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JP4568425B2 - 転がり接触無段変速装置 - Google Patents

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JP4568425B2
JP4568425B2 JP2000527770A JP2000527770A JP4568425B2 JP 4568425 B2 JP4568425 B2 JP 4568425B2 JP 2000527770 A JP2000527770 A JP 2000527770A JP 2000527770 A JP2000527770 A JP 2000527770A JP 4568425 B2 JP4568425 B2 JP 4568425B2
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    • F16H15/48Gearings for conveying rotary motion with variable gear ratio, or for reversing rotary motion, by friction between rotary members with members having orbital motion
    • F16H15/50Gearings providing a continuous range of gear ratios
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
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  • General Engineering & Computer Science (AREA)
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  • Friction Gearing (AREA)

Description

【0001】
本発明は、概しては無段変速装置、そしてとりわけ、力が転がりトラクションによって伝達されるような装置に関するものである。
【0002】
動力車の駆動ギヤ列において商業ベースで使用されている無段変速装置の一つのタイプは、2つの割りプーリーに巻きかけた台形断面の伝動ベルトを含み、割りプーリーの対向する半分は傾斜した円錐面を有していて、夫々は互いの方向に向かって推進されており、一つのプーリーと次のプーリー間の実効的変速比はプーリーの2つの部分の相対的離反距離により決定されるようになっている。離れるように動くと、プーリーの2つの部分は、ベルトを半径方向の内側の位置において円錐面に接触するように許容して、それにより変速比が変わるようになっている。
【0003】
この場合において、他のプーリーの2つの部分に生じる弾性力は、ベルトの張力を減ずるように平衡するために一緒に動かされ、それによってベルトとプーリー間の接触の半径が増大する。しかしながら、このような変速装置は、2つの本質的に離れたシャフトを含むため比較的大きく、更に急な比の変更は行えない。それらは、また、部分負荷の条件では効率が低い傾向にある。ゴムのベルトを有する型では、ギヤ「比」が変えられる際にベルトとプーリー間に起こる滑り摩擦に大きく起因して大量の疲労を被りやすい。それは、駆動伝達において最小から最大の駆動比まで連続、即ち無段の変化を提供する従来のギヤボックスに対して優位性を有していない。しかし、それは更なる構造的な結合をすることなく逆比を提供することはできない。
【0004】
他の型の無段変速装置が知られている。本発明は、運動において転がり接触により部材間で力が伝達される無段変速装置を提供することを追求するものである。これは変速比を変える際に部材が被る疲労の量を最小とすると共に、無段変速が易しい制御で行え、少ないメンテナンスを必要とし、長寿命の耐久力のある機構を提供する。
【0005】
本発明の一つの側面によれば、半径方向の内側と外側レースと転がり接触する遊星部材を有する型の無段変速装置であって、夫々のレースは軸方向に離れた2つの部分と、一つのレースの2つの部分の軸方向の離隔距離を選択的に変化させ、こうしてそれと転がり接触する遊星部材の半径方向位置を変化させる制御手段と、変速装置の駆動伝達部材に加えられたトルクに対して反応し、他のレースの2つの部分の離隔距離の変化を決定すると共に、装置の変速比を補償し、そして遊星とレース間で交換される、それらの間の境界に直角な方向の力を変化させる手段を設けた転がり接触無段変速装置が提供される。
【0006】
本発明の好適な実施の形態においては、遊星部材は実質上球体である。それらは正円、偏球、あるいは長形の回転楕円体でよい。あるいは、遊星部材は夫々の部材に対して同様な軸の回りの回転面を有する第1、第2の面部分を有しても良く、面部分は夫々に対して回転軸に対して反対方向に傾斜している。遊星部材は、曲線状の母線によって規定される回転凸面又は凹面を有しても良く、母線は規則的又は不規則な曲線又は部分円曲線を有しても良い。部分円母線の場合、これは半円であろうが、遊星部材の回転面は球状である。
【0007】
内側及び外側レースは好適には2つの部分から成り、一つは夫々の第1と第2部分に夫々接触し、そして夫々は共通軸の回りの回転面により形成される対応する面を有し、それらは前記軸に対して逆方向に傾斜している。内側又は外側レースの一方の2つの部分は、夫々に向かってあるいは離れるように支持してもよく、これにより前記一つのレースと遊星部材との点あるいは線接触の半径を変化することができる。
【0008】
本発明の実施の形態では、入力駆動部材とレースの一方との間にトルク検出結合手段が介装され、それによりレースと遊星部材の2つの部分間のトルク伝達と接触圧がバランスされる。
【0009】
実際上では、遊星部材は実質上、球体であり、半径方向の内側レースと半径方向の外側レース間に捕らえられ、駆動力を前記遊星部材に、又は遊星部材から伝達するために、ローラー従動部材が遊星部材の隣接する組間に円周方向に介在されている。このような配置においては、もしローラー従動部材が遊星保持部材に保持されていて、装置の運転において、それに対して、又はそれから駆動力が遊星部材に伝達されるようにする場合には便利である。
【0010】
一般的な用語において、本発明は以上に規定した駆動力伝達装置を提供するもので、遊星部材の、それ自体の軸の回りの回転の軸は、半径方向の内側レースの回りの遊星の回転軸と実質上、平行である。このような駆動力伝達装置では、半径方向の内側レースの回転軸は、半径方向の外側レースを規定し、遊星部材の遊星経路を規定する手段の軸と実質上平行である。
【0011】
どんな場合においても、半径方向の内側レースの2つの部分の軸方向距離を選択的に変える手段あるいは半径方向の外側レースを規定する手段が、螺旋相互結合によって相互結合した調節部材を含み、調節部材の一方の相対的回転が、他方の相対的軸方向変位を起こす手段を有するのは便利である。そのような装置では、2つの調節部材の螺旋相互結合は部材それ自体のねじ接合を含み、前記2つの調節部材の一方は、少なくとも第1の軸の回りの限られた弧の運動範囲で回転可能であり、前記2つの調節部材の他方は、少なくとも前記第1の軸に実質上、平行な軸の回りの回転運動が規制される。螺旋の角度は螺旋の全長に渡って一定で良いが、ある応用においては、もし上記螺旋相互結合の螺旋の角度が螺旋の円周方向の大きさに対して変化させるのは有用であることが分かった。
【0012】
