JP4549516B2 - スポット接合方法およびスポット接合装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、摩擦攪拌接合によってワークをスポット的に接合するスポット接合装置およびスポット接合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図8は、摩擦攪拌を利用した従来のスポット接合装置1の構造を示す図である。スポット接合装置1は、先端にピンを有する接合ツール5と、接合ツール5を回転駆動する回転用モータ4と、接合ツール5を上下に昇降させ、押圧力を付加する押圧付加装置3とを備える。
【0003】
次に、図8Aの図を参照して、接合方法について説明する。まず裏当7上に、2枚のワークW1,W2を重ねて配置する。つぎに、回転用モータ4で接合ツール5を回転させるとともに、押圧付加装置3で回転用モータ4とともに接合ツール5を下降させる。すると、接合ツール先端のピンがワークに押圧される。ピンが押圧されると回転による摩擦によって押圧部が軟化し、ピンが挿入される。さらに回転することによって、挿入されたピンで接合点近傍が攪拌され、塑性流動を起こす。所定時間攪拌後、押圧付加装置3で接合ツール5を上昇させると、接合点で2枚のワークが接合され、スポット接合される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
スポット接合装置1は、たとえばロボットのアーム手首に取り付けられ、接合点ごとに接合装置1の位置決めを行なって1つのワークに対して連続してスポット接合を行なう。しかし、ワーク位置はワークごとに変動し、図8Bに示すように、ワークW1,W2と裏当7とが離反した位置に配置される場合がある。このように位置ずれした状態で、接合ツール5を降下させると、接合ツール5先端のピンでワークW1,W2を押し下げて接合することになり、ワークが変形してしまい、接合品質が低下してしまう。また、押圧力も異なり、ワークごとに接合品質が異なり、一定の接合品質が得られなくなる。
【0005】
また、位置ずれを解消して一定の接合品質を得るためには、接合ツール5、回転用モータ4および押圧付加装置3を保持する接合ヘッド2の位置をワークごとに微調整する方法が考えられるが、この場合には、制御が複雑となってしまう。
【0006】
本発明の目的は、ワーク位置の位置ずれにかかわらず、接合品質を一定に保つことができるスポット接合方法およびスポット接合装置を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明は、裏当と接合ツールとの間に被接合物を重ねて配置し、接合ツールを回転軸線まわりに回転させた状態で、接合ツール先端と裏当とで被接合物を押圧挟持し、接合ツールの回転による摩擦熱で被接合物を軟化、攪拌し、重ねられた2枚の被接合物を接合点でスポット的に接合するスポット接合方法において、
裏当は、被接合物に臨む面が、被接合物に向けて盛り上がり、接合ツール先端に比べて面積が大きな湾曲面として形成され、
接合時に、接合ツールを、回転軸線方向に関して固定的に保持した状態で回転駆動し、裏当を、接合ツールに近接する方向に移動させて被接合物を押圧し、被接合物を弾性変形させることを特徴とするスポット接合方法である。
【0008】
本発明に従えば、接合ツールを固定的に保持した状態で、裏当を接合ツール側に移動させて被接合物を押圧する。つまり、図1(1)に示すように、被接合物へ、被接合物に向けて盛り上がる当接面積の大きい裏当側を上昇させて湾局面で被接合物を押し上げることによって、接合ツール先端を被接合物に押し付ける。前述した従来技術では、被接合物が位置ずれし、裏当と被接合物とが離反している場合には、接合ツール先端のピンで被接合物を押し付けて被接合物を変形させていたので、位置ずれ量に応じて押圧力が異なり、一定の接合品質を得ることができなかったが、本発明では、被接合物に向けて盛り上がり、被接合物への当接面積の大きい裏当を持ち上げて湾曲面で押圧するので、被接合物が位置ずれした場合であっても、ほぼ一定の押圧力を作用させることができ、被接合物の位置ずれにかかわらず、接合品質を一定に保つことができる。
【0010】
また、被接合物を持ち上げて弾性変形させて押圧するので、図1(2)に示すように、裏当の押圧を解除すると、弾性復元力によって、被接合物は接合ツールから容易に離脱することができる。
【0011】
請求項2記載の本発明は、裏当と接合ツールとの間に被接合物を重ねて配置し、接合ツールを回転させた状態で、接合ツール先端と裏当とで被接合物を押圧し、接合ツールの回転による摩擦熱で被接合物を軟化、攪拌し、重ねられた2枚の被接合物を接合点でスポット的に接合するスポット接合装置において、
