記録材料に含有される熱可融性物質は、既に感熱記録材料に用いられる材料として公知の化合物であり、特に限定されるものではないが、60℃〜180℃の融点を有するものが好ましく、特に80℃〜140℃の融点を有するものが好ましい。例えば、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド、N−メチロールステアリン酸アミド、β−ナフチルベンジルエーテル、N−ステアリルウレア、N,N´−ジステアリルウレア、β−ナフトエ酸フェニルエステル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニルエステル、β−ナフトール(p−メチルベンジル)エーテル、1,4−ジメトキシナフタレン、1−メトキシ−4−ベンジルオキシナフタレン、N−ステアロイルウレア、p−ベンジルビフェニル、1,2−ジ(m−メチルフェノキシ)エタン、1−フェノキシ−2−(4−クロロフェノキシ)エタン、1,4−ブタンジオールフェニルエーテル、ジメチルテレフタレート、メタターフェニル、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸ジ−p−メチルベンジルエステル、シュウ酸(p−クロロベンジル)エステル等が挙げられる。さらに、4,4´−ジメトキシベンゾフェノン、4,4´−ジクロロベンゾフェノン、4,4´−ジフルオロベンゾフェノン、ジフェニルスルホン、4,4´−ジクロロジフェニルスルホン、4,4´−ジフルオロジフェニルスルホン、4,4´ジクロロジフェニルジサルファイド、ジフェニルアミン、2−メチル−4−メトキシジフェニルアミン、N,N´−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、1−(N−フェニルアミノ)ナフタレン、ベンジル、1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオン等を用いてもよい。これらのうち、好ましくはジフェニルスルホン、シュウ酸ジ−p−メチルベンジルエステル、ベンジルが感熱記録材料の感度及び可塑剤に対する保存性を向上させる上で好ましく用いられる。
【0145】
前記熱可融性物質は、単独でも、あるいは二種以上を混合して使用してもよく、十分な熱応答性を得るためには、ウレアウレタン化合物顕色剤100重量部に対して10〜500重量部用いることが好ましく、さらに、20〜250重量部用いることがより好ましい。
【0146】
本発明で熱可融性物質を粉砕し分散液の形にするのに用いることができる分散剤としては、ウレアウレタン化合物顕色剤の分散で用いる分散剤と同様の化合物を用いることができる。中でも特に水溶性高分子及びアニオン系界面活性剤が感熱記録材料の可塑剤に対する地肌保存性を向上させる上で好ましく、さらにはポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、縮合ナフタレンスルホン酸ソーダ、ポリカルボン酸アンモニウム塩、水溶性低分子コポリマー及び2−エチルヘキシルスルホコハク酸ソーダが好ましい。さらにこの中でも変性ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、縮合ナフタレンスルホン酸ソーダ、ポリカルボン酸アンモニウム塩が好ましく、特にヒドロキシプロピルメチルセルロースが最も好ましい。これらの分散剤は、単独でも混合しても使用できる。
【0147】
また、ウレアウレタン化合物顕色剤を粉砕する場合、上記熱可融性物質と同時に微粉砕(共粉砕)することによって、各化合物を単独で微粉砕したのち混合する場合に比べ、さらに感熱記録材料の感度が向上し、耐可塑剤性が向上する。これらの効果が得られる理由は必ずしも明確ではない。
【0148】
さらに、ウレアウレタン化合物顕色剤の分散剤としてメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、縮合ナフタレンスルホン酸ソーダ及び水溶性低分子コポリマーの中から選ばれる何れか1つ以上を用い、熱可融性物質の分散剤として変性ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、縮合ナフタレンスルホン酸ソーダ及びポリカルボン酸アンモニウム塩の中から選ばれる何れか1つ以上を用いることによって、感熱記録材料の未印字部(地肌)の耐湿性を向上することができる。
【0149】
次に本発明の感熱記録材料に含有される無色または淡色の染料前駆体は、既に感熱記録材料に用いられる発色剤として公知の化合物であり、特に限定されるものではないが、電子供与性染料前駆体が好ましく、更にはロイコ染料が好ましく、特にトリアリールメタン系ロイコ染料、フルオラン系ロイコ染料、フルオレン系ロイコ染料、ジフェニルメタン系ロイコ染料などが好ましい。以下に代表的な染料前駆体を例示する。
【0150】
(1)トリアリールメタン系化合物