一般には、2つの調節部材の前記他方が半径方向の外側軌道を規定する前記手段であり、又はそれによって、又はそれに保持されることは便利である。半径方向の内側レースの2つの部分は駆動又は被駆動シャフトに保持され、そして半径方向内側レースの2つの部分の相対的離隔を許容する手段が、半径方向内側レースと遊星部材間の駆動力の伝達によって生じる力に対して作用する少なくとも一つの傾斜面を含む。前記傾斜面は半径方向内側レースと駆動シャフト間の螺旋相互結合の部分を構成しても良い。螺旋の角度は一定、または螺旋の長さ方向に変えても良い。
【0013】
螺旋が一定であるか、その形状と螺旋角度が変化するにしても、螺旋により作用される軸方向の力の円周上の成分は、螺旋により作用される直接的な円周上の力の符号が逆で等しく、変速比を維持あるいは変化させるための選択的調節手段に要求される力が最小であるのが好ましい。
【0014】
本発明は、また上記に規定した無段変速装置を含み、更に固定比のギア又は転がりトラクション部材の遊星変速列を含み、その寸法は、入力シャフトの軸の回りのギア間の接触の有効半径が、無段変速の範囲の逆の端における半径方向内側レースと遊星間の接触線の半径の最大と最小間に位置する。
【0015】
無段変速装置における遊星部材と半径方向内側レース間の接触線の半径が、半径方向位置レースと固定比ギアの遊星駆動列の遊星との接触半径と等しい場合には、有効なトルクの伝達はなく、トルク伝達は、無段変速の調節が、遊星部材と輪内側レースとの接触線を、固定比の遊星ギア列の接触半径よりも大きい点まで動かすか否かにより、一つの回転方向、又は他方向になされる。これにより、正方向と逆方向の変速比が得られる。
【0016】
本発明の他の側面において、半径方向の内側及び外側レースと転がり接触する遊星部材を有するタイプの転がり接触無段変速装置であり、内側及び外側レースの夫々は、2つの相対的に軸方向に変位可能なレース部分を含み、遊星部材は実質上、球であり、そして遊星運動において、球状遊星部材への、又はそれからの力の伝達はローラー従動部材を介してもたらされる転がり接触無段変速装置が提供される。
【0017】
実際の実施の形態では、ローラー従動部材は遊星部材の隣接する組間に介在され、そして遊星保持器に保持され、それを通して装置の運転において、駆動が遊星部材に、又は遊星部材から伝達される。
【0018】
本発明の転がり接触無段変速装置は、一つの側面として、可変幾何図形の4点接触転がり要素ベアリングが考えられ、パワー伝達は2つ又は3つの半径方向内側レースを有する原理的ベアリング要素間で行われ、半径方向外側レースと遊星保持器、かご、即ち第4のベアリンク要素が設けられ、通常はトルク反作用に対して固定されている
【0019】
本発明の実施の形態として構成された変速装置において、他方の調節を補償するレースの軸方向離隔は、それ故、本質的に前記他のレース素子に加わる力によって決定される。
【0020】
このような伝達は無段変速比制御が行える方法により制御することができるが、このような制御は、殆ど自在なステップ又はインクリメンタル駆動を行えるギヤボックスが使用可能であるということから大部分のユーザーにはなじみがない。本発明の実施の形態においては、ギア比のインクリメンタル制御が種々手段により行え、ステップ制御のギアボックスを模擬することができる。制御機構の一つの実施の形態において、2つのレースウエーの離隔距離は、インクリメンタル調節装置やインデックス装置により決定され、予め設定した幾つかの位置に変位することができる。あるいは、幾つかのレースウエーの接触面が、転がり要素に生じる力が、それを予め設定した限られた数の位置に駆動される傾向にあるように形成される。
【0021】
「ギヤを入れた」中立、即ち、駆動部材が接続されている状態で、入力側駆動部材から出力側部材に回転が伝達されない遊星歯車機構におけるギア中立状態は、変速装置にはおいて数々の利点を有し、変速装置が中立位置にセットされた時、いずれの方向にもある量のクリープに対して本質的耐性が規定される。これに対抗するため、駆動伝達が行われない中立ギアの選択を確実にする伝達連鎖の正方向ブレーキにより、駆動部材が「接続されていない」中立比が得られる手段を設けるのが有利である。
【0022】
「接続されていない」中立は、本発明の一つの側面に、半径方向内側又は半径方向外側レースウエーのいずれかに、駆動伝達の調節において、その運動の範囲のある部分において接続可能な相対的回転部材又は相当部材を付加することにより達成することができる。転がり部材が、このような、相対的回転部材に接触している時、転がり要素のレースウエーからの効率的接合解除がなされ、この調節において駆動の伝達が行われない。
【0023】
「接続されていない」中立は、また、レースウエーの部分の一つに、その時の作用位置から遠く後退して、その時の変速装置の調節に係わらず転がり要素の圧力を解除する手段を設けることにより達成できる。これは、効果として、変速装置のいかなるギア比においても「デクラッチング」作用が達成できる。
【0024】
類似の配置として、いわゆる「ランチ」制御を設けることができる。これは中立位置から駆動ギア比までの変速装置の進行的結合であり、これはギア入れの中立位置から最初の停止位置、即ち最も低いギア比間の被制御部材を設けることにより効率的に達成できる。
【0025】
これまでに説明した本発明のいくつかの実施の形態では、入力軸から出力軸への駆動伝達は一方向の回転にのみ行われるに過ぎない。これはトルク検出機構によって生じる。即ち、一つの実施の形態では、トルク検出機構は、前記他方のレースの2つのレース部分の一つと、協同する要素との間の螺旋相互結合を含み、入力シャフトの回転方向が螺旋相互結合のそれに一致している時にのみ、2つのレース部分が、動作においてそれらに生じる力により互いの方向に付勢される。入力シャフトと出力シャフトとの逆方向の回転は、他方のレース部分の相対的離反を引き起こし、これは事実上、接触力の低下を来し、究極的には、入力と出力部材の結合解除を引き起こす。勿論、これはある状況、とりわけオーバーラン、自由輪効果が望ましい状況においては優位性を有する。しかしながら、自動車の変速装置としての使用では、とりわけエンジンのオーバーランが制動に使用されている場合には、自由輪効果は望ましくなく、そして実は、決定的に望ましくないものである。
それ故、本発明は、入力シャフトから出力シャフトへのトルクの伝達がいずれの方向においても起こる無段変速装置を提供することを望むものである。
本発明の他の側面によれば、半径方向の内側及び外側レースと転がり接触する遊星部材を有するタイプの転がり接触無段変速装置であり、内側及び外側レースの夫々は、2つの軸方向に離れた部分を含み、一つのレースの2つの部分の軸方向離隔を選択的に変化させて、それによりそれに転がり接触する遊星部材の半径方向位置を変更する制御手段を含み、そして変速装置の駆動伝達部材に加えられトルクを検出し、他のレースの2つの部分の離隔の補償変化と、従って変速比を決定し、そして遊星とレース間で交換される、それらの境界に直角の方向の力を変化させる手段とを含み、前記トルク検出手段は、2つの軸方向に離れ、相対的に移動可能な前記他のレースの部材と、夫々の前記部分は、それ自体が中心位置から両方向に軸方向に移動可能で、そして制限ストッパーと係合可能であり、こうして変速装置の回転駆動入力部材から回転出力部材に、2つの逆の回転方向に回転駆動が伝達可能な転がり接触無段変速装置を提供する。
本発明の好適な実施の形態においては、トルク検出手段の前記相対運動可能なレース部分は、入力駆動部材にねじ結合により同様に相互接続され、これによりレース部分の軸方向の変位が、もし制限されている場合に回転駆動が伝達される。
