JP4560251B2 - 情報記録装置および情報記録方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザ光線などを利用して光ディスクに情報を記録する技術に属する。
【0002】
【従来の技術】
DVD−R(DVD-Recordable)、DVD−RW(DVD-Re-recordable)などの書き込み又は書き換え可能な光ディスクには、ディスクの記録面上にレーザ光を照射して情報を記録する。光ディスクの記録面上のレーザ光が照射された部分は、温度が上昇するために光ディスクを構成する光記録媒体に変化が生じ、これにより記録マークが記録面上に形成される。
【0003】
よって、記録すべき情報に応じた時間幅を有する記録パルスでレーザ光を変調して記録すべき信号に応じた長さのレーザパルスを生成し、これを光ディスクに照射することにより、記録すべき情報に応じた長さの記録マークを光ディスク上に形成することができる。
【0004】
一方、最近では1つの記録マークを1つのレーザパルスで形成するのではなく、複数の短いパルスを含むパルス列により記録マークを形成するレーザパワーの制御手法が利用されている。このような手法はライトストラテジーとも呼ばれ、単一の記録パルスを照射する方法に比べて、光ディスクの記録面上における熱蓄積が減少するので、記録マークが形成される記録面上の温度分布を均一化することができる。その結果、記録マークが涙滴形状となることを防止して好ましい形状の記録マークを形成することができる。
【0005】
上記の記録パルス列は、所定のリード(読取)パワーレベルとライト(書き込み又は記録)パワーレベルとの間で振幅が変動する複数のパルスにより構成されている。即ち、記録信号に従って、記録マークを形成しない光ディスクの記録面上の領域(以下、「スペース部」とも呼ぶ。)ではリードパワーでレーザ光が記録面上に照射され、記録マークを形成すべき光ディスクの記録面上の領域(以下、「マーク部」とも呼ぶ。)では、リードパワーとライトパワーの間で振幅が変化する記録パルス列に応じたパワーでレーザ光が記録面上に照射され、それにより記録マークが記録面上に形成される。
【0006】
上述のライトストラテジーによる記録パルス波形の一例を図18に示す。図18の例は記録データのうち7Tのマークを記録する部分の記録パルス波形である。図示のように、記録パルスは、1つのトップパルス90と、それに続く複数のパルス91からなるパルストレイン(「マルチパルス」とも呼ばれる)92により構成される。トップパルスは例えば1.5Tのパルス幅を有し、それに続くパルストレイン92の各パルス91は例えば0.5Tのパルス幅を有する。トップパルス90及びパルストレイン92はともにライトパワーPwとリードパワーPrの2値の間で振幅が変化するパルスである。
【0007】
トップパルス90は、マークの記録のために光ディスクの記録面を予熱する役割を有し、1.5Tのパルス幅のトップパルス90に対応する記録レーザを照射することにより、光ディスクの記録面を融点近くまで導く。その後、それに続くパルストレイン92により所望の長さのマークを記録面に形成する。パルストレイン92は例えばパルス幅0.5Tの複数のパルス91(オン期間及びオフ期間を含む1周期は1T)の連続により構成される。これにより、光ディスクの記録面は、0.5Tのレーザ照射、0.5Tの急冷、0.5Tのレーザ照射、...が繰り返され、形成されるマークの長さが制御される。
【0008】
図18に例示する記録パルス波形を使用する方法では、記録すべきマーク長をnとすると、記録パルスは1つのトップパルス90と、(n−3)個のパルス91を含むパルストレイン92とにより構成される。記録すべきマーク長に応じて、上述のような記録パルスを生成して記録レーザを駆動することにより、光ディスクの記録面上に所望の長さのマーク記録が行われる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述のライトストラテジーによると、通常速度での記録時には問題はないが、高速記録時にはクロックが高速化するために、記録レーザを駆動する記録パルスの制御が困難となるという問題が生じる。
【0010】
高速記録時には、記録パルスを生成するためのクロック自体が高速化するので、パルストレイン92を構成する各パルス91の周期が短くなり、各パルス91の位置が相互に近づくことになる。よって、パルストレイン92を構成する各パルス91の部分において、記録レーザの立ち上がり時間がクロックに対して相対的に長くなるため、実際には記録パルスはパルストレイン92を構成する各パルス91がつながったような波形となってしまう。このため、記録時にレーザ照射により光ディスクに与えられる熱量の制御が難しくなる。
【0011】
また、一般的にパルス波形の立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジにはオーバーシュート及びアンダーシュートが生じ、これは上述の記録パルスにおいても同様である。通常速度での記録時には、オーバーシュート期間及びアンダーシュート期間はパルストレイン92を構成するパルス91のパルス幅に比べて小さいので記録パルスの波形(特に振幅レベル)に大きな悪影響を与えることはあまりない。
【0012】
しかし、高速記録時にはパルストレイン92を構成するパルス91の幅が短くなるので、オーバーシュート期間及びアンダーシュート期間がパルス91の期間と重なってしまい、その結果、実質的にパルス91の振幅レベルが変化してしまうことになる。上述のライトストラテジーにおいては、トップパルス及びパルストレインともに同一の振幅レベル(ライトパワーレベル)となるように記録パルス波形が設計されているので、このようにオーバーシュートやアンダーシュートの影響により記録パルスのパワーレベルが変化してしまうと、光ディスクに与えられる熱量を正確に制御することができなくなる。その結果、適切な形状のマークを記録することができなくなる。
【0013】
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、高速記録時においても適切な形状のマークを記録することが可能な情報記録装置及び情報記録方法を提供することを課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の観点によれば、記録媒体にレーザ光を照射して、記録信号に応じた記録マークを形成する情報記録装置は、前記レーザ光を出射する光源と、前記記録信号に基づいて記録パルス信号を生成する信号生成手段と、前記記録パルス信号に基づいて前記光源を駆動することにより、前記記録媒体上にレーザパルスを照射する制御手段と、を備え、前記記録パルス信号は、前記記録マークを形成するマーク期間と前記記録マークを形成しないスペース期間とを含み、前記記録マークを形成する前記記録パルス信号は、第1のタイプの記録パルスと第2のタイプの記録パルスとを含み、前記第1のタイプの記録パルスは単一の振幅レベルを有し、前記第2のタイプの記録パルスは、第1の記録パワーに対応する第1の振幅レベルを有するトップパルスと、前記第1の振幅レベルを有するラストパルスと、前記第1の記録パワーより低い第2の記録パワーに対応する第2の振幅レベルを有するとともに前記トップパルスの終了位置及び前記ラストパルスの開始位置と連続的につながっている中間バイアス部と、を含み、前記第2の振幅レベルは一定であり、前記記録パルス信号は、前記ラストパルスの直後に位置し、残留熱の影響を軽減するための振幅レベルを有するオフ期間を含み、前記信号生成手段は、記録すべき記録マークに対応する前記マーク期間の前のスペース期間の長さに応じて、前記トップパルス期間の開始位置及び終了位置を夫々変化させ、前記トップパルス期間の開始位置の変化により前記記録マークの開始位置の粗調整が行われ、前記トップパルス期間の終了位置の変化により前記記録マークの開始位置の微調整が行われ、前記信号生成手段は、前記マーク期間の後のスペース期間の長さに応じて、前記ラストパルス期間の開始位置及び終了位置を夫々変化させ、前記ラストパルス期間の終了位置の変化により前記記録マークの終了位置の粗調整が行われ、前記ラストパルス期間の開始位置の変化により前記記録マークの終了位置の微調整が行われる。