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(クリスタルバイオレットラクトン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,2−ジメチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−メチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−フェニルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(1,2−ジメチルインドール−3−イル)−6−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(9−エチルカルバゾール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(2−フェニルインドール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド、3−p−ジメチルアミノフェニール−3−(1−メチルピロール−2−イル)−6−ジメチルアミノフタリド等。
【0151】
(2)ジフェニルメタン系化合物
4,4−ビス−ジメチルアミノフェニルベンズヒドリルベンジルエーテル、N−ハロフェニルロイコオーラミン、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミン等。
【0152】
(3)キサンテン系化合物
ローダミンBアニリノラクタム、ローダミンB−p−クロロアニリノラクタム、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−オクチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−フェニルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−メチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(3,4−ジクロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−トリル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−トリル)アミノ−6−メチル−7−フェネチルフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(4−ニトロアニリノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−プロピル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−メチル−N−シクロヘキシル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−テトラヒドロフリル)アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン等。
【0153】
(4)チアジン系化合物
ベンゾイルロイコメチレンブルー、p−ニトロベンゾイルロイコメチレンブルー等。
【0154】
(5)スピロ系化合物
3−メチルスピロジナフトピラン、3−エチルスピロジナフトピラン、3,3−ジクロロスピロジナフトピラン、3−ベンジルスピロジナフトピラン、3−メチルナフト−(3−メトキシベンゾ)スピロピラン、3−プロピルスピロベンゾピラン等である。
【0155】
また、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレン−9−スピロ−3´−(6´−ジメチルアミノフタリド)、3−ジエチルアミノ−6−ジメチルアミノフルオレン−9−スピロ−3´−(6´−ジメチルアミノフタリド)、3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオレン−9−スピロ−3´−(6´−ジメチルアミノフタリド)、3−ジブチルアミノ−6−ジメチルアミノフルオレン−9−スピロ−3´−(6´−ジメチルアミノフタリド)、3−ジブチルアミノ−6−ジエチルアミノフルオレン−9−スピロ−3´−(6´−ジメチルアミノフタリド)、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレン−9−スピロ−3´−(6´−ジエチルアミノフタリド)、3−ジエチルアミノ−6−ジメチルアミノフルオレン−9−スピロ−3´−(6´−ジエチルアミノフタリド)、3−ジブチルアミノ−6−ジメチルアミノフルオレン−9−スピロ−3´−(6´−ジエチルアミノフタリド)、3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオレン−9−スピロ−3´−(6´−ジエチルアミノフタリド)、3,6−ビス(ジメチルアミノ)フルオレン−9−スピロ−3´−(6´−ジブチルアミノフタリド)、3−ジブチルアミノ−6−ジエチルアミノフルオレン−9−スピロ−3´−(6´−ジエチルアミノフタリド)、3−ジエチルアミノ−6−ジメチルアミノフルオレン−9−スピロ−3´−(6´−ジブチルアミノフタリド)、3,3−ビス[2−(4−ジメチルアミノフェニル)−2−(4−メトキシフェニル)エテニル]−4,5,6,7,−テトラクロロフタリド等の近赤外に吸収領域を持つ化合物等である。なお、これらの無色または淡色の染料前駆体は必要に応じて二種類以上を併用することができる。
【0156】