ねじ接合のねじ部材はボールのような回転要素により相互結合されているのが好ましいが、これは必須ではない。相互結合するボールは装置の摩擦力を非常に低減することができる。
トルク検出手段の2つの相対的に可変の2つのレース部分は、反対方向に軸方向に弾性的にバイアスしてもよい。この弾性バイアスは、プライムに装置のトルク検出作用を働きかけ、好適に実施の形態においては、前記2つの相対的に可変の2つのレース部分の弾性的なバイアスは、それらの間の圧縮バネにより達成することができる。
勿論、双方向回転が行われるのを確実にするために、2つのレース部分の夫々は、究極的には軸方向の運動を制限しなければならない。このことから、他方のレース部分は、入力部材によってそれに生じた螺旋作用により、それに対して効率的にねじ締めが行われる。このような制限停止手段は、前記入力駆動部材に設けられ、又は保持され、または結合された結合部材とすることができる。
本発明の一つの実施の形態において、変速装置の前記一つのレースの2つのレース部分は、軸方向の離隔距離が選択的に可変であり、2つの逆の回転方向に夫々制限された回転変位が可能なように夫々変速装置のケーシングに保持されている。一つの前記レースの2つのレース部分の軸方向相対的離隔は、変速装置の固定部分と共に、2つのレース部分の少なくとも一つの部材の螺旋相互結合によって達成され、2つのレース部分の両方とも前記固定部材に対して相対的に回転可能である。このような一つの前記レースの2つのレース部分の相対的回転運動は、一つの部材と固定部分との間でなく、それらの間に直接的に作用するいかなる手段によっても達成することができる。これが達成できる一つの手段として2つのレース部分の間に作用するボーデンケーブルを含むことができる。
本発明は、双方向回転が可能な構造とは独立して、次のような構成も含む。即ち、半径方向の内側及び外側レースと転がり接触する遊星部材を有するタイプの転がり接触無段変速装置であり、内側及び外側レースの夫々は、2つの軸方向に離れた部分を含み、一つのレースの2つの部分の軸方向離隔を選択的に変化させて、それによりそれに転がり接触する遊星部材の半径方向位置を変更する手段を含み、遊星部材は、夫々を周辺の環状溝を有し、それらの軸は、夫々の遊星部材がレースに接触してその回りに転がる軸と実質上一致し、前記環状溝にはローラー従動部材が結合され、遊星部材を、遊星運動においてその方向を維持するように作用する転がり接触無段変速装置を含む。
この後半の特徴により、大きな負荷保持容量が得られる。というのは、遊星部材により占められている円周上の空間が遊星従動節により占められている空間と重なり合うことができるため、与えられた環状空間内に多数の遊星部材を配置できるからである。
遊星従動部材は、好ましくは共通保持部材によって保持され、それを通して装置の出力駆動部材に運動が伝達される。
【0026】
本発明の更なる側面によれば、半径方向の内側及び外側レースと転がり接触する遊星部材を有するタイプの転がり接触無段変速装置であり、内側及び外側レースの夫々は、2つの軸方向に離れた部分を含み、一つのレースの2つの部分の軸方向離隔を選択的に変化させて、それによりそれに転がり接触する遊星部材の半径方向位置を変更する手段を含み、遊星部材は、夫々の対応するレースの対応する曲面と転がり接触する夫々弧状の曲面部分を有し、前記面部分の曲率半径は遊星部材自体の有効半径よりも大きい転がり接触無段変速装置を提供する。
これは、与えられた直径の球体としての遊星部材が概念的に中心部分から割って離し、そして残った4分円を夫々接触させて再結合することを想像することにより思い浮かべることができる。面部分の曲率半径は、元の球体のそれと一致する一方、新たに組み立てた球体の直径は元の球体の直径よりも小さいであろう。このような遊星には、上述したようにローラー従動案内部材を受けるため円周状の溝を設けることができる。更に、レースの接触面に沿って転がる際に、転がり軸の方向を維持するために遊星部材をガイドする手段を設けることができる。このようなガイド部材は、円周状溝内に係合した上記ローラーとすることができる。
遊星部材自体の直径と比較して面部分の曲率半径を大きくする理由は、変速装置により変速される比の範囲を拡大するためである。以降に更に詳細に説明する特定の実施の形態においては、比の範囲は4.3:1に拡大することができる。
以上の説明した他の側面とは独立して考えられる本発明の更なる側面では、半径方向の内側及び外側レースと転がり接触する遊星部材を有するタイプの転がり接触無段変速装置であり、内側及び外側レースの夫々は、2つの軸方向に離れた部分を含み、一つのレースの2つの部分の軸方向離隔を選択的に変化させて、それによりそれに転がり接触する遊星部材の半径方向位置を変更する手段を含み、夫々遊星部材は、遊星部材それ自体の転がり軸に対して実質上一定の傾斜を有する複数の要素的環状接触面部分を有する転がり接触無段変速装置を提供する。
このため、従来のギアボックスの特定のギア比を効率的に示す所望の調節位置を提供する無段変速装置が得られる。実質的に一定の傾斜を有する面部分に渡って、遊星とレースとの接触を、点接触でなく線接触とすることにより、増大した負荷許容能力が得られる。
遊星部材が、複数の実質上、直線要素的部分からなる区域を含む母線を有することを考えることができる。レースは実質上、連続的に湾曲した接触面を有するか、あるいはレースは、遊星部材との転がり接触のための夫々接触面を有し、それらは実質上、遊星部材のそれらに適合する、対応する傾斜要素的環状接触面部分を有することができる。
【0027】
本発明の様々な実施の形態を、添付図面を参照し、例として、更に詳細に説明する。
図1は、装置の動作原理を説明するのに有効な、転がり接触無段変速装置の主要部品の模式的軸方向断面図である。
図2は、図1の矢印A方向から見た変速装置の模式である。
図3及び図4は、図1と同様に模式的縦断面図であり、夫々最大変速比、最小変速比に対する形態の変速装置を示している。
図5は、本発明の第1の実施の形態として構成した連続可変転がり接触変速装置の軸方向断面図である。
図6は、無限変速装置に組み込んだ転がり接触無段変速装置を示す模式的軸方向断面図である。
図7は、自転車のハブギア変速装置としての利用に適している、本発明の更なる実施の形態の軸方向断面図である。
図8,9及び10は、様々な特定の応用に有用な、様々の異なったレースウエイの形態を示す模式的部分軸方向断面図である。
図11及び12は異なった遊星部材を有する代わりの実施の形態を示す模式的軸方向断面図である。
図13は、本発明の第1の実施の形態の を示す軸方向断面図である。
図14は、図13のXIII−XIII線上で取った横断面図である。
図15及び16は、図13及び図14の実施の形態の要素を2つの異なった動作形態において示す模式的詳細図である。
図17は、調整装置の相対位置を示す、図13の実施の形態の模式的横断面図である。
図18は、本発明の代わりの実施の形態の軸方向断面図である。
図19−24は、異なったギヤ比を得るための異なった形態における要素を示す、図18の実施の形態の模式的詳細図である。
【0028】
まず、図1〜図4を参照すると、本発明の無段変速装置は、転がりトラクショントルク伝達を有し、軸ベアリングとハウジングが大きな力を受けず、可動部品が従来のローラー及びボールベアリング技術を基礎とすることができるという利点を有する可変半径遊星機構として構成される。これは、更に、これが純粋に機械的な予荷重及びトルク検出システムを含んでおり、そして、それは特別な潤滑技術を必要とせず、既知のトラクション流体潤滑によってはねかけ又はグリース潤滑を行うことができるという利点を有している。次に続く更に詳細な説明から分かるように、変速比の制御は単純な機械的装置により達成できる。