【0015】
上記の情報記録装置は、光ディスクなどの記録媒体にレーザ光を照射して、記録信号に応じた記録マークを形成することにより情報を記録する。記録信号に基づいて記録パルス信号が生成され、その記録パルス信号に基づいて光源が制御されてレーザ光が記録媒体に照射される。
【0016】
記録パルス信号は、記録マークを形成するためにレーザ光を照射するマーク期間と、記録マークを形成しない期間であるスペース期間とにより構成される。マーク期間は、トップパルス期間と、それに続く中間バイアス期間とを有する。トップパルス期間は、第1の記録パワーに対応する第1の振幅レベルを有し、中間バイアス期間は第2の記録パワーに対応する第2の振幅レベルを有する。第1の記録パワーは第2の記録パワーより大きい。これらトップパルス期間及び中間バイアス期間にそれぞれの振幅に応じたパワーでレーザ光が記録媒体に照射され、記録マークが形成される。
【0017】
トップパルス期間及び中間バイアス期間からなるマーク期間は、従来のライトストラテジーにおけるパルストレインのような、パルス幅の小さい複数のパルスの連続部分を有しないので、記録速度が高速化した場合でも、記録パルス波形が不適切に変形することがなく、記録媒体上に正しい記録マークを安定的に形成することができる。
【0018】
上記の情報記録装置の一態様では、前記マーク期間は、前記第1の振幅レベルを有し、前記中間バイアス部に続くラストパルス期間をさらに含む。
【0019】
この態様によれば、マーク期間は、中間バイアス期間に続いて、トップパルス期間と等しい第1の記録パワーを有するラストパルス期間を含む。第1の記録パワーに対応する第1の振幅レベルを有するトップパルス期間とラストパルス期間、及び、第2の記録パワーに対応する第2の振幅レベルを有する中間バイアス期間の時間幅を適切に設定することにより、所望の長さの記録マークを安定的に形成することができる。
【0020】
上記の情報記録装置の他の一態様では、前記スペース期間は、前記第1の記録パワー及び前記第2の記録パワーより低い読取パワーに対応する第3の振幅レベルを有する。
【0021】
この態様によれば、スペース期間では、読取パワーに対応するレーザ光が照射されるので、記録マークが形成されることがなく、記録媒体上には記録信号に応じたスペースが形成される。
【0022】
上記の情報記録装置のさらに他の一態様では、前記信号生成手段は、記録すべき記録マークに対応する前記マーク期間の前のスペース期間の長さに応じて、前記トップパルス期間の開始位置及び終了位置の少なくとも一方を変化させる。
【0023】
この態様によれば、先行するスペース期間の長さに応じてトップパルス期間の開始位置及び終了位置の少なくとも一方を変化させることにより、記録媒体に照射されるレーザ光のパワーが制御される。よって、熱的干渉や光学的符号間干渉などの影響を除去して、適切な長さの記録マークを形成することができる。
【0024】
上記の情報記録装置のさらに他の一態様では、前記トップパルス期間の開始位置の変化により前記記録マークの開始位置の粗調整が行われ、前記トップパルス期間の終了位置の変化により前記記録マークの開始位置の微調整が行われる。
【0025】
この態様によれば、トップパルス期間の開始位置と終了位置の変化量を適切に設定することにより、記録マークの長さを細かに制御することができる。
【0026】
上記の情報記録装置のさらに他の一態様では、前記信号生成手段は、記録すべき記録マークに対応する前記マーク期間の後のスペース期間の長さに応じて、前記マーク期間の終了位置を変化させる。
【0027】
この態様によれば、後続のスペース期間の長さに応じてマーク期間の終了位置を変化させることにより、記録媒体に照射されるレーザ光のパワーが制御される。よって、熱的干渉や光学的符号間干渉などの影響を除去して、適切な長さの記録マークを形成することができる。
【0028】
上記の情報記録装置のさらに他の一態様では、前記信号生成手段は、記録すべき記録マークに対応する前記マーク期間の後のスペース期間の長さに応じて、前記ラストパルス期間の開始位置及び終了位置の少なくとも一方を変化させる。
【0029】
この態様によれば、後続のスペース期間の長さに応じて、ラストパルス期間の開始位置及び終了位置の少なくとも一方を変化させることにより、記録媒体に照射されるレーザ光のパワーが制御される。よって、熱的干渉や光学的符号間干渉などの影響を除去して、適切な長さの記録マークを形成することができる。
【0030】
上記の情報記録装置のさらに他の一態様では、前記ラストパルス期間の終了位置の変化により前記記録マークの終了位置の粗調整が行われ、前記ラストパルス期間の開始位置の変化により前記記録マークの終了位置の微調整が行われる。
【0031】
この態様によれば、ラストパルス期間の開始位置と終了位置の変化量を適切に設定することにより、記録マークの長さを細かに制御することができる。
【0032】
上記の情報記録装置のさらに他の一態様では、前記スペース期間は、前記中間バイアス期間の直後に位置し、振幅レベルがゼロであるオフ期間をさらに含む。
【0033】
この態様によれば、中間バイアス期間直後にレーザ光のレベルがゼロに落ちるため、記録媒体の記録面を急冷することができ、後続の記録マークに対する熱的干渉などの影響を軽減することができる。
【0034】
上記の情報記録装置のさらに他の一態様では、前記スペース期間は、前記ラストパルス期間の直後に位置し、振幅レベルがゼロであるオフ期間をさらに含む。
【0035】
この態様によれば、ラストパルス期間直後にレーザ光のレベルがゼロに落ちるため、記録媒体の記録面を急冷することができ、後続の記録マークに対する熱的干渉などの影響を軽減することができる。
【0036】
上記の情報記録装置のさらに他の一態様では、前記第1の記録パワーは、前記第2の記録パワーの120%〜185%の範囲内の値とするのが好適である。
【0037】
この態様によれば、ジッタなどの少ない良好な特性を有するように記録マークを形成することができる。
【0038】
本発明の他の観点によれば、記録媒体に光源からのレーザ光を照射して、記録信号に応じた記録マークを形成する情報記録方法は、前記記録信号に基づいて記録パルス信号を生成する信号生成ステップと、前記記録パルス信号に基づいて前記光源を駆動することにより、前記記録媒体上にレーザパルスを照射するステップと、を備え、前記記録パルス信号は、前記記録マークを形成するマーク期間と前記記録マークを形成しないスペース期間とを含み、前記記録マークを形成する前記記録パルス信号は、第1のタイプの記録パルスと第2のタイプの記録パルスとを含み、前記第1のタイプの記録パルスは単一の振幅レベルを有し、前記第2のタイプの記録パルスは、第1の記録パワーに対応する第1の振幅レベルを有するトップパルスと、前記第1の振幅レベルを有するラストパルスと、前記第1の記録パワーより低い第2の記録パワーに対応する第2の振幅レベルを有するとともに前記トップパルスの終了位置及び前記ラストパルスの開始位置と連続的につながっている中間バイアス部と、を含み、前記第2の振幅レベルは一定であり、前記記録パルス信号は、前記ラストパルスの直後に位置し、残留熱の影響を軽減するための振幅レベルを有するオフ期間を含み、前記信号生成ステップは、記録すべき記録マークに対応する前記マーク期間の前のスペース期間の長さに応じて、前記トップパルス期間の開始位置及び終了位置を夫々変化させ、前記トップパルス期間の開始位置の変化により前記記録マークの開始位置の粗調整が行われ、前記トップパルス期間の終了位置の変化により前記記録マークの開始位置の微調整が行われ、前記信号生成ステップは、前記マーク期間の後のスペース期間の長さに応じて、前記ラストパルス期間の開始位置及び終了位置を夫々変化させ、前記ラストパルス期間の終了位置の変化により前記記録マークの終了位置の粗調整が行われ、前記ラストパルス期間の開始位置の変化により前記記録マークの終了位置の微調整が行われる。
【0039】
上記の情報記録方法によれば、光ディスクなどの記録媒体にレーザ光を照射して、記録信号に応じた記録マークを形成することにより情報を記録する。記録信号に基づいて、記録パルス信号が生成され、その記録パルス信号に基づいて光源が制御されてレーザ光が記録媒体に照射される。