前記裏当は、接合ツールに近接、離反する方向に移動可能に設けられ、被接合物に臨む面が、被接合物に向けて盛り上がり、接合ツール先端に比べて面積が大きな湾曲面として形成され、接合時に、接合ツールを固定的に保持し、裏当を、接合ツールに近接する方向に移動させて被接合物を押圧することを特徴とするスポット接合装置である。
【0012】
本発明に従えば、裏当の被接合物に臨む湾曲面がわずかに盛り上がって形成され、湾曲面は、裏当で被接合物を押上げたときに湾曲する被接合物にほぼ沿った形となる。したがって、裏当を押上げたときに、滑らかに被接合物が湾曲し、被接合物が塑性変形することが防がれる。これによって、被接合物が位置ずれした場合であっても、ほぼ一定の押圧力を作用させることができ、被接合物の位置ずれにかかわらず、接合品質を一定に保つことができる。
【0013】
請求項3記載の本発明は、前記接合ツールを回転自在に保持する固定部と、
裏当を有し、固定部に対して移動可能に設けられる可動部と、
固定部に固定的に保持され、接合ツールを回転駆動する回転駆動源とを有することを特徴とする。
【0014】
本発明に従えば、回転駆動源は、固定部に固定され、接合時に裏当のみを移動させて加圧する。つまり、加圧側に回転駆動源が設けられない構成となっているので、加圧軸の可動部重量を大幅に軽減することが可能となり、加圧時に制御能力(位置決め精度、加圧力)を容易に向上させることが可能となる。
【0015】
請求項4記載の本発明は、前記回転駆動源は、接合ツールの回転軸線に垂直な方向に離間して固定部に固定され、
回転駆動源の回転力を接合ツールに伝達する伝達手段を有することを特徴とする。
【0016】
本発明に従えば、回転駆動源を、接合ツールから分離し、ベルト、ギヤなどの伝達手段で回転力を伝達するように構成される。これによって、接合ツールが設けられるスポット接合装置先端部を小型化でき、被接合物であるワーク形状および接合可能部位への制約が削減される。
【0017】
【発明の実施の形態】
図2は、本発明の実施の一形態であるスポット接合装置10の全体の構成を示す図である。スポット接合装置10は、たとえば6軸垂直多間接型ロボットのアームの手首に取り付けられ、スポット接合ガンとして用いられ、たとえば自動車のボディのスポット接合に用いられる。
【0018】
スポット接合装置10は、接合ヘッド11、ガンアーム12、接合ヘッド支持機構21、および裏当押圧機構20を含んで構成される。ガンアーム12は、上部に接合ヘッド支持機構21を介して接合ヘッド11が取り付けられ、下部に裏当押圧機構20が取り付けられ、このガンアーム12がロボットアームの手首15に取り付けられる。
【0019】
接合ヘッド11は、接合ツール18、接合ツール18を、その回転軸線Lまわりに回転自在に支持するブラケット17、ブラケット17に固定され、接合ツール18を回転軸線Lまわりに回転駆動させる回転用モータ16とを有し、ブラケット17が接合ヘッド支持機構21に取り付けられる。接合ヘッド支持機構21は、たとえばモータを有し、ブラケット17を昇降させて、接合ツール18を軸線Lに沿って昇降させることができる。なお、この接合ヘッド支持機構21による接合ツール18の昇降は、接合時にワークを押圧するために使用するものでなく、ワークへの位置決めのために用いられるものである。したがって、モータなどの駆動源でなく、ハンドルなどによる手動で昇降するような機構であってもよい。
【0020】
裏当押圧機構20は、裏当19、裏当押圧シリンダ13および駆動源14を有する。裏当19は、接合ツール18の下方に臨んで配置され、下部に裏当押圧シリンダのピストンロッド25が固定される。裏当押圧シリンダ13は、接合ツール18の回転軸線Lに沿って昇降するピストンロッド25を有するシリンダであり、ピストンロッド25の先端に裏当19が固定される。この裏当押圧シリンダ13は、たとえば油圧シリンダ、空気圧シリンダ、またはボールねじから構成され、裏当押圧シリンダ13に隣接して駆動源14が配置され、この駆動源14がガンアーム12に固定される。駆動源14は、裏当押圧シリンダ13が油圧シリンダの場合は油圧源であり、空気圧シリンダの場合は空気圧源であり、ボールねじの場合はサーボモータである。
【0021】
接合ツール18は、円柱状であり、中心軸線Lが回転軸線Lであり、下端部が先細りとなり、先端の円形平坦面18a中央から軸線Lに沿ってピン26が突出する。接合されるワークW1,W2はたとえばアルミニウム合金である。
【0022】