【0029】
図1〜4に示す、時々バリエーターと称される可変半径遊星変速装置は、ハウジング(簡素化のため図示していない)を有し、その中に転がり要素ベアリングを支持する入力シャフト11が設けられると共に、3つの遊星従動部材15を保持する遊星かご14が設けられている。遊星従動部材15は遊星従動シャフト16により遊星かご14に支持されている。
【0030】
遊星保持器14は、2つのラジアルプレート14a,14bを、上記遊星従動節シャフトを構成し、夫々の端部をナット20,21により締め付けられて保持器を構成する段付スタッド16により結合することにより効果的に構成することができる。遊星キャリア14のラジアルプレート14bの軸方向の筒状延長部22は変速機構の出力シャフトを構成している。
【0031】
入力軸11上には、太陽部材を構成し、ねじ山の噛み合いの形の螺旋相互噛み合いから成るカップリングによってシャフト11に接続される2つの部分23a,23bから成るラジアル内側レースが保持される。2つのレース部分23aと23bは、反対に向けられたねじ山を有しており、そのため、下方に更に詳細に説明する理由によって、入力軸11と内側レース部分23a,23bの一方向の相対的回転は2つの部分が夫々他方に向かって移動することを引き起こし、これに対して、それらと入力シャフト11の間に逆方向の相対的回転がある場合には、内側レースウエーの2つの部分23a,23bの軸方向の離反を引き起こす。
【0032】
内側レースウエー23と、やはり軸方向に離反した2つのリング状レースウエー部材から成る外レースウエー26間には3つの球状遊星部材25がはめ込まれている。
夫々27a,27b及び28a,28bとして示される、レースウエー部材23a,23b及び26a,26bの転がり軌道は、横断面において、球状遊星部材25の半径よりも僅かに大きい半径を有する部分円アーチ状表面から成る。
【0033】
外レースウエー部材26a,26bは、概して29で示され、図1に模式的に示される軸方向調整機構にかみ合っており、この軸方向調整機構はレバー30が相互作用部材31に旋回可能に設けられており、レバーを、図1の二重矢印により示されるように相互作用部材31の軸32の回りに一方向又は他の方向に動かすことにより、2つのレースウエー部分26a,26bは軸方向に夫々に向かって又は軸方向に夫々から離れる方向に付勢される。
【0034】
レースウエー26には、入力シャフト11、内側及び外レースウエー23,26、出力シャフト22及び球状遊星部材25の共通の回転軸であるX−X軸の回りの回転を防止するための手段が備えられている。
【0035】
変速の運転においては、シャフト11の回転は内側レースウエー23に伝達され、その回転は、それとの転がり接触によるボール25の回転を引き起こし、固定レースウエー26の回りのボール25の回転を引き起こす。ボール25の回転はローラー従動節15を介してローラー保持器14、そして出力シャフト22に伝達される。レバー30を一方向又は他方向に移動することにより、外レースウエーの2つの部分26a,26bは夫々他方に向かって付勢させたり、または夫々他方から軸方向に遠ざけることができる。2つの外レースウエー部材26a,26bの軸方向の接近は遊星ボール25に圧力を加え、それらを変速装置の半径方向内側に移動させ、2つの内側レースウエー部分23a,23bが離れるように強制する。半径方向に内側のレースウエー部分23a,23bと入力シャフト11との螺旋相互噛み合いは、トルクに反応する機構として有効に作用する。螺旋相互噛み合いは、意図した駆動方向におけるシャフト11の回転が、抗力に抵抗された時には、レースウエー部分23a,23bと駆動シャフト11間の螺旋相互結合に生じる力が、レースウエー部分23a,23bと遊星ボール25との力の反作用に一致するまで、レースウエー部分23a,23bを互いに軸方向に接近させ、レースウエーと遊星ボール25との間の転がり接触のいかなる遊びも、レースウエー部分23a,23bがお互いに接近する傾向によりレースウエー部分23a,23bと駆動シャフト11との螺旋相互噛み合いに吸収され、補償される。レースウエー部分23a,23bの更なる軸方向の相対的変位と、駆動伝達が起こらない点において、ボール25の半径方向位置により変速比が決定される。
【0036】
図4に示される構成においては、ボール25と内側レースウエー23との転がり接触の半径が比較的大きく、そしてボール25と外レースウエー26との接触の半径が比較的小さいことが理解されるであろう。この構成では、入力シャフト11と出力シャフト22との変速比は最も小さい。しかしながら、レバー30が反対の方向に移動するのを許容すると、レースウエー部分26a,26bは離れるように動くことができ、そのためボール25は内側レースウエー部分23a,23bの軸方向の接近により補正されて半径方向に外側に移動することができる。
【0037】
レースウエー23,26の曲面26a,26b,27a,27bと球状遊星部材25の間の曲率の違いは、実際に転がり接触の部材間に存在する接触パッチの精密な形状を決定するであろう。理想化された状態では接触は点接触であろうが、実際は、このような可変変速装置の内側部には、可動部分を潤滑すると共に転がりトラクションを高める特別なトラクション流体が入っているので、接触の点は、お互いの接触面の半径が近ければ近いほど大きい接触パッチを構成するであろう。勿論、これらのパッチが大きくなりすぎることは、転がり接触の2つの要素間の動圧流体内側で現れる力に起因する、いわゆるスピン損失を防ぐために、望ましいことではない。
【0038】
以上に説明した無段変速機構は極めてコンパクトで効率が高く、潤滑のため、あるいは、要求される機能を果たすための制御目的のための加圧油圧回路を必要としない。これはモジュラ型とすることができ、大きいサイズ及び小さいサイズのいずれの応用にもすぐに適応できるようなスケーラブルである。
【0039】
勿論、もし入力シャフト11が一体部材であると考えたとしたら、内側レースの2つの部分23a,23bを、シャフト11のねじ山のない端部を越えて嵌め合わすことのできる方法がないということが理解できる。しかしながら、これは、入力シャフト11を、太陽部材23a,23bをねじ山の有る部分に嵌め合わせた後に、その部分にねじ山のない部分を組み立てる複合部材として形成することにより実現することができる。しかしながら、代わりに、シャフト11は、ねじ山の半径方向の最も内側の寸法が太陽部分23a,23bが組み立てに際してそれらに沿って滑り動けるように、ねじ山のない端部の直径を単に小さくしても良い。
【0040】
図1に模式的に示されているように2つのレース部分26a,26bは、釣り合いのとれた力を2つのレース部分26a,26bに加えて、それらをレバー30の運動により決定されるように一緒に又は離して動かす、適当な相互作用部材31を有する単純なレバー30により制御されるのであるが、実際の実施の形態においては、軸方向の力を、外周の全体に渡って、又は少なくとも対称的に位置する数点に加える必要があることは理解できるであろう。
【0041】
次に図5に転ずると、図5には、半径方向の外側レースウエーの全周縁に沿って対称的に調整力を加えるという方法で調節が行われる実際的な実施の形態が示されている。この実施の形態の構造は、球状遊星25により出される力は図1の14a,14bのような2つの遊星保持器の端から端まで伝達される必要はなく、それらは、シャフト11には、軸方向の心ずれを防ぐために適当なベアリングが設けられているということを条件とすれば、一つのみの遊星保持板が利用できることを許容する程十分に釣り合っている。