無色または淡色の染料前駆体100重量部に対しウレアウレタン化合物顕色剤は5〜1000重量部使用することが好ましく、さらに好ましくは20〜500重量部である。ウレアウレタン化合物顕色剤が5重量部以上であれば、染料前駆体を発色させるには十分であり、発色濃度も高い。また、ウレアウレタン化合物顕色剤が1000重量部以下であれば、過剰のウレアウレタンの化合物顕色剤が残りにくく、経済的にも有利であり好ましい。
【0157】
本発明で無色または淡色の染料前駆体を粉砕し分散液の形にするのに用いることができる分散剤としては、ウレアウレタン化合物顕色剤の分散で用いる分散剤と同様の化合物を用いることができる。中でも特に水溶性高分子、アニオン系界面活性剤及び両者の混合分散剤が感熱記録材料の感度及び可塑剤に対する地肌保存性を向上させる上で好ましい。さらには水溶性高分子がメチルセルロースまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースであり、アニオン系界面活性剤がポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩または2−エチルヘキシルスルホコハク酸ソーダである混合分散剤が好ましい。特にヒドロキシプロピルメチルセルロースと2−エチルヘキシルスルホコハク酸ソーダの混合分散剤が最も好ましい。
【0158】
本発明の感熱記録材料において、さらに必要に応じて酸性顕色剤を加えることにより感度が向上し鮮明な発色の感熱記録材料が得られる。
【0159】
酸性顕色剤としては、一般に使用される電子受容性の物質が用いられ、特にフェノール誘導体、芳香族カルボン酸誘導体あるいはその金属化合物、サリチル酸誘導体又はその金属塩、N,N−ジアリールチオ尿素誘導体、スルホニルウレア誘導体等が好ましい。特に好ましいものはフェノール誘導体であり、具体的には、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)ヘプタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ベンジル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、4−ヒドロキシフェニル−4´−メチルフェニルスルホン、3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル−4´−メチルフェニルスルホン、3,4−ジヒドロキシフェニル−4´−メチルフェニルスルホン、4−イソプロピルフェニル−4´−ヒドロキシフェニルスルホン、4−イソプロピルオキシフェニル−4´−ヒドロキシフェニルスルホン、ビス(2−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、4−ヒドロキシフェニル−4´−ベンジルオキシフェニルスルホン、4−イソプロピルフェニル−4´−ヒドロキシフェニルスルホン、ビス(2−メチル−3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、4−ヒドロキシ安息香酸メチル、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4−ヒドロキシ安息香酸(4´−クロロベンジル)、1,2−ビス(4´−ヒドロキシ安息香酸)エチル、1,5−ビス(4´−ヒドロキシ安息香酸)ペンチル、1,6−ビス(4´−ヒドロキシ安息香酸)ヘキシル、3−ヒドロキシフタル酸ジメチル、没食子酸ステアリル、没食子酸ラウリルなどを挙げることができる。またサリチル酸誘導体としては4−n−オクチルオキシサリチル酸、4−n−ブチルオキシサリチル酸、4−n−ペンチルオキシサリチル酸、3−n−ドデシルオキシサリチル酸、3−n−オクタノイルオキシサリチル酸、4−n−オクチルオキシカルボニルアミノサリチル酸、4−n−オクタノイルオキシカルボニルアミノサリチル酸等があげられる。またスルホニルウレア誘導体の例としては4,4−ビス(p−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン、4,4−ビス(o−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン4,4−ビス(p−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルスルフィド、4,4−ビス(p−トルエンスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルエーテル、N−(p−トルエンスルホニル)−N´−フェニル尿素等のアリールスルホニルアミノウレイド基を一個以上含有する化合物があげられる。
【0160】
更に、地肌かぶりや熱応答性等の向上のために、N−ステアリル−N´−(2−ヒドロキシフェニル)ウレア、N−ステアリル−N´−(3−ヒドロキシフェニル)ウレア、N−ステアリル−N´−(4−ヒドロキシフェニル)ウレア、p−ステアロイルアミノフェノール、o−ステアロイルアミノフェノール、p−ラウロイルアミノフェノール、p−ブチリルアミノフェノール、m−アセチルアミノフェノール、o−アセチルアミノフェノール、p−アセチルアミノフェノール、o−ブチルアミノカルボニルフェノール、o−ステアリルアミノカルボニルフェノール、p−ステアリルアミノカルボニルフェノール、1,1,3−トリス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−6−エチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル)プロパン、1,2,3−トリス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル)ブタン、1,1,3−テトラ(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3,3−テトラ(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル)ブタン、1,1−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル)ブタン等のフェノール化合物を添加することも可能である。