【0040】
記録パルス信号は、記録マークを形成するためにレーザ光を照射するマーク期間と、記録マークを形成しない期間であるスペース期間とにより構成される。マーク期間は、トップパルス期間と、それに続く中間バイアス期間とを有する、トップパルス期間は、第1の記録パワーに対応する第1の振幅レベルを有し、中間バイアス期間は第2の記録パワーに対応する第2の振幅レベルを有する。第1の記録パワーは第2の記録パワーより大きい。これらトップパルス期間及び中間バイアス期間にそれぞれの振幅に応じたパワーでレーザ光が記録媒体に照射され、記録マークが形成される。
【0041】
トップパルス期間及び中間バイアス期間からなるマーク期間は、従来のライトストラテジーにおけるパルストレインのような、パルス幅の小さい複数のパルスの連続部分を有しないので、記録速度が高速化した場合でも、記録パルス波形が不適切に変形することがなく、記録媒体上に正しい記録マークを安定的に形成することができる。
【0042】
上記の情報記録方法の一態様では、前記マーク期間は、前記第1の振幅レベルを有し、前記中間バイアス部に続くラストパルス期間をさらに含む。
【0043】
この態様によれば、マーク期間は、中間バイアス期間に続いて、トップパルス期間と等しい第1の記録パワーを有するラストパルス期間を含む。第1の記録パワーに対応する第1の振幅レベルを有するトップパルス期間とラストパルス期間、及び、第2の記録パワーに対応する第2の振幅レベルを有する中間バイアス期間の時間幅を適切に設定することにより、所望の長さの記録マークを安定的に形成することができる。
【0044】
上記の情報記録方法の他の一態様では、前記記録パルス信号を生成するステップは、記録すべき記録マークに対応する前記マーク期間の前のスペース期間の長さに応じて、前記トップパルス期間の開始位置及び終了位置の少なくとも一方を変化させる。
【0045】
この態様によれば、先行するスペース期間の長さに応じて、トップパルス期間の開始位置及び終了位置の少なくとも一方を変化させることにより、記録媒体に照射されるレーザ光のパワーが制御される。よって、熱的干渉や光学的符号間干渉などの影響を除去して、適切な長さの記録マークを形成することができる。
【0046】
上記の情報記録方法のさらに他の一態様では、前記記録パルス信号を生成するステップは、記録すべき記録マークに対応する前記マーク期間の後のスペース期間の長さに応じて、前記マーク期間の終了位置を変化させる。
【0047】
この態様によれば、後続のスペース期間の長さに応じて、マーク期間の終了位置を変化させることにより、記録媒体に照射されるレーザ光のパワーが制御される。よって、熱的干渉や光学的符号間干渉などの影響を除去して、適切な長さの記録マークを形成することができる。
【0048】
上記の情報記録方法のさらに他の一態様では、前記記録パルス信号を生成するステップは、記録すべき記録マークに対応する前記マーク期間の後のスペース期間の長さに応じて、前記ラストパルス期間の開始位置及び終了位置の少なくとも一方を変化させる。
【0049】
この態様によれば、後続のスペース期間の長さに応じて、ラストパルス期間の開始位置及び終了位置の少なくとも一方を変化させることにより、記録媒体に照射されるレーザ光のパワーが制御される。よって、熱的干渉や光学的符号間干渉などの影響を除去して、適切な長さの記録マークを形成することができる。
【0050】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態について説明する。
【0051】
[装置構成]
図1に、本発明の実施形態にかかる情報記録再生装置の全体構成を概略的に示す。情報記録再生装置1は、光ディスクDに情報を記録し、また、光ディスクDから情報を再生するための装置である。光ディスクDとしては、例えば1回に限り記録が可能なCD−R(Compact Disc-Recordable)又はDVD−R、複数回にわたって消去及び記録が可能なCD−RW(Compact Disc-Rewritable)又はDVD−RWなどの種々の光ディスクを使用することができる。
【0052】
情報記録再生装置1は、光ディスクDに対して記録ビーム及び再生ビームを照射する光ピックアップ2と、光ディスクDの回転を制御するスピンドルモータ3と、光ディスクDへの情報の記録を制御する記録制御部10と、光ディスクDに既に記録されている情報の再生を制御する再生制御部20と、スピンドルモータ3の回転を制御するスピンドルサーボ、並びに光ピックアップ2の光ディスクDに対する相対的位置制御であるフォーカスサーボ及びトラッキングサーボを含む各種サーボ制御を行うためのサーボ制御部30と、を備える。
【0053】
記録制御部10は記録信号を受け取り、後述の処理により光ピックアップ2内部のレーザダイオードを駆動するための駆動信号SDを生成して、これを光ピックアップ2へ供給する。
【0054】
再生制御部20は、光ピックアップ2から出力される読取RF信号Srfを受け取り、これに対して所定の復調処理、復号化処理などを施して再生信号を生成して出力する。
【0055】
サーボ制御部30は、光ピックアップ2からの読取RF信号Srfを受け取り、これに基づいてトラッキングエラー信号及びフォーカス信号などのサーボ信号S1を光ピックアップ2へ供給するとともに、スピンドルサーボ信号S2をスピンドルモータ3へ供給する。これにより、トラッキングサーボ、フォーカスサーボ、スピンドルサーボなどの各種サーボ処理が実行される。
【0056】
なお、本発明は主として記録制御部10における記録方法に関するものであり、再生制御及びサーボ制御については既知の種々の方法が適用できるので、それらについての詳細な説明は行わない。
【0057】
また、図1には本発明の1つの実施形態として情報記録再生装置を例示しているが、本発明は記録専用の情報記録装置に適用することも可能である。
【0058】
図2に、光ピックアップ2及び記録制御部10の内部構成を示す。図2に示すように、光ピックアップ2は、光ディスクDに対して情報を記録するための記録ビーム及び光ディスクDから情報を再生するための再生ビームを生成するレーザダイオードLDと、レーザダイオードLDから出射されたレーザ光を受光して、レーザ光に対応するレーザパワーレベル信号LDoutを出力するフロントモニタダイオード(FMD)16とを備える。
【0059】
なお、光ピックアップ2は、この他に再生ビームの光ディスクDによる反射ビームを受光して読取RF信号Srfを生成するための光検出器や、記録ビーム及び再生ビーム並びに反射ビームを適切な方向に案内する光学系などの既知の構成要素を備えるが、それらの図示及び詳細な説明は省略する。
【0060】
一方、記録制御部10は、レーザダイオード(LD)ドライバ12と、APC(Automatic Power Control)回路13と、サンプルホールド(S/H)回路14と、コントローラ15とを備える。
【0061】
LDドライバ12は、記録信号に応じた電流をレーザダイオードLDに供給して、光ディスクDへ情報の記録を行う。フロントモニタダイオード16は、光ピックアップ2内のレーザダイオードLDの近傍に配置され、レーザダイオードLDから出射されるレーザ光を受光して、そのレベルを示すレーザパワーレベル信号LDoutを出力する。
【0062】
サンプルホールド回路14は、サンプルホールド信号APC-S/Hにより規定されるタイミングでレーザパワーレベル信号LDoutのレベルをサンプルし、ホールドする。APC回路13は、サンプルホールド回路14の出力信号に基づき、レーザダイオードLDから出射されるレーザ光のリードパワーレベルが一定となるようにLDドライバ12のパワー制御を行う。
【0063】
コントローラ15は、主として記録動作とAPC動作とを行う。まず、記録動作について説明する。記録動作では、コントローラ15はレーザダイオードLDへ供給される電流量を制御するスイッチの切換信号SWR、SWW1を及びSWW2を生成して、LDドライバ12へ供給する。
【0064】
図3にLDドライバ12の詳細構成を示す。図3に示すように、LDドライバ12は、リードレベル用の電流源17R、ライトレベル用の電流源17W1及び17W2、スイッチ18R、18W1及び18W2を備える。