【0042】
この実施の形態では、図1〜図4の実施の形態のものと同様又は類似の要素を識別するために同様な参照符号を使用している。入力、即ち駆動シャフト11は可変変速ユニットを全体として保持している。このような実施の形態は、例えば、モーター付き自転車又はオートバイから、鎖伝動による車輪の駆動に至るギヤ変速装置に適している。この目的のために、可変変速装置からの出力駆動部材は、遊星保持器14の周辺に固定した外部ケーシング34に保持したチェーンホィール33であり、この実施の形態では遊星保持器は、そこからシャフト16が突出している単一のディスクから成る。しかしながら、図1〜4の実施の形態とは異なり、シャフト16は内側と外側のレース23,26の間の空間を右方向に突っ切っていない。
【0043】
駆動シャフト11は、例えば、内側燃機関やその他の原動機からの出力シャフトとすることができる。これはシャフト11の主部分よりも小さい直径の突出した端部部分35を有しており、これは半月キー36によってシャフト11に回転のために固定された内側レースウエー23の2つの部分の内側の一つ(この場合、部分23a)を保持している。この実施の形態では、接近及び離反運動においてシャフト11に対して両者が相対的に動くことのできる、2つの半径方向の内側レースウエー部分23a,23bの代わりに、レースウエー部分23aがシャフト11に回転のために固定されており、それには、外側に第2のレースウエー部分23bが取り付けられる軸方向の延長スリーブ23cを有している。スリーブ23cの外側円筒面と第2の半径方向内側レースウエー部分23bの内側円筒面には、複数のボール39を収用する半円形横断面の、対応する螺旋状の溝37,38が設けられている。そのため、2つのレースウエー部分23a,23bの相対的な軸方向の離反又は接近は、駆動シャフト11の軸の回りの、これらの2つの部分の相対的回転により成される。第2の半径方向内側レースウエー部分23bと固定ハウジング41間に装置した軽いスプリング40は、第2の半径方向内側レースウエー部分23bの軽い予圧を提供し、これは、無負荷状態であっても球状遊星25との接触が常に保持されることを確実とし、このために、半径方向内側レースウエー部分23a,23bは、球状遊星25が半径方向内側及び外側レース23,26によって限定される軌道内側で緩く、そしてガタガタとなる程の距離までは軸方向に離れない。
【0044】
半径方向外側レース26は、軸方向の延長するスリーブ42から成り、その中に第2の半径方向外側レースウエー部分26bが取り付けられる。円筒状スリーブ42の内側面には矩形横断面の螺旋凸条43を有し、第2の半径方向外側レースウエー部分26bは、その外側円筒状面に対応する矩形横断面の螺旋溝44を有している。凸条43及び溝44は、「ajax」ねじ(ねじ山の断面形状が4角形の角ねじ)と構成が類似のロバストスクロールを形成する。
【0045】
第1の半径方向外側レースウエー部分26aは固定ハウジング41の円筒状外側壁45に回転方向には固定されているが、軸方向にはフリーである。固定ハウジングには、乗物の骨組の固定部分に取り付けて、ハウジング41を乗物に対して静止(回転しないということである)状態に維持するためのトルク反作用アーム48を支持する突出ラグを保持している。
【0046】
ハウジング41は、この場合において、中空でシャフト50を受ける第2の突出ラグ45も保持しており、このシャフトは一方の端がケーシング41から外側に突出すると共に制御レバー51を保持しており、他方の端はケーシング内側に突出し、自由端に第2の半径方向外側レースウエー部分26bが取り付けられるレバー52を保持している。支点ピン50の軸の回りの制御レバー51の運動は、レバー52を対応して回転させ、それ故、レースウエー部分26bを、入力駆動シャフト11の軸と一致する、装置の軸の回りに、固定された半径方向外側レースウエー部分26aに対して回転させる。この運動は、螺旋溝44と螺旋凸条43により構成される螺旋相互結合によって、2つの半径方向外側レースウエー部分26a,26bの軸方向接近又は離反に変換される。
【0047】
駆動シャフト11の回転は、このように半径方向内側レース23の回転を起こさせ、それと共に、転がり接触により、半径方向外側レース26の曲面に沿っても転がる遊星ボール25を運ぶ。図1の一般化した実施の形態と同様に、遊星ボールは、半径方向内側及び半径方向外側レース23,26の夫々の曲面27a,27b及び28a,28bとのそれらの接触によってのみ束縛されるが、しかし、夫々のペアの遊星ボール25は、周辺方向の夫々の間に挿入されているローラーフォロワー15を有しているため、ボール25の遊星運動はこれらのローラーに、そしてシャフト16を介して、この場合には、出力スプロケット33を保持するユニットの全体の外側ケーシングを構成する遊星保持器14に伝達される。スプロケットは、例えば、ホィールへの駆動の前方伝達のためのチェーンを保持し、この実施の形態は、更に、回転外側ケーシング34と静止内側ハウジング41との間にベアリングを有している。制御レバー51を一方向又は他の方向に回すことにより生じる、半径方向外側レースウエー部分26a,26bの相対的接近又は離反の変化は、遊星ボール25を半径方向内側レースウエー23に接触させるように半径方向内側に付勢する、遊星ボール25に加わる力をより大きく、又はより小さくする原因となる。
【0048】
内側レースねじ37,38,39の機能は、夫々の遊星ボール接触点の法線力対接線(トラクション)力の比をある範囲内に維持するものである。その比は過剰スリップが起こらないことを確実にするために十分大きく(部分潤滑に対して少なくとも10、そして全流体潤滑の場合には2倍まで)なければならないが、しかし、必要とされるより、非常に大きな法線方向の力が加わり、これが効率、トルク容量及びユニットの寿命を減ずることになるほど大きくしてはならない。
【0049】
2つの内側レース半割体間に作用する軽い捩りスプリング40は、トルクがゼロから上昇する時にトルク検出機構が作用を開始するのに十分な接触圧が常時存在するのを確実にするための十分な予負荷を提供する。
【0050】
外側レースの凸条43及び溝44は両端間の比の変化が、比変更レバー51の過度の移動を必要とせずに行えるのに十分粗いピッチとしなければならないが、一方では、接触状態が単にレースを離す程粗くはない。図7に示される変速装置のタイプは、自転車において生じるような、高トルク、低速入力を有する応用にとりわけ適している。これは、遊星保持器に対する入力において、入力トルクはより大きな半径で、そして入力が内側レースの時よりも2倍多い接触パッチにおいて反作用するからである。自転車のような、ある場合においては、出力伝動装置は、応用が要求されるまで、出力速度を減ずることが要求される。
【0051】
図6の実施の形態は、正方向と逆方向の変速比を有する無段変速装置を構成する。これは、図5に関して説明したものと同様に、入力側に固定比ギアの遊星ギア装置を備えた無段変速装置を構成するものである。再び、図6の実施の形態の対応要素と同様な、又は同様な機能を満たす要素は、同様な参照符号で識別する。
【0052】
入力駆動シャフト11と出力スプロケット33との間で変速比を変化させる機構は図5に関して説明したものと本質的には同様であり、それ故、図6の実施の形態と図7の実施の形態の相違点のみを詳細に説明する。入力シャフト11は遊星保持ローラー15と同数で、夫々16と同様なシャフト上に保持される遊星ギア56の組とかみ合っている、付加した固定比太陽ホィールギア55を有している。