【0161】
無色または淡色の染料前駆体100重量部に対し、上記の酸性顕色剤は5〜500重量部使用することが好ましく、さらに好ましくは20〜200重量部である。酸性顕色剤が5重量部以上であれば染料前駆体の発色が良く、発色濃度も高い。また、酸性顕色剤500重量部以下であれば、酸性顕色剤が残りにくく、経済的にも有利であり好ましい。
【0162】
その他、感熱記録層には顔料として、ケイソウ土、タルク、カオリン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化珪素、水酸化アルミニウム、尿素−ホルマリン樹脂等を含有させることもできる。また、ヘッド摩耗防止、スティッキング防止などの目的でステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩、パラフィン、酸化パラフィン、ポリエチレン、酸化ポリエチレン、ステアリン酸アミド、カスターワックス等のワックス類を、また、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等の分散剤、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系などの紫外線吸収剤、さらに界面活性剤、蛍光染料等も必要に応じて含有させることができる。
【0163】
さらに本発明に係わる感熱記録材料においては、ヒンダードフェノール化合物又は紫外線吸収剤を感熱記録層に含んでもよい。例えば1,1,3−トリス(3´−シクロヘキシル−4´ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、4,4´−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、2,2´−ジヒドロキシ−4,4´−ジメトキシベンゾフェノン、p−オクチルフェニルサリシレート、2−(2´−ヒドロキシ−5´−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、エチル−2−シアノ−3,3´−ジフェニルアクリレート、テトラ(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボエートなどである。
【0164】
感熱記録層の形成に用いることができるバインダーとしては、例えば、デンプン類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ソーダ、アクリルアミド/アクリル酸エステル共重合体、アクリルアミド/アクリル酸エステル/メタクリル酸3元共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、エチレン/無水マレイン酸共重合体のアルカリ塩等の水溶性バインダー、及びスチレン/ブタジエン共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン共重合体、アクリル酸メチル/ブタジエン共重合体などのラテックス系水不溶性バインダー等が挙げられる。
【0165】
感熱記録層等が設けられる支持体としては、紙が主として用いられるが、紙の他に各種織布、不織布、合成樹脂フィルム、ラミネート紙、合成紙、金属箔、あるいはこれらを組み合わせた複合シートを目的に応じて任意に用いることができる。この支持体の坪量としては、40g/m2〜200g/m2が望ましく、感熱記録材料として出来るだけ高い平面性が望まれることから表面の平滑性及び平面性の優れるものが望ましいので、そのためマシンカレンダー、ソフトカレンダー及びスーパーカレンダー等で熱及び圧力を加えて表面処理することが好ましい。
【0166】
また、支持体の表面pHは、3〜9であることが好ましく、さらに好ましくはpH5〜9であり、さらには、pH6〜8であることが特に好ましい。支持体の表面pHが3未満では地肌被りが生じる傾向にあり、pH9を越えるとウレアウレタン化合物顕色剤が分解し、発色濃度が低下する場合がある。
【0167】
感熱記録層は単一の層で構成されていても複数で構成されていてもよい。例えば、各発色成分を一層ずつに含有させ、多層構造としてもよい。
【0168】
本発明においては、ウレアウレタン化合物顕色剤を含有する発色剤を、塗布などの方法で何らかの支持体上に感熱記録層を形成せしめることにより、感熱記録材料とすることができる。
【0169】