裏当部材19は、略直方体状であり、上面19aにワークが乗載される。この上面19aは、中央がわずかに盛り上がって形成される。さらに詳しく説明すると、直方体状の裏当部材19は、中央部が接合ツールLに垂直となるように配置されており、この上面の幅方向中央が、わずかに盛り上がり、長手方向に延びる(図1参照)。これは、裏当19を上昇させたとき、ワークW1,W2が弾性変形範囲内で滑らかに湾曲させるためである。
【0023】
また、押圧部材19には、ロードセルなどの圧力センサが埋設される。裏当部材上面19aから露出する圧力センサの検出位置は、接合ツール先端の円形平坦面18aに対向する位置の外側で、円形平坦面18aに近接する位置に配置される。これは、接合ツール先端の円形平坦面18aに対向する位置が最も押圧力が作用し、この位置でセンサが露出すると、押圧したとき、ワークW2の裏にセンサが転写され、美観が損なわれるからである。
【0024】
つぎに、図2および図3を参照して本発明のスポット接合装置10の接合方法について説明する。
【0025】
まず、回転用モータ16で接合ツール18を高速で回転させるとともに、重ねて配置されるワークW1,W2の所定の接合点の直上に接合ツール18のピン26が配置されるように、ロボットでスポット接合装置10の位置決めを行なう。
このとき、図2に示すように、ピン26先端と、ワーク表面との距離hは、5〜10mm程度である。また、接合ツール18の回転軸線L方向(この場合上下方向)へのワークの位置ずれは、接合ヘッド支持機構21によって、接合ヘッド11の上下位置の調整を行なうことによって補正する。
【0026】
つぎに、裏当押圧シリンダ13で裏当19を上昇させる。すると、図3に示すように、ワークW1,W2が裏当19によって押し上げられて湾曲し、ワークW1,W2の接合点に接合ツール18のピン26が回転しながら押し付けられる。
【0027】
前述したように、裏当部材19は上面19aがわずかに盛り上がって形成され、この上面19aの湾曲面は、裏当部材19でワークW1,W2を押し上げたときに湾曲するワークW1,W2にほぼ沿った形となっている。したがって、裏当部材19を押し上げたときに、滑らかにワークW1,W2が湾曲し、ワークW1,W2が塑性変形することが防がれる。
【0028】
また、接合ツール下端の円形平坦面18aに比べて、裏当上面19aの面積ははるかに大きいので、ワークが位置ずれして配置されていたとしても、接合ツール18を下降させて押圧力を作用させる場合に比べて、裏当19を上昇させて押圧力を作用させる場合のほうが、ワークの位置ずれによる押圧力のばらつきが少なくなる。
【0029】
回転するピン26がワークに押し付けられると、摩擦熱でワークは軟化し、ピン26が挿入される。ピンが挿入されて回転すると、母材が攪拌され、塑性流動が誘起される。さらに挿入され、接合ツール下端の円形平坦面18aがワーク表面に当接すると、ここでも攪拌される。このときの押圧力は、前記圧力センサによって検出されており、所定の押圧力に達すると、裏当押圧シリンダ13による裏当部材19の押圧を停止し、所定押圧力を所定時間作用させる。これによって、ワークW1,W2は接合点において、母材が十分に攪拌される。
【0030】
所定時間押圧すると、裏当て押圧シリンダ13によって裏当19を下降させる。すると、上方に湾曲して弾性変形していたワークW1,W2が、弾性復元力によって元の位置に戻り、接合点からピン26が引き抜かれる。ピン26が引き抜かれたワークW1,W2は接合点が冷却され、塑性流動域においてワークW1とW2とが一体となり、スポット的に接合される。
【0031】
この接合点の接合が終了すると、ロボットは、次の接合点までスポット接合装置10を移動させる。このとき、次の接合点の位置が、前回の接合点よりも、軸線L方向(この場合上下方向)にずれている場合は、接合ヘッド支持機構21で接合ヘッド11の上下位置を調整する。これによって、ロボットで接合装置10の上下位置を制御する必要がなく、同一ワークにおいて、接合点を連続してスムーズに接合することができる。
【0032】
図4は、本発明の他の実施形態のスポット接合装置30を示す図である。スポット接合装置30は、上述したスポット接合装置10と異なり、ロボットの手首に装備して用いるスポットガンでなく、床に設置して使用するスポット接合装置である。このスポット接合装置30では、裏当31の形状が、前述したスポット接合装置10の裏当19と異なるが、他の構成はほぼ同様であるので、対応する構成には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
【0033】
スポット接合装置10では、裏当19は上面が湾曲した形状であったけれども、スポット接合装置30の裏当31は、図に示すように、ワークW1,W2を乗置可能な大きさであり、上面は平坦である。このような構成であっても、裏当31を上昇させ、所定の押圧力でワークW1,W2を接合ツールに押圧することによって、ワークW1,W2をスポット接合することが可能である。