【0053】
遊星ギア56は出力スプロケット33を保持する外側ケーシング59に固定されている外側リングギア57とかみ合っている。この実施の形態では、遊星ギア56は常に太陽ホィール55とかみ合っているので、リングギア57、従って外側ケーシング59(そしてそれ故、出力駆動スプロケット33)が静止状態の時には、シャフト11の回転は、遊星従動ローラー15を与えられた速度で回転させる。それ故、静止、即ち「中立」駆動状態は、遊星ボール25の半径方向の位置が、回転速度がローラー従動節と同様であるような時に生じる。これは「Geared(ギアを入れた)」中立位置を提供する。遊星ボール25に、丁度説明した「中立」位置に関して、半径方向の内側位置に適合を生じさせるためのレバー51の調節は、ボールにローラー従動節15に対して力を加えさせ、リングギヤ57が静止状態の時に回転するであろう速度に対して回転速度を遅くさせ、これにより
【0054】
この駆動トルクの伝達は「逆」方向と考えられ、その速度は、遊星ボール25の半径方向位置が減少するに従い増大する。
【0055】
図7の実施の形態はある程度類似しているが、遊星固定ギア列を無段変速装置の入力側に設ける代わりに、これは、そのようなギア列を無段変速装置の出力側に設けている。更に、図7の実施の形態は、とりわけ自転車のギアハブ変速装置としての使用、そして中央軸は駆動シャフトではなく、装置全体が固定スピンドルの回りに回転するようにする目的に適合させている。ここでも、図5及び6の実施の形態の対応する要素と同様、又は同様な機能を果たす要素には同様な参照符号を付している。
【0056】
この実施の形態では、中央シャフト61は、夫々ナット67,68を螺合したねじ形成端部72,73を有する静止固定シャフトであり、ナットを端部72,73に螺合して夫々ワッシャー69,74及び75の組の間に自転車のフレーム部分を固定することができる。
【0057】
シャフト61は右側端部の近傍に軸膨大部76を有し、それから半径方向フランジが延びている。フランジは、左側端部に遊星固定比ギア列の外側リング57を保持している。遊星固定比ギア列は、リングギア57と太陽ギア55にかみ合う複数の遊星ギア56を有し、太陽ギアは半径方向内側レースウエー部分23a上の軸マウント78により支持されている。
【0058】
無段変速装置の遊星保持器14は、筒状の内側スリーブ79を有しており、内側スリーブの左側端部には筒状に形成した入力部材11を保持している。入力部材は駆動スプロケット62を保持すると共に、それ自体が固定シャフト61にベアリング66により支持されており、そしてベアリング63,71を介して外側ケーシング64を保持している。外側ケーシング64は自転車の車輪の「ハブ」部分であり、そこから自転車の車輪スポークが半径方向に突出する半径方向フランジ80を備えている。
【0059】
動作において、例えば自転車にとって常套的なチェーン駆動により、入力スプロケット62を回転すると、遊星保持器14、そして遊星保持器14により保持されているローラー従動節15により付勢されて遊星ボール25が回転する。固定ハウジング41に保持されている、固定、半径方向の外側レース26a,26bは、前と同様な機能を果たし、図5及び6の実施の形態における凸条43及び溝44により限定される調節スクロール、同様に、外側レースウエー部分26bの円周方向位置、そしてそれ故、他の外側レースウエー部分26aとの軸方向相対位置を制御するレバー51を有している。
【0060】
遊星ボール25の回転は、固定比遊星ギア機構の太陽ギア55を保持する半径方向の内側レース23a,23bに伝達され、これらは固定リングギア57にかみ合っているため、外側ケーシング64が、遊星ボール25の半径方向の位置の調節に依存する駆動変速比と駆動方向にて回転する。
【0061】
自転車の変速機に通常備えられている自由輪機能は「バリエーター」の機能の中に含ませることができる。内側レース半割体間の予負荷が小さい、即ちバネが弱い限りにおいては、自由輪走行している時のように入力トルクがない場合には、遊星ボールはただ軽くレースと接触しており、それによって生じる抵抗トルクの量は無視できる。
【0062】
多くの応用においては、バリエーターのパワー容量を増大するために入力ギア装置を使用することができる。バリエーターのパワー容量は通常はトルク容量に限定され、一方では、その速度能力は通常は要求されるよりも大きいので、入力ギア装置は、後者を減少させ、前者を増大するように使用することができる。例えば、出力速度が3000rpmの電動モーター原動機は、比3:1のギア装置のバリエーターと優位に結合することができ、それによって、なお9000rpmのバリエーター入力速度に耐えられ、しかしバリエーターのパワー容量が3倍のものが得られる。多くの応用において、そのような付加ギア装置はより小さなバリエーターユニットの使用を許容するであろう。
【0063】
さて図8〜10を参照すると、これらには半径方向内側及び外側レース23,26の様々な代わりの構成が示されている。これらの図面の記述において、示されている駆動機構の部分は、一つの転がり要素が半径方向の内側レースと半径方向の外側レースにじかに接触することに関する部分にすぎないことが理解されよう。遊星ボール(図面には示されていない)は5〜7の実施の形態のものと実質的に同一である。
【0064】
図8に示される実施の形態では、半径方向の外側レース201は、曲面の内側、即ち接触面202を有しており、これはレースウエーの全体の曲率半径よりも短い曲率半径の領域の形の4つの局部環形状を有している。これらの環状くぼみは図8において符号203で表されている。夫々2つの部分201a,201b及び204a,204bに分割されている外側レースウエー201と内側レースウエー204の間に捕らわれたボールは、レースウエー201a,201bと遊星ボールそれ自体との接触点に対する法線の相対傾斜を理由とする好みにより4つの局部環形状の内の一つに接触して落ち着く。
【0065】
図9は「とぎれとぎれ」の中立位置とすることが可能な実施の形態を示すものである。この実施の形態では、半径方向の内側レースウエー204には、一方はリング半割体204aに、他方はリング半割体204bに取り付けられている、2つの自由回転リング205,206が設けられている。
【0066】
次に、図11及び12の実施の形態に転じると、これらは以上に述べた実施の形態と同様な一般原理に基づいて動作するのであるが、遊星の形状が実質上異なり、従って他の要素も変わっている無段変速装置を示している。とは云っても、先行して説明した実施の形態の対応要素と、同様又は同様な機能を果たす要素には同様の参照符号を付して同一視する。図11の実施の形態において、太陽部材23a,23bが一緒になって半径方向の外側バレル形状面を規定しており、太陽部材23aは入力シャフト11の軸に対する第1の方向に傾斜した(即ち、左側でこの軸に収束する)弧母線による生成された回転面を備え、一方、太陽部材23bは、左に向かってシャフト11の軸から発散する弧ラインの形の母線の回転により生成される外側回転面26bを有している。太陽部材の曲線状の半径方向の外側表面26a,26bは、夫々の遊星15の曲面27と転がり接触しており、この実施の形態では、遊星は、回転軸に対して凹の曲線の回転による面を示す、「ディアボロ」形状を有している。
【0067】
遊星15に沿った経路の周辺に拡がり、そして遊星に転がり接触するものとして、夫々半径方向の内側曲面29a,29bを有する軌道部品28a,28bから構成される軌道部材28が設けられている。夫々の曲面29a,29bは夫々軸方向に対応する太陽部材23a,23bの母線を構成する弧と鏡像である(である必要もないが)弧の回転面を構成する。更に、曲面26a,29bを規定する弧の曲率半径は、遊星15の曲面を規定する曲線弧27の曲率半径よりも僅かに小さい。