感熱記録層の形成は、上記のウレアウレタン化合物、ロイコ染料のごとき無色又は淡色の染料前駆体、熱可融性物質等を分散液の形にして他の必要な成分とともに支持体上に塗工して行う。分散液の調製は、これらのそれぞれの化合物の1種または複数種を、水溶性高分子、界面活性剤など分散剤を含有する水溶液中でサンドグラインダー等で微粉砕することにより得られる。各分散液の粒子径は、ウレアウレタン化合物については0.05〜5μmとすることが好ましく、他の成分については0.1〜10μm特に1μm前後とする事が好ましい。また、ウレアウレタン化合物、無色または淡色の染料前駆体を含有する塗液のpHは5〜12であることが好ましい。塗液のpHが5未満では、地肌被りが生じる傾向にあり、pH12を越えるとウレアウレタン化合物顕色剤が分解し、発色濃度が低下する場合がある。
【0170】
この感熱記録層は、各発色成分あるいはその他の成分を微粉砕して得られる各々の水性分散液とバインダー等を混合し、支持体上に塗布、乾燥することにより得ることができる。
【0171】
また、本発明の方法で製造される感熱記録材料には、必要に応じて裏面層(バックコート層)を設けると、感熱記録材料のカール矯正、帯電防止、摩擦係数調整をすることができる。裏面層の塗液成分、塗工方法等は、感熱記録層の形成方法と同様の方法を用いることができる。乾燥塗工量は0.2〜10.0g/m2の範囲が好ましい。
【0172】
さらにまた、感熱記録層と支持体との間に、1層又は複数層からなる中間層を設け、熱応答性を向上させることができる。中間層は有機、無機顔料、中空粒子と、水溶性高分子、ラテックス等の水系バインダーを主体としたものであり、感熱記録層と同様の有機、無機顔料と水系バインダーを使用することができる。中間層の形成方法についても特に限定されず、感熱記録層の形成方法と同様の方法を用いることができる。乾燥塗工量は2.0〜15.0g/m2の範囲が好ましい。この場合、支持体上に設けた中間層の表面pHも3〜9であることが好ましく、さらに好ましくはpH5〜9であり、さらには、pH6〜8であることが特に好ましい。
【0173】
本発明の感熱記録材料の感熱記録層の上に必要に応じて保護層を設けると感熱記録材料の耐擦過性を向上することができる。保護層の主成分は皮膜形成性のポリマーである。かかる保護層に使用されるポリマーとしてはメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、澱粉類、ゼラチン、アラビアゴム、カゼイン、スチレン−無水マレイン酸共重合体加水分解物、スチレン−無水マレイン酸共重合体ハーフエステル加水分解物、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体加水分解物、ポリビニルアルコール、シリカ変性ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、アルキン酸ナトリウムなどの水溶性高分子及びスチレン−ブタジエンゴムラテックス、アクリロニトリル−ブタジエンゴムラテックス、アクリル酸メチル−ブタジエンゴムラテックス、ポリ酢酸ビニルエマルジョンなどの水不溶性ポリマーがあり、これらのポリマーは単独で使用され、あるいは2種以上を併用することもできる。
【0174】
上記の保護層中には印字時のサーマルヘッドとのマッチング性の向上、保護層の耐水性の向上などの目的で顔料、金属石鹸、ワックス、架橋剤などが添加される。
【0175】
顔料には酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、リトポン、タルク、臘石、カオリン、水酸化アルミニウム、シリカ、非晶質シリカなどがあり、それらの添加量はポリマーの総重量の0.5〜4倍、特に好ましくは0.8〜3.5倍の量である。上記の範囲の下限以下の量ではヘツドマッチング性の向上に無効であり、上限以上の量では感熱記録材料の感度の低下が著しくその商品価値を損ねる。
【0176】
金属石鹸にはステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウムなどの高級脂肪酸金属塩のエマルジョンなどがあり、保護層全重量の0.5〜20重量%、好ましくは1〜10重量%の割合の量で添加される。ワックスにはパラフインワックス、マイクロクリスタリンワックス、カルナバワックス、メチロールステアロアミド、ポリエチレンワックスなどのエマルジョンがあり、保護層全重量の1〜20重量%、好ましくは1〜10重量%の割合の量で添加される。
【0177】
また感熱層上に保護層を形成させるに際して、均一な塗布層とするため保護層形成用塗布液には界面活性剤が添加される。界面活性剤にはスルホこはく酸系のアルカリ金属塩、弗素含有界面活性剤などがあり、具体的にはジ−(2−エチルヘキシル)スルホこはく酸、ジ−(n−ヘキシル)スルホこはく酸などのナトリウム塩またはアンモニウム塩などがあるが、一般にアニオン系界面活性剤であればいかなるものでも有効である。保護層の乾燥塗布量は0.5〜10g/m2程度が好ましく、特に1〜5g/m2程度の量が好ましい。
【0178】
以下、実施例によって本発明を更に詳しく説明する。
なお、各物性の評価は以下の方法で行った。
【0179】
<発色感度>
大倉電機製印字試験機で、サーマルヘッドは京セラ製KJT−256−8MGF1を用いて印可電圧24Vパルス幅1.5msecでの発色濃度を光学濃度計で測定した。
【0180】
<耐可塑剤性>
感熱記録材料を塩化ビニルラップにはさみ、上から300g/cm2の荷重をかけ、40℃に24時間放置して、放置後に印字部の濃度を目視評価し、印字濃度の消色の少ないものを印字保存性良好とした。また、地肌部の濃度を目視評価し、地肌発色の少ないものを地肌保存性良好とした。