【0065】
リードレベル用の電流源17Rは、レーザダイオードLDにリードパワーでレーザ光を出射させるための駆動電流IRを流す電流源であり、駆動電流IRはスイッチ18Rを介してレーザダイオードLDに供給される。よって、スイッチ18RをオンにするとレーザダイオードLDにリードパワーの駆動電流IRが供給され、スイッチ18Rをオフにすると駆動電流IRの供給は停止される。電流源17Rからの駆動電流IRの大きさは、制御信号SAPCにより変化する。
【0066】
ライトレベル用の電流源17W1及び17W2は、それぞれレーザダイオードLDにライトパワーでレーザ光を出射させるための駆動電流IW1及びIW2を流す電流源である。駆動電流IW1はスイッチ18W1を介してレーザダイオードLDに供給され、駆動電流IW2はスイッチ18W2を介してレーザダイオードLDに供給される。
【0067】
本発明によるライトストラテジーでは、第1のライトパワーPhと、それより低い第2のライトパワーPmの2つのレベルのライトパワーが使用される。スイッチ18Rをオンにした状態で、スイッチ18W1をオンにすると、レーザダイオードLDに駆動電流IR及びIW1の合計駆動電流が供給され、これにより第2のライトパワーPmでレーザダイオードが駆動される。また、スイッチ18R及び18W1をオンにした状態でさらにスイッチ18W2をオンにすると、レーザダイオードLDにはさらに駆動電流IW2が供給され、その結果、レーザダイオードには駆動電流IR、IW1及びIW2の合計の駆動電流が流れてレーザダイオードは第1のライトパワーPhで駆動される。スイッチ18W1をオフにすると駆動電流IW1の供給は停止され、スイッチ18W2をオフにすると駆動電流IW2の供給は停止される。
【0068】
図4に、レーザダイオードLDに供給される駆動電流と、レーザダイオードLDから出射されるレーザ光の出力パワーとの関係を示す。図4からわかるように、レーザダイオードLDに駆動電流IRを供給すると、リードパワーPRでレーザ光が出射される。その状態でさらに駆動電流IW1を加えると、第2のライトパワーPmでレーザ光が出射される。また、さらに駆動電流IW2を加えると、第1のライトパワーPhでレーザ光が出射される。
【0069】
光ディスクへの情報の記録時には、基本的には駆動電流IRを常に供給してリードパワーPRでレーザ光を出射しておき、さらに記録パルスに従って駆動電流IW1及びIW2を追加することにより第1のライトパワーPh又は第2のライトパワーPmが印加されて、情報が光ディスクに記録される。
【0070】
次に、APC動作について説明する。APC動作は、レーザダイオードLDにより出力されるレーザ光のリードパワーのレベルが一定となるように、LDドライバ12からレーザダイオードLDに供給される駆動電流レベルを調整するものである。より詳細には、記録信号(8−16変調されており、3T〜11T、14Tの長さのマーク期間及びスペース期間を有する)のスペース部のうち、長いスペース期間(例えば5T〜11T、14Tのスペース期間)中において、リードパワーのレベルが一定となるようにLDドライバ12からの駆動信号SDを調整する。
【0071】
具体的には以下のように動作する。コントローラ15は、上述のように記録信号に対応する記録パルスを生成して、当該記録パルスによってLDドライバ12を駆動してレーザダイオードLDからレーザ光を出射させる。
【0072】
フロントモニタダイオード16は、光ピックアップ2内のレーザダイオードLDの近傍に配置され、レーザダイオードLDから出射したレーザ光を受光してそのレベルを示すレーザパワーレベル信号LDoutを生成し、サンプルホールド回路14に供給する。
【0073】
サンプルホールド回路14は、コントローラ15から入力されるサンプルホールド信号APC-S/Hにより与えられるタイミングで、フロントモニタダイオード16から供給されるレーザパワーレベル信号LDoutをサンプルし、そのレベルを所定期間ホールドする。コントローラ15から出力されるサンプルホールド信号APC-S/Hは、APCを実行する期間(「APC期間」と呼ぶ。)を示すパルスである。
【0074】
よってサンプルホールド回路14は、記録信号のスペース期間中のAPC期間においてレーザパワーレベル信号LDoutのレベルをホールドしてAPC回路13へ供給する。APC回路13は、APC期間におけるレーザパワーレベル信号LDoutのレベルが一定となるように、LDドライバ12へ制御信号SAPCを供給する。
【0075】
制御信号SAPCは、図3に示すように、LDドライバ12内のリードレベル用電流源17Rに入力される。これにより、制御信号SAPCに応じて、リードレベル用電流源17Rから流れる電流IRが変化する。つまり、レーザダイオードLDにより得られるリードパワーレベルが一定となるようにAPCが実行される。
【0076】
[本発明のライトストラテジー]
次に、本発明による高速記録に適したライトストラテジーについて説明する。
【0077】
(記録パルス波形の第1実施形態)
本発明のライトストラテジーによる記録パルス波形の第1実施形態を図5に示す。図示のように、本実施形態のライトストラテジーによる記録パルス波形は、トップパルス40、中間バイアス部41及びラストパルス42の3つの部分により構成される。また、これらの部分以外においては、記録パルス波形はリードパワーPRのレベルに維持されている。
【0078】
本発明のライトストラテジーでは、2値のライトパワーを使用している。トップパルス40及びラストパルス42は第1のライトパワーPhを有し、中間バイアス部41は第2のライトパワーPmを有している。第2のライトパワーPmはリードパワーPRより高いが、第1のライトパワーPhより低く設定される。
【0079】
トップパルス40はマーク記録のために光ディスクの記録面を予熱する役割を有する。中間バイアス部41は記録すべきマークの長さに応じてその時間幅が変化する。ラストパルス42は主としてマークの後端部の形状を調整する役割を有する。また、基本的には、記録すべきマークの長さはトップパルス幅Ttop、ラストパルス幅Tlp及び第1のライトパワーPhにより制御され、記録すべきマークの幅は第2のライトパワーPmにより制御される。
【0080】
図6に、記録すべき各マーク長に対応する記録パルス波形を示す。記録データは8−16変調されており、3T〜11T、14Tの長さのマーク期間及びスペース期間を有する。図示のように、3T及び4Tの記録データの場合は中間バイアス部41はなく、トップパルス40とラストパルス42とが合成された形で1つのパルスとなっている。このパルスのパワーはトップパルス及びラストパルスと同じ第1のライトパワーPhである。
【0081】
5Tより長い記録データについては、その長さに応じて中間バイアス部41の長さが増加する。トップパルス40とラストパルス42のパルス幅は、後述の制御により多少変化するものの基本的にはそれぞれほぼ一定であり、中間バイアス部41のように記録マーク長に応じて大きく変化するということはない。
【0082】
本実施形態の記録パルス波形では、図5に示すように、トップパルス40とラストパルス42にパルス波形の立ち上がり及び立ち下がりがあるが、図18に示すライトストラテジーのようにパルス幅の小さい複数のパルスが連続するものではなく、また、トップパルス40とラストパルス42の間には中間バイアス部41が存在するので、高速記録時においてもパルスの立ち上がり及び立ち下がり期間の影響、並びに、オーバーシュート及びアンダーシュートの影響によって波形が不適切に変形してしまうことがない。
【0083】
なお、図6の例においては、記録マークが4Tの場合もトップパルスとラストパルスが合成した1つのパルス波形としているが、図6中の破線100で示すように、記録マークが4Tの場合は中間バイアス部を設けるように記録パルス波形を決定することもできる。
【0084】
また、図6は通常の記録速度の4倍の高速記録用の記録パルス例を示しているが、これより記録速度を高速化した場合(例えば、8倍速、16倍速など)には、その分クロックも高速化するので、3T及び4Tの記録データのみならず、5T以上の記録データについても、中間バイアス部が無くなった単一パルス型の記録パルス波形としても良い。