【0068】
軌道部材28は、軌道28をケーシング(図示されていない)に対して静止状態に維持するために、固定部材31により取り付けられた犬歯部材を有している。この犬歯部材は図11では純粋の模式的に描かれているが、実際上において、軌道をケーシング(図示されていない)内に静止状態で保持するための手段は異なった形状であろうことは理解されよう。
【0069】
2つの軌道部材28a,28bの間には点33の回りに回転可能に取り付けられレバー34により制御されるカム32が設けられている。再度云うが、図11にはたった一つのレバー34が示されているが、実際上では、軌道28の周囲に渡って釣り合った力を与える機構が要求される。
【0070】
次に、図12の実施の形態に転ずると、これは実質上、同様な作動原理を有するものであるが、図11の実施の形態とは、遊星15が、大きい方の基部で結合された2つの円錐体15a,15b(実際上は単一の一体形として形成されるのであるが)から形成されていて、図11の実施の形態における二重曲面の必要性がないということが異なっている。これは、2つの円錐体15a,15bの円錐面27a,27bが直線の母線で形成できることから、ある程度簡素化を達成することができる。遊星15は、遊星保持器14内の、半径方向に延長したスロット18に収められたローラーベアリング16,17により保持される。
【0071】
それで太陽部材23a,23bは、比較的小さい接触パッチを得るために、これらの表面は弓状線の回転面により形成するのではあるけれども、傾斜表面26a,26bを有する2つのディスクとして形成することができる。軌道部材28a,28bは同様に、遊星15の2つの円錐部分15a,15bの円錐面27a,27bと転がり接触する曲面29a,29bを有する2つのディスクから形成することができる。
【0072】
説明の簡素化のために図12には最小限の可動部材のみが示されている。機構の一般的な概念は先に説明したものと実質的に同様であり、変速比は適宜の機構(図示されていない)により制御される2つの軌道部材28a,28bの間の離隔距離により決定される。
【0073】
次に図13〜17を参照すると、示されている装置は、入力シャフト211から筒状部材として示される出力駆動部材212まで回転力を伝達する双方向無段変速装置を構成するもので、勿論、出力駆動部材には適宜の既知の手段により出力駆動シャフトが結合されるものである。
【0074】
この駆動変速装置は、内側及び外側レース213,214を有し、これらは軸方向に離れている部分213a,213b;214a,214bから成り、それらの間には、転がり遊星部材215と、共通保持器217に固定されたローラー従動部材216が円周上に挿入されており、共通保持器からは出力シャフト212が突出していて、入力シャフト211に転がり要素ベアリング218によって、そして外側ケーシング219に転がり要素ベアリング220によって支持されている。
【0075】
共通保持器217は、ローラー従動節を貫通して支持する、対応するスピンドル221を有している。夫々のスピンドル221は、その他端を保持プレート222によって支持されており、保持プレートは転がり要素ベアリング223によって入力シャフトに支持されている。この端部において、駆動シャフト211が転がり要素ベアリング224によりケーシング219に支持されている。
【0076】
図15及び16に示されるように、遊星部材215は円周筒状溝225により軸方向に離れている2つの部分に分割された、概して球状体であり、溝には遊星体215を駆動シャフト211と平行な回転軸の回りに回転させるように隣接のローラー従動節216が嵌合している。ローラー従動節216とレース213,214とのそれらの嵌合以外では遊星部材215は制限されない。
【0077】
遊星部材215とレース213,214との接触は、遊星体の2つの曲面部分226,227において起こり、図15及び16から分かるように、レースの曲率半径は概しての球状体215の全体としての半径よりも大きい。
【0078】
遊星体215の半径方向の位置は、半径方向のレース部分213a,213bの軸方向の離隔距離によって決定され、その軸方向の離隔距離は2つのレース部材自体間のねじ相互接合によって制御することができ、その目的で、レース部分213aはそれとの回転のために円筒状スリーブ228に固定されている。2つのレース部分のねじ相互接合は図13においてボール229による描画で示している。「ボーデンケーブル」230(図17を見よ)は外側シースを2つのレース部材213a,213bの一つに、そして内側ケーブルを他にはめて接続し、シースと内側ケーブルとの間に加わる軸方向の力が、レース部分213a,213bの相対的回転を起こせるようにしている。シャフト211の回転方向に依存し、これは、2つのレース部分を軸方向に変位させ、その回転はリセス232に係合するストップ231により制限され、端部肩233,234と突出頭部との間を限定する。
【0079】
図15と16の考察から分かるように、図15に示されるように、2つのレース部分213a,213bの相対的接近は、遊星部材215をシャフト211の軸に向かって半径方向の内側に付勢し、これは内側レース214の部分214a,214bの対応する離反を引き起こす。内側レース214によって遊星部材215に加えられる力は、シャフト211のねじ部分と、それが嵌合する部分214a,214bの対応するねじ部分とから構成されるトルク検出カップリングによって生成される。これらのねじ部分の夫々は、図中に相互結合ボール235,236によって示している。
【0080】
内側レース部分214a,214bの軸方向の変位は接合ストッパー237,238によって制限され、プライミングスプリング239は2つのレース部分214a,214bを離れるように付勢する。こうして、シャフト211の回転方向に依存して、一方又は他方のレース部分214a,214bは夫々軸方向接合肩部237,238により軸方向の変位が制限される。そしてシャフト211の回転により他方に与えられるねじ回転運動は2つの外側レース部分213a,213b軸方向の離隔距離の選択により生じる力を補償する。図15に示されるように、2つの部分213a,213bが互いに近づいていると、遊星部材215は半径方向の内側に付勢されて、内側レース部分214a,214bが離れる方向に推進され、そして内側及び外側レース間の遊星部材の転がり接触は0.14:1の領域の低い比となる。内側ケーブルと外側シース間のテンションが減ぜられて外側レース部材213a,213bがケーブル230の作用により離反させられる時は、シャフト211によって与えられるトルクは、内側レース部材214a,214bを互いに近づけ、図16に示すように、変速比を最大である0.62:1に上昇させる。この比の範囲は、遊星215の接触面226,227の曲率半径を、遊星自体の全体としての直径との関係で大きくすることにより、大きくすることができる。変速装置の負荷耐性能力は、遊星内の溝225を設けて、与えられたサイズの変速装置ケーシング内で多数の遊星を配置することができるようにすることにより増大させることができる。図14に示されるように、列において5つの遊星部材があり、夫々がスピンドル221を有する5つのローラー従動節が挿入されていることがわかる。効果的な直径は、スピンドルの存在下においてローラー従動節から保持器に力を伝達する必要により決定することができる。更に、内側レース部分214a,214bを共通ねじに取り付けることにより、駆動シャフト211の回転方向に関係なく、軸方向の圧縮力を生成することができ、夫々の場合において、「後をついて行く」レース部分は、これが夫々の接合部に接触する時、他方に向かって付勢される。