【0181】
<紙面pHの測定>
紙面pHの測定は、紙面測定用pH計(型式−MPC)(共立理化学研究所製)を用いて行った。
【0182】
【実施例1】
2、4−トルエンジイソシアナート31.5gを60℃で撹拌しておき、これに4,4´−ジアミノジフェニルスルホン21.5gをメチルエチルケトン120mlで希釈して4時間で滴下し、引き続き60℃で2時間反応させた。反応後、室温まで冷却した後トルエンを加え、析出した白色の固体を濾過により回収後、トルエンにて洗浄し一晩真空乾燥して白色結晶の化合物47gを得た。 次にこの化合物30gを取りフェノール9.5gとメチルエチルケトン95mlを加え、さらにトリエチルアミン30mgを加えた後、25℃で4時間反応させた。反応後、トルエンを加え析出した結晶を濾過により回収後、トルエンにて洗浄し一晩真空乾燥して白色結晶のウレアウレタン化合物38.5gを得た。
【0183】
次にこの化合物2gを取り、2.5重量%ポリビニルアルコール(日本合成化学工業社製:ゴーセノールKL−05)水溶液8gと共にペイントシェーカーで6時間粉砕・分散し、分散液を得た。分散直後の分散液の液温は25℃で、分散液のpHは8であった。また、この化合物の分散粒子径は0.6μmであった。
【0184】
また、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン70gを5.4重量%ポリビニルアルコール水溶液130gと共にサンドグラインダー(ベッセル容量400ml、アイメックス社製)、回転数2000rpmで3時間粉砕・分散して分散液を得た。
【0185】
また、ジフェニルスルホン70gを5.4重量%ポリビニルアルコール(日本合成化学工業社製:ゴーセノールKL−05)水溶液130gと共にサンドグラインダー(ベッセル容量400ml、アイメックス社製)、回転数2000rpmで3時間粉砕、分散して分散液を得た。
【0186】
また、炭酸カルシウム10gを水30gと混合してスターラーで撹拌分散して、分散液を得た。
【0187】
これらの分散液を上記化合物分散液の乾燥固形分30重量部、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン分散液の乾燥固形分15重量部、ジフェニルスルホン分散液の乾燥固形分30重量部、炭酸カルシウム分散液の乾燥固形分20重量部、さらに固形分濃度16重量%のステアリン酸亜鉛分散液の乾燥固形分10重量部、さらに15重量%ポリビニルアルコールの乾燥固形分7重量部の割合(乾体基準)で撹拌混合して塗液を得た。この塗液のpHは8.2であった。
【0188】
次に、この塗液を坪量50g/m2の上質紙面上に乾燥重量で5g/m2となるよう塗布乾燥して、スーパーカレンダーで処理して感熱記録材料を作製した。
【0189】
得られた感熱記録材料の発色感度の評価結果は光学濃度1.3と良好であった。また、塩化ビニルラップによる印字保存性も退色は無く良好であった。結果をまとめて表1に示す。
【0190】
【実施例2】
実施例1で合成したウレアウレタン化合物2gを取り、これにジフェニルスルホン2gを加え、2.5重量%変性ポリビニルアルコール(日本合成化学工業社製:ゴーセノールKL−05)水溶液16gと共にペイントシェーカーで6時間粉砕・分散し、分散液を得た。
【0191】
続いて、実施例1で得られた化合物の分散液及びジフェニルスルホン分散液の代わりに上記の共分散液を乾燥固形分60重量部の割合で加えた以外は実施例1と同様にして感熱記録材料を作成し、評価を行った。結果をまとめて表1に示す。
【0192】
【実施例3】
2,4−トルエンジイソシアナート61gに溶媒としてトルエン450gを加え、これにトルエン150gに溶解したアニリン26gを6時間で滴下して加え、5℃で7時間反応させた。反応後、析出した白色の固体を濾過により回収後、トルエンにて洗浄し一晩真空乾燥して白色結晶の化合物70gを得た。 次にこの化合物30gを取り溶媒としてトルエン365gを加え、これに2、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン12.2gとトリエチルアミン0.3mgを加え、撹拌しながら60℃で4時間、続いて70℃で3時間、さらに昇温して80℃で3時間反応させた。反応後、反応液を室温まで冷却し、析出した結晶を濾過により回収後、トルエンにて洗浄し一晩真空乾燥して白色結晶の化合物42gを得た。
【0193】
次にこの化合物2gを取り、これにジフェニルスルホン2gを加え、2.5重量%変性ポリビニルアルコール(日本合成化学工業社製:ゴーセランL−3266)水溶液16gと共にペイントシェーカーで6時間粉砕・分散し、分散液を得た。
【0194】
続いて、実施例1で得られた化合物の分散液及びジフェニルスルホン分散液の代わりに上記化合物とジフェニルスルホンの共分散液を乾燥固形分60重量部の割合で加えた以外は実施例1と同様にして感熱記録材料を作成し、評価を行った。結果をまとめて表1に示す。
【0195】
【実施例4】
2,4−トルエンジイソシアナート30gに溶媒としてトルエン30gを加え、これにフェノール3.24gを加えて100℃で1時間30分反応させた。反応後トルエンを濃縮除去した後ヘキサンを加え、析出した白色の固体を濾過により回収後、ヘキサンで洗浄し一晩真空乾燥して白色結晶の化合物6.9gを得た。次にこの化合物5.0gを取り溶媒としてトルエン100gを加えこれにアニリン3.50gを加え25℃で3時間反応し析出した結晶を濾過により回収後ヘキサンにて洗浄し一晩真空乾燥して白色結晶の化合物5.5gを得た。