【0034】
つぎに、本発明のスポット接合装置のさらに他の実施の形態であるスポット接合ガン40について、図6を参照して説明する。スポット接合ガン40は、スポット溶接などに使用している加圧動作を行なう溶接ガンであり、Cガンと呼ばれるタイプのガンに本発明の構成を適用したものである。
【0035】
このスポット接合ガン40は、ガンアーム48と、接合ツール46と裏当である加圧受け具47と、回転用モータ44と、固定部41と、ボールネジ45とから構成される。ガンアーム48は、固定部41と可動部42とからなり、固定部41の先端に接合ツール46が回転自在に保持される。また先端には回転用モータ44が固定され、この回転用モータ44の出力軸に接合ツール46が、回転軸線を一致させて連結される。また、固定部41には、接合ツール46の回転軸線に平行にボールネジ45が固定される。ボールネジ45は、ネジ軸45aとナット部材45bとを有し、ネジ軸45aは、固定部43に固定される加圧用モータ43によって回転駆動される。ナット部材45bには可動部42が固定され、ネジ軸45aが回転することによって、ナット部材45bとともに可動部42が接合ツール46の回転軸線方向に昇降する。可動部42の先端部には、接合ツール46に対向して加圧受け具47が設けられる。
【0036】
このような接合ガン40は、たとえば6軸多関節型ロボットの手首に装備される。接合時には、ワークが加圧受け具47上、もしくは上方に配置されるようにスポット接合ガン40をロボットによって位置決めし、回転用モータ44で接合ツール46を回転させながら加圧用モータ43を回転させて可動部42を上昇させて接合する。このように、スポット接合ガン40では、可動部42の駆動源である加圧用モータ43を固定部41に配置したため、可動部42の重量を大幅に軽減することが可能となり、加圧時の位置決め精度、加圧力などの制御能力を容易に向上させることが可能となった。
【0037】
次に、図7を参照して、本発明のさらに他の実施形態のスポット接合ガン50について説明する。スポット接合ガン50は、スポット溶接などに使用しているXガンと呼ばれるタイプのガンに本発明の構成を適用したものである。
【0038】
スポット接合ガン50は、ガンアーム51と、接合ツール55と、回転用モータ57と、加圧用モータ59と、裏当である加圧受け具54と、ボールネジ58とを有する。ガンアーム51は、固定アーム52と可動アーム53とからなる。
固定アーム52と可動アーム53とは互いに略並行に延び、角変位軸60を介して角変位可能に連結され、先端部が開閉可能に構成される。
【0039】
固定アーム52の先端に、接合ツール55が回転自在に保持され、基端部側に回転用モータ57が固定される。この回転用モータ57の出力軸と接合ツール55とはベルトを用いた動力伝達機構56によって連結されて、回転力が伝達される。回転軸60よりも後方(図7の右方)には加圧用モータ59およびボールネジ58が設けられる。ボールネジ58のネジ軸58aは、下端部が可動アーム53に角変位可能に連結され、加圧用モータ59は、上端部が固定アーム52に角変位可能に連結され、出力軸がボールネジ58のナット部材58bに連結される。したがって、加圧用モータ59でボールネジ58のナット部材58bを回転させることにより、固定アーム52の基端部と可動アーム53の基端部とを近接、離反変位し、これによってガンアーム51の先端部が開閉される。
【0040】
スポット接合ガン50も、たとえばロボットの手首に装備されて使用される。
このとき、ガンアーム51の固定アーム52の基端部がロボットの手首に固定される。
【0041】
スポット接合する場合、ワークが加圧受け具54上、もしくは加圧受け具54の上方に配置されるようにスポット接合ガン50をロボットで位置決めし、回転用モータ57で接合ツール55を回転させ、加圧用モータ59でガンアーム51を閉じてワークを挟持して接合する。
【0042】
このように本実施形態のスポット接合ガン50においても、加圧用モータ59が固定アーム52に設けられるので、可動部の重量を大幅に軽減することができ、加圧時の制御能力を容易に向上させることができる。またさらに、本実施形態では、回転用モータ57を固定アーム52の基端部に配置し、回転用モータ57の回転を、動力伝達機構56で伝達するように構成したので、ガン先端部を小型化でき、ワーク形状および接合可能部位への制約が削減される。
【0043】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、被接合物への当接面積の大きい裏当を持ち上げて、被接合物を湾曲面で押圧するので、被接合物が位置ずれした場合であっても、ほぼ一定の押圧力を作用させることができ、被接合物の位置ずれにかかわらず、接合品質を一定に保つことができる。