【0085】
(記録パルス波形のエッジ位置の調整)
さらに、本発明のライトストラテジーは、良好な記録特性を得るために、トップパルス40及びラストパルス42の位置及びパルス幅を、記録すべきマークの直前及び直後のスペース長に応じて変化させる点にも特徴を有する。
【0086】
このような細かな制御を行う理由は、記録すべきマークの前後のスペース長によって、実際に形成されるマークの形状が影響を受けるからである。そのような影響を与える主たる要因としては、記録時における熱的干渉と再生時における光学的符号間干渉とが挙げられる。以下、これらについて説明する。
【0087】
まず、図7を参照して熱的干渉の影響について説明する。図7(a)及び(b)は、ある記録データについての記録パルス波形及び記録されるマークの形状を概念的に示した図である。図7(a)は連続する2つのマークの間が長いスペース(例えば5T以上のスペース)の場合を示し、図7(b)は連続する2つのマークの間が短いスペース(例えば3T〜4Tのスペース)の場合を示す。
【0088】
なお、図7(a)及び(b)では、理解を容易にするために、記録データ、記録パルス及びマークの関係を記録データのパルス幅と、記録パルスのパルス幅と、形成されるマークの長さとが一致するように示したものであり、実際には記録データのパルス幅と記録パルスのパルス幅とマークの長さとが図示のように一致するものではない。
【0089】
熱的干渉とは、あるマークを記録する際に記録レーザの照射により光ディスクの記録面に与えられた熱が、残留熱として次のマークの記録に影響を与えることをいう。熱的干渉は、連続する2つのマークの間のスペースが短いほど生じやすく、長いほど生じにくい。これは、1つのマークから次のマークまでのスペースが短いと、光ディスクの記録面が冷えきらないうちに次のマーク記録のための記録レーザが照射されてしまうが、1つのマークから次のマークまでのスペースが長いと、その間に光ディスクの記録面が冷却するため、次のマーク記録時には残留熱が小さくなっているからである。
【0090】
この様子が図7(a)及び(b)に示されている。図7(a)に示すように、マーク間のスペースが長い場合は、前のマーク52の記録により温度上昇した記録面が次のマーク53の記録までに冷却されるので、正しい長さの記録マークが形成される(図7では説明の便宜上、正しい長さのマークは記録パルス波形51の幅Tpとほぼ一致するものとして図示されている)。
【0091】
これに対し、図7(b)に示すように、マーク間のスペースが短い場合は、前のマーク52の記録により温度上昇した記録面の熱が残留している間に次のマーク53の記録が開始するので、残留熱の影響でマークが伸びてしまう。よって、正しいマークの長さ(図7では、記録パルス波形51の幅Tpと等しい)より長いマークが形成されてしまう。これが熱干渉の影響によりマークの形状が不適切となった状態である。
【0092】
この影響を除去するためには、図7(b)の最下段に示すように、記録パルス54のエッジをシフトすることが有効となる。即ち、図7(b)の例では、前のマーク55に対応するラストパルス54aの後方エッジを前方へシフトするとともに、次のマーク56に対応するトップパルス54bの前方エッジを後方へシフトする。これにより、残留熱による熱的干渉に拘わらず、正しい長さのマークを形成することができるようになる。
【0093】
次に、光学的符号間干渉の影響について図8(a)及び(b)を参照して説明する。図8(a)及び(b)はある記録データについての記録パルス波形及び記録されるマークの形状を示した図であり、図8(a)は連続する2つのマークの間が長いスペース(例えば5T以上のスペース)の場合を示し、図8(b)は連続する2つのマークの間が短いスペース(例えば3T〜4Tのスペース)の場合を示す。なお、図8(a)及び(b)も、理解を容易にするために、記録データ、記録パルス及びマークの関係を記録データのパルス幅と、記録パルスのパルス幅と、形成されるマークの長さとが一致するように示したものであり、実際には記録データのパルス幅と記録パルスのパルス幅とマークの長さとが図示のように一致するものではない。
【0094】
光学的符号間干渉とは、2つのマーク(又はスペース)間のスペース(又はマーク)が読取レーザスポット径に対して短い場合に、読取レーザスポットが連続する2つのマーク(又はスペース)に同時にかかってしまうため、読取信号の振幅レベルが下がって(又は上がって)しまうことをいう。
【0095】
記録マークの検出は読取レーザ光を記録面に照射し、その反射光量を検出することにより行われる。マーク部分はスペース部分より反射率が低いので、マーク部分においては反射光量のレベルが低下する。よって反射光量を示す再生信号を所定の閾値と比較することにより、光ディスク上に形成されたマークを読み取ることができる。
【0096】
図8(a)において、記録データ60に対応して記録されたマーク61及び62が示されている。また、波形63は読取スポットSPを照射して光ディスクの記録面から得られた反射光を光電変換して得られた再生信号波形である。再生信号波形63は所定の閾値(TH)レベル64と比較され、閾値レベル64より低いレベルの部分がマークと判定される。図8(a)の例では、連続する2つのマーク間のスペースが長い(例えば5T以上)ので、読取スポットSPが同時に2つの記録マークにかかることがなく、記録マークのマーク長に応じた正しい再生信号が得られている。
【0097】
一方、図8(b)はマーク間のスペースが短い(例えば3T〜4T)の場合を示す。マーク66及び67は記録データ65に従って光ディスクの記録面上に正しく形成されているが、2つのマーク66と67との間のスペースが短いために、マーク67の先頭部分の読み取りを始めた読取スポットSPが未だその前のマーク66の後方部分にもかかっている。よって、その分だけ読取スポットSPの反射光の光量レベルが低下し、実際には破線63aのようになるべき再生信号波形が実線波形63のようになり、その結果、所定の閾値レベル64との比較により検出されたマークの長さは実際の長さより長くなってしまう。これが、光学的符号間干渉の影響である。
【0098】
この影響を除去するためには、連続するマーク間のスペースが短い場合には、そのスペースの前後の記録マークの端部位置をシフトし、実際より短めのマークを形成することが有効である。即ち、図8(b)の下段に示すように、マーク66’及び67’を予め短めに形成することにより、読取の際に光学的符号間干渉の影響があった場合でも実際のマークに対応する長さの再生信号が得られるようにするのである。
【0099】
上記の熱的干渉及び光学的符号間干渉のいずれの影響も、図5に示す記録パルス波形のトップパルス40及びラストパルス42の前後のエッジの位置を調整することにより除去することができる。この調整方法を図9及び図10に概略的に示す。
【0100】
図9(a)は記録すべきマークの前後のスペースがともに長い場合である。この場合は前述のように熱的干渉及び光学的符号間干渉の影響は無い又は無視できる程度に小さいので、記録データ71に対応するパルス幅Tpを有する記録パルス波形72を使用する。光学的符号間干渉の影響がないので、再生信号74も正しいパルス幅(閾値75と交差する点により示される)を有し、所望の長さの記録マークが正確に記録、再生されている。
【0101】
図9(b)は記録すべきマークの前のスペースが長く、後ろのスペースが短い場合である。この場合、記録すべきマークの前方においては熱的干渉及び光学的符号間干渉の影響がないので、マーク73に対応する記録パルス波形72のトップパルスの前方エッジは記録データ71の立ち上がりエッジと一致しており、再生信号74が閾値レベル75と交差する点もこれらに一致している。一方、記録すべきマークの後方においては、次のマークとの間のスペースが短いために熱的干渉及び光学的符号間干渉の影響が生じうる。よって、熱的干渉を考慮して記録パルス波形のラストパルスの後方エッジを前方に移動させて、後端部が若干短いマーク73を形成している。これにより光学的符号間干渉も除去され、再生信号74のパルス幅は記録データのパルス幅と一致している。
【0102】