【0081】
次に図18に転じ、これには、やはり概念的には無段であるが、オーバーライディング力がない場合には装置が停止する複数の所望のギヤ比を提供するように作用する変速装置が示されている。図18に示されている装置の、概しての構成は図13のものと同様であり、そのため、同様、または対応する要素は再度説明しない。この実施の形態では、遊星部材215は、複数の筒状円錐面からなる接触面226,227を有しており、それらは夫々効率的に環状小面を形成する直線状母線を有し、それ故、レース部分の対応する接触面と接触したときに与えられたギア比を効率的に規定することができる。図19〜24は、この実施の形態における遊星部材の6つの環状小面によって決定される6つのギヤ比に対する内側及び外側レース部分の相対位置を示すものである。

Claims (25)

  1. 入力駆動部材及び出力駆動部材と、
    夫々軸方向に離れた2つの部分から構成され、それらの2つの部分が、一緒に回転し、且つ軸方向に相対的に移動可能に接続されている、半径方向の内側レース及び外側レースと、
    前記半径方向の内側レース及び外側レースと転がり接触する遊星部材と、
    一つのレースの2つの部分の軸方向の離隔距離を選択的に変化させ、こうしてそれと転がり接触する遊星部材の半径方向位置を変化させる制御手段と、
    前記入力駆動部材及び出力駆動部材の間に加わるトルクに反応し、他のレースの2つの部分の離隔距離の補償変化、そして装置の変速比を決定すると共に、そして遊星部材とレース間で交換される、それらの間の境界に直角な方向の力を変化させて、レースと遊星部材の2つの部分間のトルク伝達と接触圧をバランスさせるトルク反応手段を設け
    トルク反応手段は、
    前記他のレースの2つの部分のうちの少なくとも一方の部分を、前記駆動部材に対する螺旋相互結合として構成して、この駆動部材との相対的回転により、前記2つの部分の軸方向の離隔距離が変化するように構成され、
    この螺旋相互結合は、意図した駆動方向において、遊星部材を介しての駆動の伝達がされない場合に生じる相対的回転が、2つの部分を接近させる方向に動作させるように設計されている無段変速装置。
  2. 遊星部材及びレースの部材の転がり接触面は、横断面において曲線である請求項1に記載の無段変速装置。
  3. 遊星部材は横断面が凸曲面であり、レースの部分は横断面が凹曲面である請求項1又は請求項2に記載の無段変速装置。
  4. 遊星部材は実質上、球状であって、半径方向の内側レース及び外側レース間に留められており、隣接する前記遊星部材の間には、遊星保持部材に保持されているローラー従動部材が挿入されていて、装置の運転において駆動が遊星部材に、又は遊星部材から伝達される請求項1〜3までのいずれか1項に記載の無段変速装置。
  5. 半径方向の内側レース又は外側レースの2つの部分の軸方向離隔距離を選択的に変化させる制御手段は、螺旋相互結合により相互接続された2つの調節部材を有し、調節部材の一つの相対的回転が、他の部材の相対的な軸方向の変位を生じるものである請求項1〜4のいずれか1項に記載の無段変速装置。
  6. 2つの調節部材の螺旋相互接合は、それらの部材自体のねじ結合を含み、前記2つの調節部材の一つは、少なくとも第1の軸の回りの限られた弧の運動範囲において回転可能であり、そして前記2つの調節部材の他方は、前記第1の軸と実質上、平行な軸の回りの回転運動が制限される請求項に記載の無段変速装置。
  7. 前記螺旋相互結合の螺旋角度は、螺旋の円周方向の大きさにより変化する請求項1〜6のいずれか1項に記載の無段変速装置。
  8. 固定比遊星ギア列を、入力駆動部材又は出力駆動部材のいずれか一方側に装置した請求項1〜7までのいずれか1項に記載の無段変速装置。
  9. 太陽部材、遊星部材及びリング部材から成る固定比のギア又は転がりトラクション部材の遊星変速列を出力駆動部材の駆動列に付加して、前記各部材の2つは前記無段変速装置に運動可能に接続した請求項1〜7までのいずれか1項に記載の無段変速装置。
  10. トルク反応手段を構成する前記他のレースの2つの部分は、それ自体が中心位置から両方向に軸方向に移動可能で、そして制限ストッパーと係合可能であり、こうして変速装置の回転駆動入力部材から回転出力部材に、2つの逆の回転方向に回転駆動が伝達可能な請求項1に記載の無段変速装置。
  11. トルク反応手段の前記相対運動可能な部分は、入力駆動部材にねじ結合により同様に相互接続され、これによりレース部分の軸方向の変位が、もし制限されている場合に回転駆動が伝達される請求項10に記載の無段変速装置。
  12. ねじ接合のねじ部材はボールのような回転要素により相互結合されている請求項11に記載の無段変速装置。
  13. トルク反応手段の2つの相対運動可能な2つの部分は、反対方向に軸方向に弾性的にバイアスされている請求項10〜12のいずれか1項に記載の無段変速装置。
  14. 前記2つの相対運動可能な2つの部分の弾性的なバイアスは、それらの間の圧縮バネにより達成する請求項13に記載の無段変速装置。
  15. 前記制限ストッパーは、前記入力駆動部材に設けられ、又は保持され、または結合された結合部材である請求項10〜14のいずれか1項に記載の無段変速装置。
  16. 前記一つのレースの2つの部分は、軸方向の離隔距離が選択的に可変であり、2つの逆の回転方向に夫々制限された回転変位が可能なように夫々変速装置のケーシングに保持されている請求項に記載の無段変速装置。
  17. 前記一つのレースの2つの部分の軸方向相対的離隔は、変速装置の固定部分と共に、2つの部分の少なくとも一つの部分の螺旋相互結合によって達成され、2つのレース部分の両方とも前記固定部材に対して相対的に回転可能である請求項16に記載の無段変速装置。
  18. 前記一つのレースの2つの部分の相対的回転は、それらの間に作用するボーデンケーブルによって達成される請求項17に記載の無段変速装置。
  19. 遊星部材は、夫々の周辺に環状溝を有し、それらの軸は、夫々の遊星部材がレースに接触してその回りに転がる軸と実質上一致し、前記環状溝にはローラー従動部材が結合され、遊星部材を、遊星運動においてその方向を維持するように作用する請求項1に記載の無段変速装置。
  20. 遊星従動部材は、共通保持部材によって保持され、それを通して装置の出力駆動部材に運動が伝達される請求項19に記載の無段変速装置。
  21. 遊星部材は、夫々の対応するレースの対応する曲面と転がり接触する夫々弧状の曲面部分を有し、前記面部分の曲率半径は遊星部材自体の有効半径よりも大きい請求項1に記載の無段変速装置。
  22. 遊星部材は、遊星部材それ自体の転がり軸に対して実質上、異なった一定の傾斜を有する複数の要素的環状接触面部分を有する請求項1に記載の無段変速装置。
  23. 夫々の遊星部材の母線は、複数の実質上、直線要素的部分からなる区域を含む請求項22に記載の無段変速装置。
  24. レースは夫々実質上、連続的に湾曲した接触面を有する請求項22又は23に記載の無段変速装置。
  25. レースは、遊星部材との転がり接触のための夫々接触面を有し、それらは実質上、遊星部材のそれらに適合する、対応する傾斜要素的環状接触面部分を有している請求項22又は23に記載の無段変速装置。
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