【0196】
次にこの化合物2gを取り、これにシュウ酸ジメチルベンジルエステル2gを加え、2.5重量%変性ポリビニルアルコール(日本合成化学工業社製:ゴーセランL−3266)水溶液16gと共にペイントシェーカーで6時間粉砕・分散し、分散液を得た。
【0197】
続いて、実施例1で得られた化合物の分散液及びジフェニルスルホン分散液の代わりに上記化合物とシュウ酸ジメチルベンジルエステルの共分散液を乾燥固形分60重量部の割合で加えた以外は実施例1と同様にして感熱記録材料を作成し、評価を行った。結果をまとめて表1に示す。
【0198】
【実施例5】
2,4−トルエンジイソシアナート17gに溶媒としてメチルエチルケトン40gを加え、メタノール3.8gを滴下して加え、撹拌しながら、60℃で5時間反応させた。次に、4,4´−ジアミノジフェニルスルホン9.9gを加え、撹拌しながら60℃で4時間反応させた。反応後、反応液を室温まで冷却し、アセトニトリル800gに投入し、析出した結晶を濾過により回収後ヘキサンにて洗浄し、一晩真空乾燥して白色結晶の化合物15gを得た。
【0199】
次にこの化合物2gを取り、2.5重量%メチルセルロース(信越化学工業社製:メトローズSM−15)水溶液8gと共にペイントシェーカーで6時間粉砕・分散し、分散液を得た。
【0200】
続いて、実施例1で得られた化合物の分散液の代わりに上記化合物の分散液を用いた以外は実施例1と同様にして感熱記録材料を作成し、評価を行った。結果をまとめて表1に示す。
【0201】
【実施例6〜10】
実施例1のウレアウレタン化合物の分散剤として用いたポリビニルアルコール(日本合成化学工業社製:ゴーセノールKL−05)の代わりに、ポリカルボン酸アンモニウム塩(サンノプコ社製:ディスパーサント5027)(実施例6)、水溶性低分子コポリマー(第一工業製薬社製:ディスコートN14)(実施例7)、2−エチルヘキシルスルホコハク酸ソーダ(第一工業製薬社製:ネオコールSWC)(実施例8)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学工業社製:メトローズ60SH−03)(実施例9)、縮合ナフタレンスルホン酸ソーダ(サンノプコ社製:ローマD)(実施例10)を用いた以外は実施例1と同様にして感熱記録材料を作成し、評価を行った。結果をまとめて表1に示す。
【0202】
【実施例11〜16】
実施例1のジフェニルスルホンの分散剤として用いたポリビニルアルコール(日本合成化学工業社製:ゴーセノールKL−05)の代わりに、メチルセルロース(信越化学工業社製:メトローズSM−15)(実施例11)、水溶性低分子コポリマー(第一工業製薬社製:ディスコートN14)(実施例12)、2−エチルヘキシルスルホコハク酸ソーダ(第一工業製薬社製:ネオコールSWC)(実施例13)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学工業社製:メトローズ60SH−03)(実施例14)、縮合ナフタレンスルホン酸ソーダ(サンノプコ社製:ローマD)(実施例15)、ポリカルボン酸アンモニウム塩(サンノプコ社製:ディスパーサント5027)(実施例16)を用いた以外は実施例1と同様にして感熱記録材料を作成し、評価を行った。結果をまとめて表1に示す。
【0203】
【実施例17〜19】
実施例5のジフェニルスルホンの分散剤として用いたポリビニルアルコール(日本合成化学工業社製:ゴーセノールKL−05)の代わりに、メチルセルロース(信越化学工業社製:メトローズSM−15)(実施例17)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学工業社製:メトローズ60SH−03)(実施例18)、変性ポリビニルアルコール(日本合成化学工業社製:ゴーセランL−3266)(実施例19)を用いた以外は実施例5と同様にして感熱記録材料を作成し、評価を行った。結果をまとめて表1に示す。
【0204】
【実施例20】
実施例17のウレアウレタン化合物の分散剤として用いたメチルセルロース(信越化学工業社製:メトローズSM−15)の代わりに変性ポリビニルアルコール(日本合成化学工業社製:ゴーセランL−3266)を用いた以外は実施例17と同様にして感熱記録材料を作成し、評価を行った。結果をまとめて表1に示す。
【0205】
【実施例21〜22】
実施例7のジフェニルスルホンの分散剤として用いたポリビニルアルコール(日本合成化学工業社製:ゴーセノールKL−05)の代わりに、メチルセルロース(信越化学工業社製:メトローズSM−15)(実施例21)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学工業社製:メトローズ60SH−03)(実施例22)を用いた以外は実施例7と同様にして感熱記録材料を作成し、評価を行った。結果をまとめて表1に示す。
【0206】
【実施例23〜24】
実施例9のジフェニルスルホンの分散剤として用いたポリビニルアルコール(日本合成化学工業社製:ゴーセノールKL−05)の代わりに、メチルセルロース(信越化学工業社製:メトローズSM−15)(実施例23)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学工業社製:メトローズ60SH−03)(実施例24)を用いた以外は実施例9と同様にして感熱記録材料を作成し、評価を行った。結果をまとめて表1に示す。