図10(a)は記録すべきマークの前のスペースが短く、後ろのスペースが長い場合である。この場合、記録すべきマークの後方においては熱的干渉及び光学的符号間干渉の影響がないので、マーク73に対応する記録パルス波形72のラストパルスの後方エッジは記録データ71の立ち下がりエッジと一致しており、再生信号74が閾値レベル75と交差する点もこれらに一致している。一方、記録すべきマークの前方においては、前のマークとの間のスペースが短いために熱的干渉及び光学的符号間干渉の影響が生じうる。よって、熱的干渉を考慮して記録パルス波形72のトップパルスの前方エッジを後方に移動させて、前端部が若干短いマーク73を形成している。これにより光学的符号間干渉も除去され、再生信号74のパルス幅(閾値レベル75との交差点により規定される)は記録データのパルス幅と一致している。
【0103】
図10(b)は記録すべきマークの前後のスペースがともに短い場合である。
この場合は、記録すべきマークの前後両方において熱的干渉及び光学的符号間干渉の影響が生じうる。よって、熱的干渉を考慮して、記録パルス波形71のトップパルスの前方エッジを後方に移動させるとともに、ラストパルスの後方エッジを前方に移動させて、前端部及び後端部が若干短い記録マーク73を形成している。これにより、光学的符号間干渉も除去され、再生信号74のパルス幅(閾値レベル75との交差点により規定される)は記録データのパルス幅と一致している。
【0104】
図9及び図10を参照した上記の説明では、記録すべきマークの前後のスペース長に応じてトップパルスの前方エッジ又はラストパルスの後方エッジの位置を調整した例を示した。より具体的には、記録すべきマークの前のスペース長に応じて、記録すべきマークに対応する記録パルスのトップパルスの前方エッジ位置を変化させている。また、記録すべきマークの後のスペース長に応じて、記録すべきマークに対応する記録パルスのラストパルスの後方エッジ位置を変化させている。
【0105】
これに加えて、記録すべきマークの前後のスペース長に応じて、トップパルスの後方エッジ及びラストパルスの前方エッジの位置も調整することができる。図5において、記録パルスの面積は記録レーザから出射されるレーザ光のパワーに対応する。よって、トップパルス40の前方エッジ位置TFと後方エッジ位置TRを同じ時間幅だけ移動させた場合、前方エッジ位置TFを移動させた方が後方エッジ位置TRを移動させたときよりレーザパワーは大きく変化する。これは、前方エッジ位置TFを移動させたときの方が、後方エッジ位置TRを移動させたときよりも、記録パルス波形の面積変化が大きいからである。
【0106】
同様に、ラストパルス42の前方エッジ位置LFと後方エッジ位置LRを同じ時間幅だけ移動させた場合、後方エッジ位置LRを移動させた方が前方エッジ位置LFを移動させたときよりレーザパワーは大きく変化する。これは、後方エッジ位置LRを移動させたときの方が、前方エッジ位置LRを移動させたときよりも、記録パルス波形の面積変化が大きいからである。
【0107】
従って、記録パワーを大きく調整する場合にはトップパルス40の前方エッジTF又はラストパルス42の後方エッジ位置LRを移動させることが有効であり、記録パワーを少量だけ調整する場合にはトップパルス40の後方エッジ位置TR又はラストパルス42の前方エッジ位置LRを移動させることが有効である。
つまり、図9及び10を参照して説明したトップパルスとラストパルスのエッジ位置調整において、記録すべきマークの前のスペース長に応じて、トップパルスの前方エッジ位置TFを変化させて記録パワーを粗調整し、トップパルスの後方エッジ位置TRを変化させて記録パワーを微調整すれば、記録マークの前端部位置のより精密な調整が可能となる。同様に、記録すべきマークの後のスペース長に応じて、ラストパルスの後方エッジ位置LRを変化させて記録パワーを粗調整し、ラストパルスの前方エッジ位置LFを変化させて記録パワーを微調整すれば、記録マークの後端部位置のより精密な調整が可能となる。
【0108】
図11に、トップパルス40の前方エッジ位置TFと後方エッジ位置TRの移動量(エッジシフト量)と、それにより発生するジッタとの関係を示す。図からわかるように、前方エッジ位置TFを移動させた場合に比べて、後方エッジ位置TRを移動させた場合の方が、発生するジッタは小さい。よって、後方エッジ位置TRをうまく調整することで、発生するジッタを抑えつつ、記録マークの位置を効果的に調整することができる。
(記録パルス波形の参考例)
次に、記録パルス波形の参考例について説明する。図5に示す記録パルス波形はトップパルス40と中間バイアス部41とラストパルス42とを有していたが、参考例では、ラストパルス42を省略して中間バイアス部41を延長することにより、図12に示すような記録パルス波形とする。参考例の記録パルス波形は、ラストパルスがなく、第2のライトパワーPmに対応する振幅レベルの中間バイアス部が記録パルス波形の最後まで続いている。それ以外の点は、図5に示した記録パルス波形と同様である。
【0109】
即ち、トップパルス40の振幅レベルは第1のライトパワーPhに対応し、中間バイアス部41の振幅レベルは第2のライトパワーPmに対応する。また、トップパルス40及び中間バイアス部41以外の部分はリードパワーPRに対応する振幅レベルとなっている。
【0110】
従って、第1実施形態の場合と同様に、記録パルスのエッジ位置を調整することにより前述の熱的干渉及び光学的符号間干渉の影響を除去することができる。
この際、記録すべきマークの前端部については、第1実施形態と同様に、記録すべきマークの前のスペース長に応じて、記録すべきマークに対応する記録パルスのトップパルスの前方エッジ位置TF及び後方エッジ位置TRを調整すればよい。
【0111】
一方、記録すべきマークの後端部については、ラストパルスが存在しないので、記録パルスの後方エッジ位置RE(図12参照)を、記録すべきマークの後のスペース長に応じて変化させる。但し、この場合には、後方エッジ位置REのみしか変化させることができないので、第1実施形態の場合のように、微調整による細かな調整はできないことになる。
【0112】
(ライトパワーレベル)
次に、上述の第1及び参考例による記録パルス波形のライトパワーレベルについて検討する。本発明のライトストラテジーにおいては、第1実施形態(図5)と参考例(図12)のいずれも場合も、記録パルスは第1のライトパワーPhと第2のライトパワーPmの2値を有する。また、何れにおいてもトップパルス幅Ttopは1.75Tを基準とし、第1実施形態におけるラストパルス幅Tlpは0.50Tを基準とした。以下、第1のライトパワーPhと第2のライトパワーPmの調整について説明する。
【0113】
第1のライトパワーPhと第2のライトパワーPmの調整は、第1のライトパワーPhと第2のライトパワーPmの比を好適な値に設定することと、両パワーの具体的な値を決定することの2つの段階からなる。まず、第1のライトパワーPhと第2のライトパワーPmの比について検討する。
【0114】
図13(a)〜(c)に、第1のライトパワーPhを20mWに固定して第2のライトパワーPmを変化させたときの、ジッタ(クロック対ジッタ比)、変調度(Modulation)及びアシンメトリー(Asymmetry)の変化を示す。なお、図13(a)〜(c)においては、図5に示す第1実施形態の記録パルス波形を使用した場合の特性を“Type1”で示し、図12に示す参考例の記録パルス波形を使用した場合の特性を“Type2”で示している。
【0115】
ジッタは、2値化した再生信号から生成したPLLクロックに対する、2値化した再生信号の立上りおよび立下りエッジのゆらぎ度合いを示す値である。クロック対ジッタ比が高いほど、再生信号の品質が悪く、低いほど再生信号の品質が良い。DVD−R規格書によれば、ジッタ比:8.0%以上が要求されている。
【0116】
変調度は、最大記録マーク(14Tマーク)に対する再生信号のピーク値とゼロレベルとの差I14Hと、最大記録マークに対する再生信号の振幅I14の比(I14/I14H)を示す値であり、DVD−R規格書によれば、変調度:0.60以上(60%)以上が要求されている。
【0117】