【0044】
また、被接合物を持ち上げて弾性変形させて押圧するので、裏当の押圧を解除すると、弾性復元力によって、容易に被接合物は接合ツールから離脱することができる。
また本発明によれば、裏当押圧機構によって、裏当側を上昇させて、湾局面で被接合物を押上げることができるので、裏当で被接合物を押上げたときに湾曲する被接合物にほぼ沿った形となる。したがって、裏当を押上げたときに、滑らかに被接合物が湾曲し、被接合物が塑性変形することが防がれる。これによって、被接合物が位置ずれした場合であっても、ほぼ一定の押圧力を作用させることができる。
【0045】
また本発明によれば、回転駆動源は、固定部に固定され、接合時に裏当のみを移動させて加圧する構成となっているので、加圧軸の可動部重量を大幅に軽減することが可能となり、加圧時に制御能力(位置決め精度、加圧力)を容易に向上させることが可能となる。
【0046】
また本発明によれば、回転駆動源を、接合ツールから分離し、ベルト、ギヤなどの伝達手段で回転力を伝達するように構成されるので、接合ツールが設けられるスポット接合装置先端部を小型化でき、被接合物であるワーク形状および接合可能部位への制約が削減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスポット接合装置の構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の一形態であるスポット接合装置10の構成を示す正面図である。
【図3】接合時のスポット接合装置10を示す正面図である。
【図4】本発明の他の実施形態のスポット接合装置30の構成を示す図である。
【図5】スポット接合装置30の接合時の状態を示す図である。
【図6】スポット接合装置40の構成を示す図である。
【図7】スポット接合装置50の構成を示す図である。
【図8】従来のスポット接合装置1を示す図である。
【符号の説明】
10,30,40,50 スポット接合装置
11 接合ヘッド
13 裏当押圧シリンダ
18,46,55 接合ツール
19 裏当
20 裏当押圧機構
Claims (4)
- 裏当と接合ツールとの間に被接合物を重ねて配置し、接合ツールを回転軸線まわりに回転させた状態で、接合ツール先端と裏当とで被接合物を押圧挟持し、接合ツールの回転による摩擦熱で被接合物を軟化、攪拌し、重ねられた2枚の被接合物を接合点でスポット的に接合するスポット接合方法において、
裏当は、被接合物に臨む面が、被接合物に向けて盛り上がり、接合ツール先端に比べて面積が大きな湾曲面として形成され、
接合時に、接合ツールを、回転軸線方向に関して固定的に保持した状態で回転駆動し、裏当を、接合ツールに近接する方向に移動させて被接合物を押圧し、被接合物を弾性変形させることを特徴とするスポット接合方法。 - 裏当と接合ツールとの間に被接合物を重ねて配置し、接合ツールを回転させた状態で、接合ツール先端と裏当とで被接合物を押圧し、接合ツールの回転による摩擦熱で被接合物を軟化、攪拌し、重ねられた2枚の被接合物を接合点でスポット的に接合するスポット接合装置において、
前記裏当は、接合ツールに近接、離反する方向に移動可能に設けられ、被接合物に臨む面が、被接合物に向けて盛り上がり、接合ツール先端に比べて面積が大きな湾曲面として形成され、接合時に、接合ツールを固定的に保持し、裏当を、接合ツールに近接する方向に移動させて被接合物を押圧することを特徴とするスポット接合装置。 - 前記接合ツールを回転自在に保持する固定部と、
裏当を有し、固定部に対して移動可能に設けられる可動部と、
固定部に固定的に保持され、接合ツールを回転駆動する回転駆動源とを有することを特徴とする請求項2記載のスポット接合装置。 - 前記回転駆動源は、接合ツールの回転軸線に垂直な方向に離間して固定部に固定され、
回転駆動源の回転力を接合ツールに伝達する伝達手段を有することを特徴とする請求項3記載のスポット接合装置。
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JPH10156557A (ja) * | 1996-11-27 | 1998-06-16 | Amada Co Ltd | 摩擦溶接装置 |
JP2001314983A (ja) * | 2000-04-28 | 2001-11-13 | Mazda Motor Corp | 接合方法及び接合装置 |
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