【0207】
【実施例25〜26】
実施例22の3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオランの分散剤として用いたポリビニルアルコールの代わりに、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学工業社製:メトローズ60SH−03)(実施例25)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学工業社製:メトローズ60SH−03)と2−エチルヘキシルスルホコハク酸ソーダ(第一工業製薬社製:ネオコールSWC)の混合分散剤(重量比1/1)(実施例25)を用いた以外は実施例22と同様にして感熱記録材料を作成し、評価を行った。結果をまとめて表1に示す。
【0208】
【比較例1】
実施例1で合成したウレアウレタン化合物の代わりに2、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを用いた以外は、実施例1と同様にして感熱記録シートを作成し、評価を行った。結果をまとめて表1に示す。
【0209】
【比較例2〜3】
実施例1で合成したウレアウレタン化合物を実施例1と同様にして分散時間を変えて分散し、平均粒径を測定したところ0.04μm(比較例2)、6.5μm(比較例3)であった。これらの分散液をそれぞれ用いた以外は実施例1と同様にして感熱記録シートを作成し、評価を行った。結果をまとめて表1に示す。
【0210】
【比較例4】
実施例1で合成したウレアウレタン化合物を実施例1と同様にして分散した。ただし、分散の間、液温を65℃に保った。この分散液を用いた以外は実施例1と同様にして感熱記録シートを作成し、評価を行った。結果をまとめて表1に示す。
【0211】
【比較例5】
実施例1で合成したウレアウレタン化合物を実施例1と同様にして分散した。ただし、分散で用いた分散液のpHが4になるように調整した。この分散液を用いた以外は実施例1と同様にして感熱記録シートを作成し、評価を行った。結果をまとめて表1に示す。
【0212】
【比較例6】
実施例1で合成したウレアウレタン化合物を実施例1と同様にして分散した。ただし、分散で用いた分散液のpHが11になるように調整した。この分散液を用いた以外は実施例1と同様にして感熱記録シートを作成し、評価を行った。結果をまとめて表1に示す。
【0213】
【比較例7】
実施例1の塗液に、1N−硫酸を添加してpHを4.0に調整した。この塗液を用いた以外は実施例1と同様にして感熱記録シートを作成し、評価を行った。結果をまとめて表1に示す。
【0214】
【比較例8】
実施例1の塗液に、1N−水酸化ナトリウムを添加してpHを12.5に調整した。この塗液を用いた以外は実施例1と同様にして感熱記録シートを作成し、評価を行った。結果をまとめて表1に示す。
【0215】
【実施例27】
実施例1の塗液を紙面pHが3.2の上質紙上に乾燥重量で5g/m2となるよう塗布乾燥して、スーパーカレンダーで処理して感熱記録材料を作製した。
【0216】
得られた感熱記録材料の発色感度の評価結果は光学濃度1.3と良好であった。また、塩化ビニルラップによる印字保存性も退色は無く良好であった。また、地肌保存性も着色は少なく良好であった。結果をまとめて表2に示す。
【0217】
【実施例28〜29】
実施例27で用いた紙面pHが3.2の上質紙の代わりに、紙面pHが5の上質紙(実施例28)、紙面pHが6.8の上質紙(実施例29)を用いた以外は実施例27と同様にして感熱記録材料を作成し、評価を行った。結果をまとめて表2に示す。
【0218】
【比較例9〜10】
実施例27で用いた紙面pHが3.2の上質紙の代わりに、紙面pHが2.8の上質紙(比較例9)、紙面pHが9.5の上質紙(比較例10)を用いた以外は実施例27と同様にして感熱記録材料を作成し、評価を行った。結果をまとめて表2に示す。
【0219】
【表1】
【0220】
【表2】
【0221】
【発明の効果】
以上、詳細且つ具体的に説明したように、本発明の感熱記録材料は感熱記録の感度及び感熱発色画像の耐可塑剤性に優れている。
Claims (4)
- 下記一般式(II)〜(VIII)のいずれかで示されるウレアウレタン化合物顕色剤を含有する感熱記録材料において、該ウレアウレタン化合物顕色剤が分散剤を含有する水溶液中で粉砕され、かつ、粉砕時の液温が60℃以下であることを特徴とする感熱記録材料。
- ウレアウレタン化合物顕色剤粉砕時のpHが5〜10であることを特徴とする請求項1に記載の感熱記録材料。
- ウレアウレタン化合物顕色剤の平均粒子径が0.05μm以上5μm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の感熱記録材料。
- 感熱記録材料の感熱記録層を形成する感熱塗液のpHを5〜12の間で支持体上に塗布することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の感熱記録材料の製造方法。
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