アシンメトリーは、最小記録マーク(3Tマーク)と最大記録マーク(14Tマーク)との振幅中心のずれ度合いを示す値であり、DVD−R規格書によれば、アシンメトリー:−0.05〜0.15が要求されている。
【0118】
図13(a)〜(c)において、横軸はいずれも第1のライトパワーPhと第2のライトパワーPmの比(以下、「ライトパワー比」と呼ぶ。)を示している。図13(a)からわかるように、ライトパワー比が150%〜160%程度であるときにジッタが最小となっている。また、図13(b)に示す変調度は、ライトパワー比が低いほど大きくなるので、変調度に関して言えばライトパワー比により所望の変調度を得ることがわかる。一方、アシンメトリーは、ライトパワー比に拘わらずほぼ変化しないことがわかる。
【0119】
図14(a)〜(c)は、第2のライトパワーPmを13mWに固定して第1のライトパワーPhを変化させたときの、ジッタ、変調度及びアシンメトリーの変化を示す。図14(a)〜(c)においても、図5に示す第1実施形態の記録パルス波形を使用した場合の特性を“Type1”で示し、図12に示す参考例の記録パルス波形を使用した場合の特性を“Type2”で示している。
【0120】
図14(a)に示すように、この場合も、ライトパワーは、ジッタが最小となる150〜160%の付近が好適であることがわかる。図14(b)に示す変調度は、ライトパワー比の変化にかかわらず、ほぼ一定値を採っている。また、図14(c)においても、ライトパワー比は、アシンメトリーがゼロ付近となる150〜160%付近が好適であることがわかる。
【0121】
以上より、ライトパワー比は150〜160%付近が好適であることがわかる。つまり、上述したトップパルス幅、ラストパルス幅によれば第1のライトパワーPhを第2のライトパワーPmの1.5〜1.6倍程度にするのが好適であることがわかる。
【0122】
次に、第1のライトパワーPhと第2のライトパワーPmの値について検討する。図15(a)〜(c)はそれぞれ、第1実施形態による記録パルス波形(Type1)について、第1のライトパワーPhの値を変化させたときのジッタ、変調度及びアシンメトリーの値を実線で示す。なお、いずれの場合も、ライトパワー比は上述の検討により得られた150%程度の値に固定している。一方、ライトパワー比を固定しない場合の変化を点線で示す。
【0123】
図15(a)の実線に示すように、ライトパワー比を固定していれば、第1のライトパワーPhを増加させても、点線に示したようにライトパワー比を固定しない場合に比して、ジッタはそれほど悪化しなく、パワーマージンが上がっていることがわかる。一方、図15(b)に示すように、第1のライトパワーPhを増加させると、変調度は増加する。よって、変調度のみに関して言えば、第1のライトパワーPhは高い方が好ましいことになる。他方、図15(c)に示すように、アシンメトリーは第1のライトパワーPhとほぼ正比例の関係にあり、アシンメトリーの値がほぼゼロとなる第1のライトパワーPhが20[mW]の付近が好適であることがわかる。
【0124】
以上より、第1実施形態による記録パルス波形に関しては、第1のライトパワーPhの変化はクロック対ジッタ比には大きな影響を与えないので、変調度とアシンメトリーの値を考慮して、両パラメータが許容できる値となるように第1のライトパワーPhの値を決めればよいことになる。図15(a)〜(c)の場合、一例としては、第1のライトパワーPhを20[mW]程度に設定すれば、アシンメトリーがほぼゼロとなり、かつ、変調度も0.65付近の良好な値となるので好適であるといえる。
【0125】
図16(a)〜(c)はそれぞれ、参考例による記録パルス波形(Type2)について、第1のライトパワーPhの値を変化させたときのジッタ、変調度及びアシンメトリーの値を実線で示す。なお、いずれの場合も、ライトパワー比は上述の検討により得られた150%程度の値に固定している。また、ライトパワー比を固定しない場合の変化を点線で示す。
【0126】
この場合も、基本的には図15(a)〜(c)の場合と類似した傾向が見られる。図16(a)に示すように、第1のライトパワーPhを増加させてもジッタはそれほど悪化しない。また、図15(b)に示すように、第1のライトパワーPhを増加させると、第2のライトパワーPmが増加することになるので変調度は増加する。さらに、図15(c)に示すように、アシンメトリーは第1のライトパワーPhとほぼ正比例の関係にあり、アシンメトリーの値がほぼゼロとなる第1のライトパワーPhが21[mW]の付近が好適であることがわかる。
【0127】
以上より、参考例による記録パルス波形に関しても、第1実施形態の場合と同様に、第1のライトパワーPhの変化はジッタには大きな影響を与えないので、変調度とアシンメトリーの値を考慮して、両パラメータが許容できる値となるように第1のライトパワーPhの値を決めればよいことになる。図16(a)〜(c)の場合、一例としては、第1のライトパワーPhを21[mW]程度に設定すれば、アシンメトリーがほぼゼロとなり、かつ、変調度も0.65付近の良好な値となるので好適であるといえる。
【0128】
次に、第1の実施形態の記録パルス波形と参考例の記録パルス波形を使用した場合の相違について検討する。図13(a)及び図14(a)に示されるように、ジッタが最小となるライトパワー比は、第1実施形態の記録パルス波形の場合はほぼ152〜154%程度であり、参考例の記録パルス波形の場合はほぼ156〜159%程度である。また、アシンメトリーについても、図13(c)及び図14(c)に示すように、アシンメトリーがほぼゼロとなるライトパワー比は、第1実施形態の記録パルス波形の場合より参考例の記録パルスの場合のほうが高い。
【0129】
よって、ラストパルスがない第2実施形態の記録パルス波形(図12)の場合は、ラストパルスがある第1実施形態の記録パルス波形(図5)の場合より、幾分ライトパワー比を増加することが好ましいことがわかる。
【0130】
次に、第1のライトパワーPhについては、先に検討したように、第1実施形態の記録パルス波形の場合は20[mW]程度が好適であり、参考例の記録パルス波形の場合は21[mW]程度が好適であった。よって、ラストパルスがない参考例の記録パルス波形を使用する場合は、第1実施形態の記録パルス波形を利用する場合に比べて幾分第1のライトパワーPhを上げることが好ましいことがわかる。なお、この場合、ライトパワー比が固定されていれば、第2のライトパワーPmも増加することになる。
【0131】
上述した実施形態によれば、ライトパワー比を150〜160%に設定すると規格書で定められたスペックを満足することができるという結果が得られたが、かかる値はトップパルスTtop:1.75T、ラストパルス幅Tlp:0.50Tの時に得られる値であり、トップパルス幅Ttopとラストパルス幅Tlpの値に応じて120〜185%の値をとりうることに注意が必要である。本出願人の実験によれば、トップパルス幅Ttop:2.3T、ラストパルス幅Tlp:0.50Tの場合には、ライトパワー比を略120%に設定することが望ましく、トップパルス幅Ttop:1.4T、ラストパルス幅Tlp:0.80Tの場合には、ライトパワー比を略185%に設定することが望ましいという結果が得られた。
【0132】
[変形例]
次に、本発明のライトストラテジーの他の実施形態について図17を参照して説明する。他の実施形態のライトストラテジーにおいては、記録マークに対応する記録パルスの直後に、一時的に記録レーザの出力をゼロレベルに落として、光ディスクの急冷を行う。これにより、後続の記録マーク形成における熱的干渉の影響を軽減することができる。
【0133】
第1実施形態による記録パルス波形に対して他の実施形態の手法を適用した場合の記録パルス波形を波形80として示し、参考例による記録パルス波形に対して他の実施形態の手法を適用した場合の記録パルス波形を波形81として示す。
【0134】
いずれの場合も、記録パルス波形自体は第1実施形態又は参考例と同様であり、その直後の所定期間Toffにおいて記録パルスのレベルをゼロレベルに下げてレーザ出力をオフにしている。
【0135】
このようにオフ期間を設けることにより、次のマークとの間のスペースが小さい場合でも、残留熱の影響を軽減することができる。また、本実施形態のようにオフ期間を設けると、第1実施形態の記録パルス波形におけるラストパルスの後方エッジLR又は参考例の記録パルス波形の後方エッジREを、後続のスペース長に応じて移動させる場合に、より大きな単位で熱量を調整することができる。これは、同じ時間幅だけ後方エッジLR又は後方エッジREを移動した場合、オフ期間がある分だけ、ディスクに照射されるレーザの熱量が大きく減少するためである。
【0136】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、記録パルスをトップパルス、中間バイアス部及びラストパルスにより構成し、又は、トップパルス及び中間バイアス部により構成したので、従来のライトストラテジーにおけるパルストレインのようにパルス幅の小さい複数のパルスが連続する部分を含まない。よって、高速記録のためにクロックを高速化した場合でも、記録パルス波形の立ち上がり及び立ち下がり、並びにオーバーシュート及びアンダーシュートが記録マークに与える影響を軽減することができる。
【0137】
また、記録すべきマークの前後のスペース長に応じてトップパルス及びラストパルスの前後エッジの位置をそれぞれ独立に制御することができるので、記録マークの長さと幅とを独立に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適用した情報記録再生装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】 図1に示す記録制御部の構成を示すブロック図である。
【図3】 図2に示すLDドライバの構成を示す図である。
【図4】 レーザダイオードに与えられる駆動電流と出力パワーとの関係を示すグラフである。
【図5】 本発明の第1実施形態による記録パルス波形の例を示す波形図である。
【図6】 本発明の第1実施形態による3T〜14Tのスペース長の記録波形を示す波形図である。
【図7】 記録マーク形成の際に生じる熱的干渉の影響を説明するための図である。
【図8】 記録マークの読み取りの際に生じる光学的符号間干渉の影響を説明するための図である。
【図9】 前後のスペース長に応じてトップパルス及びラストパルスの位置を制御する様子を示す図である。
【図10】 前後のスペース長に応じてトップパルス及びラストパルスの位置を制御する様子を示す図である。
【図11】 トップパルスの前後エッジの移動量とジッタとの関係を示すグラフである。
【図12】 参考例による記録パルス波形を示す波形図である。
【図13】 第1の実施形態及び参考例の記録パルス波形について、第1ライトパワーを固定して、第1ライトパワーと第2ライトパワーの比を変化させた場合の、ジッタ、変調度及びアシンメトリーの特性を示すグラフである。
【図14】 第1実施形態及び参考例の記録パルス波形について、第2ライトパワーを固定して、第1ライトパワーと第2ライトパワーの比を変化させた場合の、ジッタ、変調度及びアシンメトリーの特性を示すグラフである。
【図15】 第1実施形態の記録パルス波形について、第1の記録パワーを変化させた場合のジッタ、変調度及びアシンメトリーの特性を示すグラフである。
【図16】 第1実施形態の記録パルス波形について、第1の記録パワーを変化させた場合のジッタ、変調度及びアシンメトリーの特性を示すグラフである。
【図17】 本発明の他の実施形態による記録パルス波形を示す波形図である。
【図18】 従来のライトストラテジーによる記録波形の例を示す波形図である。
Claims (6)
- 記録媒体にレーザ光を照射して、記録信号に応じた記録マークを形成する情報記録装置において、
前記レーザ光を出射する光源と、
前記記録信号に基づいて記録パルス信号を生成する信号生成手段と、
前記記録パルス信号に基づいて前記光源を駆動することにより、前記記録媒体上にレーザパルスを照射する制御手段と、を備え、
前記記録パルス信号は、前記記録マークを形成するマーク期間と前記記録マークを形成しないスペース期間とを含み、
前記記録マークを形成する前記記録パルス信号は、第1のタイプの記録パルスと第2のタイプの記録パルスとを含み、
前記第1のタイプの記録パルスは単一の振幅レベルを有し、
前記第2のタイプの記録パルスは、第1の記録パワーに対応する第1の振幅レベルを有するトップパルスと、前記第1の振幅レベルを有するラストパルスと、前記第1の記録パワーより低い第2の記録パワーに対応する第2の振幅レベルを有するとともに前記トップパルスの終了位置及び前記ラストパルスの開始位置と連続的につながっている中間バイアス部と、を含み、
前記第2の振幅レベルは一定であり、
前記記録パルス信号は、前記ラストパルスの直後に位置し、残留熱の影響を軽減するための振幅レベルを有するオフ期間を含み、
前記信号生成手段は、記録すべき記録マークに対応する前記マーク期間の前のスペース期間の長さに応じて、前記トップパルス期間の開始位置及び終了位置を夫々変化させ、前記トップパルス期間の開始位置の変化により前記記録マークの開始位置の粗調整が行われ、前記トップパルス期間の終了位置の変化により前記記録マークの開始位置の微調整が行われ、
前記信号生成手段は、前記マーク期間の後のスペース期間の長さに応じて、前記ラストパルス期間の開始位置及び終了位置を夫々変化させ、前記ラストパルス期間の終了位置の変化により前記記録マークの終了位置の粗調整が行われ、前記ラストパルス期間の開始位置の変化により前記記録マークの終了位置の微調整が行われることを特徴とする情報記録装置。 - 前記スペース期間における前記記録パルス信号は、前記第1の記録パワー及び前記第2の記録パワーより低いパワーに対応する第3の振幅レベルを有することを特徴とする請求項1に記載の情報記録装置。
- 前記残留熱の影響を軽減するための振幅レベルはゼロレベルであることを特徴とする請求項1に記載の情報記録装置。
- 記録媒体に光源からのレーザ光を照射して、記録信号に応じた記録マークを形成する情報記録方法において、
前記記録信号に基づいて記録パルス信号を生成する信号生成ステップと、
前記記録パルス信号に基づいて前記光源を駆動することにより、前記記録媒体上にレーザパルスを照射するステップと、を備え、
前記記録パルス信号は、前記記録マークを形成するマーク期間と前記記録マークを形成しないスペース期間とを含み、
前記記録マークを形成する前記記録パルス信号は、第1のタイプの記録パルスと第2のタイプの記録パルスとを含み、
前記第1のタイプの記録パルスは単一の振幅レベルを有し、
前記第2のタイプの記録パルスは、第1の記録パワーに対応する第1の振幅レベルを有するトップパルスと、前記第1の振幅レベルを有するラストパルスと、前記第1の記録パワーより低い第2の記録パワーに対応する第2の振幅レベルを有するとともに前記トップパルスの終了位置及び前記ラストパルスの開始位置と連続的につながっている中間バイアス部と、を含み、
前記第2の振幅レベルは一定であり、
前記記録パルス信号は、前記ラストパルスの直後に位置し、残留熱の影響を軽減するための振幅レベルを有するオフ期間を含み、
前記信号生成ステップは、記録すべき記録マークに対応する前記マーク期間の前のスペース期間の長さに応じて、前記トップパルス期間の開始位置及び終了位置を夫々変化させ、前記トップパルス期間の開始位置の変化により前記記録マークの開始位置の粗調整が行われ、前記トップパルス期間の終了位置の変化により前記記録マークの開始位置の微調整が行われ、
前記信号生成ステップは、前記マーク期間の後のスペース期間の長さに応じて、前記ラストパルス期間の開始位置及び終了位置を夫々変化させ、前記ラストパルス期間の終了位置の変化により前記記録マークの終了位置の粗調整が行われ、前記ラストパルス期間の開始位置の変化により前記記録マークの終了位置の微調整が行われることを特徴とする情報記録方法。 - 前記スペース期間における前記記録パルス信号は、前記第1の記録パワー及び前記第2の記録パワーより低いパワーに対応する第3の振幅レベルを有することを特徴とする請求項4に記載の情報記録方法。
- 前記残留熱の影響を軽減するための振幅レベルはゼロレベルであることを特徴とする請求項4に記載の情報記録方法。
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